Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Molise

Rione dei Dogi Rosso Molise DOC Riserva 2017 Montepulciano

イタリア、モリーゼ州のモリーゼDOC(Molise DOC)のロッソになります。イタリア各州を掘り下げてきていますが、モリーゼの地図はまだ描いてなかったな~なんて思いながらゲットしたワインです。モリーゼ・ロッソはモンテプルチアーノ85%以上が規定。本日のこれは100%ですが、モリーゼのモンテプルチアーノで思い出すのが...サイゼリヤのグラスワインです(笑)。

IMG_0605
作り手を調べようと裏ラベルを見ると、「Fossalta di Piave」というヴェネト州の町の名前が書いています。嫌な予感がしましたが(失礼!)、イタリアの大手生産者にして輸出業者、ボッター(ボッテール)社(Botter)でした。
1928年よりヴェネト州にてワイナリーを営むボッター(ボッテール)社。お手頃でラインアップも充実してるので過去何度もここのワインに出会っています。自社なのか委託生産なのかいつも不明なのですがイタリア中のワインをラインアップしています。

公式ページは普通ですが、ワイン紹介は多すぎてすべてを網羅してるようではないですね。

今日の「Rione dei Dogi」というのは載っていません。

・モンテプルチアーノ 100%

インポーターの日欧商事のサイトを参考にさせてもらいます。最低12ヶ月木樽で熟成させ、その後12ヶ月間ステンレスタンクで熟成となっています。今日のワインはモリーゼ・ロッソでもリゼルヴァ(Riserva)なので、規定では木樽6ヶ月を含む2年の熟成が必要です。なのでこのインポーター情報はまあ正しいでしょう。
モリーゼDOCには赤・白・ロゼがあり、いろんな品種が使用可ですが、ロッソ(Rosso)とロゼ(Rosato)となるとモンテプルチアーノ一択で85%以上が義務付けられていますから、モンテプルチアーノのDOCと言っていいでしょう。

品種のモンテプルチアーノについても若干触れておきます。当然イタリア原産です。
Montepulciano01
プーリア、バジリカタ、エミリア・ロマーニャ、マルケ、モリーゼ、トスカーナ、ウンブリアなど広く栽培され、世界的に見てもやはりイタリアが圧倒的。アルゼンチン、オーストラリア、米国にもわずかにありますが99%以上がイタリアです。
よく混同するのが、Vino Nobile di Montepulciano DOCG ですが、これはトスカーナのDOCGで、まさに Montepulciano という町(トスカーナ州シエナ県)のDOCGです。しかし、このDOCGはサンジョヴェーゼ(=Prugnolo Gentile)で作らないといけません。モンテプルチアーノ種はこの町の名前から来てるんですが、このDOCGとは全く無関係。おかしな関係です。
また、プニテッロ(Pugnitello)という絶滅した品種がトスカーナで2003年に復活したんですが、2008年に行われたDNA分析でモンテプルチアーノと同一であることが判明してしまいました。でもイタリアでは今も独立した別品種扱いになっているそうです(笑)。


さあ、モリーゼ州のGoogle Map上に産地のエリアを描き込みました。
Molise
モリーゼ州にはDOCが4つしかないのでシンプルなはずですが、めっちゃ重なり合ってるので見にくくなってしまいました。誤算です。

Molise DOC
Biferno DOC
Pentro d’Isernia / Pentro DOC
Tintilia del Molise DOC

Biferno DOCも赤・白・ロゼがあり、赤はモンテプルチアーノ、白はトレッビアーノですが、モンテプルチアーノは70%~80%の範囲で後はアリアニコ他をブレンドします。要はモンテプルチアーノ100%だとビフェルノDOCが名乗れないということになります。
Pentro d’Isernia DOC(もしくは単に Pentro DOC)は、赤ならモンテプルチアーノ(75~80%)にティンティリア(*後述)(20~25%)をブレンド、白ならファランギーナ80%以上というDOCです。名前の通りイゼルニア(Isernia)の周辺のエリアです。
Tintilia del Molise DOCというのがモリーゼDOCとほぼ同範囲に広がっていますが、名前の通りティンティリア(Tintilia)というローカルの希少品種によるDOCです。18世紀頃スペインから持ち込まれた品種らしいのですが、ほぼ絶滅の危機にあったこの品種が復活を遂げたDOCで、2011年にDOC認定されました。ただ、栽培面積は66ヘクタールほどしかないようです。

一応、ティンティリア(Tintilia)を見ておきましょう。しばしば「del Molise」がつきます。
Tintilia-del-Molise
他にもティンティリアと呼ばれる品種がいくつかあるようですからね。数は少なそうですが、日本にも入って来ているようなので試してみたいものです。

さて、最後にモリーゼ州のIGP(Indicazione Geografica Protetta)も見ておきましょう。

・IGP Osco / Terra degli Osci
・IGP Rotae

IGP Terra degli Osci(もしくは単にIGP Osco)はカンポバッソ県(Provincia di Campobasso)が対象エリア。おおよそモリーゼ州の右(東)半分になります。カンポバッソが県都ですが、カンポバッソはモリーゼ州の州都でもあります。品種その他の理由でモリーゼDOCが名乗れない場合に使われるIGPですのでよく出会うと思います。
IGP Rotae はモリーゼ州のもう半分(左、西側)のエリアのIGPです。イゼルニア県(Province of Isernia)といいます。県都はイゼルニア。


ラベル平面化画像。
IMG_0578
サクラ・アワード ゴールド賞を受賞だそうで。


さあ、抜栓。
IMG_0601

コルク平面化。
IMG_0602
見慣れたボッテールのコルクですが、意味不明のボッテールのマーク。

Alc.13%。
ガーネット。
IMG_0603

黒ベリー。
さすがリゼルヴァ、上等ボルドーのような樽香がします。
キノコか土っぽいやつです。
辛口アタック。
厚みもあり、芯もしっかりした味わいです。
複雑味も味わえますね。
ほんとにモンテプルチアーノ?という旨さを感じました。
最後に若干軽さが来て、やっぱりモンテプルチアーノとわかりますが(笑)。


*****

Rione dei Dogi
Rosso Molise DOC Riserva 2017
Montepulciano
RRWポイント 91点


Di Majo Norante Sangiovese 2016

以前、アリアニコモンテプルチアーノをいただいたDi Majo Noranteです。
モリーゼ州のトップ生産者ですから、どれもレベルが高かったのですが、
今日はそこのサンジョヴェーゼを試してみます。いかがでしょう?


IMG_9876
ここはどのワインもラベルデザインがいいですね。適度におシャレ。


公式ページはよくできてるんですが、ワイン情報はざっくりです。

今日のは多分サンジョヴェーゼ100%です。
樽はなく、ボトルで3ヵ月と書いてるのみ。
本当だとすれば熟成的には「かるかる」ですね。

原産地呼称のDOCやDOCGではなく、その下の地理表示ワインIGTです。
Terra degli Osci IGTということでモリーゼ州の大部分が対象地域のようです。
Osco01
州都Campobassoを中心とした地方名のようですね。別名Osco IGT
1995年制定で、赤白ともモリーゼ州(カンポバッソ地方)産であれば、
地元品種や国際品種なんでもありのルールのようです。
当然、今日のようにサンジョヴェーゼ100%でもOKです。


お約束なので作り手訪問です。
Osco02
まわりも立派な畑です。

モリーゼ州ですが、かなり海岸沿いにあることがわかります。
Terra01
モリーゼはアブルッツォ州やカンパーニア州と接してますので、
モンテプルチアーノやアリアニコもやってるわけですね。


エチケット平面化画像。
IMG_9760


さあ、抜栓。
IMG_9873
集積コルクですね。

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
IMG_9874

ブラックチェリー、カシス、黒糖、生木。
甘み感じますが辛口アタックです。
手前にある酸の仕業でしょうね。
味の構造感はありますが少々頼りない感じ。
サンジョベーゼの持つ素っ気なさですね。(笑)
重みが欲しい気もしますが、バランスもよく、
喉越しのタンニンもいい感じ。
トスカーナのサンジョヴェーゼより断然うまい気がします。


*****


Di Majo Norante
Sangiovese 2016
Terra degli Osci IGT
RRWポイント 91点


Di Majo Norante RAMITELLO 2013

前にアリアニコをいただいたディ・マーヨ・ノランテです。
ここはモリーゼのトップ生産者ですから、
そのモンテプルチアーノをいただかないわけにはいきません。(笑)


IMG_6614
モリーゼ州のモンテプルチアーノと言えば、おわかりでしょうか?
そう、サイゼリアのハウスワインです。
あのグラス1杯が驚異の100円のアレです。サイゼ飲みを続けていると、
キンキンに冷やしたアレがとっても好きになります。(笑)
すると、本物のモリーゼのモンテプルチアーノも試したくなるってもんです。


公式ページはいい感じなのですが、ワイン情報は不十分です。
このラミテッロのセパージュは、
・モンテプルチアーノ 80%
・アリアニコ 20%
となっていますが、あるサイトではミレジムごとの詳細データがあり、
それによると、2013年のセパージュはこうなってます。
・モンテプルチアーノ 85%
・アリアニコ 15%
さらに、本家サイトにはない樽熟も表記があり、
仏樽(アリエ/ㇴヴェール)で18ヶ月ということがわかりました。

DOCである、「Biferno Rosso」を調べます。
・モンテプルチアーノ 70~80%
・アリアニコ 10~20%
が規定されていて、アリアニコは最低でも10%は混ぜないといけません。
モンテプルチアーノ100%なら、
「Rosso del Molise」というDOCがあるようです。


作り手訪問は前回やってますので今回は割愛。と、思いましたが1枚だけ。
RA01
2月なのでブドウはつるだけですが、ワイナリーすぐ横の畑です。
なんと前の道の名が「Vino Ramitello(ラミテッロ・ワイン通り)」。
まさにこのワインの名前。ここの畑からなんでしょうね。


エチケット平面化画像。
IMG_6611


さて、抜栓です。
IMG_6634
シンプルですが、かっこいいコルクの印刷。
Alc.13.5%。
濃いルビー。
フランボワーズ、チェリー。
酸味が目立つアタックです。
うん、知ってる風味。(サイゼリア!)
でも、サイゼほど薄っぺらくない味はいいですね。
渋みもかすかにあって楽しめます。
半分だけ、明日はサイゼの様にキンキンに冷やしてみましょう。

(翌日)
うん、重みはないですがライトにうまい。
同じ系統の味ですがワンランク上。
サイゼもこれを出して~。(笑)


*****


Di Majo Norante RAMITELLO 2013
Biferno Rosso
RRWポイント 90点


Di Majo Norante CONTADO Aglianico del Molise DOC 2013

アリアニコを知りたくてバジリカータ州のをいただき、
(DOC Aglianico del Vulture)釈然としない結果でした。
今度はモリーゼ州の(DOC Aglianico del Molise)をいただきます。


IMG_5523


本命とも言える、カンパニア州のタウラージにまだ手を出さず、
外堀から埋めていきます。(そんな必要ないんですが。)

しかしながら、「ディ・マーヨ・ノランテ」というこの作り手、
モリーゼでは最も有名で評価も高いそうです。
モリーゼといえばモンテプルチアーノですが、
モリーゼのトップ生産者の醸すアリアニコ、これはいけそうです。


Google Mapのストビューでワイナリー訪問してみます。
DMN01
周りはブドウ畑で雰囲気はいいですが、社屋は正直ショボい感じ。

場所はここ。モリーゼ州でもかなり海岸側です。
DMN02
おまけに、ほぼプーリア州との州境。


公式ページのワイン説明は若干物足りない感じ。
「DOC Aglianico del Molise」の規定はアリアニコ85%以上ですが、
今日のはアリアニコ100%のようです。

樽熟は、スキンコンタクトしつつのMLFを1ヶ月とありますが、
中小サイズの樽・ステンレスタンクを使う比率の明記なしで、
「Riserva」と言いながら熟成期間が不明。
「ボトルで6ヶ月寝かします」と、こんなところは書いてあるし。


ラベルデザインはカッコいいです。
IMG_5493



さあ、抜栓。
Alc.14%。
濃い赤紫、褐変気味です。
涙は太く粘性ありあり。
黒ベリーにチェリーかあんずジャム。
前に飲んだバジリカータのアリアニコと共通の独特な香り。
香草かスパイスも感じますね。
酸味が先のアタックです。
果実味はあっていいですね。
タンニンは柔らかく、いいバランスですが、
その後、独特の風味のある余韻となります。

前のよりはおいしいのがわかりましたが、
アリアニコはアリアニコというのもわかりました。
共通点が特徴として認識できたわけです。
う~ん。あまり好みの品種じゃないかも。

タウラージ も同じかな?
結局、
上等なタウラージを試すという課題が残ったような気がします。(笑)


*****


Di Majo Norante
CONTADO Aglianico del Molise DOC 2013
RRWポイント 87点


Saizeriya Premium Biferno Rosso 2016

サイゼリヤの一部店舗にはフル・ワインリストがあり、
かなりの種類が飲めるのですが、たいてい都会の店舗限定です。
巷の店舗では、この「プレミアム」が最高峰。
ボトルで2,160円(税込)ですが、
100円のグラスワインとの味の差はいかほどのものかお試しです。


IMG_4631


サイゼリヤ・ブランドになっていますが、
モリーゼ州の「Cantina Cliternia」が作っています。
公式ページには、当然サイゼリヤブランドは載っていませんので、
詳しい情報はわかりませんが、
DOCがBiferno Rossoなので調べてみると、
・モンテプルチアーノ 70~80%
・アリアニコ 10~20%
が、このDOCを名乗るためには義務付けられています。
ほぼほぼセパージュは想像つきますね。


IMG_4632


いつものグラスワインもモリーゼのモンテプルチアーノですから、
価格比較をしてみます。するとすごい差が…。

プレミアム:2,160円@750ml(フルボトル)
     =1,440円@500ml
デカンタ:399円@500ml

なんとその差は3.6倍。

なぜ、こういう前フリをするかというと、
実はこのプレミアムのお味が、グラスワインとほぼ同じだったからです。
サイゼリヤ式にキンキンに冷やされてきますので最初はピンとこず、
何口目かまでは半信半疑でしたが、どう考えても「同じ味」です。
同じ地方の同じ品種だから当たり前のようではありますが、
似ているどころか、僕には全く同じに感じました。(笑)

これは絶対デカンタ500mlのほうがいいです。
たいていのお店では、デカンタの1/2リットルの線を越えて、
すり切りいっぱい入れてくれるので、結局600mlくらい入ってそうですし。(笑)

これは同じ味なら、超絶コスパのデカンタが絶対おすすめです。
飲んでみなきゃわからないものですが、勉強になりました。
今後このプレミアムを飲むことはないでしょう。

実は、グラスワインにはマグナム(1500ml)というのもありまして、
これも同じワインだとすると、さらにコスパがいいです。

マグナム:1,080円@1500ml
    =360円@500ml

プレミアムとの差は、なんと4倍に達します。(笑)


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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