Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Castilla_y_León

Vinos Valtuille Pago de Valdoneje Mencía 2018 Bierzo

スペインはビエルソのメンシーアをいただきます。メンシーアは見つければちょこちょこ試していますが、最近はよく店頭でも見かけますね。今日のメンシーアもパーカーおじさんが高評価で、2015と2016に91点、2017年に91+点、なぜか今日の2018年は飛んで(笑)、2019年に92点です。なかなかな評価じゃないでしょうか。

IMG_6578
作り手のビノス・バルトゥイジェは、1999年にビエルソのエリアにあるバルトゥイジェ・デ・アバホ(Valtuille de Abajo)の町に創業しています。現在は創業したディマス・ガルシアさんの次の世代のエレナさんとマルコスさんが切り盛りする家族経営のワイナリーです。


公式ページはしっかりしていて助かります。

今日のワインはスタンダードラインでありワイナリーの顔といったところでしょうか。

・メンシーア 100%

樽はありません。使ってるメンシーアの木は樹齢85年というから驚きます。

メンシーアMencía)です。日本ではメンシアなんて書いてますが、後ろにアクセントがあります。加えて言うとスペイン語の発音では「シ」の所は英語でいう「th」の発音になります。
Mencia01
スペイン原産らしいですが、2015年のDNA分析では、アルフロシェイロ(Alfrocheiro)とパトーラ(Patorra)の自然交配だろうと出ています。アルフロシェイロはポルトガルのダン(Dão)で使われる主要品種ですし、パトーラはポルトガル原産といいますから、ポルトガルと縁が深そうです。そう言えば、メンシーアはポルトガルではジャエンJaen)と呼ばれ、同じくダン(Dão)の主要品種のひとつでしたね。


ビノス・バルトゥイジェを訪問してみましょう。
Valtuille01
創業1999年ですからまだ建物が新しそうですね。DOビエルソはエル・ビエルソ(El Bierzo)という、カスティージャ・イ・レオン (Castilla y León)州の自治体(コマルカと言います)にあり、首都はポンフェラーダ(Ponferrada)の町になります。ワイナリーはポンフェラーダからでも車で30分ほどの距離です。

カスティージャ・イ・レオン (Castilla y León)州のDO地図でビエルソの場所を確認。
Castilla_y_Leon_VegaSicilia
作り手のビノス・バルトゥイジェの場所も記してあります。お馴染みのDOがたくさんありますね。DOビエルソは一番西、隣のガリシア州との境にあります。

ちなみに地図中に「VC」とあるエリアは「Vino de Calidad con Indicación Geográfica」のことで、DO(Denominación de Origen)より、ワンランク下の格付けになります。下図参照。
スペイン・EUワイン法
EUのワインの分類と比べると、VPからVCまでDOP(Denominación de Origen Protegida)の範疇に入ってしまうのがわかります。DOPと言うと、スペインの格付けの VP / DOCa / DOC / VC 全部を含むという訳です。VC(Vino de Calidad con Indicación Geográfica)は聞き慣れませんが、それもそのはず、DOへ昇格するためのプロセスのような格付けです。DO昇格前提で5年はこのランクで過ごさないといけないようです。現在7つの産地がこのカテゴリーでDO昇格を待っているそうです。ちょっと脱線しましたが、今日のビエルソはれっきとした「DO」です(笑)。

いつものスペイン・ポルトガル全図でも確認をしましょう。ZONE1をご参照。
SpainMap
DOビエルソはDOバルデオラス(Valdeorras)と隣接しているのがわかります。こちらもメンシーアが主要品種ですが、州としてはリアス・バイシャスのあるガリシア州になります。

最後にこのスペインの州の地図で、エル・ビエルソ(El Bierzo)の位置づけを見ます。
Castilla_y_Leon_Spain
カスティージャ・イ・レオン (Castilla y León)州には9つの地方(Provincia)があり、その一つがレオン(León)です。その中の一つの自治体(Comarca)がエル・ビエルソ(El Bierzo)というわけです。ややこしいですね。


ラベル平面化画像。
IMG_6298
ちょっと大きめの裏側へ回り込みタイプ。インポーターシールは控えめでよろしい。


さあ、抜栓。
IMG_1248

コルク平面化。
IMG_6575

Alc.14%。
ダークな感じのガーネット。
IMG_6577

フランブエサ、カシス、青茎っぽさ。
鈍い酸味のある辛口アタック。
甘みも感じる味わいは立体感があっていいです。
喉越しから余韻まで最初の酸は居座りますが、
これはこれで程よく効いてるって感じがします。

なかなかおいしいんではありますが、
パーカーおじさんほどの点数はつきませんでした。


*****

Vinos Valtuille
Pago de Valdoneje Mencía 2018
DO Bierzo
RRWポイント 88点


Brezo Mencía 2017 Bierzo

スペインDOビエルソ(Bierzo)の特産品種メンシーア(Mencía)です。最初にこの品種を試した時は正直ゲロまず(笑)と思ったのですが、なんとなく気になってその後もちょこちょこ試しています。未だ納得いくようなのに出会ってませんが、過去のデータを見るとパーカーおじさんはいろんなメンシーアに90点以上をつけてますね。さあ、今日のもおじさん91点のようです。いざ。

IMG_4427
グレゴリー・ペレス(Grégory Pérez)という新進気鋭の作り手です。ボルドー生まれで、ボルドーでワイン醸造学を学び、1997~2000年にグラン・ピュイ・ラコストやコス・デストゥルネルで修行した後、自身の家族のルーツであるスペインのビエルソへ戻り、ボデガス・メンゴバを運営しています。

公式ページは動画もあったりして情報は豊富そうですが、ワインの詳細は少々薄いです。

今日のワインの2020年が「パーカーおじさんの92点とったど~!」みたいなことは高らかにうたっていますが、セパージュなんかは%が書いてません。(笑) ネット情報では…。
・メンシーア 90%
・ガルナチャ・ティントレラ 10%
何ヶ所かの畑からで、樹齢は平均50年の古木だそうです。90%除梗でステンレスタンクの発酵・MLF。熟成は記載なし。ないんでしょうね。

さあ、これがメンシーアMencía)です。日本ではメンシアなんて書いてますが、後ろにアクセントがあります。加えて言うとスペイン語の発音では「シ」は英語でいう「th」の発音です。
Mencia01
スペイン原産らしいですが、2015年のDNA分析では、アルフロシェイロ(Alfrocheiro)とパトーラ(Patorra)の自然交配だろうと出ています。アルフロシェイロはポルトガルのダン(Dão)で使われる主要品種ですし、パトーラはポルトガル原産といいますから、ポルトガルと縁が深そうです。そう言えば、メンシーアはポルトガルではジャエンJaen)と呼ばれ、同じくダン(Dão)の主要品種のひとつでしたね。

今日のメンシーアにブレンドされているガルナチャ・ティントレラGarnacha Tintorera)です。「ガルナチャ・ティンタ(Garnacha Tinta)=グルナッシュ」とお間違えなきよう。フランス語でアリカント・アンリ・ブーシェAlicante Henri Bouschet)と呼ばれ、1866年に「Petit Bouschet」とグルナッシュ(Grenache=Garnacha Tinta)が交配されたフランスが原産の品種になります。(因みに交配したフランス人栽培家がアンリ・ブーシェさんです。)
Garnacha-Tintorera
この品種はタンテュリエTeinturier)と呼ばれ、果肉・果汁にも色が付いています。フランス語のタンテュリエ(Teinturier)は、スペイン語ではティントレラ(Tintorera=染物屋、クリーニング屋の意)と言います。なるほど、ガルナチャ・ティントレラ(Garnacha Tintorera)と呼ぶわけです。


ワイナリー訪問。一瞬唖然とする建物の面構え(笑)。奥に長い建物のようです。
Mengoba01
カスティージャ・イ・レオン州ビエルソの中心地ポンフェラーダの町の近くです。

スペイン全体地図でDOビエルソの位置関係を見ます。
Bierzo01
DOバルデオラス(Valdeorras)と隣接し、こちらもメンシーアが主要品種ですが、州としてはリアス・バイシャスのあるガリシア州になります。

DOビエルソのあるカスティージャ・イ・レオン州Castilla y León)の他のDO も確認。
4rayas02
リベラ・デル・ドゥエロ他、有名な産地がドゥエロ川流域にあるのがわかります。DOビエルソはそんな所から少し離れた西の端ですね。

「VC」とあるのは「Vino de Calidad con Indicación Geográfica」のことで、DO(Denominación de Origen)より、ワンランク下の格付けになります。下図参照。
Spain_Wine_Clase
また州全体が対象地域の「Vino de la tierra de Castilla y León」というのがありますが、これがEUワイン法の IGP に当たります。


ラベル平面化画像。
IMG_4359
ボデガス・メンゴバというワイナリー名よりグレゴリー・ペレスという名前を前面に押し出してる感じです。


さあ、抜栓。
IMG_4424
キャップシールには「Brezo」のエンボス。

コルク平面化。
IMG_4425
はい、ここにもワイナリーのマークと共にグレゴリー・ペレス。(笑)

Alc.13%。(pH:4.66、Brix:5.7)
濃いルビー。エッジは薄っすらと褐変。
IMG_4426

カシス、チェリー、梅。
辛口アタック。
メンシーアの特徴的な酸と薬草のような風味は健在。
なのに、味わいは深みがあってうまいですよ。
上等ブルゴーニュのような複雑味も感じます。
酸は全然刺さずクールな果実味を演出。
余韻からフィニッシュまでクリアなうまさ続きました。

これは…自分史上、最強メンシーア現る…ですよ。
試し続けてよかった。(笑)
パーカーおじさんは91点ですか。
もうちょっと上げましょう。


*****


Bodegas y Viñedos Mengoba
Brezo de Grégory Pérez
Mencía 2017 Bierzo
RRWポイント 93点


Bodaga Cuatro Rayas Organic Tempranillo 2018 Rueda

やまやの店頭でオーガニックワインのコーナーがあり、つい手に取った1本。
Organic Tempranillo と書かれ、大きなミツバチのイラスト、Vegan マークも。
普段はビオなワインは敬遠しがちなんですが、怖いもん見たさでつい。(笑)
こういうお手頃ビオだと、テンプラニージョ本来の味が楽しめるかも…。


IMG_3463
作り手は1935年創業と歴史もある DO Rueda を代表する大手ワイナリーでした。
DO Rueda のワイン生産量の20%を占める地域最大の生産者ということです。
やはりベルデホ(Verdejo)種からの白が大半のようですが、2,150haの畑から、
年間1,500万本を生産し、全世界50ヶ国に輸出しているといいます。
一方で、樹齢100年超のプレフィロキセラの畑からの高級ベルデホなんかもあり、
ただの大量生産メーカーということではなさそうですね。


公式ページは大手らしくなかなかよくできています。

今日のオーガニック・テンプラニージョもデータシート付で載ってます。
・テンプラニージョ 100%
ステンレスタンクで発酵、熟成はオーク樽で3ヶ月となってます。
スペインなのでおそらくアメリカンオーク樽じゃないですかね。


ワイナリー訪問。工場風情の大きな施設ですが、周りはきれいな畑。
4rayas01
ルエダの町の東に車で10分、ラ・セカと言う町の外れにあります。

いつもの地図で DO Rueda の位置を確認しておきましょう。
4rayas03
DO Ribera del Duero から来るドゥエロ川(Río Duero)流域ですね。

ここでカスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)の DO を確認します。
リベラ・デル・ドゥエロ他有名な産地はドゥエロ川流域にあるのがわかります。
4rayas02
ルエダはカスティージャ・イ・レオン州のバジャドリー県(Valladolid)
になりますが、隣のトロ(DO Toro)はサモーラ県(Zamora)です。

VCとあるのは「Vino de Calidad con Indicación Geográfica」のことで、
DO(Denominación de Origen)より、ワンランク下の格付けになります。
4rayas04
ややこしいですが、EUの格付けと対比で覚えましょう。


ラベル平面化画像。粗い紙です。オーガニックの雰囲気出してるの?
IMG_3467
インポーターシール、裏ラベル、一体化の一枚ものラベルですね。
裏ラベルの側には DO Rueda 認証シールだけでした。(下に移動させました。)
ユーロリーフのオーガニック認証と、Vegan マークもありますから、
動物性素材不使用ということで、清澄での卵白等も使ってないんでしょう。


さて、抜栓といきましょう。
IMG_3458
キャップシール、コルクともロゴマーク入りで凝ってますよ。

コルク平面化。
IMG_3459
ノマコルクですね。サトウキビ由来のバイオプラスチック合成コルクです。

Alc.14%。(pH:3.79、Brix:7.0)
濃いガーネット。
IMG_3460

クロスグリ(Grosella Negra)、ラズベリー(Frambuesa)。
酸味の香りにも感じますが、まさに「果実香」って感じ。
青野菜がありますね。ビオっぽい。(笑)
樽木っぽくも感じ、3ヶ月でも効いてますね。
酸味っぽいクールさを感じる辛口アタック。
やはり相当な酸を感じます。
しかしながら、味の芯はしっかりしていて、
全体としては、まとまってる気がします。

テンプラニージョのコクは出ていておいしいんですが、
この酸味は損をしていて惜しい気がします。


*****


Bodaga Cuatro Rayas
Organic Tempranillo 2018
Rueda
RRWポイント 87点


Alejandro Fernández Dehesa La Granja 2007

偉いテンプラニージョも探していますよ。
ティント・ペスケラで産地のリベラ・デル・ドゥエロと共に、
スペイン随一のテンプラニージョの作り手として一躍有名になった、
アレハンドロ・フェルナンデス氏。
氏の率いるグルーポ・ペスケラがデエサ・ラ・グランハという、
新ワイナリーを得て1998年から醸すお手頃テンプラニージョです。


IMG_6430
ティント・ペスケラは試したことがないですが、
作り手が同じならデエサ・ラ・グランハもいいはずです。
パーカーおじさんもずっと90点以上つけてるみたいですし。

グルーポ・ペスケラの公式サイトが共通で、
氏が所有運営する4つのワイナリーにリンクされています。
そこからデエサ・ラ・グランハのページに入り、情報を探します。

セパージュは、テンプラニージョ100%。
熟成は、アメリカンオーク樽で熟成させるのがスペインっぽいですが、
堂々の24ヶ月の上、ボトルでさらに12ヶ月寝かせるそうです。
樽がどう香るか興味津々ですね。

さて、ワイナリーの場所を確認します。
Dehesa01
なんとか1枚でわかるよう詰め込みました。
まず右下のスペイン地図で「DO Ribera del Duero」を確認ください。
ブルゴスの南方を中心としたドゥエロ川流域です。
そこに、アレハンドロ・フェルナンデスのティント・ペスケラがあり、
今日のデエサ・ラ・グランハは西へ車で1時間半ってなところです。

産地呼称としては、「Vino de la Tierra de Castilla y León」となります。
Vino de la Tierra(VdlT)はかなり広域で、いわゆる「IGP」です。
(Indicación Geográfica Protegida)フランスで言う「Vin de Pays」ですね。
Dehesa03
この産地呼称(VdlT)は名前の通り、ほぼカスティージャ・イ・レオン州です。
カスティージャ・イ・レオン州は上図のように9つの県からなります。

さあ、ここがデエサ・ラ・グランハ。
Dehesa02
畑に囲まれたいい感じのワイナリーです。

エチケット。なぜか中国の受賞メダルがこれ見よがしに貼ってます。
IMG_6197
Vino de la Tierra de Castilla y Leónの地図入り表示がありましたね。


さて、抜栓です。
ミレジム入りコルク。キャップシールのエンボスもいい感じです。
IMG_6433
Alc.14%。完熟~。
濃い黒いガーネット、やはりエッジが褐変気味です。
黒ベリー、プンプン香ります。
独特な樽香も目立つ感じです。
これがアメリカンオークなんでしょうね。
非常にかすかではありますが「ケモノ」臭的なものも。
いわゆるブレタノマイセス由来のアレです。
辛口アタック。
酸味のような喉の収斂性があります。
味の構造感ありそうですが、まだ開いてない感じです。
デカンタします。
(未ろ過で澱があるのでデカンタしてねと公式ページにもありました。)

酸味感が穏やかになり、うま味が増した気がします。
でも、収斂性は健在です。
余韻もなめらかに続くようになりグッドですね。
風味に、長期熟成から来る若干の古くささを感じるのが、
個人的な好みではありますが、少しマイナス。

でもうまうまのテンプラニージョであることに間違いはありません。
しかし、デカンタはやるもんですね。


*****


Alejandro Fernández Dehesa La Granja 2007
RRWポイント 91点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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