Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Alejandro_Fernández

Alejandro Fernández Condado de Haza Crianza 2016 Ribera del Duero

間違いない作り手というのは、どこの国、どの品種についても居るもので、スペインのテンプラニージョに関しては、このアレハンドロ・フェルナンデス(Alejandro Fernández)さんはその一人に違いないです。1975年から作るティント・ペスケラはすぐに名声を得、ベガ・シシリアの名前くらいしか知られていなかったリベラ・デル・ドゥエロという産地に世界の注目を集めさせ、1982年にDOリベラ・デル・ドゥエロ(DO Ribera del Duero)を誕生させるキッカケともなりました。今日は氏のもう一つのリベラ・デル・ドゥエロ、コンダド・デ・アサをお試しです。

IMG_4928
アレハンドロ・フェルナンデス(Familia Fernández Rivera)は1972年にドゥエロ川河畔の町ペスケラ・デ・ドゥエロ(Pesquera de Duero)で創業します。1975年にティント・ペスケラ(Tinto Pesquera)の初ヴィンテージをリリース、その評判によって1982年に原産地呼称、DO(Denominación de Origen)リベラ・デル・ドゥエロが出来たのは前述の通り。同年、最高級のハヌース・ペスケラ(Janús Pesquera)をリリース。これをパーカーおじさんは「スペインのペトリュス」と絶賛しています。
1995年にもう一つのリベラ・デル・ドゥエロのワイナリーを立ち上げるのですが、それが今日のコンダド・デ・アサ(Condado de Haza)」になります。その後も1998年にサモーラ近くにデエサ・ラ・グランハ(Dehesa la Granja)、1999年にカスティージャ・ラ・マンチャのエル・ビンクロ(El Vínculo)と矢継ぎ早に新ワイナリーを立ち上げてきました。


公式ページは以上の4つのワイナリーがひとつになってます。


なんと日本語も選べるようになってます。その心意気、うれしいですね。

情報もしっかりあって非常に好感が持てます。
・テンプラニージョ 100%
熟成はアメリカンオークの樽で18ヶ月。さらにボトルで6ヶ月です。
30分以上前のデカンタージュ推奨。無濾過なので沈殿物の可能性ありとか丁寧な情報です。


ペスケラ・デ・ドゥエロ(Pesquera de Duero)のティント・ペスケラの方は前に訪問してます。今日のコンダド・デ・アサはドゥエロ川沿いに車で30分ほど上流へ行った所にあります。
Haza00
「Condado de Haza」というのは「アサ(Haza)にある伯爵の領地」という意味です。このワイナリーの南側(さらに車で20分ほど)に確かにアサ(Haza)という小さな集落が丘の上にありました。30人ほどしか住んでいないそうですが、スペイン歴史保護遺産にもなっている昔の要塞都市なんだそうです。

そこの観光スポットの「サンミゲル教会」がなんだか見覚えがあります。
Haza02
今日のワインのラベルのイラストですね。ワイナリーじゃなくて地元のシンボルをあしらっていたわけですね。

ネットで拾ったカスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)の DO地図で、DOリベラ・デル・ドゥエロ他、アレハンドロ・フェルナンデスの拠点の位置関係を確認しましょう。
Haza03
と思いましたが、この地図じゃイマイチしっくりきませんねぇ。

やはりこれです。Google Map上で地形と合わせてみます。うん、わかりやすい。
Haza01
ドゥエロ川(Duero)が重要です。元の地図は流路が若干間違ってましたので描き直しています。下流域でポルトガルに入るとドウロ川(Douro)に名を変えるんでしたね。
Tinto Pesquera、Condado de Haza、Dehesa la Granja の場所も示しました。El Vínculo はカスティージャ・ラ・マンチャ州(マドリードの南)なので少し離れています。右下のスペイン地図に書き込みました。(笑)


ラベル平面化画像。
IMG_3765
クリアンサCrianza)ですから、規定では24ヶ月熟成内、6ヶ月は樽)です。樽18ヶ月+ボトル6ヶ月なので一応クリアですね。コンダド・デ・アサには上級のレセルバReserva)もあって、樽24ヶ月+ボトル12ヶ月しています。これも当然ながらレセルバの規定、36ヶ月熟成内、12ヶ月は樽)をクリアしています。


さあ、抜栓。
IMG_4922
キャップシールはアレハンドロ・フェルナンデス共通のデザインです。

コルク平面化。
IMG_4930
シンプルですが、ヴィンテージがちゃんと横に打ってあります。

Alc.14.5%。(pH:4.47、Brix:7.5)
濃いガーネット。
IMG_4926

黒ベリー。プラムは酸を連想させる感じ。
藁っぽいですがブレットとは違うようです。
アメリカンオーク樽でしょうかね。
辛口アタック。
とろみのある厚みはいいですね。
ビロードのような繊細な舌触り。
奥深い複雑味も感じます。
かすかな酸がとてもいい隠し味になってますし。
タンニンも控え目ですがいい仕事して効いています。
余韻は、うまさのバランスをおさらいできる例のやつ。

いやあ、テンプラニージョは、やはり、
アレハンドロ・フェルナンデスで間違いないっす。


*****

Alejandro Fernández
Condado de Haza Crianza 2016
Ribera del Duero
RRWポイント 96点


Alejandro Fernández Tinto Pesquera Crianza 2012 Ribera del Duero

Ribera del Dueroのテンプラニージョの巨匠アレハンドロ・フェルナンデス。
パーカーおじさんも「スペインのペトリュス」とベタ褒めだそうです。
(Gran)Reservaもありますが、そこは若干お手頃のCrianzaをチョイス。(笑)
以前、同じ作り手のデエサ・ラ・グランハが結構よかったので楽しみです。


IMG_9143
独特のラベルデザイン(フォント含む…笑)。ボトルにも同じ門の浮彫。


公式ページは「Familia Fernández Rivera」名になっています。
前に覗いた時は「Grupo Pesquera」だったような気がしますが…。
傘下に4つのワイナリーを運営してるんでしたね。
本拠地リベラ・デル・ドゥエロの「Pesquera」と「Condado de Haza」、
Zamoraに「Dehesa la Granja」、Campo de Criptanaに「El Vínculo」。

ワイン情報となると、最新ヴィンテージの2016年しか載っていません。
・テンプラニージョ 100%
これは変わらないと思います。
熟成もアメリカンオーク樽で18ヶ月で変わらないようですね。
+6ヶ月ボトルで熟成とも書いてます。


さあ、ワイナリー訪問。
TintoPesquera01
ラベルと同じ門がありますね。これがシンボルになってるわけですか。
この前の道を隔てた向かい側がすぐドゥエロ川になってます。
川沿いにずっと行くと、前に飲んだFinca Villacrecesやベガ・シシリアに到達。

いつもの地図でリベラ・デル・ドゥエロの位置を確認しておきましょう。
TintoPesquera02
バジャドリー(一般にはバリャドリードとも)の東側のドゥエロ川沿いです。


エチケット平面化画像。
IMG_8432
インポーターのシールが見事に裏ラベルを隠してるので剥がしました。(笑)
一部下のラベルが剥がれたりしましたが何とか見られる状態にしました。
スペイン語ではありますが、アレハンドロ・フェルナンデスのメッセージが。
「いかに頑張ってこのワインを作ったか」という大事なメッセージです。
ほんと、何度も言いますが、裏ラベルの件に関してはインポーターの皆さん、
よく考え直していただきたいものです。

さてさて、抜栓。
IMG_9144
専用コルクにキャップシール。横ミレジムも入っています。

コルクも平面化撮影しておきます。
IMG_9138
ここにもシンボルの門のイラストがありました。

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
IMG_9139

黒ベリー、生っと熟成香を感じます。
辛口アタック。
味の厚み、滋味、なかなかなものです。
ちょっとブレタノマイセス風味がある気がしますが、
うまさが帳消しにしてくれるので気にしない。(笑)
タンニンはシルキーで、
最後まで味の厚みをキープしてくれています。
やはり巨匠の醸すテンプラニージョは美味しいです。


*****


Alejandro Fernández
Tinto Pesquera Crianza 2012
Ribera del Duero
RRWポイント 94点


Alejandro Fernández Dehesa La Granja 2007

偉いテンプラニージョも探していますよ。
ティント・ペスケラで産地のリベラ・デル・ドゥエロと共に、
スペイン随一のテンプラニージョの作り手として一躍有名になった、
アレハンドロ・フェルナンデス氏。
氏の率いるグルーポ・ペスケラがデエサ・ラ・グランハという、
新ワイナリーを得て1998年から醸すお手頃テンプラニージョです。


IMG_6430
ティント・ペスケラは試したことがないですが、
作り手が同じならデエサ・ラ・グランハもいいはずです。
パーカーおじさんもずっと90点以上つけてるみたいですし。

グルーポ・ペスケラの公式サイトが共通で、
氏が所有運営する4つのワイナリーにリンクされています。
そこからデエサ・ラ・グランハのページに入り、情報を探します。

セパージュは、テンプラニージョ100%。
熟成は、アメリカンオーク樽で熟成させるのがスペインっぽいですが、
堂々の24ヶ月の上、ボトルでさらに12ヶ月寝かせるそうです。
樽がどう香るか興味津々ですね。

さて、ワイナリーの場所を確認します。
Dehesa01
なんとか1枚でわかるよう詰め込みました。
まず右下のスペイン地図で「DO Ribera del Duero」を確認ください。
ブルゴスの南方を中心としたドゥエロ川流域です。
そこに、アレハンドロ・フェルナンデスのティント・ペスケラがあり、
今日のデエサ・ラ・グランハは西へ車で1時間半ってなところです。

産地呼称としては、「Vino de la Tierra de Castilla y León」となります。
Vino de la Tierra(VdlT)はかなり広域で、いわゆる「IGP」です。
(Indicación Geográfica Protegida)フランスで言う「Vin de Pays」ですね。
Dehesa03
この産地呼称(VdlT)は名前の通り、ほぼカスティージャ・イ・レオン州です。
カスティージャ・イ・レオン州は上図のように9つの県からなります。

さあ、ここがデエサ・ラ・グランハ。
Dehesa02
畑に囲まれたいい感じのワイナリーです。

エチケット。なぜか中国の受賞メダルがこれ見よがしに貼ってます。
IMG_6197
Vino de la Tierra de Castilla y Leónの地図入り表示がありましたね。


さて、抜栓です。
ミレジム入りコルク。キャップシールのエンボスもいい感じです。
IMG_6433
Alc.14%。完熟~。
濃い黒いガーネット、やはりエッジが褐変気味です。
黒ベリー、プンプン香ります。
独特な樽香も目立つ感じです。
これがアメリカンオークなんでしょうね。
非常にかすかではありますが「ケモノ」臭的なものも。
いわゆるブレタノマイセス由来のアレです。
辛口アタック。
酸味のような喉の収斂性があります。
味の構造感ありそうですが、まだ開いてない感じです。
デカンタします。
(未ろ過で澱があるのでデカンタしてねと公式ページにもありました。)

酸味感が穏やかになり、うま味が増した気がします。
でも、収斂性は健在です。
余韻もなめらかに続くようになりグッドですね。
風味に、長期熟成から来る若干の古くささを感じるのが、
個人的な好みではありますが、少しマイナス。

でもうまうまのテンプラニージョであることに間違いはありません。
しかし、デカンタはやるもんですね。


*****


Alejandro Fernández Dehesa La Granja 2007
RRWポイント 91点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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