ビシクレタ(Bicicleta=自転車)というバリエタルのシリーズが根強い人気のコノスルです。これはシングル・ヴィンヤードというちょっといいやつですね。ずいぶん前にも2015を試しているんですが、日本カルメネール振興協会の活動の一環でもあるので(笑)久しぶりにカルメネールをお試ししようと思います。
コノスルとは「南向きの円錐 (Southern Corn)」という意味で 、南向きの円錐の形をした南米大陸を表しています。コノスルは、実はチリワイン最大手のコンチャイトロ(Concha y Toro)が1993年に創設したワイナリーで、買収ではなく一から立ち上げているのでコンチャイトロの子会社的存在になります。数多くのワイナリーを傘下に収めているコンチャイトロですが、新規に興したワイナリーはあのアルマビバ(Viña Almaviva)とコノスルだけですから、「なんだかコノスルすごい」って感じがします(笑)。
公式ページはこちら、チリの本家です。今日のワインもしっかり情報載ってます。
インポーター「スマイル」による日本向けサイトがこちら。
こちらも情報豊富で、畑の写真や区画図もありました。これは畑訪問できるかも…。
・カルメネール 100%
2013年に実施されたDNA分析によると、カルメネールという品種の親子関係はこのようになります。
・カルメネール= (母) ムラル x (父) カベルネ・フラン
ムラル(Moural)はフランス原産の品種です。このようにカルメネールの親として登場はしますが、現在栽培はされていないようです。チリでカルメネールと混同されていたメルローはというと…
・メルロー= (母) マグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント x (父) カベルネ・フラン
そ~ら、片親(父)が同じカベフラです。混同されたくらいですから血は争えないですね(笑)。このマグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント(Magdeleine Noire des Charentes)というのもフランス原産の古い品種で現在は栽培はされていません。しかし、コ(Côt)すなわち、マルベック(Malbec)の母親もこの品種なのでいろいろお世話になってはいます。(笑)
ついでにカベソーもおさらいしておきましょう。
・カベルネ・ソーヴィニヨン= (母) カベルネ・フラン x (父) ソーヴィニヨン・ブラン
でしたね。ここではカベフラは母となりました。世界で人気の品種ですから、DNA分析が流行りになってきて真っ先に調べられ親子関係が判明したのがカベソーだったそうです。父親が白ブドウというのは当時センセーショナルだったそうで(笑)。
DNA分析では、一連の混同事件(笑)はカベルネ・フランが暗躍してるということのようです。
カルメネールとメルローの外観の違いについては、ナティーバというお手頃ワインの専用サイトにあるカルメネールの解説がすばらしいです。一読の価値ありですが、以下にまとめます。
この写真のように外観は全くと言っていいほど似ていません。
コノスルの本拠地を訪れてみましょう。場所的にはコルチャグア・ヴァレーです。
リベルタドール・ヘネラル・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)を俯瞰して位置関係を確認します。チンバロンゴは見つかりましたか?
先ほどのペウモ(Peumo)はカチャポアル川(Río Cachapoal)流域のカチャポアル・ヴァレーですが、コノスルのあるチンバロンゴ(Chimbarongo)はティンギリリカ川(Río Tinguiririca)の流域でコルチャグア・ヴァレーに属します。そして、2つを合わせてラペル・ヴァレーでしたね。
ラベル平面化画像。
さあ、抜栓。
キャップシールにあるのはコノスルのシンボル、南半球マークです。
コルク平面化。
まあ、シンプルです。
コノスルとは「南向きの円錐 (Southern Corn)」という意味で 、南向きの円錐の形をした南米大陸を表しています。コノスルは、実はチリワイン最大手のコンチャイトロ(Concha y Toro)が1993年に創設したワイナリーで、買収ではなく一から立ち上げているのでコンチャイトロの子会社的存在になります。数多くのワイナリーを傘下に収めているコンチャイトロですが、新規に興したワイナリーはあのアルマビバ(Viña Almaviva)とコノスルだけですから、「なんだかコノスルすごい」って感じがします(笑)。
公式ページはこちら、チリの本家です。今日のワインもしっかり情報載ってます。
インポーター「スマイル」による日本向けサイトがこちら。
こちらも情報豊富で、畑の写真や区画図もありました。これは畑訪問できるかも…。
・カルメネール 100%
手摘み収穫。熟成は、90%をフレンチオーク樽(残り10%はセメントタンク)で14ヶ月、その後スチールタンクで1ヶ月だそうです。パーカーおじさんが89点つけたと書いています。
さて、カルメネールです。過去から何度となく書いてることをまたまとめておきます。
カルメネール(Carmenère / Carménère)はご存知のように、今でこそチリを代表する品種ですが、かつてはボルドーの主要品種でした。18世紀初頭にはメドックのトップシャトーはカルメネール(もしくはカベルネ・フランとのブレンド)で名声を築いていたという資料もあり、ボルドー地方全体でも18世紀頃まで主要品種は現在のカベソーやメルローではなくカルメネールだったんじゃないかと日本カルメネール振興協会では考えています。
1863年から19世紀末まで続いたフィロキセラ被害で欧州中のブドウが壊滅し、カルメネールもボルドーから消え去ります。その後、チリなど新大陸に移植されていた品種をボルドー他欧州へ戻すと同時に、フィロキセラに耐性のあるアメリカ産の野生ブドウの台木に接木することでヨーロッパ中のワイン産業がなんとか復活を遂げました。しかし、晩熟で害虫にも弱いカルメネールだけはボルドーに戻りませんでした。これはアメリカの台木に接ぎ木するのにカルメネールがうまく適合しなかったためとも言われています。そして一旦ワインの歴史からカルメネールは消え去ってしまったのでした。
そして、1994年にフランス人ブドウ品種学者の Jean Michel Boursiquot がチリのマイポの畑で、失われた品種と思われていたカルメネールを再発見します。その畑が Viña Carmen であり、1996年には初のカルメネール名のワインをビニャ・カルメンがリリースします。これ以降、カルメネールがその後のチリのワインを特徴づける代表品種になっていったのはご存知の通りです。以上、日本カルメネール振興協会では常識となっています(笑)。
それまでチリではメルローと混同されていたとされる品種がボルドー原産のカルメネールだと証明されたのは1997年に実施されたDNA分析によってでした。メルローと長い間混同してたなんてチリってアホやな~と思われがちですが果たしてそうなんでしょうか。DNA分析によって他にもいろいろな事実が判明しています。北イタリアで近年(1990年代まで)植えられたカベルネ・フランとされた品種はカルメネールだということが判明していますし、中国がフランスから導入しカベソーとカベフラの交配種と主張してきた Cabernet Gernischt(=Cabernet Gemischt / Cabernet Mixed)もカルメネールでした。チリだけがおバカということではなさそうですね。いろいろと混同されがちなカルメネールを紐解きましょう。
カルメネール(Carmenère / Carménère)はご存知のように、今でこそチリを代表する品種ですが、かつてはボルドーの主要品種でした。18世紀初頭にはメドックのトップシャトーはカルメネール(もしくはカベルネ・フランとのブレンド)で名声を築いていたという資料もあり、ボルドー地方全体でも18世紀頃まで主要品種は現在のカベソーやメルローではなくカルメネールだったんじゃないかと日本カルメネール振興協会では考えています。
1863年から19世紀末まで続いたフィロキセラ被害で欧州中のブドウが壊滅し、カルメネールもボルドーから消え去ります。その後、チリなど新大陸に移植されていた品種をボルドー他欧州へ戻すと同時に、フィロキセラに耐性のあるアメリカ産の野生ブドウの台木に接木することでヨーロッパ中のワイン産業がなんとか復活を遂げました。しかし、晩熟で害虫にも弱いカルメネールだけはボルドーに戻りませんでした。これはアメリカの台木に接ぎ木するのにカルメネールがうまく適合しなかったためとも言われています。そして一旦ワインの歴史からカルメネールは消え去ってしまったのでした。
そして、1994年にフランス人ブドウ品種学者の Jean Michel Boursiquot がチリのマイポの畑で、失われた品種と思われていたカルメネールを再発見します。その畑が Viña Carmen であり、1996年には初のカルメネール名のワインをビニャ・カルメンがリリースします。これ以降、カルメネールがその後のチリのワインを特徴づける代表品種になっていったのはご存知の通りです。以上、日本カルメネール振興協会では常識となっています(笑)。
それまでチリではメルローと混同されていたとされる品種がボルドー原産のカルメネールだと証明されたのは1997年に実施されたDNA分析によってでした。メルローと長い間混同してたなんてチリってアホやな~と思われがちですが果たしてそうなんでしょうか。DNA分析によって他にもいろいろな事実が判明しています。北イタリアで近年(1990年代まで)植えられたカベルネ・フランとされた品種はカルメネールだということが判明していますし、中国がフランスから導入しカベソーとカベフラの交配種と主張してきた Cabernet Gernischt(=Cabernet Gemischt / Cabernet Mixed)もカルメネールでした。チリだけがおバカということではなさそうですね。いろいろと混同されがちなカルメネールを紐解きましょう。
2013年に実施されたDNA分析によると、カルメネールという品種の親子関係はこのようになります。
・カルメネール= (母) ムラル x (父) カベルネ・フラン
ムラル(Moural)はフランス原産の品種です。このようにカルメネールの親として登場はしますが、現在栽培はされていないようです。チリでカルメネールと混同されていたメルローはというと…
・メルロー= (母) マグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント x (父) カベルネ・フラン
そ~ら、片親(父)が同じカベフラです。混同されたくらいですから血は争えないですね(笑)。このマグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント(Magdeleine Noire des Charentes)というのもフランス原産の古い品種で現在は栽培はされていません。しかし、コ(Côt)すなわち、マルベック(Malbec)の母親もこの品種なのでいろいろお世話になってはいます。(笑)
ついでにカベソーもおさらいしておきましょう。
・カベルネ・ソーヴィニヨン= (母) カベルネ・フラン x (父) ソーヴィニヨン・ブラン
でしたね。ここではカベフラは母となりました。世界で人気の品種ですから、DNA分析が流行りになってきて真っ先に調べられ親子関係が判明したのがカベソーだったそうです。父親が白ブドウというのは当時センセーショナルだったそうで(笑)。
DNA分析では、一連の混同事件(笑)はカベルネ・フランが暗躍してるということのようです。
興味深いのは、カルメネールとメルローの外観の違い。チリでは再発見される前のカルメネールはメルローと混同されていたとされますが、こんなもの間違えるわけがないというくらいに差異があります。なので、おそらくチリでも違いは認識していたと思います。でなければフィロキセラ後にメルローとしてボルドーへ里帰りしていたはずです。メルローと「違う」から戻さなかった…はずです。つまりは、「100年以上もチリではカルメネールをメルローと混同してきた」と間抜けな話なように語るのはおかしいということになります。いまだに(生き残っていた)カルメネールをカベルネ・フランとして栽培している北イタリアの方がよっぽどおバカです(笑)。
カルメネールとメルローの外観の違いについては、ナティーバというお手頃ワインの専用サイトにあるカルメネールの解説がすばらしいです。一読の価値ありですが、以下にまとめます。
この写真のように外観は全くと言っていいほど似ていません。
カルメネールのブドウは色が黒っぽくてメルローより大粒です。また、粒を押すとカルメネールはメルローのように果汁が外に飛び出さないんだそうで。カルメネールは果皮と果肉がひっついて、じわじわと流れ出るそうです。へぇ~。
例の葉の形も、カルメネールは葉脈の中心に向かって切れ込みが浅く、全体的にロールがかっているのに対して、メルローはより深い切れ込みがあり、葉はフラットなんですと。これらの外観の違いを考えると、混同する方がおかしいです。
また、晩熟であるカルメネールをメルローとして早く収穫してしまうと、メトキシピラジンによる青臭い風味(いわゆるピーマン香)が強く出るので何かおかしいと気づくはずです。仮にメルローと混植していたとして、すべて完熟してから収穫していたとしたら気づかないかもですが、今度は完熟とともにカルメネールはその名前の由来(「Carmin」=赤い、真っ赤な、洋紅色)になったように葉っぱが紅く色づきます。やっぱり混同するのは無理なようです。
こあたりをスキっと解説してる秀逸な記事がありました。なんとコノスルの情報サイトです。リンクを貼っておきます。
【チャリンコ通信】Vol.4 青いカルメネール、紅いカルメネール(前編)
【チャリンコ通信】Vol.5 青いカルメネール、紅いカルメネール(後編)こあたりをスキっと解説してる秀逸な記事がありました。なんとコノスルの情報サイトです。リンクを貼っておきます。
【チャリンコ通信】Vol.4 青いカルメネール、紅いカルメネール(前編)
コノスルの本拠地を訪れてみましょう。場所的にはコルチャグア・ヴァレーです。
チンバロンゴ(Chimbarongo)という町に隣接しています。ここはコルチャグア・ヴァレーのサブリージョンでもあります。名物チャリンコ部隊の写真も貼っておきました。
コノスル日本公式サイトに畑の区画図が載っていたので、これを頼りに畑があるというカチャポアル・ヴァレーのペウモ(Peumo)周辺を探索しました。やった!発見しました!
「Block N° 28 La Rinconada」の看板の写真も同じサイトに載っていたものです。残念ながらストビューは7月と南半球の冬の写真でしたが。でもここ、よく見ると「Bodega Peumo」というコンチャイトロの拠点のワイナリーがあるところです。もしかして畑はコンチャイトロと共通なのかもしれません。コノスル日本公式サイトに畑の区画図が載っていたので、これを頼りに畑があるというカチャポアル・ヴァレーのペウモ(Peumo)周辺を探索しました。やった!発見しました!
リベルタドール・ヘネラル・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)を俯瞰して位置関係を確認します。チンバロンゴは見つかりましたか?
先ほどのペウモ(Peumo)はカチャポアル川(Río Cachapoal)流域のカチャポアル・ヴァレーですが、コノスルのあるチンバロンゴ(Chimbarongo)はティンギリリカ川(Río Tinguiririca)の流域でコルチャグア・ヴァレーに属します。そして、2つを合わせてラペル・ヴァレーでしたね。
ラベル平面化画像。
さあ、抜栓。
キャップシールにあるのはコノスルのシンボル、南半球マークです。
コルク平面化。
まあ、シンプルです。
Alc.14.5%。
濃いガーネット。
黒ベリー、モカ、黒砂糖、ダークチェリー。
メトキシピラジンの青みはほぼ感じませんね。
辛口アタック。
酸はまだ立っています。
複雑味はしっかり出来上がっています。
厚みもそこそこあり、余韻も Lingering なんですが、
最後まで酸が少し気になりました。
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Cono Sur
Single Vineyard Block N° 28
La Rinconada Carmenere 2018
D.O. Valle del Cachapoal
Single Vineyard Block N° 28
La Rinconada Carmenere 2018
D.O. Valle del Cachapoal
RRWポイント | 91点 |
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