スペイン、ナバラ州の白、それもソーヴィニヨン・ブランです。過去そんなにナバラ州のワインを試しているわけではないですが白は初めてですね。調べるとナバラ州の90%は赤だそうで、また、ソーヴィニヨン・ブランというのも珍しいようです。お試ししてナバラ州を掘り下げましょう。
ホセ・アントニオ・アリオーラ(José Antonio Arriola)さんがスーパーマーケットで共同経営者だった仲間と1999年に創設したワイナリーで、先祖の時代からブドウ畑はあったそうですが、ワイナリー創設と共にブドウの植え付けをはじめ2001年に最初のリリースをしています。2002年には立派な最新鋭のワイナリー施設が完成しています。社名の「イヌリエタ(Inurrieta)」は先祖がほぼ 1 世紀前にブドウ畑を栽培していた土地の名前に由来しているそうです。
公式ページはよく出来ていて情報も豊富で助かります。
今日のワインもデータシート付きで紹介があります。
・ソーヴィニヨン・ブラン 100%
ワイン名の「オルキデア(Orchidea)」は、蘭の花の意味です。(なぜかイタリア語? スペイン語では「オルキーデア(Orquídea)」が正しいのですが…。)豊富なフローラルなアロマからパッションフルーツ、ライム、パイナップル等の熟したトロピカルフルーツの香りが楽しめるということでこのネーミングにしたようです。シュール・リーで(澱とともに)タンク内で3~4ヶ月熟成されます。
イヌリエタを訪問します。立派な施設と周囲の畑が印象的です。
これはエブロ川流域(エブロ川とその支流)を示した地図です。エブロ川(Ebro)はご存知リオハを通して流れる重要な川ですね。(地図上「Èbre」となっているのはエブロ川のフランス語で、すべてフランス語表記になっていますのであしからず。)
恒例ですがGoogle Mapでナバラ州周辺を俯瞰して位置関係を見てみましょう。
イヌリエタの場所も示しています。DO(Denominación de Origen)Navarra はナバラ州全域ではなく州都パンプローナの南側だけになるようですね。また、先ほど見たエブロ川は、ナバラ州とラ・リオハ州(La Rioja)の州境になっている川ですが、エブロ川の両岸がDOでいうところのDOCa(Denominación de Origen Calificada)Rioja(DOCaリオハ)に当たり、州境周辺(エブロ川両岸)はDOナバラではないということです。ややこしいですね。エブロ川はリオハに譲った感じです。
拾い物の地図でDOナバラを掘り下げておきましょう。(オリジナルを若干修正。)
この地図を見るとDOナバラにはサブゾーンが以下の5つあるのがわかります。
・Tierra Estella
・Ribera Alta
・Valdizarbe
・Baja Montaña
・Ribera Baja
今日の作り手イヌリエタは「Ribera Alta」にあります。そしてDOナバラにはスペインワインの格付け最高峰の「Vino de Pago」が以下の3つあります。
「Vino de Pago」はグラン・クリュ的に畑レベルの狭域になりますので地図上には番号で地点が示してありますね。現在スペインには20の「Vino de Pago」がありますから、その内の3つがナバラ州にあるということになります。
あと、この地図には VT(Vino de la Tierra)が以下の2つ示されています。VTはいわゆるEUのワイン法の IGP(Indicación Geográfica Protegida)にあたる広域の保護地理表示です。
・3 Ribera(ナバラ州全域、エブロ川沿いのリオハのエリアは除く)
・Ribera del Queiles(アラゴン州にまたがるのでアラゴン州のVTでもある)
「3 Riberas」はDOナバラと違いナバラ州の北側全部を対象としていますね。
さらに、DOナバラ・ワイン公式ページのリンクを貼っておきます。
なかなか優れモノのサイトで各サブゾーンの特徴や作り手の所在など情報豊富です。最後にDOナバラで使える品種が書いてあったので以下に転記をしておきます。
<黒品種>
・Cabernet Sauvignon (DOナバラの13%以上を占める)
・Garnacha Tinta (=Grenache Noir、DOナバラの25%以上を占める、過去は90%もあった時代も)
・Graciano (リオハ/ナバラが原産のローカル品種、消滅の危機を脱しリオハ/ナバラで復活)
・Merlot (カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドパートナーとして)
・Mazuelo (=Cariñena / Carignan)
・Pinot Noir (2008年から認可のナバラでは新しい品種)
・Syrah (2008年から認可のナバラでは新しい品種)
・Tempranillo (DOナバラの31%以上を占め最多)
<白品種>
・Chardonnay (DOナバラでの最多白品種、全体の6%を占める)
それぞれの品種の%が書いていますが、DOナバラで黒・白品種の割合は90%・10%と圧倒的に赤ワインということを念頭に置いて読んでください。
ラベル平面化画像。
「B」のマーク?と思いましたが、コルクにオープナーが刺さってるところだそうです(笑)。
インポーターシールはこの有り様。最悪パターンです。
英語の解説やURLを隠すのはまったく許しがたい。そしてこのシールがうまく剥がせませんでした。
さあ、抜栓。
無印コルクながらミレジムは横に打ってありました。珍しいパターン。
ホセ・アントニオ・アリオーラ(José Antonio Arriola)さんがスーパーマーケットで共同経営者だった仲間と1999年に創設したワイナリーで、先祖の時代からブドウ畑はあったそうですが、ワイナリー創設と共にブドウの植え付けをはじめ2001年に最初のリリースをしています。2002年には立派な最新鋭のワイナリー施設が完成しています。社名の「イヌリエタ(Inurrieta)」は先祖がほぼ 1 世紀前にブドウ畑を栽培していた土地の名前に由来しているそうです。
公式ページはよく出来ていて情報も豊富で助かります。
今日のワインもデータシート付きで紹介があります。
・ソーヴィニヨン・ブラン 100%
ワイン名の「オルキデア(Orchidea)」は、蘭の花の意味です。(なぜかイタリア語? スペイン語では「オルキーデア(Orquídea)」が正しいのですが…。)豊富なフローラルなアロマからパッションフルーツ、ライム、パイナップル等の熟したトロピカルフルーツの香りが楽しめるということでこのネーミングにしたようです。シュール・リーで(澱とともに)タンク内で3~4ヶ月熟成されます。
イヌリエタを訪問します。立派な施設と周囲の畑が印象的です。
ナバラ州の南側、ファルセス(Falces)という町にあり、町を貫くアルガ川(Arga)の畔。自社畑はこのアルガ川の両岸に広がっています。河川敷なので堆積してできた砂質と粘土質の土壌に表層は小石に覆われているようです。
アルガ川というのはアラゴン川に合流した後エブロ川となり地中海に注いでいます。
アルガ川というのはアラゴン川に合流した後エブロ川となり地中海に注いでいます。
これはエブロ川流域(エブロ川とその支流)を示した地図です。エブロ川(Ebro)はご存知リオハを通して流れる重要な川ですね。(地図上「Èbre」となっているのはエブロ川のフランス語で、すべてフランス語表記になっていますのであしからず。)
恒例ですがGoogle Mapでナバラ州周辺を俯瞰して位置関係を見てみましょう。
イヌリエタの場所も示しています。DO(Denominación de Origen)Navarra はナバラ州全域ではなく州都パンプローナの南側だけになるようですね。また、先ほど見たエブロ川は、ナバラ州とラ・リオハ州(La Rioja)の州境になっている川ですが、エブロ川の両岸がDOでいうところのDOCa(Denominación de Origen Calificada)Rioja(DOCaリオハ)に当たり、州境周辺(エブロ川両岸)はDOナバラではないということです。ややこしいですね。エブロ川はリオハに譲った感じです。
拾い物の地図でDOナバラを掘り下げておきましょう。(オリジナルを若干修正。)
この地図を見るとDOナバラにはサブゾーンが以下の5つあるのがわかります。
・Tierra Estella
・Ribera Alta
・Valdizarbe
・Baja Montaña
・Ribera Baja
今日の作り手イヌリエタは「Ribera Alta」にあります。そしてDOナバラにはスペインワインの格付け最高峰の「Vino de Pago」が以下の3つあります。
❶ Pago de Otazu
❷ Prado de Irache
❸ Pago de Arínzano「Vino de Pago」はグラン・クリュ的に畑レベルの狭域になりますので地図上には番号で地点が示してありますね。現在スペインには20の「Vino de Pago」がありますから、その内の3つがナバラ州にあるということになります。
あと、この地図には VT(Vino de la Tierra)が以下の2つ示されています。VTはいわゆるEUのワイン法の IGP(Indicación Geográfica Protegida)にあたる広域の保護地理表示です。
・3 Ribera(ナバラ州全域、エブロ川沿いのリオハのエリアは除く)
・Ribera del Queiles(アラゴン州にまたがるのでアラゴン州のVTでもある)
「3 Riberas」はDOナバラと違いナバラ州の北側全部を対象としていますね。
以上の整理のために下図にスペインの格付けを示しておきます。
VC(Vino de Calidad con Indicación Geográfica)は聞き慣れませんが、それもそのはず、DOへ昇格するためのプロセスのような格付けです。さらに、DOナバラ・ワイン公式ページのリンクを貼っておきます。
なかなか優れモノのサイトで各サブゾーンの特徴や作り手の所在など情報豊富です。最後にDOナバラで使える品種が書いてあったので以下に転記をしておきます。
<黒品種>
・Cabernet Sauvignon (DOナバラの13%以上を占める)
・Garnacha Tinta (=Grenache Noir、DOナバラの25%以上を占める、過去は90%もあった時代も)
・Graciano (リオハ/ナバラが原産のローカル品種、消滅の危機を脱しリオハ/ナバラで復活)
・Merlot (カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドパートナーとして)
・Mazuelo (=Cariñena / Carignan)
・Pinot Noir (2008年から認可のナバラでは新しい品種)
・Syrah (2008年から認可のナバラでは新しい品種)
・Tempranillo (DOナバラの31%以上を占め最多)
<白品種>
・Chardonnay (DOナバラでの最多白品種、全体の6%を占める)
・Garnacha Blanca (ブレンド用か甘口に使われることが多い)
・Malvasía (サブゾーン Valdizarbe に少量あるだけ)
・Moscatel de Grano Menudo (=Muscat Blanc à Petits Grains)
・Sauvignon Blanc (今日のワインだが全体での栽培量は少ない)
・Viura (=Macabeo、歴史ある品種ながら全体の3%)
それぞれの品種の%が書いていますが、DOナバラで黒・白品種の割合は90%・10%と圧倒的に赤ワインということを念頭に置いて読んでください。
ラベル平面化画像。
「B」のマーク?と思いましたが、コルクにオープナーが刺さってるところだそうです(笑)。
インポーターシールはこの有り様。最悪パターンです。
英語の解説やURLを隠すのはまったく許しがたい。そしてこのシールがうまく剥がせませんでした。
さあ、抜栓。
無印コルクながらミレジムは横に打ってありました。珍しいパターン。
Alc.13%。
キラキライエロー。
ネーブル、夏ミカン、洋梨、
トロピカルと言われればそんな感じ。
トロピカルと言われればそんな感じ。
ソーブラらしいグリーンっぽさもあります。
微炭酸と甘み感じる辛口アタック。
グレープフルーツのような柑橘系のフルーティさ。
酸も柑橘系のソレです。
華やかさ、トロピカルさありあり。
後味にも柑橘系の果実味残っていい感じです。
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Bodega Inurrieta
Orchidea Sauvignon Blanc 2022
Orchidea Sauvignon Blanc 2022
WWWポイント | 79点 |
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