Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Entre-Deux-Mers

Mont-Pérat Special Selection Bordeaux Rouge 2019

漫画「神の雫」で持ち上げられて、ちょっといいワイン風情のモン・ペラ。5年前にモン・ペラを試した時は残念ながらいい評価ができず、それ以来あまり近寄らなかったわけですが、そのセカンドらしきワインが特売になっていたので思わず手を出してしまいました(笑)。

IMG_9409
インポーター情報では、シャトー・モン・ペラが現在のオーナであるデスパーニュ家の所有となったのは1998年で、ガロンヌ川の東側カディヤック・コート・ド・ボルドーのエリアに位置するとなっています。しかしそのエリアには「Château Mont-Pérat」なんて見当たらないんですよね。

Bordeaux_Cotes-de-Bordeaux
<コート・ド・ボルドー(Côtes de Bordeaux)地図>

以前、シャトー・トゥール・ド・ミランボー(Château Tour de Mirambeau)というデスパーニュのフラッグシップと思しきワインを試した時、このシャトー・トゥール・ド・ミランボーこそが1769年から代々ワイン作りをしてきたデスパーニュ家の創業の地らしいことがわかりました。ということで、ますますシャトー・モン・ペラというシャトーがどこなのか、あるいは存在するのか、さっぱりわからなくなっています。

デスパーニュの公式ページはこれですが、ほぼショップしかありません。

おまけに通常のモン・ペラは載っていますが、今日のスペシャル・セレクションはありません。

・メルロー 60%
・カベルネ・ソーヴィニヨン 20%
・カベルネ・フラン 10%

インポーター情報でセパージュは上記のようですが、その他樽使いなど不明です。通常のモン・ペラはフレンチオーク樽で12ヶ月の熟成となっていましたが、今日のワインはこれ以下か、樽なしかといったところになるでしょうね。

アントル・ドゥ・メール(Entre-Deux-Mers)にあるデスパーニュ訪問。
Despagne01
デスパーニュの創業の地はローザン(Rauzan)という町で、シャトー・トゥール・ド・ミランボーなるところになります。Google Mapでは「Vignobles DESPAGNE」と表示されます。シャトー名は「Tour de Mirambeau(ミランボーの塔)」から来ており、インポーズしたのが「ミランボーの塔」の写真ですが、このように現存はするようです。


アントル・ドゥ・メール中心にボルドーを俯瞰して、位置関係を確認します。
Despagne02
デスパーニュ(シャトー・トゥール・ド・ミランボー)は、サンテミリオン他ボルドー右岸銘醸地のドルドーニュ川を挟んだ反対側ですね。このあたりだとカディヤック・コート・ド・ボルドーのエリアにはなりません。(上記、コート・ド・ボルドー地図参照。)

ドルドーニュ川とガロンヌ川に挟まれたところを一般にアントル・ドゥ・メール(Entre-Deux-Mers)と言いますが、AOC Entre-Deux-Mers というと辛口白のみのAOCになるので注意しましょう。かのジャンシス・ロビンソンはデスパーニュをして「アントル・ドゥ・メールのスーパースター」と評したそうですが、この場合のアントル・ドゥ・メールはAOCではなく場所を指すわけです。


エチケット平面化画像。
IMG_9339
本家のモン・ペラに比べてシンプルでいいですね。「デスパーニュはボルドーですごいワインを作ってる。」というパーカーおじさんのコメントが誇らしげに金メダル風のシールに書いてあります(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_9405

コルク平面化。
IMG_9407

Alc.13.5%。
ガーネット。エッジにかすかにオレンジ味あり。
IMG_9408

黒ベリー、カシス。
熟成香か樽香か、ゼラニウムっぽさがかすかに。
辛口アタック。
酸は出っ張りますが、
奥行きのある味とのまとまりは悪くないです。

フィニッシュにかけての盛り上がりはないんですが、
特に非はなく無難に楽しめるワインでした。


*****

Despagne
Mont-Pérat
Special Selection Bordeaux Rouge 2019
RRWポイント 88点


Château La Grande Métairie Entre-Deux-Mers 2017

はい、前回の続き。1000円ボルドー飲み比べ。
今日はアントル・ドゥ・メール(Entre-deux-Mers)です。
AOC Entre-deux-Mersは辛口白だけに認められたAOCでしたね。
見向きもしてなかっただけですが、初めていただきます。(笑)


IMG_9479
ソーヴィニヨン世界大会の金メダルシールが貼ってます。
調べると、2018年度は金メダルは107の生産者が受賞しています。
ナパやらチリやらニュージーランドやら錚々たる顔ぶれです。
受賞基準はよくわかりませんが…。(笑)


もう一度、前回の赤、AOC Bordeauxとのツーショットを上げておきます。
IMG_9463
こんな感じで2日目に赤白一緒に飲みました。何だか楽しいです。(笑)


作り手、Vignobles Buffeteauの公式ページでワイン情報確認。

セパージュは、
・ソーヴィニヨン 85%
・ミュスカデル 15%
「ソーヴィニヨン」の内、2/3がソーヴィニヨン・ブランで、
残り1/3はソーヴィニヨン・グリだそうです。
「Sauvignon Gris」というのは、ソーヴィニヨン・ブランの変種で、
ピンク色の果皮を持ち、ブラン単一より味が重厚になるということで、
ボルドーやロワールで栽培されてるようですね。
赤と同じく、樽は使わず数か月の熟成とあります。


前回、AOC Entre-deux-Mersとこの作り手の所在を示す地図を描きながら、
ゴルナックの村に印をつけて、ふと気が付きました。
これって、AOC Entre-Deux-Mers Haut-Benaugeじゃないの?

AOC Entre-Deux-Mers Haut-Benaugeは同じく辛口白のAOCですが、
AOC Entre-deux-Mersより狭域の9つの村に限定されます。
Arbis、Cantois、Escoussans、Gornac、Ladaux、Mourens、Soulignac、
Saint-Pierre-de-Bat、Targonの9村です。ほら、ゴルナック入ってますね。
AOCアントル・ドゥ・メール・オー・ブノージュを前回の地図に書き込んでみます。
Vignobles_Buffeteau_Haut_Benauge
ここでまたふと気が付きました。この作り手の所有畑は、
ゴルナックと隣のカステルヴィエル(Castelviel)に合計29haでした。
なるほど、一部域外のブドウですから「Haut-Benauge」が名乗れないんですね。
白品種は周囲の契約農家から7ha分買い足してるともありましたから、
ますます規定から外れるわけです。AOCって厳格ですね。

ついでのお勉強ですが、AOC Entre-Deux-Mers Haut-Benaugeと同一地域で、
「AOC Bordeaux Haut-Benauge」というのがありますが、
これは辛口白に加えて甘口白も認められたAOCです。
Bordeaux Haut-Benaugeの公式ページというのもあり、
今日の作り手Vignobles Buffeteauは、そこの協会メンバーになってますね。


エチケット平面化画像。
IMG_9403


さあ、抜栓です。
IMG_9475
赤のAOCボルドーと同じDIAM1のコルクです。

同じですが、平面化撮影しておきます。
IMG_9474
こっちの方が刻印が鮮明ですね。(笑)

Alc.12.5%。
明るい薄黄色。
IMG_9477

ライム、青リンゴ、香りの量は豊富です。
まろやかな味。酸味のキレはなさそうです。
安物感、水っぽさも感じないので、まずまずですね。

アントル・ドゥ・メール、あなどれないですよ。
充分楽しめそうです。


*****


Château La Grande Métairie
Entre-Deux-Mers 2017
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01

Château La Grande Métairie Bordeaux 2017

ははは。1000円のボルドーをいただきますよ。
普段こういうのには手を出さないんですが…。(笑)
実はこれ、アントル・ドゥ・メール(Entre-deux-Mers)地域の赤です。
明確に出所がわかる「AOCボルドー」っていうことと、
同じ作り手が醸す白と一緒に並んでたということで、
思わず両方ゲットしました。合計でも2000円だし。(笑)


IMG_9469
値段の割には、しっかりしたエチケットです。ある意味ジャケ買い的。


つまり、こういうことです。(笑)
IMG_9463
 「Entre-deux-Mers」エリアでは白しか「 Entre-deux-Mers」を名乗れません。
赤は「AOC Bordeaux」になります。それがよくわかる対比ですね。


Vignobles Buffeteauという割としっかりした家族経営の作り手でした。

公式サイトもしっかりしていて情報も十分。すばらしいです。
データシートからの情報です。
樹齢20年の古木からのブドウです。
・メルロー 85%
・カベソー 15%
樽は使わずタンクにて12~24ヶ月熟成。これは値段的に仕方ありませんね。


ワイナリー訪問。アントル・ドゥ・メールのゴルナックという村です。
まさに「2つの海(川)の間」(Entre-deux-Mers)ですね。
Vignobles_Buffeteau
ゴルナックと隣のカステルヴィエルに合計29haの畑を所有。
内20haが赤品種だそうで、ほとんど赤ばかりと思われますが、
白品種は周囲の契約農家から7ha分買い足してるそうです。


エチケット平面化画像。
IMG_9404
農業食品省(MAA)のコンクール2018で金賞のようですね。(笑)


さて、抜栓。横の紋章はワイナリーのマークのようです。
IMG_9470

コルクも平面化撮影。
IMG_9464
テクニカルコルク、1年耐用のDIAM1です。まあ確かに安心です。

Alc.14%。
ガーネット。
IMG_9467

カシス、ブルーベリー、カラメルっぽい香りも。
酸味からの辛口アタック。
酸に包まれてはいますが、
味は完全にペラペラというわけではなく、
多少の厚みはある果実感があって許せる味です。
後を引くうまさはないんですが飲めます。(笑)

居酒屋がぶ飲みワインに毛が生えた程度ですが、
その毛の差が重要と感じます。「あり」です。


*****


Château La Grande Métairie Bordeaux 2017
RRWポイント 86点


Château Roques Mauriac Damnation 2015

漫画「神の雫最終章マリアージュ」で紹介されていたようですが、
気になったのが、85%というカベルネ・フラン比率の高さです。
シャトー・ロック・モリアックのダムナシオンというワインです。
アントル・ドゥ・メール(Entre-Deux-Mers)のボルドーであれば、
普通はメルロー主体なんだと思いますが…はてさて。


IMG_7765
サンテミリオンのシュヴァル・ブランやオーゾンヌもカベフラ主体ですが、
それでも55%くらいです。


公式ページはなんとなく手作り感漂う洗練されてないタイプ。(笑)
オーナーのレヴュー夫妻(Sylvie et Vincent LEVIEUX)のサイトで、
他所有の2シャトーといっしょに載っています。
情報はしっかり載ってるので良しとしましょう。
セパージュは、
・カベルネフラン 85%
・メルロー 15%
樽熟は、新樽で16~18ヶ月だそうで。


シャトー訪問。木立が深く道からは覗けないので上空写真です。
Roques01
シャトーの写真は公式サイトから拝借しました。
モリアック(Mauriac)という町のロック(Roques)というところです。
シャトー名は住所そのままだったようです。
まさに2川(ドルドーニュとガロンヌ川)の間のアントル・ドゥ・メール
(Entre-Deux-Mers)に位置しますね。
1975年創設のまだまだ新しいワイナリーのようです。


エチケット平面化画像。
IMG_7722
なぜか奥様のシルヴィーさんの名前しか載ってませんね。
「Damnation」の意味を調べると「酷評」だそうです。
「ののしり」とか「地獄行き」なんて訳もあります。
皮肉かシャレでつけた名前なんでしょうね。


さて、抜栓。
IMG_7763
キャップ、コルクはボルドー安ワイン風情です。

Alc.14.5%。
濃いガーネット。
IMG_7764

黒ベリー、チェリー、モカ。
甘み感じるアタック。
味の厚みは充分ですね。
それほど甘みが出過ぎるわけではなく、
そつなく楽しめそうです。
ロワールなんかのカベフラっぽくなく、
単純に「うまい」と思います。


*****


Levieux Vignerons
Château Roques Mauriac Damnation 2015
RRWポイント 90点


Château Mont-Pérat Rouge 2015

いやはや、最近かのワイン漫画「神の雫」を読んでいます。
遅ればせながらですが、確かに面白い。
「おいおい」と言いたくなる場面もありますが、
ワインであれだけストーリーを引っ張れるというのは大したものですね。

さて、その第一巻に登場する安ウマ代表「モン・ペラ」です。


montperatrouge


漫画では、えらい持ち上げられようなので、
そんなにおいしいのかなと興味をそそりますね。
当時は日本で大ヒットして売り切れ続出したそうで。

今でも3000円近い値段で、お店の棚でも、
ちょっといいワイン風情で売られています。(笑)

Despagneの本家のサイトをのぞくとビックリ。
その「神の雫」第3話のモン・ペラ登場ページが、
フランス語訳付きでそのまま掲載されてます!

montperatKS

「日本のマンガでQueenに例えられて無茶苦茶ほめられました〜!」
的な説明がびっしり。
確かに、
漫画やオタク文化が一番浸透してる外国のひとつがフランスですから、
この宣伝はインパクトあるんでしょうね。


リカマンの30%OFFセールでちょっとお安くゲットしましたので、
早速お試しです。
ボルドーと言ってもアントル・ドゥ・メール産です。
セパージュは、
・メルロー 80%
・カベソー 10%
・カベフラ 10%
と、メルロー主体の早飲みタイプですね。
香りはブラックベリーからの土臭。
アタックで甘っ…かなと思うと、ドライな感じ。
メルロー多めにしては渋み、苦味が荒々しいです。
それは余韻までがっつり残って、
あまりほめられたもんじゃないです。
ここもミシェル・ロランがコンサルしたそうですが、
いったい何やってんだミシェル・ロラン!


*****


Despagne
Château Mont-Pérat Rouge 2015
RRWポイント 84点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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