Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Pays_d'Oc

Côté Mas L'esprit du Midi Viognier 2022 Pays d’Oc

ジャン・クロード・マスさん率いるドメーヌ・ポール・マスのヴィオニエです。ラングドック・ルシヨン各地に手を広げていますので、よく出会うことのあるブランドです。なにせ今回のコレも近所の百貨店のワインコーナーで買ったワインくじですから。ええ、ハズレですとも(笑)。

IMG_1641
ジャン・クロード・マス(Jean-Claude Mas)さんは、エロー県のペズナ(Pézenas)の近くで1892年からブドウ栽培を始めたマス家の現当主で、ラングドック中の数々のワイナリーを取得し、各界から高評価を受ける高品質ワインを低価格で作り出している偉い作り手です。

HPから拝借した地図ですが、ポール・マスの傘下のブランドが確認できます。
DoainesPaulMas
ドメーヌ・ポール・マス(Les Domaines Paul Mas)という名前で傘下のワイナリーをまとめており、ペズナ(Pézenas)近くの本拠地はシャトー・ポール・マスと呼んでいるようです。

公式ページも総合で持っています。「Côté Mas」はローエンドの別ブランドらしいです。

ワイン情報はしっかり載っていました。

・ヴィオニエ 100%

石灰岩粘土土壌の畑で、樹齢は13~21年だそうですが、Pays d’Oc IGP としか書いてないので細かな産地は不明です。全量の20%をマロラクティック発酵します。15%を新樽で発酵、その後3ヶ月熟成をしますが、残り85%はステンレスタンクのみです。微妙ですが、多少は凝ってるようですね。


ドメーヌ・ポール・マス(シャトー・ポール・マス)を訪問します。
PaulMas1
ペズナ(Pézenas)の近くですが、モンタニャック(Montagnac)というAOCラングドック・ペズナ(Languedoc Pézenas)は名乗れないエリアにあるようです。いずれにしても今日のワインはヴィオニエ100%で、AOCラングドックの主要品種ではないので無理ですけどね。

ラングドック・ルシヨン全図で俯瞰して位置関係を見ておきましょう。
Languedoc_Roussillon_NEW
割とラングドック・ルシヨンのAOCの品種規定は細かいので、自由に作るとすぐ Pays d’Oc IGP になってしまいます。


ラベル平面化画像。
IMG_1617
ビタミンC(L-アスコルビン酸)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、アカシア(アラビアガム)など怪しい(?)食品添加物全部入りですね(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_1636
キャップシールはなく、ロウ封のみ。それも最小限ボトルの口をふさいでいただけでした。

コルク平面化。
IMG_1638
「マス・ファミリー」ってシリーズのどれにでも使えそうですね(笑)。DIAM3です。

Alc.13.5%。
ハチミツイエロー。
IMG_1639

夏みかん、洋梨。
辛口アタック。
フルーティな酸ですね。
メロンのような黄桃のような風味。
ヴィオニエっぽくないんですが(笑)うまい。


*****


Jean-Claude Mas
Côté Mas
L’esprit du Midi
Viognier 2022
Pays d’Oc
WWWポイント78点



WhiteWhiteWine01

Deux Mélanges Cabernet Sauvignon x Merlot 2021 Pays d’Oc

お正月になると、あちらこちらのワイン売り場でワインくじなるものが売り出されます。近くの百貨店の比較的お安いワインくじだったので思わず手を出してしまいました。で、見事にハズレ。それでもなかなか末等を引くことはないんですが、今日のこのワイン、見事に末等です(笑)。ペイドックの得体の知れないカベソーブレンド。ハズレくじ処理と行きましょう。

IMG_1375
作り手は…裏ラベルに「Les Producteurs Réunis AF34360 Cébazan」とあります。セバザン?なんだか聞き覚えがありますね。過去にいくつか飲んだペイドックのワインと同じ生産者共同組合ですね。

この共同組合の公式ページはなく、セバザン市のHP内に紹介があるだけです。

ワイン情報なんかインポーター(三国ワイン)のサイト見ても載っていません。

・カベルネ・ソーヴィニヨン
・メルロー

セパージュは50/50くらいでしょうか。ワイン名の「Deux Mélanges」とは「2種のブレンド」的な意味です。何のヒントにもなりませんね(笑)。

「Les Producteurs Réunis de Cébazan」という協同組合は前にも訪れています。
StChinian03
サン・シニアン(Saint-Chinian)の近くのセバザン(Cébazan)という町にあります。

「Union Caves Coopératives de Cébazan」が正式名称で、上の写真の隣に近代的で立派な本体と思しき施設があります。旧社屋の横に新社屋が建ったって感じですかね。
Moose01
AOC Saint-Chinian、AOC Minervois、そしてIGP Pays d'Ocを主力にやってるそうです。テイスティングもできる直売所もあるようです。

今日はこれ以上広がりようがないので(笑)、今日のワインの IGP Pays d’Oc から掘り下げていきましょう。まず、IGPペイ・ドックとAOCラングドックの対象範囲を比べます。
Languedoc_PaysdOc_INAO
いつものINAOの地図で、左側に IGP Pays d'Oc、右にAOC Languedoc を置いています。まず、IGPの方は、ガール(Gard)県、エロー(Hérault)県、オード(Aude)県、ピレネー・ゾリアンタル(Pyrénées-Orientales)県の4県全域が対象です。AOCラングドックは対象コミューン(地図上の区画はコミューンです。)がかなり細かく決まっていることがわかります。まあ、これは普通によくあるIGPAOCの差ですね。
また、AOC Languedoc というのは、2007年まで AOC Coteaux-du-Languedoc と呼ばれたものが名称変更したもので、同時に、元々 AOC域内で AOC Coteaux-du-Languedoc~なんちゃらと呼ばれていたAOCが、単独AOCや AOC Languedoc~ なんちゃらというAOCに名称変更になっています。(実はこれらAOCの新旧の名称の混在が僕の理解を阻害していました。笑)
ひとつ気になるのは、このINAOの地図を見る限り、AOC Languedoc がルシヨン(Roussillon)地域(ピレネー・ゾリアンタル県)を含んでいることです。「AOCラングドック」=「ラングドック・ルシヨン」ってことになります。まあ、AOCルシヨンなんてのがないからいいのかな。(笑)

いつものGoogle Map版ラングドック・ルシヨンのワイン地図も見てみましょう。
Languedoc_Roussillon_NEW
今日の作り手の所在地、セバザン(Cébazan)も書き込んでいますのでご確認を。エロー県のAOCサン・シニアン(Saint-Chinian)のエリア内です。

先ほどのINAOのAOCラングドックの対象範囲は、ほぼこの地図上のAOCの集合と一致してることがわかります。唯一、AOC Malepère だけがAOCラングドック対象地図から外れていそうですね。なぜだか考えてみましたが、おそらく、AOCマルペールのみ2007年にAOC昇格する前が、VDQS Côtes de Malepère であり、AOCよりワンランク落ちるVDQSだったため今も仲間外れになっているんじゃないかと想像します。
VDQSVins Délimités de Qualité Supérieure)とは、2011年まであったフランスのワインの規格で、2011年に全ての産地がAOCに昇格し、事実上廃止されています。(EUのワイン法にこれに当たるカテゴリーがなかったため廃止になったそうです。)

今日のワインは場所的には AOCサン・シニアン(AOC Saint-Chinian)を名乗れそうなものですが、カベソーとメルローのブレンドではAOCサン・シニアンにはなりません。AOCサン・シニアンの赤の規定は、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、Lladoner Pelut(=Garnacha Peluda)の4種が主要品種で、補助品種がカリニャン、サンソーです。ラングドック・ルシヨンのAOCはこのようなパターンが多く、カベソーやメルローなど人気の高い品種を使うとIGPペイ・ドックとなってしまうわけです。その土地の良さを出していても一括りの広域IGPになってしまうのは、なんだかもったいないですね。


エチケット平面化画像。
IMG_1372
デザインもなんだかそっけないですね。いかにもワインくじのハズレに見えます(笑)。


さあ、スクリュー回転。
IMG_1378
キャップも無印です。

Alc.13.5%。
ガーネット。
IMG_1377

黒ベリー、リコリス、黒鉛。
辛口アタック。
コク、厚みのある味わいです。
意外にうまし。
後ほど軽さが顔を出すんですがバランスは良好。
苦味もいいアクセントで登場します。
これ、かなり素性のいいペイドックでした。


*****

Deux Mélanges
Cabernet Sauvignon x Merlot 2021
Pays d’Oc
RRWポイント 91点


Baron Philippe de Rothschild Cadet d’Oc Chardonnay 2022 Pay d’Oc

バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドの出す白。と言うと、あのムートン(Château Mouton Rothschild)の白であるエール・ダルジャン(Aile d’Argent)を想像しますがさにあらず。普及シリーズのムートン・カデ(Mouton Cadet)でさえなく、IGPペイ・ドックの「カデ・ドック」というシリーズになります。これも広義ではムートンの白と思っていただきましょう(笑)。

IMG_1355
件のムートンを始めシャトー・クレール・ミロンダルマイヤックを擁するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド(Baron Philippe de Rothschild)。オーパス・ワン(ナパ)やアルマビバ(チリ)のコラボも強力な印象があります。そこが出す普及シリーズがボルドーのムートン・カデなんですが、そのペイ・ドック版がその名もカデ・ドック(笑)。どうせさらにお手軽シリーズなんでしょ~となめてかかりそうになりますが、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドはラングドックのリムーにドメーヌ・ド・バロナーク(Domaine de Baronarques)という本格派のワイナリーを所有していますから、ペイ・ドックもかなりお得意と察します。

公式ページには一応カデ・ドックの紹介はあるんですが詳細はなさそうです。

まあ、インポーターのエノテカのページを見てもたいした情報はないんですけどね。

・シャルドネ 100%

「5大シャトーの一角、シャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有する、バロン・フィリップ社が南フランスのラングドック地方で手掛けるワイン。一流の技術と、選び抜かれた畑のブドウのみを使用して仕立てるため、手頃な価格ながら高い品質をお楽しみいただけます。」だそうで(笑)。


ラングドックのどこで作ってるかわからないのでワイナリー訪問はあきらめます。まさか、ドメーヌ・ド・バロナークで作ってるわけないでしょうし。ということで、今日のワインとは直接関係ないですが、とりあえずボルドーのムートン・カデを訪れるとします。
MoutonCadet
ポイヤックのすぐ近くサン・ローラン・メドックにあります。なのでムートンからも車で15分もかかりません。

今日のワインはペイ・ドックなのでいつものラングドック・ルシヨンの地図を上げておきます。
Languedoc_Roussillon_NEW
この地図のどこかで今日のワインは生まれているはずです。といっても、IGPペイ・ドックは右下図のようにとても広いわけですが(笑)。


エチケット平面化画像。
IMG_1332
「バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド」の名前が光っています。


さあ、スクリュー回転。
IMG_1352
おお、5本の矢のマークがエンボスされています。

Alc.13%。
淡いイエロー。
IMG_1353

洋梨、青リンゴ。
辛口アタック。
酸は少し鋭角ながらミネラル感あります。
味わいも青リンゴ的かな。
(裏ラベルにはそんなこと書いてないけど…笑)
当然樽っぽさはないです。
フレッシュさが性分ですね。


*****


Baron Philippe de Rothschild
Cadet d’Oc
Chardonnay 2022
Pay d’Oc
WWWポイント77点



WhiteWhiteWine01

Saint Maurice Promesses Cévenoles Cabernet Sauvignon 2020 Cévennes IGP

IGPセヴェンヌ(IGP Cévennes)のカベソーです。近所に新しくスーパーが出来たので覗きに行ったときに手ぶらも何だからと買ったワインです。イオン系のスーパーなので、イオン系のワインのラインアップだと思うので他のイオンでも置いてあることでしょう。激安ですし(笑)。しかし、真の目的はこの「IGPセヴェンヌ」なるものを初めてお試しすることにあるのです。

IMG_0914
作り手のサン・モーリスはガール県(Gard)のニーム(Nîmes)の町から北へ車で30分ほど行ったところにあるサン=モーリス=ド=カズヴィエイユ(Saint-Maurice-de-Cazevieille)というコミューンにある協同組合です。1924年に約10人のワイン生産者が立ち上げましたが、現在ではメンバーも215人となり、総畑面積も2,000ヘクタール超になっています。内600ヘクタールは有機農法を実践しており、今日のワインのようなビオワインにも力を入れているようです。

ガール県の北西部を占める IGPセヴェンヌ(IGP Cévennes)のエリアの真ん中にあり、作るワインも IGP セヴェンヌです。(IGP Pays d'Oc、IGP Gardの他、AOC Duché d'Uzès も作れるそうですが、ラインアップを見ると IGP Cévennes 以外見当たりません。)個人的に、問題は、このIGPセヴェンヌというはローヌなのかラングドックなのかということです(笑)。IGPペイドックはガール県全域を含むので、ラングドックと言えなくもないんですが、距離的には南部ローヌの方が近そうです。とりあえずこの記事はローヌという分類にしておきました(笑)。

公式ページは大きな動画やら効果やらで賑やかな作りです。少々使いにくし。

今日のワインは見当たりませんね。相当な種類があって載せきれない感じです。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

たぶんモノセパージュでしょう。価格からして樽はないと思われます。まあ、今日はIGPを調べるのが目的なのでワイン自体には期待をしないでおきましょう(笑)。

サン・モーリスを訪問しておきます。なかなか大きな施設ですよ。
SaintMaurice2
前述のようにニームに近いんですが、アレス(Alès)という町が最寄りの都会のようです。

さあ、INAOの地図で IGPセヴェンヌ(IGP Cévennes)のエリアを確認します。
INAO_Map
ガール県(Gard)の北西部、かなりのエリアが対象です。この辺りがセヴェンヌ山脈(Cévennes)になり、IGPの名前の由来になっています。

AOCコート・デュ・ローヌ(AOC Côtes du Rhône)と IGPアルデシュ(IGP Ardèche)の位置関係を見た時に作った地図に IGPセヴェンヌ(IGP Cévennes)を描き加えました。
Cotes-du-Rhone-Ardeche-Ceve
作り手、サン・モーリスの場所も示しました。ねっ、ローヌっぽいでしょ?

ちなみにラングドック・ルシヨンの地図に IGPセヴェンヌを重ねるとこうです。
Languedoc_Roussillon_NEW
IGPペイドックならガール県全域を含むんですが、いかんせんこの地図ではガール県全体が入ってないので IGPセヴェンヌがはみ出てしまいました(笑)。一部重なってはいますが、やはりIGPセヴェンヌをラングドックと見なすのは厳しい気がします。


エチケット平面化画像。ABマーク、ユーロリーフ付きのビオワインですね。
IMG_0910
ワイン名の「Promesses Cévenoles」とは「セヴェンヌの約束」という意味です。裏ラベルではラングドックの最北端と紹介されていますね(笑)。


さあ、スクリュー回転。
IMG_0912


Alc.13.5%。
赤味あるガーネット。涙の形ははっきりせず。
IMG_0913

黒ベリー、ダークチェリー。
辛口アタック。
穏やかな酸。
そこそこの厚みとコクはあって一安心。
苦味様のタンニンも一応確認されました。
余韻はあっさりですがいい印象を残します。
高得点ではないですが悪くはないです。


*****

Cave Saint Maurice
le Piémont des Cévennes
Promesses Cévenoles Cabernet Sauvignon 2020
Cévennes IGP
RRWポイント 86点


Tentation de Sud Cuvée Astronomique Grande Réserve 2020 Saint Guilhem le Desert IGP

ラングドック・ルシヨンのワインですが、いつものIGPペイ・ドック(Pays d'Oc)と思ったらさにあらず。IGP(Indication Géographique Protégée)ワイン(=地理的表示保護ワイン)ではありますが、IGP サン・ギレム・ル・デゼールSaint-Guilhem-le-Désert)とな。また面白いワインを見つけてきたなと思うなかれ。こういう場合はワインくじのハズレであります(笑)。転んでもタダでは起きないポリシーに従って、お試しと共にこのIGPを紐解きましょう。

IMG_0806
作り手は「Fonjoya」という所で過去何度かここのワインを試しています。70年以上の歴史のある2つの協同組合が2018年末に合併して出来ていまして、ひとつはサン・サテュルナン・ド・リュシアン(Saint-Saturnin-de-Lucian)の町の「Cave de Saint-Saturnin」と、もうひとつがサン・フェリックス・ド・ロデ(Saint-Félix-de-Lodez)の町の「Caveau de Saint Félix」です。
「Fonjoya」のネーミングは、ラングドック方言(オック語の一種)の「Font(泉)」+「Joia(喜び)」の造語だそうです。「ラングドック(Langue d'oc)」自体が「オック語」っていう意味ですから、オック語のネーミングっていいですね。

公式ページに IGP Saint-Guilhem-le-Désert はあるものの、今日のワインズバリは見当たらず。

ネットでは以下のセパージュとなってますが、ブレンド比%はわかりません。

・シラー
・グルナッシュ
・ムールヴェードル

IGP サン・ギレム・ル・デゼール(Saint-Guilhem-le-Désert)の規定を見ても使用可能な品種は無数に列挙してあり、何でもOKのようです。醸造については全く情報なしですが、裏ラベルによると安定剤(アカシア、メタ酒石酸)が添加されています。アカシヤ(アラビアガム)はお馴染みですね(笑)。メタ酒石酸というのは、ワイン中の酒石酸塩の生成・析出を遅らせ、酒石酸塩が澱として沈殿しワインの品質が不安定化するのを防止する結晶化防止剤です。今日のワインではアカシアと一緒に安定剤として表示されていますね。メタ酒石酸はEUでも使用上限100mg/Lを遵守すれば添加可能です。


過去にも訪問していますが、倉庫のような施設もあったので今回はそこも訪問。
Fonjaya00
サン・サテュルナン・ド・リュシアン(Saint-Saturnin-de-Lucian)の町の「Cave de Saint-Saturnin」のすぐ近くです。

こちらがその「Cave de Saint-Saturnin」です。以前挙げた写真の再利用。
Fonjoya01

合併相手の「Caveau de Saint Félix」の方がこちら。
Fonjoya02
サン・フェリックス・ド・ロデ(Saint-Félix-de-Lodez)の町にあり、お互い車で10分ほどの距離です。

さて本題、IGP サン・ギレム・ル・デゼールはどこかということでINAOの地図です。
Saint-Guilhem-le-Desert
モンペリエ(Montpellier)の町の北西周辺という感じですね。Fonjoyaの場所も追記しましたが、IGP サン・ギレム・ル・デゼール内にありますね。IGPの名前の由来は、サン・ギレム・ル・デゼール(Saint-Guilhem-le-Désert)という村(コミューン)です。地図上に村の場所も書き込んでいます。ジェローヌの大修道院(L'Abbaye de Gellone)という名所が有名な観光地だそうです。
また、このINAOの地図には色分けで範囲が示してありますが、IGP サン・ギレム・ル・デゼール(Saint-Guilhem-le-Désert)には「Cité d’Aniane」と「Val de Montferrand」を伴う狭域のIGP表示もあることがわかります。IGP サン・ギレム・ル・デゼール・シテ・ダニアーヌ(IGP Saint-Guilhem-le-Désert Cité d’Aniane)はアニアーヌ(Aniane)の村だけの範囲のようですね。

ラングドックのGoogle Map上にIGP Saint-Guilhem-le-Désertを重ねました。
Saint-Guilhem-le-Desert切り
見にくいですが薄い白色の部分です。いくつかのAOCを内包しているのがわかります。(AOC Languedoc Saint-Saturnin、AOC Languedoc Montpeyroux、AOC Terrasses du Larzac、AOC Pic Saint Loup など)

ラングドック・ルシヨン全体の地図がこちら。
Languedoc_Roussillon_NEW
AOCだけでも乱立しているのに、IGPもいろいろあったら覚えるのに困りますね。IGPはペイ・ドックだけにしてほしいものです(笑)。


エチケット平面化画像。
IMG_0241
デザインは悪くないですが、安定剤(アカシア、メタ酒石酸)が気になります(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_3157

コルク平面化。
IMG_0804

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
IMG_0805

黒ベリー、プラム。
辛口アタック。
コクと最低限の厚みも感じて楽しめそう。
がぶ飲みワインのちょっと上をいく(笑)感じ。
タンニン・酸のバランスは良好です。


*****

Fonjoya Delta
Tentation de Sud Cuvée Astronomique
Grande Réserve 2020
Sain
t Guilhem le Desert IGP
RRWポイント 87点


Domaine de Castelnau L’Ile Viognier 2017

ヴィオニエを見つけると、産地にかかわらず、すぐ手を出してしまいます。それぐらい好きな白品種のですし、どれを選んでもだいたい満足できます。今日はラングドック、いわゆる IGP ペイドックのヴィオニエ。シンプルなラベルデザインで好感が持てますね。

IMG_8286
ドメーヌ・ド・カステルノーは、ベアトリスさんとクリストフさんのミュレ夫妻(Béatrice et Christophe Muret)によって1997年に創業したワイナリーです。ドメーヌ名はカステルノ・ド・ゲール(Castelnau-de-Guers)というワイナリーの所在の町の名前から来ているようです。2018年にはHVE認証(環境価値重視認証)を取得しており自然にやさしいワイン作りをしているとのことです。この認証のマークはよく見かけるようになりましたね。
IMG_7428


公式ページはトップページに空撮映像があってカッコいいです。情報は少なめかな。

しっかりワイン情報はあります。

・ヴィオニエ 100%

香りが違うというので夜間に収穫されます。収穫自体は機械収穫です。まあ、これは値段的に仕方ないですね。除梗後、低温浸漬。破砕・プレス後、発酵及びシュール・リーで澱と共に熟成されます。亜硫酸塩は必要最小限だそうです。

さあ、ドメーヌ・ド・カステルノーを訪問。
Castelnau01
AOC Languedoc Pézenas の中心地であるペズナ(Pézenas)の町とエロー川(Hérault)を挟んで反対側にあります。車でもペズナからは5分ほどのところですが、コミューンとしてはカステルノ・ド・ゲール(Castelnau-de-Guers)となり、ここは AOC Languedoc Pézenas の対象のエリアには入らず、隣の AOC Picpoul de Pinet の対象コミューンになります。よって、IGP Pays d’Oc の他にピクプール100%の AOC Picpoul de Pinet も作っているようです。
まあ、いずれにしても AOC Languedoc Pézenas は赤のみの AOC なのでヴィオニエが名乗れるわけもなく。ちなみに AOC Languedoc というのは名乗れるかというと、ヴィオニエ100%では AOC Languedoc は名乗れません。なぜならヴィオニエは補助品種には入ってるものの主要品種ではないからです。


さあ、ラングドック・ルシヨンの地図で位置関係を確認しましょう。
Languedoc_Roussillon_NEW
IGP Pay d’Oc なら全域対象。ペイドックは IGP としては最大の生産量を誇るそうですね。ドメーヌ・ド・カステルノーの場所も印しておきました。


エチケット平面化画像。
IMG_7427a
結構横に長いラベルです。イラストは実際のドメーヌに似ていますね。

裏ラベルはインポーターシールがこの有り様でした。
IMG_7427
きれいに剥がせなかったのでそのまま貼っておきます。Mis en bouteille…やアルコール度数、そして肝心の IGP Pays d’Oc の表示が隠れていました。


さあ、抜栓。
IMG_8282

コルク平面化。
IMG_8283

Alc.13%。
黄金糖のような黄色。
IMG_8284

梨、白い花。
程よく酸が効いた辛口アタック。
クリスタルな果実感を感じます。
これがミネラル感?

爽やかで飲みやすいでした。
夏向きですね。

 
*****


Domaine de Castelnau
L’Ile Viognier 2017
IGP Pays d'Oc
WWWポイント78点



WhiteWhiteWine01

Duo des Mers Sauvignon-Viognier 2019 Vin de France

南西地方ガスコーニュのソーヴィニヨン・ブランとラングドックのヴィオニエのブレンドなんだそうで。なのでランクとしては IGP にも入らず「Vin de France」です。ひと昔前の VdT(Vin de Table)、いわゆるテーブルワイン。お値段も1000円ほどとお手頃。こういうのに期待してはいけないんでしょうが、面白いブレンドなのでお試ししたくなります。

IMG_5785
作り手は、LGI Wines というワイングループだそうで、カルカソンヌ(ラングドック地方オード県の県庁所在地)に1999年に設立されています。ただし、裏ラベルには「Les Producteurs Réunis à F34360 元詰め」の表示があり、本当の作り手はこの協同組合のようですね。

LGI Wines の公式ページはこれですが、手広すぎるのか個々のワイン情報まではありません。

ラングドック・ルシヨン、ガスコーニュ、コート・デュ・ローヌと南フランスの広い範囲のワインを対象にしていることはわかりました。

「Les Producteurs Réunis à F34360」というと見覚えがあります。KALDIで買ったペイドックのワインに同じく「Les Producteurs Réunis à F34360 Cébazan」と書かれていました。「F34360」はフランスの郵便番号で、エロー県のサン・シニアン(Saint-Chinian)とセバザン(Cébazan)が該当します。結局これは「Union Caves Coopératives de Cébazan」というセバザンのワイン生産協同組合のことのようです。ここに LGI Wines が委託して作ってるんじゃないでしょうか。

Union Caves Coopératives de Cébazan というワイン生産協同組合はここ。
Moose01
文字通りセバザン(Cébazan)という町にあります。結構モダンで規模も大きそう。AOC Saint-Chinian、AOC Minervois、そして IGP Pays d'Oc などを主力にやってるそうです。テイスティングもできる直売所もあるようです。

今日のワインは、インポーターの飯田ネット情報から以下のようなことがわかっています。
・ソーヴィニヨン・ブラン 70%
・ヴィオニエ 30%
前述のようにソーヴィニヨン・ブランはトゥールーズ西部のジェール県(Gers)、いわゆるガスコーニュ地方から来ています。ヴィオニエはラングドック地方のモンターニュノワール(Montagne Noire)という山地のふもと、ベジエ(Béziers)の近くからだそうです。ベジエ近くの山地のふもとと言うと、結局サン・シニアン(Saint-Chinian)辺りになってしまうんですけどね。

ラングドック地図でセバザンの協同組合の場所を見てみましょう。
Languedoc_Roussillon00
AOC Saint-Chinian 内の白い四角で印をしたところです。カルカッソンヌやベジエの位置も見ておいてください。前に飲んだペイドックのヴィオニエがここのワインでした。ここはヴィオニエをたくさん栽培してるんでしょうかね。

ソーヴィニヨン・ブランはガスコーニュ地方からでした。南西地方の地図を見ます。
Sud_Ouest00
右下がラングドック・ルシヨン(≒ IGP Pays d'Oc)になります。ワイン生産協同組合(Union Caves Coopératives de Cébazan)の場所も示したので南西地方との位置関係が把握できましたね。トゥールーズの西側になるジェール県(Gers)が Gers IGP であり、だいたい Côtes de Gascogne IGP と重なり、この辺りがいわゆるガスコーニュ地方になります。


エチケット平面化画像。
IMG_5722
「Duo des Mers」というと「海のデュオ」ってことですね。だから魚が二匹なのか?


さあ、スクリュー回転。
IMG_0534
超無印~。

Alc.12%。(pH:3.90、Brix:6.0)
ゴールドイエロー。
IMG_5784

洋梨、白桃。
爽やかでみずみずしい香りです。
辛口アタック。
きれいな酸。
やはりヴィオニエの白い花の印象があります。
エレガントな風味ですね~。
ごくかすかな苦味もあり、
安っぽくなく普通に美味しいと言えます。
やはり面白いワインでした。


*****


Duo des Mers
Sauvignon-Viognier 2019
Vin de France
WWWポイント78点



WhiteWhiteWine01

Marius by Michel Chapoutier Viognier 2019 Pay d’Oc

シャプティエのヴィオニエですが、コンドリューではありません。ローヌでさえありません。IGP ペイドックですから、いわゆるラングドック・ルシヨンのどこか産です(笑)。「Marius」というローレンジですが、ローヌ随一の作り手が手掛けるヴィオニエです。悪くないはず。

IMG_5552
M. シャプティエはローヌ、エルミタージュを背後に控えるタン・レルミタージュの町に本拠地がありますが、ローヌのみならず、今日のようなペイドックのワインもたくさん作ってます。スペイン、ポルトガルのワイナリーを所有していたり、オーストラリアにも進出しています。手広いですね。


公式ページはいつもお馴染み。今日の「マリウス」のシリーズもちゃんと載ってます。

データシートもあって素晴らしいです。内容は薄いけど。

別に「Marius by Michel Chapoutier」の専用サイトというのがありました。

専用サイトながらこっちはもっと情報が薄かったです。
・ヴィオニエ 100%
なんと手摘み収穫だそうです。畑は粘土石灰質で小石に覆われた斜面だそうで、なんとなくローヌっぽさを暗示してる感じです。低温浸漬後に発酵。熟成はステンレスタンクでシュールリーというのはわかりました。

作り手訪問は今日のワインがローヌじゃないので割愛。何度も行ってるしね。(笑)

ヴィオニエはフランス・北部ローヌのコンドリューの村が原産。今でこそかなり人気の高いヴィオニエですが、1990年代になって世界中で栽培されるようになるまでは絶滅危惧種(笑)でした。
Viognier
世界中に広まったヴィオニエですが、その昔の1968年は14haまで生産量も落ち絶滅寸前だったといいます。1985年頃でも32haしかなく、ほぼローヌのみでフランス外に出ていない品種でした。その後、評論家に注目され人気が高まり、1990年代になって世界中で栽培されるようになったそうです。
フランス以外では、アメリカとオーストラリアがかなり多いですね。その他は、アルゼンチン、チリに南アってところでしょうか。フランス国内は2018年のデータで6,740haもの栽培面積があり、さすが本国、世界でダントツ(世界の54%)のヴィオニエ生産国です。なるほど、ラングドックからも今日のようなこんなワインが出てくるわけです。


今日のワインの出どころは不明なので、ラングドック・ルシヨン地図を貼っておきます。
Languedoc_Roussillon
公式ページにもIGP ペイドック以外の手掛かりは載ってませんでしたから、もう全く絞り込みはできないわけです。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_5356
「マリウス(Marius)」さんというのは現オーナー、ミシェルさんのお祖父さんに当たる方だそうで、タン・レルミタージュに本拠地を置いたのがマリウスさんだそうです。ミシェル(Michel)さんのお父さんがマーク(Marc)さんで、3代に渡ってイニシャルが「M」。奇しくも(狙ってたのか?)会社名が「M. Chapoutier」のままでずっと行けてるのです。ただし、社名を「M. Chapoutier」に変えたのは先代のマークさんだそうで、そう意味ではこの「M.」は「Marc」の「M」ということになります。(笑)


さあ、スクリュー回転。
IMG_5549
キャップ無印です。ネックには「Marius by Michel Chapoutier」と入ってますが。

Alc.14%。(pH:3.84、Brix:5.3)
イエロー。
IMG_5550

白桃、白い花、花梨。
とろみのある辛口アタック。
青リンゴの風味も感じます。
苦味様のうまみも備え、
ヴィオニエらしい上品さを感じさせてくれました。

コンドリューほどではないですが、
ヴィオニエは安いのを飲んでも裏切りませんね~。


*****


Marius by Michel Chapoutier
Viognier 2019
Pay d’Oc
WWWポイント 79点


WhiteWhiteWine01

White Chocolate Moose Viognier 2019

以前、チョコレート・ムースなるIGPペイ・ドックのカベルネ・ソーヴィニヨンを試しましたが、今日のこれはそれのヴィオニエ・バージョンになります。その名も「ホワイト・チョコレート・ムース」。同じくカルディで売っていたものです。前回も思いましたが、この名前と味に因果関係はなさそうです。(笑)

IMG_4988
作り手は…表ラベルに「Les Producteurs Réunis à F34360 Cébazan」とあります。これはカベソー・バージョンと同じですね。前回も見た例の Union Caves Coopératives de Cébazan というワイン生産協同組合でしょう。

カルディのHPでは例によって情報ほとんどなし。

・ヴィオニエ 100%
くらいしかわかりません。しかし、表ラベルに「Vieilles Vignes」と「Oak Aged」の表記が堂々と書いてあります。何年からがヴィエイユ・ヴィーニュか不確かですし、オーク「樽」と書いてあるわけではないので、そこそこ古い木からのブドウにオークチップを漬けたやつって感じかもしれません。

例の協同組合にもう一度行っておきます。
Moose01
サン・シニアン(Saint-Chinian)の近くのセバザン(Cébazan)という町にあります。結構モダンで規模も大きそう。AOC Saint-Chinian、AOC Minervois、そしてIGP Pays d'Ocを主力にやってるそうです。テイスティングもできる直売所もあるようです。

ラングドックの地図上に白い四角で場所を示しています。AOCサン・シニアンのところ。
Languedoc_Roussillon00
今日のヴィオニエがサン・シニアン産であっても、AOCサン・シニアンの白はグルナッシュ・ブランが主体(30%以上)なので、ヴィオニエ100%ですと必然的にIGPペイ・ドックという扱いになります。

ヴィオニエはフランス・北部ローヌのコンドリューの村が原産。今でこそかなり人気の高いヴィオニエですが、1990年代になって世界中で栽培されるようになるまでは絶滅危惧種(笑)でした。
Viognier
世界中に広まったヴィオニエですが、その昔の1968年は14haまで生産量も落ち絶滅寸前だったといいます。1985年頃でも32haしかなく、ほぼローヌのみでフランス外に出ていない品種でした。その後、評論家に注目され人気が高まり、1990年代になって世界中で栽培されるようになったそうです。
フランス以外では、アメリカとオーストラリアがかなり多いですね。その他は、アルゼンチン、チリに南アってところでしょうか。フランス国内は2018年のデータで6,740haもの栽培面積があり、さすが本国、世界でダントツ(世界の54%)のヴィオニエ生産国です。なるほど、ラングドックからも今日のようなこんなワインが出てくるわけです。


エチケット平面化画像。
IMG_4815
名前が長い分、実はカベソー・バージョンより横長。


さあ、抜栓。
IMG_4984
無印~。コルクもこれだけ。DIAM1なだけマシだと思われ。

Alc.13.5%。(pH:4.57、Brix:7.0)
蜜のようなゴールドイエロー。
IMG_4985

洋梨、花梨、黄桃。
辛口アタック。
味わって、クールな白い花の印象が出てきました。
南仏ですが、新世界の華やかな感じではなく、
落ち着いたまとまりがあって好感が持てます。
ミネラリ―とういうか、喉越しと余韻の苦味系の味わいもいいですね。
ヴィオニエらしさがはっきりあって楽しいです。グー。


*****


White Chocolate Moose
Viognier 2019
WWWポイント 79点



WhiteWhiteWine01

Chocolate Moose Cabernet Sauvignon Oak Aged 2019 Pay d’Oc

IGPペイ・ドックのカベソーなんですが、カルディでジャケ買いしました。チョコレート・ムースと書かれ、ムース(ヘラジカ)の顔がドーンとこちらをにらみつけています。「moose」は確かにヘラジカなんですが、チョコレート・ムースのムースは正しくは「mousse」と書きます。シャレで引っかけてるんでしょうが、何かワインの味と関係があるシャレなんでしょうか? それとも単にインパクト重視?(笑)


IMG_4268
作り手は…表ラベルに「Les Producteurs Réunis à F34360 Cébazan」とあります。セバザン?なんだか聞いたことがあります。前に、これもカルディで買ったカベルネ・フランのモノセパージュと同じワイン生産者共同組合ですね。

この共同組合の公式ページはなく、セバザン市のHP内に紹介があるだけです。
困るんですよね~。情報がなくって。とりあえず、カルディのHPを貼っておきます。

しかし、これさえほとんど情報なし。(笑)
・カベソー 100%
でしょうね。「Oak Aged」とうたってますからオークで熟成はしてるんだろうと思います。ただし、「樽」とは一言も書いてません(笑)。ステンレスタンクにオークチップ投入ってやつかもしれません。

Les Producteurs Réunis de Cébazanというのは、Union Caves Coopératives de Cébazanというワイン生産協同組合のことだと思うので、そこは前にも訪れています。
StChinian03
サン・シニアン(Saint-Chinian)の近くのセバザン(Cébazan)という町にあります。

南仏の田舎だしショボいな~と思っていたんですが、今回改めて訪問すると、隣に近代的で立派な本体と思しき施設がありました。な~んだ、古い方は旧社屋か。そりゃそうですよね。
Moose01
AOC Saint-Chinian、AOC Minervois、そしてIGP Pays d'Ocを主力にやってるそうです。テイスティングもできる直売所もあるようです。

今日はこれ以上広がりようがないので(笑)、今日のワインの IGP Pay d’Oc から掘り下げていきましょう。まず、IGPペイ・ドックとAOCラングドックの対象範囲を比べます。
Languedoc_PaysdOc_INAO
いつものINAOの地図で、左側に IGP Pays d'Oc、右にAOC Languedoc を置いています。まず、IGPの方は、ガール(Gard)県、エロー(Hérault)県、オード(Aude)県、ピレネー・ゾリアンタル(Pyrénées-Orientales)県の4県全域が対象です。AOCラングドックは対象コミューン(地図上の区画はコミューンです。)がかなり細かく決まっていることがわかります。まあ、これは普通によくあるIGPAOCの差ですね。
また、AOC Languedoc というのは、2007年まで AOC Coteaux-du-Languedoc と呼ばれたものが名称変更したもので、同時に、元々 AOC域内で AOC Coteaux-du-Languedoc~なんちゃらと呼ばれていたAOCが、単独AOCや AOC Languedoc~ なんちゃらというAOCに名称変更になっています。(実はこれらAOCの新旧の名称の混在が僕の理解を阻害していました。笑)
ひとつ気になるのは、このINAOの地図を見る限り、AOC Languedoc がルシヨン(Roussillon)地域(ピレネー・ゾリアンタル県)を含んでいることです。「AOCラングドック」=「ラングドック・ルシヨン」ってことになります。まあ、AOCルシヨンなんてのがないからいいのかな。(笑)


長らく課題になっていた(笑)ラングドック・ルシヨンのGoogle Map転記が完成しました。
Languedoc_Roussillon00
今度はちゃんとルシヨンもカバー。書き込みが多くて少々カオスになってますが。(笑)赤・白・ロゼ・泡・VDN(Vin Doux Naturel=天然甘口ワイン)区分も記号で入れています。
先ほどのINAOのAOCラングドックの対象範囲は、ほぼこの地図上のAOCの集合と一致してることがわかります。
唯一、AOC Malepère だけがAOCラングドック対象地図から外れていそうですね。なぜだか考えてみましたが、おそらく、AOCマルペールのみ2007年にAOC昇格する前が、VDQS Côtes de Malepère であり、AOCよりワンランク落ちるVDQSだったため今も仲間外れになっているんじゃないかと想像します。
* VDQSVins Délimités de Qualité Supérieure)とは、2011年まであったフランスのワインの規格で、2011年に全ての産地がAOCに昇格し、事実上廃止されています。(EUのワイン法にこれに当たるカテゴリーがなかったため廃止になったそうです。)

作り手の所在(Union Cavesの印)も書き込んでいます。エロー県のAOCサン・シニアン(Saint-Chinian)のところを探してください。サン・シニアン周辺の農家の協同組合であれば、今日のワインは AOC Saint-Chinian を名乗れそうなものですが、実はカベソーのモノセパージュは認められていません。因みにAOCサン・シニアンの赤の規定は、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、Lladoner Pelut(=Garnacha Peluda)の4種で60%を占めねばならず、他に使用可なのがカリニャン、サンソーです。けっこう古くからのAOCは規定が細かいです。カベソーやメルローなど人気の高い品種を使うとIGPペイ・ドックとなってしまい、その土地の良さを出していても一括りの広域IGPになってしまうのは、なんだかもったいないですね。


エチケット平面化画像。
IMG_4216
チョコっぽい色にチョコレート・ムースの名前。これで味がチョコ風味だったら「一本取られたわい。」となりますが、そこにムース(ヘラジカ)の絵というオチは減点です。(笑)


さあ、抜栓。
IMG_4265
見事な無印(笑)。コルクもこれだけの表示なので平面化はしません。
1年保証のDIAM1ですが、DIAMなだけ偉いです。

Alc.13.5%。(pH:4.33、Brix:7.1)
黒いくらい濃いガーネット。
IMG_4266

黒ベリー、プラム…。
確かにチョコっぽい?(笑)
若い樽香もかすかにあります。
「Oak Aged」ですからね。(笑)
苦味走った辛口アタック。
軽めですがカベソーらしさは出てます。
果実味も充分。
タンニンもいい具合に効かせてあります。

確かに1000円ワインっぽい味ではありますが、
レベルは高めで十分楽しめます。
がんばれ!ぼくらのペイ・ドック!!


*****

Les Producteurs Réunis de Cébazan
Chocolate Moose
Cabernet Sauvignon Oak Aged 2019
Pay d’Oc
RRWポイント 87点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ


写真サイト:
最近ちゃんと写真撮ってますか?

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ