コストコのPB、カークランドシグナチャーのプロセッコですが、ロゼです。ロゼ?…プロセッコにロゼなんかあったんだ。調べてみると、もともとプロセッコはグレラ(Glera)主体の白のみでしたが、2021年からピノ・ノワールを加えて作るロゼも認められるようになったとか。コロナ中の最近の話ですね。これは知りませんでした。しかしコストコさん手早い。早速お試しです。
さて、コストコのPBで困るのが作り手を突きとめるのが難しいことです(笑)。手掛かりとして、
裏ラベルに、Distributed by 「M.G. SPA - Crocetta del Montello (TV)」とあったので、ヴェネト州トレヴィーゾのクロチェッタ・デル・モンテッロ(Crocetta del Montello)というコムーネにありそうなのはわかりましたが、それ以上は無理でした。「M.G.」なんて何で略すんでしょうね。これがイニシャルだとすると、このあたりで怪しいのは、前に試したことのある「Mionetto」か「Moretti Polegato 家」が率いる「La Gioiosa」というワイナリーぐらいですが、確証がないので追及はあきらめます...。
…と思っていたら、アメリカのコストコワイン通のブログにこんな記事を発見。
なんと、怪しいとにらんだ「La Gioiosa」がコストコでプロセッコのロゼを売っていたというのです。そして翌年にはコストコPBとしてカークランドシグナチャーのプロセッコ・ロゼが登場しています。これはもう決まりですね。ちなみに、アメリカでの価格は「La Gioiosa」版が$8.99、コストコ版が$6.99だそうです。コストコのコスト追及の努力はやはりすごいです。
ラ・ジョイオーザ(La Gioiosa)の公式ページには当然ながらコストコのワインは載ってませんので、プロセッコDOCの規定からワインの素性を推察しましょう。
白ブドウのグレラにピノ・ノワールを加えてロゼにするわけですが、規定ではこうなっています。
・グレラ(Glera)85~90%
・ピノ・ネロ(Pinot Nero)10~15%
少なくともピノ・ノワールが10%は入ってるわけです。ピノ・ノワールは当然赤ワインとして醸造したものになります。また、なぜかロゼはタンクで60日間の熟成が義務付けられています。通常のプロセッコには必要ありません。
ちなみに通常のプロセッコは以下のブレンド規定で、同じくグレラは最低85%です。
・グレラ(Glera)85%以上
・その他は合計15%以下
(その他:Bianchetta Trevigiana、Chardonnay、Perera、Pinot Bianco、Pinot Grigio、白ワイン醸造したPinot Nero)
通常のプロセッコにはスプマンテ(スパークリング)だけでなくスティル(非発泡)もありますが、ブレンド規定は同じです。ロゼにスティルはありません。
ラ・ジョイオーザ(La Gioiosa)を訪問しておきます。さすがにデカいです。
ラ・ジョイオーザは1920年代モレッティ・ポレガート家が始めた家族経営のワイナリーですが、海外向けプロセッコで成功を収め、イタリア有数の規模になっており、生産の60%は輸出だそうです。そりゃあコストコも目をつけるわけです。
場所はヴェネト州トレヴィーゾのクロチェッタ・デル・モンテッロ(Crocetta del Montello)というコムーネでしたね。Google Mapで場所を調べると、プロセッコの中心地であるコネリアーノ(Conegliano)とヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)のすぐ近くでした。
クロチェッタ・デル・モンテッロ(Crocetta del Montello)の範囲とラ・ジョイオーザの場所を書き込んでいますので探してください。ほぼアーゾロ・プロセッコDOCG(Asolo Prosecco DOCG)の中にありますね。しかしながら、アーゾロ・プロセッコDOCGやコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCGにはロゼはありません。要はロゼのDOCGはなく、プロセッコDOCのみの設定ということになります。
この地図はコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCGを深掘りした時に描いたものですが、一連のDOCGの詳細については当該記事を参照ください。
また、「Superiore」があったりなかったりが気になると思いますが、プロセッコにはスパークリングじゃない白ワインもあるので、DOCGのプロセッコがスパークリングの場合に「Superiore」がつけられることになっています。ところが、ほとんどがスパークリングであるプロセッコにおいては、DOCGにはほぼ「Superiore」がついているというわけです。(笑)
プロセッコのエリア全体を見ましょう。プロセッコDOCならこんなに広範囲です。
単なるプロセッコDOCはヴェネト州のみならず、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州(Friuli-Venezia Giulia)全域まで含んでいます。そういう意味では今日の作り手はDOCGだらけの中心的エリアにありましたが、ブドウ自体はどこから持ってきているかわかりませんね。また、Prosecco Treviso DOC や Prosecco Trieste DOC はカッコ付きにしていますが、プロセッコDOCのサブゾーンであって単独のDOCではないという意味です。
ラベル平面化画像。
「Millesimato 2021」というのはヴィンテージです。プロセッコ・ロゼDOCが出来たのが2021年1月からという話なので辻褄が合いますが、最初の方で貼った写真の「La Gioiosa Prosecco Rosé DOC」、お気づきかもしれませんが「2019」なんですよね(笑)。フライングかな? 謎~。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
泡立ちは動画にて。プロセッコはタンク内二次発酵(シャルマ方式)で作られます。
さて、コストコのPBで困るのが作り手を突きとめるのが難しいことです(笑)。手掛かりとして、
裏ラベルに、Distributed by 「M.G. SPA - Crocetta del Montello (TV)」とあったので、ヴェネト州トレヴィーゾのクロチェッタ・デル・モンテッロ(Crocetta del Montello)というコムーネにありそうなのはわかりましたが、それ以上は無理でした。「M.G.」なんて何で略すんでしょうね。これがイニシャルだとすると、このあたりで怪しいのは、前に試したことのある「Mionetto」か「Moretti Polegato 家」が率いる「La Gioiosa」というワイナリーぐらいですが、確証がないので追及はあきらめます...。
…と思っていたら、アメリカのコストコワイン通のブログにこんな記事を発見。
なんと、怪しいとにらんだ「La Gioiosa」がコストコでプロセッコのロゼを売っていたというのです。そして翌年にはコストコPBとしてカークランドシグナチャーのプロセッコ・ロゼが登場しています。これはもう決まりですね。ちなみに、アメリカでの価格は「La Gioiosa」版が$8.99、コストコ版が$6.99だそうです。コストコのコスト追及の努力はやはりすごいです。
ラ・ジョイオーザ(La Gioiosa)の公式ページには当然ながらコストコのワインは載ってませんので、プロセッコDOCの規定からワインの素性を推察しましょう。
白ブドウのグレラにピノ・ノワールを加えてロゼにするわけですが、規定ではこうなっています。
・グレラ(Glera)85~90%
・ピノ・ネロ(Pinot Nero)10~15%
少なくともピノ・ノワールが10%は入ってるわけです。ピノ・ノワールは当然赤ワインとして醸造したものになります。また、なぜかロゼはタンクで60日間の熟成が義務付けられています。通常のプロセッコには必要ありません。
ちなみに通常のプロセッコは以下のブレンド規定で、同じくグレラは最低85%です。
・グレラ(Glera)85%以上
・その他は合計15%以下
(その他:Bianchetta Trevigiana、Chardonnay、Perera、Pinot Bianco、Pinot Grigio、白ワイン醸造したPinot Nero)
通常のプロセッコにはスプマンテ(スパークリング)だけでなくスティル(非発泡)もありますが、ブレンド規定は同じです。ロゼにスティルはありません。
グレラ(Glera)はプロセッコの主要品種ですが、2009年まで「Prosecco」と呼ばれてました。
コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネのプロセッコがDOCGに昇格(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)したのが2009年で、同時に「プロセッコ」という品種の名前が「グレラ」に変えられました。放っておくと、域外の輩がプロセッコで作ったからとプロセッコを名乗るようになりますからね。プロセッコという有名になった名称を「土地」に縛りつけるため、品種の名前の方を変えてしまうとは…イタリア、恐るべし。
ラ・ジョイオーザ(La Gioiosa)を訪問しておきます。さすがにデカいです。
ラ・ジョイオーザは1920年代モレッティ・ポレガート家が始めた家族経営のワイナリーですが、海外向けプロセッコで成功を収め、イタリア有数の規模になっており、生産の60%は輸出だそうです。そりゃあコストコも目をつけるわけです。
場所はヴェネト州トレヴィーゾのクロチェッタ・デル・モンテッロ(Crocetta del Montello)というコムーネでしたね。Google Mapで場所を調べると、プロセッコの中心地であるコネリアーノ(Conegliano)とヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)のすぐ近くでした。
クロチェッタ・デル・モンテッロ(Crocetta del Montello)の範囲とラ・ジョイオーザの場所を書き込んでいますので探してください。ほぼアーゾロ・プロセッコDOCG(Asolo Prosecco DOCG)の中にありますね。しかしながら、アーゾロ・プロセッコDOCGやコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCGにはロゼはありません。要はロゼのDOCGはなく、プロセッコDOCのみの設定ということになります。
この地図はコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCGを深掘りした時に描いたものですが、一連のDOCGの詳細については当該記事を参照ください。
また、「Superiore」があったりなかったりが気になると思いますが、プロセッコにはスパークリングじゃない白ワインもあるので、DOCGのプロセッコがスパークリングの場合に「Superiore」がつけられることになっています。ところが、ほとんどがスパークリングであるプロセッコにおいては、DOCGにはほぼ「Superiore」がついているというわけです。(笑)
プロセッコのエリア全体を見ましょう。プロセッコDOCならこんなに広範囲です。
単なるプロセッコDOCはヴェネト州のみならず、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州(Friuli-Venezia Giulia)全域まで含んでいます。そういう意味では今日の作り手はDOCGだらけの中心的エリアにありましたが、ブドウ自体はどこから持ってきているかわかりませんね。また、Prosecco Treviso DOC や Prosecco Trieste DOC はカッコ付きにしていますが、プロセッコDOCのサブゾーンであって単独のDOCではないという意味です。
ラベル平面化画像。
「Millesimato 2021」というのはヴィンテージです。プロセッコ・ロゼDOCが出来たのが2021年1月からという話なので辻褄が合いますが、最初の方で貼った写真の「La Gioiosa Prosecco Rosé DOC」、お気づきかもしれませんが「2019」なんですよね(笑)。フライングかな? 謎~。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
泡立ちは動画にて。プロセッコはタンク内二次発酵(シャルマ方式)で作られます。
Alc.11%。ピンクゴールド。
青リンゴ、ブルーベリー。
エクストラドライなのに甘やかな酸のおかげで、
口当たりフルーティな甘さが来ます。
その後辛口は認識できますが。
柑橘よりベリー強めの味がします。
コクもあり。
ロゼって感じが出ています。
ロゼって感じが出ています。
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Kirkland Signature
Prosecco Rosé D.O.C.
Vino Spumante Extra Dry
Millesimato 2021
Prosecco Rosé D.O.C.
Vino Spumante Extra Dry
Millesimato 2021
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