あのムートンのBaron Philippe de RothschildConcha y Toroが手を組んで、
チリで1997年からスタートしたジョイントベンチャーがアルマビバAlmaviva)。
(スペイン語ではアルマィーァとは発音しないのでこう表記しておきます。)
1998年のファーストヴィンテージから世界中で絶賛なのはご存知ですよね。
今日はそのセカンドワインのエプ(EPU)を抜栓いたします。楽しみだにゃ~。


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同じ2015年のファーストはJ. サックリングさんが100点満点をつけたそうで。
しかし、ファーストに比べてラベルデザインがシンプル過ぎますね。
「2015」も「Dos Mil Quince」とスペイン語表記だけと愛想がないです。


公式サイトにはなんとEPUが載っていません。

ほんと探しましたが、影も形もありません。


Almaviva EPUについて触れてあるインタビュー記事だけ発見しました。

それによると興味深い内容がありました。
ファーストラベルのアルマビバはターゲット市場がアジア(日本?)だということ。
EUやアメリカでももっと増やしたいそうです。そこでインタビュアーが噛みつきます。
「セカンドワインのEPUは、なぜチリとブラジルでしか売ってないんですか?」
そのお答えを聞いて納得。EPUの生産量が極端に少なく(24,000本/年らしい)、
近隣の重要市場でほとんど消費されてしまうということでした。
EPUの人気は高まってるので、今後流通量を増やす可能性は否定しないということです。
ある意味、日本でEPUをいただけるのは貴重なわけですね。どおりであまり売ってない。

公式情報がないのでネット情報に頼ります。
・カベソー 77%
・カルメネール 12%
・カベフラ 6%
・メルロー 5%
カルメネール入りのボルドーブレンド。素晴らしい。
EPUは若木からとのことですが、所有の最古の畑でも樹齢40年ほどなので、
(アルマビバ創立時に取得した畑は1978年植樹)あまり差がない気がします。
それより若木(後に畑を追加取得)は接木してるそうなので、そっちの差が大きいかも。
熟成は、フレンチオーク樽で12ヶ月です。


前の訪問時の画像です。Puente Altoというサンティアゴの外れです。
車で15分くらいの所にコンチャイトロの本拠地もあります。
Almaviva01
ストビューでは敷地に入れないんですよね。

仕方がないので、公式サイトから写真をいくつかスクショします。
Almav00
建屋の設計イラストどおりに作られ、非常にカッコいいです。


ラベル平面化画像。
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確かに世界で売っていきたいという表ラベルではないですね。(笑)
裏ラベルに「EPU」はマプチェ語で「2(セカンド)」の意味という解説あり。
(Mapudungun:チリの先住民族マプチェ族が話す言語学的に孤立した言語)


さあ、抜栓。
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なかなか凝ったキャップシール。コルクも横ミレジム入りEPU専用品。

Alc.14.5%。
濃いガーネット。
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ブラックベリー、ブラックチェリー、モカ、スパイス。
辛口アタック。
上品なカベソーの味わい。(だって、カベソーだし。笑)
厚み、複雑味、酸味、タンニン、全ての要素が絶妙なバランス。
何一つ他を邪魔したり、出過ぎた真似をしないのに、
それぞれがしっかり主張をしている感じもします。
スルスル喉元を越えていく時のタンニンの収斂性は心地よいです。
余韻は長く、その間に最初のうまうま味のおさらいができます。
「こんなのが最高にうまいワインだ」と改めて感動してみます。(笑)

フィニッシュ後、チリワインを讃えたくなります。
なぜこれがチリにだけ可能なのか…。


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Viña Almaviva
EPU Dos Mil Quince (2015)
RRWポイント 98点