Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Ahr

Mayschoss-Altenahr Ahr Spätburgunder 2018

ドイツの13のワイン生産地域のひとつですが、少々マイナーなアール(Ahr)のシュペートブルグンダー(Spätburgunder:ピノ・ノワールのドイツでのシノニム)。ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ(Hessische Bergstrasse)以外の産地は大体制覇していて、アールも昔一度、全く今日と同じワインの2016年を試しています。また同じのか…なんですが、マイナー産地故あまり他にお目にかからないのと、前回なかなかおいしかったというのがまた手にした動機です。

IMG_1201
あっさりとしたラベルで、作り手の名前が表に書いてません。裏を見るとわかるのですが、Winzergenossenschaft(ワイン生産者協同組合)とあります。名前をマイショス・アルテナール(Mayschoß-Altenahr)という協同組合で、創業は1868年と150年以上の歴史があり、452の会員合計で150haの畑を所有するそうです。アールの総栽培面積が563haといいますから、全体の1/4くらいを占める大きな協同組合ということになりますね。

公式ページはこちら。よくできていますがドイツ語オンリーです。(笑)

ワインの紹介はオンラインショップのページと兼用です。

ショップサイトがこちら。ワインの紹介はオンラインショップのページと兼用です。

「創業者のワイン(Gründerwein)」というローエンドが今日のワイン同等と思われます。

・シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール) 100%

いずれにしても情報は少ないんですが、マロラクティック発酵あり、オークの大樽(3~6年使用)で10ヶ月の熟成をしていることはわかりました。


ワイナリー訪問します。前に訪問した時にはなかったストビューが...ありました!
Ahr_Mayschoss
やはりストビューがあるといいですね。行った気になります(笑)。立派な施設で、周りを囲むようにアール(Ahr)川が流れています。アール川はライン川の支流でボンとコブレンツの間くらいで合流しており、この流域がアールという特定生産地域(Bestimmtes Anbaugebiet)になります。


ドイツ全体の地図を見ます。13のワイン生産地域の中での位置関係はこうです。
German_Wine_Regions
アール(Ahr)見つかりましたか?モーゼルの北、ライン川沿いのミッテルラインに接している非常に小さなエリアです。これでも栽培面積を比較すると下から4番目の大きさがあります。

<小さい特定栽培地域:TOP5>
(1)ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ(Hessische Bergstrasse):450ha
(2)ミッテルライン(Mittelrhein):469ha
(3)ザクセン(Sachsen):498ha
(4)アール(Ahr):563ha
(5)ザーレ・ウンストルート(Saale-Unstrut):765ha

例によって、Google Map上で確認します。非常に狭い範囲という実感が出ますね。
Ahr
ベライヒ(Bereich)はひとつだけ。ヴァルポルツハイム・アルタール(Walporzheim-Ahrtal)といいます。ヴァルポルツハイムという町がありますね。アールの主要品種はシュペートブルグンダー(Spätburgunder=ピノ・ノワール)で、全体の62%を占めるそうです。他にポルトギーザ―(Portugieser)やフリューブルグンダー(Frühburgunder)などの黒品種もあり、黒品種全体の割合となると85%にもなります。これほど黒品種の比率が多い特定生産地域は他にありません。赤比率の高いヴュルテンベルク(Württemberg)でも70%ほどです。白品種は主にリースリングです。

ミッテルライン(Mittelrhein)の地図で見ると周囲との位置関係とサイズが一目瞭然。
Mittelrhein_Map
これはミッテルラインの記事を書いたときに描いた地図で、ミッテルラインのベライヒを示しています。ライン川周辺の特定生産地域の位置関係がわかりやすいので再利用しました。


13のワイン生産地域は、アンバウゲビート(Anbaugebiet)、いわゆる g.U.(geschützte Ursprungsbezeichnung:保護原産地呼称)で、EU法の AOP の位置づけです。
Germany_Wein_Classification
ドイツでは2021年1月に新しいドイツワイン法が採択され、EUのワイン法の影響を受けてブドウの出どころ(地理的呼称範囲)を基準に格付けされます。つまりはVDP.式の公式なものが出てきたということですね。(移行期間が5年間。2026年のヴィンテージから拘束力が発生します。)この図は新法の概要を自分なりにまとめて図示したものです。ご参考まで。


ラベル平面化画像。
IMG_1175
QualitätsweinでTrocken(辛口)の表示があります。


さあ、スクリュー回転。
IMG_1197

Alc.13.5%。
クリアなルビー。
IMG_1198

ラズベリー、ダークチェリー、ほんのり出汁。
辛口アタック。
酸は大人しめで綺麗です。
苦味様の複雑な味わいは適度な重みも与えてくれます。
喉越しで酸がいい仕事して、
バランスを取りに来るおかげで余韻が軽快に決まります。
うん、変わらないおいしさでした。


*****

Winzergenossenshaft
Mayschoß-Altenahr eG
Spätburgunder 2018 Ahr
Trocken
RRWポイント 91点


Mayschoss-Altenahr Ahr Spätburgunder 2016

やまやの店頭で、ドイツはアールのシュペートブルグンダーを発見。
アール(Ahr)はモーゼルよりまだ北に何かあったな~くらいの印象で、
いただいたことがありません。これは試してみなくちゃだわ。(笑)
ちなみに、SpätburgunderPinot Noirのドイツ語名で、Spät=遅い、
Burgunder=ブルゴーニュの(ぶどう)なので晩熟品種という認識のようです。


IMG_1867
なんともあっさりとしたラベル。作り手の名前が表に書いてません。
裏を見るとわかるのですが、Winzergenossenschaft(ワイン生産者協同組合)です。
創業は1868年と150年以上の歴史があり、452の会員合計で150haの畑を所有。


公式ページはこちら。よくできていますがドイツ語オンリーです。(笑)

しかも、ワインの紹介が全くなし。オンラインショップのページで兼ねるようです。

ショップサイトがこちら。ピノ・ノワールの最新ヴィンテージは2017年のようです。

「Ahr Spätburgunder trocken 2016」も辛うじて載ってましたがセール品です。
通常9.33ユーロのところ、25%オフの7ユーロポッキリです。(笑)
しかし、ラベルデザインが全く違いますね。今日のは輸出用かな?
醸造情報は乏しく、マロラクティック発酵をやってることと、
熟成がステンレスタンクと大樽(ユーズド)の併用ということはわかりました。
熟成期間は不明です。


ワイナリー訪問。相変わらずドイツはストビューがないので残念です。
eG01
アップされてる写真からピックアップしてコラージュしました。
立派な施設で、前を囲むようにアール(Ahr)川が流れています。
アール川はライン川の支流でボンとコブレンツの間くらいで合流しており、
この流域がアールという特定生産地帯(Bestimmtes Anbaugebiet)になります。

例によって、Google Map上で確認します。ドイツもライン川他、川に注目。
(アール川は細かすぎて書き込めてませんが、今日の作り手の前を通ってます。)
eG02
アールの主要品種はシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)ですが、
今日のワイナリーも所有畑の63%がシュペートブルグンダーだそうです。
ドイツの最南になるバーデン地域よりもコート・ドールの方が南なので、
アールは相当北の地域ということになり、かなり冷涼な気候と想像します。
この品種は冷涼な気候を好むと言いますが、この差が味にどう表れるんでしょうね。


ラベル平面化画像。QualitätsweinでTrockenの表示があります。
IMG_1847
イラストは何となく今の建物の面影があるような…。


さて、スクリュー回転。
IMG_1891
まあ、無印ですわな。

Alc.13.0%。
ルビー。割としっかり色は出ていますね。
IMG_1866

フランボワーズ、チェリー。
かすかにシーチキン。(笑)
でもこの香りの時は、滋味があるときが多いですからね。
辛口アタック。
酸はありますが控えめなのでいい感じです。
味の芯はしっかりしてますね。
複雑味もあって楽しめます。
「悪くないだろう」とぺこぱ風につぶやいてしまいました。

各地のピノがありますが、これはいい方のピノですね。
世界的に見てもほぼ最北端のピノなんですが…。


*****


Winzergenossenschaft
Mayschoß-Altenahr eG
Ahr Spätburgunder 2016
RRWポイント 91点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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