近所の百貨店で直感で選んだロワールの赤です。アンジュー(Anjou)のカベルネ・フラン。狙い通りの当たりならいいんですが。アンジューには赤・白・ロゼ・泡となんでもあり、赤はカベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンが主要品種になってますが、やはりカベルネ・フランが王道ですね。作り手は甘口白の名産地 AOCボンヌゾー(Bonnezeaux)にあるようですが。
作り手のシャトー・ド・フェルは、名前のように11世紀に建てられた本物のお城(シャトー)です。所有者は時代によって変わりましたが、周囲にブドウ畑を開き当初からワイン作りを続けているそうです。2008年からはヘルフリッヒ家(la famille Helfrich)が所有しています。アンジェ(Angers)の30キロ南にあるトゥアルセ(Thouarcé)というコミューンにあり、アンジューでは4番目に高い高台でロワール川支流のレイヨン川を見下ろす好立地なんだそうです。実はこのトゥアルセにボンヌゾー(Bonnezeaux)という場所があり、コミューン全体がAOCボンヌゾーのエリアになっています。よってシャトー・ド・フェルも甘口白のAOCボンヌゾーを出しています。
公式ページはショップ兼用ながら情報豊富でよくできています。
今日のワインもしっかり載っています。10ユーロということもわかりました(笑)。
・カベルネ・フラン 100%
「La Chapelle」というのはシャトーに隣接する畑の名前で、所有畑の一番いいところなんだそうです。そこの Vieilles Vignes(古樹)ですからこれはすごいかも。樽使いなんかはインポーターのサイトを見てもわかりませんでした。白ワインに樽を使ってますから赤も使ってると思うんですけどね。
カベルネ・フランです。ロワールではブルトン(Breton)というシノニムがありますね。
ボルドーの非常に古い品種になりますが、起源はバスク地方(スペインもしくはフランス)らしいです。17世紀に枢機卿リシュリューさん(Cardinal Richelieu)がボルドーから千本以上のブドウの木をロワール地域のブルグイユとシノンにある自身のエステートに送って植えたとされます。これでボルドーにあったカベフラがロワールに伝わったと思われます。その時のエステートの管理人がアベ・ブルトンさん(Abbé Breton)でした。ロワールではなぜブルトン(Breton)というシノニムで呼ぶのかわかりましたね。カベルネ・フランという名前が初めて出てくるのは1823年を待つことになりますが、当時から「カベルネ」とつく品種がカベルネ・ソーヴィニヨンはじめいくつもあったため現在のカベルネ・フランを指しているかどうかは同定が難しいそうです。
そうそう、カベフラはカベソーの母でしたね。父はなんと白ブドウ。
世界各地で栽培されますが、世界合計の56,052haの内、32,327ha(約58%)がフランスです。ロワールが約15,000haでやはり多く、ボルドーに約12,000haあります。残りは南西地方やラングドックです。
さあ、シャトー・ド・フェル訪問。敷地(周囲の畑)が広くストビューで近づけず。
小ぶりですが立派なシャトーと、その前には整備された庭園があるようです。アンジューでは4番目に高い高台ということですが、確かに周囲はなだらかに下っており、シャトーはてっぺんにあるようです。海抜約100メートルとのこと。シャトーの周囲が「La Chapelle」という一番いい畑で、カベルネ・フラン(18ha)とグロロー(2ha)が植えられています。その周囲がシュナン・ブラン(24ha)になります。グロロー(Grolleau)は主にロゼ・ダンジュー(Rosé d’Anjou)用。シュナン・ブランは当然 AOCボンヌゾー(AOC Bonnezeaux)の甘口ワインになります。(辛口もやってますが。)
AOCアンジューとソーミュールをカバーする地図にシャトーの場所を入れました。
今日のワインのAOCアンジューですが、アンジェ(Angers)周辺とは言うもののかなり範囲は広く、ソーミュールはじめ実にたくさんのAOCとオーバーラップすることがわかると思います。
甘口のAOCコトー・デュ・レイヨン(Coteaux du Layon)の部分を取り出してみます。
これらがAOCアンジューとガッツリ重なってるので地図にすると見にくかったんですよ。あまり重ねるのはよくないですね。逆に言うと、このあたりは今日の作り手のように甘口白とアンジューの赤の両方やってるパターンが多いんじゃないかと思われます。
AOCコトー・デュ・レイヨン内のロシュフォール=シュル=ロワール(Rochefort-sur-Loire)というコミューンは「Coteaux du Layon Premier Cru Chaume」「Quarts de Chaume(Grand Cru)」という上等甘口白ワインのエリアになっています。全部シュナン・ブラン(ロワールでは「Pineau de la Loire」というシノニムあり)一択の貴腐ワインを主とする甘口です。プルミエ・クリュやグラン・クリュって付くわけですからそういう位置づけなんでしょう。
ところで今日の作り手はAOCボンヌゾー(AOC Bonnezeaux)にあるんでした。
AOCボンヌゾーをズームアップ。AOCボンヌゾーもトゥアルセ(Thouarcé)というコミューン全体が対象で、その中にボンヌゾー(Bonnezeaux)という地域がある関係です。Google Mapでは「ボネオー」なんて書いてますね(笑)。ネイティブの発音を聴くと「ボンゾー」って聞こえますが(笑)。
今日はこの中のアンジューあたりのお話でしたということで、ロワールの中での位置関係を確認しておいてください。
エチケット平面化画像。
裏ラベルの解説もしっかりしてていいですね。それを隠さないラックさん、エライ。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
ミレジム入り。いいですね。
作り手のシャトー・ド・フェルは、名前のように11世紀に建てられた本物のお城(シャトー)です。所有者は時代によって変わりましたが、周囲にブドウ畑を開き当初からワイン作りを続けているそうです。2008年からはヘルフリッヒ家(la famille Helfrich)が所有しています。アンジェ(Angers)の30キロ南にあるトゥアルセ(Thouarcé)というコミューンにあり、アンジューでは4番目に高い高台でロワール川支流のレイヨン川を見下ろす好立地なんだそうです。実はこのトゥアルセにボンヌゾー(Bonnezeaux)という場所があり、コミューン全体がAOCボンヌゾーのエリアになっています。よってシャトー・ド・フェルも甘口白のAOCボンヌゾーを出しています。
公式ページはショップ兼用ながら情報豊富でよくできています。
今日のワインもしっかり載っています。10ユーロということもわかりました(笑)。
・カベルネ・フラン 100%
「La Chapelle」というのはシャトーに隣接する畑の名前で、所有畑の一番いいところなんだそうです。そこの Vieilles Vignes(古樹)ですからこれはすごいかも。樽使いなんかはインポーターのサイトを見てもわかりませんでした。白ワインに樽を使ってますから赤も使ってると思うんですけどね。
カベルネ・フランです。ロワールではブルトン(Breton)というシノニムがありますね。
ボルドーの非常に古い品種になりますが、起源はバスク地方(スペインもしくはフランス)らしいです。17世紀に枢機卿リシュリューさん(Cardinal Richelieu)がボルドーから千本以上のブドウの木をロワール地域のブルグイユとシノンにある自身のエステートに送って植えたとされます。これでボルドーにあったカベフラがロワールに伝わったと思われます。その時のエステートの管理人がアベ・ブルトンさん(Abbé Breton)でした。ロワールではなぜブルトン(Breton)というシノニムで呼ぶのかわかりましたね。カベルネ・フランという名前が初めて出てくるのは1823年を待つことになりますが、当時から「カベルネ」とつく品種がカベルネ・ソーヴィニヨンはじめいくつもあったため現在のカベルネ・フランを指しているかどうかは同定が難しいそうです。
そうそう、カベフラはカベソーの母でしたね。父はなんと白ブドウ。
カベルネ・ソーヴィニヨン= (母) カベルネ・フラン x (父) ソーヴィニヨン・ブラン。
世界各地で栽培されますが、世界合計の56,052haの内、32,327ha(約58%)がフランスです。ロワールが約15,000haでやはり多く、ボルドーに約12,000haあります。残りは南西地方やラングドックです。
さあ、シャトー・ド・フェル訪問。敷地(周囲の畑)が広くストビューで近づけず。
小ぶりですが立派なシャトーと、その前には整備された庭園があるようです。アンジューでは4番目に高い高台ということですが、確かに周囲はなだらかに下っており、シャトーはてっぺんにあるようです。海抜約100メートルとのこと。シャトーの周囲が「La Chapelle」という一番いい畑で、カベルネ・フラン(18ha)とグロロー(2ha)が植えられています。その周囲がシュナン・ブラン(24ha)になります。グロロー(Grolleau)は主にロゼ・ダンジュー(Rosé d’Anjou)用。シュナン・ブランは当然 AOCボンヌゾー(AOC Bonnezeaux)の甘口ワインになります。(辛口もやってますが。)
AOCアンジューとソーミュールをカバーする地図にシャトーの場所を入れました。
今日のワインのAOCアンジューですが、アンジェ(Angers)周辺とは言うもののかなり範囲は広く、ソーミュールはじめ実にたくさんのAOCとオーバーラップすることがわかると思います。
甘口のAOCコトー・デュ・レイヨン(Coteaux du Layon)の部分を取り出してみます。
これらがAOCアンジューとガッツリ重なってるので地図にすると見にくかったんですよ。あまり重ねるのはよくないですね。逆に言うと、このあたりは今日の作り手のように甘口白とアンジューの赤の両方やってるパターンが多いんじゃないかと思われます。
AOCコトー・デュ・レイヨン内のロシュフォール=シュル=ロワール(Rochefort-sur-Loire)というコミューンは「Coteaux du Layon Premier Cru Chaume」「Quarts de Chaume(Grand Cru)」という上等甘口白ワインのエリアになっています。全部シュナン・ブラン(ロワールでは「Pineau de la Loire」というシノニムあり)一択の貴腐ワインを主とする甘口です。プルミエ・クリュやグラン・クリュって付くわけですからそういう位置づけなんでしょう。
ところで今日の作り手はAOCボンヌゾー(AOC Bonnezeaux)にあるんでした。
AOCボンヌゾーをズームアップ。AOCボンヌゾーもトゥアルセ(Thouarcé)というコミューン全体が対象で、その中にボンヌゾー(Bonnezeaux)という地域がある関係です。Google Mapでは「ボネオー」なんて書いてますね(笑)。ネイティブの発音を聴くと「ボンゾー」って聞こえますが(笑)。
ついでに、いつもの「大ロワール全体地図」(笑)も貼っておきます。
今日はこの中のアンジューあたりのお話でしたということで、ロワールの中での位置関係を確認しておいてください。
エチケット平面化画像。
裏ラベルの解説もしっかりしてていいですね。それを隠さないラックさん、エライ。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
ミレジム入り。いいですね。
Alc.13.5%。
赤味強めのガーネット。
黒ベリー、ブルーベリー、プラム。
辛口アタック。
酸・タンニンの効き方が絶妙です。
きれいなレイヤーの構造感がある作り。
余韻への流れもたおやかに進みます。
「ヤッタネ!」のニンマリ出ました。
ほほ~、こんなうまいカベフラ初めて。
ほほ~、こんなうまいカベフラ初めて。
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Château de Fesles
La Chapelle
Anjou Cabernet Franc 2020
Vieilles Vignes
La Chapelle
Anjou Cabernet Franc 2020
Vieilles Vignes
RRWポイント | 95点 |
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