Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

2018年

Delas Ventoux 2018

ドゥラス(Delas)のAOCヴァントゥー(Ventoux)です。
ローヌのAOCはいろいろクリアしてきましたがヴァントゥーはまだでした。
コート・デュ・ヴァントゥー(Côtes du Ventoux)の表記も見かけますが、
2009年にヴァントゥー(Ventoux)のみに改名されてます。
南ローヌですから、グルナッシュ主体でしょうね。楽しみ~。


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ドゥラスは創設が1835年という北ローヌ、タン・レルミタージュにある老舗。
当初は創設者2人の名を取って「Audibert et Delas」と呼んでいたそうですが、
1924年後継者のHenriとFlorentinのDelas兄弟が、Delas Frères(ドゥラス兄弟)
に改名をして、今もこれが会社名になっています。

1993年、なんとシャンパーニュのルイ・ロデレールを所有するルゾー家が、
ドゥラスを買収します。以降、ルイ・ロデレールが誇る卓越した技術と、
160年のローヌでの歴史を融合し、新たなローヌのスタイルを確立させ、
世界が注目のワイナリーへと進化を遂げているそう。(インポーター資料より…笑)


公式ページはルイ・ロデレール譲りか、おしゃれにできています。

ワイン情報もしっかり載っています。ただ、ローヌあるあるですが(笑)、
セパージュ%が載っていません。今日のも「グルナッシュ主体+シラー」とだけ。
どこかのショップサイトに「通常はこれぐらい」として載ってたのがこれ。
・グルナッシュ 80%
・シラー 20%
まあ、そんなとこでしょうね。(笑)
また、シラーは品種の特徴を生かすため、しばしば全房で仕込むとあります。
ブレンド後は空調の効いた部屋にあるステンレスタンクで6~8ヶ月熟成だそう。


タン・レルミタージュ(Tain-l'Hermitage)の街中にあるドゥラス訪問。
Ventoux00
敷地はそこそこ大きいですが、市街地なので何となく手狭そうです。


さて、
今日のワインはAOCヴァントゥー(Ventoux)なので例によって調べてみます。
前述の通り2009年コート・デュ・ヴァントゥー(Côtes du Ventoux)から改名。
(隣のAOC Luberonも同時期にAOC Côtes-du-Luberonから改名しています。)

AOC Ventouxの範囲ですが、ヴォークリューズ県(Vaucluse)の真ん中。
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AOC Luberonとの境はカラヴォン(Calavon)川になってますね。

え~い!結局、ネットの拾い物地図を貼って見ましょう。(笑)
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まだCôtes du Ventoux表記のままですね。しかし、Ventouxは広いですね。
ローヌは北と南を合わせると長いですが、それで見てもVentouxはでかい…。


さて、例によってGoogle Mapに書き込みします。
Tain-l'HermitageのDelas Frèresと今日のAOC Ventouxとの位置関係を確認。
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北ローヌ(Nord / Septentrional)と南ローヌ(Sud / Méridional)をカバー。
主要AOCの名前も書き込みました。あわせてご確認ください。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルを隠さない、えらいインポーターシールです。


さあ、抜栓。
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ワイナリー名、紋章入りのキャップシールとコルク。

コルクを平面化するとこんな感じ。
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Alc.14.5%。(pH:3.69、Brix:7.0)
ガーネット。涙は形がありません。
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カシス、チェリー、黒糖、鉄。
甘みを感じますが、辛口アタック。
また、酸味とまでは感じないんですが、
フレッシュ感を出す要素がありますね。
やはりですが味は軽め。厚みは弱いんですが、
苦味様の複雑味が出てきていい具合になってきます。
余韻もタンニン成分をはっきり感じながら、しっかり楽しめます。

2015年と2017年にパーカーおじさんは90点をつけています。
なるほど、そこそこうまい、そんな感じです。


*****


Delas Frères
Ventoux 2018
RRWポイント 91点


Budureasca Vine in Flames Pinot Noir Dry 2018

東欧ルーマニアのピノ・ノワールをいただきますよ。
以前もリアルワインガイド誌旨安大賞のルーマニアのピノを試しましたが、
何とも言えない味が肌に合わなかったのか、あえなく撃沈いたしました。(笑)
そういう意味では今日のワインはそのリベンジとも言えます。


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ブドゥレアスカは、以前試したアンティノリがルーマニアに展開する、
Viile Metamorfosisと同じD.O.C. Dealu Mareという生産地域にあります。
2006年創業と新しいですが、275haの所有畑は地域で最大規模であり、
メタモルフォシスと並ぶ代表的な生産者だそうです。

ルーマニアといえば、チャウシェスク共産党独裁政権が倒れたのが1989年で、
EUに加盟したのも2007年ですから、まだまだこれからの新興の地域ですね。


公式ページはなかなかモダンな感じ。ワイン情報もPDFですが完備。

「Vine in Flames」というシリーズは海外向け専用ブランドだそうです。
・ピノ・ノワール 100%
除梗あり、破砕なしでピノ・ノワールの果実味を出すそうです。
熟成については触れられていません。樽はないんでしょうね。


首都ブカレストから北へ車で1.5時間ほどにブドゥレアスカはあります。
きれいな新しい建物があるはずですが、あれれ、建設中ですね。
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ワイナリー/セラーは2013年完成だそうです。その頃の写真てことですね。

ちょっと広域すぎますが、ヨーロッパ地図にブドゥレアスカの場所を示します。
ブドゥレアスカの周辺がD.O.C. Dealu MareというDOC(原産地統制呼称)です。
DOC=Denumire de Origine Controlata。実はルーマニア語はラテン語系。)
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「ルーマニアのボルドー」なんて紹介もありますが、ボルドーとほぼ同じ緯度です。
北緯45度付近ということになります。


ラベル平面化画像。
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裏には、Vine in Flames(炎の中のブドウの木)の名前のいわれが書かれてます。
その昔、ルーマニアがまだダキアと呼ばれていた頃、ルーマニアのワインは、
その質の良さからすでに有名だったそうで、諸外国の侵略に悩まされていた、
ダキア王ブレビスタは、ブドウ畑が敵の手に渡らぬよう火を放ったという伝説です。
う~ん、それはそれで解決策なんだろうか?(笑)

しかし、そんな大切なメッセージをインポーターシールは丸隠しでした。
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テイスティング・ノートやサーブ温度、URLやコンタクトなども隠れてました。
困りますね~。


さあ、抜栓。
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ネックにはQRコードとホログラムシールがあります。上等ワインっぽいです。

ホログラム認証システムにアクセスするとワイン情報のサイトにつながります。

作り手の詳細もあり優れもの。樽を使っていないのもここで判明しました。

コルク平面化。
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5年耐用のDIAM5。コルク横にはワイナリーのトレードマークのおっさん。

Alc.14%。(pH:3.70、Brix:7.2)
クリアな透明感のルビー。
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ラズベリー、ダークチェリー。
ライトな佃煮香。(笑)
「赤ベリー、赤ベリー」していない香りです。
辛口アタック。
複雑味あるエキゾチックな味わいあり。
酸がごく穏やかなのは好印象です。
ただ、ハツラツさは希薄で、落ち着いた静かな味わい。
これで2018年、樽も使ってないとは不思議な感じ。
余韻では苦味様の後味が残ります。

総じて合格点。独特な味は楽しいです。
一応、リベンジは成功かな?


*****


Budureasca
Vine in Flames
Pinot Noir Dry 2018
D.O.C. Dealu Mare
RRWポイント 90点


Faustino Rivero Ulecia Albariño 2018 Rías Baixas

リカマン店頭で見慣れないDOリアス・バイシャスのアルバリーニョを発見。
「新入荷」のPOPがついてました。アルバリーニョは白の中でも過去から好印象。
「これは試さないという選択肢はないやろ?」ということで…。(笑)


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作り手は1899年創業のMarqués Del Atrioグループというリオハの生産者でした。
「なんだ、リアス・バイシャスの作り手じゃないんだ…。」と少しがっかり。


公式ページは立派。今日のワインのFaustino Rivero Uleciaもリオハでした。

DOCa RiojaDO Navarraはお膝元なのでまだわかるのですが、
DO Rías Baixasまでとは手広くやってる印象です。車で7時間は離れてますからね。
またバレンシアのDO Utiel-Requenaでボバル(Bobal)のワインも作ってたりします。

さて、今日のワインはDOリアス・バイシャスですから、
・アルバリーニョ 100%
熟成はステンレスタンクのみです。


今日のワインとは地理的関連性は薄いですが、一応リオハの作り手訪問。(笑)
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アルネド(Arnedo)というRioja Oriental(旧称:Rioja Baja)の町です。

リオハの地図で位置関係だけ見ておきましょう。
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本家であろうMarqués Del Atrioというワイナリーもログローニョ(Logroño)
の町にあります。(同じく地図上に示しています。)

さて今日のDOリアス・バイシャスをスペイン地図でおさらいしておきます。
RiasRioja03
リアス式海岸で有名なところ。ポルトガルのすぐ上でしたね。

今日のワインはどこだかわかりませんが、サブリージョンもおさらい。
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DOリアス・バイシャスの公式ページから拝借した地図です。
リアス・バイシャスについて詳しいので一見の価値はありますよ。


ラベル平面化画像。お魚がいい感じ。ボトルの色といい魚介に合いそうな雰囲気。
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Embotellado para(=Bottled for)と書いているので生産委託でしょうかね。
自社生産ならEmbotellado por(=Bottled by)と書いてありそうなもんです。
所在は「Arbo」となってます。これは確かにリアス・バイシャスにある町です。
上のサブリージョンの地図で言うと、「Condado do Tea」の中にあります。
ポルトガル国境のミーニョ川沿いの町です。ここまでしかわかりません。


さあ、抜栓。
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集成コルクですが、キャップ共にしっかりマーク入りです。
ここにインポーズしておきましたが、ネックに90点のシールがあります。
パーカーおじさんではなく、ジェームズ・サックリングさんですね。
因みにWine Enthusiastは87点でした。

コルク平面化。
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コルクの横にもマークあり。ここにはミレジムを打ちましょう。(笑)

Alc.12.5%。(pH:3.54、Brix:5.9)
イエロー。
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梨、ライム、青リンゴ。
旨味が乗った辛口アタック。
柑橘系と白桃の風味の酸がパレットに広がります。
微かな苦味様の味わいも喉越しで引き締めてくれます。
果実味だけじゃないエレガントなまとまりがあります。

素性は不明な点は多かったですが、
アルバリーニョはやっぱり間違いないですね。


*****


Faustino Rivero Ulecia
Albariño 2018
Rías Baixas
WWWポイント 79点



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Jean-Claude Rateau Bourgogne 2018

さて今日もブルゴーニュの色々な作り手のAOC Bourgogneを試すコーナー。(笑)
ジャン・クロード・ラトーは1979年コート・ドールで初めてビオディナミを採用。
ビオディナミ・ブルゴーニュの元祖にして自然派ワインの先駆者なんだそうで。


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ラトー家はボーヌの古くからの家系だそうですが、商売をするワイン生産者ではなく、
1haの畑で自家消費用に細々と作っていただけなんだそうです。
ジャン・クロードさんは子供の頃からこのワイン作りの手伝いが好きたっだそう。
17歳の時、庭でビオディナミの実験をすると、土が生き返り驚きの効果が出ます。
醸造学校を卒業すると、フランス国内を研修で回り、ビオディナミの先駆者、
ボジョレーのルネ・ボス・プラティエール氏を訪ね多くを学んだといいます。
修行から帰ると、ドメーヌ・ジャン・クロード・ラトーを設立。これが1979年。
今ではボーヌ周辺の8.5haの畑でビオディナミを実践したワインを作っています。
(因みに8.5haが一人で管理する限界だそうで、これ以上増やすことはないそうです。)


公式ページは「頑張って作りました」的な手作り風です。
日の丸マークがあるので日本語表示かと思って押すと、「ようこそ!」だけ。(笑)

ブルゴーニュ・ルージュは2004年のデータのままです。(笑)
ネットでも調べましたが、2018年も大きな変化はなさそうです。
・ピノ・ノワール 100%
ユーズド樽で8ヶ月の熟成だそうです。
畑はポマール村にあり、樹齢は60年にもなるそうです。
熟成の項目には「5年以内に飲むこと」と書いてます。
ビオだから長期熟成は品質が保てないんでしょうかね?


ドメーヌ・ジャン・クロード・ラトーを訪問してみましょう。
ボーヌの町から丘の方へD970線沿いに20分ほど歩くと右手にあります。
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周囲はボーヌの1級畑になります。写ってる人はジャン・クロードさん?(笑)

ただし、今日のAOCブルゴーニュはボーヌではなくお隣のポマール村。
Pommard001
それも、1級やポマール村名畑でもないので、県道D974号線のこっち側です。

例によって、Google Mapに書き込んで位置関係を確認しますよ。
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ジャン・クロード・ラトーも書き込んであるのでボーヌ側を確認ください。
そこからでは、ポマールのAOCブルゴーニュのエリアもそう遠くないですね。
いつものように、プルミエ・クリュ、村名畑の範囲も示しておきます。

そのポマール村のAOCブルゴーニュの畑へ行ってみます。
今日のワインの畑はどこかわかりませんが、雰囲気を見る例として。(笑)
JCrateau01
ポマールはアヴァン・ドゥーヌ川(l'Avant-Dheune)という小川が、
市街地の方から流れてきています。このあたりの地質は古い堆積土です。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルはなくインポーターシールだけだったので、下に合体させました。


さあ、抜栓。
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まあ、汎用品はしかたないですね。

コルク平面化。
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5年以内の消費が推奨ですから、5年耐用のDIAM5で十分ですね。

Alc.12.5%。
しっかり濃いめのルビー。
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グロゼイユ(言ってみたかった…笑)、フランボワーズ。
紅茶。ミントっぽくも。
鉄、鉛筆の芯、醤油…色々出てくるような気が。
ビオだからでしょうか。(笑)
辛口アタック。
コテッと濃い味な気がしましたが、
うまみ・滋味となる部分は「地味」な感じです。(笑)
少し舌触りが気になりますね。
バランスはいいんですが個性的な風味に思います。
喉元にしっかりとアルコール感もあります。

いろいろ書きましたが、
楽しめるピノには違いないです。


*****


Jean-Claude Rateau
Bourgogne 2018
RRWポイント 90点


Domaine des 13 Lunes Une Hirondelle Rousette de Savoie 2018

ちょっと前にジュラの赤を試しましたが、今日はその少し南のサヴォワの白です。
サヴォワ(Savoie)では生産量の70%が辛口白で、ジュラ同様土着品種が豊富。
アルテス、シャスラ(スイス原産とも)、ジャケールが代表的なサヴォワの品種。
今日のワインはAOC Roussette-de-Savoie。アルテス100%で作られるAOCです。
ルーセットというのがアルテスのシノニム、と言うっか、現地での呼称です。
AOC名になるくらいですから、現地呼称の方が一般名称より通りがよさそうです。


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作り手はDomaine des 13 Lunes。「ドメーヌ・13の月」という意味です。
何やらビオディナミくさい名前だなと思ったらその通りでした。(笑)
DRCやルフレーヴにビオディナミを伝授した巨匠ピエール・マッソンの後継ぎ、
ヴァンサン・マッソンに師事したシルヴァン・リオタールさんが、
2016年にサヴォワに設立した超新星自然派ドメーヌなんだそうです。


公式ページはシンプルで必要最小限の情報のみ。

よってインポーター情報に頼ります。
・ルーセット(アルテス) 100%
白は除梗せず、80%をグラスファイバー製タンクで、20%を228リットルの樽
(オーク50%、アカシア50%)で発酵後、そのまま10ヶ月間熟成だそうです。

AB (Agriculture Biologique) 認証をFR-BIO-15にて、ビオディナミのデメテール
(Demeter) 認証も2020年取得予定だそうです。認証って時間かかるんですね…。


さて、サヴォワとイゼールの県境の「Abymes」という所にある作り手訪問。
後ほど地図で確認しますが、峡谷の間の一面ブドウ畑の超田舎です。(笑)
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畑の向こうにドメーヌを確かに発見しましたが、やはりストビューでは近づけず。
しかし、このテロワール、雰囲気、好きだな~。


例によって、謎に包まれた(?)サヴォワをGoogle Map上に表しますよ!
一応、該当コミューンなど調べつつ線を引いたのでそんなに悪くないです。(笑)
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まず、Vin-de-SavoieRoussette-de-Savoieはサヴォワほぼ全域が対象です。

Vin-de-Savoieは、ジャケール(Jacquière)、ルーサンヌ(Roussanne)
<サヴォワではBergeronというシノニムで呼びます。>、ルーセット
(Roussette=Altesse)、シャスラ(Chasselas)、グランジェ(Gringet)
<オート・サヴォワ県原産のローカル品種>などを使った辛口白が主体。
モンデュース(Mondeuse)、ペルサン(Persan)などのローカル品種や、
ガメ、ピノ・ノワールを使った赤・ロゼもこのAOCで作られます。

Roussette-de-Savoieは今日のワインですが、Roussette (=Altesse) 100%。
名前からしてルーセットですから当然ですよね。逆にルーセットは、
どれだけサヴォワ全域に広く栽培されているんだってことですよね。

で、Vin-de-SavoieRoussette-de-Savoieは、それぞれ後ろに村名を付け、
そのコミューン単独のAOCを作ります。Roussette-de-Savoie ~ は、
品種がルーセットに決まっていていいんですが、Vin-de-Savoie ~ の場合は、
主要品種が微妙に違ったりとその地域の特色があるのでややこしいです。
全部調べて書きませんが(笑)、例えば、Vin-de-Savoie Ayzeの場合、
主要品種がサヴォワ全体ではマイナーなグランジェ(Gringet)になります。
これら後ろにコミューン名がつくAOCは地図に書き込んでますのでご確認を。

今日の作り手Domaine des 13 Lunesは、Vin-de-Savoie Abymesにあります。
このAOCではジャケール(Jacquière)の白が主流だそうですが、確かにここは、
ジャケール100%のVin-de-Savoie la Mise en Abymesというのも出しています。

~ de Savoieが付かない村名単独のAOCが2つあります。一つがレマン湖近く、
クレピー(Crépy)です。ここはシャスラ(Chasselas)主体(大抵100%)の白。

もう一つがセイセル(Seyssel)で、Roussette (=Altesse) 主体の辛口白です。
ローカル品種のモレット(Molette)100%にするとSeyssel Moletteが表示できます。
セイセルはスパークリングの方が主流でSeyssel Mousseuxという単独AOCです。
モレット(Molette)主体のシャンパーニュ方式(瓶内二次発酵)ですが、
ルーセットを10%以上ブレンドする規定があります。ややこしや~。

地図を描いていて気づきましたが、セイセルはローヌ川を挟んで2つあります。
アン県(Ain)側とオート・サヴォワ県(Haute-Savoie)側どちらもセイセル。
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もちろん、どちらもAOC Seysselになりますからご安心を。(笑)


いっぱいローカル品種やら初耳のブドウが出てきたのではないでしょうか。
これ見ても仕方がないですが(笑)一応どんな品種だか雰囲気だけでも…。
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ねっ。違いなんてわかんないよね~。(笑)

ええい!ついでにこれも行っときますか!
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とにかく、サヴォワはローカル品種が多くてユニークということだけ、
覚えておきましょう。(笑)


エチケット平面化画像。
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裏ラベルはないですが、よく見ると裏に書くお約束事のようなことは、
表ラベル下の青い部分に書かれていますね。AB、Demeter申請中とも。

裏はインポーターラベルのみでしたので別撮り。
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ヌーヴェル・セレクション公式サイトに今日の作り手の紹介があります。


さあ、抜栓。
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一応コルクは13 Lunes専用品ですが、表面ボロボロ。

コルク平面化しておきます。
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あまり上等なコルクではなさそう。これがビオディナミ?(笑)

Alc.12%。
ゴールドイエロー。
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青リンゴ、花梨、ネーブル。
キラキラした白い花を想像する香り。
爽やかな甘みを感じさせますが、辛口アタック。
白桃、黄桃両方を連想する味わいです。
後味に花梨風味も来ますね。

よく冷やして夏に飲むと最高って気がしました。
サヴォワ、なかなか面白いじゃないの。


*****


Domaine des 13 Lunes
Une Hirondelle
Roussette de Savoie 2018
WWWポイント 79点



WhiteWhiteWine01

Domaine Baud Génération 9 En Rougemont Côtes du Jura Poulsard 2018

そうだ、フランス・ジュラのワインを飲もう。ということでネットでお取り寄せ。
ジュラなら黄ワイン(Vin Jaune)や藁ワイン(Vin de Paille)やらも興味を引きますが、
ここは赤でしょうということで、ジュラの稀少品種プルサール100%を入手。
外出自粛が続く中「いろんなワインをお取り寄せでお家で飲もう」シリーズです。(笑)


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ジュラ広域のCôtes du Jura AOCですが、プルサール(Poulsard)のモノセパージュ。
トゥルソー(Trousseau)やピノ・ノワールとブレンドすることが多いそうですが、
お試しにはブレンドよりこんな単一品種の方が面白そうです。
しかし、ヴァン・ジョーヌを入れるクラヴラン(Clavelin、620ccの小ぶりの瓶)
ではないですが、肩の張った少し変わった形の瓶ですね。一応、750mlです。


作り手は、ジュラのワインの中心地であるアルボワ(Arbois)ではなく、
L'ÉtoileとChâteau-Chalonの間にあるDomaine Baud Génération 9というところ。
九代目ドメーヌ・ボーって意味ですが、1742年から数えて本当に9代目だそうで。
ジェネラシオン・ヌフって、三代目 J SOUL BROTHERSみたいですね。(笑)

公式ページは情報多く、なかなかちゃんとしてます。

ただ、今日のワインは、
・プルサール(Poulsard) 100%
で、伝統的な作り方くらいしかわかりません。
プルサールは果皮が薄く、アントシアニン(色素)も少なく、黒ブドウと言っても、
オレンジ色に輝くクリアな赤ワインになります。モノによってはほぼロゼだったり。

あまり違いは判りませんが、写真でジュラの黒品種を見ておきましょう。
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この作り手のfacebookで黒ブドウの写真を見つけ、プルサールかなと思いましたが、
このサンプル写真で見比べても判別付かず。(笑)


さて、Château-ChalonとL'Étoileの間にあるドメーヌ訪問してみましょう。
Baud01
こじんまりしてるようで、広い店舗や地下カーヴが備わってます。

所有畑は全部で22ha。AOCの内訳は以下の通り。
・AOC Côtes du Jura:15.5ha
・AOC Château-Chalon:3.5ha
・AOC L'Étoile:3ha
Château-Chalonはサヴァニャン100%のいわゆる黄ワイン(Vin Jaune)のみ、
L'Étoileも黄ワインと藁ワイン(Vin de Paille)と辛口白で、白ばっか。
ということで、黒品種はAOC Côtes du Jura(ジュラ全域)のどこかになります。

ただ、この作り手は白品種の方が圧倒的(76%)です。以下が作付け面積比。
・シャルドネ(=Melon d'Arbois)57%
・サヴァニャン(Savagnin)20%

・トゥルソー(Trousseau)10%
・プルサール(Poulsard)7%
・ピノ・ノワール(=Savagnin Noir)7%

(=)はジュラ地方でのシノニムです。
これらから、Vin Jaune、Vin de Pailleの他、泡のCrémant du Jura(白・ロゼ) 、
Macvin du Jura(VDL、Vin de Liqueur)という即ち酒精強化ワインも作っています。
クレマン・デュ・ジュラとマクヴァン・デュ・ジュラはAOCです。


さあ、恒例Google Map書き込みマップ。まずドメーヌを見つけてください。
Baud02
AOC ArboisやChâteau-Chalon、L'Étoileの範囲は真ん中の地図を参照。
アルボワ・ピュピラン(Arbois Pupillin)なんてAOCもありますね。
で、今回なんとブルゴーニュのコート・シャロネーズとマコネも入ってます。(笑)
ボーヌからアルボワまで車で1時間の距離でした。案外ジュラって近い?

やはり最後はフランス地図を眺めておきましょう。(笑)
Baud03
どうも地域ごとに区切って覚えると地域間の距離や位置関係が掴めません。
グラン・オーセロワがブルゴーニュなんだったら、ジュラの方が近い!(笑)
まあ、この地域分類は、品種や文化含めた歴史的なものなんでしょうけど。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルに公式ページと同じ説明があります。プルサールの色を出すために、
しっかり毎日のルモンタージュ・ピジャージュが欠かせないようですね。
インポーターはヌーヴェル・セレクション。作り手紹介のページがあります。


さあ、抜栓。
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キャップシール、コルクは汎用品。ボトルにあった金メダル貼っておきます。

汎用品ですが一応コルク平面化。
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Alc.14%。
クリアに透き通ったルビー。オレンジ味ありますね。しかし、薄い。
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ブルーベリー、カシス、シナモン風味。
紅茶っぽい感じも?
辛口アタック。
シナモン風味は味でも感じられました。
香りと味が通じるパターンですね。
厚みはないですが、ペラペラではない程よい味わい。
酸味がかすかできれい、お陰で口当たりがいいです。
微妙にタンニンもあるのがわかります。
アントシアニンは少ないのにね。

ピノ・ノワール的ですが、しっかり赤ワインしてます。
ブラインドでロゼとは間違わないはず。(笑)
おもしろい。


*****


Domaine Baud Génération 9
En Rougemont
Côtes du Jura Poulsard 2018
RRWポイント 90点


Te Henga Marlborough Sauvignon Blanc 2018

ずいぶん暑くなってきました。こんな時はニュージーランドのソーヴィニヨン。
ということで、やまやの店頭で適当にゲットしたのがコレ...。TE HENGA?
ラベルも変だし、少々気になりますがソーヴィニヨン・ブランに違いはないでしょう。
折りしもの夕食は親子丼にキツネうどん。黄色には黄色が合うの法則です。(笑)


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作り手の情報をネットで調べますが、今ひとつ詳しい情報がありません。
こうなると公式ページだけが頼りです。(笑)


公式ページはしっかりしたのがありました。

映像を交えながらぐだぐだ書いてるのですが、作り手の実体がつかめません。
所在はオークランドとしながら、マールボロとホークス・ベイのワインを出しています。
・ソーヴィニヨン・ブラン 100%
品種の特徴を出すため、いくつもの酵母を使い低温で発酵するそうです。
熟成はシュール・リーで2ヶ月です。

ワイナリーの住所がオークランドの「Babich Wines」気付(c/o)になってます。
で、よく調べると、Te HengaとBabich Winesのワインメーカーは同じ人でした。
Adam Hazeldineさんというお方。Babich WinesはBabich家の家族経営のようなので、
そこのワインメーカーがセカンドビジネス的に別ブランドを出したと推察します。(笑)


とにかくオークランドのTe Henga Wines c/o Babich Winesに行ってみましょう。
オークランド市街の西側、車で30分ほどのヘンダーソンという所にありました。
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実はこのワイナリーの西側に砂鉄性の黒っぽいビーチ、その名もTe Hengaがあります。
正式にはベセルズ(Bethells)ビーチと言うらしいので、Te Hengaは原住民語かな?


公式ページにあった動画がなかなか面白かったのでキャプチャーしました。
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ラベルデザインは、このビーチに吹く風が砂浜に生える草を砂に打ち付け、
できる跡にヒントを得てるそう。て言うっか、おじさん直接描いてるし。(笑)


最後に、産地のおさらいをしておきます。今日のはマールボロでしたね。
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マールボロのソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワール、ピノ・グリの他、
ホークス・ベイからのシャルドネを作っていますが、いずれにしても、
オークランドからはとても遠いです。ワイン作りってそういうものかな~。(笑)


ラベル平面化画像。1枚ものですが、何という形!
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裏はインポーターのラベルと一体になってるわけですね。


さて、抜栓じゃなくて、スクリュー回転。
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一応、ワイン名入り。で、鳥はなぜ描かれているの?ビーチだから海鳥か。

Alc.12.5%。
薄い黄色。
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シトラスのような柑橘系とパッションフルーツ。
アスパラ? 緑のニュアンスはごく弱いけどあります。
ライムの辛口アタック。
やはり酸もフレッシュ生き生きです。
キンキンに冷やしてるのでグラスが曇ります。(笑)
ビール代わりのようにおいしくいただきました。


*****


Te Henga
Marlborough
Sauvignon Blanc 2018
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01

William Fèvre Chile La Misión Reserva 2018 Chardonnay

本家ウィリアム・フェーヴルのシャブリは以前試してますが、これはチリです。
その名もWilliam Fèvre Chile。そこのシャルドネをたまたまスーパーで発見。
スーパーの店頭なのでとってもお手頃ですが、これでおいしけりゃ儲けもの。
フランスの一流の作り手は新世界、それもなぜかチリに多く進出してますね。


IMG_0027
ウィリアム・フェーヴルさんがチリでシャルドネに適した場所を探し、
マイポ・ヴァレーで通常の平地の畑ではなく、山の手の高地に適地を発見。
そこがパートナーともなったビクトル・ピノさんの畑だったということで、
これが「William Fèvre Chile」の始まり。1990年のことだそうです。


公式ページは今どきの大画像をスクロールさせるようなタイプ。

ワイン情報はしっかりしているんですが、今日のLa Misiónというのが載ってません。
やはりスーパー向けのローエンド・シリーズなのでしょうね。(笑)
・シャルドネ 100%
は当然として、シャブリ方式に樽は使わず、ステンレスタンクの熟成のようです。
これは上等ラインでも同じで、やはりシャブリが基本になってるんですね。


サンティアゴの南側、ピルケにあるウィリアム・フェーヴル・チレを訪問。
Fevre01
入り口はショボい感じですが、奥に施設は広がっており、裏手には畑も見えます。

マイポ・ヴァレーはサンティアゴ周辺の広域です。
ウィリアム・フェーヴル・チレの位置関係は以下の地図がわかりやすいです。
Fevre02
そのウィリアムさんが最初に見つけたというシャルドネに理想的な畑は、
San Juan de Pirqueと言うらしいんですが、地図の黄色い四角で囲った辺り、
マイポ川が通る山間にあるようです。公式ページではMountain Grownとも。

因みにWilliam Fèvre Chileはここの他、マジェコ(Malleco)ヴァレーにも畑を所有。
マジェコはビオビオ(Bio Bio)よりも更に南にあるチリ最南端の産地です。
南半球ですからチリで一番寒冷な産地ということで、何かこだわりがありそうです。


ラベル平面化画像。
IMG_2506


さあ、スクリュー回転。
IMG_0024
印刷がずれてますが一応エンボスになってます。

Alc.13.0%。
かすかな緑をまとうイエロー。
IMG_0025

リンゴ、白い花。
樽はないはずですが微かにバニラも感じます。
とろみを感じるミネラリ―な辛口アタック。
甘みの前にかなり鋭角の苦味を感じますね。
ミネラルっぽさと言うよりは雑味に近い感じ。
シャブリっぽいかと言われると微妙ですね。

しかしペラペラのシャルドネよりは個性のある感じで、
これはこれでありだと思います。


*****


William Fèvre Chile
La Misión Reserva 2018
Chardonnay
D.O. Maipo Valley
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Domaine Cauhapé Chant des Vignes 2018 Jurançon Sec

先日AOCイルレギーのワインを試した時、自作マップの足らずを延長しました。
その時「まだまだ南西地方の端っこの方のワインは試してないな~」と気づき、
甘口白で有名と聞いているジュランソンをいただいてみようと思いつきました。
ところが、ゲットしたのがAOC Jurançon Secという辛口白ワイン。
いつもながら中途半端に課題が残った感じになってしまいましたが(笑)、
まずは辛口のジュランソン・セック、お試しです。


IMG_2515
ドメーヌ・コアペという作り手、やはり甘口で世界的に高評価なんだそうですが、
「辛口でも素晴らしいものが作れるということを示したい」との思いから、
辛口ワイン造りにも本格的に力を入れているそうです。そりゃ、楽しみです。
ちなみに辛口のセック(Sec)に対し甘口白はモワルー(Moelleux)と言います。


公式ページは必要十分。写真も多くて楽しいです。ただしフランス語のみ。
Jurancon03
今日の辛口白、裏ラベルにもセパージュはありましたが、
・グロ・マンサン(Gros Manseng) 60%
・カマラレ(Camaralet) 40%
となっています。
グロ・マンサンはプティ・マンサン(Petit Manseng)とともに、南西地方、
特にジュランソン、ベアルンでの主要品種ですね。
カマラレはこの地域の補助品種。補助品種にはクルビュ(Courbu)というのもあります。
除梗後、スキンコンタクト12時間、発酵後、ステンレスタンクで5ヶ月熟成。
このとき澱は取り除かず、いわゆるシュール・リー(Sur Lie)で行います。


ジュランソンの作り手を訪問しますよ。まわり何もないすごい田舎です。(笑)
Cauhape01
立派な門がありますが、奥までの一本道はストビューでは行けませんでした。

AOCイルレギー入れて延長した自作マップでジュランソンの位置関係を確認。
Jurancon01
ポー川(Gave de Pau)とオロロン川(Gave d'Oloron)の間になります。
ベアルン(Béarn)も同じ2川に挟まれていますが、もう少し下流です。
とにかく川に注目すれば生産地の位置関係や広がりが理解しやすいです。

南西地方の正しい(?)地図もお口直しに貼っておきます。
Jurancon02
しかし、南西地方と一括りにできないぐらい広範囲かつ多様性がありますね。


エチケット平面化画像。
IMG_2234a
サインが入ってますが、現当主のHenri Ramonteuさんです。
公式ページに氏の考え方や意気込みが書かれていました。


さあ、抜栓。
IMG_2510
キャップシール、コルク、専用品でカッコいいです。

コルク平面化。
IMG_2511
ブドウと手はドメーヌのマークですね。「JURANÇON」も誇らしげ。

Alc.14%。
イエロー。かすかに緑っ気。
IMG_2512

グレープフルーツ、ネーブル、リンゴ。
甘みのように感じましたが辛口アタックですね。
フルーティさを湛えた穏やかな酸味がそう感じさせたのかも。
香りに呼応して、絞ったグレープフルーツという味がします。
けっして奥深い味わいではないんですが薄っぺらくはなく、
トロりとした舌触りがおもしろいです。
奥の方に微妙な苦味も発見しました。

世の一般的な国際品種の白とは明らかに違いますね。
そういう意味で新発見な味わいです。


*****


Domaine Cauhapé
Chant des Vignes 2018
Jurançon Sec
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Nativa Carmenere 2018

スーパーの500円ワインです。しかし、思いっきり注目してしまいました。
「まぼろしのブドウ品種 CARMENERE」の特大POP。「旨味の原点」とまで。
裏ラベルにも「1994年にチリで再発見されたカルメネールにこだわった」とあり、
かつてこれ程、カルメネール押しのワインがあったでしょうか?
日本カルメネール振興協会としてはこれは見過ごせません。早速お試しです。(笑)


IMG_2290
カルメネールはご存知のように、かつてボルドーの主要品種であったものの、
(カルメネールの原産地であるボルドー地方では、18世紀頃まで主要品種は、
現在のカベソーやメルローではなく、カルメネールであったとも言われています。)
1863年から19世紀末まで続いたフィロキセラ被害で欧州中のブドウが壊滅し、
カルメネールもボルドーから消え去ります。
チリなど新大陸に移植されていた品種をボルドー他欧州へ戻すと同時に、
フィロキセラに耐性のあるアメリカ産の野生ブドウの台木に接木することで、
ヨーロッパ中のワイン産業がその後なんとか復活を遂げました。
しかし、晩熟で害虫にも弱いカルメネールだけはボルドーに戻されませんでした。
そして一旦ワインの歴史からはカルメネールは消え去ってしまったのでした。

そして、1994年にフランス人ブドウ品種学者のJean Michel Boursiquotが、
チリのマイポで、失われた品種と思われていたカルメネールを再発見します。
この畑がViña Carmenであり、1996年には初のカルメネールのワインをリリース。
その後のチリのワインを特徴づける代表品種になったのはご存知の通りです。
以上、日本カルメネール振興協会では常識となっています。(笑)


チリの本家公式ページは見つかりませんでしたが、インポーターの日本酒類販売が、
気合の入った公式ページと見紛うサイトを作っています。(URLもなんと、nativa.jp

このサイト、さすがにカルメネールの解説がすごいです。
しかしながら、今日のワインの情報は極少。
・カルメネール 85%
・その他 15%
とのことですが、その他って何?
チリでは、カベソーやメルロー、シラー、カリニャン、プチヴェルド他、
いろんなものとブレンドするパターンが多いですからね。でも何?


作り手訪問しようと裏ラベルを見るとSur Andinoという名前と住所がありました。
この住所を調べると、なんと大手のViña Santa Ritaと同じでした。
なるほど、実体はサンタ・リタか~と思ってたら、上記Nativa.jpにこんな記述が…。

「フランス人研究者であるジャン・ミッシェル・ブルシコ氏がここ、
ナティバ・エステーツ(別名ヴィニャ・カルメン)にてカルメネールを再発見…」

な、なに!?
別名、ビニャ・カルメン(Viña Carmen)!?
今日の作り手がカルメネールを発見し、チリの代表品種となる礎を築いたなんて、
えらそ~なことが書いてあったので、もしかしてと思ったら、やっぱそうでしたか。

じゃあ、住所の件はどうなるんでしょう。調べると、なんと…。
Carmenere02
サンタ・リタとカルメンは隣接していて同じ道路に面しているため、
番地のない場合、同じ住所になってしまうようです。

サンティアゴの南、マイポ・ヴァレーになります。
Carmenere03
ここが、カルメネールの第2の故郷ということですね。

しかし、なぜカルメネールがチリで消えてしまったのか。
メルローと混植されて時間と共に混同され、メルローとして生き残っていたのです。
その昔は葉の形で品種を特定していたので、メルローと特徴が似ていたからだとか。
実際、90年代後半(まだカルメネールが再発見される前)のチリのメルローは、
他地域産と比べて飛びぬけておいしかった記憶があり、なるほどと頷きます。
実はカルメネールとメルローのブレンドを飲んでいたんですね。

そんなにメルローに似てるんだと信じていましたが、今日のナティバのサイトに、
カルメネールとメルローの違いが解説してあり、ちょっと驚きました。
Carmenere01
外観は全くと言っていいほど似ていません。

カルメネールのブドウは色が黒っぽくてメルローより大粒です。また、
粒を押すとカルメネールはメルローのように果汁が外に飛び出さないんだそうで。
カルメネールは果皮と果肉がひっついて、じわじわと流れ出るそうです。へぇ~。

例の葉の形も、カルメネールは葉脈の中心に向かって切れ込みが浅く、
全体的にロールがかっているのに対して、メルローはより深い切れ込みがあり、
葉はフラットなんですと。どうしてチリ人は混同したんでしょう?(笑)

晩熟であるカルメネールをメルローとして早く収穫してしまうと、
メトキシピラジンによる青臭い風味が強く出るということもあります。
でも、おいしかったんですよね~、昔のチリのメルロー。


ラベル平面化画像。Est 1994はミレジムではなく発見された年です。(笑)
ノンヴィンテージかと思ったら、裏ラベルに極小文字で2018とありました。
IMG_2283
で、このイラストにも注目です。粒は先ほどの解説のように黒っぽい。
葉が赤く描かれていますが、これこそカルメネールの名前の由来である、
赤く紅葉する葉です。(フランス語:Carmin=洋紅色)
実際、カルメネールをチリで再発見した前出のJean Michel Boursiquotさんは、
紅葉するメルローの葉を見て「これ、カルメネールちゃうか?」と気づいたとか。

このPOP。日本カルメネール振興協会としては表彰モンです。
IMG_2285
よって、別撮りして貼っておきます。(笑)


さあ、スクリュー回転。
IMG_2288
まあ、無印スクリューキャップですよね。500円ですから。


Alc.13%。
ガーネット。
IMG_2289

ブラックベリー、スパイス、鉛筆の芯、青野菜、モカ。
僕の知ってるカルメネールの要素をちゃんと持ってます。
安いけどカルメネールで間違いないでしょう。(笑)
辛口アタック。
酸は若さから来るんでしょうね。仕方なし。
厚みは当然弱いんですが、複雑味・構造感はしっかりしてます。
POPどおり、スパイシーってやつです。(笑)
タンニンは嫌味じゃない程度の収斂性。
余韻もそこそこしっかりあって味わい深いです。

500円の味を超えて、しっかりカルメネールしてるです。
さすがビニャ・カルメンです。よし!


*****


Sur Andino S.A.
Nativa Carmenere 2018
RRWポイント 90点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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