Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Morey-Saint-Denis

Domaine Hubert Lignier Bourgogne Pinot Noir - Plan Gilbert 2019

ドメーヌ・ユベール・リニエ。久々にコートドールからです(笑)。モレ・サン・ドニに5世代続く家族経営の作り手だそうで。まあ、例によってそのAOCブルゴーニュなわけですが、昨今の値付けはそれでもそんなにお安くもありませんね。エチケットに「Plan Gilbert」とあるのは畑の名前のようです。こういう所在のはっきりしたAOCブルゴーニュは狙い目なんですよ。

IMG_9416
1880年頃、ジャック・リニエさんがモレ・サン・ドニのブドウ畑を購入しドメーヌがスタート。ドメーヌは代々受け継がれ、ユベールさんが現在の当主。ドメーヌ・ユベール・リニエの名前の所以です。実はユベールさんは息子のロマンさんにドメーヌを託し1992年には引退しようとしていたそうですが2004年になんとそのロマンさんが急逝します。ユベールさんはそんな不幸も乗り越え現役復帰。もうひとりの息子ローランさんもドメーヌに加わり現在に至ります。(Google Map上は「Domaine Hubert et Laurent Lignier」と親子の名前で表示されますね。)
ロマンさんの他界後、その奥様によって折半耕作に出されていた畑も戻り、現在9ヘクタール、クロ・ド・ラ・ロッシュ・グラン・クリュ他、24のワインを生産しています。

公式ページはシンプルですが、見やすくて情報も整理されていていい感じです。

個別のワインもデータシート付で説明されています。

・ピノ・ノワール 100%

「プラン・ジルベール(Plan-Gilbert)」という、1964 年、1968 年、1982 年に植えられた0.66ヘクタールの畑です。最長50年超の樹齢ですね。12ヶ月の樽熟成をしています。


モレ・サン・ドニのドメーヌ・ユベール・リニエ訪問。ご存じ県道D974号線沿いでした。
Hubert_Lignier01
表札など上がっていないので外からはわかりませんが、ワインのエチケットにもある2匹の犬?の紋章が中の建物にありました。また、奥の洋館(コテージ)は小さいですが「Grand Cèdre」という名前で宿泊もできるようです。

さあ、今日のAOCブルゴーニュの畑、「Plan-Gilbert」を探してみましょう。
Lignier_MSD_Luc
(地図はLuc Corporation様サイトより拝借)
AOCブルゴーニュの畑名まで載っていて毎度お世話になっているラックコーポレーション様の地図を拝借し追記します。県道D974号線沿いのモレ・サン・ドニとシャンボール・ミュジニーの境にまたがって「Plan de Gilbert」という畑がありました。AOCブルゴーニュですし名前からしてこれに間違いないでしょう。ドメーヌ・ユベール・リニエからも目と鼻の先ですし。白字でドメーヌ名・畑名書き込んで位置を示しています。(畑は目立たせるために色を変えています。)

さあ、この辺り一帯をGoogle Map上に転記して位置関係を把握しましょう。
Lignier02
モレ・サン・ドニからヴォーヌ・ロマネ辺りまでを南北を横に置いて見ています。ちょうど真ん中を県道D974号線が走っていますが、ここを境に村名畑とAOCブルゴーニュが分かれる傾向があるのが見て取れると思います。また、グラン・クリュ(特級畑)を赤で示していますのでその分布との関係も興味深いところです。赤と緑(AOCブルゴーニュ)の間には、描いてはいませんがプルミエ・クリュ(1級畑)と村名畑が層のように分布している格好です。しかし、ヴージョのところではグラン・クリュとAOCブルゴーニュが隣接したりなんかしてますね。こういうのを見ると県道D974号線を渡っただけで何が変わるんだろうと思ったりするわけです(笑)。

さて、今日のワインの「Plan de Gilbert」の畑ですが、ドメーヌ・ユベール・リニエのHPにはモレ・サン・ドニ側ではなくてシャンボール・ミュジニー側だと書かれています。ほぼほぼ畑の位置が特定できてきました。地図にはその辺りの風景をインポーズしています。

その辺りをもう少し大きいスクショで見てみましょう。いやあ、素晴らしい眺めです。
Lignier04
遠くの斜面にボンヌ・マールとクロ・ド・タールのグラン・クリュが見えます。歩いても15分とかからない距離です。土壌は多少違うのかもしれませんが気候風土含め今日のAOCブルゴーニュのプラン・ド・ジルベールの畑とそんなに違わないんじゃないかと(希望も含め…笑)思ってしまいます。いや、積極的に思いましょう(笑)。


エチケット平面化画像。
IMG_9381
裏ラベルはインポーター・シールのみだったので下につけてます。あっ、ラックコーポレーション様だ!(笑)


さあ、抜栓。
IMG_9412
キャップシールにドメーヌ名のエンボスがカッコいいです。

コルク平面化。
IMG_9413
今日のプラン・ジルベール専用品ですね。

Alc.14%。
ルビー。細いですが粘性のありそうな涙。
IMG_9414

フランボワーズ、チェリー。
熟成香感じますが生き生きとした果実が香ります。
辛口アタック。
ドラマチックな存在感のある味を実感しますが、
素晴らしいバランスのなせる技でしょうね。
以降、盛り下がることなく、
フィニッシュまで悠遠のロードが続きます。

シャンボール・ミュジニー村名畑に隣接した、
いいAOCブルゴーニュに出会えたようです。


*****

Domaine Hubert Lignier
Bourgogne Pinot Noir - Plan Gilbert 2019
RRWポイント 94点


Domaine Robert Groffier Père & Fils Bourgogne “Pinot Noir” 2017

ロベール・グロフィエをいただきます。偉大な作り手と評判は聞いています。シャンボール・ミュジニーの偉大な1級畑「レ・ザムルーズ」最大の所有者なんていう形容も耳にしますね。ドメーヌはモレ・サン・ドニの方にあるようですが。とにかくこちらは平常運転、「AOCブルゴーニュを試してドメーヌの本領を知る」で参りましょう。(笑)

IMG_7652
1933年、ロベール・グロフィエさんの父ジュール・グロフィエさんがドメーヌを設立。ロベールさんの代で元詰めを始めたんだそうです。現在はロベールさんの孫の二コラさんがドメーヌの指揮をとっているとのこと。

公式ページが…見当たりません。ブルゴーニュの家族経営ドメーヌあるあるです。著名な作り手ほどワインは勝手に売れるためか、HPを持っていないところが多いです。インポーターの情報などを頼りにするしかなさそうです。

・ピノ・ノワール 100%

ブドウはクロ・ド・ヴージョの真下に位置する 1.4ha の区画からという情報が多いです。クロ・ド・ヴージョは特級畑ですからAOCブルゴーニュといってもすごそうですね。(所有のAOCブルゴーニュの畑は 1.25ha という情報もありましたから少し計算が合いませんが…。)モレ・サン・ドニのブドウも使っているという話もありました。公式ページがないのでなんとも真偽を確かめられないのが歯がゆいところです。基本除梗100%(ヴィンテージにより変わる)で、2年落ちの旧樽で12ヶ月の熟成とのこと。


ドメーヌ訪問と参りましょう。モレ・サン・ドニの集落にあります。
Groffier01
なんと隣がクロ・ド・タール。というかドメーヌの背後がモメサン家(Mommessin)のモノポール、クロ・ド・タール特級畑に取り囲まれています。しかしながら、ロベール・グロフィエの所有畑はほとんどがシャンボール・ミュジニーにあります。ボンヌ・マール(Bonnes-Mares)特級畑や、Les Amoureuses、Les Hauts Doix、Les Sentiers、以上の1級畑です。シャンベルタン・クロ・ド・ベーズにも少し持ってるようです。

さて、今日の畑がクロ・ド・ヴージョのすぐ下として位置関係を見てみましょう。
Groffier02
モレ・サン・ドニのロベール・グロフィエは見つかりましたか? 確かにすぐ背後が特級畑クロ・ド・タールになってますね。地図上の特級畑は赤色で示しています。ボンヌ・マール、ミュジニー、クロ・ド・ヴージョ、エシェゾー、ロマネ・コンティなどは名前も入れています。で、AOCブルゴーニュはというと、ご存じ県道974号線の東側の概ね全域になります。今日の畑がクロ・ド・ヴージョのすぐ下ということであれば、写真で示したような所になるはずです。しかし、これ特級畑に隣接ですからね。すごくいいかもしれません。個人的にはクロ・ド・ヴージョ自体が特級畑として位置的にどうなんだと少々懐疑的ですが(笑)。
何と言っても「シャンボール・ミュジニーの偉大な1級畑レ・ザムルーズ最大の所有者ロベール・グロフィエ」ですから、レ・ザムルーズ(Les Amoureuses)の場所も書き込んでおきました。合わせてご確認を。

おまけ。ミュジニー特級畑とレ・ザムルーズ1級畑の間に降り立ってみました。
名称未設定-26
レ・ザムルーズがミュジニーに肩を並べるほど人気があるのが何となくわかります。


エチケット平面化画像。
IMG_7293
表ラベルで完結していて裏ラベルはありません。

裏ラベルはこのインポーターシールのみ。
IMG_7292


さあ、抜栓。
IMG_7648

コルク平面化。
IMG_7650
ミレジム入り、AOCブルゴーニュ専用品です。いいですね。

Alc.13%。
エッジ透け気味のルビー。
IMG_7651

フランボワーズ、チェリー。
湿った木樽香はソフトで甘やかさも感じます。
酸の爽やかな先鋒を伴った辛口アタック。
軽めの実体ながら、
苦味様の複雑味をまとい奥行きを感じます。
余韻でも「う少し寝かせたいな~」的雰囲気を出すんですが、
最初の酸で彩られた満足感のフィニッシュを迎えます。

いいですね。
レ・ザムルーズもこんな感じじゃないでしょうか(笑)。


*****

Domaine Robert Groffier Père & Fils
Bourgogne “Pinot Noir” 2017
RRWポイント 91点


Domaine Michel Magnien Bourgogne Pinot Noir 2017

珍しくセット買いしたワインの1本。『2017年のブルゴーニュ・ピノ・ノワール飲み比べ赤ワイン3本セット』と銘打つセットでしたが、銘柄を選べないものの、なかなか良さげなワインがかなりお得な価格だったのでつい手を出しました。ドメーヌ・ミシェル・マニャン(Domaine Michel Magnien)ってやつから抜栓といきましょう。

IMG_5975
ドメーヌ・ミシェル・マニャンというのは、モレ・サン・ドニで5代に渡る栽培農家であったマニャン家の先代ミシェルさんが1967年に興していますが、息子で現当主のフレデリック・マニャンさんが自らの名を冠したネゴシアンブランド「Frédéric Magnien」と共に運営し、「Domaine Michel Magnien」の名前のまま一大ドメーヌに築き上げています。フレデリックさんがワイン作りに加わったのが1993年からで、それまではモレ・サン・ドニの共同組合に納めていたブドウもすべて元詰めに変え、栽培責任者には30年以上ルロワで栽培を指揮しビオディナミを導入した人物を起用。そういう訳でドメーヌ・ミシェル・マニャンも、2008年にはオーガニックの Ecocert 認証、2015年にはビオディナミのデメター(Demeter)認証を取得しています。

公式ページは大手ネゴシアンの雰囲気。カッコよくできています。

サイトにはネゴシアンブランドの「Frédéric Magnien」と「Domaine Michel Magnien」が同居しています。各ワインの袖モノもちゃんと紹介してあるんですが、「Les Graviers」というシャンボール・ミュジニーの畑名を冠したAOCブルゴーニュはあるんですが、今日の「Bourgogne Pinot Noir」というのが見当たりません。なので、インポーター情報を交えて下記します。
・ピノ・ノワール 100%
コート・ド・ニュイのいくつかのアペラシオンからのブドウをブレンド。モレ・サン・ドニ、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネかららしく、村名の畑も含まれるようですが、こう混ぜてしまうと当然村名は名乗れなくなりますね。樹齢は貫禄の40~50年らしく、これはこだわりらしいです。樽はユーズド、もしくは新樽率10%に抑えて10ヶ月という感じらしいです。


さあ、モレ・サン・ドニの作り手訪問です。
Magnien01
最近も改修などしているようで、公式サイトの写真に比べるとストビューは最新ではなく少し古いようでした。県道D974号線沿いにドメーヌ・ミシェル・マニャンとフレデリック・マニャンは並んでいますが、建物はそれぞれ別になっています。遠くに見える斜面はモレ・サン・ドニのグラン・クリュで、角度的に言うとクロ・ド・ランブレイあたりだと思われます。

県道D974号線に出て、フレデリック・マニャン側から見てみましょう。
Magnien02
二つ合わせると結構大きな敷地です。小さなドメーヌが多いブルゴーニュでは規模が大きい方です。左下にインポーズした地図はモレ・サン・ドニの中心部です。簡素な集落に有名ドメーヌがひしめき合ってます。

恒例の畑探しはあきらめることにしましょう。コート・ド・ニュイのいろんな所くらいしかわかりませんでしたから。今日は久しぶりにコート・ドール全域地図を貼ってお茶を濁します。
Bourgogne_Cote_dOr_Map
一応、作り手の所在も書き込んでおきました。


エチケット平面化画像。
IMG_5816
裏ラベルに、ユーロリーフ、デメター(Demeter)のマーク付きビオワインです。ん? 何だこの解像度の悪い地図は? … あっ!! これはもしや … 畑の所在???
この地図、ヴージョその他見慣れた区画の形です。モレ・サン・ドニからヴォーヌ・ロマネまでの地図だと判明。そして、色付きで示してあるのが、どうやら今日のワインの畑のようです。素晴らしい! 何という親切な裏ラベルでしょうか!

早速いつもの地図に照らし合わせて畑の所在を確認。やはり、モレ・サン・ドニ、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネ各村のAOCブルゴーニュ畑であることが確認できました。畑名もわかりましたよ。(地図はLuc Corporation様サイトより拝借)
Magnien03
モレ・サン・ドニの畑はドメーヌに激チカですね。さらに村名モレ・サン・ドニの区画に隣接しています。これはやはり現地に行って見てみましょう。

これです。畑名も Les Pertuisières だと判明しています。
Magnien04
向こうにモレ・サン・ドニのグラン・クリュの斜面が見えます。いい雰囲気です。良心的な裏ラベルのお陰で今日も畑訪問できました。これでワインも美味しくいただけます。(笑)


さあ、抜栓。
IMG_5972
シンボルマーク、太陽と地球と月です。

コルク平面化。
IMG_5973
これでもかと同じマークばっか。太陽がフレデリックさんのお母様、地球がお父様のミシェルさん、月が自分なんですって。

Alc.13%。(pH:3.80、Brix:6.2)
クリアなルビー。エッジ、かすかですが褐変。
IMG_5974

フランボワーズ、リコリス、滋味の熟成香。
コク、うまみ乗った辛口アタックです。
酸は出過ぎず盛り立ててくれる感じ。
複雑味ある味わい。しっかりした芯も感じます。
喉元をアルコール感が心地よくくすぐりますね~。
余韻も以上の総ざらいハーモニーで楽しめて…納得のフィニッシュ。

最高ちゃんやん。いい作り手見つけました。


*****


Domaine Michel Magnien
Bourgogne Pinot Noir 2017
RRWポイント 95点


Domaine Perrot-Minot Bourgogne Gravières des Chaponnières 2017

現当主になって評価が高まったというモレ・サン・ドニにあるペロ・ミノです。
例によって、そのAOCブルゴーニュでお試しですが、畑名はわかってますし、
場所もモレ・サン・ドニ界隈で、樹齢55年のVVだそうです。悪くないだろう。(笑)


IMG_3167c
起源は4世代に渡り19世紀まで遡るのですが、アルマンド・メルムさんの代に、
娘マリー・フランス・メルムさんと夫アンリ・ペロ・ミノさんが地所を引き継ぎ、
1973年にドメーヌ・ペロ・ミノが誕生します。
息子で現当主となるクリストフ・ペロ・ミノさんは7年間修業をする中で、
あのブルゴーニュワインの神様、アンリ・ジャイエの薫陶を受けているそうで、
1993年に修行から戻りドメーヌを引き継ぐと、その品質と評価は鰻登りだそうで。
モレ・サン・ドニ、ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニーに加え、
ヴォーヌ・ロマネやニュイ・サン・ジョルジュに畑を拡大し、計13haになるそう。
また、樹齢を重んじて新しい木はほとんど植えず、VVがたくさんあるようです。


公式ページはモダンな感じでよくできてはいます。ただ、情報少なめで、
英語ページは存在するのに、言語切り替えのボタンが見当たりません。(笑)
(URLの「fr」を「en」に打ち換えると英語ページが出てきます。)

また、データシートもあるようなんですが、リンクがエラーでつながりません。
今日のAOCブルゴーニュの畑はモレ・サン・ドニ村の2ヶ所にあると書いています。
1つは樹齢55年。もうひとつが25年だそうで。結構なVV(Vieilles Vignes)です。
・ピノ・ノワール 100%
インポーター情報ですが、除梗率はミレジム毎に50~100%だそうです。
アンリ・ジャイエの教えは完全除梗だったんじゃないんでしょうか。(笑)
樽熟は12〜14ヶ月と比較的短く、新樽率は村名で20%、1級・特級で30%と、
かなり新樽は嫌ってる感じです。


さあ、モレ・サン・ドニの集落の真ん中にあるドメーヌ訪問。
Perrot-Minot01
とんがり屋根の立派な建物ですね。敷地もここらへんじゃ広そう。
なんでも、先代アンリ・ペロ・ミノさんが先々代から引き継ぐとき、
ドメーヌ・アルマンド・メルムが2つに分割され、一方が向かいにある、
ドメーヌ・トープノ・メルムなんだそうです。こちらは有名じゃなさそう…。

畑名はラベルから「Gravières」と「Chaponnières」と思われます。
(ラベルの畑名の「des」の使い方が不明。フランス語は専門でないので…笑)
いつものラック・コーポレーション様の地図を拝借して確認します。
Morey-Saint-Denis01
名前からして、おそらくここだろうという畑2ヶ所を赤で囲んでいます。
Chaponnièresは確かにモレ・サン・ドニですが、Gravièresは綴りは微妙ですが、
シャンボール・ミュジニーになりますね。
一方はシャンボール・ミュジニーと書いてるショップサイトもあったので、
まあ、間違いないでしょう。

さあ、例によってGoogle Map転記し、各々の畑もストビューで訪問します。
Perrot-Minot02
どちらも県道D974号線の東側ですが、ChaponnièresはAOCブルゴーニュながら、
モレ・サン・ドニ村名畑に隣接しています。この違いは地層?土壌?(笑)


エチケット平面化画像。とんがり屋根のドメーヌ、本物どおりですね。
IMG_3138
裏ラベルを隠さないファインズさん、えらい。


さあ、抜栓。ん?なかなかコルク抜けない…長っ!!
IMG_3160
今までで一番長いコルクかもしれません。AOCブルゴーニュなのに。

コルク平面化。
IMG_3161
長さに加え、ミレジムも横に入っていて、なかなかちゃんとしてますね。

Alc.13%。(pH:3.65、Brix:6.1)
しっかり色付いたルビー。やはり完全除梗でしょうかね。
IMG_3164

フランボワーズ、スミレ。
滋味からくるような茎っぽさは香ります。
辛口アタック。
しっかりしたストラクチャーのある味わい。
かすかな酸はあくまでその盛り立て役です。
これはいいパターンです。
喉越しで軽いタンニンも加勢して、
余韻でさらに複雑味を感じました。


*****


Domaine Perrot-Minot
Bourgogne
Gravières des Chaponnières 2017
RRWポイント 91点


Domaine Arlaud Bourgogne Oka & Arlaud 2016

ドメーヌ・アルローはモレ・サン・ドニに1942年設立された所ですが、
1997年に若き(イケメン?)3代目シプリアン・アルローが参画してから、
短期間で名声を築き、デュジャックやポンソのいるモレ・サン・ドニで、
No.1との呼び声も高い注目ドメーヌです。
でも、そこのネゴシアンブランド「A & Arlaud」のAOCブルゴーニュです。(笑)


IMG_9531
シプリアン・アルローは100年に1人の天才醸造家なんだそうで。
彼が2012年から始めた買いブドウからのシリーズがこの「A & Arlaud」。
しかし、品質をキープするため、ほとんどの契約畑の管理を自ら行い、
収穫、醸造、瓶詰も自社ブランドと同様にするとのことで、ぼぼ、
ドメーヌ・アルローと同じクオリティだとシプリアンさんが言ってます。


公式ページはモダンな感じ。

このワイン載ってますが、情報量はそこそこ。
「Oka」は妹さんの馬の名前だそうで、(フルネームはOkapiらしい…)
この馬の畑を耕すハードワークに敬意を表してネーミングしたそうです。
契約畑でもオーガニック栽培を実践、グリーン・ハーベスト。
どこぞのサイトでは、シャンボールとモレ・サン・ドニの自社畑が50%、
ヴォーヌ・ロマネからの買いブドウが50%と書いてました。ほんとかな?
樽熟も仏樽(新樽なし)で14~18ヶ月としっかりやてます。


ドメーヌ訪問。なかなか立派な建物です。
arlaud02

モレ・サン・ドニの中ではこの辺りになります。
arlaud01


エチケット平面化画像。
IMG_9098
オカちゃんの絵が微笑ましいデザインです。
このネゴシアンブランド「A & Arlaud」か「& Arlaud」なのか不明。
(公式ページには両方記載あり。)
「契約農家さん & アルローさん」という意味だとは思いますが…。


さて、抜栓。
IMG_9528
キャップシールにはラベルと同じ「A」のマークが。

コルクも平面化撮影しました。
IMG_9527
AOCブルゴーニュ専用。腹にミレジム入り。

Alc.12.5%。
しっかり色づいたルビー。
IMG_9529

フランボワーズ、茎、樽。王道の香り。
酸味から来る辛口アタックです。
しかし、味はかすかな苦味と甘味がバランスした見事な調和。 
酸は邪魔をせず、フレッシュ感の演出ということですね。
余韻はさすがに酸が付いてきて軽めに感じましたが。


*****


Domaine Arlaud
A & Arlaud
Bourgogne Oka & Arlaud 2016
RRWポイント 90点


Domaine Gérard Raphet Bourgogne 2011

モレ・サン・ドニにあるドメーヌ・ジェラール・ラフェです。
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの最高の生産者の一人と言われ、
パーカーおじさんから4つ星を与えられたジャン・ラフェの息子で、
2002年にドメーヌを引継いだのがこのジェラール・ラフェさんだそうです。


IMG_9302


公式ページがありません。たぶん。
ブルゴーニュはたまにこういう所があるんですよね。
困ったのでネット情報に頼りますが…。
AOC Bourgogneの畑は1haで、グランクリュに隣接なんて情報もありますが、
どこだかさっぱりわかりません。


まあ、とにかくモレ・サン・ドニのドメーヌ訪問。
Raphet01
うまく中がのぞけません。エチケットの建物を確認したかったのですが。

モレ・サン・ドニではこんな場所にあります。
GER_4
特級畑、1級畑、村名畑をマークしました。
それ以外の県道D974号線の東側はAOC Bourgogneになります。
モレ・サン・ドニ内ですが、結構な畑がありそうです。この辺かな?


エチケット平面化画像。
IMG_8585

エチケットの写真は敷地内のこの建物ですね。
GER_3


さて、抜栓。
IMG_9303
一応、横ミレジム入り。

そのコルクも平面化撮影。ドメーヌの汎用品のようですが。
IMG_9297

Alc.12.5%。
ルビー。色づきはしっかりめ。
IMG_9299

プラム、チェリー、かすかな茎感も。
微量のブレタノマイセス?
ちょっとヤバい雰囲気です。(笑)
酸味のアタック!
味の中心も弱くつかみ所がないです。
酸味にかき消され、バランス悪いまま終わります。
後味も酸味の嫌味が残る始末。

素性が酸味がちだとしても、
2011年ならもう少しこなれていてもいいのにな~。
これは保管状態を疑っておきましょう。
残念。


*****


Domaine Gérard RAPHET Bourgogne 2011
RRWポイント 82点


Christophe Bryczek Morey-Saint-Denis 2015 “Clos Solon”

クリストフ・ブリチェックのモレ・サン・ドニ村名です。
「クロ・ソロン」と畑名がはっきりしてるので悪くはないでしょう。
リカマンのワインくじのハズレ(中当たり?)なのは内緒。(笑)


IMG_7506


公式ページは見つからず、日本のインポーターのサイトコレ
ドメーヌは1953年に創設、現在3代目のクリストフさんが運営。
なのでドメーヌ名がクリストフ・ブリチェックなわけです。
リュット・レゾネを頑張ってるらしいっす。


ドメーヌ訪問。
ClosSolon01
当然ながら同じくモレ・サン・ドニのデュジャックの近所です。


クロ・ソロンなる畑はここになります。
MoreyStDenisClosSolon
1級畑に隣接していて悪くなさそうです。

畑に降り立ってみました。
ClosSolon02
うん、村名畑にしてはいい感じです。

Google Map上で示しておきましょう。
MoreyStDenisClosSolonGGL
特級、1級もわかるようにしておきました。


エチケット平面化画像。
IMG_7491


さて、抜栓。
IMG_7507

Alc.13%。
濃いルビー、透けにくい感じ。
フランボワーズ、フレーズ。
辛口アタックです。
酸味は生き生きしてますが穏やかです。
傑出はしてない感じですが、
すべての要素が程よくハーモニー。
1級と張り合えるぐらいで十分楽しめます。


*****


Christophe Bryczek
Morey-Saint-Denis 2015 “Clos Solon”
RRWポイント 91点


Patrick Clerget Morey-Saint-Denis 2013

パトリック・クレルジェはボーヌのネゴシアン。
ワイン生産者として13世紀(1263年)まで遡るクレルジェ家の、
パトリック・クレルジェ氏が1994年に設立したメゾンだそうで。
正式名はセレクション・パトリック・クレルジェ(Sélection Patrick Clerget)。
リカマンの赤ワインくじのハズレというのは内緒。(笑)


IMG_6866
フランス全土から買い付けて世界に輸出するという、
手広いビジネススタイルのネゴシアンのようです。

公式ページは自動検知で日本語表示。
変な日本語なので英語かフランス語に切り替えて見ましょう。
う~ん、ライナップも多すぎるのか個々の説明は皆無。
畑の場所なんか特定のすべもありません。
ま、モレ・サン・ドニなんでしょう。(笑)


意味もなくモレ・サン・ドニの地図を貼っておきます。
MoreyStDenis03
今日のは、Grand Cru、Premier Cru以外の畑ということになります。

事務所はボーヌの町中にあり、看板も上がっておらず、つまんないです。
Clerget1

エチケット平面化画像。
IMG_6644
ネックシール平面化も随分うまくなりました。


さあ、いただきましょう。
Alc.12.5%。
薄くはないルビーです。
ラズベリーながら青いプラムも感じます。
要は少し酸味を思わせる香りですね。
しっとりした熟成香も。
うま口アタックです。
と思いきや、やはり酸味が舌に乗ってきますね。
香りは嘘をつかないということでしょうか。
厚みのある味ながら、
余韻の入り口までこの酸が同伴してきます。
おいおいと思っていると、フィニッシュの後まで残りました。
爽やかさを演出してくれているだけに、
完全にバッテンはつけられません。
全体にはいい印象だけに評価は微妙です。


*****


Patrick Clerget Morey-Saint-Denis 2013
RRWポイント 89点


Domaine Dujac Morey-Saint-Denis 2014

モレ・サン・ドニのドメーヌ・デュジャック。
そこの、それこそモレ・サン・ドニ(村名)をいただきます。


IMG_5732


これでもお手頃とは言い難いですが、
ドメーヌ所有畑で自らが醸す全房発酵の妙を味わうには、
これがギリギリの線ですね。(笑)
デュジャック・フィス・エ・ペール(Dujac Fils & Père)という、
ネゴシアンビジネスも2000年からやっており、
こちらは若干ですがドメーヌよりお安くなってますので、
それをもって味を想像するというのもアリかもしれませんが、
やはり、モレ・サン・ドニのドメーヌ・デュジャックの、
それこそモレ・サン・ドニをいただきたいわけですよ。


創設者のジャック・セイスはDRCからワインづくりを学んだとか、
「Dujac」は自分の名前をもじったものだとか、
いろんなウンチクがネットにあふれていますのでここでは割愛。
IMG_5684


一応、公式サイトで情報を取ろうと思ったら、
Dujac001
新サイトがComing Soonになっていてトップページのみ。

仕方がないので自力で調べますよ。
以前、モレ・サン・ドニの1級畑(クロ・デ・ゾルム)を飲んだ時の地図に、
Dujac03
ドメーヌ・デュジャックの場所を黄マル印で示します。
いったいどこの畑を所有してるんでしょうね。
特級、1級畑も示しましたので、それ以外の畑ということになります。
その所有の村名畑の場所も公式サイトで確認したかったものです。

狭い路地の集落の中では、なかなか立派な建物です。
Dujac02
さすがドメーヌ・デュジャック、貫禄ありです。


さて、抜栓。
Alc.13%。
澄んだ赤紫、かすかに茶色。
全房は茎が色素を吸って薄めの色合いになるそうですね。
ラズベリー、チェリー、イチゴもかすかに。
香りはふくよかで心地いいです。
茎青さ、と言うような風味もあり、全房の影響ですね。
アタックから果実味さわやかなのですが、
軽く感じることはなく、「何と深み・厚みのある味だ」と感動。
かすかな苦味も複雑さを与えている気がします。
ピノでよくある酸味はほぼ感じません。
しなやか、そしてエレガント。
これは僕のブルゴーニュ経験上最強です。

前に、DRCやら全房やらの前フリで期待した、
カレラのピノもこうであって欲しかったもんです。(笑)


*****


Domaine Dujac
Morey-Saint-Denis 2014
RRWポイント 93点


Lucien Le Moine Morey-Saint-Denis 1er Cru “Clos des Ormes” 2014

ブルゴーニュも一応ですが、
「うまいAOCブルゴーニュ探し」という形で探求してますが、
上等なものとなると村名が精一杯です。(笑)
今日は、せめて1級畑名を試そうとがんばります。


IMG_5526


例によって、バイザグラスではありますが。
区画ごとのテロワールの差異とその現れである価格、
これはある意味幻想ではないかと僕は懐疑的ですが、
飲まずに語るわけにはいかないのでお試しをするのです。

モレ・サン・ドニの1級畑(Premier Cru)クロ・デ・ゾルムです。
実は偶然にもこの畑の前を通りかかり、写真を撮ってました。
ClosdesOrmes
(2017年9月3日撮影 by SIGMA DP3 Merrill)
確かに1級畑らしい風格ある場所でした。アーチが象徴的です。

場所をGoogle Map上で確認しておきましょう。
morey-saint-denis_map
かなり、ジュヴレ・シャンベルタン寄りです。
南北に同じ1級畑が続きます。
道を隔てた西側は特級畑(Grand Cru)が同じく帯状に続いてます。

道一本、歩数にして10歩ほどの距離ですが、
これで特級か1級かが分かれるわけです。
にわかにその差異やありがたみを信じられませんが、
しいて言えば、特級畑側はかなり傾斜しており、
坂の上は小山というか林になっています。
降雨時の水の流れや水捌けは平らな畑とは違うでしょうね。

平らな1級畑側から特級畑の傾斜地の方を眺めてみましょう。
morey-saint-denis_02
う~ん。どっちもいいような気がする。(笑)


作り手にも触れておきましょう。
ルシアン・ル・モワンヌは1999年にムニール・サウマ氏によって、
その妻とともにボーヌの街に設立された、
比較的新しい、いわゆるネゴシアンです。

自ら畑は持ちませんが、
一流ドメーヌ所有の特級畑・1級畑のみのプレス後の果汁を購入し、
自ら樽詰め、熟成、瓶詰めを行うというスタイルです。

公式ページにも自ら詳しい醸造法を説明してありますが、
かなりこだわりの手法のようです。

果汁は自社セラーに移されマロラクティック発酵を伴う熟成をさせます。
その間、酸化を避けて澱引きを一切行わず、亜硫酸も極力加えず、
MLFで発生した炭酸ガスと澱とで酸化を防ぐ伝統的手法なんだそうです。
ネゴシアンといってもかなりの拘りで評価も高いようです。


ラベルの平面化撮影をお店でトライしましたが失敗。
IMG_5532
裏ラベルがほぼNO情報でしたので、代わりに表のアップを上げておきます。
ブルゴーニュはラベル貼付位置が低いためパノラマ撮影がうまくいきません。
今度からはボトル位置を上げることで解決したいと思ってます。


さて、唎いてみます。
Alc.13.5%。
透明感のあるルビー。
赤ベリーですが、
熟成香か、海苔の佃煮が香ります。(笑)
(カップ焼きそばのような感じもします。)
香りの華やかさはあまりないですね。
ダークチェリーのコンポートを舌上に乗せたようなアタック。
酸はじわじわと喉に来ます。
弱いですが、酸っぱい酸です。
余韻で酸味は引いていきますが、
ここでじわっとタンニンが現われます。

うま味はあるんですが、各要素があばれている感じです。
簡単に言ってしまうとバランス悪いということになるんでしょうか。
合鴨のローストにもイマイチ合わず。
期待感が大きすぎたかな。


*****


Lucien Le Moine
Morey-Saint-Denis 1er Cru “Clos des Ormes” 2014
RRWポイント 88点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ


写真サイト:
最近ちゃんと写真撮ってますか?

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ