メドック格付け第4級、オー・メドックのラ・トゥール・カルネです。
メドックで最古のシャトーの一つで、近年品質向上も目覚ましいのに、
格付けシャトーの中では比較的お手頃価格でゲットできます。
今日はボルドー超当たり年の2010年モノを抜栓しますよ。


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エチケットの下に「Bernard Magrez」と鍵の紋章がありますが、
グラーヴのシャトー・パプ・クレマン(Pape Clement)や、
サンテミリオンのシャトー・フォンブロージュ(Fombrauge)を所有する、
世界的ワイン商で現オーナーのベルナール・マグレ氏が、
2000年にこのラ・トゥール・カルネを取得したんだそうです。
これら所有のシャトーすべてのコンサルがミシェル・ロランでして、
「また出たな!ミシェル・ロラン!」と思わず口走ってしまいます。
…もはや妖怪扱いですね。(笑)

CastroRubra05


公式サイトは立派な作りでいい感じなのですが、
ミレジムは2015年のものしかなく、困ったなと思っていると、
2010年の詳細はなんと裏ラベルにありました。(平面化画像参照)
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セパージュは、
・メルロー 60%
・カベソー 34%
・カベフラ 5%
・プチヴェルド 1%
と、ボルドー左岸にしては珍しくメルロー主体です。
作付けから既にメルロー56%、カベソー40%となっています。
16ヶ月の樽熟とも書いてますね。
新樽率は30%と割と低いみたいです。
ちなみにQRコードは公式サイトにつながるだけです。
しかし、ベルナール・マグレさん本人の顔写真入りとは…。(笑)


さて、恒例シャトー訪問。まわりの畑と言い、いい雰囲気です。
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行政区分ではサン・ローラン。AOCはオー・メドックになります。
門の前に立つとエチケットのイラストと同じアングルになります。

Google Mapで敷地内まで入れました!
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なかなか立派なシャトーです。シンボルの城は年代物ですね。

シャトーの位置関係を確認します。となりがカマンサックですね。
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オー・メドックと言ってもサン・ジュリアンに隣接してます。

オー・メドック自体は非常に広範囲です。
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マルゴーの南側までオー・メドックですからね。


抜栓前にネックのシャトーのへたうまイラストを確認。
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よっぽどこの古い城が誇りなんでしょうね。


さて、抜栓です。
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コルクのミレジムなどの刻印は正統派ですね。

せっかくなのでコルク平面化画像を撮影。だいぶ上達しました。
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シャトーのイラストや公式ページのURLまで書いてます。

さあ、いただきましょう。
Alc.14%。
濃いインキーなガーネット。
涙は細かく規則正しくない感じ。
黒ベリー、ブラックチェリー、うっとりする樽香と熟成香です。
意外と辛口アタック…。
複雑味ありますが、ちょっと構造感弱いかな?
というか、「薄っぺら」とか「水臭い」の表現が合う感じ。
う~ん、これはメルロー主体からくる特徴に思われます。
ただし、これは高次元での話で、全体の旨味は絶妙です。
余韻導入部のタンニンはこなれていて心地よいですし。
バランスと素性は素晴らしい均衡でフィニッシュします。

おそらくメルロー起因の若干軽め感が気になるだけで、
総合評価はなかなかのものだと思います。
パーカーおじさんは93点だそうで。
おじさん、いいとこ突いてますね~。(笑)


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Château La Tour Carnet 2010
RRWポイント 93点