南西地方(シュッドウェスト)のワイン、ジュランソン・セック(AOC Jurançon Sec)になります。過去にも同じ産地の違う作り手のものを試したことがあります。ジュランソンは甘口白が有名で試してみたいんですが、今日も辛口となりました(笑)。やはり昨今は甘口より辛口が流行るんでしょうか、作り手側も辛口をしっかりラインアップする傾向のようです。
カーブ・ド・ガン・ジュランソン(Cave de Gan - Jurançon)は1949年に設立された協同組合で、現在では AOCジュランソン(AOC Jurançon)とAOCベアルン(AOC Béarn)の300の農家と契約するこのエリアで非常に重要な作り手です。ラインアップも、Jurançon Sec、Jurançon Doux(Vendanges Tardives)、Béarn Rouge、Béarn Rosé と2つのAOCの各種をやっています。Béarn Blanc という白もあるんですが、白は Jurançon Sec があるのでベアルンは出していないようです。後ほど2つのAOCの関係を掘り下げてみたいと思います。
公式ページは…やっぱり協同組合のそれという感じです。ワイン情報はショップページのみ。
今日の「Grand Large」というジュランソン・セックが載ってませんね。
・グロ・マンサン 100%
ネット情報ですが、手摘み100%、低温にて発酵、冬のうちにボトリングを行うことで醸造過程にて葡萄由来のアロマを逃がすことなく芳醇でフレッシュなワインに仕上げたとのこと。
AOCジュランソン(AOC Jurançon)の主要品種はこの地方の代表品種である、グロ・マンサン(Gros Manseng)とプティ・マンサン(Petit Manseng)です。補助品種に、Courbu、Petit Courbu、Camaralet (de Lasseube)、Lauzet があります。どれもこのあたりの土着品種になるようです。個別には触れませんが(笑)。
今日のワインはグロ・マンサン(Gros Manseng)100%でしたね。
非常に古い品種で、1562年にジュランソンで初めて言及されたらしいんですが、ヴィニエ・マンセング(Vinhe Mansengue)というワイン名でだったようです。その頃はまだグロ・マンサンとプティ・マンサンとの区別はされていなかったようで、2つの品種は似通っていることが伺えます。 その後、1783年の文書で初めてグロ・マンサン(Gros=大)とプティ・マンサン(Petit=小)が区別されたとの記録があります。2021年にはプティ・マンサンのDNA分析が行われているようなんですが、これらよく似た2つの品種のそれぞれの親子関係は不明のままだそうです。
こちらがプティ・マンサン(Petit Manseng)です。まあ、似てますね(笑)。
カーブ・ド・ガンを訪問します。ガン(Gan)というコミューンにあります。
ジュランソンというのはガンのお隣りのコミューンになります。さすが大手協同組合、写真はショップを映していますが、道を隔てた反対側には巨大なワイナリー(?)があるようですよ。
AOCジュランソン(AOC Jurançon)を俯瞰して地理関係を把握しましょう。
なんと、AOCベアルンはAOCジュランソンとAOCマディランを含む3ヶ所なんです。
AOCベアルン(AOC Béarn)だと思っていたエリアは、サリー・ド・ベアルン(Salies de Béarn)やオルテス(Orthez)、ベロック(Bellocq)といった町を含む辺りなんですが、これに加え、AOCジュランソンとAOCマディランもAOCベアルンだったんです!(正確にはAOCジュランソン+5村、AOCマディラン+2村ですが。)※INAOのAOCベアルンの地図にAOCジュランソンとAOCマディランの範囲を描き加えてあります。
AOCベアルンは、Béarn Rouge、Béarn Rosé、Béarn Blanc と赤・白・ロゼ OKです。赤・ロゼはタナ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンが主要品種です。白はグロ・マンサン、プティ・マンサン、ラフィア・ド・モンカード(Raffiat de Moncade)が主要品種です。ラフィア・ド・モンカードというのは絶対使わないといけない規定なんですが実は栽培面積が6ヘクタールと壊滅的に少ない品種なのでAOCベアルンの白ほぼないようなものです。
ここで思い出されるのが、今日の作り手カーブ・ド・ガン・ジュランソンのラインアップです。ジュランソンのエリアで赤・ロゼを作るとAOCベアルンが名乗れるということです。AOCベアルンの白をやっていないのも上記で合点がいきました。
エチケット平面化画像。
裏ラベルにAOCジュランソンの地図が書いてあるのはちょっと親切。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
カーブ・ド・ガン・ジュランソン(Cave de Gan - Jurançon)は1949年に設立された協同組合で、現在では AOCジュランソン(AOC Jurançon)とAOCベアルン(AOC Béarn)の300の農家と契約するこのエリアで非常に重要な作り手です。ラインアップも、Jurançon Sec、Jurançon Doux(Vendanges Tardives)、Béarn Rouge、Béarn Rosé と2つのAOCの各種をやっています。Béarn Blanc という白もあるんですが、白は Jurançon Sec があるのでベアルンは出していないようです。後ほど2つのAOCの関係を掘り下げてみたいと思います。
公式ページは…やっぱり協同組合のそれという感じです。ワイン情報はショップページのみ。
今日の「Grand Large」というジュランソン・セックが載ってませんね。
・グロ・マンサン 100%
ネット情報ですが、手摘み100%、低温にて発酵、冬のうちにボトリングを行うことで醸造過程にて葡萄由来のアロマを逃がすことなく芳醇でフレッシュなワインに仕上げたとのこと。
AOCジュランソン(AOC Jurançon)の主要品種はこの地方の代表品種である、グロ・マンサン(Gros Manseng)とプティ・マンサン(Petit Manseng)です。補助品種に、Courbu、Petit Courbu、Camaralet (de Lasseube)、Lauzet があります。どれもこのあたりの土着品種になるようです。個別には触れませんが(笑)。
今日のワインはグロ・マンサン(Gros Manseng)100%でしたね。
非常に古い品種で、1562年にジュランソンで初めて言及されたらしいんですが、ヴィニエ・マンセング(Vinhe Mansengue)というワイン名でだったようです。その頃はまだグロ・マンサンとプティ・マンサンとの区別はされていなかったようで、2つの品種は似通っていることが伺えます。 その後、1783年の文書で初めてグロ・マンサン(Gros=大)とプティ・マンサン(Petit=小)が区別されたとの記録があります。2021年にはプティ・マンサンのDNA分析が行われているようなんですが、これらよく似た2つの品種のそれぞれの親子関係は不明のままだそうです。
こちらがプティ・マンサン(Petit Manseng)です。まあ、似てますね(笑)。
グロ・マンサンとプティ・マンサンはAOCジュランソンの主要品種であると同時にAOCベアルン(ブラン)の主要品種でもあります。やはりこの2つのAOC、一緒にまとめないといけないようですね(笑)。
カーブ・ド・ガンを訪問します。ガン(Gan)というコミューンにあります。
ジュランソンというのはガンのお隣りのコミューンになります。さすが大手協同組合、写真はショップを映していますが、道を隔てた反対側には巨大なワイナリー(?)があるようですよ。
AOCジュランソン(AOC Jurançon)を俯瞰して地理関係を把握しましょう。
ポー川(Gave de Pau)とオロロン川(Gave d'Oloron)の間に挟まれた山がちのエリアがAOCの対象です。地図にも示しましたが、ジュランソンを含む25のコミューンに渡ります。(Abos、Arbus、Artiguelouve、Aubertin、Bosdarros、Cardesse、Cuqueron、Estialescq、Gan、Gelos、Haut-de-Bosdarros、Jurançon、Lacommande、Lahourcade、Laroin、Lasseube、Lasseubetat、Lucq-de-Béarn、Mazères-Lezons、Monein、Narcastet、Parbayse、Rontignon、Saint-Faust、Uzos の計25コミューン)
カーブ・ド・ガンがガン(Gan)にあるのがわかりましたね。
南西地方(シュッドウェスト)全体の地図でAOCジュランソンを探してみましょう。カーブ・ド・ガンがガン(Gan)にあるのがわかりましたね。
AOCジュランソンの北側を流れるポー川(Gave de Pau)と南側のオロロン川(Gave d'Oloron)はアドゥール川(Adour)の支流になります。アドゥール川というのはAOCマディランなどガスコーニュ地方を抜けてバイヨンヌ(Bayonne)で大西洋に注ぐ南西地方の主要河川です。細かいことを言うと、ポー川とオロロン川はペルオラード(Peyrehorade)辺りで合流するんですが、そこからアドゥール川との合流地点までは、ガーヴ・レユニ(Gaves réunis)と呼ばれます。
この地図で見るとAOCベアルン(AOC Béarn)は同じくポー川とオロロン川に挟まれ、AOCジュランソンより河口側にあるAOCのように見えます。ところがぎっちょん(笑)、INAOのAOCベアルンの地図を見たら衝撃の事実を知ってしまいました。なんと、AOCベアルンはAOCジュランソンとAOCマディランを含む3ヶ所なんです。
AOCベアルン(AOC Béarn)だと思っていたエリアは、サリー・ド・ベアルン(Salies de Béarn)やオルテス(Orthez)、ベロック(Bellocq)といった町を含む辺りなんですが、これに加え、AOCジュランソンとAOCマディランもAOCベアルンだったんです!(正確にはAOCジュランソン+5村、AOCマディラン+2村ですが。)※INAOのAOCベアルンの地図にAOCジュランソンとAOCマディランの範囲を描き加えてあります。
AOCベアルンは、Béarn Rouge、Béarn Rosé、Béarn Blanc と赤・白・ロゼ OKです。赤・ロゼはタナ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンが主要品種です。白はグロ・マンサン、プティ・マンサン、ラフィア・ド・モンカード(Raffiat de Moncade)が主要品種です。ラフィア・ド・モンカードというのは絶対使わないといけない規定なんですが実は栽培面積が6ヘクタールと壊滅的に少ない品種なのでAOCベアルンの白ほぼないようなものです。
ここで思い出されるのが、今日の作り手カーブ・ド・ガン・ジュランソンのラインアップです。ジュランソンのエリアで赤・ロゼを作るとAOCベアルンが名乗れるということです。AOCベアルンの白をやっていないのも上記で合点がいきました。
エチケット平面化画像。
裏ラベルにAOCジュランソンの地図が書いてあるのはちょっと親切。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
Alc.13.5%。
濃いイエロー。オレンジに近いかな。
黄桃、ネーブル、ライムも
辛口アタック。
甘味も思わせる酸が鈍く効いています。
喉元に苦味様のコクを感じました。
総じて果実味いっぱいという印象です。
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Cave de Gan
Grand Large
Jurançon Sec 2020
Grand Large
Jurançon Sec 2020
WWWポイント | 77点 |
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