Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Hedges_Family_Estate

Hedges Family Wines CMS Sauvignon Blanc 2019 Columbia Valley

先日は、コストコに自分が超注目しているヘッジズのラインアップが大量に出ていたのに驚きましたが、ソーヴィニヨン・ブランの白もあるのを発見しました。C.M.S なる名前がついていますが、以前赤の C.M.S というのも試していまして、同じく広域コロンビア・ヴァレーAVAの普及ラインと思われます。赤がうまうまの作り手の白。非常に気になるので早速試してみましょう。

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ヘッジズ(Hedges Family Estate)は1987年創業の家族経営ワイナリーで、オーナーがトムさんとアン・マリーさんのヘッジズ夫妻です。トムさんはこのワイナリーの近くリッチランドという町の出身ですが、奥さんはシャンパーニュ出身のフランス人とのこと。ラベルからもわかるように確かにフランスのテイストがありますね。今日のワインほかカベソー・ブレンドは正にボルドーをそのお手本にしいてます。今日のソーブラ・ブレンドもボルドースタイルなんでしょうか。

コストコ店頭ではこのように売られています。ヘッジズ赤3兄弟+白の計4種も。
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現地では公式ショップ価格14ドルですから、レート換算すると現地よりも安くなりです。コストコ恐るべし。いや、ありがたし。(笑)


公式ページはワイン紹介がショップ兼用なれどよくできています。

ショップ兼用サイトは在庫のある最新ヴィンテージしか載ってないことが多いです。今日のワインも2020年のデータのみでした。以下は裏ラベルにあった情報なので2019年のものです。

・ソーヴィニヨン・ブラン 77%
・シャルドネ 22%
・マルサンヌ 1%

前に試した赤の C.M.S は、Cabernet Sauvignon - Merlot - Syrah の頭文字でしたが、今日の白はもしかして… Chardonnay - Marsanne - Sauvignon Blanc でしょうか。なんだかすごいこじつけのような気がします。100歩譲ってシャルドネはいいとしても、マルサンヌは「M」のために無理やり混ぜているような気がします。1%だけだし…。そもそもボルドーブレンドを標榜するなら、ソーブラに混ぜるのはセミヨンのような気がします(笑)。醸造は、ステンレスタンクで発酵のみ、MLFはなしだそうです。

1%だけですが、これが「M」のためにブレンドされたマルサンヌ(Marsanne)です。
Marsanne
ルーサンヌ(Roussanne)と共にローヌの重要な品種です。コート・デュ・ローヌほか、クローズ・エルミタージュ、エルミタージュ、サン・ジョセフのAOCではルーサンヌとマルサンヌがシラー主体の赤ワインにブレンドできます。コート・ロティでは同様にヴィオニエがブレンド可でしたね。また、サン・ペレはルーサンヌ・マルサンヌからの白のみのAOCです。

ついでなので、ルーサンヌ(Roussanne)も貼っておきましょう。
Roussanne
シャトーヌフ・デュ・パプ(赤・白あり)ではこのルーサンヌのみでマルサンヌは許されていませんのでご注意を。そんなややこしいルーサンヌ・マルサンヌですが、実は2010年のDNA分析で親子関係が認められています。どっちが親なのか等ははっきりしていないようですが、この2品種は非常に近い親戚であることは間違いないようです。


前にも見ていますが、ヘッジズを訪問します。周囲が自社畑の美しいところです。
Hedges01
ストビューでは敷地の中に入れず、入口の写真でお茶を濁します。奥に見える丘が Red Mountain 山で、この辺り一帯が Red Mountain AVA になります。

これも前に見ている地図。ワイナリーの周辺が以下のような自社畑になっています。
Hedges03
自社畑はほとんどが黒品種ですね。ごく少しだけ今日のマルサンヌとヴィオニエがあるようです。となるとソーヴィニヨン・ブランやシャルドネは契約農家からの買いブドウということになります。実際、HPの解説には Yakima Valley AVA や Columbia Valley AVA からとありました。自社畑の場合は「Hedges Family Estate」名ですが、今日のような買いブドウの場合は「Hedges Family Wines」名になるようです。

例によってワシントン州を俯瞰して Columbia Valley AVA 他とヘッジズの位置を確認します。
Washington01
シアトルのある Puget Sound AVA 以外は、カスケード山脈を挟んで内陸側、コロンビア川流域の、いわゆるコロンビア・ヴァレーAVAになります。その中に内包されて狭域のAVAがあるという関係になっています。
コロンビア川はカナディアンロッキーを水源にワシントン州を広範囲に流れ、Horse Heaven Hills AVA のあたりでオレゴン州との州境となり西へ向かい、オレゴン州最大の都市ポートランド(オレゴンの州都はセイラム - Salem)で Willamette Valley AVA から来たウィラメット川と合流し太平洋に注ぎ込みます。やはり川が銘醸地を知る鍵ですね。

AVAを見るには、こういうネットで拾った地図(PDFはここ)の方がわかりやすいですね。
Wash01
また、ワシントン州のワイン公式サイトというのもあるのでご参考まで。


ラベル平面化画像。
IMG_6968

コストコのラベルはこんな感じ。隠れてたのは警告部分でした。
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さあ、スクリュー回転。
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プリントですが「C.M.S」マークが入っています。

Alc.13.5%。
ゴールドイエロー。
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ライム、青リンゴ、グリーングラス。
辛口アタック。
柑橘系の風味ながら酸はあくまできれい。
ミネラル感もしっかり。

上等ニュージーランドって感じがします。
つまり、シャルドネ感はないんですよね。
ましてやマルサンヌをや(笑)。


*****


Hedges Family Wines
CMS Sauvignon Blanc 2019
Columbia Valley
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01

Hedges Family Estate La Haute Cuvée 2017 Red Mountain AVA

ワシントン州の作り手、ヘッジズ(Hedges)の Red Mountain というブレンドが超おいしかったので、そこの普及ラインの C.M.S というのを試すとこれまたなかなかのレベル。さらにシラー100%のDLDというのをいただいて悶絶(笑)。この作り手は間違いないと確信しました。すると今度はコストコにこれらのフルラインが並んでいるじゃないですか。それも今までお目にかかってないトップ・キュヴェの「La Haute Cuvée」も一緒に! 当然ながら速攻ゲットしました。現地じゃ65ドルのものがコストコ価格で税込み4,500円なのがまたうれしい。

IMG_6858 (1)
ヘッジズ(Hedges Family Estate)は1987年創業の家族経営ワイナリーで、オーナーがトムさんとアン・マリーさんのヘッジズ夫妻です。トムさんはこのワイナリーの近くリッチランドという町の出身ですが、奥さんはシャンパーニュ出身のフランス人とのこと。ラベルからもわかるように確かにフランスのテイストがありますね。今日のワインほかカベソーブレンドは正にボルドーをそのお手本にしいてます。

コストコ店頭ではこのように売られています。ヘッジズ3兄弟揃って壮観です。
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さらに現地価格はそれぞれ65ドル、30ドル、44ドルですから、レート換算がおかしいんじゃないのっていうぐらい現地よりも激安です。コストコ恐るべし。いや、ありがたし。(笑)


公式ページはよく出来ていますが、アメリカあるあるでワイン紹介はショップ兼用。

ショップ兼用サイトは最新ヴィンテージばかりになりがち。ですが、今日の2017年のデータあり。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 95%
・プチヴェルド 5%

自社の一等地の畑からのブドウを(場所は後で見ます。)タンクで発酵、樽に移され自然のMLFが起こります。樽は、アメリカンオーク樽が67%、フレンチオーク樽が33%の混成で、新樽率は32%。21ヶ月の熟成がなされます。


前にも見ていますが、ヘッジズを訪問します。周囲が自社畑の美しいところです。
Hedges01
ストビューでは敷地の中に入れず、入口の写真でお茶を濁します。奥に見える丘が Red Mountain 山で、この辺り一帯が Red Mountain AVA になります。

これも前に見ている地図。ワイナリーの周辺が以下のような自社畑になっています。
Hedges03
今日のワインのブドウはトップキュヴェということもあって、95%がワイナリー周囲の「Hedges Estate vineyard」から来ています。残り5%が道を隔てて対面の「Magdalena vineyard」からです。
2008年からほぼすべての畑をビオディナミに移行し、2015年にワシントン州で初の Demeter 認証を受けたワインをリリースしています。当然、今日のワインもビオディナミです。

Google Mapで、Benton City と Richland の町の間、もう少し広域を俯瞰します。
Red-Mountain01
レッド・マウンテンは山というよりは丘ですね。その南側に広がるのが、Red Mountain AVA(AVA=American Viticultural Area)。

Red Mountain AVA の公式ページというのがありまして、そこから空撮写真を拝借。
Red-Mountain02
手前のレッド・マウンテン側から南の方を見ています。

例によってワシントン州を俯瞰して Red Mountain AVA とヘッジズの位置を確認します。
Washington01
シアトルのある Puget Sound AVA 以外は、カスケード山脈を挟んで内陸側、コロンビア川流域の、いわゆるコロンビア・ヴァレーAVAになります。その中に内包されて狭域のAVAがあるという関係になっています。
コロンビア川はカナディアンロッキーを水源にワシントン州を広範囲に流れ、Horse Heaven Hills AVA のあたりでオレゴン州との州境となり西へ向かい、オレゴン州最大の都市ポートランド(オレゴンの州都はセイラム - Salem)で Willamette Valley AVA から来たウィラメット川と合流し太平洋に注ぎ込みます。やはり川が銘醸地を知る鍵ですね。

AVAを見るには、こういうネットで拾った地図(PDFはここ)の方がわかりやすいですね。
Wash01
また、ワシントン州のワイン公式サイトというのもあるのでご参考まで。


ラベル平面化画像。
IMG_6792
情報量いっぱいのアメリカっぽくないデザイン。きらいじゃないです。


さあ、抜栓。
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キャップシールは蠟封。さすがトップキュヴェという雰囲気が漂います。

コルク平面化。
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シンプルですが、一応「La Haute Cuvée」専用品でミレジムも横に打っています。

Alc.14.5%。(pH:4.10、Brix:6.2)
濃いインキーなガーネット。涙細かめで色付きはないです。
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黒ベリー、森の下草、上品な樽香が香ります。
芳醇な旨味が乗ってることがすぐわかる辛口アタック。
なめらなテクスチャーに包まれ、
ボリューム感の中にも複雑な構造感が成立しているのがわかります。
絶妙な酸は全体を完全調和に導くようです。
余韻では悠遠という言葉を思い出します。

圧倒的です。傑出しています。
これは…100点満点をつけてしまうでしょう。


*****


Hedges Family Estate
La Haute Cuvée 2017
Red Mountain AVA
RRWポイント 100点


Hedges Descendants Liégeois Dupont Red Mountain Syrah 2013

ワシントン州の作り手、ヘッジズ(Hedges)の Red Mountain というブレンドが超おいしかったので、そこの普及ラインの C.M.S というのを試すとこれまたなかなかのレベル。もうヘッジズのファンになってしまいました。個人的には「アメリカの最高峰はナパやソノマじゃなく、ワシントン州にあった!」と言う感じです。今日は自社畑シラー100%をお試しです。

IMG_5794
Hedges は1987年創業の家族経営ワイナリーで、オーナーがトムさんとアン・マリーさんのヘッジズ夫妻です。トムさんはこのワイナリーの近くリッチランドという町の出身ですが、奥さんはシャンパーニュ出身のフランス人とのこと。ラベルからもわかるように確かにフランスのテイストがありますね。実際この DLD(Descendants Liégeois Dupont)というワイン名は奥様側のご先祖へのオマージュなんだそうで。


公式ページはよく出来ていますが、アメリカあるあるでワイン紹介はショップ兼用。

ショップ兼用サイトは最新ヴィンテージばかりになりがち。今日の2013年のデータは見つからず。よってネット情報などを見て総合的に判断。(笑)
・シラー 100%
シラーは自社畑「Les Gosses Vineyard」から。Joseph Phelps と Tablas Creek のクローンなんだそうで。どちらもカリフォルニアからですが、元はバリバリのローヌ系のようですね。除梗、部分的に破砕、ステンレスタンクで醸されます。新樽率40%で樽詰め後、樽内でMLF、澱引きの後11ヶ月の熟成です。樽はアメリカンとフレンチの混成でだいたい半々のようです。
パーカーおじさんは今日の2013年に92点をつけていますね。悪くない評価ですが微妙な点数です。ただし、こっちは8年寝かせてますからいい具合の熟成も楽しめるかもです。


前にも見ていますが、ヘッジズを訪問します。周囲が自社畑の美しいところです。
Hedges01
ストビューでは敷地の中に入れず、入口の写真でお茶を濁します。奥に見える丘が Red Mountain 山で、この辺り一帯が Red Mountain AVA になります。

Google Mapで、Benton City と Richland の町の間、もう少し広域を俯瞰します。
Red-Mountain01
レッド・マウンテンは山というよりは丘ですね。その南側に広がるのが、Red Mountain AVA(AVA=American Viticultural Area)。

Red Mountain AVA の公式ページというのがありまして、そこから空撮写真を拝借。
Red-Mountain02
手前のレッド・マウンテン側から南の方を見ています。

これも前に見ている地図。ワイナリーの周辺が以下のような自社畑になっています。
Hedges03
Les Gosses という畑がシラー専用のようですね。2008年からほぼすべての畑をビオディナミに移行し、2015年にワシントン州で初の Demeter 認証を受けたワインをリリースしています。

例によってワシントン州を俯瞰して Red Mountain AVA とヘッジズの位置を確認します。
Washington01
シアトルのある Puget Sound AVA 以外は、カスケード山脈を挟んで内陸側、コロンビア川流域の、いわゆるコロンビア・ヴァレーAVAになります。その中に内包されて狭域のAVAがあるという関係になっています。
コロンビア川はカナディアンロッキーを水源にワシントン州を広範囲に流れ、Horse Heaven Hills AVA のあたりでオレゴン州との州境となり西へ向かい、オレゴン州最大の都市ポートランド(オレゴンの州都はセイラム - Salem)で Willamette Valley AVA から来たウィラメット川と合流し太平洋に注ぎ込みます。やはり川が銘醸地を知る鍵ですね。

AVAを見るには、こういうネットで拾った地図(PDFはここ)の方がわかりやすいですね。
Wash01
また、ワシントン州のワイン公式サイトというのもあるのでご参考まで。


ラベル平面化画像。
IMG_5381
情報量いっぱいのアメリカっぽくないデザイン。きらいじゃないです。


さあ、抜栓。
IMG_5791
キャップシールは凝ってますね。コルクもDLD専用デザインですが、写ってる紋章だけなので平面化はしません。

Alc.14.5%。(pH:4.10、Brix:6.2)
濃いインキーなガーネット。
IMG_5792

黒ベリー、ダークチェリー、森の下草、スパイス。
酸がしっかり主張する辛口アタック。
圧倒的な厚みの奥行きある味わいです。
スモーキーな風味を漂わせる複雑な深みを感じます。
先ほどの酸はそれを豪華に飾り付けます。
余韻も悠遠にて、終わりなしの如し…。(笑)

パーカーおじさんの92点さえ、ウソでしょって感じ。
この作り手、ほんと間違いないです。


*****


Hedges Family Estate
DLD (Descendants Liégeois Dupont)
Cuvée Marcel Dupont
Red Mountain Syrah 2013
RRWポイント 97点


Hedges C.M.S 2016 Columbia Valley

前に試したワシントン州の作り手、ヘッジズ(Hedges)の Red Mountain というのが超絶おいしかったんですが、そこの普及ラインと思われる C.M.S というのを今日は試してみます。C.M.Sとは、Cabernet Sauvignon.Merlot.Syrah のことのようですね。おいしそうな名前です。(笑)


IMG_3827
Hedges は1987年創業の家族経営ワイナリーで、オーナーがトムとアン・マリーのヘッジズ夫妻です。トムさんはこのワイナリーの近くリッチランドという町の出身ですが、奥さんはシャンパーニュ出身のフランス人とのこと。ワイナリーを始める前には世界のワイン産地を二人で回ってるそうで、目線は世界なんでしょうね。


公式ページはよく出来ていますが、アメリカあるあるでワイン紹介はショップ兼用。

今日の C.M.S も載ってますが最新ヴィンテージの2017年のみでした。
しかし、セパージュ情報は裏ラベルにありましたので間違いはないです。
・メルロー 58%
・カベソー 30%
・シラー 12%
あれれ、メルロー主体ですね。すると C.M.S ではなく M.C.S じゃないの?(笑)
ブドウは Sagemoor Farms という栽培農家からの買いブドウに、Red Mountain の自社畑のブドウをブレンドしているとのこと。
40%がアメリカンオーク樽で発酵、MLF(マロラクティック発酵)まで行い、そのまま15~18ヶ月の熟成をされ、残りの60%がMLFまでタンクで行った後、フレンチオーク樽に移され熟成されます。ややこしいことをやってそうですが、おそらく買いブドウと自社畑で別のプロセスを踏むからなんでしょうね。


ヘッジズは、ワシントン州ベントン・シティにあり、周囲が自社畑です。Hedges01
ストビューでは敷地の中に入れず、入口+建物写真でお茶を濁します。
奥に見える丘が Red Mountain 山で、この辺り一帯が Red Mountain AVA になります。

前回見ていますが、ワイナリーの周辺が以下のような自社畑になっています。
Hedges03
今日のワイン C.M.S にブレンドされている畑が、Hedges、Bel’ Villa、Jolet、Les Gosses、Magdalena ということで、ほぼ全部の畑からですね。(笑)(Joletという畑は下側にあるんですが、この地図の外側です。)

買いブドウを供給してるのが、リッチランドとコロンビア川の向こう側にある Sagemoor Farms(Sagemoor Vineyards)という栽培農家になります。車で30分ほどの距離ですね。
Hedges03
ということで、自社畑のみなら Red Mountain AVA になるところ、今日のワインは広域の Columbia Valley AVA になるわけですね。

例によってワシントン州を俯瞰して Red Mountain AVA のヘッジズの位置を確認します。
Hedges02
シアトルのある Puget Sound AVA 以外は、カスケード山脈を挟んで内陸側、コロンビア川流域の、いわゆるコロンビア・ヴァレーAVAになります。その中に内包されて狭域のAVAがあるという関係になっています。(AVA=American Viticultural Area)
コロンビア川はカナディアンロッキーを水源にワシントン州を広範囲に流れ、Horse Heaven Hills AVA のあたりでオレゴン州との州境となり西へ向かい、オレゴン州最大の都市ポートランド(オレゴンの州都はセイラム - Salem)で Willamette Valley AVA から来たウィラメット川と合流し太平洋に注ぎ込みます。やはり川が銘醸地を知る鍵ですね。

AVAを見るには、こういうネットで拾った地図(PDFはここ)の方がわかりやすいですね。
Wash01
また、ワシントン州のワイン公式サイトというのもあるのでご参考まで。


ラベル平面化画像。
IMG_3759
ワイナリー名をヘッジズと書かず、CMS Wineryとしています。そこに書いてあるURLはヘッジズのサイトに繋がりますが…。(笑)


さあ、抜栓。
IMG_3825
シンプル~。

コルク平面化。
IMG_3831
CMSx2のみ。ノマコルクっぽいけど表示はなし。

Alc.13.5%。(pH:4.16、Brix:7.4)
ガーネット。
IMG_3826

ブラックベリー、ブラックチェリー、黒糖、濡れ木。
うまく樽熟も効いてる香りです。
酸も感じる辛口アタック。
深み・厚みしっかりした味です。
若干の酸が微妙な感じなんですが、
メルロー、カベソーの風味が凝縮してる感じがします。
タンニンもほどよいですね。
ただし、本当にかすかなんですが、ちょっと気になる酸。
余韻も貫禄の長さなんですが…+酸。(笑)

トップエンドに遠慮した作りは意図的なのかもしれませんが、
位置づけとして、ちょうどいい感じの普及ラインに仕上げてあります。
しかし、ヘッジズ…やるな。このクオリティーは間違いないです。


*****


Hedges Family Estate
C.M.S 2016
Columbia Valley
RRWポイント 94点


Hedges Family Estate Red Mountain 2013

アメリカ、ワシントン州のワインは過去アメリカ出張中には飲んでますが、
今回初めて日本の店頭で発見して思わずゲットしました。
まだまだ日本じゃカリフォルニアワインが幅を利かせてますからね。
オレゴンはたまに見かけますが、ワシントンや東海岸なんかは稀です。
今日のこれはRed Mountain AVAで、広域AVAのColumbia Valleyより上等そう。


IMG_1040
ちょっと古風なラベルデザイン。いろいろコテコテ書いてます。
1987年創業で、これが27回目のヴィンテージなんて、ご親切に。(笑)
家族経営で、オーナーがトムとアン・マリーのヘッジズ夫妻だとも。
この夫妻が創業者で一代目。奥さんはシャンパーニュ出身のフランス人らしいっす。


公式ページはアメリカらしくよく出来てますが、ワイン紹介が最新ヴィンテージのみ。

ショップサイトに飛ぶと2013年が辛うじて載ってました。
これで情報は揃いますが、実は裏ラベルにしっかり詳細情報あり。これはエライ。
・カベソー 59%
・メルロー 28%
・カベフラ 5%
・マルベック 4%
・シラー 2%
・プチヴェルド 2%
ボルドー品種勢揃いのボルドーブレンドですね。
新樽率31%のオーク樽(米産:66%、仏産:34%)で12ヶ月熟成。


さあ、ワシントン州ベントン・シティにあるワイナリー訪問。
Hedges02
ストビューでは敷地の中に入れず、入口+建物写真でお茶を濁します。
Google Mapにあった写真では、試飲しやすそうな、たいそう立派な施設でした。
奥に見える丘がRed Mountainで、この辺り一帯がRed Mountain AVAになります。

公式ページに畑の詳細情報があったので、何を思ったかGoogle Mapに転記。
Hedges03
驚くのは、ほとんどの畑がDemeterのビオディナミ認証を受けていることです。
Google Mapの写真で、水牛の角に何やら(笑)詰めて埋めてるシーンを発見。
月の満ち欠けやら、くり抜いた水牛の角やら、ほんとにやってるんですね。(笑)
(これ描いてて発見しましたが、隣にAntinoriがベンチャーしてるCol Solareが。)

ワシントン州のAVA地図で位置関係を見ておきましょう。
Hedges01
いつものフリーマップにGoogle Mapを埋め込んでます。
Red Mountain AVAは、文字通りRed Mountainの南に広がる地域で、
1,600haほど(畑は240ha)のワシントン州最小のAVAになります。
注目点は、Red Mountain AVAYakima Valley AVAに内包され、さらに、
Yakima Valley AVAは広域のColumbia Valley AVAに内包されるということ。
AVA(American Viticultural Area)ではよくあるパターンで、AVAとして実は、
明確に優劣を定義してないんですが、慣例でより狭い地域の方が品質が高いとされます。


ラベル平面化画像。
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裏ラベル情報が完璧。セパージュ、醸造情報、出所の畑の比率まで示してあります。
それを隠さないインポーターシールもエラい。


さて、抜栓です。
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キャップシール、コルク、ワイナリー名入りでいい感じです。

Alc.13.5%。
濃いガーネット、粘性の厚みのある涙。
IMG_1037

ブラックベリー、ブラックチェリー、コーヒー、かすかに黒糖かシナモン。
湿った木、エレガントな樽香です。
辛口アタック。
うん?塩味を感じた気がしました。
すると、圧倒的な複雑味と構造感のある味わいが来ます。
上等ボルドーか?はたまたオーパスワンか?
そんな雰囲気。
冷涼地域の個性でしょうか、酸味がバックグラウンドに見え隠れしますが、
ネガティブな要素のない酸なので、いい仕事してるのみでした。
タンニンは果てしなくシルキーで心地よさのみの絶妙な収斂性。
余韻は勢い落ちることなくじんわり長いです。
驚きました。あるんだなぁこんなところに傑出したワイン。

パーカーおじさんは90点をつけていますが、コメントの中で、
「There's a touch of brettanomyces here, and I suspect it won't be for everyone,
but I like it.」と言ってます。(例の好みを白状してますね。笑)
「ブレタノマイセスっ気があって、みんなは好きじゃないかもだが、オレは好きだぜ。」
ってことですが、確かに特徴的なスモーキーさは感じます。
しかし、このうまさは、熟成で今はいい具合にこなれていると思われます。
おじさん、今もう一度2013年飲むべきですよ。(笑)


*****


Hedges Family Estate
Red Mountain 2013
RRWポイント 98点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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