約3年ぶりのブルガリアワイン。久々にヨドバシの店頭で見かけ1本買ってみました。白は初めてで、ブルガリアには黒品種のマブルッド(Mavrud)やルビン(Rubin)といったローカル品種がありましたが、今日の白品種もヴラチャンスキ・ミスケット(Vrachanski Misket)という土着品種らしく興味をそそります。実はラベルのコウモリのマークが決め手だったんですが…(笑)。
公式ページはキリル文字のブルガリア語ですが、英語表示できるので助かりました。
これがヴラチャンスキ・ミスケット(Vrachanski Misket / Врачански мискет)。
ミスケット・ヴラチャンスキと逆の表記もあるようです。ハンガリーもしくはブルガリアが原産ですが、2013年に実施されたDNA分析によると、コアルナ・アルバ x ミュスカ・ブランの自然交配であると推測されています。ミュスカ・ブランはミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランのことでしょうが、コアルナ・アルバ(Coarnă albă)は聞きなれないですね。モルドバ原産の土着品種のようです。 シノニムが多く、Coarnă albăはルーマニア語、ロシア語ではPukhliakovskyと呼ぶそうです。
マグラ・ワイナリーを探します。ラビシャの村にショップを発見しました。
ラビシャ(Rabisha / Рабиша)は辺鄙なところにある小さな村ですが、例のマグラ洞窟とラビシャ湖というブルガリア最大の淡水湖が近くにあり、名所の最寄りの村って感じです。傍らに「マグラ洞窟はあちら」の看板がありました。ワイナリーもそっちにあるはずです。
そうそう、最後にブルガリア周辺の地図で周辺国との位置関係を見ておきましょう。
南側はギリシャ、北にルーマニアやモルドバ。東ヨーロッパの銘醸地帯ですね。緯度的にはイタリアのトスカーナくらいでしょうか。
コルク平面化。
作り手の名前はラベルに大きく書かれていないのですが、マグラ・ワイナリー(Магура)といい、1967年にブルガリア北西部ラビシャというところに設立されています。首都ソフィアの北、車で3時間ほどのところです。おそらくワイナリー名はここから来ていると思われますが、近くにマグラ洞窟という古代人の壁画も残されているような鍾乳洞があります。創業時からこの洞窟内をセラーとして利用していて高品質のスパークリングワインを作っています。2008年からは国際品種や今日のワインのような土着品種などの畑を拡大して力を入れているそうです。
はは~ん、ラベルのコウモリマーク、洞窟にいるコウモリがトレードマークになってるわけですね。
はは~ん、ラベルのコウモリマーク、洞窟にいるコウモリがトレードマークになってるわけですね。
公式ページはキリル文字のブルガリア語ですが、英語表示できるので助かりました。
ワイン情報はあっさりしてたのでインポーター情報などを総合して...。
・ヴラチャンスキ・ミスケット 100%
ブルガリアン・オーク樽で2ヶ月の熟成をしているとのこと。樽熟成をしていることに驚きますが、ブルガリアン・オークというのも興味深いです。
これがヴラチャンスキ・ミスケット(Vrachanski Misket / Врачански мискет)。
ミスケット・ヴラチャンスキと逆の表記もあるようです。ハンガリーもしくはブルガリアが原産ですが、2013年に実施されたDNA分析によると、コアルナ・アルバ x ミュスカ・ブランの自然交配であると推測されています。ミュスカ・ブランはミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランのことでしょうが、コアルナ・アルバ(Coarnă albă)は聞きなれないですね。モルドバ原産の土着品種のようです。 シノニムが多く、Coarnă albăはルーマニア語、ロシア語ではPukhliakovskyと呼ぶそうです。
マグラ・ワイナリーを探します。ラビシャの村にショップを発見しました。
ラビシャ(Rabisha / Рабиша)は辺鄙なところにある小さな村ですが、例のマグラ洞窟とラビシャ湖というブルガリア最大の淡水湖が近くにあり、名所の最寄りの村って感じです。傍らに「マグラ洞窟はあちら」の看板がありました。ワイナリーもそっちにあるはずです。
結構立派なワイナリーに行きつきましたがストビューでは入り口までしか行けません。
ワイナリーの裏手がマグラ洞窟です。スパークリングを熟成させてる洞窟セラーは地下ででも繋がっているんでしょうかね。
以前からブルガリアの主要ワイナリー所在が書いた地図に印をつけています。
Bessa Valley や Logodaj など過去に試したワイナリーも書いてあります。マグラ・ワイナリーの場所、わかりますかね。北西の端っこの方です。
さて、例によってブルガリアのワイン産地をGoogle Map上にまとめてみました。
ご覧のようにブルガリアには5つのワイン生産地域があり、首都ソフィア近辺以外のほぼ全域がワイン産地という感じですね。以下にまとめます。
<Danubian Plain>(Dunavska Ravnina / Дунавска равнина)(ドナウ平原)
ブルガリアの北側は500kmに渡ってドナウ川がルーマニアとの国境を成しています。このドナウ川の南岸に広がるブルガリア北部のワイン生産地域はドナウ平野(Danubian Plain)と呼ばれており、全体の30%を産します。マグラ・ワイナリーはその西端にある感じですね。
<Black Sea region>(Chernomorski Rayon / Черноморски район)(黒海沿岸)
黒海に面した東側のエリアです。ここも全体の約30%を占める生産量を誇ります。
<Rose Valley>(Rozova Dolina / Розова долина)(バラの谷)
ドナウ川平原の南側はバルカン山脈になりますが、そのすぐ南側のエリアです。ローズ・ヴァレーというのはこのエリア西側ののサブリージョンでもあるので「サブバルカン地域」という呼び方の方が正確なようです。ちなみにバラとヨーグルトがブルガリアの名産です。
<Thracian Valley>(Trakijska Nizina / Тракийска низина)(トラキア渓谷)
南部地域は「トラキア渓谷」と呼ばれ、穏やかな大陸性気候とブドウの生育期の降水量も良好な一大生産地域です。全体の35%の最大地域になるようです。トラキアとは現在のバルカン半島南東部の地帯を指す古代の呼び名です。
<Struma Valley>(Dolinata na Struma / Долината на Струма)(ストルマ渓谷)
名前からわかるように南西部にあるストルマ川流域のエリアになります。規模はさほど大きくないようです。
南側はギリシャ、北にルーマニアやモルドバ。東ヨーロッパの銘醸地帯ですね。緯度的にはイタリアのトスカーナくらいでしょうか。
ラベル平面化画像。
横長でほぼボトルを一周しています。ワインの解説もあるんですが、残念ながらブルガリア語です(笑)。
インポーターシールは上記ラベルの隙間に縦貼りしてありました。
ブルガリア語しか書いてないんですが、ラベルを隠さない努力は偉いです。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
Alc.12.5%。
濃いハチミツ色の黄色。
濃いハチミツ色の黄色。
マスカット、ラムネ、爽やかな香り。
辛口アタック。
穏やかな酸と滋味のある果実味。
辛口アタック。
穏やかな酸と滋味のある果実味。
ベースに絶妙な苦味様の旨みが横たわっています。
実はラムネ菓子のような飲んだことのない独特な風味なんですが(笑)、
新しい経験として十分楽しめました。
実はラムネ菓子のような飲んだことのない独特な風味なんですが(笑)、
新しい経験として十分楽しめました。
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Magura Winery
Trevite
Vrachanski Misket 2018
Trevite
Vrachanski Misket 2018
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