Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Beaujolais

Château des Jacques Moulin-À-Vent Roches Rouges 2019

今年もボジョレー・ヌーヴォーが解禁されます。まあ、縁起物ということで(笑)機会があれば試すんですが、正直ガメ(Gamay)という品種のクセもあって、なかなか積極的に飲みたいとは思わないんですよね。ただし、同じガメから作るボジョレーのワインでもクリュ・デュ・ボジョレーとなれば話は別。この作り手の2018年のモルゴン(Morgon)を2年前に試していますが、驚きのうまさでした。今年はムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-à-Vent)をいただこうと思います。パーカーおじさんも92点をつけた「これ絶対うまいやつ♪」です。

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シャトー・デ・ジャックですが、クリュ・デュ・ボジョレー最高峰の一つ、ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-à-Vent)で最も名声を誇ってきた由緒あるワイナリーだそうで、そこを1996年にルイ・ジャド社(Louis Jadot)が取得しています。某ワインブロガーの大御所が「特有のガメイ臭と呼ばれる匂いが好きにはなれなかったのだ。(中略)ところがネゴシアンのルイ・ジャドー社がシャトー・デ・ジャックを買収してから私の考えは一変した。」と語っていたのが印象に残っています。買収とかがいいように働くこともあるんですね。

ボジョレー・ヌーヴォーは、毎年11月の第3木曜日解禁なので、今年は11月16日ですね。このリリースに間に合うように(日本向けなどは空輸の時間も含め…)収穫したガメをマセラシオン・カルボニック法でちゃちゃっと醸されます。今日のワインはクリュ・デュ・ボジョレーなのでマセラシオン・カルボニック法ではなく通常の醸造で作られ熟成にも耐えられるものです。と言うか、クリュ・デュ・ボジョレーを代表するシャトー・デ・ジャック自体が過去から一切マセラシオン・カルボニック法を行わず、1950年代から起こったこの流れ(マセラシオン・カルボニック法によるボジョレー・ヌーヴォーの生産)に異を唱えていたということらしいです。ゴイゴイスー。

マセラシオン・カルボニック(Macération Carbonique)は、いわゆる「炭酸ガス浸漬法」のことで、ブドウを破砕せず房ごと密閉したタンクに入れ、炭酸ガス(Gaz Carbonique)を充満させ酸素をブロックして短期間で醸すやり方です。これにより、タンニンや渋み・苦みが通常のワインより少なくなり、軽くてフレッシュなワインになるとともに、独特の香りも生まれます。キャンディーのようであったりバナナの香りのようなアレです。「マセラシオン・カルボニック香」なんて言うらしいですね。


公式ページは単独であり、内容も充実。ただし、ルイ・ジャドのことは一言も書かれてません。

データシート完備。今日のワインは素のムーラン・ナ・ヴァンだと思うんですが、「Roches Rouges(赤い岩)」というのは畑名でしょうかね。これは載っていません。

・ガメ 100%

ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-à-Vent)、もしくは、ムーラン・ナ・ヴァン・クリュ・デュ・ボジョレー(Moulin-à-Vent cru du Beaujolais)がAOC名になります。ボジョレーのAOCについては後ほど掘り下げます。熟成は、半分セメントタンク、半分ユーズド(新樽含む1~2年落ち)のフレンチオーク樽で10ヶ月だそうです。

ガメ(Gamay)です。正式名称は、Gamay Noir(Gamay N)です。
GamayN
日本では「Gamay」の綴りからの類推でしょうか、「ガメイ」の方が通りがよさそうです。しかし現地の発音を聞くと「ギャメ」と聞こえるんですよね。これを「ガメイ」と言うのなら、「シャルドネ(Chardonnay)」は「シャルドネイ」と言わないとおかしいんですけどね(笑)。

親子関係は、ホイニッシュ・ヴァイス(Heunisch Weiß)=グエ・ブラン(Gouais blanc) x ピノ・ノワールです(VIVC)。なんと父方はピノ・ノワール。確かにブレンドの親和性はありますからね。しかし、味わいはかなり差があるような…。

ガメには亜種が多く、赤い果肉を持つタンテュリエ種もあり、それらと区別するために「Gamay Noir à Jus Blanc(白い果汁の黒いガメ)」というフルネームがあるようです。VIVCに登録されている正式名称は「Gamay Noir」です。

コート・ド・ボーヌのサントーバン(Saint-Aubin)に「Gamay」という集落があり、品種名の起源になったという説がありますが、14世紀(1395年)には初代ブルゴーニュ公「豪胆公」フィリップ2世が「Gaamez」という品種(名前からしてたぶんガメらしいです。)について「御触れ」を出しています…「苦くてあまりにも品質の悪いワインが量産されるこの最悪な品種を、引っこ抜くか、新たに植えないようにせよ」という禁止令です。この禁止令は18世紀半ばまで何度か再承認され続きました。そのせいかごく最近までこの品種の評判はすこぶる悪かったそうです。おかげでガメという品種はボジョレーまで逃げ延びて定着したということのようです。ガメは現在フランス中で栽培され、やはりその90%がボジョレー(約20,000ha)らしいですが、ロワールにも多いですし(約5,000ha)、あながち嫌われ品種とまでは言えないですよね。


さあ、シャトー・デ・ジャックを訪問。ボジョレーなのに(失礼!)立派ですよ。
Jacques01
ロマネシュ・トラン(Romanèche-Thorins)というコミューンにあります。ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-à-Vent)他、モルゴン(Morgon)、フルーリー(Fleurie)、シェナ(Chénas)などに総面積約80haの自社畑を持ち、それをまとめてルイ・ジャドが取得したというわけです。大手はすごいですね。しかし、お陰で温度管理システムを備えた最新型コンクリートタンクやステンレスタンクが導入されたりと施設の刷新には大きな投資がなされています。昨今の高評価もルイ・ジャドのお陰と言えるかもしれません。


ボジョレーの全体像をおさらいしておきましょう。まずINAOの地図からの拝借です。
Beaujolais_Comunes01
これが、AOC Beaujolais / Beaujolais Supérieur の対象コミューンです。(たぶん、96あります。)赤・白・ロゼがあり、赤はガメが主体です。(AOC Beaujolais Supérieur は赤のみ。最低アルコール度数の規定が高い。)白は少ないですがシャルドネ主体です。この AOC Beaujolais の内の30コミューンは「AOC Beaujolais + コミューン名」の表示ができます。以下に列挙します。

・Beaujolais Beaujeu
・Beaujolais Blacé
・Beaujolais Cercié
・Beaujolais Chânes
・Beaujolais Charentay
・Beaujolais Denicé
・Beaujolais Emeringes
・Beaujolais Jullié
・Beaujolais La Chapelle-de-Guinchay
・Beaujolais Lancié
・Beaujolais Lantignié
・Beaujolais Le Perréon
・Beaujolais Les Ardillats
・Beaujolais Leynes
・Beaujolais Marchampt
・Beaujolais Montmelas-Saint-Sorlin
・Beaujolais Odenas
・Beaujolais Pruzilly
・Beaujolais Quincié-en-Beaujolais
・Beaujolais Rivolet
・Beaujolais Romanèche-Thorins
・Beaujolais Saint-Didier-sur-Beaujeu
・Beaujolais Saint-Etienne-des-Oullières
・Beaujolais Saint-Etienne-la-Varenne
・Beaujolais Saint-Julien
・Beaujolais Saint-Lager
・Beaujolais Saint-Symphorien-d'Ancelles
・Beaujolais Salles-Arbuissonnas-en-Beaujolais
・Beaujolais Vaux-en-Beaujolais
・Beaujolais Vauxrenard

また AOC Beaujolais の北部の38コミューンが、AOC Beaujolais Villages を名乗ることができます。これらは地続きで、以下の地図の黄緑色にした部分ひとかたまりが AOC Beaujolais Villages になります。その中に、ボジョレー最上級の「Cru du Beaujolais」が10ヶ所あるという形です。この地図はGoogle Map上に以上のボジョレーのAOCのすべてを表現してみたものです。先ほどのコミューン名が付記できる30コミューンは名前を書き込んだだけですが(笑)。
Beaujolais-Jacques01
上のINAOの AOC Beaujolais コミューン地図と見比べると、Cru du Beaujolais は、Saint-Amour(コミューンは Saint-Amour-Bellevue)、Morgon、Fleurie、Chiroubles 以外は複数のコミューンから成り立っていることがわかります。また、いくつかの Cru du Beaujolais はオーバーラップしています。(Moulin-à-Vent と Chénas は、Chénas のコミューンが共通。4コミューンから成る Côte de Brouilly は、6コミューンから成る Brouilly に包含されています。)今日の作り手、シャトー・デ・ジャックの所在も示しました。ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-à-Vent)のエリアにあるのがわかりますね。

クリュ・デュ・ボジョレー(Cru du Beaujolais)を列記しておきます。

・Saint-amour(サン・タムール)
・Juliénas(ジュリエナ)
・Chénas(シェナ)
・Moulin-à-Vent(ムーラン・ナ・ヴァン)
・Fleurie(フルーリー)
・Chiroubles(シルーブル)
・Morgon(モルゴン)
・Régnié(レニエ)
・Brouilly(ブルイィ)
・Côte de Brouilly(コート・ド・ブルイィ)

全体像をおさらいをすると…

・AOC Beaujolais
・AOC Beaujolais + nom de la commune de provenance des raisins
・AOC Beaujolais Villages
以上は、赤・白・ロゼがあり、新酒、いわゆるヌーヴォー(Vin Primeur ou Nouveau)の設定があります。

・AOC Beaujolais Supérieur
・Cru du Beaujolais
以上は、赤のみ。新酒(Primeur / Nouveau)の設定はありません。クリュ・デュ・ボジョレーにはヌーヴォーはないということです。


エチケット平面化画像。
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驚いたことに「ボジョレー」の文字はひとつもありません。AOCムーラン・ナ・ヴァンです。きっぱり。

しかし情けないのが、この無神経なインポーターシール。
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仏英語併記のメッセージなので、作り手が輸出先で読んでほしいということのはずです。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14%。
濃いめルビーのエッジは微かなオレンジ色。
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フランボワーズ、プラム、ゼラニウムっぽさも。
辛口アタック。
酸がいい具合に盛り立てる味は、
深みがあるのにフルーティなのが絶妙なバランスです。
喉元にピリッとくるタンニンもいいアクセント。
ちゃんと余韻に流れていくのがまたいい。


*****

Louis Jadot
Château des Jacques
Moulin-à-Vent 2019
Roches Rouges
RRWポイント 92点


JP. Chenet Beaujolais Nouveau 2022

11月17日(毎年11月の第3木曜日)に今年もボジョレー・ヌーヴォーが解禁されました。最近のワインの高騰もありますが、何といってもボジョレー・ヌーヴォーは航空便で持ってきますから、輸送費の高騰の方が価格に影響しているようで例年よりかなりお高くなっている印象です。ここ何年かは遠ざかってましたが、やはり縁起ものなので(笑)ちょこっとだけでも味わっておこうと、思い付きでこんな 187ml の小さなパックを購入。うん、これで十分!

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「JP. CHENET」ってフランスではお馴染みのブランドです。スーパーなんかで売ってますし、自分の場合は鉄道移動が多かったので駅の売店で小さな瓶や今日のようなパックを買ってました。決して褒められた味ではないんですが、同じく駅の売店で買ったチーズやサラミなんかをつまみに車窓をながめながらいただくのは至福の時でありました(笑)。

作り手はアルザス(Petersbach, Alsace)が本社の GCF(Grands Chais de France)。

1979年創業の大ワイングループで、もともとはコニャックを扱っていたジョセフ・ヘルフリッヒ(Joseph Helfrich)さんが1981年からワインを中心にビジネスを広げていきました。そのメインブランドが「JP. CHENET」です。(facebook
そこからがすごいです。1986年にはジュラのワイナリーを買収。1991年にはアルザスの大手アルテュール・メッツ(Arthur Metz)とボジョレーのワイナリー(Quinson)を買収。(ちゃんと、ボジョレーに拠点があるようですね。)1994年にはアルザス出身のボルドーの作り手「Louis Eschenauer」を買収(これ飲んだことあります)。2003年、ラングドックの Domaine de la Baume 買収。そして、2004年にナントとアンジューの近くに生産拠点を置いてロワール進出をします。その後もネゴシアンの「Calvet」ほか、ボルドー・ブルゴーニュ・ロワール各地のワイナリーを買い漁ってます。地図にするとこんな感じだそうです。
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ゴイゴイスー。ほぼほぼフランス銘醸地全国制覇って感じですね。(シャンパーニュと南西地方がなさそうですが。)

さて、今日のような季節モノのワインの情報がHPに載ってるわけがありません。

・ガメ 100%

ですが、定番ですから大体は決まってるわけです。リリースに間に合うように収穫したガメをマセラシオン・カルボニック法でちゃちゃっと醸されます。いわゆる「炭酸ガス浸漬法」。
マセラシオン・カルボニック(Macération Carbonique)は、ブドウを破砕せず房ごと密閉したタンクに入れ、炭酸ガス(Gaz Carbonique)を充満させ酸素をブロックして短期間で醸すやり方です。これにより、タンニンや渋み・苦みが通常のワインより少なくなり、軽くてフレッシュなワインになるとともに、独特の香りも生まれます。キャンディーのようであったりバナナの香りのようなアレです。「マセラシオン・カルボニック香」なんて言うらしいですね。

ガメ(Gamay)です。正式名称は、Gamay Noir(Gamay N)です。
GamayN
日本では「Gamay」の綴りからの類推でしょうか、「ガメイ」の方が通りがよさそうです。しかし現地の発音を聞くと「ギャメ」と聞こえるんですよね。これを「ガメイ」と言うのなら、「シャルドネ(Chardonnay)」は「シャルドネイ」と言わないとおかしいんですけどね(笑)。
ガメには亜種が多く、赤い果肉を持つタンテュリエ種もあり、それらと区別するために「Gamay Noir à Jus Blanc(白い果汁の黒いガメ)」というのが正式なフルネームになるようです。
コート・ド・ボーヌのサントーバン(Saint-Aubin)に「Gamay」という集落があり、品種名の起源になったという説がありますが、14世紀(1395年)には初代ブルゴーニュ公「豪胆公」フィリップ2世が「Gaamez」という品種(名前からしてたぶんガメでしょう。)について「御触れ」を出しています…「苦くてあまりにも品質の悪いワインが量産されるこの最悪な品種を、引っこ抜くか、新たに植えないようにせよ」という禁止令です。この禁止令は18世紀半ばまで何度か再承認され続きました。そのせいかごく最近までこの品種の評判はすこぶる悪かったそうです。おかげでガメという品種はボジョレーまで逃げ延びて定着したということのようです。ガメは現在フランス中で栽培され、さらにその90%がボジョレーといいますから(約20,000ha)、あながち嫌われ品種とまでは言えないですよね。


 お約束なので、GCF(Grands Chais de France)を一応訪問しておきます。
JP.CHENET
GCFグループ本社なのでアルザスです(笑)。ボジョレーで買収したというワイナリー(Quinson)を探してみましたが見当たらなかったので、これでお茶を濁しておきます。


ボジョレーの全体像をおさらいしておきましょう。まずINAOの地図からの拝借です。
Beaujolais_Comunes01
これが、AOC Beaujolais / Beaujolais Supérieur の対象コミューンです。(たぶん、96あります。)赤・白・ロゼがあり、赤はガメが主体です。(AOC Beaujolais Supérieur は赤のみ。最低アルコール度数の規定が高い。)白は少ないですがシャルドネ主体です。この AOC Beaujolais の内の30コミューンは「AOC Beaujolais + コミューン名」の表示ができます。以下に列挙します。

・Beaujolais Beaujeu
・Beaujolais Blacé
・Beaujolais Cercié
・Beaujolais Chânes
・Beaujolais Charentay
・Beaujolais Denicé
・Beaujolais Emeringes
・Beaujolais Jullié
・Beaujolais La Chapelle-de-Guinchay
・Beaujolais Lancié
・Beaujolais Lantignié
・Beaujolais Le Perréon
・Beaujolais Les Ardillats
・Beaujolais Leynes
・Beaujolais Marchampt
・Beaujolais Montmelas-Saint-Sorlin
・Beaujolais Odenas
・Beaujolais Pruzilly
・Beaujolais Quincié-en-Beaujolais
・Beaujolais Rivolet
・Beaujolais Romanèche-Thorins
・Beaujolais Saint-Didier-sur-Beaujeu
・Beaujolais Saint-Etienne-des-Oullières
・Beaujolais Saint-Etienne-la-Varenne
・Beaujolais Saint-Julien
・Beaujolais Saint-Lager
・Beaujolais Saint-Symphorien-d'Ancelles
・Beaujolais Salles-Arbuissonnas-en-Beaujolais
・Beaujolais Vaux-en-Beaujolais
・Beaujolais Vauxrenard

また AOC Beaujolais の北部の38コミューンが、AOC Beaujolais Villages を名乗ることができます。これらは地続きなので、以下の地図の黄緑色にした部分ひとかたまりが AOC Beaujolais Villages になります。その中に、ボジョレー最上級の「Cru du Beaujolais」が10ヶ所あるという形です。

Google Map上に以上のボジョレーのAOCのすべてを表現してみました。
Beaujolais
上のINAOの AOC Beaujolais コミューン地図と見比べると、Cru du Beaujolais は、Saint-Amour(コミューン名は Saint-Amour-Bellevue)、Morgon、Fleurie、Chiroubles 以外は複数のコミューンから成り立っていることがわかります。また、いくつかの Cru du Beaujolais はオーバーラップしています。(Moulin-à-Vent と Chénas は、Chénas のコミューンが共通。4コミューンから成る Côte de Brouilly は、6コミューンから成る Brouilly に包含されています。)

クリュ・デュ・ボジョレー(Cru du Beaujolais)を列記しておきます。

・Saint-amour(サン・タムール)
・Juliénas(ジュリエナ)
・Chénas(シェナ)
・Moulin-à-Vent(ムーラン・ナ・ヴァン)
・Fleurie(フルーリー)
・Chiroubles(シルーブル)
・Morgon(モルゴン)
・Régnié(レニエ)
・Brouilly(ブルイィ)
・Côte de Brouilly(コート・ド・ブルイィ)

全体像をおさらいをすると…

・AOC Beaujolais
・AOC Beaujolais + nom de la commune de provenance des raisins
・AOC Beaujolais Villages
以上は、赤・白・ロゼがあり、新酒(Vin Primeur ou Nouveau)の設定があります。

・AOC Beaujolais Supérieur
・Cru du Beaujolais
以上は、赤のみ。新酒(Primeur / Nouveau)の設定はありません。クリュ・デュ・ボジョレーにはヌーボーはないということです。


ラベル平面化…は必要ありません(笑)。
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セーヌ河畔でエッフェル塔をバックにワインを嗜むカップル。嫌いな絵柄ではないですが、ベタ過ぎるので輸出先の日本向けな感じがします(笑)。


さあ、プラスクリュー回転。
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Alc.13.0%。
赤紫色の濃いルビー。
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フレーズ、プラム…
マセラシオン・カルボニック香もちゃんとあります(笑)。
特徴的な酸の辛口アタック。
果実味というには人工的なフルーツフレーバーです。
これがマセラシオン・カルボニックのなせる業か。
これで今年の出来を計れというのは少々無理です(笑)。

縁起ものなので一気に飲み干すとしましょう。
な〜んて飲んでるうちに慣れてきます。キライじゃないわ。


*****

JP. Chenet
Beaujolais Nouveau 2022
RRWポイント 78点


Château des Jacques Morgon 2018 Roches Noires

11月18日(毎年11月の第3木曜日)に今年もボジョレー・ヌーヴォーが解禁されました。2021年のボジョレー・ヌーヴォーは生産量が大幅に減少し苦難のヴィンテージとなったようですが、品質面は良好だそうです。最後にボジョレー・ヌーヴォーをいただいたのがもう2年前です。今年もパスさせていただきますが(笑)、ボジョレーのお祭りの時期ですので、クリュ・デュ・ボジョレーではありますが、ちょっと良さげなガメ種のワインをいただくとします。

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シャトー・デ・ジャックですが、クリュ・デュ・ボジョレー最高峰の一つ、ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-à-Vent)で最も名声を誇ってきた由緒あるワイナリーだそうで、そこを1996年にルイ・ジャドが取得しています。
某ワインブロガーの大御所が「特有のガメイ臭と呼ばれる匂いが好きにはなれなかったのだ。(中略)ところがネゴシアンのルイ・ジャドー社がシャトー・デ・ジャックを買収してから私の考えは一変した。」とどこかで語っていたのが印象に残っています。今日のワインはパーカーおじさんも91点をつけています。(2019年には92点をつけているので、年々良くなってる?)


公式ページは「http://www.chateau-des-jacques.fr/」なんですが、なぜかつながりません。工事中でしょうか。代わりに日本のインポーターサイトを貼っておきます。

ワイン情報もネット頼り。

(12月2日ですが、HPつながりました。やはり工事中か障害だったんでしょう。)


・ガメ 100%

クリュ・デュ・ボジョレー(Cru du Beaujolais)のモルゴン(Morgon)がAOCになります。ボジョレーのAOCについては後ほど掘り下げます。ワインには畑名でしょうか、「Roches Noires(黒い岩の意)」と書かれています。「Côte du Py」というちょっと上等なのもラインアップにありますから、「Côte du Py」とは違う畑の名前なんでしょう(笑)。熟成は、パーカーおじさんによると半分セメントタンク、半分ユーズドのオーク樽だそうです。

ガメ(Gamay)です。正式名称は、Gamay Noir(Gamay N)です。
GamayN
日本では「Gamay」の綴りからの類推でしょうか、「ガメイ」の方が通りがよさそうです。しかし現地の発音を聞くと「ギャメ」と聞こえるんですよね。これを「ガメイ」と言うのなら、「シャルドネ(Chardonnay)」は「シャルドネイ」と言わないとおかしいんですけどね(笑)。
ガメには亜種が多く、赤い果肉を持つタンテュリエ種もあり、それらと区別するために「Gamay Noir à Jus Blanc(白い果汁の黒いガメ)」というのが正式なフルネームになるようです。
コート・ド・ボーヌのサントーバン(Saint-Aubin)に「Gamay」という集落があり、品種名の起源になったという説がありますが、14世紀(1395年)には初代ブルゴーニュ公「豪胆公」フィリップ2世が「Gaamez」という品種(名前からしてたぶんガメでしょう。)について「御触れ」を出しています…「苦くてあまりにも品質の悪いワインが量産されるこの最悪な品種を、引っこ抜くか、新たに植えないようにせよ」という禁止令です。この禁止令は18世紀半ばまで何度か再承認され続きました。そのせいかごく最近までこの品種の評判はすこぶる悪かったそうです。おかげでガメという品種はボジョレーまで逃げ延びて定着したということのようです。ガメは現在フランス中で栽培され、さらにその90%がボジョレーといいますから(約20,000ha)、あながち嫌われ品種とまでは言えないですよね。


さあ、シャトー・デ・ジャックを訪問。ボジョレーなのに(失礼!)立派ですよ。
Jacques01
ロマネシュ・トラン(Romanèche-Thorins)というコミューンにあります。ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-à-Vent)他、モルゴン(Morgon)、フルーリー(Fleurie)、シェナ(Chénas)などに総面積約80haの自社畑を持ち、それをまとめてルイ・ジャドが取得したというわけです。大手はすごいですね。しかし、お陰で温度管理システムを備えた最新型コンクリートタンクやステンレスタンクが導入されたりと施設の刷新には大きな投資がなされています。昨今の高評価もルイ・ジャドのお陰と言えるかもしれません。


ボジョレーの全体像をおさらいしておきましょう。まずINAOの地図からの拝借です。
Beaujolais_Comunes01
これが、AOC Beaujolais / Beaujolais Supérieur の対象コミューンです。(たぶん、96あります。)赤・白・ロゼがあり、赤はガメが主体です。(AOC Beaujolais Supérieur は赤のみ。最低アルコール度数の規定が高い。)白は少ないですがシャルドネ主体です。この AOC Beaujolais の内の30コミューンは「AOC Beaujolais + コミューン名」の表示ができます。以下に列挙します。

・Beaujolais Beaujeu
・Beaujolais Blacé
・Beaujolais Cercié
・Beaujolais Chânes
・Beaujolais Charentay
・Beaujolais Denicé
・Beaujolais Emeringes
・Beaujolais Jullié
・Beaujolais La Chapelle-de-Guinchay
・Beaujolais Lancié
・Beaujolais Lantignié
・Beaujolais Le Perréon
・Beaujolais Les Ardillats
・Beaujolais Leynes
・Beaujolais Marchampt
・Beaujolais Montmelas-Saint-Sorlin
・Beaujolais Odenas
・Beaujolais Pruzilly
・Beaujolais Quincié-en-Beaujolais
・Beaujolais Rivolet
・Beaujolais Romanèche-Thorins
・Beaujolais Saint-Didier-sur-Beaujeu
・Beaujolais Saint-Etienne-des-Oullières
・Beaujolais Saint-Etienne-la-Varenne
・Beaujolais Saint-Julien
・Beaujolais Saint-Lager
・Beaujolais Saint-Symphorien-d'Ancelles
・Beaujolais Salles-Arbuissonnas-en-Beaujolais
・Beaujolais Vaux-en-Beaujolais
・Beaujolais Vauxrenard

また AOC Beaujolais の北部の38コミューンが、AOC Beaujolais Villages を名乗ることができます。これらは地続きなので、以下の地図の黄緑色にした部分ひとかたまりが AOC Beaujolais Villages になります。その中に、ボジョレー最上級の「Cru du Beaujolais」が10ヶ所あるという形です。この地図はGoogle Map上に以上のボジョレーのAOCのすべてを表現してみたものです。なかなか正確にすべてを盛り込んだ地図は他にないですよ(自画自賛…笑)。
Beaujolais-Jacques01
上のINAOの AOC Beaujolais コミューン地図と見比べると、Cru du Beaujolais は、Saint-Amour(コミューンは Saint-Amour-Bellevue)、Morgon、Fleurie、Chiroubles 以外は複数のコミューンから成り立っていることがわかります。また、いくつかの Cru du Beaujolais はオーバーラップしています。(Moulin-à-Vent と Chénas は、Chénas のコミューンが共通。4コミューンから成る Côte de Brouilly は、6コミューンから成る Brouilly に包含されています。)今日の作り手、シャトー・デ・ジャックの所在も示しました。ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-à-Vent)のエリアにあるのがわかりますね。

クリュ・デュ・ボジョレー(Cru du Beaujolais)を列記しておきます。

・Saint-amour(サン・タムール)
・Juliénas(ジュリエナ)
・Chénas(シェナ)
・Moulin-à-Vent(ムーラン・ナ・ヴァン)
・Fleurie(フルーリー)
・Chiroubles(シルーブル)
・Morgon(モルゴン)
・Régnié(レニエ)
・Brouilly(ブルイィ)
・Côte de Brouilly(コート・ド・ブルイィ)

全体像をおさらいをすると…

・AOC Beaujolais
・AOC Beaujolais + nom de la commune de provenance des raisins
・AOC Beaujolais Villages
以上は、赤・白・ロゼがあり、新酒(Vin Primeur ou Nouveau)の設定があります。

・AOC Beaujolais Supérieur
・Cru du Beaujolais
以上は、赤のみ。新酒(Primeur / Nouveau)の設定はありません。


エチケット平面化画像。
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驚いたことに「ボジョレー」の文字はひとつもありません。「モルゴン!」のみ。

しかし情けないのが、この無神経なインポーターシール。
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丸隠しとはこういうのを言います。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14%。
濃いルビー。赤味強めです。
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フランボワーズ、チェリー、シーチキン、茎。
程よい酸味の辛口アタック。
きめ細やかなテクスチャー。
立体感もあっていい感じですよ。
ガメっぽさを探すんですが、ほぼありません。
酸味のぶり返しに少しガメの雰囲気を感じたかな。

しかし全体バランスがよく、自分のガメ史上最高点が付きました。
そしてまたまたパーカーおじさんと同じ91点。(笑)


*****

Louis Jadot
Château des Jacques
Morgon 2018
Roches Noires
RRWポイント 91点


Potel Aviron Morgon Côte du Py 2008 Vieilles Vignes

ボジョレーはマセラシオン・カルボニック法で作った早飲みワインが主流ですが、
地域北部10ヶ村が村名を名乗るクリュ・ボジョレーは、同じくガメを使いながら、
コートドールの伝統的製法で熟成のポテンシャルもある格上ワインを産んでいます。
そんなのを試そうと、クリュ・ボジョレーのモルゴン、2008年をゲットしました。
経験からガメにはそんなに期待はしてないですが、どれほどのもかお試しです。


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作り手はポテル・アヴィロン。実は、以前試した二コラ・ポテルさんと、
ボーヌ農業学校で同窓だったボジョレー出身のステファン・アヴィロンさん
(Stéphane Aviron)が意気投合してスーパー・ボジョレーを作っています。

ところが、ネットで見ると、最近のヴィンテージはPotel Avironではなく、
Stéphane Aviron単独名になっています。エチケットデザインは同じなのに...。
Morgon04
真相は調べたけど不明。しかし、ロッシュ・ド・ベレーヌを試したときに、
ニコラ・ポテルさんが2008年に自身が立ち上げたニコラ・ポテル社から独立し、
当時の親会社であった大手コタン・フレール社とケンカしちゃったことで、
自身の名前でもある「二コラ・ポテル」が使用できないことになったんでしたね。
(仕方なく、ドメーヌ・ド・ベレーヌ /メゾン・ロッシュ・ド・ベレーヌを立ち上げ。)
察するに、同様に「Potel Aviron」も使えなくなったんじゃないでしょうか?
そう考えると合点がいきますし、ジョイント・プロジェクトを解消したんじゃなくて、
今も協業関係は続いてるんじゃないでしょうか。そう思っておきましょう。(笑)


で、ポテル・アヴィロンの公式ページというものが見つかりません。
インポーターの情報ページを貼ってお茶を濁しておきます。

Frederick Wildman and Sons, Ltd.

豊通食料株式会社

ネット情報ですが、
・ガメ 100%
熟成は新樽率20~25%のオーク樽で12ヶ月のようです。
Vieilles Vignesですから樹齢は38年以上の古木だそうです。
驚くのは、2009年のヴィンテージですが、パーカーおじさんが92点をつけてること。
クリュ・ボジョレーでこの評価はすごい気がします。


ポテル・アヴィロンという法人の住所は判明したので行ってみます。
シェナ(Chénas)の近く、ラ・シャペル・ド・ガンシェイ村にあります。
Morgon01
所番地は合ってるのでここだと思いますが、完璧民家ですね。(笑)

ここからモルゴンの「Côte du Py」という畑までは車で20分弱。
Morgon03
クリュ・ボジョレーの10ヶ村と共にGoogle Mapで示しました。
クリュ・ボジョレーは下記の10村になります。おさらいしておきます。
・サン・タムール(Saint-amour)
・ジュリエナ(Juliénas)
・シェナ(Chénas)
・ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-à-Vent)
・フルーリー(Fleurie)
・シルーブル(Chiroubles)
・モルゴン(Morgon)
・レニエ(Régnié)
・ブルイィ(Brouilly)
・コート・ド・ブルイィ(Côte de Brouilly)

モルゴンの「Côte du Py」という畑も行ってみました。
Morgon02
どこがポテル・アヴィロンの区画かわかりませんし、ストビューも不十分で、
適当なところをスクショしています。Côteというだけあって起伏もありいい感じ。


ボジョレー全体をおさらいします。3つの地図を並べただけですが。
Beaujolais3
なかなか各AOCの範囲が確定できず、Google Mapにうまく書き込めてません。
3つの地図を比べて、ふ~んと思っていただければ幸いです。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_2383
裏ラベルにはステファン・アヴィロンさんのサインのみ。

インポーターシールはなぜか最上部の「POTEL AVIRON」だけ隠してました。
IMG_09
そんなんなら隠す必要ないのに。剥がすのに難儀しました。(笑)


さて、抜栓。
IMG_2406
へ?全く無地のコルクです。当然平面化はしません。(笑)

Alc.12.5%。
濃いめのくすんだルビー。さすがにエッジはかすかに褐変してます。
IMG_2407

イチゴ(シロップ)。フランボワーズ。
若々しい香りです。やはりガメですね。
酸味のある辛口アタック。
やはりピノほどの深みはないんですが、
味の芯や複雑味はしっかりある気がします。
2008年というほどの重みは感じません。
逆に未だフレッシュな印象。
それがガメの個性、良さなんでしょうね。
酸は最後まで居続けるんですが、
それはそれで全体のバランスには貢献しています。

飲み進めてると「あっ、ピノと思って飲んでいた!」
と、ふと気づいたりします。
ガメなんだよね。 熟成ガメ。いいんじゃない?


*****


Potel Aviron
Morgon Côte du Py 2008
Vielles Vignes
RRWポイント 86点


Georges Dubœuf Beaujolais-Villages Nouveau 2019

オーストリアのホイリゲとイタリアのノヴェッロで新酒は祝いましたが、
11月21日にフランスのボジョレー・ヌーヴォーが解禁されました。
過去の経験から味は想像はつくので(笑)パスしようかと思いましたが、
縁起物だしな~ということで、ついついハーフボトルをお買い求め。


IMG_0464
定番というか一番出回っているお馴染みのジョルジュ・デュブッフですが、
ちょっとだけいい、ボジョレー・ヴィラージュをチョイス。
Beaujolais-Villagesはボジョレー地区のおおよそ北半分の39の村から産出されます。


公式ページは立派なのがありますが、季節モノのヌーヴォーは詳細なし。

ショップサイトで一応載ってる程度です。まあセパージュは当然ながら、
・ガメ 100%
であります。で、マセラシオン・カルボニックで醸されるわけです。


ジョルジュ・デュブッフを訪問してみます。これは店舗かな?
Georges_Duboeuf01
ボジョレーの北側、Romanèche-Thorinsという町にあります。

上空から見ると、駅前の地区全体が敷地のようでデッカイです。
Georges_Duboeuf02
大手ですから大量にも作るでしょうし、儲かってるんでしょうね。(笑)

ボジョレー全体の地図も貼っておきます。(Georges Dubœufは赤印)
Beaujolais_map
ボジョレーの最上級AOCのCru-Beaujolaisも北側に集中しています。
クリュ・ボジョレーは下記の10村になります。おさらいしておきます。
・サン・タムール(Saint-amour)
・ジュリエナス(Juliénas)
・シェナス(Chénas)
・ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin-à-Vent)
・フルーリー(Fleurie)
・シルーブル(Chiroubles)
・モルゴン(Morgon)
・レニエ(Régnié)
・ブルイィ(Brouilly)
・コート・ド・ブルイィ(Côte de Brouilly)


エチケット平面化画像。
IMG_0460
当然ながらの航空便です。


さあ、スクリュー回転。
IMG_0462
名前と所在入りキャップです。

Alc.13%。
薄いルビー。透け感ありますね。
IMG_0463

フランボワーズ、イチゴ、そしてキャンディ香(笑)
もとい、マセラシオン・カルボニック香でしたっけね。
やはり酸味から来ますね。
そしてこの酸は喉越しにも残る困ったやつです。
味の芯はかろうじて感じるのでゲロまずではないです。
しかし、居酒屋ガブ飲みワインすれすれのレベル。
我慢して飲み干しましょう。まあ縁起物だしね。

ヌーヴォーってそんなものですよって聞こえてきそうですが、
これはホイリゲ、ノヴェッロに遠く及ばずでしたけど…。


*****


Georges Dubœuf
Beaujolais-Villages Nouveau 2019
RRWポイント 80点


Les Caves Taillevent Premium Reserve 2018 Beaujolais-Villages Nouveau

ボジョレー・ヌーヴォー2連発です。
すでにご紹介のと同じ作り手ですが、これは1本5千円。
それでもお高いボジョレーには違いありません。


IMG_6452
プレミアム・リザーブなんて名前ですが、
倍の値段のグランド・キュヴェと何が違うんでしょうね。


ガメで収穫してすぐにマセラシオン・カルボニックして出荷です。
IMG_6455
樽熟で差をつけるでもなく、どうやってその値段差が生まれるのか謎。

ボジョレーの10の村名AOC(Cru-Beaujolais)を見ておきましょう。
BN003
このワインを作った「Domaine des Nugues」はそんな名醸地の真ん中。

実際上空から見ると見渡す限りの美しい畑です。
BN008
ブルゴーニュの格下産地みたいに思われがちですが、すごい光景です。
ここ特有の花崗岩質土壌で、作られるのがほとんどガメなんですね。

上の地図の青マルのところ、フルーリの丘陵からの眺めです。
BN007
絶景です。行ってみたいなあ。


さて、お味の方は…。
Alc.13%。
割と濃い赤紫。
甘い香り、フランボワーズ、いちご。
奥の方にキャンディ風味を見つけますが、
ピノ・ノワール風のうま味アタックを思わせます。
酸味は穏やかながら少し刺しますね。
喉越しは安いワインの感じじゃなく「おっ」と思わせますが、
余韻の最後に酸味が残り、化けの皮が剥がれましたかね。
安いボジョレーとは格が違う貫禄はありますが。


*****


Les Caves Taillevent Premium Reserve 2018
Beaujolais-Villages Nouveau
RRWポイント 88点


Les Caves Taillevent La Grande Cuvée 2018 Beaujolais-Villages Nouveau

11月15日(木)に2018年のボジョレー・ヌーヴォーが解禁となりました。
マセラシオン・カルボニックなガメがさほどうまいわけもなく、
あんまり興味はないのですが、マスターソムリエの方いわく、
今年の出来を占うためにも味わっておく必要があるんだとか。


IMG_6451
こちら、パリの名門レストラン「タイユヴァン」が、
エノテカ向けにセレクトしたというラ・グランド・キュヴェ。
1本1万円いたします。これだけ高価ですとおいしいんでしょうか。

タイユヴァンの公式サイトを見てみます。
当然ながらレストランがメインのサイトで、
ワインショップのところに、扱いワインがリストアップされてます。
しかし、ワイナリーではないですから、つまらないですね。


エチケットを見ると、「Domaine par G. Gelin」詰めとなっています。
IMG_6454
この「G. Gelin」というのが、「Gilles Gelin」さんのことで、
「Domaine des Nugues」というドメーヌだということがわかりました。

Domaine des Nuguesの公式ページはこちら

このドメーヌへ行ってみましょう。のどかですね。
BN001
ランシーというボジョレー地区の北側にある小さな村で、
ムーラン・ナ・ヴァン、フルーリ、モルゴンなどの村名AOCに囲まれてます。

こんな地図がわかりやすいですね。
BN002
ランシーの場所を矢印で示しておきました。


さて、いただきますよ。
Alc.13%。
割と濃い赤紫。
紫がちょっと濃い目でしょうか?
フランボワーズ、チェリーですね。
意外な辛口のアタックです。
酸味がパレットに広がりますが上品な感じがします。
タンニンなのか苦味っぽいのが喉に残りますね。
それはそれで安っぽく感じさせないのでいいですが。
余韻にも酸味が残りますが、かなり穏やかです。
やはり値段なりの味にまとまっていますね。


*****


Les Caves Taillevent La Grande Cuvée 2018
Beaujolais-Villages Nouveau
RRWポイント 89点


Leroy Beaujolais-Villages 2016

ルロワですよ。
DRCとも比肩するブルゴーニュの至宝であります。
ロマネ・コンティは畑を眺めましたが、
DRCのワインを口にすることはほぼないでしょう。(笑)
じゃあ、ルロワならと、面白半分でこれをゲット。


Leroy


エチケットの「GRAND VIN DE BOURGOGNE」が輝かしいです。
が、これはボジョレー・ヴィラージュでして、
ピノ・ノワールではなくガメをマセラシオン・カルボニックで醸したものです。
どおりで、ルロワなのにお値段3,000円なり。(笑)

一応、新しめの2016年のヴィンテージですが、
いわゆるヌーボーではなく1年ほどたってからいただく感じになります。

ルロワのボジョレーの新酒は、「PRIMEUR」という表示がありますので、
これは早飲みしてねということだと思います。


Primeur


今回ゲットしたのは、この「PRIMEUR」表示がないもので、
結局中味は同じかもしれませんが、
早飲みを推奨されていない分、バックヴィンテージもOKかと。
いろいろ調べると地元のボジョレー地区なんかでも、
普通にバックヴィンテージを楽しんでおられたりするようですね。
でも、醸造法からすると数年が限界のような気もしますが、
今日の2016年のボジョレー・ヴィラージュ、いかがなものでしょうか?


LeroyBeaujolaisVillages


Alc.13%、そこそこありますね。
やはりガメ、鮮やかな赤紫、ディスクは薄いです。
香りは甘いラズベリーキャンディーです。
口当たりは、甘々ではなく酸味と渋みがバランスよく広がります。
後味は酸味がちになりますが、複雑味も感じ、
このあたりはさすがルロワなんでしょうね。


*****


Leroy Beaujolais-Villages 2016
RRWポイント 86点


Croix Rouge Beaujolais Nouveau 2017

今年もまた、ボジョレー、ボジョレーと騒ぐ季節になりました。
以前飲んだ安物のボジョレー・ヌーヴォーで懲りていますので、
スルーしようかと思ったのですが、
つい魔が差して解禁日11月16日の帰宅途中で押熊のグランマルシェに。

悩みながらも、失敗することを考えてハーフボトルにしました。(笑)
バラック・ド・ラ・ペリエール(H.Brac de la Perrière)というドメーヌだそうで、
「家族経営で、収穫はすべて手積み、愛情を込めたワイン造りにこだわる」
との売り文句(by 輸入業者)がなんとも良さげです。


Beaujolais_Noubeau


以前の苦い経験から、
ガメの早飲みがうまいわけがないとの思い込みがありましたが、
結論、結構おいしい。(笑)

香りは、花やらキャンディーのような感じでお菓子感満点で、
アタックも酸味が最初に来て、その後甘味に変わる感じ。
これはやっぱりヤバいのかと思いましたが、なぜか総合的にOKです。
おいしいです。また次の一口を飲んでしまいます。

いやあ、ガメもやはりちゃんと選べばおいしいんだ。
これは、ガルナチャ嫌いも直さないとと思ってきました。


*****


H.Brac de la Perrière / Croix Rouge Beaujolais Nouveau 2017
RRWポイント 83点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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