Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Bobal

Mustiguillo Finca Terrerazo Vino de Pago Bobal 2016

以前、このボデガス・ムスティギージョ(Bodegas Mustiguillo)のボバル(Bobal)という品種のブレンドを試しています。ボバルは、スペインの黒ブドウの栽培面積においてテンプラニージョに次いで第2位という割にはあまりお目にかかりませんが、ボバルの名手と言われるムスティギージョのボバルにたまたま出会ったものでお試しとなりました。今日は同じ作り手ながら、ボバル100%の上級レンジ。そして、スペインのワインの格付けでは最上級という「Vino de Pago」であります。ゴイゴイスー。

IMG_4641
ムスティギージョは、バレンシア州ウティエル(DO Utiel-Requena のウティエル)にてアントニオ・サリオン(Antonio Sarrión Martínez)さんが1998年に立ち上げた家族経営ワイナリーです。創業当初から地元品種ボバルの可能性に着目し、ボバルでバレンシアのテロワールを表現すべく取り組んでいるんだそうです。(Linked inの説明文より)そのおかげで、2010年には彼らの畑「El Terrerazo」が単独でDOP(Denominación de Origen Protegida)「Vino de Pago」に認定されています。


公式ページ前回見たときからリニューアルされていました。ずいぶんよくなってます。

さて今日のビノ・デ・パゴ、フィンカ・テレラソです。
・ボバル 100%
ブドウは粒ごとに2回の選果。低温浸漬後、35hlのオーク桶で若干のピジャージュをしながら10日間の発酵を行います。フリーランのみ225Lと500Lのフレンチオーク樽(一部35hlのフードル)に移され、樽内でMLF、18ヶ月の熟成を行います。

ボバルは主にバレンシア州周辺でしか栽培されてないせいか、あまり情報がありません。
Bobal01
系統や親子関係に関するデータは見当たらず。スペインじゃアイレン、テンプラニージョに続いて第3位の栽培面積ですから、みんなもっとボバルに興味を持とうよ(笑)。因みにボバル以下、ガルナチャ、モナストレルと続きます。ガルナチャより多いなんて意外ですよね。
そうそう、スペイン語の発音では後ろにアクセントがありますから「ボバール」に近い発音になります。


前にも行ってますが、作り手訪問。立派な門構え、建物です。
Mustiguillo01
ウティエル(Utiel)の町から北へ車で10分といったところ。

公式のトップページの写真が辺りの雰囲気含めいい感じなので貼っておきます。
mustiguillo01
上の写真の門は白い矢印のところです。


バレンシアのDOウティエル・レケーナ(DO Utiel-Requena)の位置関係を見ておきます。
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バレンシア州(Comunidad Valenciana)はカステジョン県(Castellón)、バレンシア県(Valencia)、アリカンテ県(Alicante)の3県から成り、ウティエル・レケーナはバレンシア県の内陸部にあるDOです。標高が700~900mもある地域で、今日の畑「El Terrerazo」も標高800mに位置するそうです。
DOウティエル・レケーナでは、80%以上がボバルの畑です。もうボバル王国といって過言ではありません。詳しくはDOウティエル・レケーナ公式ページで。ここはなんと日本語ページもあります。


ムスティギージョの公式ページに「El Terrerazo」の畑の地図があったのでGoogle Mapに転記してみました。これが2010年に認定された「Vino de Pago」の畑ということです。
Bobal01
VP(Vino de Pago)はスペインの格付けの頂点で、2003年のワイン法改正で新たに設定されたランクです。一つの村で他とは際立って上質のワインを生む畑(生産者)に適用されます。

公式ページではVPの同義語として、DOP El Terrerazo(DOP=Denominación de Origen Protegida)とも書いていますが、スペインとEUのワインの分類を見るとよくわかります。
スペイン・EUワイン法
DOPといっても、スペインの格付けの VP / DOCa / DOC / VC 全部を含む訳です。DOC / DOCa はお馴染みですね。DOCa は、現在のところリオハ(Rioja)とプリオラート(Priorat)しかありません。(プリオラートではカタルーニャ語でDOCaのことをDOQと書くので注意。)
VC(Vino de Calidad con Indicación Geográfica)は聞き慣れませんが、それもそのはず、DOへ昇格するためのプロセスのような格付けです。DO昇格前提で5年はこのランクで過ごさないといけないようです。現在7つの産地がこのカテゴリーでDO昇格を待っているそうです。
さて、肝心のVP(ビノ・デ・パゴ、Vino de Pago)ですが、現在認定を受けているのが19の畑(生産者)らしいです。以下にその19の畑を列挙しておきます。当然、ムスティギージョの「El Terrerazo」も入ってます。

<Castilla la Mancha
 (Castilla la Mancha = Albacete / Ciudad Real / Cuenca / Guadalajara / Toledo)

(1) Pago Calzadilla (Cuenca)
(2) Campo de la Guardia (Toledo)
(3) Dominio de Valdepusa (Toledo)
(4) Casa del Blanco (Ciudad Real)
(5) Dehesa del Carrizal (Ciudad Real)
(6) Pago Florentino (Ciudad Real)
(7) Finca Élez (Albacete)
(8) Pago Guijoso (Albacete)
(9) El Vicario (Ciudad Real)
(10) Los Cerrillos  (Ciudad Real)
(11) La Jaraba (Albacete)
(12) Vallegarcía (Ciudad Real)

<Aragón>

(13) Pago de Aylés (Zaragoza)

<Comunidad Valenciana
(Comunidad Valenciana = Alicante / Castellón / Valencia)

(14) Finca El Terrerazo (Valencia)
(15) Pago Vera de Estenas (Valencia)
(16) Los Balagueses (Valencia)

<Navarra>

(17) Pago de Arínzano
(18) Pago de Otazu
(19) Prado de Irache


ラベル平面化画像。
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シンプルでいい感じですね。「Vino de Pago」が誇らしげです。


さあ、抜栓。
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キャップシールには「FT」の文字。Finca Terrerazo のことですね。

コルク平面化。
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ミレジムは横にちゃんと入っています。

Alc.14%。(pH:3.94、Brix:7.0)
赤紫強めの濃いガーネット。
IMG_4639

黒ベリー、カシス、チェリー。
揮発油の感じもありました。
辛口アタック。
塩味もある?
酸味も結構あります。
そしてタンニンの収斂性もしっかり効いている。
果実味たっぷりで重苦しくない味わいです。
余韻も長く楽しめるんですが、
特徴的な酸はずっと健在です。
これがボバルの個性でしょうか。


*****

Mustiguillo
Finca Terrerazo
Vino de Pago
Bobal 2016
RRWポイント 90点


Vicente Gandía Surana Bobal Cabernet Sauvignon 2018

スーパーで300円ほどで売っていたスペインのワイン、スラナのティント(赤)です。
普段は手を出さないレンジですが、ボバル(Bobal)という品種に釣られました。
スペインの黒ブドウでは断トツ1位のテンプラニージョに続いて2番目の生産量。
なのにバルクワイン用が主だったりして、この品種のワインをあまり見かけません。
以前に飲んだボバルの名手のワインとは雲泥の差でしょうが、試してみましょう。


IMG_3424
作り手は、1885年にバレンシア州に創業という老舗にして巨大ワイナリーである、
ビセンテ・ガンディーアというところ。
ボバルは、紀元前5世紀にはバレンシア州(ウティエル・レケーナ周辺)で栽培
されていたという記録も残る古代品種で、バレンシアはまさにボバルの故郷です。


公式ページはなんと自動で日本語表示。90ヶ国へ輸出する海外進出をしてますからね。

しかしながら、今日のような底辺のシリーズは輸出用ということもあってか、
全然情報が載っていません。
今日のワインは、DO(Denominación de Origen)の表示もありませんから、
DO Utiel-Requena でも DO Valencia でもない、出どころ不明の安ワインです。
ただ、少し上のレンジの DOP Valencia で同じくボバルとカベソーのブレンドを発見。
おそらく似たような比率のブレンドじゃないかと想像します。
・ボバル 80%
・カベソー 20%
まあ、こんな感じとしておきましょう。(笑)


統計数字を見ると、ボバルはバルクワイン用が多いとは言え、かなりの生産量。
bobal01
黒ブドウ品種と限らなくても、スペインの生産量では3位になっています。

(1位)アイレン(白) 214,594ha
(2位)テンプラニージョ(黒) 203,265ha
(3位)ボバル(黒) 59,565ha
(4位)ガルナチャ(黒) 53,183ha
(5位)マカベオ(白) 51,213ha
[2018年データ]

Bodegas Mustiguillo のような、おいしいボバルの作り手もいますから、
もっといいワインが作られるといいですね。


一応、ビセンテ・ガンディーアを訪問しておきます。
Gandia01
さすがに工場然とした規模ですね。バレンシアの西、車で30分のところ。

ただし、このビセンテ・ガンディーア、バレンシアが本拠地ながら、
スペイン中9つものDOのワインを出してます。それらDOに赤印をつけました。
Gandia02
(DO Cava はスペイン中の広範囲なので主生産地のペネデスに印をしてます。)
でも圧倒的にラインナップが多いのが、やはりDO ValenciaDO Utiel-Requenaです。 


ラベル平面化画像。
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輸入者は北海道札幌のセイコーフレッシュフーズとなっていますから、
コンビニチェーンのセイコーマートの自社輸入ってことですね。
発祥が酒屋であることからワインの輸入販売に力を入れてるそうです。


さあ、スクリュー回転。
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無印。そりゃあ300円ですもの。(笑)

Alc.12.5%。(pH:3.82、Brix:6.5)
クリア感のあるガーネット。
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カシス、梅、あんず。
軽い口当たりの辛口アタック。
酸味も結構ありますが刺さないので許します。
味わいは…許せるギリギリの薄っぺらさ。
でも、いいバランスでなんとか持たせている感じ。
余韻はないに等しいんですが、若干酸味がちながら、
ここでもバランスの良さは感じます。

割と普通に楽しめます。
価格からすると十分に偉いワインです。


*****


Vicente Gandia
Surana Tinto
Bobal Cabernet Sauvignon 2018
RRWポイント 86点


Mustiguillo mestís Bobal 2016

スペインのバレンシア州で主に栽培されるボバル(Bobal)という品種は、
黒ブドウとしての栽培面積がテンプラニージョに次いで第2位だそうです。
で、Bodegas Mustiguillo(ムスティギージョ)はMr.ボバルとも称される、
ボバルの名手なんだそうで、これは楽しみであります。


IMG_9239


公式ページはあまりカッコよくないですが、まずまずといったところ。
今日のワイン、同じデザインで「メスティサヘ(mestizaje)」というのは載ってますが、
「メスティス(mestís)」というのは見当たりません。
輸出用に別の名前を使ってるようですね。
「mestizaje」は混血の意味ですが、国によっては発音しにくいですからね。
「mestís」はバレンシア方言で「mestizaje」の意味と裏ラベルにありました。
以下、メスティサヘ(mestizaje)の情報です。
・ボバル 72%
・ガルナチャ(グルナッシュ) 17%
・シラー 11%
樽熟はフレンチオーク樽で10ヶ月。


ワイナリー訪問します。なかなか立派な建物です。
Mustiguillo01
バレンシア州、ウティエル(Utiel)の近く。バレンシアから車で1時間。

この辺りのDO(Denominación de Origen)は「Utiel-Requena」になります。
Utiel01
やはり、ボバルが代表品種になってます。地域の80%を占めます。
テンプラニージョは12%だけだそうです。
その他使用可能な品種は、グルナッシュ、アリカンテ(ガルナチャ・ティントレラ)、
カベソー、メルロー、シラー、ピノ・ノワール、プチヴェルド、カベフラと国際品種ばかり。


ラベル平面化撮影。裏ラベルを見ると「DOP El Terrerazo」とあります。
IMG_8908
あれ? DO Utiel-Requenaじゃないんだ。
調べると、「El Terrerazo」は2010年に設定された「Vino de Pago」です。
VP(Vino de Pago)はスペインの格付けの頂点で、
2003年のワイン法改正で新たに設定されたランクです。
一つの村で他とは際立って上質のワインを生む畑に適用されます。

スペインの格付けをEUワイン法と並べて図示するとこうなります。
swdo-hie
VP El TerrerazoなのをEU法にならってDOP El Terrerazoとしてるんですね。
結局これ、DO Utiel-Requenaの中でも飛びぬけて上等なワインということです。
なんでも、今のところ「Vino de Pago El Terrerazo」を名乗れるのは、
今日のBodegas Mustiguilloだけなんだそうです。ゴイゴイスー。

敬意を表して、「DOP El Terrerazo」を地図上に示します。
Bobal01
公式ページにPDF地図があったので転記しています。


さて、抜栓。
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テクニカルコルク、5年耐用のDIM5を採用。
キャップシールの「m」がラベルと同じロゴでかわいいですね。

Alc.13.5%。
濃い赤紫色ガーネット。
IMG_9237

ブラックベリー、ブラックチェリー、なめし皮。
辛口アタック。シャープな苦味を被っている感じ。
味の構造感はしっかりあるんですが若干ドライな印象。
変な甘みや酸味がなく、シンプルかつストレートなうまみです。
タンニンはかすかながらいい演出をしています。
余韻は短めながら最後まで印象的なうまさが続きます。

おお、
ボバルのポテンシャルとこの作り手の実力が知れた気がします。


*****


Mustiguillo mestís Bobal 2016
DOP El Terrerazo
RRWポイント 91点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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