Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Nero_d'Avola

Firriato Harmonium Nero d’Avola 2018 Sicilia DOC

KALDIのワインくじで1等のシャトー・パルメを狙っていたんですが、案の定ハズレを引いてしまいました。ボルドーボトルなのは箱の外から判別できたんですが、それ以上は運なんですよね(笑)。とは言え、これとてシチリアを代表する作り手のネロ・ダーヴォラのフラッグシップです。悪かろうはずがありません。はりきってお試しと行きましょう。

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フィリアートは、1980年代半ばにサルヴァトーレ・ディ・ガエターノ(Salvatore Di Gaetano)さんが奥様とシチリア島トラパニ(Trapani)近くのパチェーコ(Paceco)に立ち上げたワイナリーですが、30年でシチリア最大の生産者のひとつに成長しています。シチリアの特徴を生かしたワインを作っていますが、やはりシチリア島原産ネロ・ダーヴォラのワインが有名で、今日のワインでもあるフラッグシップのアルモニウム(Harmonium)は評価も高く、パーカーおじさんも90点(2008)をつけています。

公式ページはなんと日本語表示できます。自動翻訳のようで微妙な感じですが(笑)。
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ワイン紹介はショップ兼用ながらデータシート完備で助かります。

・ネロ・ダーヴォラ 100%

手摘み収穫。MLFあり。フレンチ&アメリカン混成のバリック(Durmast barrique=フユナラ製小樽)で20ヶ月の熟成。加えてボトル詰め後+12ヶ月。

これがネロ・ダーヴォラ(Nero d'Avola)、シチリア島原産です。
Botter02
「アーヴォラから来た黒いやつ」って意味ですが、シチリア島の南西の端にあるシラクーザ(Siracusa)あたりがアーヴォラ(Avola)ということらしいです。正式名称はカラブレーゼ(Calabrese)ですが、カラブリア州では栽培されず(98%がシチリア島)、シチリア島現地もネロ・ダーヴォラで通ってますから「カラブレーゼ」はシノニムとして扱っていいと思います。

フィリアートを訪問します。トラパニの町近くのパチェーコにあります。
Firriato01
実はずいぶん前にもフィリアートのネロ・ダーヴォラ(普及ライン)を飲んでいて、その時にも(Google Mapで)訪れていました。

フィリアートの拠点はシチリア島中にあり、HPでは地図で解説がされています。
Firriato_拠点
今日のワインはトラパニ付近の「Borgo Guarini」エステートで作られています。

シチリア島のGoogle Map地図にシチリアの全DOCを印したものです。
Sicilia_island4
先ほどのフィリアートの本拠地も記していますのでご確認ください。シチリア島には全部で24のDOC/DOCGがありますが、DOCGは Cerasuolo di Vittoria DOCG のみです。これはネロ・ダーヴォラとフラッパート(Frappato)主体の赤のみのDOCGです。今日のワイン、シチリアDOC(Sicilia DOC)だけシチリア島全域が対象になります。これは元 IGT Sicilia から2011年に昇格したDOCで、もとのIGT(Indicazione Geografica Tipica);=IGP(Indicazione Geografica Protetta)は IGT Terre Siciliane と改称しています。今日のワインの「シチリアDOC」はシチリア島全域が対象です。

Sicilia DOC は赤・白・ロゼ・泡・甘口となんでも可能で、以下が主要品種です。

<黒品種>
・Alicante
・Cabernet Franc
・Cabernet Sauvignon
・Carignano
・Frappato
・Merlot
・Mondeuse
・Nerello Cappuccio
・Nerello Mascalese
・Nero d’Avola (Calabrese)
・Nocera
・Perricone
・Petit Verdot
・Pinot Nero
・Sangiovese
・Syrah

<白品種>
・Ansonica
・Carricante
・Catarratto
・Chardonnay
・Damaschino
・Fiano
・Grecanico Dorato
・Grillo
・Moscato
・Müller-Thurgau
・Pinot Grigio
・Sauvignon Blanc
・Vermentino
・Viognier
・Zibibbo

お馴染みのものから聞いたことのない土着品種まで何でもありって感じです。また、熟成の規定はありません。(樽使用や熟成期間の規定なし)
今日のフィリアートはジビッボ(Zibibbo)のワインもたくさん作っていますが、これはいわゆるマスカット・オブ・アレキサンドリア(Muscat d'Alexandrie)のシノニムです。


ラベル平面化画像。
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コテコテのラベルデザインはちょっと高級感に欠ける気がします(笑)。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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なんとDIAM10(10年保証)です。もっと寝かすべきだったかな?

Alc.14.5%。
ガーネット。
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黒ベリー、スパイス、ゼラニウム。
馬小屋臭ブレットも感じますが嫌味はない。
辛口アタック。
程よい酸。
コンパクトな感じですがしっかりした構造感。
ひなびた感じの複雑な風味もあり。
シチリアの田舎感とでも言いましょうか(笑)。
余韻もいいです。


*****

Firriato
Harmonium Nero d’Avola 2018
Sicilia DOC
RRWポイント 93点


Colpasso Nero D’Avola 2019 Sicilia DOC

そうだ、ネロ・ダーヴォラを飲もう。そう思って近所でゲットしたシチリアDOCのネロ・ダーヴォラです。何の拘りもないですし、正直お安い部類です(笑)。最後にネロ・ダーヴォラを飲んだのがほぼ一年前。そうなると、そろそろ飲まないとと思う性分です(笑)。

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この手のワインはシチリアDOCであっても作り手に到達するのが難しい場合があります。そう、これも裏ラベルを頼りに調べるとロンバルディア州にある大手ワイン企業らしきところでした。ミニーニ(Cantine Minini)というところで1920年創業と100年以上の歴史がありますが、扱いのワインがヴェネト、トスカーナ、アブルッツォ、カンパーニア、プーリア、シチリアと、イタリア中の産地を扱っています。生産の90%が輸出用だそうですね。イタリア中にラインアップを広げることで輸出の道を開いたということらしいです。まあ、そんなところのワインだということで。

公式ページはシンプルながらしっかりしたものです。

ただ、シチリアのラインアップに今日のワイン「Colpasso」は載っていません。

・ネロ・ダーヴォラ 100%

シチリアDOCでは85%以上で品種表示ができます。まあ、これは100%でしょう。裏ラベルに、一部のブドウを陰干し(アパッシメント)してブレンドしているとあります。少し手間はかかってるようです。

あまり気乗りはしませんがミニーニを訪問してみました。大企業です(笑)。
Minimi
まあ、ここからシチリアは遠いです(笑)。


これがネロ・ダーヴォラ(Nero d'Avola)です。
Botter02
「アーヴォラから来た黒いやつ」って意味ですが、シチリア島の南西の端にあるシラクーザ(Siracusa)あたりがアーヴォラ(Avola)ということらしいです。正式名称はカラブレーゼ(Calabrese)ですが、カラブリア州では栽培されず(98%がシチリア島)、シチリア島現地もネロ・ダーヴォラで通ってますから「カラブレーゼ」はシノニムとして扱っていいと思います。


シチリア島のGoogle Map地図にシチリアの全DOCを印したものです。
Sicilia_island2
今日のワインの「シチリアDOC」はシチリア島全域が対象です。

Sicilia DOC は赤・白・ロゼ・泡・甘口となんでも可能で、以下が主要品種です。

<黒品種>
・Alicante
・Cabernet Franc
・Cabernet Sauvignon,
・Carignano
・Frappato
・Merlot
・Mondeuse
・Nerello Cappuccio
・Nerello Mascalese
・Nero d’Avola (Calabrese)
・Nocera
・Perricone
・Petit Verdot
・Pinot Nero
・Sangiovese
・Syrah

<白品種>
・Ansonica
・Carricante
・Catarratto
・Chardonnay
・Damaschino
・Fiano
・Grecanico Dorato
・Grillo
・Moscato
・Müller-Thurgau
・Pinot Grigio
・Sauvignon Blanc
・Vermentino
・Viognier
・Zibibbo

お馴染みのものから土着品種まで何でもありって感じです。また、熟成の規定はありません。(樽使用や期間の規定なし)


ラベル平面化画像。
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Veganのマークがありますね。ここはVeganも頑張ってやっているようです。

インポーターシールはこの上に貼ってありました。
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バーコード隠したいのはわかりますが、作り手のメッセージや名称が隠れるのはいただけません。


さあ、スクリュー回転。
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無印~。

Alc.14%。
ガーネット。
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黒ベリー、プラム、カシス。
酸味乗った辛口アタック。
果実味はしっかりしています。
味わいの芯もしっかりあっていい感じ。
ピノっぽく中華にも合わせやすかったです。


*****

Colpasso
Nero D’Avola 2019
Sicilia DOC
RRWポイント 88点


Cusumano Noà 2015 Sicilia DOC

久しぶりのシチリアです。シチリアにしては結構上等なお値段で(失礼!)、パーカーおじさんも軒並み高得点のようです。(この2015は93点。2016は94点です。)たまたまグランマルシェで特売になってたので速攻ゲットと相成りました。やはりネロ・ダーヴォラ主体のようです。この品種のポテンシャルは高いと思っていますが、上等なのを経験していないので楽しみです。

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作り手はクズマーノ。2000年に設立だそうで割と新しいのですが、登場以降10年以上連続して最高賞(どこの?)を獲得しているらしく、瞬く間にイタリアでも大注目のシチリアのニュー・ウェーヴと呼ばれる人気ワイナリーになってるようです。「クズマーノ」の名を世に広めたのが、フラッグシップワインである「ノア」だそうです。今日のワインじゃん。


公式ページはスタイリッシュですが、情報は簡素というかシンプル。

ワインの詳細はデータシートでカバーしています。
・ネロ・ダーヴォラ 40%
・メルロー 30%
・カベソー 30%
若干ネロ・ダーヴォラ多めですが、がっつり国際品種とのブレンドですね。オーク樽でのマロラクティック発酵、その後12ヶ月の熟成だそうです。

これがネロ・ダーヴォラ(Nero d'Avola)です。
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「アーヴォラから来た黒いやつ」って意味ですが、シチリア島の南西の端にあるシラクーザ
(Siracusa)あたりがアーヴォラ(Avola)らしいっす。正式名称はカラブレーゼ(Calabrese)ですが、カラブリア州では栽培されず(98%がシチリア島)、現地もネロ・ダーヴォラで通ってますから「カラブレーゼ」はシノニムとして扱っていいと思います。


さあ、作り手訪問。州都パレルモの西側、パルティニーコ(Partinico)にあります。
Cusumano01
規模は大きいんですが、工場然としてますね。きれいな門構えの施設もありそうなんですが、ストビューでは見当たらず。

クズマーノはシチリア島各地に5ヶ所の拠点があるようです。
Sicilias
公式ページからの情報ですが、詳しい住所や外観写真はありません。


シチリア島全体を俯瞰して、位置関係と懸案のシチリアの全DOCを書き込みます。
Sicilia_Island01
全部で24のDOC/DOCGがありますが、DOCGは Cerasuolo di Vittoria DOCG のみです。これはネロ・ダーヴォラとフラッパート(Frappato)主体の赤のみのDOCGです。今日のワイン、シチリアDOC(Sicilia DOC)だけシチリア島全域が対象になります。これは元 IGT Sicilia から2011年に昇格したDOCで、もとのIGT(Indicazione Geografica Tipica);=IGP(Indicazione Geografica Protetta)は IGT Terre Siciliane と改称しています。

シチリアのDOCについてここ情報が詳しかったので参考にしています。
上のGoogle Map書き込み地図はそこに載っていた地図が元ネタです。


ラベル平面化画像。
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インポーターのフードライナーは裏ラベル隠さず偉いです。
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さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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DIAM30? 初めて見た気がする。どんだけ熟成する気だろう?

Alc.15%。(pH:3.61、Brix:7.5)
濃いめガーネット。
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黒ベリー、プラム、ダークチェリー。
辛口アタック。
酸はありますが、
コク、厚みしっかりあっていい感じ。
タンニンの刺激もいい仕事しています。
酸味は最後まで残るんですが余韻も十分楽しめます。
う~ん、やっぱりパーカーおじさんは正しい。(笑)


*****


Cusumano
Noà 2015
Sicilia DOC
RRWポイント 93点


Prodigo Sicilia DOC Nero d’Avola 2018

久しぶりにグランマルシェを覗くと、ワインもいろいろ年末の特売になっていて思わず何本か調達。そんな中で(これは特売ではなかったのですが)気になってついでにゲットしたのがコレ。しばらくシチリアのネロ・ダーヴォラも試してないな~(昨年以来?)というのと、「ottenuto da uve leggermente appassite」の表示が気になりました。イタリア語は専門ではありませんがスペイン語の知識があると「obtenido de uvas ligeramente secadas(少しだけ乾燥させたブドウ使ってます)」の意味であることはすぐわかりました。

IMG_4520
シチリアDOCなのですが、作り手はヴェネチアにある大手エクスポーターのボッテール社ということになっています。イタリアのお手頃ワインというのはこういうパターンが多く、本当の生産者にたどり着けなくて残念ではあります。

一応、公式ページはこれですが、案の定今日のワインのかけらも載っていません。(笑)

インポーターのメモスの情報によればこんな感じ。
・ネロ・ダーヴォラ 100%
アパッシメントは、葉っぱを切り落とし、15日間樹上にブドウを放置プレー。これで50%の水分が飛ぶそうです。手摘み収穫。長めのマセラシオン。樽熟成を5~6ヶ月だそうです。

これがネロ・ダーヴォラ(Nero d'Avola)です。
Botter02
「アーヴォラから来た黒いやつ」って意味ですが、シチリア島の南西の端にあるシラクーザ
(Siracusa)あたりがアーヴォラ(Avola)らしいっす。正式名称はカラブレーゼ(Calabrese)ですが、カラブリア州では栽培されず(98%がシチリア島)、現地もネロ・ダーヴォラで通ってますから「カラブレーゼ」はシノニムとして扱っていいと思います。

ご参考までにインポーターのメモスの紹介PDFのスクショを貼っておきます。
Botter
一緒に載ってるのがボッテール社の紹介と扱いワインです。

シチリア島ではありませんが、一応ボッテール社を訪問しておきます。
Botter01
ヴェネチアから車で30分。小さな町の大きな工場って感じです。


さて、シチリアDOC(Sicilia DOC)ですが、2011年に IGT(Indicazione Geografica Tipica)/ IGP(Indicazione Geografica Protetta)からDOC(Denominazione di Origine Controllata)に昇格しています。従来の IGT / IGP は、IGP Terre Siciliane と名称を変えて残っています。シチリア島全域を対象とするDOCとIGPが存在するわけですが、それぞれの規定を見ても大きな違いが見当たりません。どう使い分けるんでしょうね?(細かな違いでは「DOCのRossoは規定4品種を50%以上使用」という条件はIGPにはありません。)大半がこのDOC / IGPになるのでしょうが、シチリア島にはまだまだけっこうたくさんのDOCがあります。(以下の地図ご参照)
Botter03
この中で他に試したことのあるのは、Eloro DOCくらいですね。課題は多し。


ラベル平面化画像。
IMG_4514
Gilbert & Gaillardの金メダルが誇らしげ。


さあ、抜栓。
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なんだこのコルクの模様は?

コルク平面化。
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ボッテール社のマークのようです。ワインを飲む悪魔?

Alc.13.5%。(pH:4.43、Brix:7.9)
濃いガーネット。
IMG_4518
ブラックベリー、カシス、茎っぽさもあります。
酸味が乗った辛口アタック。
酸のせいか厚みが弱く軽めに感じます。
味わいの方向性は悪くないんですが、
遅摘みアパッシメントの効果が出てないような…
もう少し重みが欲しいところですね。
最後まで酸が付きまとい、
これが、うまいかもしれない味わいを、
マスクして弱めてるのかもしれません。


*****


Prodigo
Sicilia DOC Nero d’Avola 2018
RRWポイント 86点


Duca di Salaparuta Passo delle Mule 2016 Terre Siciliane IGT

シチリア島を代表する作り手と言えば、Duca di Salaparuta
そこのネロ・ダーヴォラ最高峰をいただこうとDuca Enricoを試しましたが、
店頭での保存状態なのか、超欠陥品質でテイスティングを断念しました。
その時リベンジを誓ったのですが、早々とそのリベンジを行ないます。
ただし、Passo delle Muleというひとつ下のランクになりますが…。(笑)


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ひとつ下と言えど、シチリア島南部の同じ所(Tenuta Suor Marchesa)から。
畑がちょっと違うだけ。その畑名がこの「Passo delle Mule」です。


公式ページは傘下のCorvoも含めた総合サイトの中です。

トップエンドのDuca Enricoと同じく、
・ネロ・ダーヴォラ 100%
ただ、樽熟が18ヶ月(+ボトル18ヶ月)に対し、10ヶ月(+ボトル6~8ヶ月)です。
Duca EnricoにはMLF(マロラクティック発酵)の記述がありますが、
Passo delle Muleにはありません。気になるところです。


ワイナリー訪問。前回の再掲です。パレルモ近くの海岸沿い。
Corvo01
畑は島南部のTenuta Suor Marchesaで、RiesiからGelaを結ぶ道路沿いの、
Buteraの町にあるとわかりましたが、それらしい所は見つからず…。

ところで、
前回のDuca Enrico 2008は、IGP(IGT)Siciliaとなっていましたが、
このIGTは2011年にDOC昇格し、DOC Siciliaというのができています。
同時に、もとのIGP(IGT)SiciliaはIGP(IGT)Terre Sicilianeと名称変更。
よって今日のPasso delle Mule 2016はTerre Sicilianeとなっています。

どちらも対象地域はシチリア島全域で、違いは、IGPが指定品種
(これが国際品種含めいっぱいあります…笑)をどんな割合でもOKで、
DOCは指定品種が50%以上となっているぐらいの差のようです。
どちらも品種を書く場合(Varietal)は、85%以上入ってないとだめです。
ネロ・ダーヴォラ100%のこれがDOC Siciliaにならないのが依然謎です。


ラベル平面化画像。
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バーコードのシールが裏ラベル隠してますが、下も元のバーコードです。


さあ、抜栓。
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キャップシールは畑のあるSuor Marchesaエステート名が書かれてます。

コルクはDuca di Salaparutaの紋章入り。
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Alc.14%。
ガーネット。
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ブラックベリー、チェリー、ハーブ、鉄…。
クールな印象の辛口アタック。
独特なタンニンの効き方のお陰か構造感が感じられます。
実は味の中心は案外あっさりで、フレッシュ感もあります。
このあたりはトップエンド(Duca Enrico)との味わいの違いかもしれません。
タンニンを味わうかのような特徴的な余韻は面白いです。

想像していたネロ・ダーヴォラ最高峰の貫禄は弱いかもしれませんが、
かなりのレベルであることは確認できました。
まずまずリベンジは成功した、ということにしておきましょう。(笑)


*****


Duca di Salaparuta
Passo delle Mule 2016
Terre Siciliane IGT
RRWポイント 90点


Duca di Salaparuta Duca Enrico 2008

NHK教育でやってる「旅するイタリア語」って見てますか。
この10月からのシリーズではずっとシチリア島が舞台なんですよ。
これを見ていると無性にシチリアのワインが飲みたくなります。(笑)
というわけで、IGP(IGT)シチリアのネロ・ダーヴォラの上等なやつです。


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適当に買ってストックしてあったものですが、なんだか聞いたことあります。
Duca di Salaparuta...。そう!安旨シチリアワインのCorvoを出してるところ。
今日のワイン、そこのネロ・ダーヴォラ100%のトップエンドですね。


公式ページは傘下のCorvoも含めた総合サイトです。

Duca di Salaparutaの創業は1824年に遡り、シチリアワインの草分け的存在です。
意外にも最初はフレッシュな飲み口のCorvo(赤、白)から始まったようです。
Duca Enricoは遅れること160年、1984年に登場。シチリア初のネロ・ダーヴォラ100%で、
世界の最高峰ワインと比肩するレベルを目指して作られたとのこと。
熟成は、オーク樽にて18ヶ月、ボトル詰め後さらに18ヶ月となっています。

今日のワインは、IGP(IGT)Siciliaとなっていますが、
2011年にDOC昇格し、DOC Siciliaというのができています。
同時にもともとのIGP(IGT)SiciliaはIGP(IGT)Terre Sicilianeと名称変更。
よって最近のヴィンテージはTerre Sicilianeと書かれています。

どちらも対象地域はシチリア島全域で、違いは、IGPが指定品種
(これが国際品種含めいっぱいあります…笑)をどんな割合でもOKで、
DOCは指定品種が50%以上となっているぐらいの差のようです。
どちらも品種を書く場合(Varietal)は、85%以上入ってないとだめです。

不思議なのは、Duca Enricoは指定品種のネロ・ダーヴォラ100%ですから、
DOC Siciliaにしてもよさそうなものなのですが…。


さて、ワイナリー訪問。前も来ましたがパレルモ近くの海岸沿いです。
Corvo01
ただ、今日のDuca Enricoのネロ・ダーヴォラは、島南部のリエージ(Riesi)や、
ブテーラ(Butera)といった地域からだそうです。


ラベル平面化画像。
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10年以上経っているので、ラベルの痛みが少々あります。


さあ、抜栓。コルクがかなり濡れています。
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吹きこぼれ寸前まで液面が上がった証拠ですね。
保管の温度管理がよろしくなかった可能性が疑われます…。

Alc.14%。
濃いガーネット。エッジも少し褐変。
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ブラックベリー、ブラックチェリー。
森の下草、濡れた木の樽香。香りは普通なんですが…。
酸味がきつい!酢とは言いませんが、これはひどい。
アウトです。
これは採点不能です。悲しいですが。
いつの日かリベンジを誓って…。


*****


Duca di Salaparuta
Duca Enrico 2008
RRWポイント --点


Feudi del Pisciotto 'Versace' Nero d'Avola 2012

ネロ・ダーヴォラを物色していたら、こんなのがありました。
ワインとイタリア・ファッションのコラボレーションということで、
ヴェルサーチのマークがエチケットにでかでかと描かれています。


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ヴェルサーチ所有のワイナリーというわけでもなく、ただのコラボ。
ただ、ヴェルサーチの専任デザイナー、ドナテラ・ヴェルサーチさんは、
このネロ・ダーヴォラという品種をこよなく愛してらっしゃるそうで。


公式ページは、「Domini Castellare di Castellina」というグループ名で、
1978年にキヤンティ・クラシコで始まったカステラーレのサイト内にあります。
今ではトスカーナとシチリアに4つのワイナリーを所有しているようです。
今日の「Feudi del Pisciotto Nero d'Avola」は情報も十分載ってました。

・ネロ・ダーヴォラ 100%
熟成は新樽率50%のバリックで10ヶ月+ボトルで8ヶ月です。
「Feudi del Pisciotto」の取得は2002年だそうで、
ファースト・ヴィンテージが2007年になっています。


早速、ワイナリー訪問。シチリア島へGO!
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きれいで立派な建物です。周りを畑で囲まれています。
ホテルもやっているようです。

別アングルで遠目にながめてみます。
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島の南側のニシェーミ( Niscemi)という町にあります。


エチケット平面化画像。
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「IGT Terre Siciliane」ですね。
2011年にSiciliaがIGTからDOCに格上げされ「DOC Sicilia」になった際、
その下に従来のIGT Siciliaの代わりに設定されたのが「IGT Terre Siciliane」。
シチリア島全域に適用されます。


インポーターのシール剥がしました。で、隠れていたのがコレ。
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生産者の正確な名称と所在都市。これ結構重要な情報なんですよ。
アルコール度数もシールが本当かどうか確認がしたいですしね。


さて、抜栓。
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キャップシール、コルクはショボめです。

Alc.14%。
ガーネット。クリア感があります。
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涙が細かいですが、ねっとり太めです。
黒ベリー、ブラックチェリー、青草。
樽熟10ヶ月ですから樽香もしっかり出ています。
酸味を感じる辛口アタック。
深みのある、ちょっと重めの味を、スキッとさせてるいい酸です。
若干酸味が出過ぎなくらいのバランスがちょうどいいパターンですね。
喉越しから余韻、フィニッシュとグッドバランスが続きます。
やっぱり、ネロ・ダーヴォラは好きですね。
シシリーのテロワールも感じられますし…。


*****


Feudi del Pisciotto
'Versace' Nero d'Avola 2012
Terre Siciliane IGT
RRWポイント 91点


Tinazzi Opera N°3 Vinum Italicum 2016

ティナッツィというヴェネト州のワイナリーです。
伝統的なアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラも作ってますが、
意欲的な面白いワインも作っているようで、今日の1本と相成ります。
その名も「オペラ第3楽章、イタリアのワイン」です。
Vinum Italicum(イタリアのワイン)はラテン語です。


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なんと、イタリアを代表する(とTinazziが考える)3品種のブレンド。
Tinazziの本拠地ヴェネト州のコルヴィーナ、プーリア州のプリミティーヴォ、
シチリア島のネロ・ダーヴォラの3品種です。


公式ページはぱっと見よくできてますが個々のワイン情報が弱いです。
今日のワインも肝心のセパージュ%が不明です。
しかたないのでネット情報に頼ります。
・コルヴィーナ・ヴェロネーゼ 40%
・プリミティーヴォ 30%
・ネロ・ダーヴォラ 30%
プリミティーヴォはプーリアに所有のワイナリー「Feudo Croce」から。
ネロ・ダーヴォラはシチリア島のワイナリー「Vignali Roccamora」
とのコラボでブドウを入手しているそうです。
樽熟は不明のまま。
ただ「Tinazzi」という名前、古代ヴェローナで伝統的に使われていた、
発酵・熟成用の樽のような容器の名前なんだそうで。


ワイナリー訪問。
Tinazzi01
なかなか今風の建物ですね。

ティナッツィはヴェネト州ガルダ湖近くが本拠地で同州に他2ヵ所を所有。
Tinazzi02
加えて、プーリア州にも2つのワイナリーを展開。かなり手広いです。


ラベル平面化画像。
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ラベル自体が小さいのでボトルの浮彫もいっしょに写しました。


さて、抜栓。
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一応、ワイナリー名入りのコルクです。

Alc.15%。
濃いガーネット、透けにくい感じがします。
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黒ベリー、プラム、ミント、
かすかにブレタノマイセスかな?
なめし革、下草の香りと言っておきましょう。
酸味が先にやってくる辛口アタックです。
甘みも後からやって来ますね。
味の深みはあるんですが酸味が邪魔をしてきます。
かすかな苦味、バランス、余韻、
じっくり味わうといい具合なんですが、
最後までその酸がつきまとうのが気になります。

しかし、イタリア各地方の代表品種のブレンドとは、
とてもおもしろい試みで、そこは評価しますよ。



*****


Tinazzi
Opera N°3 Vinum Italicum 2016
RRWポイント 87点


Cantine Cellaro Quattro Borghi Sicilia DOC Nero d’Avola 2017

イタリアはシシリーのワインをいただきますよ。
やっぱりネロ・ダーヴォラですよね~。
やまやで1000円ほど。これもうれしい。
ビオ・ワインとなってることだけちょっと心配。(笑)


IMG_7800


公式ページは立派そうに見えますが、イタリア語オンリーの上に、
ワイン情報が今ひとつですね~。
おそらくセパージュは、
・ネロ・ダーヴォラ 100%
でしょうか。樽熟の記述はありません。

「DOCシシリア」の規定では「ネロ・ダーヴォラ」を表示した場合、
ネロ・ダーヴォラは85%であればOKです。
「DOC Sicilia」は2011年にIGTからDOCに昇格した比較的新しいDOCです。
栽培地はシチリア島内ならどこでもOK。
赤も白もロゼも、それこそスパークリングもあります。
赤で言うと、品種はネロ・ダーヴォラやサンジョヴェーゼはじめ、
国際品種でも何でもありです。
今日のように品種名をうたう場合は85%以上入れる必要がります。
ただの「ロッソ」であれば、ネロ・ダーヴォラをはじめとする、Frappato、
Nerello Mascalese、Perriconeなどの品種かシラーが50%入ってればOK。
けっこうゆるゆるな規定です。


シチリア島のワイナリーを訪問です。
Borghi01
左下地図を見てもらうと島内のどのあたりかお判りになるでしょう。
あまり趣のない工場風情のワイナリーですね。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルはインポーター仕様ですね。
ユーロリーフのマークのビオ・ワインですね。


さて、抜栓です。おっと、ノマコルクです。
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ビオ・ワインらしい自然派コルクの選択ですね。

Alc.13.5%。
ガーネット。
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カシス、草っぽいのはビオ?
ペトロールのような風味も発見。
不思議な苦味を先に感じる辛口アタックです。
味はしっかりしていて、構造感もあるんですが、
タンニンが荒く、パレットに張り付く感じがします。
と、入り口で「?」な感じですが、実はまあまあおいしい。
余韻からフィニッシュまでもけっこう楽しめます。
うん、楽しめたぞ。


*****


Cantine Cellaro
Quattro Borghi Sicilia DOC
Nero d’Avola 2017
RRWポイント 89点


Barone Sergio / Sergio 2010 Eloro DOC Nero d’Avola

今夜はシアトルのダウンタウンにいます。
ワインが飲めそうなイタリアンを探しました。
バイ・ザ・グラスの中から久しぶりのネロ・ダーヴォラをチョイス。
見かけはよさげですが、はてさて?


IMG_6984
当然ながらシチリア島の作り手、バローネ・セルジオというところ。

公式ページはなかなかカッコいいです。
DOC Eloro Nero d'Avolaで、ネロ・ダーヴォラが90%以上という規定です。
が、今日のは100%ネロ・ダーヴォラだそうで。
樽熟はなく、ボトルで4~6ヶ月とあっさりめです。

ワイナリー訪問。地図に示したようにシチリア島の南端にあるようです。
sergio01
この門の奥に建物が見えますかね?例によってこれ以上入れず。


高級ではないですが、なかなか雰囲気のいいお店でした。
IMG_6991
1月も半ばですがクリスマスのイルミネーションがあちこちに。


オーソドックスなボロネーゼのパスタで合わせました。
IMG_6988
さすがアメリカ、「最高においしい!」とはなりませんでした。(笑)


ラベル平面化はせず直撮影しています。
Sergio01
パノラマ撮影の感度が悪く、暗いとうまく撮れないからです。


さて、いただきますよ。
Alc.14%。
暗くて色味がわかりません。黒い…。
黒ベリーは弱めです。
かすかに馬小屋臭?出たか、ブレタノマイセス?
酸味がきついアタックです。
個性なのか保存状態なのか微妙。
ボロネーゼに合わせると飲めなくもないんですが。
酸の奥にうま味はあるはわかるので。

グラスにオリがありました。
抜栓後、長期保存後の最後の1杯でしょうか?
欠陥臭は保存状態から来てるかもですね。
パスタ20ドル、グラス13ドルですから痛くはないですが、
なんとなく残念です。


*****


Barone Sergio
Sergio 2010 Eloro DOC Nero d’Avola
RRWポイント 82点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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