Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Garganega

Dal Celo Family Tenuta Corte Giacobbe Soave Roncà-Monte Calvarina DOC 2021

ソアヴェなんですが、「Soave Roncà-Monte Calvarina DOC」となっていました。これは UGA(Unità Geografica Aggiuntiva:地理的追加単位)とか MeGA / MGA(Menzione Geografica Aggiuntiva:地理的追加言及)というもので、DOC / DOCGにある特定の地域や区画の名称を付記するものです。エリアが限定されるとやはりちょっと上等になったような気がします(笑)。これらをひも解きながら早速お試しするとしましょう。

IMG_0003
作り手は1934年から3世代に渡って続くダル・チェロ家の家族経営のワイナリーです。創業の地はまさに今日のワインのソアヴェを生むヴェローナ近くのロンカー(Roncà)というコムーネです。そこを「Tenuta Corte Giacobbe」と呼んでいるようです。1980年代にトスカーナの地に「Tenuta Montecchiesi」というワイナリーを取得、さらにソアヴェ近くのヴァルポリチェッラのエリアにも拠点を構えました。いずれもサンジョヴェーゼやヴァルポリチェッラのコルヴィーナなどの品種に適した土壌・地質を探して選んでいるそうで、創業の地のロンカ―が火山性土壌でソアヴェに適していたという経験から来ているようです。

公式ページは視覚効果の多いカッコいいタイプですが、少々見にくいです(笑)。

ワイン紹介はデータシート完備で充実しています。

・ガルガネガ 100%

手摘み収穫。温度管理されたステンレスタンクで発酵。そのまま3ヶ月の熟成期間を経、瓶詰め後も45日放置プレーします。ソアヴェDOCの規定では2ヶ月の熟成なのでクリアですね。

ガルガネガ(Garganega)です。ソアヴェDOCではガルガネガを70%以上使う規定です。
Suavia04
ガルガネガは13世紀から言及されていた非常に古い品種で、おそらく(ソアヴェのある)ヴェネト州ヴェローナあたりが原産ではないかと言われています。ヨーロッパ品種の遺伝子の源流のひとつに当たるようで、非常に広範囲に多くの子孫が生まれています。トレッビアーノ・トスカーノ(Trebbiano Toscano)はガルガネガの子です。シチリアで栽培されているグレカニコ(Grecanico Dorato)はDNA分析によりガルガネガと同一と判明しており、同じくシチリアのカタラット(Catarratto)はガルガネガ(=グレカニコ)の子にあたります(Garganega x Mantonico Bianco 間の自然交配とされる)

Soave DOC は1968年制定。ガルガネガを70%以上使う規定ということですが、つまりは30%まで Trebbiano di Soave(=Verdicchio)やシャルドネのブレンドが許されています。歴史的な地区(ソアヴェ周辺?)からのワインはクラッシコ(Classico)が名乗れます。いわゆるサブゾーンの扱いです。(ソアヴェDOCにはクラシッコの他に「Colli Scaligeri」というサブゾーンがあります。)熟成は2ヶ月以上(サブゾーンは4ヶ月)の規定で樽の規定はありません。

1998年に Recioto di Soave DOCG(甘口デザートワイン、発泡)が、2001年に Soave Superiore DOCG がDOCG化しています。それぞれ熟成期間が10ヶ月、6ヶ月(Riservaは12~13ヶ月)となっています。また、どちらもソアヴェDOC同様、サブゾーンとしてのクラッシコ(Classico)があります。

ダル・チェロのテヌータ・コルテ・ジアコッベ(Tenuta Corte Giacobbe)訪問。
Dal-Cero-Giacobbe
ソアヴェ村の北側のロンカー(Roncà)というコムーネにあります。

ソアヴェDOCの対象コムーネを示した地図で見るとこうなります。
Soave_Subregion
さて、冒頭で見たように、今日のワインは「Soave Roncà-Monte Calvarina DOC」です。ソアヴェDOCでは UGA(Unità Geografica Aggiuntiva:地理追加単位)もしくは MeGA / MGA(Menzione Geografica Aggiuntiva:地理的追加言及)というものを付記できるところが33ヶ所あり、その一つが「Roncà-Monte Calvarina」というわけです。ロンカー(Roncà)はコムーネの名前で、モンテ・カルヴァリナ(Monte Calvarina)は「カルヴァリナ山」という意味で、カルヴァリナ山はエリアの背後にあるかつての火山で、火山性の土壌(微量元素が豊富な溶岩と凝灰岩で構成される)が特徴になっています。他のソアヴェとはちょっと違ったものができそうですね。

以下にその33のUGAを挙げておきます。

Brognoligo、Broia、Ca’ del Vento、Campagnola、Carbonare、Casarsa、Castelcerino、Castellaro、Colombara、Corte del Durlo、Costalta、Costalunga、Coste、Costeggiola、Croce、Duello、Fittà、Foscarino、Froscà、Menini、Monte di Colognola、Monte Grande、Paradiso、Pigno、Ponsara、Pressoni、Roncà–Monte Calvarina、Rugate、Sengialta、Tenda、Tremenalto、Volpare、Zoppega

いつものヴェローナ周辺地図でソアヴェのエリアを確認します。
Verona周辺_3
ダル・チェロのテヌータ・コルテ・ジアコッベの場所も示しています。ロンカー(Roncà)ですね。ソアヴェDOCのエリアはヴァルポリチェッラDOCやアルコーレDOCと重なってることも確認ください。

最後にいつものヴェネト州のDOC他を俯瞰できる地図を置いておきます。
VENETO_FRIULI_DOC_delle_Ven
ソアヴェDOCがどのあたりか見当がつくようになりましたでしょうか。


ラベル平面化画像。
IMG_9957
Soave Roncà-Monte Calvarina DOCという名前もさることながら、火山性土壌を表す岩石の絵がいい感じです。

裏ラベルにはその火山性土壌の話が書いてあるんですが…。
IMG_9956
まさにその部分をインポーターシールが丸隠しです。許さん!


さあ、抜栓。
IMG_9994

コルク平面化。
IMG_9995
なんと10年耐用のDIAM10です。そんなに寝かせられるのかしら?

Alc.12.5%。
ゴールドイエロー。
IMG_9998

洋梨、白桃。
甘やかな雰囲気ですが辛口アタック。
ソアヴェらしい心もとない感じ(?)もあるんですが、
キリッとした酸が締めてくれる味わいで軽さを感じさせません。
余韻にかけて甘さや苦味や多様な面を見せます。
これが土壌からくるミネラル感でしょうか。
アクアパッツァにすごく合いました(笑)。


*****


Dal Celo Family
Tenuta Corte Giacobbe
Soave Roncà-Monte Calvarina DOC 2021
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01

Cantina di Custoza Custoza 2021

クストーツァ(Custoza)DOCの白ワインです。別名ビアンコ・ディ・クストーツァ(Bianco di Custoza)なので白しかないイタリア・ヴェネト州ガルダ湖周辺のDOCになります。とにかくその辺りはややこしいヴェネト州の中でも特にややこしいのでついつい苦手意識が出ますが、ヴァルポリチェッラやソアヴェばかりじゃつまらないのでこういうのも敢えてお試しするわけです。

IMG_8832
作り手は、その名もカンティーナ・ディ・クストーザ(Cantina di Custoza)。協同組合のような名前ですがその通りです(笑)。

1968年創業の歴史あるところですが、カンティーナ・ヴァルパンテナ(Cantina Valpantena)というヴァルポリチェッラの老舗に2021年に買収され、カンティーネ・ディ ・ヴェローナ(Cantine di Verona)というグループ傘下になっています。
Grupo_Cantine-di-Verona
カンティーナ・ディ・クストーザ自体は200人のメンバーと計1,000haの畑を持つクストーツァDOCを代表する作り手です。と言うか、Custoza / Bianco di Custoza DOC がDOC認定されたのが1971年で、その3年前に創立していますから、地域のワインのDOC認定に大きく貢献したであろうことは想像に難くありません。


公式ページグループ全体のものもありますが単独のものがこれです。

クラシックシリーズという位置づけの一本で、同ワイナリーの主力ラインアップということのようです。データシートまで完備なんですがブレンド%は不明でした。

・ガルガネガ
・トレッビアーノ
・トカイ・フリウラーノ

データシートにはこの順番で書いてあったので、ガルガネガが最大%と勝手に思っておきます。醸造・熟成はステンレスタンクのみです。

Custoza / Bianco di Custoza DOC は白のDOCと言いましたが、主要品種として以下が定められていて、主要品種で全体の70%を占めるとともに、これらの中の1品種が45%以上を占めないといけません。なのでおそらく今日のワインはガルガネガが45%以上入ってるんでしょう。

・ガルガネガ
・トレッビアーノ・トスカーノ
・トカイ・フリウラーノ
・コルテーゼ

ガルガネガ(Garganega)はソアヴェDOCで有名なイタリア原産の白ブドウです。
Suavia04
非常にルーツの古い品種で13世紀から記録に残っています。親子関係はまだ確定されていませんが、ガルガネガから多くのヨーロッパ品種の子孫が生まれたとされています。おそらくヴェネト州のヴェローナ県が発祥と言われているだけあって、今日のクストーツァを含めこの地域の名産品種になっています。

イタリアではよく登場します、トレッビアーノ・トスカーノ(Trebbiano Toscano)です。
Trebbiano-Toscano
120もあるというシノニムの多さが品種の広がりを示しています。フランスではユニ・ブラン(サンテミリオン)でしたね。原産はイタリア、おそらく(やはり)トスカーナです。しかし、DNA分析ではガルガネガとの親子関係が認められたといいます。ここはガルガネガ恐るべしと言うべきか…。

トカイ・フリウラーノ(Tocai Friulano)ですが最近は「Friulano」とだけで呼ばれます。
Tocai-Friulano
「トカイ」というとハンガリーの有名なワインと紛らわしいということで単に「フリウラーノ」と言うようにEU当局からご指導があったようです(笑)。トカイの主要品種はフルミント(Furmint)ですけどね(笑)。フランス南西部(ジロンド県)が原産にもかかわらず「トカイ」なんて名前についているのがまずもっておかしいのですが、フリウラーノ(「フリウリの」の意)というのもどうかと思います。実際、栽培されているのはフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州(Friuli-Venezia Giulia)とヴェネト州(Veneto)がほとんどで(もはやフランスでは消滅したそうです。)、そこから「フリウラーノ」の名前は来てるんでしょうが、今ではおとなしく地元では「Friulano」とのみ呼んでいるようです。クストーツァDOCあたりでは、「Tai」とか「Trebbianello」とうシノニムで呼ぶようです。最後になってあれですが、一番正式な呼び方としては「Sauvignonasse」とか「Sauvignon Vert」とすることが多いようです。

今日のワインには入ってなさそうですが、コルテーゼ(Cortese)にも触れておきましょう。
Cortese
コルテーゼはご存知のように、ピエモンテのガヴィ(Gavi / Cortese di Gavi DOCG)が有名なわけですが(全生産の9割がここです。)、クストーツァもおらが品種として推したいようで、地元のシノニム「Bianca Fernanda」と呼んで2019年よりクストーツァDOCの主要品種に加えたみたいです。


作り手訪問。なかなか大きな敷地と施設です。クストーツァの集落からは車で5分ほどです。
Custoza01
カンティーネ・ディ ・ヴェローナ(Cantine di Verona)グループ傘下になったのが2021年ということなので、現在は看板等すげ替えられているかもしれませんね。


いつものヴェローナ周辺の地図で主要DOCとの位置関係を把握しましょう。
Verona周辺_2
Custoza / Bianco di Custoza DOC は一部ガルダ湖に面していますが、そのあたりの部分を含めて Bardolino DOC と大胆にオーバーラップ、というかほぼ内包されていますね。Bardolino DOC はコルヴィーナ(Corvina)主体の赤のDOCですが、Custoza / Bianco di Custoza DOC は既出のように白のDOCなので、双方で表裏一体のDOCと思っていいと思います。
ヴェローナ周辺は有名なヴァルポリチェッラやソアヴェに注目が行きがちですが、位置関係含めたそれぞれのオーバーラップ度合や、ソアヴェと重なる Arcole DOC なんていうのも記憶にとどめておきましょう。(Arcole DOC:2000年認定のDOCで、メルロー主体の赤とガルガネガ主体の白があります。)

ロンバルディア州にまたがるガルダ湖周辺の目線で位置関係を見ておきましょう。
Garda_Lake
この地図上には明記していませんが、ロンバルディア州とヴェネト州にまたがるガルダ湖周辺は全体として Garda DOC というDOCになっています。

しかし、ヴェローナ周辺というのはヴェネト州としてはほんの西の端っこなんですよね。
Suavia03
まだまだ東側にはプロセッコはじめ大量のDOC/DOCGが存在します。課題多し…。今見たように、ガルダ湖周辺はロンバルディア州とヴェネト州にまたがる Garda DOC がありますし、トレンティーノ=アルト・アディジェ特別自治州(Trentino-Alto Adige)の Valdadige / Etschtaler DOC はヴェネト州側にもはみ出ています。フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州(Friuli-Venezia Giulia)との境には Lison DOCG というフリウラーノ主体(Friulanoを現地ではLisonと呼びます。)の白のDOCGが双方の州にまたがっています。

ヴェネト州、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州のトレンティーノ(トレント自治県)の3地域は歴史的にも関係が深いので、3地域にまたがる広大な範囲のDOCが存在します。Delle Venezie DOC です。地図で見てみましょう。
delle_Venezie_DOC
この範囲は、中世に存在したヴェネツィア共和国の領土とおおよそ符合します。このDOC、元は IGT Delle Venezie として1995年にできた IGT(Indicazione Geografica Tipica)で、2017年にDOC化しています。※IGT=EUワイン法でいうところの IGP(Indicazione Geografica Protetta)
Delle Venezie DOC の成立に伴い、元のIGTは IGP Trevenezie として残されました。(3州にまたがるという意味でしょうか、「3つのヴェネツィア」って変な名前です。)対象範囲はDOCと全く同じですが、IGP Trevenezie には赤の設定があり、国際品種含めほぼ何でもOKとなっています(85%以上で品種表示も可能)。
Delle Venezie DOC はピノ・グリージョ主体の白のみです。ピノ・グリージョが85%以上で Pinot Grigio delle Venezie DOC と表記ができ、ピノ・グリージョを前面に押し出すためにあるようなDOCです。ただし、ビアンコ(Bianco)もあり、シャルドネ、フリウラーノ、ガルガネガ、ミュラー・トゥルガウ、ピノ・ブランなど主要品種を50%以上使う規定になっていますが、これはピノ・グリージョを栽培していない作り手を救済するために残されている設定と言え、実際は大半をピノ・グリージョが占めます。
クストーツァDOCからずいぶん脱線しましたね(笑)。一応、作り手のカンティーナ・ディ・クストーザの場所もそれぞれの地図上に示してあるので広域との位置関係を見ておいてください。


ラベル平面化画像。
IMG_8611
このシリーズの表ラベルには童話にちなんだ絵が描かれているそうです。このクストーツァはアンデルセン童話の「しっかり者のスズ(錫)の兵隊」なんだそうで。(知らない…笑)しかし、インポーターのラベル、いただけませんねぇ。

バーコードを隠していたんでしょうが、うまく剥がせませんでした。
IMG_8836
隠れていたのは、容量とアルコール度数、リサイクル表示ですね。


さあ、スクリュー回転です。
IMG_8831
キャップは一応マーク入り。

Alc.12.5%。
ゴールドイエロー。
IMG_8829

青リンゴ、夏ミカン。
シャーベットっぽい感じの香り方です。
刺さないけど豊富な酸の辛口アタック。
ミネラル感もたくさんあり、
なめらかな濃いめの味わいが楽しめます。
柑橘っぽさは少ないかな。

品種もガルガネガだからか、
上等なソアヴェの味わいです。


*****


Cantina di Custoza
Custoza 2021
WWWポイント78点



WhiteWhiteWine01

Suavia Monte Carbonare 2017 Soave DOC Classico

ソアヴェ(Soave)というと、お手頃で軽い味わいのイメージですが、過去のイタ飯ブームなんかで乱造して品質を落としていたこともあったとか。しかしながら、上等なやつはやはりおいしいと聞きます。それじゃあ、ちょっといいやつを試してみようかなということで、こんなのをゲット。ソアヴェの代表的なワイナリー、テッサーリ家が醸すソアヴェ・クラッシコだそうですが、パーカーおじさんが93点をつけています。これはいいかも…って、おじさんに影響されすぎ(笑)。

IMG_4733
19世紀からソアヴェの丘フィッタ(Fittà)でワイン造りをするテッサーリ家が1982年から元詰めを始め、ソアヴェの古い呼び方「スアヴィア(Suavia)」を名乗って今に至ります。今日のワイン、パーカーおじさんの93点と書きましたが、その前年の2016年も93点。2015年も92点となかなかの評価です。

公式ページは凝った作りにして失敗してるタイプ(笑)。ワイン紹介探すのに難儀しました。

ラベルにも誇らしげに書いてありますが、
・ガルガネガ 100%
手摘み収穫、全房を圧搾、ステンレスタンクで発酵、MLFなしです。熟成はステンレスタンクで15ヶ月(シュールリー)、瓶詰め後さらに5ヶ月。結構長くやってますね。上等なソアヴェは樽を使うと聞きますが、これは樽はないようです。

Soave DOC は1968年制定。ガルガネガを70%以上使う規定です。
Suavia04
30%まで、Trebbiano di Soave(=Verdicchio)やシャルドネのブレンドが許されています。歴史的な地区(ソアヴェ周辺?)からのワインはクラッシコ(Classico)が名乗れます。いわゆるサブゾーンの扱いです。熟成は2ヶ月以上(サブゾーンは4ヶ月)の規定で樽の規定はありません。

1998年に Recioto di Soave DOCG(甘口デザートワイン、発泡)が、2001年に Soave Superiore DOCG がDOCG化しています。それぞれ熟成期間が10ヶ月、6ヶ月(Riservaは12~13ヶ月)となっています。(あれれ、今日の Soave DOC、Superiore が名乗れそうなもんですがね。)また、どちらもソアヴェDOC同様、サブゾーンとしてのクラッシコ(Classico)があります。


さあ、作り手訪問。ソアヴェの市街から北に車で15分ほどの山間です。
Suavia01
最近建て直したのか新しい建物ですね。

いつものヴェローナ周辺のDOC/DOCGをまとめた地図に所在を追記しました。
Suavia02
Valpolicella や Bardolino との位置関係もだいたいわかってきました。

しかし、これはヴェネト州のほんの西の端っこなんですよね。
Suavia03
まだまだ東側にはプロセッコはじめ大量のDOC/DOCGが存在します。課題多し…。


ラベル平面化画像。
IMG_4606
長~い1枚ものです。

インポーターシールは剥がしましたがこんなかんじでした。
IMG_4604

作り手のメッセージの、よりによって英語の方を隠すとは。みんな英語ぐらいは読みますから。アルカンさん、アカンよ。


さあ、抜栓。
IMG_4729
「SUAVIA」ロゴ入り。

コルク平面化。
IMG_4731
まあ、ここもロゴだけ。

Alc.12.5%。(pH:3.96、Brix:5.9)
薄めのゴールドイエロー。
IMG_4732

青リンゴ、白桃。
穏やかな酸を感じる辛口アタック。
スムースで滑らかな口当たりですね。
熟成の効果が感じられます。
しかし、昔から知ってるソアヴェの軽さはありますね。
ガルガネガの品種の個性なんでしょうか。
喉越しの苦味様の複雑さは最後に全体をまとめてくれます。
ちょっと、パーカーおじさんの高評価に戸惑います。


*****


Suavia
Monte Carbonare 2017
Soave DOC Classico
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01

Pasqua PassioneSentimento Veneto IGT 2016

スーパーで見つけたヴェネトIGPのお手頃白ワインです。
なんだかすごいラベルデザインですが、面白そうということでゲット。
調べると割とまともな作り手で、ワインもまともだったりするわけで、
こういう発見があるのでワイン選びは楽しいわけです。


IMG_1903
パスクアというこの作り手、1925年設立の3代に渡る家族経営のワイナリー。
ヴェローナに居を構え、Valpolicella及びVenetoに根差したワインづくりをするも、
そのネーミングはとってもユニーク。今日のだって読めたもんじゃないです。
裏ラベルを見ると日本のインポーターは「パッシメント」と紹介していますが、
Passione Sentimento(情熱の気持ち)」が正しいようです。
アマローネの製法の「アパッシメント(陰干し)」にかけてるんでしょうね。

これがわかりやすいロゴです。
Pasqua03
落書きのような表ラベルじゃ、読めね~っつ~の。(笑)

普通のアマローネなんかも出してますが、トップキュヴェらしきのが面白い名前。
その名も「Hey French. You could have made this but you didn't」と言います。
「おい、フランス人。お前らこんなの作れたはずだけど、作んなかったよね。」って感じ?
非常に飲んでみたくなるネーミングです。(笑)長すぎだけど...。


公式ページは今どき風によくできています。

最新ヴィンテージの2018年になりますがデータシート完備です。
・ガルガネガ 100%
ということなので、ほぼSoaveのようですね。
(Soave DOCは、Garganegaが70%以上であればよく、Trebbiano di SoaveやChardonnayをブレンド可。)
Garganega
ただ、収穫・選果後、ドライルームにて陰干しし、糖度や香りを高めるそうです。
これがたぶん名前の「Passi Mento」で言わんとするところですね。
搾汁後、12時間のスキンコンタクトで複雑味や構造感を出すのだそう。
ステンレスタンクで発酵後、一部はフレンチオーク樽で香りづけも行い、
最終ブレンドしてできあがり。結構手間がかかってます。


さて、ヴェローナの市街からも近いワイナリー訪問。
Pasqua01
大きな建物なのですが、門からのアプローチが長く、ストビューではここまで。
まわりは一面ブドウ畑ですが、案外ヴェローナの市街地から近いです。


ヴェローナ周辺のDOC/DOCG地図で位置関係を見ておきます。
Pasqua02
パスクアも書き込みましたのでヴェローナのすぐ北東を見てください。
Valpolicellaエリアのすぐ東側がSoave DOCのエリアです。


エチケット平面化画像。
IMG_1824
ワイナリー訪問でヴェローナ市内のジュリエットの家までのルートを示しましたが、
実はこのワインはそこにあるロミオとジュリエットの壁がモチーフなのです。
壁と言っても落書きだらけでひどいもんですが、うまく再現できてはいます。(笑)

これがジュリエット家。「あ~ん、これか~!」でしょう?(笑)
Juliet01
シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」は実話というか、
モデルになった実在の人物がいたということらしいのですが、
ここはもう恋人同士の観光客向けスポットとして大人気なんだそうで。

ヴェローナのワイナリーとして、地元ネタのワインを作ったってことなんでしょう。
IMG_1918
ネックには「ロミオとジュリエットの壁、1日に3000メッセージ書き込まれる」とな。
(ネックの平面化に失敗し、複数の写真を貼ってつなげました。笑)

そうそう、ところで、インポーターシールは剥がしたので別撮りしてます。
IMG_1823
日本語で説明してくれるのはいいのですが、原文と内容が違います。
原文ではガルガネガを使ってることや、醸造前に陰干しすることも書いています。
こういう中途半端な裏ラベル対応が多いですね。嘆かわしい。

ネックにはこんなポップ(?)が付いてました。
IMG_1897
メッセージ書いて恋人同士で贈ってもらおうってことですね。イラネ~。(笑)


さあ、抜栓。
IMG_1907
キャップは無印ですが、コルクは銘入りですね。

コルクも平面化します。
IMG_1900
テクニカルコルク、DIAM2です。2年耐用ってことでしょう。
もう4年経ってますが。(笑)

Alc.13%。イエロー。
IMG_1901

梨、白桃、白い花、かすかにライム。
酸味と甘味が拮抗したようなアタック。
でも、辛口に分類できるでしょう。
フレッシュでクリアな柑橘系の味わいながらライチ感もあり?
かすかに苦味があるのがいいアクセントです。
余韻は最初の酸と甘みの拮抗が続きます。

うん、やっぱりソアヴェの印象ですね。
軽く行きたい時にいい感じです。


*****


Pasqua
PassioneSentimento 2016
Veneto IGT
WWWポイント 77点



WhiteWhiteWine01

Allegrini Soave 2017

アレグリーニの生産者来日試飲イベントでソアヴェを試飲。
昔は訳も分からず安物のソアヴェをよく飲んでいた気がします。
今回は、お勉強がてら記録を残しておきます。


IMG_7613
お値段わかりますね。DOCソアヴェでは上等な方かしら?


公式ページにもこのソアヴェは載っています。
セパージュは、
・ガルガネガ 80%
・シャルドネ 20%
ガルガネガはヴェネト州の代表品種です。面白い響きの名前ですね。
DOC基準ではシャルドネの他、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェや
ピノ・ビアンコを30%まで混ぜていいことになってます。
樽熟はせず、ステンレスタンクで4ヶ月+ボトルで2ヶ月だそうで。
Garganega


このソアヴェのデータシートに畑は「Mezzane di Sotto」とありました。
Soave01
アレグリーニの本拠地からはヴェローナ市街を迂回するので、
小1時間かかるみたいですね。ソアヴェ村の近くです。
その昔、ミラノからヴィチェンツァまで車で行ったことがあったので、
ミラノからの地図も入れておきました。(笑)


さて、いただきます。
アレグリーニのお兄さんの解説では、
火山由来の石灰分の土壌のお陰で、
かすかに塩味を感じるでしょう?とのこと。
Alc.13%。
ごく薄い黄色。
ライム、シャルドネっぽい香りです。
(シャルドネ入ってますもんね。)
爽やかです。
悪く言えば、薄い。軽い。
塩味?ありそうな気がします。

うす、かる、うま、ということで。


*****


Allegrini Soave 2017
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01
--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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