特徴的な形状のボトル、これをボックスボイテル(Bocksbeutel)といいます。それだけでドイツ、フランケンのワインだとわかります。過去いくつかフランケンのワインは試していますが、代表的な土着品種であるジルヴァーナー(Silvaner)は今回は初めて。そこら辺を掘り下げつついただいてみましょう。
作り手の「DIVINO」は1951年にマイン川沿いのノルトハイム・アム・マイン(Nordheim am Main)に創設されたワイン協同組合です。2012年には、ヴュルツブルク(Würzburg)の近くのテュンガースハイム(Thüngersheim)の協同組合を併合して、現在合計360haの畑、284のワイン生産者を抱えています。フランケンでは2番目に大きなワイナリーということになるそうです。
公式ページはさすが大手協同組合、内容含めしっかりしたものです。
今日のジルヴァーナーも最新ヴィンテージの2020年になっていますがデータシートも完備です。
・ジルヴァーナー 100%
「Nordheimer Vögelein」は「ノルトハイムの小鳥」という意味のようですが畑名でしょうか。フランケンのこの地方の典型的な土壌は貝殻石灰岩だそうで、その特徴を反映したフランケンらしいワインに仕上がってるとのこと。ステンレスタンクで発酵、樽はありません。
これがジルヴァーナーですが、正式名称を「Grüner Silvaner」といいます。
1998年に行われたDNA分析では、Traminer(Savagnin Blanc)x Österreichisch-Weiß の自然交配だろうということがわかっています。原産はオーストリアになります。1990年頃まではリースリングよりポピュラーだったそうですが、現在はドイツ全体の5%(4,744ha)しか栽培されていません。しかしながら、フランケンでは全体の24.3%(2017年)を占め、フランケンの代表品種となっています。実はフランケン地方ではミュラー・トゥルガウ(Müller-Thurgau)の方が若干の差で(ミュラー・トゥルガウはフランケン全体の25.9%)最も多く栽培されているんですが、フランケンのテロワールを体現できるジルヴァーナーを再びフランケン第一の品種に復活させようという動きがワイン生産者の中で起こっているそうです。
※ 2019年最新データを見るとジルヴァーナーが僅差で1位(!)。1位奪還達成してますやん。
・Silvaner (24.8%)
・Müller-Thurgau (24.3%)
・Bacchus (12.3%)
ちなみにフランケンの白:赤の比率は、82%:18% だそうです。
「Grüner Silvaner」の「Grüner」は「緑色の~」という意味です。ということは他の色のジルヴァーナーもあるのかなと察しますが、その通り。赤(Roter~)と青(Blauer~)があります。
Roter Silvaner は「グリ」っぽいですね。Blauer Silvaner は青というより黒ブドウですね。実際「Schwarzer(黒い)Silvaner」とも呼ばれます。これらはジルヴァーナーから突然変異で生まれたため、(グリューナー)ジルヴァーナーとは遺伝的には区別がないそうです。
さて、ノルトハイム・アム・マイン(Nordheim am Main)の DIVINO を訪問します。
例によってストビューがないのでGoogle Mapに上がっていた写真を拝借。ショップやテイスティングルーム完備の立派な施設です。小さな町の大きな施設という感じ。合併したテュンガースハイム(Thüngersheim)はちょっと離れています。(下の地図の左端)
フランケン全体を見てみましょう。マイン川がシュヴァインフルトあたりから大きく蛇行して「W」を描きながらフランクフルトまで続きます。これら河畔の地域がフランケンです。
地図に示したようにフランケンは大きく3つのベライヒ(Bereich)に分類されます。
・Mainviereck(マインフィアエック/マイン四角地帯 )
一番西側、フランクフルト寄り。(フランケン全体では少量の)ほぼリースリングのみ。
・Maindreieck(マインドライエック/マイン三角地帯)
真ん中のヴュルツブルクを含む三角形の地帯。フランケン全生産量70%以上占める。
・Steigerwald(シュタイガーヴァルト )
一番東側、四角でも三角でもないところ(笑)。
「Kabinett Trocken」の表示がありますので、等級についておさらいしておきます。
クヴァリテーツワイン(Qualitätswein)、QbA(Qualitätswein bestimter Anbaugebiete =特定産地上質ワイン)の上位に補糖が認められないプレディカーツヴァイン(Prädikatswein)、旧称QmP(Qualitätswein mit Prädikat =肩書き付き上質ワイン)があります。
プレディカーツヴァインは果汁糖度(エクスレ度)により以下の6つのクラスに分けられます。
・Kabinett:通常収穫の完熟ブドウ(最低エクスレ度:67〜82)
・Spätlese:Kabinettより7日間以上遅い遅摘み(最低エクスレ度:76〜90)
・Auslese:Spätleseより糖度の高い房選り収穫(最低エクスレ度:83〜100)
・Beerenauslese:より過熟した粒選り収穫(最低エクスレ度:110〜128)
・Trockenbeerenauslese:貴腐ブドウ(最低エクスレ度:150〜154)
・Eiswein:樹上で自然凍結したブドウを使用(最低エクスレ度:110〜128)
「Kabinett Trocken」となると辛口です。甘口・辛口は以下ように表示。
・トロッケン(Trocken)は最高残糖分9g/L以下の極辛口ワインです。
キャップ、ネックにはシンボルマーク入りですね。
作り手の「DIVINO」は1951年にマイン川沿いのノルトハイム・アム・マイン(Nordheim am Main)に創設されたワイン協同組合です。2012年には、ヴュルツブルク(Würzburg)の近くのテュンガースハイム(Thüngersheim)の協同組合を併合して、現在合計360haの畑、284のワイン生産者を抱えています。フランケンでは2番目に大きなワイナリーということになるそうです。
公式ページはさすが大手協同組合、内容含めしっかりしたものです。
今日のジルヴァーナーも最新ヴィンテージの2020年になっていますがデータシートも完備です。
・ジルヴァーナー 100%
「Nordheimer Vögelein」は「ノルトハイムの小鳥」という意味のようですが畑名でしょうか。フランケンのこの地方の典型的な土壌は貝殻石灰岩だそうで、その特徴を反映したフランケンらしいワインに仕上がってるとのこと。ステンレスタンクで発酵、樽はありません。
これがジルヴァーナーですが、正式名称を「Grüner Silvaner」といいます。
1998年に行われたDNA分析では、Traminer(Savagnin Blanc)x Österreichisch-Weiß の自然交配だろうということがわかっています。原産はオーストリアになります。1990年頃まではリースリングよりポピュラーだったそうですが、現在はドイツ全体の5%(4,744ha)しか栽培されていません。しかしながら、フランケンでは全体の24.3%(2017年)を占め、フランケンの代表品種となっています。実はフランケン地方ではミュラー・トゥルガウ(Müller-Thurgau)の方が若干の差で(ミュラー・トゥルガウはフランケン全体の25.9%)最も多く栽培されているんですが、フランケンのテロワールを体現できるジルヴァーナーを再びフランケン第一の品種に復活させようという動きがワイン生産者の中で起こっているそうです。
※ 2019年最新データを見るとジルヴァーナーが僅差で1位(!)。1位奪還達成してますやん。
・Silvaner (24.8%)
・Müller-Thurgau (24.3%)
・Bacchus (12.3%)
ちなみにフランケンの白:赤の比率は、82%:18% だそうです。
「Grüner Silvaner」の「Grüner」は「緑色の~」という意味です。ということは他の色のジルヴァーナーもあるのかなと察しますが、その通り。赤(Roter~)と青(Blauer~)があります。
Roter Silvaner は「グリ」っぽいですね。Blauer Silvaner は青というより黒ブドウですね。実際「Schwarzer(黒い)Silvaner」とも呼ばれます。これらはジルヴァーナーから突然変異で生まれたため、(グリューナー)ジルヴァーナーとは遺伝的には区別がないそうです。
さて、ノルトハイム・アム・マイン(Nordheim am Main)の DIVINO を訪問します。
例によってストビューがないのでGoogle Mapに上がっていた写真を拝借。ショップやテイスティングルーム完備の立派な施設です。小さな町の大きな施設という感じ。合併したテュンガースハイム(Thüngersheim)はちょっと離れています。(下の地図の左端)
フランケン全体を見てみましょう。マイン川がシュヴァインフルトあたりから大きく蛇行して「W」を描きながらフランクフルトまで続きます。これら河畔の地域がフランケンです。
地図に示したようにフランケンは大きく3つのベライヒ(Bereich)に分類されます。
・Mainviereck(マインフィアエック/マイン四角地帯 )
一番西側、フランクフルト寄り。(フランケン全体では少量の)ほぼリースリングのみ。
・Maindreieck(マインドライエック/マイン三角地帯)
真ん中のヴュルツブルクを含む三角形の地帯。フランケン全生産量70%以上占める。
・Steigerwald(シュタイガーヴァルト )
一番東側、四角でも三角でもないところ(笑)。
ややこしいのが、これ以外に、タウバー川沿いのベライヒが、Tauberfranken(タウバーフランケン)といってバーデン(Baden)地域に属します。
ドイツの13ワイン生産地域の中でのフランケンの位置関係を確認。「W」の形ですね。
何気にネットで拾った地図を貼りましたが、いい地図ですね。色分けでわかりやすい上に、主要品種が赤・白比率で示してあり、視覚的に理解ができます。フランケンは白が大半、ジルヴァーナーがミュラー・トゥルガウに及ばないことになっています。赤品種はピノ・ノワールだけ書いていますがフランケンではドミナも多いです。
ラベル平面化画像…と言うっか、ボックスボイテルは元から平面です(笑)。ドイツの13ワイン生産地域の中でのフランケンの位置関係を確認。「W」の形ですね。
何気にネットで拾った地図を貼りましたが、いい地図ですね。色分けでわかりやすい上に、主要品種が赤・白比率で示してあり、視覚的に理解ができます。フランケンは白が大半、ジルヴァーナーがミュラー・トゥルガウに及ばないことになっています。赤品種はピノ・ノワールだけ書いていますがフランケンではドミナも多いです。
「Kabinett Trocken」の表示がありますので、等級についておさらいしておきます。
クヴァリテーツワイン(Qualitätswein)、QbA(Qualitätswein bestimter Anbaugebiete =特定産地上質ワイン)の上位に補糖が認められないプレディカーツヴァイン(Prädikatswein)、旧称QmP(Qualitätswein mit Prädikat =肩書き付き上質ワイン)があります。
プレディカーツヴァインは果汁糖度(エクスレ度)により以下の6つのクラスに分けられます。
ブドウ果汁の比重を利用し、1000mlが1001gあれば1エクスレ(Öchsle)度と表します。
・Kabinett:通常収穫の完熟ブドウ(最低エクスレ度:67〜82)
・Spätlese:Kabinettより7日間以上遅い遅摘み(最低エクスレ度:76〜90)
・Auslese:Spätleseより糖度の高い房選り収穫(最低エクスレ度:83〜100)
・Beerenauslese:より過熟した粒選り収穫(最低エクスレ度:110〜128)
・Trockenbeerenauslese:貴腐ブドウ(最低エクスレ度:150〜154)
・Eiswein:樹上で自然凍結したブドウを使用(最低エクスレ度:110〜128)
「Kabinett Trocken」となると辛口です。甘口・辛口は以下ように表示。
・トロッケン(Trocken)は最高残糖分9g/L以下の極辛口ワインです。
・ハルプトロッケン(Halbtrocken)は最高残糖分18g/L以下の半辛口。
・ファインヘルプ(Feinhelb)は残った糖分の甘さも感じられる半辛口。
・リーブリッヘ(Liebliche)は「愛らしい」甘さ?
・ズーズ(süß/süss)は「めちゃ甘」でしょうね。
さあ、スクリュー回転。・リーブリッヘ(Liebliche)は「愛らしい」甘さ?
・ズーズ(süß/süss)は「めちゃ甘」でしょうね。
キャップ、ネックにはシンボルマーク入りですね。
Alc.13.5%。
オレンジ気味のイエロー。
青リンゴ、白い花、金柑。
なんとなくペトロールっぽくも。
なんとなくペトロールっぽくも。
なめらかな酸のある辛口アタック。
クールな感じの柑橘系の風味。
コッテリでなくアッサリ系ですね。
ミネラル感も効いてるんですが、
やはり最後まで薄味アッサリの印象です。
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Divino
Franconia Silvaner 2018
Nordheimer Vögelein
Kabinett Trocken
Franconia Silvaner 2018
Nordheimer Vögelein
Kabinett Trocken
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