Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Leyda

MontGras Antu Pinot Noir 2017 DO Valle de Leyda

チリですが、ちょっと上等そうなピノ・ノワールを発見しました。作り手はモングラス(MontGras)。アメリカにいた頃は、モングラスのカルメネールや、4種ブレンドの「クワトロ」なんていうワインがあちこちに売っていたのでよく飲んでいましたが、日本ではあまり見かけませんね。なかなかおいしいワインを造るところという印象なので楽しみです。

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モングラスは1993年にコルチャグア・ヴァレーで始まりました。エルナンとエドゥアルドのグラス兄弟が創設者&現オーナーです。コルチャグアにとどまることなくマイポ・ヴァレー(Alto Maipo)やレイダ・ヴァレー(Leyda Valley、San Antonio Valley)にも進出して成長目覚ましいようです。今日のピノ・ノワールはそのレイダ・ヴァレーからですね。

公式ページは今風のいい感じです。データシートも豊富に準備されています。

「Ninquén」というカベソーのフラッグシップがあり、その下がこの「Antu」というシリーズになっています。「Antu」とは原住民の言葉(マプチェ語)で「太陽」の意味だそうで。
・ピノ・ノワール 100%
レイダのピノ・ノワールなので、載っていた「Limited」というやつと基本同じだと思うのですが、今日のは Limited と書いておらず、ワインメーカーのサインも違っています。公式に載ってないワインもあるのかもですが、同じだとすれば、228Lと500Lのフレンチオーク樽で12ヶ月の熟成だそうです。


モングラスはコルチャグア・ヴァレー、パルミージャ(Palmilla)近くにあります。
MontGras00
残念ながらストビューで近寄れず、上空写真でお茶を濁します。コルチャグアの主要河川ティンギリリカ川(Río Tinguiririca)が近くを流れています。おっと、「コルチャグア」って地名がありますね。ショボすぎて町でさえなさそうですが、まさかここからコルチャグア・ヴァレーと名付けたんでしょうか。

ラペル・ヴァレー(コルチャグア+カチャポアル)のリベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)を俯瞰してモングラスの場所を確認。
MontGras02
モングラスはコルチャグアに畑を3ヶ所所有。サン・ホセ(900ha)、ニンケン(100ha)、プマンケ(2007年取得)です。カベソー、カルメネール、メルロー、シラーなんかはこの辺りからです。

今日のピノ・ノワールは少し離れた、サン・アントニオ・ヴァレーのサブリージョンになるレイダ・ヴァレー(Valle de Leyda)からになります。地図で示すとここ。バルパライソ州です。
MontGras03
アマラル(Viña Amaral)と呼んでるそうです。海岸から12kmしか離れておらず、いわゆる「コスタ(Costa)」に分類される海洋性の気候です。フンボルト海流の影響を受け冷涼な気候となり、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、そしてピノ・ノワールにうってつけだそうです。

Google Mapで大体の場所がわかったのでズームインしてみます。
MontGras01
ここに650haもの畑を開いているそうです。マイポ川の河畔で良さげな立地です。実際、標高や日照からくる影響のみならず、マイポ川流域の沖積堆積物、海洋堆積物からの石灰質、沿岸山脈に由来する花崗岩など、ありとあらゆる要素が絡み合い複雑なミクロクリマを形成しています。チリのテロワール、あなどるなかれですよね。


ラベル平面化画像。
IMG_4736
インポーターのヴァンパッションのサイトでは新生ドメーヌ 「ドメーヌ・デ・グラス」と紹介されています。そんなに新しくもない「モングラス」なんですけどね。


さあ、抜栓。
IMG_4979
キャップシールの太陽(?)マークはモングラスのシンボルのようですね。

コルク平面化。
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あまりたいしたことなかったですね。

Alc.14%。(pH:4.38、Brix:7.5)
しっかり色づいてる濃いめルビー。細かいながらキレのいい涙も。
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ラズベリー、チェリー、あんず。
茎っぽくもあり、熟成感のある複雑な香り。
辛口アタック。
穏やかないい酸に乗ってたどり着く味は、
ふくらみのあるなかなかな滋味です。
かすかな苦味様のタンニンがさらに立体感を与え、
余韻も最後まで楽しませてくれます。

何気にブルゴーニュ含め他国のバリ旨ピノと張り合えるうまさです。
チリのピノのポテンシャルを見た気がします。


*****

MontGras
Antu Pinot Noir 2017
DO Valle de Leyda
RRWポイント 94点


Viña Leyda Pinot Noir Reserva 2017

チリのレイダ・ヴァレーにあるビニャ・レイダ。
ここの主力はレイダ・ヴァレーのピノ・ノワールです。
カベソーやカルメネールはマイポやコルチャグアからのようで、
自前の畑はほぼピノ。(あとはシャルドネやソーブラやシラーなんかを少し。)
そんなこともあってか、気にはなってたんですが、なかなか縁がなく、
やっとここのピノ・ノワール(ベーシックなレセルバですが)をお試し。


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レイダはサン・アントニオの中のサブリージョンになります。
(サン・アントニオもカサブランカと共にアコンカグアのサブリージョンですが。)
太平洋岸から7kmほどと海に近く、マイポ川の北側流域になります。
いわゆるCostaという海洋性の気候であり、フンボルト海流がもたらす、
海風や霧で冷涼な気候なんだそうです。ピノ・ノワールに最適かと。


公式ページはそのレイダ・ヴァレーについて詳しく、誇りを持ってるようです。
1998年創業ながら、2001年のレイダのDO認定に尽力した先駆者だそうで。

しかしながら、ワインの醸造に関する情報はまったく載ってなくて残念。
インポーターであるアサヒビールのサイトに若干の情報がありました。
・ピノ・ノワール 100%
は当然として、樽熟は20%だけフレンチオークの古樽で6ヶ月だそうです。
残り80%はステンレスタンクでの熟成ですから、極軽い樽ですね。
また、ここはVSPTグループ(サンペドロやタラパカが率いる大グループ)
の一員なので、そちらのサイトも見ましたが大した情報はありません。


ワイナリー訪問したいんですが、所在も不明。
公式ページにあった地図を拝借してお茶を濁します。
Leyda01
水源に乏しかったレイダ・ヴァレーにマイポ川から8kmもの水路を引いたのが、
この地域の先駆者、ビニャ・レイダだったというわけです。

また、その昔、サンティアゴからチリの重要な港、サン・アントニオへ、
鉄道が引かれていましたが、地図にある小屋のイラストはワイナリーではなく、
その昔の鉄道のレイダ駅なんだそうです。
Leyda04
「Leyda」の語源が、「la Ida」(ラ・イダ)だそうで、スペイン語で、
「行き」、往復の「往」の意味です。
サンティアゴからこっち方面への鉄道用語だったんでしょうかね。

公式サイトにはこんな畑の地図も載ってますが、不正確で役に立たず。
Leyda03
サン・アントニオ港がどこだかもわからないし…。

とにかく、サン・アントニオ/レイダの位置関係を例によって見ておきます。
Leyda02
サンティアゴから西方に95km離れています。
カサブランカやマイポ川との位置関係も見ておきましょう。


ラベル平面化画像。
IMG_0255


さあ、抜栓ならぬ、スクリュー回転。
IMG_0302
キャップにもシンボルのレイダ駅のイラストが描かれています。

Alc.13.5%。
ルビー。クリア感あります。
IMG_0303

ラズベリー、チェリー。
かすかにシーチキン。(笑)
酸味涼やかな辛口アタック。
いい具合の苦味とか、
味の深みや構造感を感じますが、
酸味が少し若く、出過ぎなのが気になります。
とっても素性はいい気がします。
なんとなく惜しい。
少し上のラインも試す価値がありそうです。


***** 


Viña Leyda
Pinot Noir Reserva 2017
RRWポイント 87点


Carmen Premier 1850 Pinot Noir 2016

ブルゴーニュ以外のおいしいピノ・ノワールはないかと、
ニュージーランドやアメリカ・オレゴンなんか試しましたが、
自分の記憶にあったおいしいやつは実はこのチリでした。
今一度その記憶を確かめます。ミレジムは最新2016年。


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公式サイトは、相変わらず個々のワイン情報少なし。
裏ラベルに頼ろうかと思うとインポーターのシールがべったり。
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こんちくしょーと、きれいに剥がしてやりました。
IMG_5869
けっこう剥がしにくいのも多いんですよね。困ったもんです。
で、情報は…ここにもないですね~。(笑)

仕方がないので、せめてこのワインの産地、
レイダ・ヴァレーの説明を公式ページから拝借。
Carmen03
カルメンが持つ他の畑のだいたいの位置関係もわかります。


さて、抜栓。
Alc.13.5%。
クリアなルビー。
ラズベリー、上等ブルゴーニュの香りです。
若干軽めながら、
酸・タンニンの融解した複雑な味わいです。
かすかな苦味がいいアクセントになり風味を出しています。
前飲んだのよりちょっと軽めのような気もしますが、
このピノ、980円です。

驚け!おののけ!
この味、上等ブルゴーニュに匹敵しますよ。
「偉いワイン」の真髄を見た気がします。


*****


Carmen Premier 1850 Pinot Noir 2016
RRWポイント 91点


Carmen Gran Reserva Pino Noir 2015

さあ、ルイ・ジャドのAOCブルゴーニュとあわせて飲むのが、
やはりチリピノ、カルメンのグラン・レセルバです。


CarmenGRPN


カルメンは以前1000円以下で買えるPremier 1850のピノを飲んでいまして、
これが意外においしかったのです。
2000円以下ではありますが、それよりも上等バージョンなので期待が高まります。

ピノらしい明るい赤ですが、ルイ・ジャドより明らかに色は濃いです。
香りはドライフラワーのような独特なもの。ハーブですかね。&樽香。
味は甘味+うまみがはっきり存在しおいしいです。
Alc.14.5%ですごい凝縮感がありそうですが、意外とあっさり。
しかし、ルイ・ジャドとの味わいの違いは明らかです。
もう安いブルゴーニュは出る幕がないですね。
ただ、グラン・レセルバだけに新・旧フレンチ・オーク樽で10ヶ月熟成しており、
樽香が過ぎて裏目に出ています。これが少し残念。

CarGRPN


公式サイトでは、グラン・レセルバのピノは消えており、もう廃版のようですね。
まあ、おいしいPremier 1850があるからいいっか。


*****


Carmen Gran Reserva Pino Noir 2015
RRWポイント 88点


Carmen / Premier 1850 Pinot Noir 2015

今日はクリームシチューとフランスパンという夕食。
いつものカルメネールでは重口すぎるので、
ブルゴーニュでその軽快さに開眼したピノ・ノワールを合わせることにしました。


IMG_4119


最近よく飲むCarmenです。

シリーズ構成も変わり、ラベルデザインも昔のものから一新されてます。
このPremier 1850というシリーズは、
バリエタルのINSIGNEのひとつ上のレンジで、いわゆるReservaです。
(大抵ちょっとだけタル熟成させるとReservaとされます。)

産地は、ラベルを見るとLeydaヴァレーのようですが、
これはめずらしい。
バルパライソに近いSan Antonioヴァレーにあります。

シチューとの組み合わせは、?でしたが、
ワイン自体はCôtes de Nuitsを思い出す、すばらしいお味でした。
これで1000円以下ですから、ブルゴーニュ出る幕なしです。


*****


Carmen / Premier 1850 Pinot Noir 2015
RRWポイント 89点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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