Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

2018年

Orsolani La Rustìa 2018 Erbaluce di Caluso DOCG

ちょっと前にピエモンテ州北部のDOCGゲンメ(もどき)を試した時に、すぐ近くにエルバルーチェ・ディ・カルーゾErbaluce di Caluso DOCG)という白のDOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)があるのには気づいてました。それも、その地方だけのローカル品種、エルバルーチェ100%だといいます。気になって仕方ないのでお試しといきましょう。

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1894年の創業から4世代に渡り、ピエモンテ州北部カナヴェーゼ(Canavese)のエリアでエルバルーチェ(Erbaluce)のワインを作る代表的な作り手、オルソラニ(Orsolani)。そこの看板ワインになります。「La  Rustìa」という名前は、エルバルーチェのシノニム「Uva Rustìa」から来ているようですね。

公式ページは超シンプルですが、ワイン情報もしっかり載っています。

今日のワインはエルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGなので、規定により…
・エルバルーチェ 100%
となります。ステンレスタンクで発酵・熟成。期間は不詳ですが澱を残してシュールリーをしているようです。

これがそのエルバルーチェ(Erbaluce)。
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ギリシャ原産という説があり、今日の作り手のオルソラニの公式ページにもそう書いていますが、DNA分析ではそれは証明されていません。ラテン語の「Alba lux(夜明けの光)」が名前の語源です。この品種の一番有名なワインが、エルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGErbaluce di Caluso DOCG / Caluso DOCG)ですが、辛口白だけでなく、スパークリング(Spumante / スプマンテ)や甘口(Passito / パッシート)もこのDOCGとして有名です。エルバルーチェ・ディ・カルーゾは1967年にDOCとなり、2010年にDOCGに昇格しています。

今日の作り手のオルソラニを訪問します。
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カルーゾ(Caluso)近くのサン・ジョルジョ・カナヴェーゼ(San Giorgio Canavese)という町にあります。


ピエモンテ州の地図でエルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGの位置を確認。
PIEMONTE
ゲンメDOCGやガッティナーラDOCGから山沿いに西側になるところですね。実はこれらネッビオーロのDOCGを内包する Colline Novaresi DOC と Coste della Sesia DOC も、白はエルバルーチェ100%で作られます。このあたりはエルバルーチェのエリアと一括りにできそうです。
エルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGを内包して、カナヴェーゼDOCCanavese DOC)があるのがわかりますが、このDOCも白はエルバルーチェ100%です。ただし、カナヴェーゼDOCは赤やロゼもOKです。カナヴェーゼDOCは1996年にDOCになっています。

四角で囲った部分の拡大地図がこれ。ここ一帯は白はエルバルーチェのみということです。エルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGとカナヴェーゼDOCの関係、わかりましたでしょうか。
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エルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGのエリアの外のエルバルーチェはカナヴェーゼDOCとなってしまいますし、エルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGのエリア内でも赤やロゼを作るとカナヴェーゼDOCとなるということです。現に今日の作り手は赤をカナヴェーゼDOCで出しています。
おっと、すごく小さいけどカレマDOCCarema DOC)というネッビオーロ主体のDOCを北側に見つけました。これも試してみたくなります。(笑)


ラベル平面化画像。
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V.Q.P.R.D.(Vin de qualité produit dans une région déterminée)なんて書いてますね。2008年までのフランスのワイン法で「指定地域優良ワイン」を意味する表示です。もう使われていない分類ですし、ましてフランスなんですが…。


さあ、抜栓。
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ワイナリーのロゴ入りです。

コルク平面化。
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合成コルク、ノマコルクです。

Alc.23%。(pH:4.07、Brix:6.5)
オレンジがかった濃い目のイエロー。
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レモン、ライムに青リンゴ。
ハーブっぽさか白檀のような香りもあります。
一瞬甘みかと思わせるたおやかな酸が乗った辛口アタック。
みずみずしく爽やか印象ですが、薄っぺらくはないですよ。
後味にかけて感じる苦味はいいアクセントになっています。
かなりいいですね、エルバルーチェ。


*****


Orsolani
La Rustìa 2018
Erbaluce di Caluso DOCG
WWWポイント 79点



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Domaine Michel Gros Bourgogne Côte d’Or 2018

ヴォーヌ・ロマネの名門グロ家の本筋に当たるのがミシェル・グロですが、2017年に新しく認められたAOC、ブルゴーニュ・コートドールAOC Bourgogne Côte d’Or)を出してるじゃないですか。以前はただのAOCブルゴーニュだったんでしょうが、「Côte d’Or」が付いたってことは、D974号線東側とかなかなか侮れない畑が確定のようなもんです。以前オート・コート・ド・ニュイを試してますが、そんな山の手より村名や格付け畑に近いはずです。調べてみましょう。

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19世紀から続くヴォーヌ・ロマネ村の名門グロ家が、なんだかんだで暖簾分けして、いくつもグロがあるのはご承知の通りです。

・Domaine Jean Gros(先代にして本家。今はもうない。)
Domaine Michel Gros(上記ジャン・グロが元。長男の本筋。)
・Domaine AF-Gros(妹。嫁いで今はポマールにあります。)
・Domaine Anne Gros(従妹。ミシェル・グロの隣の隣です。)
・Domaine Gros Frère & Soeur(弟のベルナールさん。)

ということで、今日のミシェル・グロは本家ジャン・グロの正統後継者ということで、父ジャン・グロのドメーヌ自体と、一族を代表する畑、ヴォーヌ・ロマネ1級のクロ・デ・レア(Clos des Réas)を(兄弟で分割することなく)モノポールで受け継いでいます。

わかりやすい系図が公式ページに載っていたので拝借しました。
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グロ家一族、みんな仲が良さそうでいい感じです。

公式ページは一見中途半端な感じですが日本語ページもあって好感は持てます。
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ミレジム毎に分類されていて、データシートに行き着くのに少々手こずりましたが情報はしっかりしていました。
・ピノ・ノワール 100%
醸造については「伝統的なブルゴーニュの醸造」とあっさり。最初の6ヶ月はセラーに常設の(?)樽に収容され、その後12ヶ月、1~3年落ちのオーク樽で熟成させるとのこと。これらユーズドの樽は上級のワインに使ったもので、その香りを受け継ぎ複雑さを与える効果があるとか。

ヴォーヌ・ロマネ村の元ジャン・グロ、ドメーヌ・ミシェル・グロを訪問。
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DRCはじめ名だたる蔵がひしめき合ってます。一族のグロ・フレール・エ・スールやアンヌ・グロも近くにあります(黄色いチェックマーク)。ミシェル・グロのモノポール、三角形のクロ・デ・レア(Clos des Réas)の畑の位置関係もご確認ください。


今日のメインエベント、AOCブルゴーニュ・コートドール(AOC Bourgogne Côte d’Or)です。コートドールが付いただけと思うなかれ。実は対象地域は元のAOCブルゴーニュとはずいぶん違います。まずは、その対象範囲を確認。例によってINAOの地図を見てみます。
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左側が元来のAOCブルゴーニュの対象範囲の地図です。右側が今回のAOCブルゴーニュ・コートドールの対象範囲を示す地図になります。
具体的には右の地図の「AOP Bourgogne DGC Côte d’Or」が示す範囲(濃い黄色線で囲われた部分)になるんですが、もともとのAOCブルゴーニュ(左側の地図)がグラン・オーセロワからボジョレーまで広範囲に渡っていたことからすると、ずいぶんと限定されています。

このAOCブルゴーニュ・コートドールの範囲をGoogle Map上に重ねます。赤線で囲った部分。
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シュノーヴからマランジュまで、まさにコートドール(=コート・ド・ニュイ+コート・ド・ボーヌ)の全範囲。特級・1級畑を含む村名AOCの集合体と重なります。それでも基本は県道D974号線の東側(もともとのAOCブルゴーニュ)がメインになるんでしょうけど…。
山側のオート・コート・ド・ニュイ/ボーヌはこの範囲からは外れているのがわかります。これらはそれぞれ単独で、AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits / Beaune という「地理的呼称付きブルゴーニュ」が名乗れますからね。AOCブルゴーニュ・コートドールが、これら「地理的呼称付きブルゴーニュ」の仲間入りをしたということです。なので、オート・コートの部分とは並立の関係です。
AOCブルゴーニュ・コートドールは、今までにもあった、地理的呼称DGCDénomination Géographique Complémentaire)がついたAOCブルゴーニュと同じ扱いで、地域名(レジョナル)AOCブルゴーニュでありながら、その中の特定のエリアに限定するものということです。

AOC Bourgogne Côte d’Or が仲間入りし、全部で14になった地理的呼称付きAOCブルゴーニュDénominations Géographiques Complémentaires de l’AOC Bourgogne)を列挙します。(順不同)範囲・場所は書きませんので勝手に調べてください(笑)。

・AOC Bourgogne Côtes d'Auxerre
・AOC Bourgogne Chitry
・AOC Bourgogne Epineuil
・AOC Bourgogne Coulanges La Vineuse
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Beaune
・AOC Bourgogne La Chapelle Notre Dame
・AOC Bourgogne Le Chapitre
・AOC Bourgogne Montrecul(Montre-Cul)
・AOC Bourgogne Tonnerre
・AOC Bourgogne Côte Saint-Jacques
・AOC Bourgogne Côte Chalonnaise
・AOC Bourgogne Côtes du Couchois
AOC Bourgogne Côte d’Or

AOC Bourgogne Vézelay というのもありましたが、AOCブルゴーニュ・コートドール誕生と同じくして2017年に単独 AOC Vézelay に昇格しています。


さて、ミシェル・グロのAOCブルゴーニュ・コートドールの畑ですが、実は公式ページにすべての所有畑の「区画」がGoogle Map上に図示してあり、それでバッチリ正確な場所がわかります。
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黄色丸で囲った部分です。0.80haあり、平均樹齢40年のピノ・ノワールのみが植えられ、ここから平均年間7,000本が生産されるということです。完璧な情報です。ブラボー。
土壌は、更新世(洪積世)の砂と砂利の下層土に粘土質ローム層であり、石灰成分が少ないこれらの土壌からは、紫色の色調とかなり強い酸性度を備えたワインができるそうで、非常にフレッシュで香り高いものになるとのこと。これまた完璧です。

この畑は、かつては(今もですが)AOCブルゴーニュの畑とは言え、ヴォーヌ・ロマネ村内です。いつもの地図(ラック・コーポレーション様より拝借)で位置関係を確認しましょう。
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県道D974号線の東側、「Lutenière」という名前のようですね。

Google Mapで現地へ行ってみます。おっと、ストビューで近寄れませんね。
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まあ、でも雰囲気はわかりました。すぐ近くに鉄道が走っています。クロ・デ・レアの畑から700mの距離。ロマネ・コンティの畑から1500mです。(笑)


エチケット平面化画像。
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イラストはクロ・デ・レアの畑です。裏ラベルはインポーターシールのみ。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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一応、コルクはブルゴーニュ・コートドール専用品。しかし「P」印ってなんだ?

Alc.14%。(pH:4.09、Brix:7.0)
しっかりルビー。
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フランボワーズ、フレーズ。
香り高いですが、ゼラニウムっぽいのも少し感じます。
穏やかな酸味が乗った辛口アタック。
深みのある味は、その酸と見事な均衡を見せます。
複雑なようでシンプルな構造の味わいは素直に楽しめます。
今もいいけど、数年後が楽しみになるようなポテンシャルも感じます。

ブルゴーニュ・コートドール。レジョナルではありますが、
ミシェル・グロのそれはなかなかのレベルとお見受けします。


*****

Domaine Michel Gros
Bourgogne Côte d’Or 2018
RRWポイント 93点


Garzón Tannat Reserva 2018

久しぶりにウルグアイのタナをいただきましょう。フランス南西地方のマディランで有名な品種ですが、ウルグアイでは国の代表品種と言ってもよい力の入れようです。と言っても日本でウルグアイの選択肢はあまりないんですよね。結局前にも試したことのある、ヴィノスやまざきに置いてあるボデガ・ガルソン(Bodega Garzón)と相成りました。チリのカルメネール、アルゼンチンのマルベック、そしてウルグアイのタナ。これらを勝手に南米うまうま御三家と呼んでいます。(笑)

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ボデガ・ガルソンは1999年にアレハンドロ・ブルゲローニ氏(Alejandro P. Bulgheroni)がマルドナド県のガルソンに創設しました。この方、ワインをこよなく愛する南米を代表する経済人だそうで、アルゼンチンやナパ、イタリアのワイナリーにも出資してるという資産家です。その方が自ら立ち上げたのがウルグアイのここですから相当こだわりがあるような気がします。

公式ページは美しいワイナリーの写真が目を引く今風のタイプです。

ウルグアイの紹介から、ワイナリーの紹介から、なかなかの充実度です。ワイン紹介もしっかりしています。
・タナ 100%
レセルバですから樽熟してます。フレンチオークのバリックと5,000Lの大樽併用で澱と共に6~12ヶ月熟成させるとのこと。


タナ(Tannat)は当然フランス原産なんですが、ウルグアイで広まりました。
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フランスからの移民でブドウ栽培家であったパスクアル・アリアゲ(Pascual Harriague)さんがウルグアイにタナを導入したということで(1870年頃)、ウルグアイではタナのシノニム「アリアゲ」とも呼ばれます。
フランス本国では南西地方マディランを中心に2,513ha(2016年)栽培されていますが、他のヨーロッパではほとんどなく、次点はウルグアイの1,725haになります。その次がアルゼンチン(837ha)、アメリカ(247ha)と続きます。ウルグアイのタナの多さがわかりますね。


ワイナリー訪問。ストビューがないので公式ページの空撮写真を拝借します。
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近代的で広大な施設です。まわりの畑もきれいですね。首都モンテビデオからは東に車で3時間ほど、その名もガルソンというところにあります。

ウルグアイをGoogle Map上で見てみましょう。ボデガ・ガルソンも記しました。
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ウルグアイのワイン産地の地図もインポーズしました。ガルソンは産地で言うとマルドナド(Maldonado)になります。小さな国ですが国中でワインを作ってるようですね。

南米大陸でいうとここらへんです。
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チリ、アルゼンチン、南アフリカの銘醸地と同じ緯度ですね。


ウルグアイ・ワインの公式ページというのも情報多く、興味深いです。ご参考まで。



ラベル平面化画像。
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裏ラベルで、ヴィノスやまざき蔵直ワインというのがわかりますね。


さあ、抜栓。
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キャップシールはエンボスで名前入り。コルクはこれだけなので平面化なし。

Alc.14.5%。(pH:4.72、Brix:7.5)
濃い濃いインキーなガーネット。
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黒ベリー、カシス、黒胡椒。
辛口アタック。
タンニンにすぐ気がつきますが非常にスムース。
ふくよかで厚みのあるストラクチャー。
コクはあるんですが全然重々しくない、好きな感じです。
甘やかさ、コク、柔らかな渋み…すべてが絶妙なバランス。
そして、極上のタンニンを味わい尽くすような長い余韻。
タナ(Tannat)はタンニン(Tannin)が語源というのがよくわかります。

ウルグアイのタナ。素晴らしいです。
と言うより、間違いないですよ、この作り手。


*****


Bodega Garzón
Tannat Reserva 2018
RRWポイント 98点


Louis Jadot Mâcon-Azé 2018

コストコにてお買い求めのルイ・ジャドのマコン・ヴィラージュ(Mâcon-Villages)です。例によってマコン・アゼ(Mâcon-Azé)と村名が入っています。以前飲んだルイ・ジャドの袖もの白もマコンのヴィレ・クレッセ(Viré-Clessé)からのブドウを使ってましたね。あちら方面にはいろいろたくさん畑を持ってるようです。

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ルイ・ジャドについて今さら詳細は要らないと思いますが、起源は1851年にルイ・ジャドさんがボーヌで始めた大メゾンです。ブルゴーニュ最大手のひとつですから、今日のワインのようなお手頃な袖ものまで手広くやってますが、ミュジニーやエシェゾーはじめ名だたるグラン・クリュもいっぱい持ってます。とにかく、流通量も多く、何かとお世話になってるルイ・ジャドです。(笑)

公式ページは大手の風格。全部自社畑かというぐらいブルゴーニュを代表して紹介してます。

ワイン紹介はラインナップがありすぎるのか、マコン・ヴィラージュでしか載ってません。
・シャルドネ 100%
説明もステンレスタンクで発酵・熟成とあるだけですね。

ルイ・ジャドを訪問しますが、Google Mapが指し示すのがここです。
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ボーヌの郊外で、かなり大規模な施設になります。

本社はボーヌの町の中にあります。市街地で、看板も上がってません。
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本社のすぐ隣にジャコバン修道院(Couvent des Jacobins)というのがあります。1500平米の広さの地下セラーがこの隣接する修道院の地下へとつながっているんだそうです。

ネットで拾った地図でマコネ(Mâconnais)の位置関係を見てみます。
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この地図、ボジョレーがないのでマコネが最南端になってます。違和感ですね。(笑)

ルイ・ジャドの公式ページのマコンの説明にはこの地図がありました。
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まあ、主だったコミューンが書き込んであるだけって感じです。

AOCマコンとAOCマコン・ヴィラージュの範囲を確認したくてINAOの地図を見てみますが、AOCマコンの範囲が広く、他で見慣れてるのとちょっと違います。年々広がってるんでしょうか。
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以前に試したことのあるコミューンや、主要AOCの名前を書き込んでいます。AOCヴィレ・クレッセ(AOC Viré-Clessé)、AOCプイィ・フュイッセ(AOC Pouilly-Fuissé)は複数のコミューンに渡っています。あっ、AOCサン・ヴェラン(AOC Saint-Véran)も分断されてますが複数コミューンが対象でしたね。AOCプイィ・フュイッセの東側のAOCプイィ・ロシェ(AOC Pouilly-Loché)とAOCプイィ・ヴァンゼル(AOC Pouilly-Vinzelles)は単独の村名AOCです。

ところで、昨年2020年9月と最近の話ですが、AOCプイィ・フュイッセ(Pouilly-Fuissé)から 22 のクリマが第一級畑、プルミエ・クリュ(Premier Cru)に認められました。全部で94haに相当し、プイィ・フュッセ全体の約24%を占めるそうです。2010年に申請を開始、認定までに10年かかっていますが一級畑ですからとにかく快挙ですね。2020年のヴィンテージかららしいのでぼちぼち登場しそうです。また試したら地図に22クリマを書き込んでみたいものです。(笑)

とは言え、今日はAOCマコン・ヴィラージュ(笑)。ヴィラージュものでも、ルフレーブのマコン・ヴェルゼマコン・イジェ、コント・ラフォンのミイィ・ラマルティーヌなどは印象深いです。また、新しい「ヴィラージュ」に出会ったらこの地図に追記してくとしましょう。

一応、恒例なので、Google Map上でも見ておきます。
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地形を見ると、複数のコミューンで括られる意味が何となくわかってきます。

そうそう、アゼの村を訪問し、マコン・アゼのテロワールを感じておきましょう。
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この写真がルイ・ジャドの畑とは限りませんが(笑)、南側のイジェやヴェルゼと地続きでいい感じのところです。


エチケット平面化画像。
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コストコの裏ラベルを隠さない努力は買います。これなら上側でいいんじゃない?


さあ、抜栓。
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キャップシール、コルクとも名前入り。

コルク平面化。
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DIAM5でした。

Alc.13%。(pH:4.18、Brix:6.1)
ゴールドイエロー。
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リンゴ、白い花。
やはり、樽感はありません。
辛口アタック。
柑橘系の酸。
ミネラルというより塩味を感じます。
「ブルゴーニュのシャルドネっ」という貫禄は感じますが、
特筆すべき良さも今ひとつ見当たらない感じす。

マコネの限界でしょうか…。
ルフレーブなんかすごくうまく作ってるんですがね~。
よ~し、プイィ・フュイッセの1級探すぞ!(笑)


*****


Louis Jadot
Mâcon-Azé 2018
WWWポイント 77点



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Viñedos Marchigüe Panul Carménère Gran Reserva 2018

ビニェドス・マルチグエのカルメネールです。そう、今日は日本カルメネール振興協会の活動日です。この作り手のカルメネールはアメリカ在住時代によく飲んでました。パヌールという名前じゃなかったやつでしたが。なかなかおいしいという印象があります。懐かしさを感じながら、最新ヴィンテージをいただいてみましょう。

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ビニェドス・マルチグエ(Viñedos Marchigüe)は、エラスリス・オバジェ家が1992年に設立したビニェドス・エラスリス・オバジェ(Viñedos Errazuriz Ovalle)が本体です。コルチャグア・ヴァレーとクリコー・ヴァレーに2,700haもの畑を所有、ブドウやバルクワインを他の生産者に販売しながら、自社元詰めのワインをビニェドス・マルチグエとしてリリースしてます。

公式ページは少々貧弱。英語・中国語の表示を押しても切り替わらずスペイン語のまま(笑)。

今日のワインもパヌール・シリーズとして簡単な説明があるだけ。パヌールは原住民の言葉で「ハグ」の意味だそうです。しかし、無印やレセルバ、グラン・レセルバといった個々のワインの説明がまったくなし。これは困りましたね。以下、インポーターのモトックスの情報から。
・カルメネール 100%
グラン・レセルバなので新樽率20%のオーク樽で8ヶ月の熟成とのこと。


ビニェドス・マルチグエを訪問します。マルチグエ(Marchigüe)の集落から車で15分。
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結構大きな施設なんですが、田舎過ぎてストビューが到達しておらず、ワイナリーの写真が撮れません。見学ツアーの記念写真みたいなのが上がっていたので拝借しました。Facebookのページとかも探したんですが、これが精一杯。まあ、雰囲気だけでも。

コルチャグア・ヴァレー周辺を俯瞰して、マルチグエの場所を確認します。
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リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)がほぼラペル・ヴァレー(コルチャグア+カチャポアル)の範囲でしたね。マルチグエ(Marchigüe)はコルチャグア・ヴァレーのサブリージョンになり、Viña BisquerttViña Polkura など他にもいくつかのワイナリーが集まっています。


ラベル平面化画像。
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カルメネールの表記が、日本カルメネール振興協会がイチ押しの「Carménère」になってますね。(笑)


さあ、抜栓。
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キャップシール、コルクともエンブレム入りですね。

コルク平面化。
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コルク横にもエンブレムが入ってました。DIAM2は仕方ないですね。

Alc.14%。(pH:4.54、Brix:7.4)
濃いガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー、黒糖、モカ。
カルメネールの王道って雰囲気です。
辛口アタック。
バックグラウンドにうっすらと弱めの酸がいます。
カルメネールらしいまろやかで甘やかな味わいは感じますが、
少々厚みや立体感は弱いかな~。
余韻もしっかりあるんですが、甘さを引きずるところが減点。
コスパ最高、1,000円ほどですからね。
価格的に仕方ないかな〜。(笑)


*****

Viñedos Errazuriz Ovalle 
Viñedos Marchigüe
Panul Carménère Gran Reserva 2018
D.O. Colchagua Valley
RRWポイント 89点


Karl Haidle Spätburgunder Trocken Stubensandstein 2018 Württemberg

カール・ハイドルというドイツはヴュルテンベルク(Württemberg)の作り手のシュペートブルグンダー(Spätburgunder)、すなわちピノ・ノワールです。VDP.の Gutswein の等級マークがついていますが、店頭では隣に同じ作り手の Erste Lage のものも置いてました。一瞬迷いましたが、平常運転、お手頃のグーツヴァインの方を選びました。はてさて、吉と出るか凶と出るか…。

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カール・ハイドル(Karl Haidle)は、カール・ハイドルさんが1949年にシュトゥットガルトに近いレムス渓谷(Remstal)で設立したワイナリーです。0.5haで始めた畑は現在19haにもなり、この地で協同組合ではなく個人でワイナリーを成功させた先駆者とされているようです。現在は2代目のハンスさん、3代目のモリッツさんが運営をしています。

公式ページは、ワイナリー紹介、畑紹介などなかなか充実の内容でした。
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ワイン紹介は、今日のワインのデータシートがリンク切れのようで残念。
・ピノ・ノワール 100%
オークの大樽とバリックの併用で熟成させるようですが期間がわかりません。

今日のワインは VDP. のグーツヴァイン(Gutswein)の等級となっていますが、VDP.(ファーデーペー、Verband Deutscher Prädikatsweingüter)の格付けについておさらいをしましょう。
ドイツの QbA や Prädikatswein の等級は甘さが基準で品質自体がわかりにくいこともあり、VDP.(ドイツ高品質ワイン醸造家協会)が1910年に独自に審査・認定を始め、畑に格付けをしています。テロワール重視のフランス式と考えればわかりやすいです。
キャップシールに VDP. ロゴ(鷲のマーク)が入り、以下の等級が表記されます。

Gutswein(グーツヴァイン)・・・地域名ワイン
Ortswein(オルツヴァイン)・・・村名ワイン
Erste Lage(エアステ・ラーゲ)・・・1級畑ワイン
Grosse Lage(グローセ・ラーゲ)・・・特級畑ワイン
 この特級畑からの辛口ワインには、特に、
Grosses Gewächs(グローセス・ゲヴェックス)・・・“Grand Cru”
 と表記され、Qualitätswein trocken が併記されます。

今日のワインは Gutswein(地域名ワイン)。同様に Qualitätswein trocken が併記されてます。


ワイナリー訪問。ロゴマークにある建物が畑の真ん中にありました。
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ワイナリー自体はこの畑のすぐ麓にあります。丘の上の建物はイーブルク城 (Y-Burg)といって建てられたのは1300年頃といいます。なんだかんだあって18世紀頃に壁だけが残るまで破壊されたそうです。この建物を取り囲む畑はカール・ハイドルの畑なので、イーブルク城もワイナリーの所有なんでしょうね。マークに使ってるくらいですから。

公式ページに所有畑の地図があったので Google Map にインポーズします。
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最初の写真に写ってる畑全部なんですね。この地図の範囲外にもまだ所有畑はありました。

今日のワインは地域名ワインで、ヴュルテンベルク(Württemberg)が産地です。ドイツの(13ある)生産地のひとつでありまして、場所としてはバーデンの東側に広がっています。
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この地図にも書かれていますが、ヴュルテンベルクには大きく4つのベライヒ(Bereich)があります。以下の4つになります。

Kocher-Jagst-Tauber(コッハー・ヤークスト・タオバー )
Württembergisch-Unterland(ヴュルテムベルギッシュ・ウンターラント )
Remstal-Stuttgart(レムシュタール・シュトゥットガルト)
Oberer Neckar(オーベラー・ネッカル )

また、地図外ですが、少し離れたボーデン湖畔にも飛び地のベライヒがもう2つあります。湖の北岸東側で Württembergischer Bodensee(Nonnenhorn、Wasserburg、Lindau)と Bayerischer Bodensee(Kressbronn周辺)といいます。ボーデン湖周辺はややこしい…。

今日のワインは Remstal-Stuttgartレムシュタール・シュトゥットガルト)のベライヒになりますが、見にくい地図なので、Google Mapに転記してワイナリーの所在を確認します。
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シュトゥットガルトの東側ですね。シュトゥットガルトはバーデン・ヴュルテンベルク州の州都であり、ネッカー川が町を流れる大都市です。ベンツやポルシェの本社と博物館があったりします。

ワイン産地としてのヴュルテンベルクのカギとなるのがやはり川です。上の地図にも書き込みましたが、川だけに着目するとこんな具合に流れています。
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ネッカー川(Necker)はマンハイムでライン川と合流しますので、ライン川の支流ということになりますが、ヴュルテンベルクの主要な4つのベライヒを貫く大きな川です。


ラベル平面化画像。長~い一枚ものです。
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ユーロリーフが付いてますね。ヴィーガンワインのようです。
インポーターシールが隠しているのはバーコードだけでした。セーフ。


さあ、スクリュー回転。
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Ortswein(オルツヴァイン)以下はスクリューキャップ仕様のようです。キャップにはエンボスのマークが入っていてカッコいいですが。

Alc.12%。(pH:4.11、Brix:6.2)
ルビー。
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ラズベリー、ストロベリー、チェリー。
青み、茎っぽさもかすかに感じます。
辛口アタック。
大人しめの酸はいい感じですが、
味の芯は弱めで酸に負けています。
すると後味でもその酸は引きずるんですよね。

ライトなピノとしてよしって感じなんですが、
やっぱりもう一つ上のグレードが良かったのでしょうか。
(笑)


*****

Karl Haidle
Spätburgunder Trocken 
Stubensandstein 2018
Württemberg
RRWポイント 88点


Bouchard Père & Fils Bourgogne Pinot Noir La Vignée 2018

前にも2015年を試しているブシャール・ペール・エ・フィスです。特に好みなわけでもありません。たまたま特価で売っていたので手を出してしまった的な…(笑)。どちらかというと、過去に本や漫画(漫画ソムリエ 第6巻 Vintage 45:不正)で読んだブシャール・ペール・エ・フィス社が1987年に起こした不祥事の印象で避けていたくらいです(笑)。

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1731年もの昔にミシェル・ブシャールによってボーヌに設立されたブシャール・ペール&フィスは、ブルゴーニュで最も古い作り手の1つであり、コートドールで最大の地主の1つでもあります。(現在、所有畑130haの内、74haが1級畑、12haが特級です。)
そんな偉大なドメーヌがしくじったのが1987年の不正事件です。フランスでは法律で禁止されている補糖と補酸の併用を行っていたことが発覚。その上、補糖の量自体も法律の制限量を上回っており、さらには原産地表示以外のブドウも使っていたというから驚きです。そして事件当時の経営者が吐いた言葉が、「みんなやってるのに何でワシだけパクられるねん!」だそうです。(笑)
案の定、その後会社は傾き、1995年にシャンパーニュ・アンリオを所有するジョゼフ・アンリオ氏に身売りをすることになります。しかし、アンリオ氏が経営を引き継ぐと、畑から醸造からあらゆる面に改革が行われ、現在のブシャールの品質は向上し、再び世界に名が知れ渡るドメーヌに返り咲いているということです。
ただ個人的には、そういうネガティブな話は印象に残るものでして、なんとなくいや~な感じを感じながらの抜栓となっちゃうんですよね。(笑)

公式ページは大ドメーヌの風格でしっかりしてますよ。

今日のAOCブルゴーニュもちゃんとデータシートまであります。
・ピノ・ノワール 100%
ただし、畑の場所はわかりません。シャブリからボジョレーまでのどこかです(笑)。買いブドウ(マスト)か買いワインだとはっきり書いています。熟成は10~15%だけフレンチオーク樽で、残りはステンレスタンクで9~10ヶ月だそうです。まあ、レジョナルですからこんなもんでしょう。

ただ、ひとつ気になるのは、裏ラベルの添加物の「安定剤アカシア)」の表示。たまに安ワインの表示で見かけますが、調べると現物はこの写真のような樹脂だそうです。(オエッ…笑)
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アカシア属アラビアゴムノキの樹皮から採るそうで、「アカシア」の代わりに「アラビアガム」と表示されることもあります。自然由来ですし、禁止されているわけでもなく、乳化剤や安定剤として広く使われているもののようです。例えば、アイスクリームやガムシロップ。あと、清涼飲料水の類、特にコーラはこれなしには成分が均一に混ざらないそうです。まさに安定剤なわけですね。
しかし、待てよ? たいていのワインはこんなもの入れずに作ってますよね。やはりこれは真っ当な作り方を端折って、それなりの味わいを作為的に作り出そうとして入れるもんなんでしょうね。

添加物の安定剤、ペイ・ドックの安いワインでも見かけますが、自分の経験上として過去の記録を調べてみると、なぜか南アフリカが特に多かったです。これは「アラビアガム」の例。
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De Wetshof という作り手では「安定剤(CMC)」とあります。
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CMCは Carboxymethyl Cellulose(カルボキシメチルセルロース)のことで、天然パルプ由来のセルロースを加工して作られた増粘安定剤だそうです。これも無害なんでしょうが、真っ当なワイン造りではないところで、とろみや粘りを出そうとしてるわけですよね。今日のブシャール同様、何となく釈然としません。そうそう、調べていて気がついたんですが、南アフリカは他国では見られない「酸味料」という謎の添加物の表示も多かったです。要注意ですね。

今日はなんだかすごく脱線(笑)。恒例の作り手訪問はしておきましょう。
Bouchard01
ボーヌの鉄道駅から市街へ向かって歩いて5分。旧市街の外郭に到達してすぐのところですね。なんとお向かいがアルベール・ビショーでした。


エチケット平面化画像。
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「安定剤(アカシア)」が燦然と輝いています(笑)。


さあ、抜栓。
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キャップシールなんかはカッコいいですよ。

コルク平面化。
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汎用品ですが、DIAMのいくつだろう? 3? 5?(笑)

Alc.12.5%。(pH:4.42、Brix:7.1)
しっかり色づいてるルビー。
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フランボワーズ、チェリー、ベリーの酸味の香り。
辛口アタック。
控えめで程よい酸味と複雑さも感じる味があります。
軽さはありますが、フレッシュ感として解釈可能。
後味で少々水臭い気がするんですが、
総論としてなかなかうまくまとまっています。

昔飲んだ2015年よりずっといいですね。
これが「安定剤(アカシア)」の効果なんでしょうか?
(笑)


*****

Bouchard Père & Fils
Bourgogne Pinot Noir La Vignée 2018
RRWポイント 90点


さぬきワイナリー Sauvageonne Savoureuse 2018 香大農 R-1

我が家の地下セラー(キッチン床下収納とも言う)から、Kagawa University(香川大学)と書かれたワインを発見。これは、四国の「さぬきワイナリー」を訪れたときに買い求めてあったものです。そこのシャトー志度というフラッグシップらしきワインで撃沈し(笑…おそらく欠陥)、抜栓をためらってるうちに忘却の彼方へ行ってしまってたようです。しかし、ちょっと調べると「香大農 R-1」という品種含め生い立ちの面白そうなワインです。抜栓といきましょう。

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作ってるのも売ってるのも「さぬきワイナリー」なんですが、香川大学農学部が開発した「香大農 R-1」という品種100%で作ったこのワインは、れっきとした香川大学ブランドなんだそうです。品種やワイン名、そしてこの認証シール(ネックについてます)にいたるまで香川大学が商標登録し、さぬきワイナリーが商標使用料を支払って製品化しているそうです。
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ブランド化したい意思は強く感じますが、ちょっと印刷が荒い?(笑)

さぬきワイナリーをさっと見ておきましょう。公式ページはショップ兼用で普通な感じ。

当然ながらワイン情報はショップページにしかなく貧弱。なので、今日のワイン情報はネット情報(特に香川大学)が頼りです。

さぬきワイナリーは立地含めて訪問するには素晴らしいところです。
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ただし、ワインのラインアップや直営ショップは第三セクター然としていて今ひとつワクワク感はないんですよね(笑)。


さて、「香大農 R-1」ですが、香川大学農学部が交配によって生み出した品種で、1989年ごろに研究が始められ、農林水産省に種苗登録が完了したのが2006年です。
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香川県の高温期というのがブドウの成熟期に重なっていて、もともと着色不良の問題があり(夏期に高温多湿の日本ではだいたい同じでしょうが)、その対策として、栽培法の工夫のような対処療法ではなく、根本対策としての新品種育成という発想に至ったのが開発のきっかけだそうです。日本原産の野生品種の中で、アントシアニンの含量が多く濃い果皮色のものを選定し、沖縄・奄美地方に自生する野生ブドウの「リュウキュウガネブ(Vitis ficifolia var. ganebu)」に着目したとのことで、これを母親に、高級温室ブドウである「マスカット・オブ・アレキサンドリア(Vitis vinifera 'Muscat of Alexandria')」を父親にして育種されました。
結果、ポリフェノールの含有量が多く、特にアントシアニンが豊富でワインの色が非常に濃い割に、飲み口が軽く(渋みを好まない日本人向きだそうで…?)仕上がっています。総ポリフェノール量はカベルネ・ソーヴィニヨンの2倍もあるそうです。また、写真のように果粒が小さく生食用に向かなかったことで、ワイン専用に絞り込まれたこともこの品種を運命づけたようです。

「香大農 R-1」のワインは、ソヴァジョーヌ・サヴルーズSauvageonne Savoureuse)という名前で香川大学が商標登録し、香川大学ブランド・ワインとして香川県内で販売されています。
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この一風変わったワインの名前は「芳しき野生の乙女」という意味のフランス語で、香川大学経済学部のフランス語の先生につけてもらったんだとか。香川県内で売るにはちょっと奇をてらい過ぎな気もします(笑)。それより品種名の「香大農 R-1」を何とかした方がいいと思います。あまりおいしそうにも、高級そうにも聞こえません。「マスカット・リュウキュウ K」とか「香大ピノ・ノアール(農 R)1」とか、いかがでしょう。(笑)


ラベル平面化画像。
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う~ん、もうひとつアピールしてこないデザインですね。


さあ、抜栓。
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コルク、不安なくらい短いです。キャップシールのこのマーク、さっきの大学の写真と同じ、そう、香川大学のマークです。(笑)

Alc.11%。(pH:4.33、Brix:6.1)
確かにすごく濃い色をしています。アントシアニンたっぷりって感じです。
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ブルーベリー、イチゴ。
フォクシー・フレーバーらしきものも微かに感じます。
半分はヴィティス・ヴィニフェラですから、
これはリュウキュウガネブ(Vitis ficifolia)から来るんでしょうか。
特徴的な酸を先に感じますがさほど強くないです。
しかし、その酸はその後も支配的に感じます。
なぜなら、それを受け止めてくれる味の実体が弱いから、のようです。
せっかくこんなに色が濃いんですから、
もう少し重めの味わいがあってもいいような気がします。

ただし、あまり期待していなかったことからすると、
予想以上にしっかりワインしています。


*****

さぬきワイナリー
Sauvageonne Savoureuse 2018
<ソヴァジョーヌ サヴルーズ(芳しき野生の乙女)>
「香大農R-1」
RRWポイント 81点


Clos Buzao Pinot Noir Réserve 2018 Dealurile Munteniei

ルーマニアのピノ・ノワールを見つけたのでポチったんですが、1000円+税というお値段です。素性を調べるのもちょっと手こずりそうな予感。まあ、ルーマニアは経験上レベルがそこそこ高いので、当たりであること期待しつつルーマニアワインの総論でも調べましょうか。

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案の定、作り手の素性不明(笑)。裏ラベルに「Bottled by DMD at F11170 France」とあります。フランスのネゴシアンでしょうか、このポストコードはレサック・シュル・ランピ(Raissac-sur-Lampy)というカルカソンヌの近くの町です。やはり、Chai DMD というワイン流通業者のようです。

Chai DMD の写真があったので貼っておきます。ルーマニアじゃないですよ。(笑)dmd01
ネットのショップの情報では、『南仏ドメーヌのオーナー“ピエール・デグルット氏”が手がける。“ブルゴーニュ以外でピノが上手に育つのはここしかない”と、ピノ・ノワールの苗木を全てフランスから持ち込んで、ルーマニアの銘醸地「デアルマーレ」で造られたワイン。』とあります。
「南仏ドメーヌ」ってどこな? ピエール・デグルット氏って誰な? …と、基本的なことがわからず情報的価値はほぼゼロです。(笑)

『ルーマニアの銘醸地「デアルマーレ」で造られたワイン』とありますが、今日のワインは「Dealurile Munteniei IGP」となっています。(IGPが「Indication Géographique Protégée」とフランス語なのもご愛敬。)ネットの情報によると、10年くらい前のヴィンテージでは(そんな前からあるんだ…)確かに DOC Dealu Mare だったようです。DOC → IGPで、少し広域になったのでしょうか。

ルーマニアのワイン法では、原産地呼称のDOCDenumirea de Origine Controlată)と地理的表示のIGIndicaţie Geografică)で産地が格付けされており、EUの規定よりも厳しいなんて言われています。ルーマニアがEUに加盟したのが2007年と割と最近なんですが、基本はEUワイン法のAOP/IGPに準じてるんじゃないでしょうか。

ルーマニアには、DOCが33、IGが12あると言います。列挙してみましょう。
(アルファベットはルーマニア語表記のまま記します。読みづれぇ~。笑)

DOC(Denumirea de Origine Controlată):計33
(Denumiri de origine controlată → 複数形)
インデントしてあるのはサブゾーンです。

1. Târnave
Blaj
Jidvei
Mediaş
2. Alba Iulia
3. Sebeş - Apold
4. Aiud
5. Lechinţa
6. Cotnari
7. Iaşi
Copou
Bucium
Uricani
8. Bohotin
9. Huşi
Vutcani
10. Iana
11. Dealu Bujorului
12. Nicoreşti
13. Panciu
14. Odobeşti
15. Coteşti
16. Dealu Mare
Boldeşti
Valea Călugărească
Urlaţi
Ceptura
Tohani
Breaza
Merei
Zoreşti
17. Pietroasa
18. Ştefăneşti
Costeşti
19. Sâmbureşti
20. Drăgăşani
21. Banu Mărăcine
22. Segarcea
23. Mehedinţi
Severin
Corcova
Golul Drâncei
Vânju Mare
Oreviţa
24. Recaş
25. Banat
Moldova Nouă
Dealurile Tirolului
Silagiu
26. Miniş
27. Crişana
Diosig
Biharia
Şimleu Silvaniei
28. Murfatlar
Medgidia
Cernavodă
29. Babadag
30. Sarica Niculiţel
Tulcea
31. Adamclisi
32. Oltina
33. Însurăţei


IG(Indicaţie Geografică):計12
(Indicaţii geografice → 複数形)

1. Dealurile Transilvaniei
2. Dealurile Moldovei(もしくは)
Dealurile Hârlăului
Dealurile laşilor
Dealurile Huşilor
Dealurile Tutovei
Dealurile Covurluiului
Terasele Siretului
3. Dealurile Vrancei
4. Dealurile Munteniei
5. Dealurile Olteniei
6. Viile Carașului
7. Viile Timişului
8. Dealurile Zarandului
9. Dealurile Crişanei
10. Dealurile Sătmarului
11. Colinele Dobrogei
12. Terasele Dunării


今日のワインは、IG Dealurile Munteniei ですが、ワイン名が「Clos Buzao」といいます。おそらく「Buzao」という場所があるはずと調べると、どうやら現地語で「ブザウ(Buzău)」のようです。ムンテニア(Muntenia)地方の県とその県都に Buzău というところがありました。ムンテニア(Muntenia)地方は首都ブカレストを含むルーマニアの南部を占める地方です。

ブザウは DOC Dealu Mare の域内にあり、IG Dealurile Munteniei に含まれます。Dealurile Munteniei の意味は「ムンテニアの丘」ということですから、ムンテニア地方の山側部分に当たるようです。以上をこの地図で確認してみましょう。
Romania_Wine_Region
ブカレストの北側、IG Dealurile Munteniei(黄文字)は見つかりましたか? その中に DOC Dealu Mare があり、ブザウ(Buzău)もその域内にありましたね。


実はこの辺りの情報は、ルーマニアワイン専門商社のユーロアジアトレーディングのサイトが詳しいです。カタログPDFにルーマニア情報が満載です。読み方もカタカナでわかります。(笑)
Romania_Wine_Region_ET
最初からこれを上げとくべきでしたかね。(笑)

毎回やってますが、Google Map上でルーマニアの緯度を見ます。
dmd00
ルーマニアはフランスとほぼ同じ緯度にあり、フランスの銘醸地のエリアがほぼ同じ規模で東欧に展開している印象です。国土の中央にとぐろを巻くように走るカルパチア山脈を境に、山岳部と平
原部で気候が大きく異なるため、生産されるワインも多種多様なんだそうです。やはり興味深い国です。


ラベル平面化画像。
IMG_4741
インポーターの重松貿易のサイトへ行ってもこのワインの情報はありませんでした。


さあ、抜栓。
IMG_4968
まあ、汎用品ですね。コルクも短い。

コルク平面化。
IMG_4972
ブドウのイラストのみ。

Alc.12.5%。(pH:4.37、Brix:7.0)
しっかり色づいたルビー。
IMG_4969

ラズベリー、イチゴ。
ミンティーな風味に隠れ軽めながら佃煮香もあります。
辛口アタック。
酸はミルキーなくらいまろやかで控えめ。
そこそこの複雑味があって面白いです。
全体像は値段なりの軽さはあるんですが頑張ってると思います。
やはり、ルーマニアはいい線行ってますね。


*****

Clos Buzao
Pinot Noir Réserve 2018
Dealurile Munteniei IGP
RRWポイント 90点


Montes Alpha Chardonnay 2018

チリのシャルドネをいただきます。モンテスのちょっといいレンジのモンテス・アルファです。モンテスは Montes Alpha M や Purple Angel など赤のいいのはいろいろ試してますが、そう言えば白はこれが初めてですね。チリでは間違いない作り手ですから楽しみです。

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モンテスは1987年創業とチリでは新しい方です。この年にリリースしたモンテス・アルファのカベルネ・ソーヴィニヨンが最初のワインだそうですが、これがいきなりの高評価。以降、チリのプレミアムワインとして国際市場への道を切り開いていく先駆者となったそうです。

公式ページはさすがチリのトップブランドという感じです。情報も豊富。

今日のシャルドネもヴィンテージ毎にデータシート完備。
・シャルドネ 100%
3種類の違うやり方で作った(MLFやったりやらなかったりとか…)ワインを最後にブレンド、35%のみをフレンチオーク樽で12ヶ月の樽熟成だそうで、なんだかややこしいことをやってます。

ブドウは D.O. Aconcagua Costa からとなっています。この D.O.(Denominación de Origen)について深掘りをしておきたいと思います。なぜなら、これはお馴染みの D.O. Aconcagua Valley とは別で、2012年に新たに設定された D.O. になるからです。いったいどのエリアになるのかということを、バルパライソ州のGoogle Mapで確認してみましょう。
Montes03
バルパライソ州は首都サンティアゴのある首都州を取り囲むように太平洋側に広がっており、アコンカグア・ヴァレーのみならず、カサブランカ・ヴァレー、サン・アントニオ・ヴァレーまでを含めてアコンカグア・リージョンRegión Vitícola de Aconcagua)を形成しています。

チリでは2011年に新しい原産地呼称表示の制度が導入されていまして、
 ●コスタ(Costa =海岸)
 ●エントレ・コルディジェラス(Entre Cordilleras =山脈の間の平地部分)
 ●アンデス(Andes =アンデス山脈)
の3つの地理条件をD.O.に付記できるようになっています。

じゃあ、D.O. Aconcagua Costa は D.O. Aconcagua Valley(Valle del Aconcagua)+ Costa なのかというとさにあらず、この翌年の2012年に別個に独立したD.O.として設定されたものになります。
Google Map上に(Costa)をつけた産地、アコンカグア・リージョンの海岸側の部分になります。つまり、アコンカグア・ヴァレーのコスタ(Zapallar と Quillota)+カサブランカ・ヴァレー+サン・アントニオ・ヴァレーという、海岸線に沿った広大な D.O. です。

今日のワインのラベルを見ると「Casablanca Vineyard」と書いてます。ブドウはモンテスのカサブランカ・ヴァレーの畑からだということです。(写真はモンテス公式サイトから)
Montes01
先ほど見たようにカサブランカ・ヴァレーもDOアコンカグア・コスタ(D.O. Aconcagua Costa)の一部ですから、DOアコンカグア・コスタを名乗ってもいいわけです。
実際、2017年のヴィンテージまで D.O. Casablanca Valley 表示でした。何を思ったか、2018年のこのワインからDOアコンカグア・コスタに変えたようです。真相はよくわかりませんが、おそらくアコンカグア・ヴァレーのコスタにあるサパジャール(Zapallar)の畑を所有してるからなんでしょう。同じく所有のカサブランカとレイダの畑と一緒に打ち出せますからね。

アコンカグア・リージョンの DO、サブリージョン、エリア、付記される地理条件のまとめです。
Región vitícola de AconcaguaValle del AconcaguaZapallar
Quillota
Hijuelas
Panquehue
Catemu
Llay-Llay
San Felipe
Santa María
Calle Larga
San Esteban
Costa
Costa
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Andes
Valle de CasablancaCasablancaCosta
Valle de San AntonioCartagena
Algarrobo
Costa
Costa
Valle de LeydaSan Juan
Santo Domingo
Costa
Costa
Valle del Marga-MargaQuilpuéCosta














(出典:Anexo:Regiones vitícolas de Chile

A

このあたりをしっかり調べたいんですが、SAG(Servicio Agrícola y Ganadero =農業牧畜庁)のサイトを見てもバッチリの資料ってないんですよね~。まあ、飲みながら調べながら、ぼちぼち追記・修正をしていくとしましょう。(笑)


ところで、モンテスの本拠地はコルチャグア・ヴァレーにある「Apalta Vineyard」です。リベルタドール・ヘネラル・ベルナルド・オイギンス州のGoogle Mapに示しましたのでご確認を。
Montes02

これがそのモンテスの発祥の地であり、本拠地です。とっても近代的な施設。
Montes00
右にモンテスの拠点がわかる地図をつけています。北はサパジャールから南はイタタまで6拠点あるようです。


ラベル平面化画像。
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裏ラベルはエノテカ貼り替えですね。


さあ、抜栓。
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キャップシールはネックの模様含め高級感があります。コルクはこの「MONTES ALPHA」が2回繰り返しなだけなので平面化はしません。

Alc.14.5%。(pH:3.95、Brix:6.8)
ゴールドイエロー。
IMG_4801

リンゴ、シトラス、ナッツもあります。
キレのいい酸が乗った辛口アタック。
苦味もあるライムな感じの味わい。
いきいきした果実味たっぷりです。

案外、期待したのよりあっさり系でした。
こってりしすぎたシャルドネよりいいかも。


*****


Montes Alpha Chardonnay 2018
D.O. Aconcagua Costa
WWWポイント 79点



WhiteWhiteWine01
--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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