Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Madiran

Cave de Gan Grand Large Jurançon Sec 2020

南西地方(シュッドウェスト)のワイン、ジュランソン・セック(AOC Jurançon Sec)になります。過去にも同じ産地の違う作り手のものを試したことがあります。ジュランソンは甘口白が有名で試してみたいんですが、今日も辛口となりました(笑)。やはり昨今は甘口より辛口が流行るんでしょうか、作り手側も辛口をしっかりラインアップする傾向のようです。

IMG_0397
カーブ・ド・ガン・ジュランソン(Cave de Gan - Jurançon)は1949年に設立された協同組合で、現在では AOCジュランソンAOC Jurançon)とAOCベアルンAOC Béarn)の300の農家と契約するこのエリアで非常に重要な作り手です。ラインアップも、Jurançon Sec、Jurançon Doux(Vendanges Tardives)、Béarn Rouge、Béarn Rosé と2つのAOCの各種をやっています。Béarn Blanc という白もあるんですが、白は Jurançon Sec があるのでベアルンは出していないようです。後ほど2つのAOCの関係を掘り下げてみたいと思います。

公式ページは…やっぱり協同組合のそれという感じです。ワイン情報はショップページのみ。

今日の「Grand Large」というジュランソン・セックが載ってませんね。

・グロ・マンサン 100%

ネット情報ですが、手摘み100%、低温にて発酵、冬のうちにボトリングを行うことで醸造過程にて葡萄由来のアロマを逃がすことなく芳醇でフレッシュなワインに仕上げたとのこと。

AOCジュランソン(AOC Jurançon)の主要品種はこの地方の代表品種である、グロ・マンサンGros Manseng)とプティ・マンサンPetit Manseng)です。補助品種に、Courbu、Petit Courbu、Camaralet (de Lasseube)、Lauzet があります。どれもこのあたりの土着品種になるようです。個別には触れませんが(笑)。

今日のワインはグロ・マンサン(Gros Manseng)100%でしたね。
Gros-Manseng
非常に古い品種で、1562年にジュランソンで初めて言及されたらしいんですが、ヴィニエ・マンセング(Vinhe Mansengue)というワイン名でだったようです。その頃はまだグロ・マンサンとプティ・マンサンとの区別はされていなかったようで、2つの品種は似通っていることが伺えます。 その後、1783年の文書で初めてグロ・マンサン(Gros=大)とプティ・マンサン(Petit=小)が区別されたとの記録があります。2021年にはプティ・マンサンのDNA分析が行われているようなんですが、これらよく似た2つの品種のそれぞれの親子関係は不明のままだそうです。

こちらがプティ・マンサン(Petit Manseng)です。まあ、似てますね(笑)。
Petit-Manseng
グロ・マンサンとプティ・マンサンはAOCジュランソンの主要品種であると同時にAOCベアルン(ブラン)の主要品種でもあります。やはりこの2つのAOC、一緒にまとめないといけないようですね(笑)。


カーブ・ド・ガンを訪問します。ガン(Gan)というコミューンにあります。
CavedeGan01
ジュランソンというのはガンのお隣りのコミューンになります。さすが大手協同組合、写真はショップを映していますが、道を隔てた反対側には巨大なワイナリー(?)があるようですよ。

AOCジュランソン(AOC Jurançon)を俯瞰して地理関係を把握しましょう。
Jurancon
ポー川(Gave de Pau)とオロロン川(Gave d'Oloron)の間に挟まれた山がちのエリアがAOCの対象です。地図にも示しましたが、ジュランソンを含む25のコミューンに渡ります。(Abos、Arbus、Artiguelouve、Aubertin、Bosdarros、Cardesse、Cuqueron、Estialescq、Gan、Gelos、Haut-de-Bosdarros、Jurançon、Lacommande、Lahourcade、Laroin、Lasseube、Lasseubetat、Lucq-de-Béarn、Mazères-Lezons、Monein、Narcastet、Parbayse、Rontignon、Saint-Faust、Uzos の計25コミューン)
カーブ・ド・ガンがガン(Gan)にあるのがわかりましたね。

南西地方(シュッドウェスト)全体の地図でAOCジュランソンを探してみましょう。
Sud_Ouest02
AOCジュランソンの北側を流れるポー川(Gave de Pau)と南側のオロロン川(Gave d'Oloron)はアドゥール川(Adour)の支流になります。アドゥール川というのはAOCマディランなどガスコーニュ地方を抜けてバイヨンヌ(Bayonne)で大西洋に注ぐ南西地方の主要河川です。細かいことを言うと、ポー川とオロロン川はペルオラード(Peyrehorade)辺りで合流するんですが、そこからアドゥール川との合流地点までは、ガーヴ・レユニ(Gaves réunis)と呼ばれます。

この地図で見るとAOCベアルンAOC Béarn)は同じくポー川とオロロン川に挟まれ、AOCジュランソンより河口側にあるAOCのように見えます。ところがぎっちょん(笑)、INAOのAOCベアルンの地図を見たら衝撃の事実を知ってしまいました。

なんと、AOCベアルンはAOCジュランソンとAOCマディランを含む3ヶ所なんです。
AOC-Bearn
AOCベアルン(AOC Béarn)だと思っていたエリアは、サリー・ド・ベアルン(Salies de Béarn)やオルテス(Orthez)、ベロック(Bellocq)といった町を含む辺りなんですが、これに加え、AOCジュランソンとAOCマディランもAOCベアルンだったんです!(正確にはAOCジュランソン+5村、AOCマディラン+2村ですが。)※INAOのAOCベアルンの地図にAOCジュランソンとAOCマディランの範囲を描き加えてあります。

AOCベアルンは、Béarn Rouge、Béarn Rosé、Béarn Blanc と赤・白・ロゼ OKです。赤・ロゼはタナ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンが主要品種です。白はグロ・マンサン、プティ・マンサン、ラフィア・ド・モンカード(Raffiat de Moncade)が主要品種です。ラフィア・ド・モンカードというのは絶対使わないといけない規定なんですが実は栽培面積が6ヘクタールと壊滅的に少ない品種なのでAOCベアルンの白ほぼないようなものです。

ここで思い出されるのが、今日の作り手カーブ・ド・ガン・ジュランソンのラインアップです。ジュランソンのエリアで赤・ロゼを作るとAOCベアルンが名乗れるということです。AOCベアルンの白をやっていないのも上記で合点がいきました。


エチケット平面化画像。
IMG_0285
裏ラベルにAOCジュランソンの地図が書いてあるのはちょっと親切。


さあ、抜栓。
IMG_0391

コルク平面化。
IMG_0389

Alc.13.5%。
濃いイエロー。オレンジに近いかな。
IMG_0393

黄桃、ネーブル、ライムも
辛口アタック。
甘味も思わせる酸が鈍く効いています。
喉元に苦味様のコクを感じました。
総じて果実味いっぱいという印象です。


*****


Cave de Gan
Grand Large
Jurançon Sec 2020
WWWポイント77点



WhiteWhiteWine01

Château Bouscassé 2016 Madiran

南西地方のマディラン(AOC Madiran)やガスコーニュ(IGP Côtes de Gascogne)で間違いない生産者と言えばアラン・ブリュモンでしょう。お手頃ラインアップも充実していて十分おいしいんですが、看板ブランドはシャトー・モンテュス(Château Montus)とシャトー・ブースカッセ(Château Bouscassé)。モンテュスの方は過去に試していますので、今日はお初のシャトー・ブースカッセを試しますよ。

IMG_8192
作り手のアラン・ブリュモン(Alain Brumont)は、1980年にマディランのシャトー・モンテュスとシャトー・ブースカッセを取得し評価の高いワインを生み出しています。特に独自のタナ80%とカベルネ・ソーヴィニヨン20%というアッサンブラージュを編み出してリリースしたシャトー・モンテュスは大注目されました。

公式ページはシャトー・モンテュスと今日のブースカッセのダブルネームになっています。

ミレジムごとではないですがワイン情報は十分。インポーター情報も加味して以下になります。

・タナ 65%
・カベルネ・ソーヴィニヨン 15%
・カベルネ・フラン 20%

ブースカッセはカベフラが入ってるんですね。新樽率30~50%のバリックで12~14ヶ月の熟成です。

こちらがAOCマディランの主要品種タナ(Tannat)です。
Lplace03
タナ(Tannat)は名前が示す通り、タンニン(Tannin)が語源で、タンニン成分が豊富で長熟だとされています。AOCマディラン(1948年認定)ではタナを主体にカベソー、カベフラ、フェール(Fer、Fer Servadou)がブレンド可能で、タナは40~80%を占めないといけません。

シャトー・ブースカッセを訪問します。
Bouscasse01
モーミュッソン・ラギアン(Maumusson-Laguian)というコミューンにあります。もう一つのシャトー・モンテュスの方は車で15分ほど南下した隣のカステルノ・リヴィエール・バッス(Castelnau-Rivière-Basse)というコミューンにあります。どちらも当然AOCマディランの対象エリアになります。

INAOの地図でAOCマディランの範囲を見てみましょう。
Madiran01
マディランというコミューンを中心に3つの県にまたがってかなりの広範囲になります。マディラン自体はオート・ピレネー県(Hautes-Pyrénées)ですが、ジェール県(Gers)とピレネー・アトランティック県(Pyrénées-Atlantiques)に渡る計37のコミューンになります。

Google Map上でも見ておきましょう。
Madiran_AOC
地図の表題をAOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビル(AOC Pacherenc du Vic-Bilh)との併記にしていますが、これはマディランと全く同じ範囲から作られる白・甘口白のAOCになります。AOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビルは、Arrufiac、Courbu、Petit Manseng、Gros Manseng、Suvignon Blanc、Sémillon から作られ、Arrufiac、Courbu、Petit Manseng は合計で60%以上を占める必要があります。また、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンは10%を超えてはいけません。

最後に南西地方全体の地図の中でのマディランの位置を確認しておきます。
Sud_Ouest00


エチケット平面化画像。
IMG_7788
インポーターは三国ワイン。いつもアラン・ブリュモンさんの顔写真を載せてます。


さあ、抜栓。
IMG_8188

コルク平面化。
IMG_8190
ミレジムもしっかり入った専用品。

Alc.14%。
濃いガーネット。
IMG_8191

黒ベリー、ダークチェリー、古い濡れ木。
辛口アタック。
程良い酸とタンニン分が最初から絡んできます。
それら要素が均等に絡んでいき、厚みのある味に帰結します。
複雑味も貫禄あり。
余韻前に少し最初の酸が暗躍します…。
味わいにストーリーのような流れがあるのはいいですね。


*****

Château Bouscassé 2016
Madiran
RRWポイント 91点


Famille Laplace Aramis 2019 Colombard-Sauvignon

たぶんお正月の福袋のハズレだったと思います。1,000円の福袋でしたから痛手ではありません(笑)。ファミーユ・ラプラス…見覚えがありますね。以前シャトー・ダイディ(Château d’Aydie)というAOCマディランのワインを試した時の作り手です。南西地方の安ワイン(Vin de France)ですが、間違いない作り手ということがわかってよかったです。

IMG_7318
ファミーユ・ラプラスは、代々マディランに続くラプラス家のフレデリック・ラプラス氏が1927年に立ち上げたワイナリーです。やはり前に試したシャトー・ダイディ(Château d’Aydie)というのが看板ワインのようです。1948年のAOCマディラン制定にも尽力したこの地のパイオニアなんだそうです。

近所のスーパーでも出回っているのを発見しました。ぱっと見、安ワインです。
IMG_1356
ですが、このスーパーはこんなワインでもしっかり説明があって素晴らしいですね。品種・格付け(Vin de Franceであったとしても)、背景説明、これらが売り場で確認できるって助かります。


公式ページはなかなかカッコいいです。歴史やテロワールの説明など情報も豊富です。

今日のワインもデータシート付で紹介があります。「アラミス」というシリーズはタナ主体の赤もあるようですね。(「Aramis」はアレクサンドル・デュマ・ペールの小説『三銃士』の登場人物の名前)

・コロンバール 70%
・ソーヴィニヨン・ブラン 30%

醸造は、1週間の低温浸漬、温度制御付きタンクで発酵、その後6ヶ月間シュールリーで熟成。

コロンバール(Colombard)を見ておきましょう。フランス原産です。
Colombard
2013年に実施されたDNA分析によると、おそらくグエ・ブランとシュナン・ブランの間の自然交配と判明しています。(Gouais Blanc / Heunisch Weiß x Chenin Blanc)
コニャックで有名なシャラント県(Charente)や、アルマニャックで有名なガスコーニュ地方(Côtes de Gascogne IGPに当たる)他、ラングドックなんかでも栽培されています。ユニ・ブラン(Ugni Blanc=Saint-Émilion des Charantes)やフォール・ブランシュ(Folle Blanche)と共にコニャック・アルマニャックの原料としても使われているわけです。フランス全体では栽培総面積が 8,441ha あるんですが、南アフリカでは、なんと 11,512ha も栽培されています。アメリカでもカリフォルニア中心に 7,991ha 栽培されています。次点はオーストラリアの 1,789ha。意外と国際品種なわけです。


作り手ファミーユ・ラプラスを訪問。以前も行ってますが再訪問です。Laplace01
道を挟んでシャトー・ダイディの建物があります。AOCマディランのエリアにあります。

AOCマディランの範囲を確認すべく、例によってINAOを地図を拝借。
Laplace02
AOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビルAOC Pacherenc du Vic-Bilh)の地図を貼りましたが、AOCマディランの範囲と同じなんです。タナ主体の赤ワインを作ればAOCマディラン、白・甘口白を作ればAOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビルになるわけです。マディラン含む計37のコミューンに渡ります。地図に書き込んでいますが、ファミーユ・ラプラスはアイディ(Aydie)というコミューンにあります。シャトー・ダイディ(Château d’Aydie)というのはコミューン名から来てるんですね。

最後に南西地方のGoogle Map地図で見ておきましょう。
Sud_Ouest01
今日の作り手ラプラスの所在も記しましたのでご参考ください。


エチケット平面化画像。
IMG_7111
裏ラベルはインポーター貼り替え版です。


さあ、スクリューキャップ回転。
IMG_7317
無印なのはしかたないですね。

Alc.11.5%。
ゴールドイエロー。
IMG_7315

青リンゴ、梨。
フレッシュフルーティーな香りいっぱいです。 
辛口アタック。
ラムネ、ジューシー的な味わい(笑)。
酸もスッキリしていて効いています。
飛びぬけていいわけじゃないですが、
居酒屋ガブ飲み白ワインの域は脱しています。


*****


Famille Laplace
Aramis Blanc Sec 2119
Colombard - Sauvignon
WWWポイント77点



WhiteWhiteWine01

Famille Laplace Château d’Aydie Madiran 2015

フランス南西地方、AOCマディランのタナ種100%のワインです。過去はドメーヌ・アラン・ブリュモン(Domaine Alain Brumont)のAOCマディランをいくつか試していますが、今日のはAOCマディランとして初めてワインのボトリングと販売を行ったという、この地のパイオニアとも言えるラプラス家のワインです。

IMG_5257
代々マディランに続くラプラス家のフレデリック・ラプラス氏が1927年に立ち上げたワイナリーです。今日のシャトー・ダイディ(Château d’Aydie)というのが看板ワインのようです。


公式ページのリンクはここ。下のバナーはショップのものです。

今日のワインはしっかり載ってますが、最新のヴィンテージではデザインが変わっているようです。ブルゴーニュ型ボトルにシンプルなラベルで随分印象が違います。
・タナ 100%
熟成の記述がないんですが、インポーター情報では、新樽率20%のフレンチオーク樽(225L)で24ヶ月、コンクリートタンクで12ヶ月だそうです。海外のサイトでは、フードル(Foudre)とバリックの併用で12~15ヶ月含む合計20ヶ月とする情報もありました。まあ、しっかり樽は使ってるということで。

また、AOCマディラン(1948年認定)ではタナを主体にカベソー、カベフラ、フェール・セルヴァドゥ(Fer Servadou)がブレンド可能ですが、今日のはタナ100%ですね。
Lplace03
タナ(Tannat)は名前が示す通り、タンニン(Tannin)が語源で、タンニン成分が豊富で長熟だとされています。


作り手訪問。マディランのコミューンの西側、アドゥール川と反対に車で10分。Lplace01
今日のワインのシャトー・ダイディらしき建物が見当たりませんね。

辺りを探すと、お向かいにありました。きれいに改装中のようです。
Lplace011
ともすれば新築に見えます。(笑)


さて、AOCマディランの範囲を確認すべく、例によってINAOを地図を拝借。
Madiran01
AOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビルAOC Pacherenc du Vic-Bilh)の地図に「AOCマディラン」と書き加えたんですが、どちらも同じ範囲なのでこれいいんです。AOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビルはAOCマディランと同じ地域で造られる白・甘口白のAOCになります。
この2つの同じ範囲のAOCは地図でわかるように3つの県にまたがっています。マディラン自体はオート・ピレネー県(Hautes-Pyrénées)ですが、ジェール県(Gers)とピレネー・アトランティック県(Pyrénées-Atlantiques)に渡る計37のコミューンになります。

今回は念願の南西地方のGoogle Map地図を完成させたので、これで見てみます。
Lplace02
まあ、ネットで拾った地図を重ねただけなんですが、フォトショップの腕前が上がってる分、完成度も高いわけです(笑)。今日の作り手ラプラスの所在も記しましたのでご参考ください。


エチケット平面化画像。
IMG_5079
裏ラベルにはフランス語ですが、シャトーの説明とマリアージュの解説がしっかりあります。これを隠さないモトックスのシールは偉いですね。


さあ、抜栓。
IMG_5253
キャップシールは無印ですが、コルクはいい感じです。

コルク平面化。
IMG_5251
さすが長熟ワイン、DIAMの10をおごってますね。ミレジムも横に入っていて完璧。

Alc.14.5%。(pH:4.24、Brix:7.5)
黒いインキーなガーネット。タナって感じです。
IMG_5256

黒ベリー、ダークチェリー、森の下草、腐葉土。
若干酸味が乗った辛口アタック。
味わいの厚みはそこそこかな。
しっかりしたストラクチャーも感じるんですが、
最初の酸に少し邪魔されてるかも。
もう数年後かなぁ~という気がします。
余韻も酸は気になるんですが、
やはり熟成のポテンシャルはビンビン感じます。

ただ、最近飲んだウルグアイのタナがバリうまだったので、
どうしても比較してしまいます。(笑)


*****


Famille Laplace
Château d’Aydie
Madiran 2015
RRWポイント 90点


Brumont Petit Torus 2015 Madiran

南西地方最高の生産者(と個人的に思う)アラン・ブリュモンです。
例によってここはタナ主体で素晴らしいワインを作ります。
このプチ・トーラスなるワイン、リカマンでお安く出てました。(笑)


IMG_9857
「プチ」が付いてますから、普通のトーラスというワインもあります。
プチはセカンドラベルか特別限定品という位置づけのようです。


公式ページは主力のChâteau MontusBouscasséが中心に載ってます。

以前に飲んだラ・ガスコーニュのシリーズと一緒にトーラスも載ってました。
しかし、プチ・トーラスは見当たりませんね。
仕方ないのでリカマンのサイト他ネット情報に頼ります。
・タナ 55%
・カベソー 25%
・カベフラ 20%
なんかいい感じのセパージュですね。(笑)
熟成は樽はなく、コンクリートとステンレスのタンクで1年だそうです。
そして、AOCマディランですね。


前にも行ってますが、作り手訪問。
Brumont
建設中のBrumontの新社屋、完成してるかと思ったら、(Google Map上)
写真が更新されておらず依然建設中。(笑)
この建物の向かいがブリュモン所有のシャトー・ブースカッセになります。
シャトー・モンテュスは車で15分ほど離れていてマディラン寄りです。


AOCマディランの位置関係をシュッド・ウエスト(南西地方)の地図で確認。
Vins _du_Sud-Ouest
以前に描いた南西地方のAOCまとめ地図の再利用ですが、
南西地方は「川」を基準に位置関係を頭に入れると簡単でしたね。
マディランはアドゥール川が流れています。

どうでもいいですが、マディラン近くのアドゥール川べりへ行ってみました。
Brumont2
なんとなく雰囲気はいいです。(笑)


エチケット平面化画像。お肉の原料のイラストかわいいです。(笑)
IMG_8686
お馴染みのアランさんの写真入り裏ラベル。


さて、抜栓。
IMG_9861
DIAM1、テクニカルコルクながらブリュモン仕様です。

コルク平面化画像です。
IMG_9863
フランス語、英語、スウェーデン語(?)、そしてなんと日本語!

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
IMG_9856

ブラックチェリー、ブラックベリー。
軽め爽やか系の辛口アタック。
タンニンも最初から効いてますね。
なんせ、タナの名前はタンニンから来てますからね。
軽めながら凝縮感ありです。
濃いんだけどサラッと飲める。
これはバックグラウンドの酸のお陰かな。
家飲みにちょうどいい「重赤」です。


*****


Domaine Alain Brumont
Petit Torus 2015 Madiran
RRWポイント 91点


Château Montus 2012 AOC Madiran

久々のシュッドウェスト(南西地方)のAOCマディランです。
マディランと言えば原産のタナ種ですよね。
日本ウルグアイアルゼンチンも試したお馴染みの品種です。


IMG_5510


さてこのシャトー・モンテュスですが、
ドメーヌ・アラン・ブリュモン(Domaine Alain Brumont)の
アラン・ブリュモン氏が所有する、ドメーヌを代表するシャトーです。

公式ページを見ると「Vignobles Brumont」という社名のようです。
他にもシャトー・ブースカセ(Château Bouscassé)も所有しており、
本拠地はシャトー・ブースカセの前にありました。
Montus04
新社屋を建設中でしょうか。

ここから本日のワインのシャトー・モンテュスまで車で15分ほど。
Montus05
ピレネー山脈の山裾に位置しています。

ボルドーや近郊の都市との位置関係を見ておきましょう。
Montus07
まさにシュッドウェスト(南西地方)ですね。

で、肝心のシャトー・モンテュスへGoogle Map訪問してみますが、
Montus02
いつものごとく、ここより中へは入れませんでした。(笑)

この一本道を入って行くと、
Montus08
こんな立派なシャトーがあるようです。


ところで、本日のワイン、実は2本あります。
IMG_5422
それはなぜかというと、アマゾンで買ったのですが、
訳あってもう一本送ってもらったからです。

連日の猛暑の中の輸送で、ワインが吹きこぼれていたのです。Montus01
苦情を入れると、すぐにもう一本送ってくれたのですが、
それも同じくクール便ではないですから、
今度は吹きこぼれはしなかったものの、
同じく灼熱のトラックに揺られてきたことでしょう。
少々心配ですね。

これから夏場はネットでワインを買わないことにします。
もしくは、高くてもクール便を使わないといけませんね。

さて、今日のワインに話を戻しましょう。
IMG_5413
セパージュは、
・タナ 80%
・カベソー 20%
このカベソーとのブレンドで注目を集め、評価も高まったそうです。
データシートも公式ページに用意されてますのでご参考ください。
樽熟は、60~80%の新樽率で、12~14か月とのこと。


さて、抜栓。(もちろん、吹きこぼれなかった方)
Alc.15%。うわっ!フルボディーです。
濃い濃いガーネット、ぜんぜん透けないです。
黒ベリー、カシスのジャムのような甘い香り。
スワリングでちょっと青野菜が出ます。
タンニンだと思いますが滋味溢れるパワフルなアタック。
フルボディ感ハンパないですね。
収斂性は感じますが余韻はうま長。

しかし、体調もあったせいか、
味はいいのに重すぎて飲み疲れました。
2日目もう一度試してから採点するとしましょう。

うん、昨日より+1点。


*****


Domaine Alain Brumont
Château Montus 2012 AOC Madiran
RRWポイント 89点


Domaine de Bassail Tradition 2013 Madiran AOC

タナ品種飲み比べで試したフランス、マディランAOCのワインの単独ページです。


Bassail


日本ウルグアイと比べましたが、
タナの本家、フランス南西部のマディラン産が一番おいしかったです。
どれもタナ品種の特徴を出していておいしかったのですが、
ウルグアイよりマディランなんだ!と驚きでした。


タナ-2


これを買ったAmazonのページには、
タナ80%、カベルネ・ソーヴィ二ヨン20%
との表記がありましたが、タナ100%とするサイトもあり、
本家サイトが見当たらないので不明です。


*****


Domaine de Bassail / Tradition Madiran 2013
RRWポイント 88点


丹波ワイン / 丹波鳥居野 Tannat (タナ)2012

好きだからといって、安いからといって、(笑)
チリワインばかり飲んでいるわけではありません。

おいおい詳しく紹介したいのですが、
家から1時間くらいのところに
丹波ワイン」というワイナリーがあります。

ここのショップの有料試飲でピンときてから、
結構ここのワインの上等なやつを試しました。

日本のワインはおいしいものに出会わないので、
ここのもナメてかかっていましたが、
なかなかいい味出してるんですよ!

まあ、カベソーのヴィンテージもので5000円しますけどね。
これからちょくちょく丹波ワインについても書いていこうと思います。
今日は同じく5000円する丹波ワインの「タナ」を試したお話です。


IMG_4057


タナっていうブドウの品種はウルグアイで有名なのは何となく知っていましたが、
丹波ワインがタナのヴィンテージワインを作っていたと知って興味津々です。

よって、わざわざAmazonでウルグアイのタナワイン
(TRAVERSA Tannat Roble)を取り寄せて、
飲み比べのために2本一気に抜栓!

タナはタンニンの語源になっただけあってタンニンが多く特徴的とのこと。
う〜ん、どちらもなかなか独特のタンニンが感じられますが、嫌じゃない。
驚いたのは、国の違う2本のタナワインは非常によく似た味わいなこと。
まあ、同じ品種っていうんだから当たり前なのかもしれませんが、
京都の丹波ワインはウルグアイに負けないレベルに達しているんですね。

ウルグアイのTRAVERSAはタナ80%にメルロー20%のブレンドです。
丹波ワインもタナ75%にメルロー20%だそうで、
やはりタナのタンニンをまとめるのにメルローを使うんですね。

後日、タナの本家はやはりフランス南西部のマディランだそうで、
こりゃ比べないとと、またもやAmazonでフランスのタナワイン
(Domaine de Bassail / Madiran)をお取り寄せ。
これもなかなかうまいです。
同じくカベソーかメルロー20%でブレンドしてある模様。


tannat3


タナのファンになりそうです。


*****


丹波ワイン / 丹波鳥居野 Tannat 2012
RRWポイント 85点


TRAVERSA / Tannat Roble Reserva 2013
RRWポイント 87点


Domaine de Bassail / Tradition Madiran 2013
RRWポイント 88点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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