カルディで珍しくギリシャのワインが置いてました。品種はロディティスにモスコフィレロ? とにかく飲んだことがない品種なので面白そうです。PDO(Protected Designation of Origin=保護原産地呼称)は書いてありませんね。また指定品種じゃないのでPDOの条件を満たさないパターンでしょうか。しかし、PGI(Protected Geographical Indication=保護地理表示)も書いてないですね。とにかくゲットして調べてみましょう。
ワイン作りを学びコンサルなどをしていたエリアス・ザハリアス(Elias Zacharias)さんがネメア(Nemea / Νεμέα)近くの現在のワイナリーを購入したのが1990年。2002年から自社で瓶詰めを開始しているそうです。インポーターのアズマのHPを見ると「ザシャリアス・ワイナリー」と紹介していますが、「ザハリアス」の方が原音に近いようです。
公式ページはそこそこ情報あり、英語表示もできるので助かります。
シリーズ名の「O(オミクロン)」というのはギリシャ語のアルファベットの「O」です。品種別のバリエタルのシリーズのようです。
・Roditis 70%
・Moschofilero 30%
と、ロディティス主体の2種ブレンドですね。ロディティスはコリンティア県(Κορινθία / Korinthía)の畑から、モスコフィレロはマンティネイア地方(Μαντινεία)からとなっています。出どころはハッキリしてそうですが、PDOもPGIも表示がありませんでしたね。後ほど詳しく見ますが、品種が規定品種でなくてPDOを名乗れず、2つの違うエリアからのブレンドでPGIも名乗れなくなったというのが真相のようです。醸造はクラシカルな白ワインの醸造法だそうで、当然樽はなく、それぞれの品種を個別に醸造した後でブレンドされます。
これがロディティス(Roditis / Ροδίτης)です。当然のギリシャ原産。
写真からわかるように果実はオレンジ~赤みを帯びています。いわゆるグリですね。非常に古い品種で親子関係は判明していません。「Roditis」という名前は「赤みのある果実」というニュアンスがあるようですが、実は名前の謂れはなんとエーゲ海に浮かぶロードス島(Ρόδος / Rhodes)なんだそうです。
モスコフィレロ(Moschofilero / Μοσχοφίλερο)がこれ。こんな写真しか見つからず。
これもギリシャ原産。日本語では「モスホフィレロ」と書いていたりしますが、ここでは「モスコフィレロ」としておきます。Forvoで聴くと「モスコフィエーロ」と聞こえるんですけどね(笑)。この写真も果実が黒っぽいですが、同じDNAで遺伝的に同一のクローンがたくさん存在し、それぞれ違うシノニムで呼ばれ、色以外にも葉の形状や果実の大きさ、味わいまで違うそうです。色は完全な白ブドウから黒ブドウまで揃ってるみたいですが(笑)、通常白ワインやロゼワインに仕立てられるようです。マケドニア地方とペロポネソス半島に多いそうです。
さあ、ザハリアスを訪問しましょう。ネメア(Nemea / Νεμέα)の町のすぐ近くです。
2002年から自社瓶詰めを始めたということでまだ新しいワイナリーですが、賞もたくさん取っておりPDOネメアを代表する作り手のひとつになっているそうです。
ペロポネソス半島北側の地図で今日の作り手およびワインと周囲の産地の関係を見てみます。
ペロポネソス半島はギリシャの大陸部分南端に広がる半島で、ギリシャの「本土」とはコリントス湾およびサロニコス湾で隔てられており(地図中央の)コリントス地峡でつながっています。 今日の作り手ザハリアスの場所を示したところが、まさにPDO Nemea(ΠΟΠ Νεμέα)になりますが、このPDOを名乗るにはアギオルギティコ(Agiorgitiko)100%でないといけません。ロディティスはコリンティア県(Κορινθία / Korinthía)の畑からでしたから、ロディティスだけを使っていたら、PGI Corinthia(ΠΓΕ Κορινθία)が名乗れたかもしれません。PGI(Protected Geographical Indication=保護地理表示)なら品種の縛りはないですからね。しかし今日のワインのモスコフィレロはマンティネイア地方(Μαντινεία)からなので、他地域のブドウをブレンドした時点でこれもアウトです。マンティネイア地方はモスコフィレロを85%以上使うとPDO Mantinia(ΠΟΠ Μαντινεία)が名乗れます。ちなみに地図の上の方、コリンティア県に隣接するPDO Patra(ΠΟΠ Πάτρα)はロディティス100%のPDOです。なるほど今日の作り手がロディティスも作っているのがうなづけます。
今日のザハリアスはネメア(Nemea / Νεμέα)にあるPDOネメア(PDO Nemea / ΠΟΠ Νεμέα)の作り手ですからね。ここのアギオルギティコ(Agiorgitiko)も一度試してみたいですね。
カルディ、また置いてくれないですかね(笑)。アギオルギティコは当然ギリシャ原産の黒ブドウですが、古くからここネメア周辺(コリントス~ネメア~アルゴス)のみで栽培されてきたので、おそらく起源はこのあたりとされています。この品種も古すぎて親子関係は不明。一説には古代ギリシャではもう栽培されていたとか。コリントスもアルゴスも古代ギリシャの都市国家でしたからさもありなんです。
最後に恒例ですがギリシャ全体のワイン産地を俯瞰して位置関係を見ておきましょう。
ロディティスの語源というロードス島は見つかりましたか? エーゲ海のずいぶん南の方ですよ。
ラベル平面化画像。
シリーズ名の「O(オミクロン)」というのはギリシャ語のアルファベットの「O」でしたね。「O」のまわりに書いてあるのはワイン関連のキーワードのようです。テロワール、歴史、ブドウ畑、バランス、ビジョン、伝統、色、香り、地形、太陽、コリンティア、ロディティス、モスコフィレロ、etc...
さあ、スクリュー回転。
無印...。
ワイン作りを学びコンサルなどをしていたエリアス・ザハリアス(Elias Zacharias)さんがネメア(Nemea / Νεμέα)近くの現在のワイナリーを購入したのが1990年。2002年から自社で瓶詰めを開始しているそうです。インポーターのアズマのHPを見ると「ザシャリアス・ワイナリー」と紹介していますが、「ザハリアス」の方が原音に近いようです。
公式ページはそこそこ情報あり、英語表示もできるので助かります。
シリーズ名の「O(オミクロン)」というのはギリシャ語のアルファベットの「O」です。品種別のバリエタルのシリーズのようです。
・Roditis 70%
・Moschofilero 30%
と、ロディティス主体の2種ブレンドですね。ロディティスはコリンティア県(Κορινθία / Korinthía)の畑から、モスコフィレロはマンティネイア地方(Μαντινεία)からとなっています。出どころはハッキリしてそうですが、PDOもPGIも表示がありませんでしたね。後ほど詳しく見ますが、品種が規定品種でなくてPDOを名乗れず、2つの違うエリアからのブレンドでPGIも名乗れなくなったというのが真相のようです。醸造はクラシカルな白ワインの醸造法だそうで、当然樽はなく、それぞれの品種を個別に醸造した後でブレンドされます。
これがロディティス(Roditis / Ροδίτης)です。当然のギリシャ原産。
写真からわかるように果実はオレンジ~赤みを帯びています。いわゆるグリですね。非常に古い品種で親子関係は判明していません。「Roditis」という名前は「赤みのある果実」というニュアンスがあるようですが、実は名前の謂れはなんとエーゲ海に浮かぶロードス島(Ρόδος / Rhodes)なんだそうです。
モスコフィレロ(Moschofilero / Μοσχοφίλερο)がこれ。こんな写真しか見つからず。
これもギリシャ原産。日本語では「モスホフィレロ」と書いていたりしますが、ここでは「モスコフィレロ」としておきます。Forvoで聴くと「モスコフィエーロ」と聞こえるんですけどね(笑)。この写真も果実が黒っぽいですが、同じDNAで遺伝的に同一のクローンがたくさん存在し、それぞれ違うシノニムで呼ばれ、色以外にも葉の形状や果実の大きさ、味わいまで違うそうです。色は完全な白ブドウから黒ブドウまで揃ってるみたいですが(笑)、通常白ワインやロゼワインに仕立てられるようです。マケドニア地方とペロポネソス半島に多いそうです。
さあ、ザハリアスを訪問しましょう。ネメア(Nemea / Νεμέα)の町のすぐ近くです。
2002年から自社瓶詰めを始めたということでまだ新しいワイナリーですが、賞もたくさん取っておりPDOネメアを代表する作り手のひとつになっているそうです。
ペロポネソス半島北側の地図で今日の作り手およびワインと周囲の産地の関係を見てみます。
ペロポネソス半島はギリシャの大陸部分南端に広がる半島で、ギリシャの「本土」とはコリントス湾およびサロニコス湾で隔てられており(地図中央の)コリントス地峡でつながっています。 今日の作り手ザハリアスの場所を示したところが、まさにPDO Nemea(ΠΟΠ Νεμέα)になりますが、このPDOを名乗るにはアギオルギティコ(Agiorgitiko)100%でないといけません。ロディティスはコリンティア県(Κορινθία / Korinthía)の畑からでしたから、ロディティスだけを使っていたら、PGI Corinthia(ΠΓΕ Κορινθία)が名乗れたかもしれません。PGI(Protected Geographical Indication=保護地理表示)なら品種の縛りはないですからね。しかし今日のワインのモスコフィレロはマンティネイア地方(Μαντινεία)からなので、他地域のブドウをブレンドした時点でこれもアウトです。マンティネイア地方はモスコフィレロを85%以上使うとPDO Mantinia(ΠΟΠ Μαντινεία)が名乗れます。ちなみに地図の上の方、コリンティア県に隣接するPDO Patra(ΠΟΠ Πάτρα)はロディティス100%のPDOです。なるほど今日の作り手がロディティスも作っているのがうなづけます。
今日のザハリアスはネメア(Nemea / Νεμέα)にあるPDOネメア(PDO Nemea / ΠΟΠ Νεμέα)の作り手ですからね。ここのアギオルギティコ(Agiorgitiko)も一度試してみたいですね。
カルディ、また置いてくれないですかね(笑)。アギオルギティコは当然ギリシャ原産の黒ブドウですが、古くからここネメア周辺(コリントス~ネメア~アルゴス)のみで栽培されてきたので、おそらく起源はこのあたりとされています。この品種も古すぎて親子関係は不明。一説には古代ギリシャではもう栽培されていたとか。コリントスもアルゴスも古代ギリシャの都市国家でしたからさもありなんです。
最後に恒例ですがギリシャ全体のワイン産地を俯瞰して位置関係を見ておきましょう。
ロディティスの語源というロードス島は見つかりましたか? エーゲ海のずいぶん南の方ですよ。
ラベル平面化画像。
シリーズ名の「O(オミクロン)」というのはギリシャ語のアルファベットの「O」でしたね。「O」のまわりに書いてあるのはワイン関連のキーワードのようです。テロワール、歴史、ブドウ畑、バランス、ビジョン、伝統、色、香り、地形、太陽、コリンティア、ロディティス、モスコフィレロ、etc...
さあ、スクリュー回転。
無印...。
Alc.11.5%。
少しオレンジ気味のイエロー。
梨、ネーブル、爽やかな香りです。
辛口アタック。
酸はスッキリ系でいい感じに効いています。
ライム様の柑橘系の味わいは爽やかさのみ強調します。
軽くも感じるんですが、それが個性にも感じます。
なかなかいいです。
お初の品種がおいしいとうれしいですね。
なかなかいいです。
お初の品種がおいしいとうれしいですね。
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Zacharias
Omikron
Roditis-Moschofilero 2022
Omikron
Roditis-Moschofilero 2022
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