なんとも情報量のないエチケットです。裏を見るとAOCボルドー・シュペリュールだそうです。普通ならこんなの素通りするんですが、ワインに詳しそうな店員さんが実際に試してかなりおいしかったと熱く勧めてきます(笑)。店頭のPOPには「シャトー・マルゴー、パルメに隣接する畑を持つ」なんて書いています。ええい、いっちょ乗せられて試してみるか。
作り手は裏ラベルから「Gonet-Médeville」ということと、所在はプレニャック(Preignac)ということがわかりました。あれっ? プレニャックってAOCソーテルヌのコミューンじゃなかったっけ? マルゴー村とどんな関係があるのでしょう。裏ラベルにはHPのURLも載ってましたが、トップページに顔写真だけ(たぶん、ゴネ・メデビル夫妻)の工事中です。困りました。
工事中の公式サイトはこれです。とにかく情報を集めにネットサーフィン(死語)しました。
日本のインポーターは株式会社nakatoですが、シャトー・デ・ゼラン(Château des Eyrins)のワインということで紹介されています。まずはワイン情報。
まずは、裏ラベルにあった「Gonet-Médeville」を訪問します。
プレニャックのコミューンの外れ、ガロンヌ川沿いにあります。おそらくここでシャトー・ジレットを作っていると思います。もちろんAOCソーテルヌの甘口白ワインを出しています。
AOCソーテルヌの対象コミューンをINAOの地図でおさらいしておきましょう。
プレニャック村はシャトー・ディケムのあるソーテルヌ村とも隣接し、ソーテルヌ第1級のシャトー・スデュィロー(Ch. Suduiraut)があったりします。バルサック(Barsac)村はAOCバルサックも名乗れるんでしたね。
さて、プレニャックや今日の作り手ゴネ・メデビルの位置関係を把握します。
横着をして「AOC Côtes de Bordeaux」の地図の上に記入しました(笑)。下の方のプレニャック、ソーテルヌのあたりが先ほど訪問したゴネ・メデビルの本拠地です。上の方のマルゴーのあたりには夫妻が取得したというシャトー・デ・ゼラン(Château des Eyrins)も示しておきました。今これを書いていてわかったんですが、マルゴー村とカントナック村は2017年に合併して「マルゴー・カントナック(Margaux-Cantenac)」という新しいコミューンになったんですってね。知らんかった…。
さあ、マルゴー村へ赴いて(正しくはマルゴー・カントナック村)、シャトー・デ・ゼラン(Château des Eyrins)を訪問すると、壁にはクリュ・モンプレジールの文字が…。
場所はシャトー・ラスコンブのお隣さんでした。
いつものシャトーロゴ入りマルゴー・カントナック地図にも書き込んでみました。
しかし、えらいところにシャトーを構えたもんですね。そして、クリュ・モンプラジール(Cru Monplaisir)の畑はシャトー・ディッサンとシャトー・マルゴーに隣接した2区画ですからね。この畑の正確な場所わかりませんが、この地図であの辺りかな~とか想像しておきましょう(笑)。
さて、今日のワインはAOCボルドー・シュペリュール。
普段はスルーしている AOC Bordeaux Supérieur を深掘りしてみましょう。
エチケット平面化画像。
表は情報量ほぼなしですが、裏にはセパージュが書いてあって助かります。AOCボルドー・シュペリュールというのも裏でわかります。
インポーターシールは裏ラベルを隠していませんでした。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
作り手は裏ラベルから「Gonet-Médeville」ということと、所在はプレニャック(Preignac)ということがわかりました。あれっ? プレニャックってAOCソーテルヌのコミューンじゃなかったっけ? マルゴー村とどんな関係があるのでしょう。裏ラベルにはHPのURLも載ってましたが、トップページに顔写真だけ(たぶん、ゴネ・メデビル夫妻)の工事中です。困りました。
工事中の公式サイトはこれです。とにかく情報を集めにネットサーフィン(死語)しました。
日本のインポーターは株式会社nakatoですが、シャトー・デ・ゼラン(Château des Eyrins)のワインということで紹介されています。まずはワイン情報。
・メルロー 75%
・カベルネ・ソーヴィニヨン 20%
・カベルネ・フラン 5%
熟成は、新樽率10%オーク樽で10ヶ月と書いていますが、ネット情報を総合すると、正しくは総量の10%をオーク樽で、残り90%をバットで10ヶ月の熟成ということらしいです。
そんなネットサーフィンでわかってきたのがこういうことです。オーナーのゴネ・メデビル(Gonet-Médeville)夫妻というのが、ジュリー(Julie)さんとザビエル(Xavier)さんで、 お二人の出自がユニーク。ジュリーさんの家族はソーテルヌのシャトー・ジレット(Château Gillette)で、ザビエルさんはシャンパーニュのル・メニル(Le Mesnil-sur-Oger)の生産者の出身だそうです。ふたりで「Vignobles Gonet-Médeville」と名乗ってワインを作っています。
裏ラベルにあった所在のプレニャック(Preignac)というのはジュリーさんの親元、ソーテルヌのシャトー・ジレット(Château Gillette)ということになります。そしてお二人は、2009年9月にマルゴー村にあるシャトー・デ・ゼラン(Château des Eyrins)と、今日のワインのクリュ・モンプラジール(Cru Monplaisir)の畑を買収しました。この畑がシャトー・ディッサンとシャトー・マルゴーに隣接した2区画で構成されているとのことです。
・カベルネ・ソーヴィニヨン 20%
・カベルネ・フラン 5%
熟成は、新樽率10%オーク樽で10ヶ月と書いていますが、ネット情報を総合すると、正しくは総量の10%をオーク樽で、残り90%をバットで10ヶ月の熟成ということらしいです。
そんなネットサーフィンでわかってきたのがこういうことです。オーナーのゴネ・メデビル(Gonet-Médeville)夫妻というのが、ジュリー(Julie)さんとザビエル(Xavier)さんで、 お二人の出自がユニーク。ジュリーさんの家族はソーテルヌのシャトー・ジレット(Château Gillette)で、ザビエルさんはシャンパーニュのル・メニル(Le Mesnil-sur-Oger)の生産者の出身だそうです。ふたりで「Vignobles Gonet-Médeville」と名乗ってワインを作っています。
裏ラベルにあった所在のプレニャック(Preignac)というのはジュリーさんの親元、ソーテルヌのシャトー・ジレット(Château Gillette)ということになります。そしてお二人は、2009年9月にマルゴー村にあるシャトー・デ・ゼラン(Château des Eyrins)と、今日のワインのクリュ・モンプラジール(Cru Monplaisir)の畑を買収しました。この畑がシャトー・ディッサンとシャトー・マルゴーに隣接した2区画で構成されているとのことです。
まずは、裏ラベルにあった「Gonet-Médeville」を訪問します。
プレニャックのコミューンの外れ、ガロンヌ川沿いにあります。おそらくここでシャトー・ジレットを作っていると思います。もちろんAOCソーテルヌの甘口白ワインを出しています。
AOCソーテルヌの対象コミューンをINAOの地図でおさらいしておきましょう。
プレニャック村はシャトー・ディケムのあるソーテルヌ村とも隣接し、ソーテルヌ第1級のシャトー・スデュィロー(Ch. Suduiraut)があったりします。バルサック(Barsac)村はAOCバルサックも名乗れるんでしたね。
さて、プレニャックや今日の作り手ゴネ・メデビルの位置関係を把握します。
横着をして「AOC Côtes de Bordeaux」の地図の上に記入しました(笑)。下の方のプレニャック、ソーテルヌのあたりが先ほど訪問したゴネ・メデビルの本拠地です。上の方のマルゴーのあたりには夫妻が取得したというシャトー・デ・ゼラン(Château des Eyrins)も示しておきました。今これを書いていてわかったんですが、マルゴー村とカントナック村は2017年に合併して「マルゴー・カントナック(Margaux-Cantenac)」という新しいコミューンになったんですってね。知らんかった…。
さあ、マルゴー村へ赴いて(正しくはマルゴー・カントナック村)、シャトー・デ・ゼラン(Château des Eyrins)を訪問すると、壁にはクリュ・モンプレジールの文字が…。
場所はシャトー・ラスコンブのお隣さんでした。
いつものシャトーロゴ入りマルゴー・カントナック地図にも書き込んでみました。
しかし、えらいところにシャトーを構えたもんですね。そして、クリュ・モンプラジール(Cru Monplaisir)の畑はシャトー・ディッサンとシャトー・マルゴーに隣接した2区画ですからね。この畑の正確な場所わかりませんが、この地図であの辺りかな~とか想像しておきましょう(笑)。
さて、今日のワインはAOCボルドー・シュペリュール。
普段はスルーしている AOC Bordeaux Supérieur を深掘りしてみましょう。
AOC Bordeaux Supérieur の対象範囲は、ご覧のINAOの地図のようにAOC Bordeaux と全く同じ広範囲になります。境界はかなりの部分ジロンド県のそれと共通です。じゃあ、AOC Bordeaux Supérieur と AOC Bordeaux は何が違うのかということなんですが、なぜか日本ソムリエ協会の教本でも「ボルドー・シュペリュールの方が生産条件が厳しい」とあるだけで詳しく書いてません。なぜなんでしょうね。
仕方がないので、2021年3月付けの最新の官報を読み解いてみましょうか。これはフランス農業食料省 MAA(Ministère de l'Agriculture et de l'Alimentation)が出しているもので、INAO(Institut National de l'Origine et de la Qualité、旧称 Institut National des Appellations d'Origine)というのはその傘下になります。AOC Bordeaux Supérieur と AOC Bordeaux は別の文書になっていますが、内容も膨大ながら対象地域や使用品種などほとんどが共通のようです。違いを探すのにひと苦労しましたが、はっきり違うのは熟成期間でした。以下、Rouge(赤)についてです。白(Blanc)はまた違っていて<カッコ書き>しました。
・AOC Bordeaux Supérieur:約9ヶ月(収穫翌年の6月15日まで) <白は約3ヶ月>
・AOC Bordeaux:約3ヶ月(収穫年の12月31日まで) <白は規定なし>
あと、最低アルコール度数がAOCボルドー・シュペリュールで11%、AOCボルドーで10.5%となってました。白はAOCボルドー・シュペリュールで12%、AOCボルドーで10.0%です。他にも細々といろいろ規定があるようですが、これ以上深読みはしないでおきます。(笑)
エチケット平面化画像。
表は情報量ほぼなしですが、裏にはセパージュが書いてあって助かります。AOCボルドー・シュペリュールというのも裏でわかります。
インポーターシールは裏ラベルを隠していませんでした。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
Alc.14.5%。
ガーネット。
黒ベリー、スミレ、ウェットで上品な樽香。
辛口アタック。
程良いタンニンの刺激を見せながら滑り込む構造感ある味わい。
しっかりした複雑味湛えたコクは貫禄ありです。
バランスが崩れず、たおやかに余韻に流れれていきます。
メルローの上品な軽さも出ています。
店員さんの言うように確かにいいですね。
思わぬところでいいワインに出会えました。
思わぬところでいいワインに出会えました。
*****
Vignobles Gonet-Médeville
Cru Monplasir 2019
Bordeaux Supérieur
Cru Monplasir 2019
Bordeaux Supérieur
RRWポイント | 95点 |
---|