ソアヴェなんですが、「Soave Roncà-Monte Calvarina DOC」となっていました。これは UGA(Unità Geografica Aggiuntiva:地理的追加単位)とか MeGA / MGA(Menzione Geografica Aggiuntiva:地理的追加言及)というもので、DOC / DOCGにある特定の地域や区画の名称を付記するものです。エリアが限定されるとやはりちょっと上等になったような気がします(笑)。これらをひも解きながら早速お試しするとしましょう。
作り手は1934年から3世代に渡って続くダル・チェロ家の家族経営のワイナリーです。創業の地はまさに今日のワインのソアヴェを生むヴェローナ近くのロンカー(Roncà)というコムーネです。そこを「Tenuta Corte Giacobbe」と呼んでいるようです。1980年代にトスカーナの地に「Tenuta Montecchiesi」というワイナリーを取得、さらにソアヴェ近くのヴァルポリチェッラのエリアにも拠点を構えました。いずれもサンジョヴェーゼやヴァルポリチェッラのコルヴィーナなどの品種に適した土壌・地質を探して選んでいるそうで、創業の地のロンカ―が火山性土壌でソアヴェに適していたという経験から来ているようです。
公式ページは視覚効果の多いカッコいいタイプですが、少々見にくいです(笑)。
ワイン紹介はデータシート完備で充実しています。
・ガルガネガ 100%
手摘み収穫。温度管理されたステンレスタンクで発酵。そのまま3ヶ月の熟成期間を経、瓶詰め後も45日放置プレーします。ソアヴェDOCの規定では2ヶ月の熟成なのでクリアですね。
ガルガネガ(Garganega)です。ソアヴェDOCではガルガネガを70%以上使う規定です。
ガルガネガは13世紀から言及されていた非常に古い品種で、おそらく(ソアヴェのある)ヴェネト州ヴェローナあたりが原産ではないかと言われています。ヨーロッパ品種の遺伝子の源流のひとつに当たるようで、非常に広範囲に多くの子孫が生まれています。トレッビアーノ・トスカーノ(Trebbiano Toscano)はガルガネガの子です。シチリアで栽培されているグレカニコ(Grecanico Dorato)はDNA分析によりガルガネガと同一と判明しており、同じくシチリアのカタラット(Catarratto)はガルガネガ(=グレカニコ)の子にあたります(Garganega x Mantonico Bianco 間の自然交配とされる)。
Soave DOC は1968年制定。ガルガネガを70%以上使う規定ということですが、つまりは30%まで Trebbiano di Soave(=Verdicchio)やシャルドネのブレンドが許されています。歴史的な地区(ソアヴェ周辺?)からのワインはクラッシコ(Classico)が名乗れます。いわゆるサブゾーンの扱いです。(ソアヴェDOCにはクラシッコの他に「Colli Scaligeri」というサブゾーンがあります。)熟成は2ヶ月以上(サブゾーンは4ヶ月)の規定で樽の規定はありません。
1998年に Recioto di Soave DOCG(甘口デザートワイン、発泡)が、2001年に Soave Superiore DOCG がDOCG化しています。それぞれ熟成期間が10ヶ月、6ヶ月(Riservaは12~13ヶ月)となっています。また、どちらもソアヴェDOC同様、サブゾーンとしてのクラッシコ(Classico)があります。
ダル・チェロのテヌータ・コルテ・ジアコッベ(Tenuta Corte Giacobbe)訪問。
ソアヴェ村の北側のロンカー(Roncà)というコムーネにあります。
ソアヴェDOCの対象コムーネを示した地図で見るとこうなります。
さて、冒頭で見たように、今日のワインは「Soave Roncà-Monte Calvarina DOC」です。ソアヴェDOCでは UGA(Unità Geografica Aggiuntiva:地理追加単位)もしくは MeGA / MGA(Menzione Geografica Aggiuntiva:地理的追加言及)というものを付記できるところが33ヶ所あり、その一つが「Roncà-Monte Calvarina」というわけです。ロンカー(Roncà)はコムーネの名前で、モンテ・カルヴァリナ(Monte Calvarina)は「カルヴァリナ山」という意味で、カルヴァリナ山はエリアの背後にあるかつての火山で、火山性の土壌(微量元素が豊富な溶岩と凝灰岩で構成される)が特徴になっています。他のソアヴェとはちょっと違ったものができそうですね。
以下にその33のUGAを挙げておきます。
いつものヴェローナ周辺地図でソアヴェのエリアを確認します。
ダル・チェロのテヌータ・コルテ・ジアコッベの場所も示しています。ロンカー(Roncà)ですね。ソアヴェDOCのエリアはヴァルポリチェッラDOCやアルコーレDOCと重なってることも確認ください。
最後にいつものヴェネト州のDOC他を俯瞰できる地図を置いておきます。
ソアヴェDOCがどのあたりか見当がつくようになりましたでしょうか。
ラベル平面化画像。
Soave Roncà-Monte Calvarina DOCという名前もさることながら、火山性土壌を表す岩石の絵がいい感じです。
裏ラベルにはその火山性土壌の話が書いてあるんですが…。
まさにその部分をインポーターシールが丸隠しです。許さん!
さあ、抜栓。
コルク平面化。
なんと10年耐用のDIAM10です。そんなに寝かせられるのかしら?
作り手は1934年から3世代に渡って続くダル・チェロ家の家族経営のワイナリーです。創業の地はまさに今日のワインのソアヴェを生むヴェローナ近くのロンカー(Roncà)というコムーネです。そこを「Tenuta Corte Giacobbe」と呼んでいるようです。1980年代にトスカーナの地に「Tenuta Montecchiesi」というワイナリーを取得、さらにソアヴェ近くのヴァルポリチェッラのエリアにも拠点を構えました。いずれもサンジョヴェーゼやヴァルポリチェッラのコルヴィーナなどの品種に適した土壌・地質を探して選んでいるそうで、創業の地のロンカ―が火山性土壌でソアヴェに適していたという経験から来ているようです。
公式ページは視覚効果の多いカッコいいタイプですが、少々見にくいです(笑)。
ワイン紹介はデータシート完備で充実しています。
・ガルガネガ 100%
手摘み収穫。温度管理されたステンレスタンクで発酵。そのまま3ヶ月の熟成期間を経、瓶詰め後も45日放置プレーします。ソアヴェDOCの規定では2ヶ月の熟成なのでクリアですね。
ガルガネガ(Garganega)です。ソアヴェDOCではガルガネガを70%以上使う規定です。
ガルガネガは13世紀から言及されていた非常に古い品種で、おそらく(ソアヴェのある)ヴェネト州ヴェローナあたりが原産ではないかと言われています。ヨーロッパ品種の遺伝子の源流のひとつに当たるようで、非常に広範囲に多くの子孫が生まれています。トレッビアーノ・トスカーノ(Trebbiano Toscano)はガルガネガの子です。シチリアで栽培されているグレカニコ(Grecanico Dorato)はDNA分析によりガルガネガと同一と判明しており、同じくシチリアのカタラット(Catarratto)はガルガネガ(=グレカニコ)の子にあたります(Garganega x Mantonico Bianco 間の自然交配とされる)。
Soave DOC は1968年制定。ガルガネガを70%以上使う規定ということですが、つまりは30%まで Trebbiano di Soave(=Verdicchio)やシャルドネのブレンドが許されています。歴史的な地区(ソアヴェ周辺?)からのワインはクラッシコ(Classico)が名乗れます。いわゆるサブゾーンの扱いです。(ソアヴェDOCにはクラシッコの他に「Colli Scaligeri」というサブゾーンがあります。)熟成は2ヶ月以上(サブゾーンは4ヶ月)の規定で樽の規定はありません。
1998年に Recioto di Soave DOCG(甘口デザートワイン、発泡)が、2001年に Soave Superiore DOCG がDOCG化しています。それぞれ熟成期間が10ヶ月、6ヶ月(Riservaは12~13ヶ月)となっています。また、どちらもソアヴェDOC同様、サブゾーンとしてのクラッシコ(Classico)があります。
ダル・チェロのテヌータ・コルテ・ジアコッベ(Tenuta Corte Giacobbe)訪問。
ソアヴェ村の北側のロンカー(Roncà)というコムーネにあります。
ソアヴェDOCの対象コムーネを示した地図で見るとこうなります。
さて、冒頭で見たように、今日のワインは「Soave Roncà-Monte Calvarina DOC」です。ソアヴェDOCでは UGA(Unità Geografica Aggiuntiva:地理追加単位)もしくは MeGA / MGA(Menzione Geografica Aggiuntiva:地理的追加言及)というものを付記できるところが33ヶ所あり、その一つが「Roncà-Monte Calvarina」というわけです。ロンカー(Roncà)はコムーネの名前で、モンテ・カルヴァリナ(Monte Calvarina)は「カルヴァリナ山」という意味で、カルヴァリナ山はエリアの背後にあるかつての火山で、火山性の土壌(微量元素が豊富な溶岩と凝灰岩で構成される)が特徴になっています。他のソアヴェとはちょっと違ったものができそうですね。
以下にその33のUGAを挙げておきます。
Brognoligo、Broia、Ca’ del Vento、Campagnola、Carbonare、Casarsa、Castelcerino、Castellaro、Colombara、Corte del Durlo、Costalta、Costalunga、Coste、Costeggiola、Croce、Duello、Fittà、Foscarino、Froscà、Menini、Monte di Colognola、Monte Grande、Paradiso、Pigno、Ponsara、Pressoni、Roncà–Monte Calvarina、Rugate、Sengialta、Tenda、Tremenalto、Volpare、Zoppega
いつものヴェローナ周辺地図でソアヴェのエリアを確認します。
ダル・チェロのテヌータ・コルテ・ジアコッベの場所も示しています。ロンカー(Roncà)ですね。ソアヴェDOCのエリアはヴァルポリチェッラDOCやアルコーレDOCと重なってることも確認ください。
最後にいつものヴェネト州のDOC他を俯瞰できる地図を置いておきます。
ソアヴェDOCがどのあたりか見当がつくようになりましたでしょうか。
ラベル平面化画像。
Soave Roncà-Monte Calvarina DOCという名前もさることながら、火山性土壌を表す岩石の絵がいい感じです。
裏ラベルにはその火山性土壌の話が書いてあるんですが…。
まさにその部分をインポーターシールが丸隠しです。許さん!
さあ、抜栓。
コルク平面化。
なんと10年耐用のDIAM10です。そんなに寝かせられるのかしら?
Alc.12.5%。
ゴールドイエロー。
洋梨、白桃。
甘やかな雰囲気ですが辛口アタック。
ソアヴェらしい心もとない感じ(?)もあるんですが、
キリッとした酸が締めてくれる味わいで軽さを感じさせません。
余韻にかけて甘さや苦味や多様な面を見せます。
これが土壌からくるミネラル感でしょうか。
これが土壌からくるミネラル感でしょうか。
アクアパッツァにすごく合いました(笑)。
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Dal Celo Family
Tenuta Corte Giacobbe
Soave Roncà-Monte Calvarina DOC 2021
Soave Roncà-Monte Calvarina DOC 2021
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