Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

GatoNegro

San Pedro 9 Lives Delirious Cabernet Sauvignon 2021

「9 Lives」というワインをスーパーの店頭で発見。そう、チリの大手サンペドロの出すお手頃バリエタルシリーズのガトネグロ(GatoNegro)のちょっと上級のグレード(のはず)です。ん? しかし、いつもの黒猫ちゃんも居ないし、そもそもガト・ネグロとどこにも書いていません。これは何事?と首をかしげながらも長らくお目にかかっていなかった 9 Lives ですからすぐさまゲットしお試しすることにいたしました。

IMG_1397
San Pedro は1865年という昔にクリコー・ヴァレーに創業し、今やチリを代表するワインメーカーになっていますが、そのサンペドロが黒猫マークの「GatoNegro」を始めたのが1960年という、これまた60年も前になります。おそらく世界で初めての、いわゆるクリッターワイン(Critter Wine、キャッチーな動物の絵柄がラベルに描かれているワイン)がガトネグロらしいです。カンガルーの絵柄で人気のオーストラリアのイエローテールが20年前かららしいので、ガト・ネグロはそれよりずっと昔のクリッターワインの先駆けというわけです。
10年程前でしょうか、ガトネグロの「Reserve」のシリーズが「GatoNegro 9 Lives」として登場しました。「9 Lives」というのはその昔サンペドロの創業のブドウ畑に現れたという幸運をもたらす黒猫の9回生きたという伝説からきたネーミングです。それが今回、「黒猫」が消えて「9つの魂」だけになってしまったのはちょっと解せませんね。

サンペドロの公式ページはこれ。ライナップの紹介もしっかりしています。

ただ、「Gato(Negro) 9 Lives」は載ってますが、「9 Lives」のみは見当たりません。

GatoNegroシリーズのブランド専用サイトというのが別にあります。

しかしここにも「9 Lives」のみというのは見当たりません。

するとどうでしょう。「9 Lives Wine」という専用ページができていました。

独立ブランド化させるマーケティングなんでしょうね。カッコいいサイトですが情報は極少。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

ワインについての詳細がないのでセパージュはネット情報です。「Reserve」なので多少の樽はあるはずですが、フレンチオーク樽で8~9ヶ月熟成とするサイトがあったのでそんなものだと思います。ワイン名の「Delirious Cabernet Sauvignon」というのは「有頂天の、狂喜乱舞した~」と言う意味ですが、ちょっと何言ってるかわかりません(笑)。

これが前述の「9 Lives Wine」という専用サイトのワイン紹介ページのスクショです。
名称未設定-1
カッコいいけど素性の情報ゼロというのは困りますね。


サンペドロはマウレ州クリコー・ヴァレーのモリーナに本拠地があります。
SanPedro01
カチャポアル・ヴァレーにもアルタイル(Altaïr)やカボ・デ・オルノス(Cabo de Hornos)などを作るプレミアムワイン専用ワイナリーを持っていますが、創業の地はこちらです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの本部にもなっているようです。

Google Mapでマウレ州を俯瞰して位置関係を確認。サンペドロも印してます。
Maule_Curico
サンペドロはマウレ州北側のクリコー・ヴァレーのエリアにありますが、今日のワインは「D.O. Valle Central」なので首都サンティアゴのエリアのマイポ・ヴァレーから南のマウレ・ヴァレーまでの非常に広域になります。(上記地図内の右側にインポーズした図でセントラル・ヴァレーの確認ができます。)

チリの DO(Denominación de Origen)一覧表。セントラル・ヴァレーを確認してください。
RegiónSubregiónZonaÁreaTérmino complementario
Región vitícola de AtacamaValle de Copiapó
Valle del Huasco
Región vitícola de CoquimboValle del ElquiLa SerenaCosta
VicuñaAndes
PaiguanoAndes
Valle del LimaríOvalleCosta
PunitaquiEntre Cordilleras
Monte PatriaAndes
Río HurtadoAndes
Valle del ChoapaSalamancaAndes
IllapelAndes
Región vitícola de AconcaguaValle del AconcaguaZapallarCosta
QuillotaCosta
HijuelasEntre Cordilleras
PanquehueEntre Cordilleras
CatemuEntre Cordilleras
Llay-LlayEntre Cordilleras
San FelipeEntre Cordilleras
Santa MaríaAndes
Calle LargaAndes
San EstebanAndes
Valle del Marga-MargaQuilpuéCosta
Valle de CasablancaCasablancaCosta
Valle de San AntonioValle de San AntonioCartagenaCosta
Lo AbarcaCosta
AlgarroboCosta
Valle de LeydaSan JuanCosta
Santo DomingoCosta
Región vitícola del Valle CentralValle del MaipoIsla de MaipoEntre Cordilleras
TalaganteEntre Cordilleras
MelipillaEntre Cordilleras
AlhuéEntre Cordilleras
María PintoEntre Cordilleras
ColinaEntre Cordilleras
Calera de TangoEntre Cordilleras
Til TilEntre Cordilleras
LampaEntre Cordilleras
SantiagoAndes
PirqueAndes
Puente AltoAndes
BuinAndes
Valle del RapelValle del CachapoalRancaguaEntre Cordilleras
PeumoEntre Cordilleras
ColtaucoEntre Cordilleras
RequínoaAndes
RengoAndes
MachalíAndes
Valle de ColchaguaParedonesCosta
PumanqueCosta
LituecheCosta
LololCosta
NancaguaEntre Cordilleras
Santa CruzEntre Cordilleras
ApaltaEntre Cordilleras
PalmillaEntre Cordilleras
PeralilloEntre Cordilleras
MarchigüeEntre Cordilleras
La EstrellaEntre Cordilleras
San FernandoAndes
Los LinguesAndes
ChimbarongoAndes
Valle de CuricóValle del TenoVichuquénCosta
LicanténCosta
RaucoEntre Cordilleras
RomeralAndes
Valle del LontuéSagrada FamiliaEntre Cordilleras
MolinaAndes
Valle del MauleValle del ClaroEmpedradoCosta
CureptoCosta
TalcaEntre Cordilleras
PencahueEntre Cordilleras
San RafaelEntre Cordilleras
San ClementeAndes
Valle del LoncomillaSan JavierEntre Cordilleras
Villa AlegreEntre Cordilleras
ParralEntre Cordilleras
LinaresEntre Cordilleras
LongavíEntre Cordilleras
RetiroEntre Cordilleras
ColbúnAndes
Valle del TutuvénCauquenesEntre Cordilleras
Región vitícola del SurValle del ItataPortezueloCosta
CoelemuCosta
ChillánEntre Cordilleras
QuillónEntre Cordilleras
Valle del BiobíoYumbelEntre Cordilleras
MulchénEntre Cordilleras
Valle del MallecoTraiguénEntre Cordilleras
Región vitícola AustralValle del CautínPerquenco
Galvarino
Valle de OsornoOsorno
San Pablo
Purranque
La Unión
Futrono

<Wikipedia Anexo:Regiones vitícolas de Chile より一部(新サブゾーン)加筆>



ラベル平面化画像。
IMG_1391
インポーターはコルドンヴェールじゃなくてアサヒビールなんですね。


さあ、スクリュー回転。
IMG_1395
ネックに「9つの人生を生きよ」なんて書いてます。意味わからん(笑)。

Alc.14%。
濃いガーネット。
IMG_1393

黒ベリー、ダークチェリー、胡椒。
辛口アタック
いい意味での焦げ風味あり。
厚みある味わいです。
程よい酸もアクセントでバランスの妙です。
余韻にもうまさが残り味わい深く続きます。
安いけどやっぱりいいシリーズですね。


*****

San Pedro
9 Lives Delirious Cabernet Sauvignon 2021
Reserve
D.O. Valle Central
RRWポイント 93点


San Pedro Gato Negro Carmenère 2019

サンペドロのガト・ネグロの2019が出ていますが、ラベルデザインが一新されたようです。文字も黒猫ちゃんも大きくなって、ちょっと安っぽくなったような気がしますが、ワンコインですから仕方ないですね。いや、650円だったのでワンコインではなく値上げになったかも…。(笑)
とにかく今日は臨時「日本カルメネール振興協会の活動日」とし、久しぶりにガト・ネグロのカルメネールを頂いてみましょう。前回は3年前に2016を試していますが、ラベルデザイン以外に変化はあるのでしょうか…。


IMG_3884
San Pedro は1865年という昔にクリコー・ヴァレーに創業し、今やチリを代表するワインメーカーになっていますが、そのサンペドロが黒猫マークの Gato Negro を始めたのが1960年という、これまた60年も前になります。このネット記事なんかによると、おそらく世界で初めての、いわゆるクリッターワイン(Critter Wine、キャッチーな動物の絵柄がラベルに描かれているワイン)がガト・ネグロらしいです。カンガルーの絵柄で人気のオーストラリアのイエローテールが20年前かららしいので、ガト・ネグロはそれよりずっと昔のクリッターワインの先駆けというわけです。

参考に世界のワインブランドの最新ブランド力ランキングをご覧あれ。
GN01
世界21ヶ国の2万人の消費者から得たアンケートがベースのブランド認知度や人気度を示すもので、売上高とかではないようです。ガト・ネグロは上昇中の第6位。しかし、イエローテール強え~な~。


San Pedro の公式ページはこれなんですが、チリ中に広がる畑の紹介など情報豊富です。

ワイン紹介は、それぞれのラインアップの個別の専用サイトへのリンクになっています。

Gato Negroシリーズもいくつかあり、普通のガトネグロ(今日のワイン)はこのサイトです。

プロモーション用のサイトらしく、ワインの詳細情報はあまりありません。
よく探すと、ダウンロードページにテクニカルシートがありました。セパージュは…。

・カルメネール 90%
・カベソー 10%

カルメネール100%でなくブレンドなのは何となくうれしいですね。樽使いは書いていません。たぶんないでしょうけど。(笑)あと、産地もセントラル・ヴァレー(マイポ~マウレ)と、かなり広域になっています。

ガト・ネグロのレセルバ、9 Livesのシリーズはこのサイトです。


今回発見したんですが、単なる「Gato」というブランドが追加されています。プレミアムという上級版もあって、スクリューキャップでもないので、通常のガト・ネグロより上等なんでしょうね。


ということで、ことカルメネールに限って言えば、以下の3種類が日本未発売のようですね。日本カルメネール振興協会としては非常に残念で、是非とも導入いただきたいと切に願います。
New01
個別サイトの英語主体の体裁を見るに、アメリカをターゲットにしてるんでしょうね。アメリカのワインショップまわりたいです。


さて、サンペドロの拠点はたくさんありますが、本拠地はここです。
マウレ州クリコー(Curicó)の町から南へ車で20分、モリーナというところ。
SanPedro01
ショップもありますし、サンペドロが属するVSPTワイングループのオフィスもあります。

マウレ州を俯瞰するGoogle Map上でサンペドロの所在を確認します。
Maule_Curico01
右側にインポーズした地図で確認できますが、今日のワインの出どころであるセントラル・ヴァレー(Valle Central)は以下の産地を包括する広域になります。

Valle Central
 ・Valle del Maipo
 ・Valle de Rapel(= Valle de Colchagua + Valle del Cachapoal)
 ・Valle de Curicó
 ・Valle del Maule


ラベル平面化画像。
IMG_3836
裏ラベルの「他のガトーシリーズの赤ワインとは驚くほど異なった味わいが印象的」というコメントが気になります。他にはカベソー、メルロー、マルベック等ありますが、これらと驚くほど異なるとは思えません。どちらかというとカベソー寄りと思っています。公式サイトにもそんなこと書いてないんですが、なんだろう、インポーターの主観でしょうか。(笑)


さあ、スクリュー回転。
IMG_3882
ここにもちゃんと黒猫ちゃんがいます。

Alc.13%。(pH:4.07、Brix:7.0)
若干透けるガーネット。涙はわりとはっきりで細かいです。
IMG_3883

黒ベリー、モカ、黒糖。カルメネール感です。
辛口アタック。
苦味も含んだタンニンがしっかり主張します。
味わいに薄っぺらいところなく、複雑味も出てますね。
余韻はさすがにあっさりなんですが、
始終いいバランスが感じられて、フィニッシュで満足感が残ります。
これはカルメネール王道のうまさを上手に出せてると思います。

少々驚き。前に比べてめっちゃ良くなってます。
こうなるとカベソー他の2019も気になりますね~。


*****


San Pedro
Gato Negro Carmenère 2019
RRWポイント 92点


San Pedro GatoNegro 9 Lives Reserve Sauvignon Blanc 2018

チリ大手のサンペドロが出してるお手頃バリエタルのガト・ネグロ(黒猫)。
それのちょっといいバージョンがこの「9 Lives」です。
このシリーズのカベソーをよくいただくのですが、なかなかうまい。
780円(+税)の価格からするととっても偉いワインです。
今日は前から気になっていた白、ソーヴィニヨン・ブランをお試し。


IMG_0072
ガト・ネグロを初めて飲んだのは20年以上前。メルローがバリうまでした。
当時はまだカルメネールも発見されたてでラインアップにもなかった頃。
まだまだカルメネールがメルローと混同されてた頃のお話。

とにかくこのガト・ネグロというワインは長い付き合いというか印象深いです。
これもかなり前ですが、チリへ行った時に、ガト・ネグロの750mlが、
地元のスーパーでコカ・コーラみたいに6パックで売られていて驚き。
そして、コーラみたいな値段を見て2度驚きました。(笑)


公式ページは「9回生きた猫」の動画付きで健在です。

ただ、ワインの素性は、
・ソーヴィニヨン・ブラン 100%
しかわかりません。当然樽はないでしょう。
サンペドロ公式ページにもワイン紹介ありますが、データシートはリンク切れ。

今日はもう訪問しませんが、サンペドロの本拠地はクリコーにあります。


それより驚いたのが、ラインアップが増えていたことです。
GN1
なんと「9 Lives」のカルメネールの登場です。
これまだ店頭では見かけたことないんですよ。日本へ入ってないのかな~。
う~ん、試してみたい。日本カルメネール振興協会としては必須です。(笑)

で、こんなのもありました。
GN2
オーガニック・ブレンド白とついに出ましたシャルドネ。
そして、「アパシオナド(情熱的の意)」なる謎の赤ブレンド。
どれもメッチャ気になります!


エチケット平面化画像。
IMG_9967
1000円以下とは思えない高級感はあると思うんですが。


さて、スクリュー回転。
IMG_0073
キャップの「9」マークがカッコいいです。

Alc.12.5%。
淡い黄色。
IMG_0070

青リンゴ、グレープフルーツ、花梨…。
酸味がかすかに乗った辛口アタック。
味の実体は感じるんですがこの酸が目立ちます。
喉越し余韻で苦味っぽいものも感じますね。
つまらない味と言うまではひどくはないし、
ダメダメではないんですがね。まあ、飲めます。(笑)
値段なり、残念ながら驚きはありませんでした。


*****


San Pedro
GatoNegro 9 Lives Reserve
Sauvignon Blanc  2018
WWWポイント 76点



WhiteWhiteWine01

San Pedro Gato Negro 9 Lives Reserve Cabernet Sauvignon 2017

前に2016年を試していますガト・ネグロの9Livesです。
やまやで780円(+税)なのに、なかなかのうまさでした。
ミレジムが1年進みましたが、うまさに変わりはないでしょうか。


IMG_6394


9 Lives専用サイトは健在でした。が、ここから動きません。
前回スクショを撮っておいてよかったです。
GN901
困ったので、San Pedroの公式ページから情報を探しますが、
データシート表示はあるもののリンク切れ。
通常の「GatoNegro」専用サイトもありますが、9Livesは載ってません。

困りましたが、
セパージュは多分こんな感じ。(やまやのサイトでも同じ)
・カベソー 95%
・シラー 5%

通常のガト・ネグロは樽熟はせず、
「3ヶ月木とコンタクトさせる」となってまして、
おそらくオークチップを浸けてるんでしょう。
9Livesも同じようなことをしているはずです。


エチケット平面化画像。
IMG_6261
9999…って模様が面白いです。


さて、スクリューキャップ回転です。
Alc.13.5%。
クリアっぽいけど濃いガーネット。
黒ベリー、ぬるっと生香。
オークチップのお陰でしょうか。
ちょっと酸味を感じる辛口アタックです。
パレット、喉元に心地よい優しいタンニンが来ます。
味の厚みは正直弱いんですが、
酸とタンニンのバランスが絶妙で楽しませてくれます。
余韻も短めですが、うま味のバランスが続いてムフフです。

お手頃カベソー・モノセパージュのお手本と言えます。
「偉いワイン」認定。いや、価格からすると偉すぎる。


*****


San Pedro
Gato Negro 9 Lives Cabernet Sauvignon 2017
RRWポイント 93点


San Pedro / Gato Negro Carmenère 2016

今日はおでん。
これにワインを合わすのが僕流。

それもチリカル(チリのカルメネール)です。
普通のチリカルですと重すぎたり、
樽香がじゃまになったりするので、
ワンコインのバリエタルがあっさり目の味で相性がいいのです。


GNsp


色はきれいなルビー。
ちょっとライトボディーを想像させます。
香りもフルーティーなラズベリーを感じます。
でも味はやっぱりカルメネール。
同じくワンコインのアルパカよりは軽めの味で、
和食にも合わせやすく、重宝します。

公式サイトには丁寧にテクニカルシートも用意されていて、
5%のシラーがブレンドされていることがわかります。


*****


San Pedro / Gato Negro Carmenère 2016
RRWポイント 88点


San Pedro / Gato Negro 9 Lives Cabernet Sauvignon 2016

昨日も出てきました、Gato Negro(スペイン語で「黒猫」の意)です。
Concha y Toroと並ぶ輸出量を誇るチリのトップワインメーカー
「San Pedro」の最多販看板ブランドです。

もともとConcha y ToroよりSan Pedroの方が好みに合うワインを
出してくれている気がしており、昔からGato Negroは愛飲しています。

しかし、この「9 Lives」は、そのGato Negroの兄貴分ブランドなのか、
ちょっと高級なデザインで、お値段もちょっと高めの780円でした。
(それでも十分お安いですが…笑)


IMG_4133


実はこれ、かなりおいしい。
ノーマルのGato Negroの明らかにワンランク上のクオリティです。
それでも780円ですので、もう何度もリピートしています。

残念ながら、このシリーズはこのカベソーとソーヴィニヨン・ブランの白の
2種類しかラインナップされていませんので、
カルメネールも出してほしいなあ、とはいつも思いますが、
カベソーがこれだけうまけりゃOKです。(笑)


その専用ウェブサイトを見てビックリ。
CGムービーでそのストーリーが語られています。


GN92
その黒猫はSan Pedroのブドウ畑に現れました。


GN91
San Pedroの初代ワインメーカーの男がこの猫を見つけ、


GN93
猫の9つの命の逸話にちなんで「9」のお守りがついた首輪をあげます。


それ以来、この畑に猫は何代にも渡って現れ、
どんな天候の悪い年でもすばらしいブドウが収穫できたといいます。

「ほんまかいな」的なお話ですが、
お金もかかってそうな、なかなかよくできた動画です。


ぜひ、一度ご覧になって、
合わせてこのワインを楽しんでみてください。

ちなみにサイトによると、
・カベルネ・ソーヴィニヨン 95%
・シラー 5%
のブレンドだそうです。


*****


San Pedro / Gato Negro 9 Lives Cabernet Sauvignon 2016
RRWポイント 89点


チリワインを追い続ける訳

19世紀前から、ボルドー、ブルゴーニュ他ほとんどのヨーロッパの品種が、
ワイン作りに最適の新天地としてチリに持ち込まれていました。
その後、フィロキセラ禍で壊滅したヨーロッパから逃れた優秀なエノロゴ(醸造家)も、
優秀なワインづくりを再開するために希望の新大陸にやってきました。
(フィロキセラ:ブドウネアブラムシ。19世紀、アメリカから欧州に渡り、
大流行した害虫。ブドウの根に寄生して欧州品種に対しては親木を枯らしてしまう。
アメリカで自生している野生種のブドウはこのフィロキセラに耐性がある。)


790px-America_noviter_delineata


そして、ヨーロッパに残されたワイン産地がフィロキセラの害を除去するため、
泣く泣くアメリカのブドウの野生種に接ぎ木して元の品種を再生しましたが、
自根で栽培された本来の品種の味を再現できなかったのは想像に難くありません。

当時、アメリカ産の野生種の台木にヨーロッパ純血種を接木するのは
悪魔の所為と猛反対する声も大きかったと聞きますが、
素人でも100%同じ味が守れるかという問いには簡単に答えが想像つきますよね。

ブルゴーニュでは1887年まで公式にこの接木を禁止していた事実から、
オリジナルの味は再現できないというのは明らかだったのでしょう。
かのロマネコンティも最後まで自根のピノ・ノワールで頑張ろうとしたそうですが、
1945年についに断念、接ぎ木方式を開始し現在に至ります。


しかし、チリだけは、奇跡が起こりました。
chileTN


地勢的な条件が幸いし、
世界で唯一チリのみがフィロキセラにやられなかったのです。
東はアンデス山脈、西は太平洋、北はアタカマ砂漠、南は南極大陸、
四方をこれ以上ないという自然のバリアーが守ってくれたのです。

フィロキセラ禍以前に持ち込まれたヨーロッパ主要品種は、
現在に至るまですべて自根で育てられチリで生き続けています。
オリジナル品種を自根で育てた本来の味を出せるワインはチリにしかないのです。
これは隣のアルゼンチンだってできていません。

カベソーもメルローも、ピノ・ノワールもみんな自根なんですよ。(※)
そして、ボルドー、ヨーロッパから姿を消した幻のカルメネールまで。
世間の皆様も、チリワインをいつまでも安物ワイン扱いせずに、
この事実を、チリワイン自身の味で、自分の味覚と想像力を使って、
めいめいで確認してみてほしいものです。(笑)

ワインのガイドなんかを読んでいると、
たまにチリワインの品種の特徴として、本来のものより味が濃い目だとか、
フランス本国の繊細な味とはちがって大味だというような表記を目にします。

そんな時、
「なにか勘違いしてやいませんか?」
と思わずつぶやきたくなるのです。


(※)
(実際には、チリでも他の病害対策や樹勢コントロールなどの理由で
意図的に接木しているところもあるようです。
昨今では優秀な台木もいろいろ改良されて出てきています。)


* * * * * *


さて、いつものウンチクはこれぐらいにして、
「自根」という決定的な要素以外にチリワインを「特別」にしているポイントを考えてみます。


<手摘み>
チリのワイナリーも大手資本が付いたり、大企業化して、観光業も手掛けたりしています。
当然ワインづくりも近代化していいものを大量に作れるようになっています。
しかし、労働力の安さもあって、大手ワイナリーでもブドウの収穫は手摘みにこだわっています。
ヨーロッパも新世界も大抵機械摘みが主流になっている中、これは貴重です。
枝や葉っぱ、土やゴミ、こんなものが混醸されたら味は落ちますからね。
hand


<テロワール及び地理的条件>
なんといってもチリのワイン産地のブドウ畑の風景は好きです。
絶対おいしいワインができるはず、と思わせます。
これが僕が思うテロワールです。
(このブログで時々リンクするチリの有名ワイナリーのサイトを
覗いてみてください。どこも美しい畑の映像を自慢していますよ。)
「世界あちこちのワイナリーや畑に行きたい病」の本質は、
このテロワールの体感にあります。
そして、チリには、地中海性気候と切り立ったアンデス山脈のお陰で、
山中から海岸沿いまでの高度差と気候差の間には、
必ずそれぞれのブドウの品種にベストマッチな環境が存在するという
大きなアドバンテージがあるのです。
root1
Viña VentisqueroのRoot:1のサイトから)


<ドイツ系移民>
これはネットで探してもどこにも書いていないんですが、
南米への入植者はスペインはじめ、フランスやイタリアからと思いますが、
ワイナリーのチリ人から聞いたところでは、ことのほかドイツ系の移民が
チリには多かったというのです。
ワインづくりに従事したドイツ系の方々も多く、
それがチリワインに「勤勉さ」という特徴を与えたという話です。
うそかホントか、みたいな話ですが、僕はなんとなく信じられます。
doitu


<カルメネール>
何度もいろんな機会に書いています、
チリにしかない、かつてボルドーの主要品種であった幻の品種です。
これがいただけるのが何と言ってもチリワインの魅力です。


IMG_4131


さあ、この3本、日本でもおなじみのブランドですね。
どれもワンコイン(500円)で売られていて驚異の安さです。
しかし、この3ブランド、いずれもカルメネールのバリエタルをラインアップしています。

タルで長期熟成した高級ワイン風の風味付けは期待できませんが、
カルメネール単品種でこの味のワインが生み出せることに気づくと、
この品種の底力を思い知ることになります。

ちなみに左から、

・Alpaca / Carmenère(Santa Helenaの輸出用ブランド)
・Gato Nego / Carmenère(San Pedroの看板最多販ブランド)
・FRONTERA / CARMENERE(Concha y Toroのバリエタルレンジ)

どうせ買うなら、カベソーじゃなくてカルメネールにしませんか?


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ


写真サイト:
最近ちゃんと写真撮ってますか?

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ