Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Dão

Quinta das Maias Maias Tinto 2017 Dão

ポルトガル、ダン(Dão)からの赤です。品種がジャエンJaen)主体となっていたので手に取りました。ダンでは通常トウリガ・ナシオナルが主体ですが、この地方の伝統品種としてこのジャエンも使われています。で、ジャエンというのはスペインで言うところの「メンシーア(Mencía)」なわけです。そう、DOビエルソ(Bierzo)の特産品種であるアレです。

IMG_8525
ダンで 1 世紀以上3世代に渡ってワインを作り続けているロウレンソ家(Lourenço)が、今日のワインのキンタ・ダス・マイアス(Quinta das Maias)のオーナーです。ロウレンソ家の本来のワイナリーはキンタ・ドス・ロケス(Quinta dos Roques)といって、ダンの中心地ヴィゼウ(Viseu)の近くにあります。そこが1997年にキンタ・ダス・マイアスを購入したというわけです。

キンタ・ダス・マイアスの公式ページ(quintamaias.pt)はあるんですが「工事中」。


本家キンタ・ドス・ロケス(Quinta dos Roques)というのがこちらのサイト。

しかしこちらにキンタ・ダス・マイアスのワインは載っていません。困った時のネット情報で。

・ジャエン(Jaen) 40%
・トウリガ・ナシオナル(Touriga Nacional) 30%
・アルフロシェイロ(Alfrocheiro) 20%
・ティンタ・ロリス(Tinta Roriz) 10%

フレッシュネス重視でステンレスタンクで醸造・熟成。樽は使わないそうです。

トウリガ・ナシオナルはポルトガルの代表品種であり、最重要品種とも言えるでしょう。アルフロシェイロはダンの代表品種のひとつですが、アレンテージョ、バイラーダ、テージョにも広がっているそうです。ティンタ・ロリスはアラゴネス(Aragonez)とも呼ばれますが、ダンやドウロ地方ではもっぱらティンタ・ロリスと言います。いわゆるスペインのテンプラニージョです。

で、今日のワインの主要品種ジャエンJaen)、スペインの「メンシーアMencía)」です。
Jaen
スペインのカスティージャ・イ・レオン (Castilla y León)州のDO ビエルソ(Bierzo)やガリシア州のDOバルデオラス(Valdeorras)の特産品種ということでしたが、ポルトガルにもあるんですね。ティンタ・ロリスとテンプラニージョもそうですが、結局スペイン・ポルトガルは地続きというのを実感します(笑)。
ジャエン/メンシーアはスペイン原産らしいですが、2015年のDNA分析では、アルフロシェイロ(Alfrocheiro)とパトーラ(Patorra)の自然交配だろうと判明しています。アルフロシェイロはダンの代表品種ですし、パトーラはポルトガル原産といいますから、実はポルトガル原産なんじゃないの?って思いますよね。

キンタ・ダス・マイアスを訪問。ストビュー届いてませんが写真は上がってました。
Google02
周囲の畑がきれいそうですね。35ヘクタールあるそうです。

ヴィゼウ(Viseu)へ向かって30分ほど車で行くと本家キンタ・ドス・ロケスに到着。
ビゼウ
これ以外にもキンタ・ド・コレイロ(Quinta do Correiro)というところも近隣に所有しているそうです。(場所は確認できず。)

いつものポルトガル全図でダン(Dão)の位置確認。ワイナリー所在も記入してます。
Portugal_Final
過去何度か同じ地図を使っていますが、毎回ちょっとづつ間違いを修正したり更新をしています。過去にさかのぼって直さないので常に最新記事に注目ください(笑)。

ダン地方は古くからワイン生産地として有名です。今日はダンの部分を拡大してみます。
Dao2
DOCとしてはダン(Dão)とラフォンイス(Lafões)があります。ダン地域全体は「Terras do Dão」という「IG(=IGP)」になっていることも確認ください。
・DOC = Denominação de Origem Controlada
・IG = Indicação Geográfica

また、ダンにはサブリージョンがありまして、以下の7つです。

・Besteiros
・Silgueiros
・Castendo
・Terras de Azurara
・Terras de Senhorim
Serra da Estrela
・Alva

中心地にダン川(Rio Dão)とモンデゴ川(Rio Mondego)が流れており、これらサブリージョンの境界になっているようです。今日のワイナリーは、エストレラ山脈(Serra da Estrela)の麓にあるダンのサブリージョン、その名も「セラ・ダ・エストレラ」(そのままやん)にありますね。


ラベル平面化画像。
IMG_8450
裏ラベルにはワイナリーの説明があります。キンタ・ダス・マイアスのマイアス(Maias)とは5月(Maio)に咲く黄色い花にちなんでつけられているそうです。ダンのCVR(地域生産者組合)の認証シールも。インポーター(木下インターナショナル)のHPにはキンタ・ドス・ロケスの紹介ページがあります。


さあ、抜栓。
IMG_8521

コルク平面化。
IMG_8522

Alc.13%。
ガーネット。
IMG_8523

黒ベリー、スパイス、ブレットぽさも少し。
甘柔らかな酸味の目立つ辛口アタック。
厚みもそこそこで酸を引き立ててしまいます。
タンニンはかすかながら、味わいに幅を出させ、
バランスを取りに来るので少し助かったかなと。

フレッシュ・爽やかなので、いい感じでフィニッシュです。
樽を使わずフルーティな印象を狙ってるのがわかります。


*****

Quinta das Maias
Maias Tinto from Portugal 2017
Dão
RRWポイント 89点


Casa da Passarella O Oenólogo Encruzado 2017 DOC Dão

ポルトガルのDOCダン(Dão)のワインをいただきますが、いつものティンタ・ロリス(=テンプラニージョ)、トウリガ・ナシオナルの赤ではなく、エンクルザード(Encruzado)という品種の白ワインです。この品種はもっぱらダンで栽培されていて、ダンの品種とも呼べるものだそうです。これは、お試し、お試し。

IMG_6250
作り手のカサ・ダ・パッサレラはエストレーラ山脈のふもとのラガリーニョスに1892年に設立されました。かなり古くからワイン作りをしていますが、現代に受け継いだそのワインは非常に評価が高く、ダンのみならずポルトガルで有数のワイナリーの1つとなっているそうです。


公式ページは今風なんですが、スクロール中心で少々見にくし。文章も詩的で読みにくし(笑)。

うだうだとワインの謂れが書いてますが、翻訳しても意味不明なので解説はあきらめます。
・エンクルザード 100%
「O Oenólogo(生物学者?)」というシリーズには赤と白がありまして、白の方がこのエンクルザードになります。エンクルザードは樽との親和性が良いとのことで、ユーズドではありますが木樽で熟成されているようです。期間は不明。

さあ、これがエンクルザードです。ダンに限られるからかあまり情報がありません。
Encruzado
ポルトガル原産らしいんですが、親子関係は不明。収量はそこそこ。コショウ、バラ、スミレ、レモンのアロマがあり、熟成させることで樹脂やヘーゼルナッツの香りがするそう。総じて酸性でコクのある白ワインになるようです。ほぼダン地域でのみ栽培され、2016年の記録では132haの栽培が報告され、減少傾向にあるそうです。


作り手訪問。うっ、ストビューが全然届いてません。なのでfacebookの写真を拝借。
CasaPaselera01
古い歴史あるところなので右側の「A Nossa Casa」というのが創業時からの建物でしょうか。「Casa da Passarella」というワイナリー名はこの建物から来ていると思われます。上空から見ると敷地や施設の規模はかなり大きそうです。


いつものポルトガルDOC/IG地図の「DOC Dão」の部分を目立たせました。
Portugal_DOC_IG
DOCとしてはダン(Dão)とラフォンイス(Lafões)があります。ダンにはサブリージョンがありまして、以下の7つです。

・Alva
・Besteiros
・Castendo
Serra da Estrela
・Silgueiros
・Terras de Azurara
・Terras de Senhorim

今日のワインは「Serra da Estrela」となっています。ワイナリーのある「エストレーラ山脈」という意味ですね。
ダン地域全体は「Terras do Dão」という「IG(=IGP)」になっています。そうそう、ポルトガル語の用語を書いておきます。

・DOC = Denominação de Origem Controlada
・IG = Indicação Geográfica

この地図のダンの部分を地形図の上に重ねてみました。
Portugal_DOC_IG_KKD
エストレーラ山脈はダンの南端に横たわっているのがわかりますでしょうか。このあたりがサブリージョン「Serra da Estrela」なのでしょう。


ラベル平面化画像。
IMG_6208
中途半端な1枚もの全周ラベルです。裏ラベル(左半分)に長々と解説がありますが、HPにも同じことが書いてありました。ワインの謂れをドラマチックに書いてあるんですが、先ほども書いたようにあまり参考になりません(笑)。

インポーターシールはこの透明タイプがラベルを隠さないように縦貼りしてありました。
IMG_6207


さあ、抜栓。
IMG_6246

コルク平面化。
IMG_6247

Alc.13%。
オレンジがかった濃いめのイエロー。
IMG_6249

黄桃、夏ミカン、爽やかな香りです。
穏やかな酸味と辛口アタック。
レモンライムの味わいがあります。
つまりは柑橘系の酸っぱさを感じるわけです。

いい感じの酸だとは思いますが、
おかげで全体的にはアッサリ感で終わります。


*****


Casa da Passarella
O Œnólogo
Encruzado 2017
DOC Dão
Sub-Região Serra da Es
trela
WWWポイント77点



WhiteWhiteWine01

Julia Kemper Vinhas Selecionadas 2012

やまやの店頭で思わず手に取ったワインです。
ポルトガル、ダン(Dão)の、近年評価の高い作り手です。
パーカーおじさん90点のシールに惹かれたのは内緒。(笑)
(どうも、おじさんには振り回されてますね~。)


IMG_7856
元「Quinta do Cruzeiro」という名の何世代も続く家族経営ワイナリーです。
2008年に「Julia Kemper」と名を変えてリリースされてから評価も高まり、
ダン随一のワイナリーになったようです。


公式ページは困ったもので、ワイン情報がありません。
詳しくはブログを見ろとリンクが貼ってあるのですが、
そこへ行っても大した情報がありません。
よって、ネット情報に頼ります。
セパージュは、
・ティンタロリス(Tinta Roriz)40%
・アルフロシェイロ(Alfrocheiro)40%
・ジャエン(Jaen)20%
のようです。
「Tinta Roriz」はポルトガル南部ではアラゴネス(Aragonez)と呼ばれ、
いわゆる、スペインのテンプラニージョと同じものです。
「Alfrocheiro (Preto)」、「Jaen」はダンで使われる主要品種ですが、
ジャエンは、これまたスペインのメンシーア(Mencía)と同一です。

樽熟が不明なのですが、以下に引用するパーカーおじさんの記事によると、
樽熟成はしていないようですね。

"The 2012 Vinhas Selecionadas is a blend of Tinta Roriz 40%, Alfrocheiro 40% and Jaen 20%. This is organic, unoaked and comes in at 13.3% alcohol. Not yet released—even at this level, the winery releases wines late—it is headed for the marketplace at the end of the year. This is reasonably concentrated for an unoaked 2012, but it is even more impressive for its power, showing reasonable tannins even at this age and a fine, crisp edge that I rather adored. The fruit is dry, defined and serious." Robert Parker 90 points

おじさん、なかなかの褒めようです。


ワイナリーを訪問しましょう。おっと、ぜんぜん近寄れません。
JuliaKemper01
仕方がないので上空写真をば。


Julia Kemperがある、ダン(Dão)の位置を確認しておきます。
PortDao01

スペインも含めた位置関係はこちら。
JuliaKemper02
やっぱりこの方がわかりやすいですね。


エチケット平面化画像。
IMG_7665
パーカーおじさん90点シールもしっかり1枚に収めました。(笑)


さて、抜栓です。
IMG_7854
凝った感はないですが、一応生産者名入りデザインです。

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
カシス、フルーティなチェリー。
辛口アタック。
おじさんが褒めるほど厚みのある味ではないですね。
酸味っぽさもありますし。
この酸味、喉越しから余韻まで残るんですよね。
ちょっと肩透かしかなとも思いましたが、
ステーキに合わせたら、甘みにも感じて悪くなかったです。
まあ、及第点って感じでしょうか。


*****


Julia Kemper Vinhas Selecionadas 2012
Dão
RRWポイント 87点


Casa de Santar Reserva Tinto 2012

たぶん、人生初のポルトガルワインです。
先日、グランマルシェに寄った時に、
「ロバート・パーカー90点」の表示があったので衝動買い。(笑)
別にパーカーおじさんの信奉者ではないですが、
好みが似てることが多いので買う時の一応の参考になります。


CasadeSantar


ポルトガルワインの予備知識はほぼゼロですので、
まずはせっせとWEBを使って調べます。

カサ・デ・サンタールというのは、
GLOBAL WINESというところが扱うブランドだということがわかります。
DOCは「Dão」、「ダン」と読みます。(鼻母音で…)
ドウロと並ぶ歴史ある主要生産地のようですね。

セパージュは以下のようになっています。
・トウリガナシオナル 50%
・アルフロシェイロ 25%
・ティンタロリス(アラゴネス)25%

さあ、ローカル品種は訳がわかりませんね。
50%ブレンドされているトウリガナシオナル(Touriga Nacional)は、
ポルトガルを代表する黒ブドウ品種だそうで、
濃い色でタンニンの多い凝縮した味になるそうです。
25%入ってるティンタロリス/アラゴネス(Tinta Roriz / Aragonez)ですが、
スペインで言うところの「テンプラニージョ」だそうです。


さて、いただいてみます。
Alc.14%、仏樽で9ヶ月の熟成だそうで。
やはり濃い濃い赤紫です。ディスクも色づいてます。
黒ベリーからのトースト香とスパイス。
香りからすでにパワフルそうです。
アタックで若干の果実味を感じたと思ったら、
なめらかなタンニンが口に広がり、すぐ喉に収斂性が来ます。
酸味も合わさっているのがしばらくしてわかります。
余韻は普通にありますが、渋みが少し残る感じ。
フルボディーではありますが、
ボルドー品種の複雑味がないぶん比較的軽めにも感じます。
品種の違いなんでしょうね。
おいしいですが、もう少し寝かせてもいいような味です。
パーカーさんからマイナス1点でどうでしょう。


*****


Casa de Santar Reserva Tinto 2012
RRWポイント 89点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ


写真サイト:
最近ちゃんと写真撮ってますか?

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ