Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

2017年

Cotarella Montiano 2017 Lazio IGP

なんだか抽象画のようなラベルデザインで、自分じゃ絶対ジャケ買いしなさそうなワインですが、お正月のカルディのワインくじで当たったんだから仕方ありません(笑)。しかし、調べてみると、2014年にパーカーおじさんが92点をつけ、2015年には93点、2016年にはなんと95点をつけています。残念ながら今日の2017年の評価はわからないのですが、この流れで行くと96~97点はつきそうです。(笑)

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う~ん、ワインは見かけによらないものですね。ウンブリア州オルヴィエト(Orvieto)出身のリカルドとレンツォのコタレッラ兄弟が1979年にラツィオ州モンテフィアスコーネにワイナリーを設立したのが始まり。ウンブリアやラツィオで土着品種や国際品種など幅広いワインを手掛け評価が高まっていったようです。今日のメルローのモノセパージュ、モンティアーノは1993年に生まれています。1999年には故郷ウンブリア州のオルヴィエトの南のモンテッキオに新ワイナリーを構えています。

これがその、おめでたい感じのワインくじ(笑)。1等はドンペリでした。
Montiano01
ドンペリはハズれましたが、2000円出して5000円のワインが出たので、中当たりといったところでしょうか。


公式ページは、効果がいっぱいで少し見にくいですが立派なものです。

ワイン紹介もヴィンテージ毎のデータシートがあって充実しています。
・メルロー 100%
今日のワインは評価も高いですが、最初に載っていてコタレッラの看板ワインのようです。フレンチオーク樽で12ヶ月の熟成です。


ウンブリア州、モンテッキオ(Montecchio)のワイナリー訪問。
Cotarella01
周りの雰囲気もいい感じの所です。ファレスコは創業当初からの名前で、今もファレスコ名のラインナップがあります。


さあ、今日のワインはIGPラツィオなのでラツィオ州を俯瞰して見ます。
Lazio01
しかし、コタレッラがウンブリア州のオルヴィエト出身で、今はウンブリア側にワイナリーを構えていますので、ラツィオ州全体の地図とは微妙な感じになりましたね(笑)。ただし、今日のワインがモンテフィアスコーネ(Montefiascone)とカスティリオーネ・イン・テヴェリーナ(Castiglione In Teverina)の畑からということなので、その場所は示しておきました。例の「Est! Est!! Est!!! di Montefiascone DOC」で有名なあたりですね。


ラベル平面化画像。
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カルディのオーバーシーズが独占でやってるんでしょうかね。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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シンプルですが、一応ヴィンテージは横に打ってあります。

Alc.14.5%。(pH:4.56、Brix:8.0)
濃いガーネット。
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黒ベリーに酸の香り。
チェリー、プラム。
若い木の樽香も感じます。
辛口アタック。
酸はありますが嫌な主張はしませんね。
複雑味をたたえる味は飲み進めるとボリューム感を増します。
タンニンは心地よい収斂性で丁度いいです。
フレッシュ感が続く余韻はかなり楽しめました。

うん、なかなかうまいではありましたが、
パーカーおじさんの95点とまではいかないかな~。


*****


Famiglia Cotarella
Montiano 2017
Lazio IGP
RRWポイント 91点


Greg Norman Estates Pinot Noir Santa Barbara 2017

コストコで売ってるグレッグ・ノーマンです。知る人ぞ知る往年のゴルフの大スターですが、ワイナリーもやっておられるのですね。今は自分はやらないゴルフですが、その昔コブラのグレッグ・ノーマンのアイアンを使っていたのを思い出しました。懐かしい~。(笑)

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グレッグ・ノーマンは「The Shark」の異名で人気を博してましたから、今でもサメがシンボルマークのようです。サメの背ビレがデザインされたお洒落なラベルです。いろいろ手広くビジネスをされていたようですが、1996年にグレッグ・ノーマン・エステーツを設立しワイナリーも始めたということです。面白いのはグレッグ・ノーマン自身がオーストラリア人なので、オーストラリアやニュージーランドのワインもラインナップしているところです。


公式ページはカッコいいですが、ワイナリー自体の情報は貧弱で、所在が不明。

ワイン自体はデータシートでしっかり紹介されています。
・ピノ・ノワール 100%
熟成は一部のみをフレンチオーク樽で、残りはステンレスタンクで12ヶ月です。

ワイナリーを訪問したいんですが、住所不明。裏ラベルにはソノマの Healdsburg となっていましたが、場所は特定できませんでした。


ワインはサンタ・バーバラ・カウンティAVA(Santa Barbara County AVA)ということですが、「水はけのよい砂岩と石灰岩の土壌でノース・キャニオンの涼しいヒルサイドからのブドウ」としかわかりません。(AVA=American Viticultural Area)
Santa-Barbara_AVA
サンタ・バーバラの地図を眺めたところでわからないものはわかりませんね。(笑)

サンタ・バーバラ・カウンティAVAはセントラル・コーストAVAに属します。
CentralCoast_AVA
ネットで拾った地図を貼るだけじゃ、なかなか理解度が上がりませんね。

よ~し、カリフォルニアAVAまとめ地図を作ってカリフォルニアを俯瞰しておきましょう。
California_AVA
ノース・コースト(North Coast)AVA、シエラ・フットヒルズ(Sierra Foothills)AVA、セントラル・ヴァレー(Central Valley)AVA、セントラル・コースト(Central Coast)AVA、サウス・コースト(South Coast)AVAと大まかに5つの広域AVAがあり、それ以下はカウンティ(郡)ベースで細分化されていく感じですね。右側にそれぞれの主要なAVAを挙げています。(全部じゃないです。全AVAは100個以上あって書ききれません。笑)


ラベル平面化画像。
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サンタ・バーバラにピンが立ってますね。(笑)

コストコのシールはこんな具合。
GNorman01


さあ、スクリュー回転。
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Alc.13.9%。(pH:4.57、Brix:7.7)
濃いめルビー。
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ラズベリー、ストロベリー、スミレ。
酸味、甘みはっきり感じるアタック。
味わい自体は弱めで酸と甘さに負けてますね。
各要素は悪くないんですが、少々バランス悪し。
カリフォルニアっぽいっちゃあ、ぽいです。
うまいアメリカのピノはオレゴンで探そうと改めて思いました。(笑)


*****


Greg Norman Estates
Pinot Noir Santa Barbara 2017
RRWポイント 86点


Antichi Vigneti di Cantalupo Agamium Colline Novaresi DOC Nebbiolo 2017

バローロやバルバレスコだけがネッビオーロじゃないと、Gattinara DOCG のスパンナや、Valtellina Superiore DOCG のキアヴェンナスカ、Vallée d’Aoste DOC のピコテンドロなど、あちこちのネッビオーロを試してきましたが、ガッティナーラDOCGのお隣にある、ゲンメDOCG(Ghemme DOCG)を忘れていました。早速お取り寄せしようと探したところ、結構なお値段がしてお高い(笑)。そこでゲンメの畑から作られるものの、熟成期間がDOCGの規定に足りないので「Colline Novaresi DOC」でリリースされるという「なんちゃってゲンメ」を見つけました。これなら懐に優しいです。(笑)

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作り手はアンティキ・ヴィニェティ・ディ・カンタルーポといいます。「アンティキ・ヴィニェティ(Antichi Vigneti)」とは「古代のブドウ園」と言う意味で、オーナーの一族アルルンノ家がブドウ栽培をしていた記録は16世紀初頭までさかのぼるそうです。1969年にゲンメDOC(Ghemme DOC)が出来ると、前オーナーのカルロ・アルルンノさんは、ブドウ園を植え替えて拡張し新しいセラーも建てました。そうして1977年に「Antichi Vigneti di Cantalupo」としてワイナリーを立ち上げます。1981年より醸造学を学んだアルベルト・アルルンノさんが引き継ぎ、この年、最初のゲンメをリリースしています。ゲンメがDOCGに昇格したのはそれから随分後の1997年です。ゲンメ最古参の作り手という訳です。半端ない歴史を感じますね。

公式ページは良くできますが、英語表示がないとか、ワインの説明が貧弱なのが惜しいところ。

インポーター(テラヴェール情報も交えながら…。
・ネッビオーロ(スパンナ) 100%
同じピエモンテ州でもゲンメやガッティナーラなど北の方ではスパンナ(Spanna)と呼ばれています。ゲンメの自社畑の若木からだそうで、ステンレスタンクで12ヶ月の熟成後、900Lと3,000Lのスラヴォニア大樽に移して12ヶ月熟成をしています。これでもゲンメDOCGの規定に足りないということですから、その規定を見てみます。

ゲンメDOCG(Ghemme DOCG)
・スパンナを85%以上使うこと。(ブレンドされるのは、Uva Rara、Vespolina。)
・樽18ヶ月、ボトル6ヶ月を含む合計34ヶ月の熟成。
・リゼルヴァ(Riserva) は、樽24ヶ月、ボトル6ヶ月を含む合計46ヶ月。

相当長い熟成ですね。バローロも結構長いんですが、いい勝負です。
・バローロ:樽18ヶ月含む合計38ヶ月。
・同リゼルヴァ:樽18ヶ月含む合計62ヶ月。

因みにバルバレスコは短め。
・バルバレスコ:樽9ヶ月含む合計26ヶ月。
・同リゼルヴァ:樽9ヶ月含む合計50ヶ月。

今日のワインのコッリーネ・ノヴァレージ DOC(Colline Novaresi DOC)だと、ゲンメを含むさらに広域が対象になり、85%以上で「ネッビオーロ」の品種が表示できます。熟成の規定もありません。
実は今日のワイン名のアガミウム(Agamium)は「ゲンメ」の古い呼び名だそうで、それとなく「ゲンメ」なんだってことを主張しているようです。(笑)


ゲンメの町の外れにある作り手訪問。
Cantalupo01
裏山は畑っぽいですね。


ピエモンテ州北部のDOC/DOCGを調べてたら、その公式ページというのを発見。

北部地域をまとめて「Alto Piemonte」と呼んでます。うまいこと言いますね。

わかりやすい地図も載っていたので、拝借して加工してみました。
Cantalupo02
セージア川(Fiume Sesia)を挟んでゲンメとガッティナーラが向かい合ってます。それぞれ広域の Colline Novaresi DOC と Coste della Sesia DOC に含まれる関係です。その他DOCも含め書き出してみます。

Colline Novaresi DOC(赤・白・ロゼ、赤はネッビオーロ:50%以上)
 ・Ghemme DOCG(ネッビオーロ:85%以上、樽熟18ヶ月の規定あり。)
 ・Boca DOC(ネッビオーロ:70~90%、樽熟18ヶ月の規定あり。)
 ・Sizzano DOC(ネッビオーロ:50~70%、樽熟16ヶ月の規定あり。)
 ・Fara DOC(ネッビオーロ:50~70%、樽熟12ヶ月の規定あり。)

Coste della Sesia DOC(赤・白・ロゼ、赤はネッビオーロ:50%以上)
 ・Gattinara DOCG(ネッビオーロ:90%以上、樽熟24ヶ月の規定あり。)
 ・Bramaterra DOC(ネッビオーロ:50~80%、樽熟18ヶ月の規定あり。)
 ・Lessona DOC(ネッビオーロ:85%以上、樽熟12ヶ月の規定あり。)

おおっ、北ピエモンテってスパンナ(ネッビオーロ)王国だったんですね。またまたネッビオーロの課題が増えたような気がします。(笑)

ピエモンテ州北部って、実はロンバルディア州のミラノにすごく近いです。
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特にミラノのマルペンサ国際空港が目と鼻の先にあります。この空港、イタリア北部の玄関口ですが、ここからだとミラノ市街よりゲンメの方が近い。(笑)


ラベル平面化画像。
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裏ラベルに、Sesia Val Grande UNESCO Global Geopark(セージア・ヴァル・グランデ・ユネスコ世界ジオパーク)とあります。そこの土地からのブドウってことでしょうか。因みにセージア渓谷は2013年にユネスコ世界ジオパークに認定されています。

インポーターシールはこれ。
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スペースがあるのになぜオリジナルに被せるかな~。


さあ、抜栓。
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犬か狼かわかりませんが、シンボルマーク入り。

コルク平面化。
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コルクにも同じマーク。DIAM5採用です。

Alc.13.5%。(pH:4.43、Brix:7.1)
エッジがかすかにオレンジのガーネット。
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ラズベリー、カシス、紅茶。
辛口アタック。
甘やかな酸がかすかに乗ってはいます。
軽めながらタンニンも効いてますね。
味にちゃんと厚みを感じ悪くないです。
喉越し、余韻といいバランスが続きますが、
最初の甘やかな酸は結構最後まで残ります。

ネッビオーロの新しいパターンとして楽しめました。
でも、やっぱり本物のゲンメをいただく必要がありますね。(笑)


*****


Antichi Vigneti di Cantalupo
Agamium
Colline Novaresi DOC Nebbiolo 2017
RRWポイント 89点


Martilde Zaffo Provincia di Pavia IGT Croatina 2017

ロンバルディア州、パヴィーア(Pavia)県に広がるDOC、オルトレポ・パヴェーゼ(Oltrepò Pavese DOC)。そこのローカル品種クロアティーナ(Croatina)100%というワインをお取り寄せ。「ワインをお勉強だけに終わらせずにちゃんと飲んでみよう」運動の一環です(笑)。ネットのショップの説明では「オルトレポ・パヴェーゼのボルナダ100%(=現地のクロアティーナのシノニム)」となっていたのに、届いたワインのラベルを見ると「Provincia di Pavia IGT」となってます。「看板に偽りあり」ですが、何か事情があったのでしょうか? まあ、クロアティーナ100%は間違いないようですからお試ししながら調べます。

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ライモンドさんとアントネッラさんのロンバルディ夫妻がミラノでのIT系の仕事(IBMらしい)を脱サラして、もっと自然や動物たちと触れ合いたいと、1991年にロヴェスカーラ(Rovescala)というパヴィーア県の田舎町に移り住みワイナリーを始めたのが今日の作り手です。一からワイン作りを学び、ローカル品種を大事にしながら日々楽しくやっておられるようです。

公式ページは「私たちは動物が大好きです」から始まり、ワイン紹介の前に動物紹介あり(笑)。

全ラインアップのラベルはアントネッラさんの動物のイラストです。猫、犬、馬、鳥など描かれており、なかなかの画才とお見受けします。今日のワインは樽熟成のトップラインで、ザッフォ(Zaffo)という馬の名前がつけられています。18年一緒にいた馬だそうで、今は天国にいるそうです。(合掌)
・クロアティーナ 100%
インポーターの情報では。フレンチオークの大樽(2,500L)で2年以上熟成されるそうです。

で、このワインが、オルトレポ・パヴェーゼ(Oltrepò Pavese DOC)ではなくて、Provincia di Pavia IGT(Provincia di Pavia=パヴィーア県)であるわけを探ってみました。ネットで昔の情報を探してみると、Oltrepò Pavese DOC Bonarda (Bonarda=Croatinaのシノニム)として出していたこともあるようです。

オルトレポ・パヴェーゼDOC(Oltrepò Pavese DOC)の変遷から紐解いてみるとします。

Oltrepò Pavese DOC(赤・白・ロゼ・泡・甘口)1970年DOC認定。
Oltrepò Pavese Metodo Classico DOCG(ピノ・ノワールの泡)2007年DOCG化。
・2010年、以下が Oltrepò Pavese DOC から独立、単独DOC化。
 → Oltrepò Pavese Pinot Grigio DOC(ピノ・グリージョ:85%以上)
 → Pinot Nero dell’Oltrepò Pavese DOC(ピノ・ノワール:95%以上)
 → Bonarda dell’Oltrepò Pavese DOC(クロアティーナ:85%以上)
 → Buttafuoco dell’Oltrepò Pavese / Buttafuoco DOC
   (バルベーラ:25~65%、クロアティーナ:25~65%)
 → Sangue di Giuda dell’Oltrepò Pavese / Sangue di Giuda DOC
   (バルベーラ:25~65%、クロアティーナ:25~65%、泡と甘口)

Bonarda dell’Oltrepò Pavese DOC が独立したせいか、Oltrepò Pavese DOC の赤はクロアティーナ:25~65%となり、「Croatina」の品種表示も認められていません。Provincia di Pavia IGT ですと、国際品種含め何でもあり状態で、クロアティーナは85%以上で品種表示できます。
クロアティーナを表示したかったとすると、何となく Provincia di Pavia IGT になった理由はわかるような気がします。
しかし、クロアティーナ100%なので、Bonarda dell’Oltrepò Pavese DOC としてもいいわけで、IGT(Indicazione Geografica Tipica=IGP:Indicazione Geografica Protetta)を敢えて選んだ理由がはっきりしませんね。


これがクロアティーナ(Croatina)。地元ではボナルダ(Bonarda)というブドウです。
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ここでボナルダなんて呼ぶもんですから混同するんですが、ピエモンテ州の補助品種「Bonarda Piemontese」とは全く別品種です。また、クロアティーナという名前の意味は「クロアチアの」なんですが、原産はイタリアです。クロアチアにはクロアチア原産の「Hrvatica」(クロヴァティツァと発音するようです。)という品種があり、これも関係を疑われましたが1999年のDNA分析で否定されています。


作り手訪問。小高い丘の上でたくさんの動物たちと暮らしているようです。
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ロゴマークに猫が2匹いますが、マルティーナ(MARtina)ちゃんとマティルデ(maTILDE)ちゃんだそうで、この2匹の名前を合わせてワイナリー名「MARTILDE」にしています。どんだけ動物好きやねん!(笑)


さあ、恒例のGoogle Mapでロンバルディア州を俯瞰して見ます。
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主要DOC/DOCGは左上にインポーズした地図と照らし合わせてください。今日の作り手の所在も書き込んでいます。パヴィーア県ですが、エミリア・ロマーニャ州との州境近くですね。銘醸地は、山間(Valtellina Superiore DOCG)や、山際(Franciacorta DOCGなど)、そしてポー川流域(Oltrepò Pavese DOCなど)という分布と考えればよさそうです。


ラベル平面化画像。
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作り手が可愛がっていた馬のザッフォ君のイラストということを知ると何となく感慨深いです。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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ロゴマーク入り。DIAM10採用です。長熟タイプなのが伺えます。

Alc.15%。(pH:4.24、Brix:8.3)
濃い黒いインキーなガーネット。
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カシス、あんず、アセロラ。
シンナー系の揮発油のような感じも。
酸味乗った辛口アタックです。
収斂性のきぶさを感じるタンニンも最初から特徴的です。
味の厚みはあるんですが、
渋味と酸がマスクしてなかなかたどり着けない(笑)。
こうして喉元を刺激されながら突入する余韻も、
表層はガッツリ収斂性が尾を引きます。

色と言い、とってもパワフルでパンチがある品種ですね。
あっさりより、これぐらいパンチがある方が好きです。
2日目は少々こなれて、おいしくいただけました。


*****


Azienda Agricola Martilde
Zaffo
Provincia di Pavia IGT
Croatina 2017
RRWポイント 87点


Rejadorada Tinto Roble 2017 Toro

リカマンでセールになっていたので買っておいたものですが、スペインはDOトロのテンプラニージョです。「Roble」とあるのでオーク樽熟成をしてるはず。見かけはなかなかいい雰囲気なんですが、裏ラベルに「添加物:安定剤(アラビアガム)」の表示を発見…。

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レハドラダというこの作り手、1999年にトロの町中にあるレハ・ドラダ宮殿(Palacio de Reja Dorada)と呼ばれるところで始まったそうです。2003年にはトロ郊外に移転し近代的な設備のワイナリーになっていますが、名前はその始まりの場所にちなみレハ・ドラダ(金色の格子)としています。その昔、トロの町を守って命を落としたアントナ・ガルシアという女性の英雄がいたそうで、イサベル女王(イサベル1世)は彼女の功績を称え、彼女が処刑されたところの格子を金メッキするように命じたのが、レハ・ドラダ(金色の格子)の謂れだそうです。

公式ページは今風のいい感じなやつです。内容は充実、データシートもしっかり完備。

ラインアップはシンプルで、全部で6種類。今日のこれはやはりエントリーレンジのようです。
・テンプラニージョ 100%
テンプラニージョはここトロでは「Tinta de Toro」というシノニムで呼ばれます。樽熟はアメリカンオークとフレンチオークの併用で6ヶ月だそうです。

で、裏ラベルの表示にあった添加物の安定剤(アラビアガム)というのがこれです。
Bouchard02
アカシア属アラビアゴムノキの樹皮から採る樹脂で、「アラビアガム」の代わりに「アカシア」と表示されることもあります。自然由来ですし、禁止されているわけでもなく、乳化剤や安定剤として広く使われているもののようです。例えば、アイスクリームやガムシロップ。あと、清涼飲料水の類、特にコーラはこれなしには成分が均一に混ざらないそうです。まさに安定剤なわけですね。
ただし、たいていのワインはこんなもの入れずに作っているわけで、やはりローレンジのワインはこういうものの力を借りて、それなりの味わいを作為的に作り出そうとして入れるもんなんでしょうね。あまり気にしたくはないですが、何となく微妙な気分になります(笑)。


作り手訪問。トロの町からドゥエロ川沿いに西に車で15分ほどいったところです。
Rejadorada01
1999年の創業の場所、トロの町の中にあるレハドラダ宮殿(Palacio de Reja Dorada)と呼ばれる建物は今はホテルになっているようです。

このあたりは、今日のワインがそうであるようにDOトロ(DO Toro)になります。
Haza03
このネットで拾ったカスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)の DO地図で、ドゥエロ川周辺の他のDOの位置関係含めよくわかるんではありますが、やはりGoogle Map上でも見たくなりますね。

はい、それがこれです。今日の作り手レハドラダの位置も書き込みました。
Rejadorada02
DOトロの域内でドゥエロ川も近くいい感じの場所にありますね。このあたりもキーは川(ドゥエロ川)なので色を塗って目立たせました。下流でポルトガル語のドウロ川に名を変え大西洋に注ぎ込んでいます。有名なDOリベラ・デル・ドゥエロ(DO Ribera del Duero)はDOトロよりかなり上流です。


ラベル平面化画像。
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やはり、レハ・ドラダ(金色の格子)がシンボルマークです。裏側にはDOトロの認証シールもあります。よく見るとこのマーク、牛を描いてあるようですね。トロ(Toro)はスペイン語で雄牛の意味です。


さあ、抜栓。
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キャップシール、コルク、シンボルマーク入りです。

コルク平面化。
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DIAM3でした。

Alc.14.5%。(pH:4.56、Brix:8.0)
濃い濃いガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー、リコリス。
辛口アタック。
厚みのある味ですよ。
ビロードのようなテクスチャーも感じます。
スモーキーさはアメリカンオーク樽由来でしょうか。
このまとまりのよさは…アラビアガムの効果?(笑)
酸はかすかでフレッシュネスを与えてます。
タンニンもいい具合に喉元をくすぐりますな~。
余韻もいいバランス続きます。

もう少し寝かせても良さそうな印象もあります。しかし、
これらのいい感じがアラビアガム効果だとしたら…微妙だな~。(笑)


*****


Bodega Rejadorada
Tinto Roble 2017
D.O. Toro
RRWポイント 93点


Domaine Berthaut-Gerbet Fixin Les Clos 2017

フィサン(Fixin)に18世紀後半から続くというドメーヌ・ベルトー・ジェルベです。正確にはフィサンのドメーヌ・ベルトー(Domaine Berthaut)が2013年にヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・フランソワ・ジェルベ(Domaine François Gerbet)の一部畑を引き継いでドメーヌ・ベルトー・ジェルベ(Domaine Berthaut - Gerbet)となっています。なにやらややこしそうですが、そこのフィサン村名「Les Clos」をいただきながら紐解いていきたいと思います。

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ドメーヌ・ベルトー・ジェルベとなってから評価も高まってるようですが、その立役者は、父ドニ・ベルトー(Denis Berthaut)さん、母マリー・アンドレ・シャンタル・ジェルベ(Marie-Andrée Chantal Gerbet)さんの娘、アメリー・ベルトー(Amélie Berthaut)さんです。
父がフィサンのドメーヌ・ベルトーの当主、母がヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・フランソワ・ジェルベの当主というわけですが、ボルドー大学でワイン醸造学を学び、名だたるドメーヌで修行をした後、2013年に父のドメーヌを継ぎ、母方の名字を加えた「ドメーヌ・ベルトー・ジェルベ」に名称変更しました。この時、ヴォーヌ・ロマネの1級畑やエシェゾー特級畑を含む母のドメーヌの畑を一部もらっているため、ラインアップは大幅に拡充されたというわけです。

公式ページはこじんまりした感じですが内容は充実しています。

エチケットから各ワインの説明ページに入れるんですが、そこの情報は少々貧弱でした。
・ピノ・ノワール 100%
フィサンの「Les Clos」という村名畑ですが、1級畑と標高が同じ粘土石灰土壌で樹齢が10~80年…くらいしか書いていません。 インポーターの情報ですが、100%除梗、新樽率20%のオーク樽で12ヶ月の熟成のようです。


ドメーヌ訪問します。フィサンの集落の真ん中です。
Berthaut01
門に「Vincent et Denis」とありますが、ヴァンサンさんとドニさん(アメリーさんの御父上)はご兄弟です。

先々代のギー(Guy)さんの時代に向かいの建物も買ったそうで、これがそれ。
Berthaut02
その頃も、メタヤージュ(Métayage・折半耕作)でジュヴレ・シャンベルタン(1級・村名)の畑を獲得、ビジネスを拡張していったそうです。

公式ページに所有畑の区画を示した地図がありました。よくわかるので拝借。
Berthaut04
コート・ド・ニュイの特級、1級、村名畑の分布がよくわかります。母から引き継いだのが、ヴォーヌ・ロマネやエシェゾーですね。ヴォーヌ・ロマネは1級ながらクロ・パラントゥーのすぐ横。1万2千円くらいみたいです。買おうかな~(笑)。

いやいや、まずは今日のフィサン村名です。いつもお世話になってる地図で場所確認。
Berthaut03
「Les Clos」ありましたね。山手の方で1級畑と高さが同じってこういうことですね。地図にあるようにフィサン村名畑は「Côte de Nuits Villages」も名乗れます。しかし、最近はフィサンの名前も売れてきたので、フィサン名の方が売れるんではないでしょうか。

やっぱりですが、Google Map上で見てみますよ。
Berthaut00
ブルゴーニュ・ツアーではフィサンの集落を貫くグラン・クリュ街道をミニバンで爆走しました。今日のドメーヌのすぐ近くを通っていたんですね。懐かしい…。

今日の畑、レ・クロ(Les Clos)に行ってみますよ。
Berthaut05
うん、なかなかいい感じ。この風景をつまみに今日のワインもおいしくいただけそうです(笑)。


エチケット平面化画像。
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しかし、イラストのこのおっさんは誰でしょう?

裏ラベルはなく、このインポーターシールのみ。
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さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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畑名まで入った専用品。ミレジムも定位置に入っていて完璧です。

Alc.13%。(pH:4.24、Brix:6.4)
しっかり色づいたルビー。
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フランボワーズ、チェリー。
こなれた樽香か、軽めの滋味香感じます。
辛口アタック。
酸はしっかりあるんですが控えめなポジションに居ます。
複雑味、奥行きも感じ、全体としていいバランスです。
酸は余韻で主張を始め、最後まで存在感を出しますね。
もう数年寝かしたいところでした。
しかし、レベルはなかなか高いとお見受けしました。


*****


Domaine Berthaut-Gerbet
Fixin Les Clos 2017
RRWポイント 92点


MontGras Antu Pinot Noir 2017 DO Valle de Leyda

チリですが、ちょっと上等そうなピノ・ノワールを発見しました。作り手はモングラス(MontGras)。アメリカにいた頃は、モングラスのカルメネールや、4種ブレンドの「クワトロ」なんていうワインがあちこちに売っていたのでよく飲んでいましたが、日本ではあまり見かけませんね。なかなかおいしいワインを造るところという印象なので楽しみです。

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モングラスは1993年にコルチャグア・ヴァレーで始まりました。エルナンとエドゥアルドのグラス兄弟が創設者&現オーナーです。コルチャグアにとどまることなくマイポ・ヴァレー(Alto Maipo)やレイダ・ヴァレー(Leyda Valley、San Antonio Valley)にも進出して成長目覚ましいようです。今日のピノ・ノワールはそのレイダ・ヴァレーからですね。

公式ページは今風のいい感じです。データシートも豊富に準備されています。

「Ninquén」というカベソーのフラッグシップがあり、その下がこの「Antu」というシリーズになっています。「Antu」とは原住民の言葉(マプチェ語)で「太陽」の意味だそうで。
・ピノ・ノワール 100%
レイダのピノ・ノワールなので、載っていた「Limited」というやつと基本同じだと思うのですが、今日のは Limited と書いておらず、ワインメーカーのサインも違っています。公式に載ってないワインもあるのかもですが、同じだとすれば、228Lと500Lのフレンチオーク樽で12ヶ月の熟成だそうです。


モングラスはコルチャグア・ヴァレー、パルミージャ(Palmilla)近くにあります。
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残念ながらストビューで近寄れず、上空写真でお茶を濁します。コルチャグアの主要河川ティンギリリカ川(Río Tinguiririca)が近くを流れています。おっと、「コルチャグア」って地名がありますね。ショボすぎて町でさえなさそうですが、まさかここからコルチャグア・ヴァレーと名付けたんでしょうか。

ラペル・ヴァレー(コルチャグア+カチャポアル)のリベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)を俯瞰してモングラスの場所を確認。
MontGras02
モングラスはコルチャグアに畑を3ヶ所所有。サン・ホセ(900ha)、ニンケン(100ha)、プマンケ(2007年取得)です。カベソー、カルメネール、メルロー、シラーなんかはこの辺りからです。

今日のピノ・ノワールは少し離れた、サン・アントニオ・ヴァレーのサブリージョンになるレイダ・ヴァレー(Valle de Leyda)からになります。地図で示すとここ。バルパライソ州です。
MontGras03
アマラル(Viña Amaral)と呼んでるそうです。海岸から12kmしか離れておらず、いわゆる「コスタ(Costa)」に分類される海洋性の気候です。フンボルト海流の影響を受け冷涼な気候となり、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、そしてピノ・ノワールにうってつけだそうです。

Google Mapで大体の場所がわかったのでズームインしてみます。
MontGras01
ここに650haもの畑を開いているそうです。マイポ川の河畔で良さげな立地です。実際、標高や日照からくる影響のみならず、マイポ川流域の沖積堆積物、海洋堆積物からの石灰質、沿岸山脈に由来する花崗岩など、ありとあらゆる要素が絡み合い複雑なミクロクリマを形成しています。チリのテロワール、あなどるなかれですよね。


ラベル平面化画像。
IMG_4736
インポーターのヴァンパッションのサイトでは新生ドメーヌ 「ドメーヌ・デ・グラス」と紹介されています。そんなに新しくもない「モングラス」なんですけどね。


さあ、抜栓。
IMG_4979
キャップシールの太陽(?)マークはモングラスのシンボルのようですね。

コルク平面化。
IMG_4980
あまりたいしたことなかったですね。

Alc.14%。(pH:4.38、Brix:7.5)
しっかり色づいてる濃いめルビー。細かいながらキレのいい涙も。
IMG_4981

ラズベリー、チェリー、あんず。
茎っぽくもあり、熟成感のある複雑な香り。
辛口アタック。
穏やかないい酸に乗ってたどり着く味は、
ふくらみのあるなかなかな滋味です。
かすかな苦味様のタンニンがさらに立体感を与え、
余韻も最後まで楽しませてくれます。

何気にブルゴーニュ含め他国のバリ旨ピノと張り合えるうまさです。
チリのピノのポテンシャルを見た気がします。


*****

MontGras
Antu Pinot Noir 2017
DO Valle de Leyda
RRWポイント 94点


Famille Perrin Vinsobres Les Cornuds 2017

南部ローヌではジゴンダスはじめ、ヴァケラスラストーケランヌなど、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(AOC Côtes-du-Rhône Villages)からの昇格組は試してきていますが、ヴァンソブル(Vinsobres)というのはまだでした。南部ローヌの盟主ファミーユ・ペランのヴァンソブルを発見しましたのでお試しといきましょ。

IMG_4977
ファミーユ・ペランは南部ローヌに5代続く名前の通りの家族経営の作り手です。シャトー・ド・ボーカステルを所有してることでも知られていますね。南部ローヌの主要な産地に計300haの畑を持ち、上等なやつからお手頃なものまで幅広くラインアップしてくれてるのがありがたいです。また、カリフォルニア(パソ・ロブレス)でもタブラス・クリークを展開しています。実に手広い。


公式ページは多岐にわたるラインナップがうまくまとめられています。

今日のヴァンソブルも「Les Crus」のシリーズの中にあります。ミレジム毎にデータがあり、残念ながら2013年以降更新がないようですが、ダウンロードできるデータシートが2018年でした。ここだけ更新しているのね。(笑)
また、ローヌあるあるですが、セパージュの%が書かれていませんのでネット情報から。
・グルナッシュ 50%
・シラー 50%
AOCヴァンソブルの規定では、グルナッシュ50%以上、シラー、ムールヴェードルを合わせて25%以上となっていますので、今日のはシラー最大限配合って感じですね。シラーがポイントなのか、シラーだけ木製のタンクで醸され、グルナッシュはステンレスタンクです。MLFが終了後にブレンドされ6ヶ月熟成されます。


作り手訪問。ファミーユ・ペランはオランジュ(Orange)郊外にあります。ストリートビューではこの門から先に行けませんので、こんな写真で失礼します。Perrin01
本体はシャトー・ド・ボーカステルにあるようですが、ファミーユ・ペランのテイスティングルームやセラーはここのようです。

南部ローヌをGoogle Map上で俯瞰して位置関係を確認します。
Rhone_Sud_Meridional_V
ファミーユ・ペランは黄色四角で示しました。ヴァンソブルは他のAOCからは少し離れていますね。記号で示していますが、ヴァンソブルVinsobres)は赤のみのAOCです。(2006年昇格。公式ページ

ラストー(Rasteau)やボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes de Venise)も赤のみの表示になっていますが、これらは元々、酒精強化ワインの一種であるヴァン・ドゥ・ナチュレルVDNVin Doux Naturel)と呼ばれる天然甘口ワインがベースにあるAOCのため注意が必要です。

ボーム・ド・ヴニーズBeaumes de Venise)のVDNは、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ(Muscat de Beaumes de Venise)という名で1945年からのAOCです。赤のボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes de Venise)が単独のAOCとなったのが2005年とずっと後です。それまでは赤を出してもAOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(AOC Côtes-du-Rhône Villages)だったわけです。

ラストーRasteau)は、1944年からVDNのAOCとしてAOCラストーが存在しています。赤はAOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ラストー(AOC Côtes-du-Rhône Villages Rasteau)だったものが2010年に単独AOCラストーに昇格しました。ここは同じAOCラストーの名前なので要注意。

少々脱線しましたが、ヴァンソブルにズームインです。
Perrin02
ヴォークリューズ県(Vaucluse)に挟まれたドローム県(Drôme)にあります。今日のワイン名が「レ・コルニュ(Les Cornuds)」なので探してみたら小さな集落がありました。このあたりの畑からなんでしょうね。


INAOの地図で AOC Côtes du Rhône Côtes du Rhône Villages の範囲の違いを確認。
Bouchene03
AOCコート・デュ・ローヌ(左地図)は、北部ローヌ(Vallée du Rhône Nord / Septentrional)まで包含していることがわかりますが、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(右地図)は南部ローヌ(Vallée du Rhône Sud / Méridional)にしかないことがわかります。地図にある95のコミューンが該当するそうです。

前から何度か使っているこの地図で AOC Côtes du Rhône Villages 関連をおさらいします。
Rhone_Sud_B
AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ対象の95のコミューンの内、25のコミューンは16のエリアに分かれ「Villages」のあとに地名を名乗ることができます。その16の地名がこの地図の右側に書いてあります。この地図では18ありますが、2010年単独AOC昇格のラストー(Rasteau)と2016年昇格のケランヌ(Cairannne)が抜けて現在は16となっています。列記しましょう。(うそです。22あります。詳細

・Côtes-du-Rhône-Villages Chusclan
・Côtes-du-Rhône-Villages Laudun
・Côtes-du-Rhône-Villages Massif-d'Uchaux
・Côtes-du-Rhône-Villages Plan-de-Dieu
・Côtes-du-Rhône-Villages Puyméras
・Côtes-du-Rhône-Villages Roaix
・Côtes-du-Rhône-Villages Rochegude
・Côtes-du-Rhône-Villages Rousset-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Sablet
・Côtes-du-Rhône-Villages Séguret
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Gervais
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Maurice sur Eygues
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Pantaléon-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Signargues
・Côtes-du-Rhône-Villages Valréas
・Côtes-du-Rhône-Villages Visan

以上、16あります。ああ、しんど。将来、またこの中から単独AOCに昇格していくんでしょうかね。また、Côtes du Ventoux、Côtes du Luberonが、2009年にそれぞれAOC Ventoux、AOC Luberonに改称され、2010年には Coteaux du Tricastin も Grignan-les-Adhémar に改称されているのもついでにチェックです。

最後に「AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュいち抜けた組」を時系列でまとめます。

1971年 AOC ジゴンダス(AOC Gigondas)
1990年 AOC ヴァケラス(AOC Vacqueyras)← Côtes-du-Rhône-Villages Vacqueyras
2005年 AOC ボーム・ド・ヴニーズ(AOC Beaumes de Venise)
2006年 AOC ヴァンソブル(AOC Vinsobres)
2010年 AOC ラストー(AOC Rasteau)← Côtes-du-Rhône-Villages Rasteau
2016年 AOC ケランヌ(AOC Cairanne)← Côtes-du-Rhône-Villages Cairanne


エチケット平面化画像。
IMG_4744
ネックのミレジムのシールは平面化が大変です。


さあ、抜栓。
IMG_4974
コルクは「Famille Perrin」2回繰り返しだけなので平面化は割愛。

Alc.14.5%。(pH:4.37、Brix:8.0)
濃いガーネット。
IMG_4975

黒ベリー、チェリー、コショウ、シダ。
旨味感じる辛口アタック。
複雑味、コク、いいですね。うまいローヌ感むんむん。
フレッシュさを表現する柔らかな酸も隠し味で効いてます。
タンニンは感じないほどで、淡く薄くふわっと広がります。
余韻はさすがに軽めながら、じんわり楽しめました。

ヴァンソブル、いいじゃないですか。
ヴィラージュ昇格組はどこもおいしいという法則できました。


*****

Famille Perrin
Vinsobres Les Cornuds 2017
RRWポイント 94点


Velenosi Brecciarolo 2017 Rosso Piceno Superiore DOC

ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ DOC(Rosso Piceno Superiore DOC)。マルケ州のモンテプルチアーノ主体の赤のDOCです。アブルッツォ州モリーゼ州のモンテプルチアーノはよく飲んでますが(サイゼリアのワインがモリーゼのモンテプルチアーノです。笑)、マルケ州のものは初めてなので楽しみですね。ここはサンジョヴェーゼをブレンドするようです。

IMG_4948
作り手は、ロッソ・ピチェーノ DOC の中心地であるアスコリ・ピチェーノ(Ascoli Piceno)にある1984年創業の家族経営の「ヴェレノージ」です。パーカーおじさんやヒュー・ジョンソンさんも記事で触れ高評価をしている生産者のようです。
ヴェレノージ(Velenosi)はオーナー家の苗字なんですが、Veleno はイタリア語で「毒」の意味で、形容詞が Velenoso(有毒な)であり、「ヴェレノージ」は結局「有毒な人たち」という意味になってしまいます。(笑)

公式ページはトップページが全面動画で圧倒されます。少々使いにくいですが情報は十分。

ここの畑は一部アブルッツォ州にもまたがっており、多様なワインを作っているようです。
・モンテプルチアーノ 70%
・サンジョヴェーゼ 30%
というのが今日のワインのセパージュです。Rosso Piceno DOC の規定では、モンテプルチアーノは35~85%となっており、100%にはできません。また、サンジョヴェーゼは15~50%と、必ず15%は混ぜないといけないことになってます。
熟成は、新樽を使う上級キュヴェの1年落ちのバリックで18ヶ月間です。上級キュヴェとは、ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ DOC(Rosso Piceno Superiore DOC)の「Roggio del Filare」とオッフィダ DOCG(Offida DOCG)の「Ludi」というワインです。

モンテプルチアーノについて若干触れておきます。当然イタリア原産。
Zaccagnini00
よく混同するのが、Vino Nobile di Montepulciano DOCG ですが、これはトスカーナのDOCGで、まさに Montepulciano という町(トスカーナ州シエナ県)のDOCGです。しかし、このDOCGはサンジョヴェーゼ(=Prugnolo Gentile)で作らないといけません。モンテプルチアーノ種はこの町の名前から来てるんですが、おかしな関係ですね。
ところで、ヴェレノージの公式ページにあった、自社で使ってるブドウ品種の解説ページがなかなかすごいです。白6品種、黒6品種、計12品種について独自の解説をしています。是非ご覧あれ。


作り手訪問。アスコリ・ピチェーノ(Ascoli Piceno)の市街のすぐ東側ですね。
Velenosi01
ブレッチャローロ(Brecciarolo)という地区で、今日のワインの名前になっています。きっとこの周辺の畑からなんでしょうね。

さあ、マルケ州をGoogle Mapで俯瞰して、今日の作り手の位置関係を見ましょう。
Marche_Italy
アスコリ・ピチェーノの町は州の南端で、アブルッツォ州との州境も近いです。Rosso Piceno DOC の範囲も示していますが州の大半をカバーするかなりの広範囲です。ただし、今日のワインの Superiore(Rosso Piceno Superiore DOC)はサブゾーンになり、アスコリ・ピチェーノの町周辺のみ(地図にも示してます)となります。また、スペリオーレを名乗るには最低1年間の熟成が必要になります。今日のワインは18ヶ月なので軽々クリアしてますね。
ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ DOC(Rosso Piceno Superiore DOC)の範囲なんですが、ほぼオッフィダ DOCG(Offida DOCG)と重なってます。オッフィダ DOCG は、モンテプルチアーノ主体(85%以上)の赤と、パッセリーナ(Passerina)、ペコリーノ(Pecorino)の白から成るDOCGで、同じようなDOC/DOCGが同一地域にあるという、イタリアらしいカオスを見せていますね。(笑)
ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ DOC は1968年からの歴史あるDOCですが、オッフィダ DOCG は2001年にDOCが出来、2011年にDOCGに昇格しています。なんか抜かされちゃった感がありますね。ちなみに今日の作り手は両方のワインをラインアップしています。かしこい?
おまけで言うと、オッフィダ DOCG が出来たとき、元々のオッフィダ DOC にあったスパークリングと甘口白は、テッレ・ディ・オッフィダ DOC(Terre di Offida DOC)に名称変更になってDOCのまま残っています。 

実は、アスコリ・ピチェーノの町は歴史地区の美しい町並みで有名な観光地です。
Velenosi02
このポポロ広場が特に有名で、世界一美しいと言われるヴェネチアのサンマルコ広場ともよく比較されるそうです。行ってみたいですね~。そしてそこでロッソ・ピチェーノのワインをいただく…。


ラベル平面化画像。
IMG_4617
ウサギがいていい感じです。が、公式ページを見るとウサギがいない新しいデザインに変わってるようです。残念です。


さあ、抜栓。
IMG_4943

コルク平面化。
IMG_4945
3回も繰り返しているこのイラスト、なんでしょうね? ポポロ広場?
コルクはDIAM5を採用ですね。

Alc.13.5%。(pH:4.58、Brix:8.0)
 濃いガーネット。
IMG_4946

カシス、プラム、チェリー。
辛口アタック。
かすかな酸は、平坦な風味に複雑味を与えています。
が、やっぱり奥行きは弱い感じがしますね。
モンテプルチアーノの個性という気もしますし、
しかし、ただのモンテプルチアーノのよりは上にも感じます。

サンジョヴェーゼも効いているかもしれませんね。
バランスはよく、楽しめるいいモンテプルチアーノということで。


*****

Velenosi
Rosso Piceno Superiore DOC
Brecciarolo 2017
RRWポイント 89点


Domaine Philippe Charlopin Bourgogne Côte d’Or 2017 Cuvée Prestige

ブルゴーニュを代表する生産者のひとつであるドメーヌ・フィリップ・シャルロパン・パリゾ(Domaine Philippe Charlopin-Parizot)であります。ジュヴレ・シャンベルタンが本拠地ですが、8つのグラン・クリュ、35のアペラシオンのワインを作る名門ドメーヌ。過去、村名はいくつか試してますが、今日は「AOC Bourgogne Côte d’Or」をいただきます。これは2017年に新しく認められたAOCで、ただの広域と侮るなかれというやつでしたね。シャルロパンは早速2017年ヴィンテージからこの「~コートドール」に名称変更しています。

IMG_4892
1977年に家業の畑たった1.5haから始めたフィリップ・シャルロパンは、かのアンリ・ジャイエから指導を受けた一人ですが、そのお陰なのか今では珠玉のグラン・クリュ含む25haに大発展し高評価を得ています。そう言えば店頭でシャルロパンのシャブリも見かけましたね。手広い。

公式ページは正直古くさいデザイン。情報も決して多くないですが、あるだけマシですね。

ワインごとの情報がないのでネットで探ります。
・ピノ・ノワール 100%
新樽率10%で10~14ヶ月という情報がありました。また、畑は、ジュヴレ・シャンベルタン村、マルサネ村、そしてわずかにクーシェ村に広がる合計3haの畑からとのこと。


作り手訪問。ジュヴレ・シャンベルタンですが少し外れの方。県道974号線沿いです。
Charlopin00
お向かいがフーリエですね。

ジュヴレ・シャンベルタンの地図上で見るとこのあたりです。(黄四角)
Charlopin02
ジュヴレ・シャンベルタンは村名畑が県道974号線の東側まで広がっており、AOC Bourgogne に相当する広域畑(レジョナル)はさほど多くはないです。とは言え、今日のワイン、それにマルサネ、クーシェを混ぜて3haという手掛りだけでは、どこだかさっぱりわかりません。(笑)

そのマルサネ(マルサネ・ラ・コート)とクーシェの位置関係を見ておきます。
Charlopin03
白い線は行政区分ですが、AOCジュヴレ・シャンベルタンはブロションにはみ出てますし、AOCマルサネがシュノーヴやクーシェまで含むだとか、AOCフィサンは一部ブロション側にはみ出してるとか、行政区分通りスキッといかないので正しい範囲は適宜覚えましょう。(笑)


今日のメインエベント、AOCブルゴーニュ・コートドールAOC Bourgogne Côte d’Or)です。コートドールが付いただけと思うなかれ。実は対象の地域はAOCブルゴーニュとはずいぶん違います。まずは、その対象範囲を見てみましょう。例によってINAOの地図を見ます。
BCotedor02
左側が元来のAOCブルゴーニュの対象範囲の地図です。右側が今回のAOCブルゴーニュ・コートドールの対象範囲を示す地図になります。
具体的には右の地図の「AOP Bourgogne DGC Côte d’Or」が示す範囲になるんですが、もともとのAOCブルゴーニュ(左側の地図)がグラン・オーセロワからボジョレーまで広範囲に渡っていたことからすると、ずいぶんと限定されましたね。

この範囲をGoogle Map上に重ねてみます。赤線で囲った部分です。
Charlopin01
シュノーヴからマランジュまで、まさにコートドール(=コート・ド・ニュイ+コート・ド・ボーヌ)の全範囲。特級・1級畑を含む村名AOCの集合体です。それでも基本は県道974号線の東側(もともとのAOCブルゴーニュ)がメインになるんでしょうけど…。
山側のオート・コート・ド・ニュイ/ボーヌはこの範囲からは外れていますね。これらはそれぞれ単独で、AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits / Beaune が名乗れますからね。AOCブルゴーニュ・コートドールがこれら「地理的呼称付きブルゴーニュ」の仲間入りをしたってことになります。なので、オート・コートの部分は外れるわけで。
つまり、AOCブルゴーニュ・コートドールは、今までにもあった、地理的呼称DGCDénomination Géographique Complémentaire)がついたAOCブルゴーニュと同じ扱いで、地域名AOCブルゴーニュでありながら、その中の特定のエリアに限定するものということです。

AOC Bourgogne Côte d’Or が仲間入りし、全部で14になった地理的呼称付きAOCブルゴーニュDénominations Géographiques Complémentaires de l’AOC Bourgogne)を列挙します。(順不同)範囲・場所は書きませんので勝手に調べてください(笑)。

・AOC Bourgogne Côtes d'Auxerre
・AOC Bourgogne Chitry
・AOC Bourgogne Epineuil
・AOC Bourgogne Coulanges La Vineuse
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Beaune
・AOC Bourgogne La Chapelle Notre Dame
・AOC Bourgogne Le Chapitre
・AOC Bourgogne Montrecul(Montre-Cul)
・AOC Bourgogne Tonnerre
・AOC Bourgogne Côte Saint-Jacques
・AOC Bourgogne Côte Chalonnaise
・AOC Bourgogne Côtes du Couchois
AOC Bourgogne Côte d’Or

AOC Bourgogne Vézelay というのもありましたが、AOCブルゴーニュ・コートドール誕生と同じくして2017年に単独 AOC Vézelay に昇格しています。
この中じゃ、オート・コート以外ではコート・シャロネーズと Montrecul(Montre-Cul)くらいしか飲んでませんね。課題多し…。


エチケット平面化画像。
IMG_3287

2016年まではご覧の通り、ただのAOCブルゴーニュでした。
Charlopin04
今まで飲んだ他のAOCブルゴーニュも、AOCブルゴーニュ・コートドールが名乗れるものが多かったと思います。順次名称変更が進むんでしょうかね。

そうそう、インポーターシールは剥がしましたが、こんな具合でした。
IMG_3286
オリジナルのラベルは上から貼られることを想定してるデザインですかね。


さあ、抜栓。
IMG_4890
コルクはドメーヌ名入りですが、ここに写ってるだけなので平面化はしません。

Alc.13%。(pH:4.37、Brix:6.8)
クリアですがしっかり色づいたルビー。アンリ・ジャイエ譲りの完全除梗ですからね。
IMG_4891

フランボワーズ、フレーズ、煮詰まった滋味の風味あり。
完全除梗ながら茎っぽい青さもかすかに香ります。
辛口アタック。
酸は弱めながら味の輪郭をアシストしています。
複雑味もしっかりありウットリしますね。
喉越しから余韻と、いいバランスを流れの中で感じられます。

出ましたね。いい仕事する酸のパターンです。
2017年が良年だからでしょうか。かなりハイレベル。


*****

Domaine Philippe Charlopin-Parizot
Bourgogne Côte d’Or 2017
Cuvée Prestige
RRWポイント 93点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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