Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Italy

Cotarella Montiano 2017 Lazio IGP

なんだか抽象画のようなラベルデザインで、自分じゃ絶対ジャケ買いしなさそうなワインですが、お正月のカルディのワインくじで当たったんだから仕方ありません(笑)。しかし、調べてみると、2014年にパーカーおじさんが92点をつけ、2015年には93点、2016年にはなんと95点をつけています。残念ながら今日の2017年の評価はわからないのですが、この流れで行くと96~97点はつきそうです。(笑)

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う~ん、ワインは見かけによらないものですね。ウンブリア州オルヴィエト(Orvieto)出身のリカルドとレンツォのコタレッラ兄弟が1979年にラツィオ州モンテフィアスコーネにワイナリーを設立したのが始まり。ウンブリアやラツィオで土着品種や国際品種など幅広いワインを手掛け評価が高まっていったようです。今日のメルローのモノセパージュ、モンティアーノは1993年に生まれています。1999年には故郷ウンブリア州のオルヴィエトの南のモンテッキオに新ワイナリーを構えています。

これがその、おめでたい感じのワインくじ(笑)。1等はドンペリでした。
Montiano01
ドンペリはハズれましたが、2000円出して5000円のワインが出たので、中当たりといったところでしょうか。


公式ページは、効果がいっぱいで少し見にくいですが立派なものです。

ワイン紹介もヴィンテージ毎のデータシートがあって充実しています。
・メルロー 100%
今日のワインは評価も高いですが、最初に載っていてコタレッラの看板ワインのようです。フレンチオーク樽で12ヶ月の熟成です。


ウンブリア州、モンテッキオ(Montecchio)のワイナリー訪問。
Cotarella01
周りの雰囲気もいい感じの所です。ファレスコは創業当初からの名前で、今もファレスコ名のラインナップがあります。


さあ、今日のワインはIGPラツィオなのでラツィオ州を俯瞰して見ます。
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しかし、コタレッラがウンブリア州のオルヴィエト出身で、今はウンブリア側にワイナリーを構えていますので、ラツィオ州全体の地図とは微妙な感じになりましたね(笑)。ただし、今日のワインがモンテフィアスコーネ(Montefiascone)とカスティリオーネ・イン・テヴェリーナ(Castiglione In Teverina)の畑からということなので、その場所は示しておきました。例の「Est! Est!! Est!!! di Montefiascone DOC」で有名なあたりですね。


ラベル平面化画像。
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カルディのオーバーシーズが独占でやってるんでしょうかね。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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シンプルですが、一応ヴィンテージは横に打ってあります。

Alc.14.5%。(pH:4.56、Brix:8.0)
濃いガーネット。
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黒ベリーに酸の香り。
チェリー、プラム。
若い木の樽香も感じます。
辛口アタック。
酸はありますが嫌な主張はしませんね。
複雑味をたたえる味は飲み進めるとボリューム感を増します。
タンニンは心地よい収斂性で丁度いいです。
フレッシュ感が続く余韻はかなり楽しめました。

うん、なかなかうまいではありましたが、
パーカーおじさんの95点とまではいかないかな~。


*****


Famiglia Cotarella
Montiano 2017
Lazio IGP
RRWポイント 91点


Orsolani La Rustìa 2018 Erbaluce di Caluso DOCG

ちょっと前にピエモンテ州北部のDOCGゲンメ(もどき)を試した時に、すぐ近くにエルバルーチェ・ディ・カルーゾErbaluce di Caluso DOCG)という白のDOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)があるのには気づいてました。それも、その地方だけのローカル品種、エルバルーチェ100%だといいます。気になって仕方ないのでお試しといきましょう。

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1894年の創業から4世代に渡り、ピエモンテ州北部カナヴェーゼ(Canavese)のエリアでエルバルーチェ(Erbaluce)のワインを作る代表的な作り手、オルソラニ(Orsolani)。そこの看板ワインになります。「La  Rustìa」という名前は、エルバルーチェのシノニム「Uva Rustìa」から来ているようですね。

公式ページは超シンプルですが、ワイン情報もしっかり載っています。

今日のワインはエルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGなので、規定により…
・エルバルーチェ 100%
となります。ステンレスタンクで発酵・熟成。期間は不詳ですが澱を残してシュールリーをしているようです。

これがそのエルバルーチェ(Erbaluce)。
Orsolani02
ギリシャ原産という説があり、今日の作り手のオルソラニの公式ページにもそう書いていますが、DNA分析ではそれは証明されていません。ラテン語の「Alba lux(夜明けの光)」が名前の語源です。この品種の一番有名なワインが、エルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGErbaluce di Caluso DOCG / Caluso DOCG)ですが、辛口白だけでなく、スパークリング(Spumante / スプマンテ)や甘口(Passito / パッシート)もこのDOCGとして有名です。エルバルーチェ・ディ・カルーゾは1967年にDOCとなり、2010年にDOCGに昇格しています。

今日の作り手のオルソラニを訪問します。
Orsolani01
カルーゾ(Caluso)近くのサン・ジョルジョ・カナヴェーゼ(San Giorgio Canavese)という町にあります。


ピエモンテ州の地図でエルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGの位置を確認。
PIEMONTE
ゲンメDOCGやガッティナーラDOCGから山沿いに西側になるところですね。実はこれらネッビオーロのDOCGを内包する Colline Novaresi DOC と Coste della Sesia DOC も、白はエルバルーチェ100%で作られます。このあたりはエルバルーチェのエリアと一括りにできそうです。
エルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGを内包して、カナヴェーゼDOCCanavese DOC)があるのがわかりますが、このDOCも白はエルバルーチェ100%です。ただし、カナヴェーゼDOCは赤やロゼもOKです。カナヴェーゼDOCは1996年にDOCになっています。

四角で囲った部分の拡大地図がこれ。ここ一帯は白はエルバルーチェのみということです。エルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGとカナヴェーゼDOCの関係、わかりましたでしょうか。
Erbaluce_mapA
エルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGのエリアの外のエルバルーチェはカナヴェーゼDOCとなってしまいますし、エルバルーチェ・ディ・カルーゾDOCGのエリア内でも赤やロゼを作るとカナヴェーゼDOCとなるということです。現に今日の作り手は赤をカナヴェーゼDOCで出しています。
おっと、すごく小さいけどカレマDOCCarema DOC)というネッビオーロ主体のDOCを北側に見つけました。これも試してみたくなります。(笑)


ラベル平面化画像。
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V.Q.P.R.D.(Vin de qualité produit dans une région déterminée)なんて書いてますね。2008年までのフランスのワイン法で「指定地域優良ワイン」を意味する表示です。もう使われていない分類ですし、ましてフランスなんですが…。


さあ、抜栓。
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ワイナリーのロゴ入りです。

コルク平面化。
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合成コルク、ノマコルクです。

Alc.23%。(pH:4.07、Brix:6.5)
オレンジがかった濃い目のイエロー。
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レモン、ライムに青リンゴ。
ハーブっぽさか白檀のような香りもあります。
一瞬甘みかと思わせるたおやかな酸が乗った辛口アタック。
みずみずしく爽やか印象ですが、薄っぺらくはないですよ。
後味にかけて感じる苦味はいいアクセントになっています。
かなりいいですね、エルバルーチェ。


*****


Orsolani
La Rustìa 2018
Erbaluce di Caluso DOCG
WWWポイント 79点



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Antichi Vigneti di Cantalupo Agamium Colline Novaresi DOC Nebbiolo 2017

バローロやバルバレスコだけがネッビオーロじゃないと、Gattinara DOCG のスパンナや、Valtellina Superiore DOCG のキアヴェンナスカ、Vallée d’Aoste DOC のピコテンドロなど、あちこちのネッビオーロを試してきましたが、ガッティナーラDOCGのお隣にある、ゲンメDOCG(Ghemme DOCG)を忘れていました。早速お取り寄せしようと探したところ、結構なお値段がしてお高い(笑)。そこでゲンメの畑から作られるものの、熟成期間がDOCGの規定に足りないので「Colline Novaresi DOC」でリリースされるという「なんちゃってゲンメ」を見つけました。これなら懐に優しいです。(笑)

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作り手はアンティキ・ヴィニェティ・ディ・カンタルーポといいます。「アンティキ・ヴィニェティ(Antichi Vigneti)」とは「古代のブドウ園」と言う意味で、オーナーの一族アルルンノ家がブドウ栽培をしていた記録は16世紀初頭までさかのぼるそうです。1969年にゲンメDOC(Ghemme DOC)が出来ると、前オーナーのカルロ・アルルンノさんは、ブドウ園を植え替えて拡張し新しいセラーも建てました。そうして1977年に「Antichi Vigneti di Cantalupo」としてワイナリーを立ち上げます。1981年より醸造学を学んだアルベルト・アルルンノさんが引き継ぎ、この年、最初のゲンメをリリースしています。ゲンメがDOCGに昇格したのはそれから随分後の1997年です。ゲンメ最古参の作り手という訳です。半端ない歴史を感じますね。

公式ページは良くできますが、英語表示がないとか、ワインの説明が貧弱なのが惜しいところ。

インポーター(テラヴェール情報も交えながら…。
・ネッビオーロ(スパンナ) 100%
同じピエモンテ州でもゲンメやガッティナーラなど北の方ではスパンナ(Spanna)と呼ばれています。ゲンメの自社畑の若木からだそうで、ステンレスタンクで12ヶ月の熟成後、900Lと3,000Lのスラヴォニア大樽に移して12ヶ月熟成をしています。これでもゲンメDOCGの規定に足りないということですから、その規定を見てみます。

ゲンメDOCG(Ghemme DOCG)
・スパンナを85%以上使うこと。(ブレンドされるのは、Uva Rara、Vespolina。)
・樽18ヶ月、ボトル6ヶ月を含む合計34ヶ月の熟成。
・リゼルヴァ(Riserva) は、樽24ヶ月、ボトル6ヶ月を含む合計46ヶ月。

相当長い熟成ですね。バローロも結構長いんですが、いい勝負です。
・バローロ:樽18ヶ月含む合計38ヶ月。
・同リゼルヴァ:樽18ヶ月含む合計62ヶ月。

因みにバルバレスコは短め。
・バルバレスコ:樽9ヶ月含む合計26ヶ月。
・同リゼルヴァ:樽9ヶ月含む合計50ヶ月。

今日のワインのコッリーネ・ノヴァレージ DOC(Colline Novaresi DOC)だと、ゲンメを含むさらに広域が対象になり、85%以上で「ネッビオーロ」の品種が表示できます。熟成の規定もありません。
実は今日のワイン名のアガミウム(Agamium)は「ゲンメ」の古い呼び名だそうで、それとなく「ゲンメ」なんだってことを主張しているようです。(笑)


ゲンメの町の外れにある作り手訪問。
Cantalupo01
裏山は畑っぽいですね。


ピエモンテ州北部のDOC/DOCGを調べてたら、その公式ページというのを発見。

北部地域をまとめて「Alto Piemonte」と呼んでます。うまいこと言いますね。

わかりやすい地図も載っていたので、拝借して加工してみました。
Cantalupo02
セージア川(Fiume Sesia)を挟んでゲンメとガッティナーラが向かい合ってます。それぞれ広域の Colline Novaresi DOC と Coste della Sesia DOC に含まれる関係です。その他DOCも含め書き出してみます。

Colline Novaresi DOC(赤・白・ロゼ、赤はネッビオーロ:50%以上)
 ・Ghemme DOCG(ネッビオーロ:85%以上、樽熟18ヶ月の規定あり。)
 ・Boca DOC(ネッビオーロ:70~90%、樽熟18ヶ月の規定あり。)
 ・Sizzano DOC(ネッビオーロ:50~70%、樽熟16ヶ月の規定あり。)
 ・Fara DOC(ネッビオーロ:50~70%、樽熟12ヶ月の規定あり。)

Coste della Sesia DOC(赤・白・ロゼ、赤はネッビオーロ:50%以上)
 ・Gattinara DOCG(ネッビオーロ:90%以上、樽熟24ヶ月の規定あり。)
 ・Bramaterra DOC(ネッビオーロ:50~80%、樽熟18ヶ月の規定あり。)
 ・Lessona DOC(ネッビオーロ:85%以上、樽熟12ヶ月の規定あり。)

おおっ、北ピエモンテってスパンナ(ネッビオーロ)王国だったんですね。またまたネッビオーロの課題が増えたような気がします。(笑)

ピエモンテ州北部って、実はロンバルディア州のミラノにすごく近いです。
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特にミラノのマルペンサ国際空港が目と鼻の先にあります。この空港、イタリア北部の玄関口ですが、ここからだとミラノ市街よりゲンメの方が近い。(笑)


ラベル平面化画像。
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裏ラベルに、Sesia Val Grande UNESCO Global Geopark(セージア・ヴァル・グランデ・ユネスコ世界ジオパーク)とあります。そこの土地からのブドウってことでしょうか。因みにセージア渓谷は2013年にユネスコ世界ジオパークに認定されています。

インポーターシールはこれ。
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スペースがあるのになぜオリジナルに被せるかな~。


さあ、抜栓。
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犬か狼かわかりませんが、シンボルマーク入り。

コルク平面化。
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コルクにも同じマーク。DIAM5採用です。

Alc.13.5%。(pH:4.43、Brix:7.1)
エッジがかすかにオレンジのガーネット。
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ラズベリー、カシス、紅茶。
辛口アタック。
甘やかな酸がかすかに乗ってはいます。
軽めながらタンニンも効いてますね。
味にちゃんと厚みを感じ悪くないです。
喉越し、余韻といいバランスが続きますが、
最初の甘やかな酸は結構最後まで残ります。

ネッビオーロの新しいパターンとして楽しめました。
でも、やっぱり本物のゲンメをいただく必要がありますね。(笑)


*****


Antichi Vigneti di Cantalupo
Agamium
Colline Novaresi DOC Nebbiolo 2017
RRWポイント 89点


Martilde Zaffo Provincia di Pavia IGT Croatina 2017

ロンバルディア州、パヴィーア(Pavia)県に広がるDOC、オルトレポ・パヴェーゼ(Oltrepò Pavese DOC)。そこのローカル品種クロアティーナ(Croatina)100%というワインをお取り寄せ。「ワインをお勉強だけに終わらせずにちゃんと飲んでみよう」運動の一環です(笑)。ネットのショップの説明では「オルトレポ・パヴェーゼのボルナダ100%(=現地のクロアティーナのシノニム)」となっていたのに、届いたワインのラベルを見ると「Provincia di Pavia IGT」となってます。「看板に偽りあり」ですが、何か事情があったのでしょうか? まあ、クロアティーナ100%は間違いないようですからお試ししながら調べます。

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ライモンドさんとアントネッラさんのロンバルディ夫妻がミラノでのIT系の仕事(IBMらしい)を脱サラして、もっと自然や動物たちと触れ合いたいと、1991年にロヴェスカーラ(Rovescala)というパヴィーア県の田舎町に移り住みワイナリーを始めたのが今日の作り手です。一からワイン作りを学び、ローカル品種を大事にしながら日々楽しくやっておられるようです。

公式ページは「私たちは動物が大好きです」から始まり、ワイン紹介の前に動物紹介あり(笑)。

全ラインアップのラベルはアントネッラさんの動物のイラストです。猫、犬、馬、鳥など描かれており、なかなかの画才とお見受けします。今日のワインは樽熟成のトップラインで、ザッフォ(Zaffo)という馬の名前がつけられています。18年一緒にいた馬だそうで、今は天国にいるそうです。(合掌)
・クロアティーナ 100%
インポーターの情報では。フレンチオークの大樽(2,500L)で2年以上熟成されるそうです。

で、このワインが、オルトレポ・パヴェーゼ(Oltrepò Pavese DOC)ではなくて、Provincia di Pavia IGT(Provincia di Pavia=パヴィーア県)であるわけを探ってみました。ネットで昔の情報を探してみると、Oltrepò Pavese DOC Bonarda (Bonarda=Croatinaのシノニム)として出していたこともあるようです。

オルトレポ・パヴェーゼDOC(Oltrepò Pavese DOC)の変遷から紐解いてみるとします。

Oltrepò Pavese DOC(赤・白・ロゼ・泡・甘口)1970年DOC認定。
Oltrepò Pavese Metodo Classico DOCG(ピノ・ノワールの泡)2007年DOCG化。
・2010年、以下が Oltrepò Pavese DOC から独立、単独DOC化。
 → Oltrepò Pavese Pinot Grigio DOC(ピノ・グリージョ:85%以上)
 → Pinot Nero dell’Oltrepò Pavese DOC(ピノ・ノワール:95%以上)
 → Bonarda dell’Oltrepò Pavese DOC(クロアティーナ:85%以上)
 → Buttafuoco dell’Oltrepò Pavese / Buttafuoco DOC
   (バルベーラ:25~65%、クロアティーナ:25~65%)
 → Sangue di Giuda dell’Oltrepò Pavese / Sangue di Giuda DOC
   (バルベーラ:25~65%、クロアティーナ:25~65%、泡と甘口)

Bonarda dell’Oltrepò Pavese DOC が独立したせいか、Oltrepò Pavese DOC の赤はクロアティーナ:25~65%となり、「Croatina」の品種表示も認められていません。Provincia di Pavia IGT ですと、国際品種含め何でもあり状態で、クロアティーナは85%以上で品種表示できます。
クロアティーナを表示したかったとすると、何となく Provincia di Pavia IGT になった理由はわかるような気がします。
しかし、クロアティーナ100%なので、Bonarda dell’Oltrepò Pavese DOC としてもいいわけで、IGT(Indicazione Geografica Tipica=IGP:Indicazione Geografica Protetta)を敢えて選んだ理由がはっきりしませんね。


これがクロアティーナ(Croatina)。地元ではボナルダ(Bonarda)というブドウです。
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ここでボナルダなんて呼ぶもんですから混同するんですが、ピエモンテ州の補助品種「Bonarda Piemontese」とは全く別品種です。また、クロアティーナという名前の意味は「クロアチアの」なんですが、原産はイタリアです。クロアチアにはクロアチア原産の「Hrvatica」(クロヴァティツァと発音するようです。)という品種があり、これも関係を疑われましたが1999年のDNA分析で否定されています。


作り手訪問。小高い丘の上でたくさんの動物たちと暮らしているようです。
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ロゴマークに猫が2匹いますが、マルティーナ(MARtina)ちゃんとマティルデ(maTILDE)ちゃんだそうで、この2匹の名前を合わせてワイナリー名「MARTILDE」にしています。どんだけ動物好きやねん!(笑)


さあ、恒例のGoogle Mapでロンバルディア州を俯瞰して見ます。
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主要DOC/DOCGは左上にインポーズした地図と照らし合わせてください。今日の作り手の所在も書き込んでいます。パヴィーア県ですが、エミリア・ロマーニャ州との州境近くですね。銘醸地は、山間(Valtellina Superiore DOCG)や、山際(Franciacorta DOCGなど)、そしてポー川流域(Oltrepò Pavese DOCなど)という分布と考えればよさそうです。


ラベル平面化画像。
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作り手が可愛がっていた馬のザッフォ君のイラストということを知ると何となく感慨深いです。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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ロゴマーク入り。DIAM10採用です。長熟タイプなのが伺えます。

Alc.15%。(pH:4.24、Brix:8.3)
濃い黒いインキーなガーネット。
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カシス、あんず、アセロラ。
シンナー系の揮発油のような感じも。
酸味乗った辛口アタックです。
収斂性のきぶさを感じるタンニンも最初から特徴的です。
味の厚みはあるんですが、
渋味と酸がマスクしてなかなかたどり着けない(笑)。
こうして喉元を刺激されながら突入する余韻も、
表層はガッツリ収斂性が尾を引きます。

色と言い、とってもパワフルでパンチがある品種ですね。
あっさりより、これぐらいパンチがある方が好きです。
2日目は少々こなれて、おいしくいただけました。


*****


Azienda Agricola Martilde
Zaffo
Provincia di Pavia IGT
Croatina 2017
RRWポイント 87点


Orlando Abrigo Langhe Nebbiolo 2014 Settevie

オルランド・アブリゴというトレイゾ村にあるバルバレスコの作り手です。ここのバルバレスコにパーカーおじさんは92~94点を何度もつけており実力は高そうです。しかしながら、今日お試しするのはラベルもおしゃれなエントリーラインのランゲ・ネッビオーロ。しっかりネッビオーロらしさが出てればOKなんですが。

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1964年にオルランド・アブリゴさんが設立したとなっていますが、それ以前、1949年(13歳の時)にオルランドさんは父を亡くし代々のブドウ畑を受け継いでいます。しかしまだ若干13歳。畑は小作人に任せ、オルランドさんが勉強を積んで一人前になるのを待つ必要があったということのようです。オルランドさんは以降バルバレスコでワイン造りに打ち込み、1973年に最初のバルバレスコDOCをリリースします。バルバレスコDOCは1966年に制定され、DOCGに昇格したのが1980年。まさにバルバレスコ創成期に生まれ、共に成長してきた作り手と言えるでしょう。現在は息子のジョバンニ・アブリゴさんが引き継ぎ事業を拡大していってるそうです。

公式ページはあっさりした内容ですが今風でちゃんとしています。

ただし、個々のワイン紹介は貧弱な感じ。ネット情報を交えながら…。
・ネッビオーロ 90~95%
・バルベーラ 5~10%
ランゲDOCの規定では85%以上で品種が表示できます。なので今日のはランゲ・ネッビオーロです。熟成はバリックとトノー(900L)併用で12〜15ヶ月のようです。

ピエモンテ州はバルバレスコのエリア、トレイゾにある作り手訪問。
OrlandoAbrigo01
敷地内へストビューで入れなかったので公式ページにあった写真を拝借。矢印の建物は2012年竣工の新しいセラー。斜面の地形を利用したグラビティ・フローの最新式です。真ん中の建物はゲストハウスになっていてホテル業も併設でやってるそうです。

バルバレスコの正確なエリアをGoogle Map上に示しました。
OrlandoAbrigo02
すると、今日のオルランド・アブリゴの所在はギリギリ域内です。所有のバルバレスコの畑はもっと北側にありますからご安心を。ただし、今日のワインはランゲですから、トレイゾの畑のブドウを主体にTrezzo TinellaやRoretoといった域外のものをブレンドしてるようです。

1994年制定のランゲDOCの範囲はバローロ、バルバレスコを内包する広大なエリアです。
Monferrato_Langhe02
全部で54のコムーネがランゲDOCの対象になっています。品種も国際品種含めいろいろ使え、赤・白・ロゼ・甘口となんでもござれです。


ラベル平面化画像。
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「Settevie」というワイン名ですが、ワイナリーの所在の古い地名なんだそうです。


さあ、抜栓。
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キャップシール、コルク、一応ワイナリー名入りです。コルクはこのマークx2回繰り返しだなので平面化はしません。

Alc.13.5%。(pH:4.45、Brix:7.3)
エッジ褐変気味のガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー、濡れ木の樽香あり。
酸を予感させる香りです。
かすかなブレットもあるような…。
やはりですが、大人しめの酸を感じる辛口アタック。
これはブレンドしてるバルベーラの影響でしょうか。
複雑味もあるんですが若干軽い味わいです。
ネッビオーロらしさは出てるんですが、
余韻にかけて軽さというか浮わついた感じになります。
バルバレスコの重みは期待してはいけないですが、
やはりフルーティさ、軽飲み、早飲みを目指してそうですね。
これはこれでレンジからして意図通りと思います。


*****


Orlando Abrigo
Langhe Nebbiolo 2014
Settevie
RRWポイント 89点


Pirovano Grande Amore Pinot Grigio delle Venezie DOC 2019

カルディで売ってるピノ・グリージョです。Delle Venezie DOC なんですが、2017年に同名のIGPが昇格したものです。デッレ・ヴェネツィエDOCの公式サイトに書いてありますが、このDOCは「Pinot Grigio delle Venezie」としてピノ・グリージョをもっと推すためにDOC化されたようなもので、対象地域ではイタリアの全ピノ・グリージョの85%が栽培されているんだそうで。

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1000円ほどのお手頃ワインですから、作り手は大量に生産する大手なのはなんとなく想像がつきます。調べると当たらずとも遠からず、ミラノに近いところにある大手ではありましたが、4世代続く家族経営で、その歴史は面白いです。もともとは(19世紀中頃)プーリア州で靴屋をしていたアマディオ・ピロヴァーノさんが周りの農家から買ったワインを出していた居酒屋が始まりだそうです。居酒屋は繁盛しレストランになり、アブルッツォ州とピエモンテ州からもワインを買い付け、ワインの卸売りも始めて事業が広がっていきます。「Pirovano」としての創業は1910年となっていますが、この頃にはロンバルディア州に移ってきたんでしょうか、パヴィアに近い Oltrepò Pavese DOC のワイナリーを所有しているようです。

公式ページにはイタリア全土からのワインがラインナップされてます。所謂ネゴシアンですね。

今日のワイン、「Grande Amore」なるものはプーリアの赤ワインしかなく、ピノ・グリージョは近しいものを参考にします。
・ピノ・グリージョ 100%
ブドウはヴェネト州からとあるだけで、醸造の説明はありませんでした。

ピロヴァーノを訪問してみます。ミラノ北、車で1時間の所でした。
Pirovano01
奥にはタンクも見えますが、全体は企業のオフィス+物流倉庫って感じです。


作り手に関してはこれ以上広がりようがないので、Delle Venezie DOC を見てみます。
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対象地域は、ヴェネト州、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州のトレンティーノ(トレント自治県)となっており、3州にまたがる広大な範囲です。ピロヴァーノの所在も記入してるので、ロンバルディア州ミラノと合わせて位置関係ご確認ください。
このDOC、元は IGT Delle Venezie として1995年にできた IGT(Indicazione Geografica Tipica)で、2017年にDOC化しています。IGTとはEUワイン法でいうところの IGP(Indicazione Geografica Protetta)のことです。
前述のように Pinot Grigio delle Venezie DOC と表記してピノ・グリージョを前面に押し出すためにできたようなDOCです(ピノ・グリージョは85%以上の規定)。ただのビアンコ(Bianco)もあり、シャルドネ、フリウラーノ、ガルガネガ、ミュラー・トゥルガウ、ピノ・ブランなど主要品種を50%以上使う規定になっていますが、これはピノ・グリージョを栽培していない作り手を救済するために残されている設定と言え、大半をピノ・グリージョが占めます。
Delle Venezie DOC の成立に伴い、元のIGTは IGP Trevenezie として残されました。(3州にまたがるという意味でしょうか、「3つのヴェネツィア」って変な名前です。)対象範囲はDOCと全く同じですが、IGP Trevenezie には赤の設定があり、国際品種含めほぼ何でもOKとなっています(85%以上で品種表示も可能)。Delle Venezie DOC は白のみです。

最後に、DOC DELLE VENEZIE公式サイトをリンクしておきます。

ほぼ「Pinot Grigio delle Venezie」の専用サイトなのがわかると思います(笑)。

ピノ・グリージョ(Pinot Grigio)は当然ながらピノ・グリ(Pinot Gris)のイタリア語名です。
Pirovano03
2016年の統計では全世界で合計48,570haのピノ・グリージョが栽培されていますが、イタリアはその内の18,831haを占め、実に40%近くにもなります。
原産国であり本家のフランスはたった2,867haで90%がアルザスに集中しています。お隣のドイツは6,713haとフランスの倍ほどありますが、それでもイタリアの足元にも及びません。その他の多い国と言ってもアメリカの7,462haとオーストラリアの3,652haが続くぐらいで、圧倒的にイタリアがピノ・グリージョ王国と言えるでしょう。そしてその85%がDelle Venezie DOCのエリアに集中してるわけですから、「Pinot Grigio delle Venezie DOC」を推したくなる気持ちはよくわかります。(笑)

ピノ・グリージョは、ピノ・ノワールの突然変異体と言われています。もしくはピノ・ブランの変異種の可能性もあるそうです。そもそもピノ・ブランもピノ・ノワールの突然変異体で、そのピノ・ブランもピノ・グリからの変異の可能性もあるようです。
PGM
ややこしいですが、ピノ・ムニエ含め、とにかく元々はピノ・ノワールから始まってるということです。(笑)


ラベル平面化画像。
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おっと、安定剤使用です。アカシアガム? 普通、アカシアかアラビアガムと書きます(笑)。


さあ、抜栓。
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キャップシールの「P」は頭文字でしょうか。

コルク平面化。
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ノマクルク採用です。

Alc.12%。(pH:4.20、Brix:6.0)
薄い薄いイエロー。
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梨、花梨。
辛口アタック。
みずみずしい軽さ。
ライムっぽい酸もあります。

しかし、軽い。水臭いくらい軽いです。
安定剤(アカシアガム)ぶっ込んでこれですか。
ちょっと残念。


*****


Pirovano
Grande Amore Pinot Grigio
delle Venezie DOC 2019
WWWポイント 76点



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Cantina Frentana Torre Vinaria Abruzzo Pecorino 2019

カルディで売っていたアブルッツォのペコリーノです。ペコリーノと聞けばチーズを想像しますが、白ブドウの品種でも同名のペコリーノがあります。ラツィオ、リグーリア、トスカーナ、ウンブリアでも栽培されていますが、圧倒的にアブルッツォ州(56%)とマルケ州(40%)で多く栽培されています。もっとも1990年頃には絶滅を危惧されるぐらい衰退したらしいのですが、近年どんどん増えてきてるようです。イタリアは本当にいろんな品種(課題)がありますね。

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作り手はカンティーナ・フレンタナ。1958年に協同組合が母体の会社として設立されました。現在400のワイン生産者が参加しており、畑の総面積は約800haになります。

公式ページこれなんですが、Torre Vinaria というタワーの専用ページがあります。

このワイナリーのタワーがシンボルであり、今日のワインのように「Torre Vinaria(ワインの塔)」の名前でブランド化しているようですね。今日のワインはショップサイトに載っています。
・ペコリーノ 100%
ボトルで3~4ヶ月熟成。

ペコリーノはイタリア原産ですが野生のブドウの木から直接派生したとされ親子関係は不明。
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今日のワインはアブルッツォ州全域が対象のアブルッツォDOC(Abruzzo DOC)なんですが、85%以上ペコリーノ(Pecorino)を使っているので品種名が表示できます。Cococciola、Malvasia、Montonico(Bianco)、Passerina といった品種もペコリーノ同様、85%以上の使用で品種名が表示できます。基本の白(Bianco)は、ご存知 Trebbiano(Trebbiano Abruzzese もしくは Trebbiano Toscano)を50%以上使います。

因みに、アブルッツォDOCの赤(Rosso)は80%以上モンテプルチアーノ(Montepulciano)を使う決まりになっています。これ、モンテプルチアーノ・ダブルッツォDOC(Montepulciano d’Abruzzo DOC)と何が違うねん!となりますよね。こちらは85%以上使用が決まりです。モンテプルチアーノ・ダブルッツォDOCは1968年制定。アブルッツォDOCは2010年とかなり新しいDOCです。そんな時系列のせいで整合が取れなかったんですかね。どちらも同じ範囲なので、アブルッツォDOCの赤をわざわざ設定する必要はなかったような気がしますが…。


作り手訪問。例のタワーがど~んと目立っていますね。
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タワーのてっぺんは2014年に改装され、パノラマテラス付きのテイスティングルームになっているそうです。さぞご自慢なんでしょう。


いつものようにGoogle Mapでアブルッツォ州を俯瞰。ワイナリーの所在も記入してます。
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実はペコリーノのDOCGで一番有名なのは、マルケ州側のオッフィダDOCG(Offida DOCG)だそうです。2001年にDOCになったあと、2011年にDOCG昇格しています。アブルッツォ州では、Terre Tollesi / Tullum DOCG というのが2008年にDOCになり、つい最近2019年にDOCG昇格を果たし、オッフィダDOCGを追撃しているようです。(笑)


ラベル平面化画像。
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ラベルのイラストはUFOかと思っていましたが、例のタワーのてっぺん部分ですね。(笑)


さあ、抜栓。
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キャップシール、コルク(合成コルクのノマコルクですが)ともに完全無印。

Alc.13%。(pH:4.35、Brix:7.0)
イエローゴールド。
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梨、白桃。
樽はないんでしょうがナッツかバターも。
甘やかな酸から入るアタック。
これでフルーティさが強調されていい感じ。
グレープフルーツ的味わいがありますね。
その後、苦味かミネラル感のある後味につながって、
なかなか締まりのあるフィニッシュとなります。

ペコリーノ、何気にとっても美味しいです。


*****


Cantina Frentana
Torre Vinaria
Abruzzo Pecorino 2019
WWWポイント 80点



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Terre da Vino Barolo DOCG 2015

スーパーで売っていたバローロです。最近よく無名のバローロ、バルバレスコがスーパーに置いてあるのでついつい手を出してしまいます。無名といっても、バローロDOCGの規定がありますから、バローロ域内のネッビオーロ 100%をバローロ域内で醸し、合計38ヶ月の熟成(内、木樽で18ヶ月)をしていることは保証されているわけで、最低限の品質は確保されているわけです。で、今日のバローロ、1,780円+税で10%ポイント還元(笑)。自分史上、最安のバローロかも。

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作り手のテッレ・ダ・ヴィーノ社は1980年にピエモンテの農家と生産者組合が母体となって立ち上げられました。トリノ大学のコンサルを受けたり、醸造家、生物学者、農学者らのプロフェッショナルを自ら抱え栽培等のアドバイスを契約農家に行ない、低収量・完熟収穫を徹底し高品質のワインを産みだしてるそうです。現在、2,500人以上の栽培者がおり、畑の総面積は5,000ha以上にもなるそうです。2000年にはセラーをバローロ地区のど真ん中に移し、2,000樽のバリックを空調付きのホールで熟成させるといった近代的な施設を構えています。

公式ページはさすがに立派ですが個々のワイン情報は弱いですかね。

ラインアップはピエモンテの有名DOC/DOCGばかり。高品質を目指してるのがわかります。
・ネッビオーロ 100%
バローロDOCGの規定、合計38ヶ月の熟成、内木樽で18ヶ月は当然クリアでしょうが、このワインはオーク樽で2年熟成となっていますので、規定より半年ほど長くやってるようです。


テッレ・ダ・ヴィーノを訪問します。かなり立派な施設ですね。
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バローロの集落からも車で5分です。写真に見えているのは建物の正面で、木材を使った凝った作りのファサードになっています。醸造施設ほかは後方にかなり大規模に広がっています。

いつものバローロの地図に所在を書き込んでみました。
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まさに、バローロ・エリアのど真ん中。そこにあんな巨大で近代的な施設を作っちゃったわけですね。そしてそれをお安く提供する。偉いワインならぬ、偉い生産者です。(笑)

バローロのコムーネの地図でズームインして見てみると、ぎりぎりバローロ村内にあります。
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まわりは見渡す限りの銘醸地。メインの建物の最上階には、クライアントの訪問に対応し試飲や会議ができる多機能スペースがあり、ここからは、バローロの壮大な景色が一望にできるそうです。行ってみた~い。


ラベル平面化画像。
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デザインはシンプル過ぎて、バローロの威厳がちょっと感じられないですかね(笑)。


さあ、抜栓。
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無印キャップは致し方なし。

コルク平面化。
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ワイナリーの名前入りノマコルク。

Alc.13.5%。(pH:4.46、Brix:7.5)
エッジレンガ色。わりと透けるガーネットです。
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黒ベリー、イチジク、スパイス、リコリス。
辛口アタック。
酸もいい感じに控えめです。
複雑味ある味わい。
立体感もしっかりと感じます。
すごくいいバランス。有名作り手と見紛います。
やはり、バローロもいいバランスが全てですね。
余韻もぬかりない感じで満足のうちにフィニッシュ。

超お手頃なのにしっかりバローロしていて驚きです。
こだわりの小規模生産者でなくとも、このレベル。
偉い。


*****

Terre da Vino
Barolo DOCG 2015
RRWポイント 93点


Velenosi Brecciarolo 2017 Rosso Piceno Superiore DOC

ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ DOC(Rosso Piceno Superiore DOC)。マルケ州のモンテプルチアーノ主体の赤のDOCです。アブルッツォ州モリーゼ州のモンテプルチアーノはよく飲んでますが(サイゼリアのワインがモリーゼのモンテプルチアーノです。笑)、マルケ州のものは初めてなので楽しみですね。ここはサンジョヴェーゼをブレンドするようです。

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作り手は、ロッソ・ピチェーノ DOC の中心地であるアスコリ・ピチェーノ(Ascoli Piceno)にある1984年創業の家族経営の「ヴェレノージ」です。パーカーおじさんやヒュー・ジョンソンさんも記事で触れ高評価をしている生産者のようです。
ヴェレノージ(Velenosi)はオーナー家の苗字なんですが、Veleno はイタリア語で「毒」の意味で、形容詞が Velenoso(有毒な)であり、「ヴェレノージ」は結局「有毒な人たち」という意味になってしまいます。(笑)

公式ページはトップページが全面動画で圧倒されます。少々使いにくいですが情報は十分。

ここの畑は一部アブルッツォ州にもまたがっており、多様なワインを作っているようです。
・モンテプルチアーノ 70%
・サンジョヴェーゼ 30%
というのが今日のワインのセパージュです。Rosso Piceno DOC の規定では、モンテプルチアーノは35~85%となっており、100%にはできません。また、サンジョヴェーゼは15~50%と、必ず15%は混ぜないといけないことになってます。
熟成は、新樽を使う上級キュヴェの1年落ちのバリックで18ヶ月間です。上級キュヴェとは、ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ DOC(Rosso Piceno Superiore DOC)の「Roggio del Filare」とオッフィダ DOCG(Offida DOCG)の「Ludi」というワインです。

モンテプルチアーノについて若干触れておきます。当然イタリア原産。
Zaccagnini00
よく混同するのが、Vino Nobile di Montepulciano DOCG ですが、これはトスカーナのDOCGで、まさに Montepulciano という町(トスカーナ州シエナ県)のDOCGです。しかし、このDOCGはサンジョヴェーゼ(=Prugnolo Gentile)で作らないといけません。モンテプルチアーノ種はこの町の名前から来てるんですが、おかしな関係ですね。
ところで、ヴェレノージの公式ページにあった、自社で使ってるブドウ品種の解説ページがなかなかすごいです。白6品種、黒6品種、計12品種について独自の解説をしています。是非ご覧あれ。


作り手訪問。アスコリ・ピチェーノ(Ascoli Piceno)の市街のすぐ東側ですね。
Velenosi01
ブレッチャローロ(Brecciarolo)という地区で、今日のワインの名前になっています。きっとこの周辺の畑からなんでしょうね。

さあ、マルケ州をGoogle Mapで俯瞰して、今日の作り手の位置関係を見ましょう。
Marche_Italy
アスコリ・ピチェーノの町は州の南端で、アブルッツォ州との州境も近いです。Rosso Piceno DOC の範囲も示していますが州の大半をカバーするかなりの広範囲です。ただし、今日のワインの Superiore(Rosso Piceno Superiore DOC)はサブゾーンになり、アスコリ・ピチェーノの町周辺のみ(地図にも示してます)となります。また、スペリオーレを名乗るには最低1年間の熟成が必要になります。今日のワインは18ヶ月なので軽々クリアしてますね。
ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ DOC(Rosso Piceno Superiore DOC)の範囲なんですが、ほぼオッフィダ DOCG(Offida DOCG)と重なってます。オッフィダ DOCG は、モンテプルチアーノ主体(85%以上)の赤と、パッセリーナ(Passerina)、ペコリーノ(Pecorino)の白から成るDOCGで、同じようなDOC/DOCGが同一地域にあるという、イタリアらしいカオスを見せていますね。(笑)
ロッソ・ピチェーノ・スペリオーレ DOC は1968年からの歴史あるDOCですが、オッフィダ DOCG は2001年にDOCが出来、2011年にDOCGに昇格しています。なんか抜かされちゃった感がありますね。ちなみに今日の作り手は両方のワインをラインアップしています。かしこい?
おまけで言うと、オッフィダ DOCG が出来たとき、元々のオッフィダ DOC にあったスパークリングと甘口白は、テッレ・ディ・オッフィダ DOC(Terre di Offida DOC)に名称変更になってDOCのまま残っています。 

実は、アスコリ・ピチェーノの町は歴史地区の美しい町並みで有名な観光地です。
Velenosi02
このポポロ広場が特に有名で、世界一美しいと言われるヴェネチアのサンマルコ広場ともよく比較されるそうです。行ってみたいですね~。そしてそこでロッソ・ピチェーノのワインをいただく…。


ラベル平面化画像。
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ウサギがいていい感じです。が、公式ページを見るとウサギがいない新しいデザインに変わってるようです。残念です。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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3回も繰り返しているこのイラスト、なんでしょうね? ポポロ広場?
コルクはDIAM5を採用ですね。

Alc.13.5%。(pH:4.58、Brix:8.0)
 濃いガーネット。
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カシス、プラム、チェリー。
辛口アタック。
かすかな酸は、平坦な風味に複雑味を与えています。
が、やっぱり奥行きは弱い感じがしますね。
モンテプルチアーノの個性という気もしますし、
しかし、ただのモンテプルチアーノのよりは上にも感じます。

サンジョヴェーゼも効いているかもしれませんね。
バランスはよく、楽しめるいいモンテプルチアーノということで。


*****

Velenosi
Rosso Piceno Superiore DOC
Brecciarolo 2017
RRWポイント 89点


Kirkland Signature Asolo Prosecco Superiore D.O.C.G.

コストコでプロセッコを発見。コストコのプライベートブランド、カークランド・シグネチャーですが、なんと600円台です。特売ですかね、アメリカじゃ6.99ドルらしいですから、それより安い。アーゾロ・プロセッコ・スペリオーレDOCG(Asolo Prosecco Superiore DOCG)っていうのも普通のプロセッコよりちょっといいやつじゃないでしょうか。これは早速お試しです。

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コストコのカークランド・シグネチャーを試す際に苦労するのが、作り手がどこかということです。裏ラベルにヒントが書いてあるので、それを手掛かりに調べます。今回は「Distributed by C.V.B.C. & C. Spa」とあります。「Distributed」ですから作り手自体ではないかもしれませんね。場所はヴェネツィアの近くの「Fossalta di Piave」という町と書いています。わかりました。C.V.B.C. & C. Spa = Casa Vinicola Botter Carlo & C. Spa のようです。つまりは、ヴェネツィアにある大手エクスポーターのボッテール社。あれれ、ボッテール社って以前ネロ・ダーヴォラを試した時に見ましたね。

公式ページはこれです。

コストコのカークランド・シグネチャーが載ってるわけがありませんが。

一応ボッテール社を訪問しておきます。
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ヴェネチアから車で30分。小さな町の大きな工場って感じです。大手ですからね。

一応、ボッテール社の扱ってる「Prosecco Asolo DOCG Superiore」というのを見てみました。おそらく同じものじゃないかと。あまり大した情報はなかったです。
・グレラ 100%
プロセッコですからタンク内二次発酵(シャルマ方式)で作られます。

グレラ(Glera)はプロセッコの主要品種ですが、2009年まで Prosecco と呼ばれてました。
Prosecco03
コネリアーノ・ヴァルドッビアデーネのプロセッコがDOCGに昇格(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)したのが2009年で、同時にプロセッコという品種の名前がグレラに変えられました。プロセッコという有名になった名称を「土地」に縛りつけるため、品種の名前の方を変えてしまうとは…イタリア、恐るべし。

さて、プロセッコをおさらいするのに、いつものサイトから地図を拝借。
Prosecco04
プロセッコDOC自体は、ヴェネト州、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州に渡り非常に広範囲ですね。このあたりは他にもいろんなDOCがあるので、プロセッコのみに限ったこういう地図は見やすいです。

しかし、細かく見ていくと、サブゾーンやらスペリオーレやらがあって非常に複雑になってます。上下関係でまとめると、こんなピラミッドで図示できるようです。
Prosecco02
今日の Asolo Prosecco Superiore 以上がDOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita=原産地呼称保証付き統制ワイン)になります。アーゾロ・プロセッコ・スペリオーレDOCG(Asolo Prosecco DOCG)は、2009年に Montello–Colli Asolani DOC から独立してDOCGになっています。その名残で、Colli Asolani Prosecco とも呼ばれていましたが2014年に廃止され Asolo Prosecco に統一されました。また、Montello–Colli Asolani DOC からは2011年に赤のみが Montello Rosso / Montello DOCG としてDOCG化しています。なので以上の3つはアーゾロ(Asolo)の町周辺の同じエリアが対象になります。

Superiore」があったりなかったりも気になりますが、規定ではプロセッコにはスパークリングじゃない白ワインもありまして、DOCGのプロセッコがスパークリングの場合に「Superiore」がつけられることになっています。ところが、ほとんどがスパークリングであるプロセッコにおいては、DOCGにはほぼ必ず「Superiore」がついてしまうわけです。(笑)

コネリアーノ・ヴァルドッビアデーネDOCG(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)がとてもややこしい。スペリオーレ(Superiore)が白(スティルワイン)や微発泡(Frizzante)の場合(ほとんどないんですが…)つけられないのは前述のとおりですが、ヴァルドッビアデーネ(Valdobbiadene)のコミューンで作られた場合、コネリアーノ(Conegliano)を省いてもいいんです。また、逆も同じ。コネリアーノ産はヴァルドッビアデーネを省いても構いません。
さらに、サブゾーンが2つ。カルティッツェ(Cartizze)とリヴェ(Rive)です。リヴェは12のコミューンと31の小区画から成り範囲が大きいです。カルティッツェは必ず「Superiore di Cartizze」という表記をつけないといけません。
しかし、いったい何パターンあるんだ、プロセッコ! やはりイタリアはカオスです~。

さて、性懲りもなくGoogle Map転記をして理解を深めますよ~。
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地形とエリアの相関が見たいという興味と、これをやらないと頭に入らないという個人的な事情が原動力です。(笑)
Prosecco Treviso DOC や Prosecco Trieste DOC はカッコ付きになってますが、サブゾーンであって単独のDOCではないという意味です。

また、コネリアーノ・ヴァルドッビアデーネDOCG(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)のエリアは、その美しい丘陵地帯がユネスコ世界遺産に認定されたそうです。
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2019年7月に認定されています。ユネスコのサイトに写真がたくさん載ってます。なかなかゴイゴイスーです。


ラベル平面化画像。
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さあ、抜栓。
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ミュズレもカークランド・シグネチャー仕様です。

Alc.11%。(pH:4.02、Brix:6.3)
クリスタルシルバーイエロー(笑)
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グレープフルーツ、ライムの香り。
辛口アタック。
青リンゴの味わいですね。
苦味成分が全体を引き締めてくれます。
これ、かなりうまいと思います。
700円でお釣りがくるとは思えない…。


*****


Kirkland Signature
Asolo Prosecco Superiore D.O.C.G.
Vino Spumante Extra Dry
WWWポイント 80点



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--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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