Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Glera

Kirkland Signature Prosecco Rosé D.O.C. Vino Spumante Extra Dry 2021

コストコのPB、カークランドシグナチャーのプロセッコですが、ロゼです。ロゼ?…プロセッコにロゼなんかあったんだ。調べてみると、もともとプロセッコはグレラ(Glera)主体の白のみでしたが、2021年からピノ・ノワールを加えて作るロゼも認められるようになったとか。コロナ中の最近の話ですね。これは知りませんでした。しかしコストコさん手早い。早速お試しです。

IMG_1568
さて、コストコのPBで困るのが作り手を突きとめるのが難しいことです(笑)。手掛かりとして、
裏ラベルに、Distributed by 「M.G. SPA - Crocetta del Montello (TV)」とあったので、ヴェネト州トレヴィーゾのクロチェッタ・デル・モンテッロ(Crocetta del Montello)というコムーネにありそうなのはわかりましたが、それ以上は無理でした。「M.G.」なんて何で略すんでしょうね。これがイニシャルだとすると、このあたりで怪しいのは、前に試したことのある「Mionetto」か「Moretti Polegato 家」が率いる「La Gioiosa」というワイナリーぐらいですが、確証がないので追及はあきらめます...。

…と思っていたら、アメリカのコストコワイン通のブログにこんな記事を発見。
GiiosaR
なんと、怪しいとにらんだ「La Gioiosa」がコストコでプロセッコのロゼを売っていたというのです。そして翌年にはコストコPBとしてカークランドシグナチャーのプロセッコ・ロゼが登場しています。これはもう決まりですね。ちなみに、アメリカでの価格は「La Gioiosa」版が$8.99、コストコ版が$6.99だそうです。コストコのコスト追及の努力はやはりすごいです。

ラ・ジョイオーザ(La Gioiosa)の公式ページには当然ながらコストコのワインは載ってませんので、プロセッコDOCの規定からワインの素性を推察しましょう。

白ブドウのグレラにピノ・ノワールを加えてロゼにするわけですが、規定ではこうなっています。

・グレラ(Glera)85~90%
・ピノ・ネロ(Pinot Nero)10~15%

少なくともピノ・ノワールが10%は入ってるわけです。ピノ・ノワールは当然赤ワインとして醸造したものになります。また、なぜかロゼはタンクで60日間の熟成が義務付けられています。通常のプロセッコには必要ありません。

ちなみに通常のプロセッコは以下のブレンド規定で、同じくグレラは最低85%です。

・グレラ(Glera)85%以上
・その他は合計15%以下
(その他:Bianchetta Trevigiana、Chardonnay、Perera、Pinot Bianco、Pinot Grigio、白ワイン醸造したPinot Nero)

通常のプロセッコにはスプマンテ(スパークリング)だけでなくスティル(非発泡)もありますが、ブレンド規定は同じです。ロゼにスティルはありません。


グレラ(Glera)はプロセッコの主要品種ですが、2009年まで「Prosecco」と呼ばれてました。
Prosecco03
コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネのプロセッコがDOCGに昇格(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)したのが2009年で、同時に「プロセッコ」という品種の名前が「グレラ」に変えられました。放っておくと、域外の輩がプロセッコで作ったからとプロセッコを名乗るようになりますからね。プロセッコという有名になった名称を「土地」に縛りつけるため、品種の名前の方を変えてしまうとは…イタリア、恐るべし。


ラ・ジョイオーザ(La Gioiosa)を訪問しておきます。さすがにデカいです。
Gioiosa
ラ・ジョイオーザは1920年代モレッティ・ポレガート家が始めた家族経営のワイナリーですが、海外向けプロセッコで成功を収め、イタリア有数の規模になっており、生産の60%は輸出だそうです。そりゃあコストコも目をつけるわけです。

場所はヴェネト州トレヴィーゾのクロチェッタ・デル・モンテッロ(Crocetta del Montello)というコムーネでしたね。Google Mapで場所を調べると、プロセッコの中心地であるコネリアーノ(Conegliano)とヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)のすぐ近くでした。
Prosecco_Conegliano-Valdobb
クロチェッタ・デル・モンテッロ(Crocetta del Montello)の範囲とラ・ジョイオーザの場所を書き込んでいますので探してください。ほぼアーゾロ・プロセッコDOCG(Asolo Prosecco DOCG)の中にありますね。しかしながら、アーゾロ・プロセッコDOCGやコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCGにはロゼはありません。要はロゼのDOCGはなく、プロセッコDOCのみの設定ということになります。

この地図はコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCGを深掘りした時に描いたものですが、一連のDOCGの詳細については当該記事を参照ください。

また、「Superiore」があったりなかったりが気になると思いますが、プロセッコにはスパークリングじゃない白ワインもあるので、DOCGのプロセッコがスパークリングの場合に「Superiore」がつけられることになっています。ところが、ほとんどがスパークリングであるプロセッコにおいては、DOCGにはほぼ「Superiore」がついているというわけです。(笑)

プロセッコのエリア全体を見ましょう。プロセッコDOCならこんなに広範囲です。
Prosecco
単なるプロセッコDOCはヴェネト州のみならず、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州(Friuli-Venezia Giulia)全域まで含んでいます。そういう意味では今日の作り手はDOCGだらけの中心的エリアにありましたが、ブドウ自体はどこから持ってきているかわかりませんね。また、Prosecco Treviso DOC や Prosecco Trieste DOC はカッコ付きにしていますが、プロセッコDOCのサブゾーンであって単独のDOCではないという意味です。


ラベル平面化画像。
IMG_1502
「Millesimato 2021」というのはヴィンテージです。プロセッコ・ロゼDOCが出来たのが2021年1月からという話なので辻褄が合いますが、最初の方で貼った写真の「La Gioiosa Prosecco Rosé DOC」、お気づきかもしれませんが「2019」なんですよね(笑)。フライングかな? 謎~。


さあ、抜栓。
IMG_1565

コルク平面化。
IMG_1561

泡立ちは動画にて。プロセッコはタンク内二次発酵(シャルマ方式)で作られます。

Alc.11%。ピンクゴールド。

青リンゴ、ブルーベリー。
エクストラドライなのに甘やかな酸のおかげで、
口当たりフルーティな甘さが来ます。
その後辛口は認識できますが。
柑橘よりベリー強めの味がします。
コクもあり。
ロゼって感じが出ています。


*****


Kirkland Signature
Prosecco Rosé D.O.C.
Vino Spumante Extra Dry
Millesimato  
2021
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01

Mionetto Valdobbiadene Prosecco Superiore DOCG Extra Dry

久しぶりのプロセッコです。プロセッコはお手頃ではあるんですが、シャルマ方式だし有象無象が多いような気がしてなかなか触手が動きませんでした。今日のはこれプロセッコDOCではなく、ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・スペリオーレ DOCG(Valdobbiadene Prosecco Superiore DOCG)となってます。プロセッコの格付けはいろいろややこしいことがあるのを思い出してきましたよ(笑)。とにかくDOCGのプロセッコをお試ししながら紐解くといたしましょう。

IMG_0117
実はこの作り手のミオネット(Mionetto S.p.A.)は130年の歴史を持つ、プロセッコのナンバー1メーカーなんだそうで。フランチェスコ・ミオネットさんがプロセッコ発祥の地ヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)で1887年創業しました。日本へはサントリーが輸入していて立派なブランドサイトもあります。

公式ページはさすが大手、15ヶ国言語対応になっています。日本語がないんですが…(笑)。

ラインアップでは最上級のようで、当然紹介が載っています。

・グレラ 100%

プロセッコ系はグレラ85%以上という規定なので当然クリア。発酵は果皮を入れていないとなってますね。プロセッコですからタンク内二次発酵(シャルマ方式)で作られます。シャルマ方式とは、キューヴ・クローズ方式、密閉タンク方式ともいわれ、泡を取り込むための二次発酵を瓶内ではなく密閉タンクで行い、酵母による二次発酵の際に出る炭酸ガスをそのままワインに溶け込ませる製法です。

グレラ(Glera)はプロセッコの主要品種ですが、2009年まで「Prosecco」と呼ばれてました。
Prosecco03
コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネのプロセッコがDOCGに昇格(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)したのが2009年で、同時にプロセッコという品種の名前がグレラに変えられました。プロセッコという有名になった名称を「土地」に縛りつけるため、品種の名前の方を変えてしまうとは…イタリア、恐るべしです。これで域外でプロセッコを作っても品種「プロセッコ」を表示できません。かといって「グレラ」って書いても意味ないですしね。
もともとプロセッコ(現在のグレラ)には3種類あるとされていました。Prosecco Tondo(tondo = 丸い;粒が丸い)、Prosecco Lungo(lungo = 長い;粒が長い卵型)、Prosecco Nostrano (nostro = 我々の)の3種です。Prosecco Lungo は Glera Lunga と改名されましたが、現在の「グレラ」はもっぱら Prosecco Tondo だったもので、これら3種はまったく別の品種ということがすでに判明しています。
ちなみに2020年の最新のDNA解析により、グレラの親子関係は「Vulpea x 未知の品種」であることが判明しています。ほぼ判明していないに等しい情報ですが(笑)。

さあ、ミオネットを訪問します。ワイナリーというか生産拠点はここのようです。
Mionetta01
クロチェッタ・デル・モンテッロというヴェネト州トレヴィーゾ県のコムーネにありますが、エリア的には Asolo Prosecco DOCG の範囲に入ってるるようです。プロセッコ発祥の地ヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)にあるんじゃないの?と思ったら、そちらにはショップがありました。

こちらがヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)にあるショップです。
Mionetto02
敷地も大きく生産はここでもしていそうです。こちらで創業したんじゃないかと思われます。

位置関係を見るためにプロセッコの DOCG のエリアの地図を作成しました。
Prosecco_Conegliano-Valdobb
プロセッコには、コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCG(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)とアーゾロ・プロセッコDOCG(Asolo Prosecco DOCG)の2つのDOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita=原産地呼称保証付き統制ワイン)があるんですが、そのエリアはこの地図のあたりになります。

地図にもインポーズしましたが、上下関係をこんなピラミッドで図示できるようです。
Prosecco02
Superiore」があったりなかったりが気になりますが、規定ではプロセッコにはスパークリングじゃない白ワインもありまして、DOCGのプロセッコがスパークリングの場合に「Superiore」がつけられることになっています。ところが、ほとんどがスパークリングであるプロセッコにおいては、DOCGにはほぼ必ず「Superiore」がついてしまうわけです。(笑)

コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCG(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)がとてもややこしい。白(スティルワイン)や微発泡(Frizzante)の場合(ほとんどないんですが…)、スペリオーレ(Superiore)がつかないのは前述のとおりですが、ヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)のコミューンで作られた場合、コネリアーノ(Conegliano)を省いてもいいんです。また、逆も同じ。コネリアーノ産はヴァルドッビアーデネを省いても構いません。ということで、今日のワインは「ヴァルドッビアーデネ」しか書いてないのでヴァルドッビアーデネ産ということがわかりますね。

さらに、コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCGにはサブゾーンが2つあります。カルティッツェ(Cartizze)とリヴェ(Rive)です。カルティッツェはプロセッコの最高峰といわれる107haの単一畑で、ネットで調べまくったら正確な場所が載っているサイトを発見したのでヴァルドッビアーデネのコムーネの地図上にそのエリアをインポーズしてみました。
Cartizze0
このエリアは「カルティッツェの黄金の五角形」と呼ばれ、約140の異なる土地所有者がいます。このエリアのプロセッコは「Superiore di Cartizze」という表記で表示され、プロセッコの頂点と一般的には認識されています。

リヴェは12のコムーネと31の小区画から成り、割と範囲が大きいのでコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCGのかなりの部分が該当します。以下にリヴェ(Rive)の対象12コムーネと31区画を列挙しておきます。

・Arfanta
・Bagnolo
・Bigolino
・Campea
・Carpesica
Cison di Valmarino(コムーネ)
・Col San Martino
・Colbertaldo
・Colfosco
・Collalbrigo-Costa
・Collalto
Colle Umberto(コムーネ)
・Combai
・Corbanese
・Cozzuolo
Farra di Soligo(コムーネ)
・Farrò
Follina(コムーネ)
・Formeniga
・Guia
・Manzana
Miane(コムーネ)
・Ogliano
Pieve di Soligo(コムーネ)
・Premaor
Refrontolo(コムーネ)
・Resera
・Rolle
・Rua
・San Giovanni
・San Michele
・San Pietro di Barbozza
San Pietro di Feletto(コムーネ)
San Vendemiano(コムーネ)
・San Vito
・Santa Maria
・Santo Stefano
・Scomigo
・Solighetto
・Soligo
Susegana(コムーネ)
Tarzo(コムーネ)
Vidor(コムーネ)

アーゾロ・プロセッコDOCG(Asolo Prosecco DOCG)は、2009年に Montello–Colli Asolani DOC から独立してDOCGになっています。その名残で、Colli Asolani Prosecco とも呼ばれていましたが2014年に廃止され Asolo Prosecco に統一されました。また、Montello–Colli Asolani DOC からは2011年に赤のみMontello Rosso / Montello DOCG としてDOCG化しています。なので以上の3つはアーゾロ(Asolo)の町周辺の同じエリアが対象になります。

さて、以上を踏まえてプロセッコ(Prosecco)の全体像をGoogle Map上で見ます。
Prosecco
単なるプロセッコDOCはお隣のフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州まで広がっており広大です。Prosecco Treviso DOC や Prosecco Trieste DOC はカッコ付きになってますが、プロセッコDOCのサブゾーンであって単独のDOCではないという意味です。

また、コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコDOCGのエリアは、その美しい丘陵地帯がユネスコ世界遺産に2019年に認定されたそうです。
Prosecco01
割と最近、2019年7月に認定されているんですね。ユネスコのサイトに写真がたくさん載ってます。なかなかゴイゴイスーです。


ラベル平面化画像。
IMG_0107

インポーターシールはこの有り様。最悪です。
IMG_0105


さあ、抜栓。
IMG_0110

コルク平面化。
IMG_0111

Alc.11%。
薄いゴールドイエロー。
IMG_0113

泡立ちは、例によって動画でお送りします。


ライム、青リンゴ。
甘やかな辛口アタック。
柑橘系といっても穏やかで、刺しません。
たおやかな流れを感じます。
複雑味や苦味といった世界線ではないんですが、
さっぱりとした美味しさで好印象でした。


*****


Spumantizzato da Mionetto
Mionetto
Valdobbiadene Prosecco Superiore DOCG
Extra Brut
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01

Kirkland Signature Asolo Prosecco Superiore D.O.C.G.

コストコでプロセッコを発見。コストコのプライベートブランド、カークランド・シグネチャーですが、なんと600円台です。特売ですかね、アメリカじゃ6.99ドルらしいですから、それより安い。アーゾロ・プロセッコ・スペリオーレDOCG(Asolo Prosecco Superiore DOCG)っていうのも普通のプロセッコよりちょっといいやつじゃないでしょうか。これは早速お試しです。

IMG_4869
コストコのカークランド・シグネチャーを試す際に苦労するのが、作り手がどこかということです。裏ラベルにヒントが書いてあるので、それを手掛かりに調べます。今回は「Distributed by C.V.B.C. & C. Spa」とあります。「Distributed」ですから作り手自体ではないかもしれませんね。場所はヴェネツィアの近くの「Fossalta di Piave」という町と書いています。わかりました。C.V.B.C. & C. Spa = Casa Vinicola Botter Carlo & C. Spa のようです。つまりは、ヴェネツィアにある大手エクスポーターのボッテール社。あれれ、ボッテール社って以前ネロ・ダーヴォラを試した時に見ましたね。

公式ページはこれです。

コストコのカークランド・シグネチャーが載ってるわけがありませんが。

一応ボッテール社を訪問しておきます。
Botter01
ヴェネチアから車で30分。小さな町の大きな工場って感じです。大手ですからね。

一応、ボッテール社の扱ってる「Prosecco Asolo DOCG Superiore」というのを見てみました。おそらく同じものじゃないかと。あまり大した情報はなかったです。
・グレラ 100%
プロセッコですからタンク内二次発酵(シャルマ方式)で作られます。

グレラ(Glera)はプロセッコの主要品種ですが、2009年まで Prosecco と呼ばれてました。
Prosecco03
コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネのプロセッコがDOCGに昇格(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)したのが2009年で、同時にプロセッコという品種の名前がグレラに変えられました。プロセッコという有名になった名称を「土地」に縛りつけるため、品種の名前の方を変えてしまうとは…イタリア、恐るべし。

さて、プロセッコをおさらいするのに、いつものサイトから地図を拝借。
Prosecco04
プロセッコDOC自体は、ヴェネト州、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州に渡り非常に広範囲ですね。このあたりは他にもいろんなDOCがあるので、プロセッコのみに限ったこういう地図は見やすいです。

しかし、細かく見ていくと、サブゾーンやらスペリオーレやらがあって非常に複雑になってます。上下関係でまとめると、こんなピラミッドで図示できるようです。
Prosecco02
今日の Asolo Prosecco Superiore 以上がDOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita=原産地呼称保証付き統制ワイン)になります。アーゾロ・プロセッコ・スペリオーレDOCG(Asolo Prosecco DOCG)は、2009年に Montello–Colli Asolani DOC から独立してDOCGになっています。その名残で、Colli Asolani Prosecco とも呼ばれていましたが2014年に廃止され Asolo Prosecco に統一されました。また、Montello–Colli Asolani DOC からは2011年に赤のみが Montello Rosso / Montello DOCG としてDOCG化しています。なので以上の3つはアーゾロ(Asolo)の町周辺の同じエリアが対象になります。

Superiore」があったりなかったりも気になりますが、規定ではプロセッコにはスパークリングじゃない白ワインもありまして、DOCGのプロセッコがスパークリングの場合に「Superiore」がつけられることになっています。ところが、ほとんどがスパークリングであるプロセッコにおいては、DOCGにはほぼ必ず「Superiore」がついてしまうわけです。(笑)

コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネDOCG(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)がとてもややこしい。スペリオーレ(Superiore)が白(スティルワイン)や微発泡(Frizzante)の場合(ほとんどないんですが…)つけられないのは前述のとおりですが、ヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)のコミューンで作られた場合、コネリアーノ(Conegliano)を省いてもいいんです。また、逆も同じ。コネリアーノ産はヴァルドッビアーデネを省いても構いません。
さらに、サブゾーンが2つ。カルティッツェ(Cartizze)とリヴェ(Rive)です。リヴェは12のコミューンと31の小区画から成り範囲が大きいです。カルティッツェは必ず「Superiore di Cartizze」という表記をつけないといけません。
しかし、いったい何パターンあるんだ、プロセッコ! やはりイタリアはカオスです~。

さて、性懲りもなくGoogle Map転記をして理解を深めますよ~。
Prosecco05
地形とエリアの相関が見たいという興味と、これをやらないと頭に入らないという個人的な事情が原動力です。(笑)
Prosecco Treviso DOC や Prosecco Trieste DOC はカッコ付きになってますが、サブゾーンであって単独のDOCではないという意味です。

また、コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネDOCG(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)のエリアは、その美しい丘陵地帯がユネスコ世界遺産に認定されたそうです。
Prosecco01
2019年7月に認定されています。ユネスコのサイトに写真がたくさん載ってます。なかなかゴイゴイスーです。


ラベル平面化画像。
IMG_4834


さあ、抜栓。
IMG_4866
ミュズレもカークランド・シグネチャー仕様です。

Alc.11%。(pH:4.02、Brix:6.3)
クリスタルシルバーイエロー(笑)
IMG_4868

グレープフルーツ、ライムの香り。
辛口アタック。
青リンゴの味わいですね。
苦味成分が全体を引き締めてくれます。
これ、かなりうまいと思います。
700円でお釣りがくるとは思えない…。


*****


Kirkland Signature
Asolo Prosecco Superiore D.O.C.G.
Vino Spumante Extra Dry
WWWポイント 80点



WhiteWhiteWine01

Corte Giara Prosecco Millesimato Dry 2017

アレグリーニの生産者来日試飲イベントで、
ウェルカムドリンクとして振る舞われたプロセッコです。
アレグリーニ(正確にはセカンドラベルのコルテ・ジャーラ)が、
プロセッコを作っていたとは知りませんでした。


IMG_7607
コルテ・ジャーラの公式ページにはこのワインが載っていません。
アレグリーニの人がセパージュはグレラ100%と言ってました。


グレラが出たところで、プロセッコをおさらいです。
イタリアのスパークリングワインはスプマンテと言いますが、
北イタリア、ヴェネト州でグレラ(Glera)という品種からつくられるものが、
「プロセッコ」と呼ばれ、DOCにもなっています。
今日のは「DOC Prosecco」ですね。
Conegliano Valdobbiadene Prosecco SuperioreというDOCGもあります。

<ご参考>ProseccoのDOC/DOCG
Prosecco02


シャンパンは伝統的方式(スペイン語でMétodo Tradicional)、
いわゆる瓶内二次発酵という製法で造られていますが、
プロセッコは密閉式タンク方式という製法で造られています。
この製法は大きなタンク内で大量のワインを短期間で仕込むので、
安価なのが特徴ですが、伝統的方式より酵母との接触が少なく、
フレッシュでフルーティに仕上がるそうです。

グレラ(Glera)というプロセッコの主要品種ですが、
2009年まではそのまま「プロセッコ」と呼ばれていました。
Glera
前述のコネリアーノ・ヴァルドッビアデーネのプロセッコが、
DOCGに昇格したのが2009年で、同時にプロセッコという品種の名前が
グレラに変えられました。
これはどういうことかと言うと、DOCやDOCGで格付けをしたのに、
品種名に「プロセッコ」が残っていると具合が悪い、つまり、
「プロセッコ」は格付けの名称だけに限定したかったというわけです。

DOCプロセッコの規定では、85%以上のグレラの使用が条件です。
これを満たさないワインでも、品種がプロセッコという名前のままだと、
「プロセッコ使ってますよ~。」という輩が現れることを危惧したんでしょう。


プロセッコの産地を見てみましょう。
Prosecco01
DOCG名のコネリアーノとヴァルドッビアデーネは町の名前ですね。


平面化撮影できませんでしたので、裏ラベル画像を貼っておきます。
IMG_7612


さて、お味のほうですが…。
Alc.11%。
ライム、青リンゴ。
かすかに甘み感じるアタックです。
プロセッコはほんのり甘いと言いますね。
ツンツン来ない穏やかな酸です。
これは、グビグビ行けそうな泡です。(笑)


*****


Corte Giara Prosecco Millesimato Dry 2017
(by Allegrini)
WWWポイント 79点



WhiteWhiteWine01
--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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