Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Bulgaria

Magura Winery Trevite Vrachanski Misket 2018

約3年ぶりのブルガリアワイン。久々にヨドバシの店頭で見かけ1本買ってみました。白は初めてで、ブルガリアには黒品種のマブルッド(Mavrud)やルビン(Rubin)といったローカル品種がありましたが、今日の白品種もヴラチャンスキ・ミスケット(Vrachanski Misket)という土着品種らしく興味をそそります。実はラベルのコウモリのマークが決め手だったんですが…(笑)。

IMG_0019
作り手の名前はラベルに大きく書かれていないのですが、マグラ・ワイナリー(Магура)といい、1967年にブルガリア北西部ラビシャというところに設立されています。首都ソフィアの北、車で3時間ほどのところです。おそらくワイナリー名はここから来ていると思われますが、近くにマグラ洞窟という古代人の壁画も残されているような鍾乳洞があります。創業時からこの洞窟内をセラーとして利用していて高品質のスパークリングワインを作っています。2008年からは国際品種や今日のワインのような土着品種などの畑を拡大して力を入れているそうです。
はは~ん、ラベルのコウモリマーク、洞窟にいるコウモリがトレードマークになってるわけですね。

公式ページはキリル文字のブルガリア語ですが、英語表示できるので助かりました。

ワイン情報はあっさりしてたのでインポーター情報などを総合して...。

・ヴラチャンスキ・ミスケット 100%

ブルガリアン・オーク樽で2ヶ月の熟成をしているとのこと。樽熟成をしていることに驚きますが、ブルガリアン・オークというのも興味深いです。

これがヴラチャンスキ・ミスケット(Vrachanski Misket / Врачански мискет)。
Vrachanski-Misket
ミスケット・ヴラチャンスキと逆の表記もあるようです。ハンガリーもしくはブルガリアが原産ですが、2013年に実施されたDNA分析によると、コアルナ・アルバ x ミュスカ・ブランの自然交配であると推測されています。ミュスカ・ブランはミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランのことでしょうが、コアルナ・アルバ(Coarnă albă)は聞きなれないですね。モルドバ原産の土着品種のようです。  シノニムが多く、Coarnă albăはルーマニア語、ロシア語ではPukhliakovskyと呼ぶそうです。

マグラ・ワイナリーを探します。ラビシャの村にショップを発見しました。
Magura_Winery01
ラビシャ(Rabisha / Рабиша)は辺鄙なところにある小さな村ですが、例のマグラ洞窟とラビシャ湖というブルガリア最大の淡水湖が近くにあり、名所の最寄りの村って感じです。傍らに「マグラ洞窟はあちら」の看板がありました。ワイナリーもそっちにあるはずです。

結構立派なワイナリーに行きつきましたがストビューでは入り口までしか行けません。
Magura_Winery02
ワイナリーの裏手がマグラ洞窟です。スパークリングを熟成させてる洞窟セラーは地下ででも繋がっているんでしょうかね。

以前からブルガリアの主要ワイナリー所在が書いた地図に印をつけています。
Winery_Location_Bulgaria
Bessa Valley や Logodaj など過去に試したワイナリーも書いてあります。マグラ・ワイナリーの場所、わかりますかね。北西の端っこの方です。

さて、例によってブルガリアのワイン産地をGoogle Map上にまとめてみました。
Bulgaria_Regions
ご覧のようにブルガリアには5つのワイン生産地域があり、首都ソフィア近辺以外のほぼ全域がワイン産地という感じですね。以下にまとめます。

<Danubian Plain(Dunavska Ravnina /  Дунавска равнина)(ドナウ平原)
ブルガリアの北側は500kmに渡ってドナウ川がルーマニアとの国境を成しています。このドナウ川の南岸に広がるブルガリア北部のワイン生産地域はドナウ平野(Danubian Plain)と呼ばれており、全体の30%を産します。マグラ・ワイナリーはその西端にある感じですね。

<Black Sea region>(Chernomorski Rayon / Черноморски район)(黒海沿岸)
黒海に面した東側のエリアです。ここも全体の約30%を占める生産量を誇ります。

<Rose Valley>(Rozova Dolina / Розова долина)(バラの谷)
ドナウ川平原の南側はバルカン山脈になりますが、そのすぐ南側のエリアです。ローズ・ヴァレーというのはこのエリア西側ののサブリージョンでもあるので「サブバルカン地域」という呼び方の方が正確なようです。ちなみにバラとヨーグルトがブルガリアの名産です。

<Thracian Valley>(Trakijska Nizina / Тракийска низина)(トラキア渓谷)
南部地域は「トラキア渓谷」と呼ばれ、穏やかな大陸性気候とブドウの生育期の降水量も良好な一大生産地域です。全体の35%の最大地域になるようです。トラキアとは現在のバルカン半島南東部の地帯を指す古代の呼び名です。

<Struma Valley>(Dolinata na Struma / Долината на Струма)(ストルマ渓谷)
名前からわかるように南西部にあるストルマ川流域のエリアになります。規模はさほど大きくないようです。

 
そうそう、最後にブルガリア周辺の地図で周辺国との位置関係を見ておきましょう。
Bulgaria位置1
南側はギリシャ、北にルーマニアやモルドバ。東ヨーロッパの銘醸地帯ですね。緯度的にはイタリアのトスカーナくらいでしょうか。


ラベル平面化画像。
IMG_9965
横長でほぼボトルを一周しています。ワインの解説もあるんですが、残念ながらブルガリア語です(笑)。

インポーターシールは上記ラベルの隙間に縦貼りしてありました。
IMG_9965R
ブルガリア語しか書いてないんですが、ラベルを隠さない努力は偉いです。


さあ、抜栓。
IMG_0172

コルク平面化。
IMG_0017

Alc.12.5%。
濃いハチミツ色の黄色。
IMG_0018
マスカット、ラムネ、爽やかな香り。
辛口アタック。
穏やかな酸と滋味のある果実味。
ベースに絶妙な苦味様の旨みが横たわっています。
実はラムネ菓子のような飲んだことのない独特な風味なんですが(笑)、
新しい経験として十分楽しめました。


*****


Magura Winery
Trevite
Vrachanski Misket 2018
WWWポイント78点



WhiteWhiteWine01

Telish Cabernet Sauvignon & Merlot 2013

KALDIで1000円ほどで買えるTelishというブルガリア・ワインです。
以前、Castra Rubraというのを同じくKALDIで買って割と良かったんですが、
その時、Castra Rubraの前身がTelishだったなというのが記憶に残ってました。
案の定、店頭のPOPは「あの、ミシェル・ロラン監修!」みたいな…。(笑)


IMG_2752
1960年創設の官営ワイナリーが民間に払い下げられ、現オーナー、
Jair Agopian氏が購入、1999年に「Telish」ワイナリーをスタート。
その後、2006年に新ワイナリー「Castra Rubra」を建てたそうです。

Telishというのは首都ソフィアの北側に「Telish」という町があり、
そこにある(あった?)ワイナリーというのはネットで調べました。
ワインの裏ラベルには「Telishにあるテリッシュ・ワインセラーで生産、
Kolarovoにあるカストラ・ルブラ・ワイナリーで瓶詰め」とあります。
どうやら、テリッシュもカストラ・ルブラも個別に存在してそうですが、
2つの所在はソフィア経由で車で4時間の距離です。
ブルガリアの北の端と南の端ですから、なんとも不便な位置関係ですね。


公式ページでいろいろ調べようとしたら、なんと工事中です。

タイミング悪いですね。結局ネット情報を探るしかありません。
インポーター、オーバーシーズのサイトに作り手紹介はありました。
ワイン情報が見当たらず、結局得体の知れないドイツのショップサイトで、
・カベソー 50%
・メルロー 50%
らしいことはわかりました。樽は不明です。お値段的になしかな?


テリッシュの町を散策しましたが(笑)ワイナリーらしきものは発見できず。
しかたないので再訪ですが、カストラ・ルブラへ行ってみます。
Telish01
これだけの施設ですから、実質こっちが本拠地なのでしょうね。
1999年テリッシュをスタートした時植えたのがカベソーとメルローと言います。
今日のワインからすると、畑だけは残ってるって感じでしょうかね。

因みに、Castra Rubraの名前ですが、すぐ近くにローマ時代の要塞の遺跡、
Castris Rubrisがあり、そこから取ったそうです。今は石垣が残ってるのみ。
どうりでワイナリーが石造り風情になってるわけですね。


さて、ネットの拾い物ですが、こんな地図がありました。
ブルガリアのワイナリー名が(多分ほとんど全部)地図上に示されてます。
Telish02
テリッシュの町のあたりにはTelishというワイナリー名は書かれていません。
Castra Rubra他、今まで飲んだブルガリアのワイナリーに印をつけました。
Logodajはいいとして、Enira(Bessa Valley)はまた飲んでみたいですね。


ラベル平面化画像。
IMG_2703


さあ、抜栓。
IMG_2750
キャップシールはラベルに合わせたデザインですが、コルクがまさかの無地。
当然ながらコルクの平面化はしません。(笑)

Alc.13.5%。
ガーネット。涙は形がはっきりしません。
IMG_2751

ブラックベリー、ブラックチェリー。
生っと熟成された樽香のようなものを感じます。
辛口アタック。
味の厚みは若干物足りないんですが、
カベソーとメルローのブレンドのお手本のような旨味は出せてます。
嫌味や欠点も見当たらないので、そこそこハイレベルと思われます。
タンニンも十分シルキーで余韻にスムーズにつないでくれますね。
若干の軽さだけ、どう評価するかです。


*****


Telish
Cabernet Sauvignon & Merlot 2013
RRWポイント 91点


Logodaj Selection Chardonnay & Vermentino 2015

以前、意外においしかったブルガリアのお手頃ワイン、ロゴダジです。
前のはカベソー・カベフラ・メルローのボルドー・ブレンドでしたが、
今日はロゴダジの白(シャルドネとヴェルメンティーノ)を試します。
「赤をおいしく作れる生産者は、白もおいしく作れるのか?」という、
命題の検証でもあります。(笑)


IMG_1710
ロゴダジは1994年創業で、ブルガリアではトップ10に入る生産量だそうです。

 
公式ページは相変わらずブルガリア~ンな雰囲気が漂っています。
Logbann
れれれ、シャルドネは載ってるんですが、ヴェルメンティーノとのブレンドではありません。
ヴェルメンティーノはサルデーニャ島などイタリアで多い品種ですが、ブルガリアでもやってるんですね。
とにかくセパージュはネット情報で、
・シャルドネ 60%
・ヴェルメンティーノ 40%
らしいので、ヴェルメンティーノは結構ガッツリ入ってますね。
熟成は、シャルドネがステンレスタンクで発酵・熟成なので同じでしょう。

 
さて、再度Google Mapで訪問。やっぱりのタンクしか見えません。ショボい…。
Logo02
反対側に事務所なりがあり試飲とかやってそうですが、ストビューで近寄れず。

ブルガリア南西部のストゥルマ・ヴァレー(Struma Valley)に位置し、
北マケドニアとの国境まで車で15分とすぐのところです。
Logo01
ボルドーの緯度と比べる線を入れましたが、割と南にあります。
イタリアのトスカーナくらい。


ラベル平面化画像。
IMG_1667


さて、スクリュー回転。
IMG_1709

Alc.12.5%。
ゴールドイエロー。
IMG_1708

洋梨、蜜入りリンゴ、ライム、華やかな香りです。
酸味が乗った辛口アタック。
薄めのライム系の味、薄っぺらさは否めなません。
う~ん、残念。

赤がおいしいところの白がおいしいとは限らない、
ということがわかりました。(笑)


*****


Logodaj
Selection
Chardonnay & Vermentino 2015
WWWポイント 76点



WhiteWhiteWine01

Logodaj Selection Cabernet Sauvignon & Cabernet Franc & Merlot 2014

成城石井で見つけたブルガリアワイン。
おまけのポアラー(ディスク状フィルムの注ぎ口)が欲しくて購入。
とってもお手頃ですので、イマイチの味でもおまけがあるのでOK。(笑)
しかし、これが驚きのうまさだったら「偉いワイン」認定ですよね…。


IMG_7885


公式ページはなんとなくブルガリア~ンな雰囲気。
ワイン個別の紹介はありますが、情報量は今ひとつ。
まずセパージュのパーセンテージがありません。
多分書いてある順番でカベソー主体なんでしょうけど…。
樽熟はフレンチ樽で12ヶ月、ボトルで3ヶ月です。


ブルガリアにあるワイナリーを訪問します。「えっ…。」
logodaj01
ショッキングなくらいみすぼらしいです。(笑)
近くがロゴダジという集落になっていますね。

ブルガリアはこんな位置関係で、ロゴダジは西の端ですね。
logodaj02
マケドニアの国境近く。緯度的にはけっこう南の方ですね。


これがオマケのポアラーです。
logodajp
使ってる人は知ってると思いますが、雫が垂れない優れものです。


ラベル平面化画像。
IMG_7859
セパージュを全部羅列するって斬新ですね。


さあ、スクリュー回転です。
Alc.13.5%。
濃いガーネット、透けない感じです。
IMG_7884

黒ベリー、プラム。
うま口アタック?
しっとりした深みのある味は好みですね。
程よいタンニン、他の要素もすべてほどよいです。
いいバランスです。

素直にうまいと感じます。
これって実はすごくない?
「偉いワイン」認定です。
みすぼらしいワイナリーなんですが…。(笑)


*****


Logodaj Selection
Cabernet Sauvignon & Cabernet Franc & Merlot 2014
RRWポイント 95点


Castra Rubra Via Diagonalis Selected Red 2009

ブルガリアワインをいただきます。
ブルガリアはエニーラばかりいただいてましたが、
今日のは、あのミシェル・ロラン監修だそうで。
これもKALDIでお求め。面白いのが置いてます。


IMG_6496
独特のエチケットデザインと、シャトー・オーブリオンのようなボトル。

公式ページは、ブルガリア語の他、英・独・仏・スペイン語に対応。
このワイナリーの歴史を見てみます。

1960年創設の官営ワイナリーが民間に払い下げられ、現オーナー、
Jair Agopian氏が購入、1999年に「Telish」ワイナリーをスタート。
その後、2006年に新ワイナリー「Castra Rubra」を建てたそうです。

そして、あのミシェル・ロランおじさんの登場です。
CastroRubra05
若いワイナリーの醸造家たちを率いてこのワインを生み出したんだそうです。

おそらく今風のボルドータイプのワインに仕上がってることでしょう。
ちゃんとデータシートがあったので詳細を転記します。
セパージュは、
・メルロー 55%
・カベソー 35%
・ルビン 5%
・マヴルッド 5%
となっています。サンテミリオンっぽい?
ルビン(Rubin)とマヴルッド(Mavrud)はブルガリア固有品種です。
樽熟はなんと、フレンチオークの新樽100%で16ヶ月です。
お手頃価格なのに贅沢な仕様ですね。

Kolarovoという所にあるワイナリーを訪問します。
CastroRubra01
Googleでは写りが悪いですが、石造りのモダンな施設です。

首都ソフィアからは車で2時間40分。
CastroRubra03
ブルガリアは黒海に面した東欧の国です。

緯度的にはこんな感じ。温暖な気候と思われます。
CastroRubra02
う~ん、ブドウ栽培にはバッチグーという感じですね。

ワイナリー近くの畑にも行ってみました。
CastroRubra04
いいテロワールと言い切っておきましょう。
これでうまくないわけがない。(笑)


エチケット平面化画像。控えめインポーターラベルは有難し。
IMG_6466
産地は「Thracian Valley」。考古学的な遺跡も多いところらしいです。
「Via Diagonalis」という名前はミリタリス街道にちなんでるそうです。
<東ローマ帝国がローマとコンスタンチノープル(今のイスタンブール)
を結ぶために建設した街道…たぶん>


キャップシールにもエチケットと同じ絵が。
IMG_6498


さて、抜栓。
Alc.14.5%。
濃いルビー。ちょっと褐変してます。
涙が粘性ハッキリ見て取れる太さです。
黒ベリー、チェリー、濡れた木の樽香。
カベソー、カルメネールにあるような香りです。
辛口アタック、即タンニンがじゅわっと舌に絡まります。
開いてないのかな?
と思ってデカンタします。
上等ボルドーの風格ある味が出てきました。
ミシェル・ロラン味でしょうか。(笑)
最初は樽風味がキツめに感じますが、
開いてくるとウマウマです。


*****


Castra Rubra Via Diagonalis Selected Red 2009
RRWポイント 92点


Domaine Bessa Valley Enira 2013

すでに過去に、
プチ・エニーラエニーラ・レセルヴァをいただいた、
ブルガリアのベッサ・ヴァレーです。
今日はやっと真ん中のエニーラをいただきます。
どれもおいしかったのでこれも期待しますね。さて?


IMG_6178


サンテミリオンのラ・モンドットやカノン・ラ・ガフリエールを所有する
かのナイペルグ伯爵がブルガリアで展開するこのワイナリー、
Bessa01
過去にいろいろと調べているので今回は簡単に。

(過去記事リンク)

Domaine Bessa Valley Petit Enira 2014

Domaine Bessa Valley Enira Reserva 2011


公式ページで本日のエニーラを調べます。
すると、なぜか2013だけ詳細がありません。
仕方ないのでセパージュだけでもショップサイトを頼ります。
・シラー 49%
・メルロー 45%
・カベソー 6%
微妙にメルローよりシラーが多めですね。
2014年もシラー48%となってるので傾向のようですね。


エチケット平面化画像。
IMG_5482
意味不明のブルガリア語さえ隠さないインポーターシールは偉い。


さて、抜栓。
Alc.14.5%。
透けないほど濃いルビー。
黒ベリー、プラム、
青くさいカベソーのような香りも。
樽香もいい具合に香ってきます。
辛口ながら厚み感じる味が乗ってます。
15度に冷やしていただきましたが、
この果実味感じさせるフレッシュ感なら、
多少高目の温度でも美味しくいただけそうです。
余韻に少し酸味を感じ、余計かなとは思いますが、
全体バランスは絶妙で、これはかなり楽しめます。

エニーラ3兄弟では一応これに最高点をつけますが、
普段飲みにはプチエニーラくらいの軽さがちょうどいい気はします。
(笑)


*****


Domaine Bessa Valley
Enira 2013
RRWポイント 95点


Domaine Bessa Valley Enira Reserva 2011

以前飲んだプチ・エニーラが驚きのうまさでした。
サンテミリオンで高名な、ラ・モンドット(La Mondotte)
シャトー・カノン・ラ・ガフリエール(Château Canon la Gaffelière)
を所有するナイペルグ伯爵がブルガリアで展開するベッサ・ヴァレー
もう少し上のラインだともっとおいしいのではと、
エニーラ・レセルヴァなるものをお試しです。


IMG_5145


メルロー主体ということもありますが、
ブルガリアでありながら、うまいサンテミリオンとしか思えない味。
やはり、「作り手」って最重要なんだと、
前回いただいたプチ・エニーラには思い知らされましたね。

プチ・エニーラの上には普通のエニーラがあるのですが、
ひとつ飛ばしてエニーラ・レセルヴァという上級ラインをお試し。
それでも3千円程度なので、けっして高いワインではありません。
うまけりゃプチ・エニーラ共々「偉いワイン」に認定です。
パーカーおじさんは90点をつけてますね。


黒いエチケットが上級感を出してますね。
IMG_5143
ナイペルグ家の紋章はラ・モンドット他と共通です。


ここでエニーラ3兄弟の違いを比較しておきましょう。
まず、セパージュ。すべて2011年物で揃えています。

<プチ>
<エニーラ>
<レセルヴァ>
・メルロー
78%
55%
38%
・シラー
15%
21%
29%
・プチヴェ
5%
15%
16%
・カベソー
2%
9%
17%
(プチヴェはプチ・ヴェルドのことです。)

上等になるにしたがって、
メルローの比率が下がっていくのが面白いですね。

樽熟も、新樽を50%使うのはレセルヴァのみで、
下から順に、10ヶ月、12ヶ月、16ヶ月と、
見事に順位付けがされています。


前回、ワイナリーの位置は確認しましたので、
そっちをご覧いただくとして、
公式ページにもたくさんの写真が載っています。

ナイペルグ家のホームページにあったBessa Valleyの写真を拝借。
bessa-valley
なかなか立派な建物です。周りは一面のブドウ畑です。

さて、抜栓。コルクはミレジム入り。
Alc.14.5%、フルボディー。
濃いガーネット、若干の褐変あります。
黒ベリー、湿った木の樽香。
やはりレセルヴァは樽香がポイントですね。
スパイス、胡椒など、熟成から来る生っぽい風味も。
アタックから果実味ある「厚み」を感じます。
深みというか複雑味があり、貫禄充分ですね。
喉元のシルキーなタンニンのまま長い余韻へ、
スムースにつながっていきます。
サンテミリオンを超えるうまさを感じます。

う~ん、
好きな人にはこの上質感はたまらないと思われます。
僕は、まだ試せていない普通のエニーラが、
全てにおいて、ちょうどいいんじゃないかと、
新たな興味がわいてきました。(笑)


*****


Domaine Bessa Valley
Enira Reserva 2011
RRWポイント 94点


Domaine Bessa Valley / Petit Enira 2014

ブルガリアワインです。
ブルガリアという国が気になったわけではなく、
これはおいしいんじゃないかという好奇心です。


IMG_4710


ハプスブルク家の末裔にしてサンテミリオンの有名シャトーを所有する、
ナイペルグ伯爵がブルガリアで展開するのがこのベッサ・ヴァレー。
所有するというのは、ラ・モンドット(La Mondotte)や
シャトー・カノン・ラ・ガフリエール(Château Canon la Gaffelière)。
これらは2012年にプルミエ・グラン・クリュ・クラッセBに昇格していますから、
その手腕というのは確かなものと思われます。
その伯爵が次に目をつけたのがブルガリアというから興味をそそります。
実際、これら2シャトーと同じ紋章がエチケットに描かれており、
国は違えど同じシリーズのようで、期待が高まりますね。


ベッサ・ヴァレーの場所をGoogle Mapにて確認。
ブルガリアの首都ソフィアから南東に車で1.5時間くらいのところ。
Bessa04
緯度的には、ルシヨンか、イタリアならトスカーナあたり。
ボルドーの緯度にも線を引きましたので、
サンテミリオンからはちょっと南になる感じですね。


ついでにワイナリー訪問を試みます。
ブルガリアにもストリートビューありましたが、門までが限界。
Bessa03
門をくぐって一本道をずっと行けばワイナリーが奥にあるようです。
なかなか素晴らしい畑が見えますね。


で、今日のワインなんですが、このワイナリーの代表ブランド、
「エニーラ」や「エニーラ・レセルヴァ」ではなく、
例によってセカンドポジションの「プチ・エニーラ」です。
2,000円を切りますからお財布にやさしい。(笑)
でも、お試しにはこれぐらいがちょうどいいのです。
高くてもいいなら素直にサンテミリオンを飲めばいいわけですから。

公式ページでセパージュを調べようとしましたが、
2012年のミレジムまでしか載っていません。
困ったのでショップの情報を探ります。
ドイツやチェコやノルウェーのお店なんかをいっぱい見ますが、
不確かな情報が多いので多数決などで以下の内容を導き出します。

セパージュ:
・メルロー 78%
・シラー 15%
・プチヴェルド 5%
・カベソー 2%

樽熟成:
・新樽 10%
・1年落ち 30%
・2年落ち 60%
を使い10ヶ月といったところです。

メルロー主体のサンテミリオンスタイルのようですが、
シラーとブレンドというのは面白いですね。


IMG_4711


さて、抜栓。Alc.13.5%。
濃いルビー。
黒ベリー、いい具合の樽香。
チョコの香りも。 
軽めのメルロー風の飲み口です。
タンニンがほどよく、上品。
ボディは重くないですが、
余韻までバランスいい旨味が続きます。
成功メルローです。
これはいい。

こうなると、普通のエニーラも気になりますね。
普通のエニーラでも3,000円切りますから、
また今度試してみようと思います。


*****


Domaine Bessa Valley
Petit Enira 2014
RRWポイント 92点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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