Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Pauillac

Château Grand-Puy Ducasse Le Cloître de Grand-Puy Ducasse 2011 Pauillac

メドック格付け第5級、ポイヤックのシャトー・グラン・ピュイ・デュカス…のセカンドラベルです(たぶん)。はい、福袋からの一本(笑)。しかし、セカンドにせよグラン・ピュイ・デュカスはお初なんですよね。合計61シャトーが格付けされていますが、セカンド(やサード)まで数えて良いなら、これで55シャトー目です。1~2級はコンプリートしてますから、残すは3~5級の有象無象です。(笑)

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17世紀半ば、アルノー・デュカス(Arnaud Ducasse)さんがポイヤックにわずかな土地を購入したのが始まりといいます。1768年に弁護士のピエール・デュカス(Pierre Ducasse)さんが相続したり買い集めた畑なんかをまとめて拡大し、その息子がデュカス・グラン・ピュイ・アルティーグ・アルノー(Ducasse-Grand-Puy-Artigues-Arnaud)としてシャトーとし、ジロンド川のほとりに現在のシャトーとなる建物を建てます。1820年のことでした。以降、1855年に格付けをされた後もデュカス家が所有しますが、1932年に家族内の内紛争解決として「Grand-Puy-Ducasse」の名で法人化されました。
1971年には落ちぶれたシャトーを投資家グループが買い取り改革に乗り出しますが、2004年さらにそこを買い取ったのがフランスの大手金融機関クレディ・アグリコールの子会社、CA Grands Cruでした。ここはシャトー・メイネイなんかも所有していて、グラン・ピュイ・デュカスを再興させるべく投資・改革を推進しているそうです。近年はシャトー・アンジェリュスのオーナー、ユベール・ド・ブアール(Hubert de Boüard)氏をコンサルに迎えるなど、改革に余念がありません。

公式ページはなんと工事中。一部のページは動きますが、ワイン紹介ページが不完全です。

今日のセカンドラベルを確認することもできず、裏ラベルやネットの情報に頼ります。いろんな名前のセカンドらしきものを出していますが、「Prélude à Grand-Puy Ducasse」というのが今の名前のようです。
・メルロー 55%
・カベソー 45%
わずかながらメルロー主体のブレンドでした。樽使いは新樽率10~15%のフレンチオークで12~18ヶ月のようです。


さあ、珍しいポイヤックの町の中にあるというシャトーを訪問します。
Ducasse00jpg
ポイヤックの市街地、それもジロンド川沿いなので、当然畑はまわりにはありません。以前このブログに載せていたポイヤックの地図では、Google Mapが指し示す場所にグラン・ピュイ・デュカスの所在を記していたため、シャトー・バタイエの隣になってるものがあります。これは畑の方ですね。こんな町中にシャトーがあると思っていなかったので…。(笑)

しかし、グラン・ピュイ・デュカスの畑は合計40haあるものの、ポイヤック内の4ヶ所に広がってるようで、どこにあるんだか公式ページが動かない現在、調べようがありません。困ったなと思っていたら…。

Youtubeで公式動画を発見したのですが、なんとここに畑の所在・詳細が載ってました。

やはり、かなりの範囲に広がっています。どこそこの畑と隣接とか文章での解説もネットにはありますが、これは動画でないとわからないレベルですね。これはいいものを見つけました。

一番わかりやすい画面をスクショしました。起伏までわかって素晴らしいです。
Ducasse001jpg
「Jachères」ってどんなブドウだ?白品種?と思って調べたら「休耕地」の意味でした。(ギャフン!)作付けは、カベソー:メルロー、60%:40%となっています。

最後に恒例の地図でポイヤックの他の格付けシャトーとの位置関係を確認。
Ducasse01jpg
グラン・ピュイ・デュカスは正しい位置になってますのでご心配なく。

ポイヤックは名だたる第1級が3つもあります。第2級は元シャトー・ピション・ロングヴィルの2つですね。ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみ。あとは第5級が12もあります。どれが3級か4級かとかで混乱しないので、ポイヤックは割と覚えやすいかもしれません。まとめておきます。上の地図で位置関係も確認しましょう。

<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)
<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
・Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)
<第3級>なし
<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)
<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
・Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)

合計18シャトーです。


エチケット平面化画像。
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フランス語ですが裏ラベルには詳細解説やセパージュがあり助かります。

しかし、いつもながらこれを丸隠しにするインポーター。
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バーコードを隠すのならまだしもこれはなんだ? 貼り間違いのチョンボ?


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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このセカンド「Le Cloître de Grand-Puy Ducasse」専用品ですね。

Alc.13% 。
エッジ褐変の濃いガーネット。酒石がすごい、結晶キラキラがコルク裏にびっしり。
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黒ベリー、ダークチェリー、スパイス、森の下草。
酸味がきつめの辛口アタック。
タンニンも最初から際立ってます。
味の実体にたどり着くのに時間を要するくらい。
味の厚み・深みは出ていますが、
酸とタンニンが依然邪魔をしてきます。
と思っていると、すでに余韻に入ってる!?

熟成感は楽しめるんですが、荒々しいデコボコ感があります。
バランスの悪さではなく、保存状態か欠陥の疑いも拭えないレベル…。


*****

Château Grand-Puy Ducasse
Le Cloître de Grand-Puy Ducasse 2011
Pauillac
RRWポイント 87点


Château Croizet-Bages La Chartreuse de Croizet-Bages 2011 Pauillac

メドック格付け第5級、シャトー・クロワゼ・バージュ…のセカンドラベルです。意図してゲットしたわけではなく、福袋でセットになっていたやつ(笑)。ポイヤックの格付けシャトーでも今一つ評価がパッとしない感じですが、せっかくなので開けてしまいましょう。

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Château Croizet-Bages の歴史は18世紀初頭にまでさかのぼります。兄弟でボルドー議会の議員であったというクロワゼ(Croizet)兄弟がポイヤックの中心に畑を買い集め設立しました。これがシャトーの名前の由来になっています。
その後、19~20世紀初頭のフィロキセラ禍とその後の所有者の相次ぐ破産に深刻な打撃を受けましたが、1942年にポール・キエ(Paul Quié)さんに買収され現在に至ります。キエ家はシャトーの改修に着手し、1968年に経営を引き継いだ息子のジャン・ミシェル(Jean-Michel)さんによって完成しました。2000年に、さらにジャン・ミシェルさんの子供たち、アンヌ・フランソワーズ(Anne-Françoise)さんとジャン・フィリップ(Jean-Philippe)さんがシャトー・クロワゼ・バージュを引き継ぎ、この20年シャトーのアイデンティティーを表現したワインを作ることに心血を注いできたということです。
シャトーは現在、2024年に完了する予定の改修が行われています。新しいワイナリーやセラーなど、最新の技術設備に刷新するようです。


単独の公式ページはなさそうで、オーナーのキエ家のページ内にあります。

キエ家はメドック格付け第2級のシャトー・ローザン・ガシーや、ベル・オルム・トロンコワ・ド・ラランドというブルジョワ級のシャトーも所有しており、この公式サイトに同居しているためか、各シャトーの内容は貧弱です。
現在のシャトー・クロワゼ・バージュのセカンドラベルは「Alias Croizet-Bages」ということになっています。過去はいろんな名前、パターンがあったみたいですね。
・カベソー 75%
・メルロー 25%
セパージュは裏ラベルにありました。熟成は現在のセカンドと同じであれば、フレンチオーク樽で12ヶ月というところでしょう。

Union des Grands Crus de Bordeauxというボルドーの格付けシャトー組合?のようなサイトにクロワゼ・バージュ含め少し詳しい情報が載っていました。

ボルドー全域の主要シャトーをカバーしていますが、なぜかシャトー・ラトゥールがありません。メンバーじゃないようですね。


さあ、シャトー訪問。ランシュ・バージュとは道を隔てて隣接してます。
Croizet-Bages01
おやおや、シャトー名のアルファベットが一部落ちてしまってます。「Château」の「T」と、「Pauillac」なんか「A」が2つとも(笑)。これも2024年完成の大改修で直されるでしょう。

マップ上でポイヤックの他の格付けシャトーとの位置関係を確認。
Croizet-Bages02
ポイヤックの格付けシャトーをまとめておきます。地図と合わせてご確認を。

<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)

<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
・Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)

<第3級>なし

<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)

<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
・Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)
合計18シャトーです。

ポイヤックは名だたる第1級が3つもありますし、第2級も2つ。ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみです。で、あとは第5級が12も。第5級の宝庫です。(笑)

クロワゼ・バージュと、ご近所のオー・バージュ・リベラルとランシュ・バージュの3つのシャトーはポイヤックの「バージュの丘」にあり、みんな仲良く第5級(笑)。評価ではランシュ・バージュが頭3つくらい飛び抜けていますが。


エチケット平面化画像。
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あまりにきれいに貼ってあったので、インポーターシールが裏ラベルの解説を隠していることに気が付きませんでした。


さあ、抜栓。
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さすが格付けシャトーという感じのキャップシールのエンボス。

コルク平面化。
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このセカンドラベルの専用品ですね。ミレジムも横に打ってあっていい感じです。

Alc.13%。(pH:4.18、Brix:7.0)
エッジ褐変な濃いガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー、シダ、湿った木の樽香。
辛口アタック。
が、少し水臭い風味がついてきます。
熟成感や複雑さはあるんですが、厚みは少ないようです。
これが意図したサードの味わいでしょうか。
かいつまんで言うと、マイクロにこじんまりしながらも、
バランスとしていい均衡はある…って感じでしょうか。
2011年ですから、タンニンも十分こなれて、
余韻も全要素が溶けあって好バランスを演出しています。

2011年の熟成のなせる業でしょうか。
何気に以前試した2015年のファーストラベルより高評価(笑)。


*****


Château Croizet-Bages
La Chartreuse de Croizet-Bages 2011
Pauillac
RRWポイント 92点



Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande Réserve de la Comtesse 2011

メドック格付け第2級、ポイヤックのシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande)です。ファーストは随分前に試してますが、本日は家飲み、順当に(笑)セカンドをお試しです。その名を「伯爵夫人のリザーヴ(Réserve de la Comtesse)」といい、その伯爵夫人の肖像もラベルにあり、ファーストの「金」の装飾に対し「銀」でコーディネートされています。どちらかというと個人的にはこっちの方の雰囲気が好みです。(笑)

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もともとシャトー・ピション・ロングヴィル(Château Pichon Longueville)と呼ばれたこのシャトーの歴史は17世紀に遡りますが、1850年に当主ジョセフ・ドゥ・ピション・ロングヴィル男爵(Baron Joseph de Pichon Longueville)の死をきっかけに相続のため分割された結果として、Château Pichon Longueville Baron(Baron=男爵)と Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande(Comtesse de Lalande=ラランド伯爵夫人)に分かれることになります。1855年の格付け時にはすでに分割されていたわけですが、両方とも2級になって良かったですね。(笑)

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドの方は、実際は3人の姉妹が相続しており、ワイン造りに一番関心を持っていた次女がラランド伯爵に嫁いだことで、シャトー名にコンテス・ド・ラランド(ラランド伯爵夫人)をつけるに至っています。
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エチケットにも肖像があしらわれていますが、このお方がラランド伯爵夫人なんでしょうかね。(画像はシャトーの公式インスタグラムから拝借)ずいぶんおきれいな方とお見受けします。(笑)

公式ページは工事中です。2年前にファーストを試した時も工事中でした。おいおい。

公式インスタグラムに誘導していますが、写真ばかりで知りたい情報が取れません。
仕方がないのでネット情報に頼ることになります。
・カベソー 43%
・メルロー 49%
・プチヴェルド 8%
もともとメルローの比率の高いシャトーですが、2011年のセカンドは若干ですがメルローがカベソーを逆転してしまっています。普通はファーストと同じくカベフラもブレンドされているんですが、2011年はそれもなしですね。
樽熟はたぶん新樽率40%のバリックで12ヶ月と思われます。
ちなみに、パーカーおじさんは今日のワインに87点をつけています。微妙ですね…。


シャトー訪問。ポイヤックはよく行ってますから(Google Mapで)もうお馴染みです。
Comtesse02
シャトー道路(県道D2号線)を隔てて斜め向かいが兄弟シャトーのピション・ロングヴィル・バロン。すぐ右隣がシャトー・ラトゥールの入り口です。

公式インスタグラムは写真ばかりで大した情報はないのですが、よくよく見るとシャトー所有畑の地図が載ってました。画像は6分割だったのでつなぎ合わせるのに難儀しましたがこれです。
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ジロンド川の方面にはほとんどなく(シャトー・ラトゥールなんでしょうね。)、やはり元は一つのシャトーということで、シャトー・ピション・バロンの背後に広がっています。

例によって、これをGoogle Map上に重ねてみます。やはり臨場感が違います。(笑)
Comtesse03
あれれ? 一部、サン・ジュリアンにはみ出てますよ。いいのかな?

地図には十字架のついた小屋のイラストがあったので探してみました。
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ありました。これですね。ちょうどこの小屋より向こうがポイヤックです。手前側も所有畑ですが、行政区分ではサン・ジュリアンになります。しかし、きれいな畑です。遠くにシャトーも見えます。

最後にいつもの地図でポイヤックの格付けシャトーをおさらいしておきましょう。
Comtesse05
ポイヤックは名だたる第1級が3つもあります。第2級は元シャトー・ピション・ロングヴィルの2つですね。ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみ。あとは第5級が12もあります。どれが3級か4級かとかで混乱しないので、ポイヤックは割と覚えやすいかもしれません。まとめておきます。上の地図で位置関係も確認しましょう。

<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)
<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)
<第3級>なし
<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)
<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
・Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
・Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)
合計18シャトーです。


エチケット平面化画像。
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エチケットからはわかりませんが、シャトーは2007年に買収され、現在はあのシャンパーニュのルイ・ロデレール社長、フレデリック・ルゾーさんの所有になっています。


さあ、抜栓。
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キャップシールも銀!

コルク平面化。
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専用デザイン&横ミレジム。さすがです。

Alc.13%。(pH:4.60、Brix:7.3)
濃いガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー。
スギの樽香、黒鉛。
辛口アタック。
割と生き生きした酸は健在です。
そのせいか厚みは弱く感じます。
複雑味や繊細なテクスチャーはあるんですけどね。
弱いというより、上品という形容がいいかもしれません。
酸のおかげでしょうか、若干早めに余韻は退散。

十分おいしいんですが、重厚なポイヤックを期待すると少々肩透かしかも。
メルロー多めと無関係ではないと思うので、このシャトーの個性でしょうね。


*****

Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande
Réserve de la Comtesse 2011
Pauillac
RRWポイント 91点


Château Batailley Lions de Batailley 2015

メドック格付け第5級、ポイヤックのシャトー・バタイエです。
例によってそのセカンドワイン、リオン・ド・バタイエをいただきます。
歴史が古く、百年戦争(1339~1453年)が敷地や畑で繰り広げられたそうで、
シャトーの名前はバタイエ(Bataille=戦い)に由来するそうです。


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ボルドー大手ネゴシアンのボリー・マヌー(Borie-Manoux)社のオーナー、
カステジャ(Casteja)家が現在所有しています。
ボルドーの通常ルートに乗らない流通政策で、長らく過小評価されてたそうですが、
今日のと同じ2015年のファーストにパーカーおじさんは93-95点をつけていますから、
なかなか良さげです。(因みに今日のセカンド2015年は89点ですが…。笑)
 

公式ページはあっさり、こじんまりとした作り。

ミレジム毎のデータなんかないですし、なにより今日のセカンドが載ってません。
というのもセカンドワインは2014年が初リリースで、限定数量だったため、
この2015年が実質的に最初のセカンドワインになるようです。
従って、ネット情報に頼りますがデータがまちまちで一定してません。
仕方がないのでパーカーおじさんのコメントからセパージュはこれが正解と判断。
・カベソー 60%
・メルロー 33%
・カベフラ 6%
・プチヴェルド 1%
シャトー・バタイエの生産量の1/3強がセカンドに回されるそうで、
若木からとかなんでしょうけど、かなりの割合ではないかと思います。
樽熟は、ファーストが16~18ヶ月ですがセカンドは不明。


シャトー訪問はうまく近寄れなかったので、周辺地図にコラージュ。
近隣の格付けシャトーも確認。サン・ジュリアンにも結構近いです。
Pauillac_Batailley2
すぐ近くにシャトー・オー・バタイエ(Château Haut-Batailley)がありますが、
ただ名前が似てるのではなく、1942年にシャトー・バタイエの一部の畑が分割され、
シャトー・バタイエとシャトー・オー・バタイエに分かれました。
シャトーの建物は分割できないので、オー・バタイエの建物は後付けでショボいです。
オー・バタイエの方は2017年にシャトー・ランシュ・バージュのオーナーでもある、
カーズ家が所有することになり今に至ってます。

いつものポイヤック全体地図上にもシャトー位置を示しました。
Pauillac_Batailley
ポイヤックは名だたる第1級が3つもありますし、第2級も2つ。
ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみです。
あとは第5級が12もあります。で、今日のシャトー・バタイエも5級です。

まとめておきます。上の地図で位置関係も確認しましょう。
<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)
<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
・Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)
<第3級>なし
<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)
<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
・Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
・Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)
合計18シャトーです。


エチケット平面化画像。
IMG_2076
ファーストは金ピカですが、セカンドは似た図案ながら白地でシンプル。
シャトーの両脇にライオン(Lions)が加えられています。

インポーターシールは裏ラベルを隠していませんでした。エライ。
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さて、抜栓です。
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キャップシール、コルクともにセカンド専用デザインを奢っています。
ネックにも装飾があったので貼っておきました。

コルクも平面化。上下のない面白い図案です。
IMG_2078
コルク横にミレジム入り。セカンドでも手抜きなしという感じです。

Alc.13.5%。
ガーネット。粘性の涙です。
IMG_2084

黒ベリー、ブラックチェリー、ナツメグ、杉。
辛口アタック。
かすかな酸味は感じますが、
味の厚み・構造感・バランスはすこぶる良い感じがします。
タンニンはしなやか。薄いベールのように包んでくれます。
余韻も同じバランスで、味のおさらいをしながら続きます。

少々こじんまりした印象ながら、
よくまとまった小宇宙を体験できる、
上出来のセカンドと言えるんじゃないでしょうか。
2015年はボルドーの良年というのもあるんでしょうね。


*****


Château Batailley
Lions de Batailley 2015
RRWポイント 93点




Château Grand-Puy-Lacoste 2012 Pauillac

メドック格付け5級のシャトー・グラン・ピュイ・ラコストです。
ポイヤックにはグラン・ピュイ・デュカスというシャトーもありますが
(同じくメドック格付け5級)、当時、シャトーの名前は地名(Grand-Puy)
+オーナー名であったため、特に関連性はないようです。
因みにGrand-Puyは大きな丘の意味だそうで。


IMG_1647
以前ラコスト・ボリーというセカンドを試していますが今日はファースト。
ラコストはその昔の所有者の名前で、ボリーは今の所有者の名前です。
現所有者はフランソワ・グザヴィエ・ボリー(Francois-Xavier Borie)氏。
1978年に父のジャン・ウジェーヌ・ボリー(Jean-Eugene Borie)氏が取得、
それを長男のフランソワさんが引き継いで運営しています。
昔の名前のつけ方ならシャトー・グラン・ピュイ・ボリーにしたいところでしょう。(笑)


公式ページは格付けシャトーらしくカッコよくしっかり出来ています。

ファーストもセカンドもミレジムごとのデータシート完備。
今日のファーストラベルの2012年も詳細データありです。
・カベソー 76%
・メルロー 24%
畑の作付けでは5%ほどカベフラがあるのですが、この年はブレンドしてません。
手摘み収穫、除梗の前と後で2回選果を行なう念の入れようです。
新樽率75%のフレンチオーク樽で16~18ヶ月の熟成だそうです。


さあ、シャトー訪問。きれいな畑に囲まれストビューでは近づけず。(笑)
GPL01
エチケットのイラストにある建物が名前の通り大きな丘(Grand-Puy)の上にあります。

公式ページに所有畑の地図が載ってたので、例によってGoogle Map転記します。
GPL03
ポイヤックの近隣の格付けシャトーができるだけ入るようにしました。

いつものポイヤック地図上にもシャトー位置を追記しています。
GPL02
以前の地図ではCh.Grand-Puy-Ducasseの位置が違っていたので今回修正してます。
シャトーはポイヤックの市街地にありました。畑が離れていたので間違えてました。

ポイヤックは名だたる第1級が3つもありますし、第2級も2つ。
ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみです。
あとは第5級が12もあります。で、今日のグラン・ピュイ・ラコストも5級です。

まとめておきます。上の地図で位置関係も確認しましょう。
<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)
<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
・Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)
<第3級>なし
<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)
<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
・Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
・Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)
合計18シャトーです。


エチケット平面化画像。
IMG_1649
珍しく裏ラベルがなく、エノテカシールのみだったのでそれは割愛。


さて、いただきます。
Alc.13.5%。
濃いガーネット。
IMG_1648

黒ベリー、若い新樽のような樽香、モカ、スパイス。
果実香は弱い感じですね。
素っ気ない辛口アタック。
と思うと、ビロードのような飲み心地が始まり、
まろやかに舌の上で転がっていきます。
かすかな酸を感じさせ、結果まとまりの良い構造感です。
お上品な印象。これをエレガントというのでしょうか。
喉越し余韻のタンニンはごくごくシルキーで、
じんわり、そのこじんまりした構造感を楽しめます。

小さくまとまった小宇宙です。
ビッグではないがバランスはすこぶるいいと思いました。


*****


Château Grand-Puy-Lacoste 2012
Pauillac
RRWポイント 92点


Château Haut-Bages Libéral 2016

メドック格付け第5級、シャトー・オー・バージュ・リベラルです。
以前にサードのLe Haut-Médoc de Haut-Bages Libéral 2011を試してます。
前は公式ページにサードのオー・メドックは載ってなかったのですが、
今はセカンドと共にちゃんとラインナップとして載っているようです。
しかし、今日のお試しはファーストです。安心していただきましょう。(笑)


IMG_1474
2015年からエチケットのデザイン(字体)が変わったようです。
前の流麗な筆記体調の方が良かったんですが。これは少々安っぽい感じがします。


公式ページは格付けシャトーらしくカッコよくできています。

リュルトン家のゴンザーグ(Gonzague)&クレール・ヴィラール(Claire Villars)・
リュルトン夫妻所有とのことで、Gonzague & Claire Lurton Vineyards名のサイトもあり、
シャトー ・デュルフォール・ヴィヴァンフェリエールも所有してるのがわかります。

どのサイトも同じ作りで、ワイン紹介はミレジム毎、データシートも完備です。ブラボー。
今日のオー・バージュ・リベラル2016は、
・カベソー 70%
・メルロー 30%
と、作付け比率通りのセパージュで、樹齢は平均35年とのこと。
樽熟は新樽率40%で16ヶ月熟成です。
パーカーおじさんの90-92点他、評価誌の点数もちゃっかり載せてあります。


さて、ポイヤックにあるシャトーを訪問します。
HBL02
シャトーというほどの建物ではないですが、その畑の立地が素晴らしく、
大部分の畑がシャトー・ラトゥールのメインの畑に隣接しているそう。


例によって、ポイヤックの格付けシャトーの位置関係を俯瞰しておきます。
HBL01
ポイヤックは名だたる第1級が3つもありますし、第2級も2つ。
ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみです。
あとは第5級が12もあります。で、今日のオー・バージュ・リベラルも5級です。

まとめておきます。
<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)
<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
・Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)
<第3級>なし
<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)
<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
・Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
・Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)
合計18シャトーです。


エチケット平面化画像。
IMG_1464
裏ラベルのQRコードは先ほどの公式サイトにつながるだけです。


さて、抜栓。
IMG_1470
キャップは、これがハーフボトルなのでエンボスのマークとかないのかも。
コルクは横ミレジム含め立派なものです。

コルクを平面化するとこんな感じ。
IMG_1472
エチケットにも薄っすら描いてあったシャトーのイラストですね。

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
IMG_1473

黒ベリー、杉、チョコ。
酸を少し感じる辛口アタック。
若いタンニンか、ちょっと「きぶい(京都~関西方言)」です。
味の厚みはそこそこですが、酸味が少しバランスを崩してますね。
そうなると、喉越しのタンニンも少し荒々しい気がしてきます。
余韻はじんわり長くていい感じなのですが。

格付けワインの貫禄はあるんですが、まとまりが少し悪いですね。
パーカーおじさんのつけた90-92点他、
みなさん結構高得点なのが気になります。(笑)
ジェームス・サックリングさん、94-95点。
Wine Spectator、91-94点。
Wine Enthusiast 、93-95点。


*****


Château Haut-Bages Libéral 2016
Pauillac
RRWポイント 89点


Château Latour Pauillac 2011

新年明けましておめでとうございます。
今年も偉いワインを求め、ひたすら試したワインを記録していこうと思います。
さて、2020年一発目はメドック格付け第1級、シャトー・ラトゥールです。
泣く子も黙るラトゥールですが、今年も平常運転、サードワインに相成ります。(笑)


IMG_0914
その昔ワインを嗜み始めたころ、シャトー・ラトゥールにあこがれ、
なんとかレ・フォール・ド・ラトゥールというセカンドで満足してましたが、
20年近くたった今、すべて倍以上のお値段になってますね。
当時から、このポイヤックというサードワインもありましたが、
シンプルなラベルや当時5000円という値段でバカにして眼中にありませんでした。
令和の現在、そのバカにしていたサード、もうおいそれと手が出ません。(笑)


公式ページは偉大なワインに相応しいカッコいいデザインですが情報少なし。

ファーストやセカンドと同じ畑の若木や、少し格の落ちる区画からのブドウで、
醸造後ファースト、セカンドのレベルに達してないものがサードにまわされます。
サードの新樽率はそれでも20%だそうです。
セパージュは、ネットでいろんな情報が出回ってますが、公式サイトによると、
おおよそ例年、カベソー55%、メルロー45%で出来ているとあります。
カベフラやプチヴェルドはブレンドしないということですから、
2011年のデータとして、
・カベソー 62.5%
・メルロー 37.5%
としてあったいくつかのサイトの情報がおそらく正解なんだと思われます。


シャトー訪問は以前Château Latour 2005を試したときに試みています。
Pauillac03
ワイン街道と呼ばれる県道2号線(D2)沿いですが畑の向こうへ入れません。
サードのポイヤックのラベルのイラストは現存するドームが描かれています。
ファーストやセカンドは今はなき塔(La Tour)や砦(Les Forts)ですから、
何だかサードのポイヤックの方が親しみが湧きます。(笑)

公式サイトの動画から画像切り出しをしてお茶を濁しておきます。
Pauillac02
ポイヤックの際々なのでサンジュリアンに隣接しています。
境界の向こうは、2級シャトー・レオヴィル・ラス・カーズの畑です。

ポイヤック全体と格付けシャトーとの位置関係もおさらい。
Pauillac01
ポイヤックは名だたる第1級が3つもありますし、第2級も2つ。
ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみです。
あとは第5級が12もあります。

まとめておきます。
<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
Ch. Latour(ラトゥール)
<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
・Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)
<第3級>なし
<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)
<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
・Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
・Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)
合計18シャトーです。


エチケット平面化画像。
1620年代に元あった要塞の石を使い再建されたという丸い建物の絵。
鳩小屋だったらしいですが、今は立派なシャトーのないラトゥールのシンボルです。
IMG_0896
裏に、シャトーからのリリースが2015年と書いてあります。
以前のChâteau Latour 2005は2017年リリースとなってましたから、
ファーストは12年、サードは4年シャトーから出さずに寝かしておくわけです。
ポイヤックは早飲み仕様なんでしょうが、それでも4年飲ませないわけです。
シャトー・ラトゥールのポリシーを感じますね。

インポーターシールは別撮り。
IMG_0897


最近格付けシャトーによくある本物認証システムのシールを発見。
IMG_0898
公式サイトの本物認証ページにこの記号を(手間ですが)打ち込みます。すると...

銀色のブツブツシールのパターンを聞いてきますので、なんとか選びます。
PCL
するとどうでしょう。「PAUILLAC 2011で間違いありません。本物です。」
というわけ...。えっ? それだけ?
シャトー・ベイシュヴェルはQRコード一発で詳細な情報ページにリンクしてたので、
ラトゥールのこのシステムは目的は達してますが、あまりにもお粗末ですね。


さあ、気を取り直して抜栓です。
IMG_0915
キャップシールもコルクもPauillac専用。例のドームの絵があります。

コルク平面化撮影もしました。
IMG_0909
コルクの横にはミレジムではなく、なんとまた例のドームのイラスト。
いやあ、ここに絵を入れるならミレジムを打ちましょうよ。(笑)

Alc.13%。
濃い濃いガーネット。しっかり涙も色付いてます。
Latour00
コルクの裏も墨のように真っ黒でした。(最後のオリも結構ありました。)

ブラックベリー、ブラックチェリー、
焦がしたチョコ、ドライフルーツ…。
辛口アタック。
酸味を軽く感じますが、味の構造はしっかりあります。
シルキーなタンニンが例の酸と拮抗してくると、
絶妙のバランスとなってきます。
余韻はうまみのかたまりがパレットを占領する感じ。
至福の瞬間ですね。

若さはありますね。絶対もっとおいしくなりそう。
まだまだ熟成させられるポテンシャルを感じます。
これは傑出してるワインです。(あまり偉くないですが…)


*****


Château Latour
Pauillac 2011
RRWポイント 97点


Château Croizet-Bages 2015

メドック格付け第5級、シャトー・クロワゼ・バージュです。
当たり年2015年のハーフボトルを見つけたので、思わずゲット。
パーカーおじさんは86-88点らしいです。ちょっと微妙かな。


IMG_0773
これと一緒に同じく第5級のオー・バージュ・リベラルの2016も買いました。
これもハーフだったんですよ。バージュつながりで2本。何だか奇遇。
ランシュ・バージュも一緒に置いてあったらよかったんですが…。(笑)
これら3つはポイヤックのバージュの丘にあり、みんな仲良く第5級。(笑)
評価ではランシュ・バージュが頭3つくらい飛び抜けていますが。


単独の公式ページはなさそうで、オーナーのキエ家のページ内にあるようです。

しかし、このサイトが現在工事中で内容なし。困ったもんです。(笑)
キエ家は格付け第2級のシャトー・ローザン・ガシーも所有しており、
この公式ページではローザン・ガシー推しですね。

Union des Grands Crus de Bordeauxというボルドーの格付けシャトー組合?
のようなサイトにクロワゼ・バージュ含め詳しい情報が載っていました。

ここにwww.croizetbages.frというURLが載ってますが、リンク先は存在しません。
観念してネット情報に頼りましょう。

しかし、これまたしっかりした情報に巡り合えず難儀しました。
おそらくこの情報が一番確からしいです。
・カベソー 60%
・メルロー 32%
・カベフラ 8%
樽熟はバリックにて12~18ヶ月。
過去はかなりカベソーの比率が低かったそうですね。
近年はカベソーの比率を引き上げててるそうで、60%まで来ましたって感じかな。


さあ、シャトー訪問。ランシュ・バージュとは道を隔てて隣接してます。
Croizet-Bages00
おやおや、シャトー名のアルファベットが一部落ちてしまってます。
「Château」の「T」と、「Pauillac」なんか「A」が2つとも。(笑)

マップ上でポイヤックの他の格付けシャトーとの位置関係を確認。
Croizet-Bages01
ポイヤックの格付けシャトーをまとめておきます。地図と合わせてご確認を。

<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)
<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
・Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)
<第3級>なし
<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)
<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
・Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)
合計18シャトーです。

ポイヤックは名だたる第1級が3つもありますし、第2級も2つ。
ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみです。
で、あとは第5級が12も。第5級の宝庫です。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_0763
1878年及び1889年のパリ万博等のメダルのデザインだそうで。
なぜに格付けが行われた1855年のパリ万博ではないのかしら?

インポーターシールは裏ラベルを隠してなくて優秀ですが、別撮り。
IMG_0764


さあ、抜栓。
IMG_0766
横ミレジム入りの専用コルク。さすが格付けシャトー。

コルク平面化もしておきます。
IMG_0769

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
IMG_0770

黒ベリー、ブラックチェリー、スパイス、シダ様の樽香…。
クールな辛口アタック。
複雑味のある味わいに、程よい収斂性のタンニンがからみ、
バランスの良さを感じます。
厚みが圧倒的でないのは、最初に感じたクール感と「同義」ですね。
余韻も十分あるんですが、少々バランス崩れて、
タンニンと酸を強めに感じました。

格付けなりの貫禄は出ているんじゃないでしょうか。
パーカーおじさんの86-88点よりはいい点がつきました。


*****


Château Croizet-Bages 2015
Pauillac
RRWポイント 91点


Château Duhart-Milon 2011

ラフィット・ロートシルトが所有するもう一つのポイヤックのシャトー、
格付け第4級、シャトー・デュアール・ミロン・ロートシルトです。
エチケットには最後に「ロートシルト」とは書いていませんが、
ロートシルト家の所有は1962年からで、同じ醸造チームだそうですね。


IMG_9292
梅田のハービスにあるエノテカ大阪店のバイザグラスでの試飲ですが、
ここはボトルがサーバーにセットされているため平面化撮影ができません。
これでは記録にならないので二度と来るかと思ってたのに…来ちゃいました。(笑)
しかし、今日は撮影さえ拒否される始末で、露骨に嫌な顔をされました。
いつもここは、けったくそ悪い思いをするので本当に二度と行くかと誓いました。
(同じ梅田のエノテカでも、グランフロント大阪店はそんなことなく、
いつも気持ちよく接客してくれます。みなさん、お間違えなきよう。)


公式ページラフィットのホームページの中です。

セパージュは、
・カベソー 75%
・メルロー 25%
樽熟は明記ないですが、新樽率50%で18ヶ月のようです。
古樽の方はラフィットで使った1年落ちだそうです。
今日の2011年はパーカーおじさん89-91点です。


シャトー訪問。なんとポイヤックの町の中にあります。
Duhart-Milon01
その昔にはジロンド川の港からのワインの出荷・積み出しには、
便利よかったんだろうなとは想像します。

しかし、肝心の畑はどこなんだろうと思いますよね? 公式ページには、
ラフィットの西側、ミロンの丘のカリュアド台地に沿った所と記載があります。
となると、下の地図に四角で囲った辺りなんだと思われます。
Duhart-Milon02
例によってポイヤックの他の格付けシャトーも記してますので、
合わせて確認しておきましょう。

ポイヤックは名だたる第1級が3つもありますし、第2級も2つ。
ところが第3級がゼロで、第4級が今日のデュアール・ミロンのみです。
あとは第5級が12もあります。

まとめておきます。
<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)
<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
・Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)
<第3級>なし
<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)
<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
・Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
・Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)
合計18シャトーです。


コルク平面化。(抜栓したコルクは置いてありました。笑)
IMG_9282

Alc.13%。
濃いガーネット。
IMG_9290

黒ベリー、ブラックチェリー。
若干果実味残りますが熟成香の強さを感じますね。
胡椒系スパイスも香ります。
辛口アタック。
味の中心はドライな感じ。
もう少しふくらみが欲しい気がする味です。
苦味にも似たパサっとした味わいは、
特にドラマが始まるでもなく、余韻へ終息していきます。

無難ですがエレガントな感じはしませんね。
これはラフィットにも似ています。(笑)


*****


Château Duhart-Milon 2011
RRWポイント 88点


Château Lynch-Moussas 2003

メドック格付け第5級、シャトー・ランシュ・ムーサの2003年です。
1994年以降改善してるという評はありますが、今ひとつパッとした印象はなし。
マイナー格付けシャトー(失礼!)を探求するのも修行のひとつです。
ポイヤックの幅を知るためにも味わっておきましょう。


IMG_8761
このシャトーはジロンド川岸からはなれた内陸側にありますが、
ポイヤックでも最大級の敷地を持っているそうです。
元は同じ5級のシャトー・ランシュ・バージュと同一だったそうで、
ランシュ・バージュを切り離しても敷地が大きいというのはすごいっす。

公式ページは立派です。が、英語表示できなさそう…。
1919年からボルドーのネゴシアン、カステジャ家の所有とのこと。
今年(2019年)はカステジャ家が運営を始めてちょうど100周年だそうです。
2003年のセパージュは、
・カベソー 68%
・メルロー 32%
個々のミレジムに樽熟は記載なし。
通常は、55~60%の新樽率で14~24ヶ月だそうです。


さて、シャトーを訪問。おっと、入口からの一本道には入れません。
Lynch-Moussas01
背後に森を控え、前には池があり、優雅ですね~。

さあ、ポイヤックを俯瞰して、他の格付けシャトーとともに、
シャトー・ランシュ・ムーサの位置を確認しますよ。
LynchMoussas01
あれれ。ランシュ・ムーサはポイヤックの外にあります。
行政区分上はサン・ソヴァール(Saint-Sauveur)になるようです。
公式ページには細かな住所はなく、「ポイヤック」となっており、
郵便番号「33250」とだけ書いてあります。
実はこの郵便番号、サン・ソヴァールとポイヤックで共通です。
なんだか住所がポイヤックでないのを誤魔化してるような印象です。(笑)


ここで、AOCポイヤックの全18シャトーをおさらいしておきます。
上の地図に等級付きで書き込んでますので合わせて場所も確認ください。

PREMIERS CRUS<第1級>
Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
Ch. Latour(ラトゥール)
Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)

DEUXIEMES CRUS<第2級>
Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande
(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)

TROISIEMES CRUS<第3級>
なし

QUATRIEMES CRUS<第4級>
Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)

CINQUIEMES CRUS<第5級>
Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
Ch. Batailley(バタイエ)
Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)

ポイヤックは5級もいっぱいですが、名だたる1級・2級も多いです。
わりと狭いエリアにこれだけあるわけですから、名醸地なんでしょう。

しかし、マルゴー、サンテステフ、サンジュリアンのようなAOCと違い、
ポイヤックだけジロンド川に面した、市街地と立派な港があります。
その昔はここからワインを積み出し英国へ送られていました。
(12~15世紀、ボルドー周辺の地方「アキテーヌ」は英国の支配下でした。)
個人的にはポイヤックのシャトーは単にその地の利から栄えたのではないか、
と疑いの目を持っています。(笑)
ポイヤック特有のテロワールなんて幻想ではないかと思えてきます…。


エチケット平面化画像。
IMG_8764
シャトーのイラストは右下隅にちょろっと書かれていますが、
2009年からは真ん中に大きく書かれるようになります。
LynchMoussas02
バランスも含め、こっちの方がやっぱりいいですよね。


さあ、いただきましょう。
Alc.12.5%。濃いガーネット。褐変きてますね。
IMG_8767

黒ベリーのコンポート、フィーグ。熟成香の複雑な香り。
しかしながら果実系のフレッシュさは残っています。
辛口アタック。
味に深みはあるようですが、ぼやけて骨格がはっきりしない感じ。
喉越しのタンニン、余韻の残り方、すべてソツはないんですが、
やはり主張に乏しい感じが否めません。

パーカーおじさんも、軽い、水っぽいという評価をしていたようですが、
僕は「ぼんやり」と評価しておきましょう。88点。
あとで確認して気づいたのは、パーカーおじさんの2003年の評価も88点。
気が合うんですよね~。(笑)


*****


Château Lynch-Moussas 2003
Pauillac
RRWポイント 88点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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