シャトー・フォントニルです。エチケットの下部に名前があるでしょ?
そう、これはかのミシェル・ロランおじさん所有のシャトーです。
世界の名だたるワインのコンサルを手掛ける「The Flying Winemaker」
自らが手掛けるワインはどれほどのものでしょうか?気になりますね~。


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1986年の取得以来、ミシェル・ロランとダニー・ロランの醸造家夫妻は、
このフロンサックにあるフォントニルでワインづくりを手掛けてます。
コンサル業で忙しい中、自分のワインもしっかり作ってたってことですね。


ミシェル・ロランおじさんのイメージはやはりこれです。(笑)
CastroRubra05(※)
ジョナサン・ノシター監督の2004年のドキュメンタリー映画、
「モンドヴィーノ」に出てきたミシェル・ロランおじさんの印象は強烈でした。
マフィアのボスのような風情がありましたからね。(笑)
(※注)マイクロ・オキシジェネーション(micro-oxygenation):
「醸造中のタンク内のワインに極微細な泡の酸素をエアーポンプで供給することにより、
酸化熟成を促すテクニック」



公式ページはトップページにミシェル・ロランおじさんの横顔!
そこから所有のワイナリーの情報へリンクしてますが、
今日のシャトー・フォントニルとシャトー・ル・ボン・パストゥール
(Château Le Bon Pasteur・ポムロール)のリンク先は、
20ページ以上に及ぶPDFファイルのみです。
あと、アルゼンチンの所有シャトーへのリンク(ここは普通のサイト)
もあります。
仕方がないのでPDFに目を通しますが、2009年のワイン情報が希薄。
シャトーの作付けは、
・メルロー 90%
・カベソー 10%
とありますが、2009年のセパージュについては記述なし。
パーカーおじさんの批評コメントを見ると、こうありました。
・メルロー 95%
・カベソー 5%
助かるな~、パーカーおじさん。
おじさんはこのフォントニル2009年を92点と評価しています。
樽熟は、新樽60%、1年落ち40%で15~18ヶ月だそうです。


さて、シャトー訪問です。ボルドー右岸、フロンサックにあります。
Fontenil02
小ぎれいで敷地もそこそこの規模があり、周りの畑もきれいです。

AOCフロンサックとの位置関係を見ておきましょう。
Rolland01
境界は資料によってまちまちですが、まあだいたいこんな感じです。


エチケット平面化画像。
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「Michel Rolland」と堂々たる名前があり、大きなサインまで。
「シャトー・フォントニル」よりは通りがいいですからね。(笑)


さあ、抜栓といきましょう。
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キャップシールは凡庸ながら、コルクはしっかりした専用デザイン。

平面化撮影もしておきましょう。
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おお、こんなところにまでサインが…。

Alc.14%。
濃い濃いガーネット。くすみがち。エッジはオレンジ気味の褐変。
Fontenil01
パーカーおじさん曰く10~15年はおいしくいただけるとのことなので、
そろそろ熟成のピークって感じです。

黒ベリーに多目の複雑な熟成香、トリュフ、森の下草です。
フレッシュ感ある辛口アタック。
味の複雑味、構造感、さすがですね。
適度な酸味が新鮮なニュアンス出しています。
うまいけどミシェル・ロランぽくないうまさと言いましょうか、
コンサルしたワインとはちょっと趣が違う気がします。
これはやはりミシェル・ロランおじさんのこだわりかな?
タンニンは10年でこなれたか、繊細でシルキー。
余韻はサラッとしてますが、うま味が続く感じがします。

うん、傑出はしてませんが素直にうまいと言える味わいです。
パーカーおじさんの92点よりはもう少し点数をあげましょう。(笑)


*****


Château Fontenil 2009 Fronsac
RRWポイント 94点