Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Pinot_Noir

Domaine Drouhin Oregon Dundee Hills Pinot Noir 2015

ブルゴーニュのトップ生産者のひとつジョセフ・ドルーアンが早くから目を付けた新天地がアメリカのオレゴン州。1988年にドメーヌ・ドルーアン・オレゴンをウィラメット・ヴァレーに立ち上げます。今日は、初リリースから世界で絶賛されてるというそのドメーヌ・ドルーアン・オレゴンのピノ・ノワールをいただきましょう。今日の2015年はパーカーおじさんの評価は90点だそうでなかなかなものです。2018年には94+点をつけてますね。むむっ。

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ジョセフ・ドルーアンさんがシャブリからボーヌに居を移し、1880年にメゾン・ジョゼフ・ドルーアン (Maison Joseph Drouhin)を立ち上げ、息子のモーリス、孫のロベールと代々事業を拡大していきました。ロベールさんは1961年にアメリカのオレゴン州を訪れ、当時はブドウ畑もないウィラメット・ヴァレーを見て、その自然の美しさに感銘を受けていたという伏線があるのですが、1979年にパリで行われたコンクールのピノ・ノワール部門でオレゴン産のピノ・ノワールがトップ10に入ったのを目の当たりにし、産地としての可能性を直感したそうです。その後も、その入賞したオレゴンのワインを取り寄せ、自身のジョセフ・ドルーアンのワインと飲み比べなんかしています。結果、トップはシャンボール・ミュジニーだったものの、オレゴンのワインは僅差で2位だったそうです。
そして、1986年に娘のヴェロニクさんが醸造学を修了すると、オレゴンに彼女を送り込んでドメーヌ・ドルーアン・オレゴンの立ち上げの準備をさせるに至るわけです。以来、30年以上彼女がドメーヌ・ドルーアン・オレゴンを率いているそうです。


公式ページは立派。本家ブルゴーニュのサイトはフラッシュベースで見られないのに…。(笑)

今日のワインはワイナリーのある「Dundee Hills AVA」なので、ワイナリー近隣の畑からでしょう。
・ピノ・ノワール 100%
手摘み収穫、除梗ありです。ワイナリーは最新式の8層のグラヴィティ・フローなんだそうです。ブルゴーニュでカスタムメイドされたフレンチオーク樽で熟成されるとのことですが、期間は不詳。12~15ヶ月のようです。


さあ、オレゴンのワイナリーを訪問。おっと、ストビューでは入れません。
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その名もダンディー(Dundee)という小さな町のすぐ近くのレッド・ヒルという斜面にあります。グラヴィティ・フロー・システムを構える大きな建物です。もう少し南の Eola-Amity Hills AVA にある Roserock Vineyard という畑も2013年に購入しているそうで、拡大を続けているようですね。


Google Map地図を描く前にオレゴン州のAVAを俯瞰して確認しておきます。
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ウィラメット・ヴァレーは州北部、カスケード山脈の西側に広がっています。ポートランドからセーラム、ユージーンといった都市を含んでいますね。

ウィラメット・ヴァレーの北側、Dundee Hills AVA 周辺にズームイン。
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ドメーヌ・ドルーアン・オレゴンはダンディー・ヒルズAVAにあります。最近も新しいAVAが出来ているようで、追加になったものを書き出します。

・Van Duzer Corridor AVA(2019年認定)
・Laurelwood District AVA(2020年認定)
・Tualatin Hills AVA(2020年認定)

Laurelwood District AVA は、Ribbon Ridge AVA と共に Chehalem Mountains AVA に内包される関係です。
このあたりの情報はオレゴンワインの公式ページにありまして、Oregon AVA の各AVAのかなり詳細な地図はこのページにあります。

ドメーヌ・ドルーアン・オレゴンからはオレゴン州の最高峰フッド山が拝めます。
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標高3,429mだし形も富士山に似ていますね。フジサン、フッドサン、心なしか名前も似ている…(笑)。しかし、ダンディー・ヒルズ、確かにいいテロワールという雰囲気です。


ラベル平面化画像。
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裏ラベルはインポーター貼り替えですが、オリジナル情報しっかり書いてます。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14.1%。(pH:4.04、Brix:7.2)
濃いめのルビー。
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ラズベリー、クランベリー、華やかな香りです。
複雑な滋味香も奥にある感じがします。
ドラマチックな辛口アタックは、
甘みと酸味が織り成す均衡が絶妙です。
フルーティですが、安っぽくない深みがあります。
これは好きな感じです。
喉越しのかすかな収斂性もいい感じ。
パーカーおじさんは「若々しくてシャイ」と評してますが、
まさにそんな感じです。


*****


Domaine Drouhin Oregon
Pinot Noir 2015
Dundee Hills Oregon
RRWポイント 92点


Paul Reitz Mercurey 2016

ポール・レイツ(Paul Reitz)のメルキュレをいただきましょう。コート・ド・ニュイの南の端、コルゴロアン村が本拠地の大手ですが、いわゆるネゴシアン・エルヴール(Négociant éleveur)で、ブドウを仕入れ、醸造・熟成・瓶詰めを自ら行います。ブルゴーニュに多いスタイルですね。シャンパーニュのネゴシアン・マニピュラン(NM=Négociant-Manipulant)と似ています。

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1793年にジーン・アダム・レイツさんがエステートを造ったのが起源だそうで、1872年にポール・レイツさんがコルゴロアン村(Corgoloin)に立ち上げたワイナリー/ネゴシアン・エルヴールが今日の「ポール・レイツ」という訳です。

公式ページの本体は全編Flashベース。2021年の現在はFlashサポート終了で全く見られません。

Flashの終了は早くからわかっていた話ですから、ここは対応をしておいて欲しかったですね。仕方がないので何とかFlashを表示する方法がないかネット上を探し回った結果、怪しい(笑)エミュレータがあったので何とか見られました。これがそのサイトのスクショです。
Website
もう見られませんから今となってはなかなか貴重ですよ。しかし、サイトの情報自体は結構あっさりめのようです。今日のメルキュレもラインナップにあるのはわかりますが詳細情報なし。ネゴシアンのサイトの宿命ですかね。ポール・レイツの情報源はあと facebook がありますが2019年で更新が止まってます。(笑)


コルゴロアン村(Corgoloin)の真ん中にあるポール・レイツを訪問。
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ストビューでは中の立派な建物が拝めなかったので、facebook に上がってた写真を拝借しました。ロゴマークにするぐらい自慢の建物なんでしょう。

コルゴロアン村近辺をGoogle Mapで俯瞰して位置関係を確認します。
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この辺りは単独でAOCになってないコミューンが続きますので影が薄いですね。
プルモー(Premeaux、行政区分上はプルモー・プリセ Premeaux-Prissey)はほとんどがAOCニュイ・サン・ジョルジュ扱いで(D974号線西側は1級)、それ以外の部分の畑も単独ではなく、コンブランシアン(Comblanchien)、コルゴロアン(Corgoloin)、そしてだいぶん北へ飛んで、ブロション(Brochon)とフィサン(Fixin)の一部と合わせ技でAOC Côte de Nuits-Villages を形成しています。(赤・白あり。)

そうそう、今日のワインはコート・シャロネーズでした。
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コート・シャロネーズ(Côte Chalonnaise)は、コート・ドールの南端からの続き、アリゴテのみのAOCブーズロンに始まり、マコネまでに5つのコミュナルAOCがあります。リュリー(Rully)、メルキュレ(Mercurey)、ジヴリ(Givry)までは赤・白両方のAOCで、1級畑もあります。さらに南側のモンタニー(Montagny)は白(シャルドネ)のみのAOCです。

今日のメルキュレはどこの畑なのかも全く情報なし。以前、フェヴレのメルキュレを試した時の地図を再掲してお茶を濁そうと思います(笑)。これもネゴシアンの宿命ですかね…。
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AOCメルキュレは、メルキュレのコミューンだけでなく、隣接するサン・マルタン・ス・モンテギュ(Saint-Martin-sous-Montaigu)も含まれることに注意。

これもフェヴレ(Faiveley)のメルキュレのときのGoogle Map転記地図です。
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プルミエ・クリュ(1級)の分布も示してます。いくつか畑名を書き込んでますが、名前の入った畑はフェヴレの所有する畑です。しかし、醸造施設も構え、畑もいっぱい持ってるフェヴレのメルキュレに対する力の入れようは並々ならぬものですね。


エチケット平面化画像。
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「Élevé et mis en bouteille par~」となっていますが「熟成および瓶詰めしてます」ってことで、ただのメゾンじゃないぞって主張してます。ネゴシアン・エルヴール(Négociant éleveur)でしたね。裏ラベルはなくインポーターシールのみ。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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キャップもコルクもごく普通の汎用品でした。

Alc.13%。(pH:4.28、Brix:7.0)
しっかりルビー。
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フランボワーズ、チェリー、佃煮香も。
酸味からくる辛口アタック。
複雑味、奥行きがあるのは感じるんですが、
最初の酸ががっつりマスクしますね。
喉越し余韻と時は流れても酸はそこに居る(笑)。

このパターン、よくあるので慣れてきたんですが、
好みとしてはいまだ高評価はしにくいんですよね。


*****


Maison Paul Reitz
Mercurey 2016
RRWポイント 88点


Domaine Michel Gros Bourgogne Côte d’Or 2018

ヴォーヌ・ロマネの名門グロ家の本筋に当たるのがミシェル・グロですが、2017年に新しく認められたAOC、ブルゴーニュ・コートドールAOC Bourgogne Côte d’Or)を出してるじゃないですか。以前はただのAOCブルゴーニュだったんでしょうが、「Côte d’Or」が付いたってことは、D974号線東側とかなかなか侮れない畑が確定のようなもんです。以前オート・コート・ド・ニュイを試してますが、そんな山の手より村名や格付け畑に近いはずです。調べてみましょう。

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19世紀から続くヴォーヌ・ロマネ村の名門グロ家が、なんだかんだで暖簾分けして、いくつもグロがあるのはご承知の通りです。

・Domaine Jean Gros(先代にして本家。今はもうない。)
Domaine Michel Gros(上記ジャン・グロが元。長男の本筋。)
・Domaine AF-Gros(妹。嫁いで今はポマールにあります。)
・Domaine Anne Gros(従妹。ミシェル・グロの隣の隣です。)
・Domaine Gros Frère & Soeur(弟のベルナールさん。)

ということで、今日のミシェル・グロは本家ジャン・グロの正統後継者ということで、父ジャン・グロのドメーヌ自体と、一族を代表する畑、ヴォーヌ・ロマネ1級のクロ・デ・レア(Clos des Réas)を(兄弟で分割することなく)モノポールで受け継いでいます。

わかりやすい系図が公式ページに載っていたので拝借しました。
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グロ家一族、みんな仲が良さそうでいい感じです。

公式ページは一見中途半端な感じですが日本語ページもあって好感は持てます。
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ミレジム毎に分類されていて、データシートに行き着くのに少々手こずりましたが情報はしっかりしていました。
・ピノ・ノワール 100%
醸造については「伝統的なブルゴーニュの醸造」とあっさり。最初の6ヶ月はセラーに常設の(?)樽に収容され、その後12ヶ月、1~3年落ちのオーク樽で熟成させるとのこと。これらユーズドの樽は上級のワインに使ったもので、その香りを受け継ぎ複雑さを与える効果があるとか。

ヴォーヌ・ロマネ村の元ジャン・グロ、ドメーヌ・ミシェル・グロを訪問。
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DRCはじめ名だたる蔵がひしめき合ってます。一族のグロ・フレール・エ・スールやアンヌ・グロも近くにあります(黄色いチェックマーク)。ミシェル・グロのモノポール、三角形のクロ・デ・レア(Clos des Réas)の畑の位置関係もご確認ください。


今日のメインエベント、AOCブルゴーニュ・コートドール(AOC Bourgogne Côte d’Or)です。コートドールが付いただけと思うなかれ。実は対象地域は元のAOCブルゴーニュとはずいぶん違います。まずは、その対象範囲を確認。例によってINAOの地図を見てみます。
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左側が元来のAOCブルゴーニュの対象範囲の地図です。右側が今回のAOCブルゴーニュ・コートドールの対象範囲を示す地図になります。
具体的には右の地図の「AOP Bourgogne DGC Côte d’Or」が示す範囲(濃い黄色線で囲われた部分)になるんですが、もともとのAOCブルゴーニュ(左側の地図)がグラン・オーセロワからボジョレーまで広範囲に渡っていたことからすると、ずいぶんと限定されています。

このAOCブルゴーニュ・コートドールの範囲をGoogle Map上に重ねます。赤線で囲った部分。
Cote_d'Or_Area0
シュノーヴからマランジュまで、まさにコートドール(=コート・ド・ニュイ+コート・ド・ボーヌ)の全範囲。特級・1級畑を含む村名AOCの集合体と重なります。それでも基本は県道D974号線の東側(もともとのAOCブルゴーニュ)がメインになるんでしょうけど…。
山側のオート・コート・ド・ニュイ/ボーヌはこの範囲からは外れているのがわかります。これらはそれぞれ単独で、AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits / Beaune という「地理的呼称付きブルゴーニュ」が名乗れますからね。AOCブルゴーニュ・コートドールが、これら「地理的呼称付きブルゴーニュ」の仲間入りをしたということです。なので、オート・コートの部分とは並立の関係です。
AOCブルゴーニュ・コートドールは、今までにもあった、地理的呼称DGCDénomination Géographique Complémentaire)がついたAOCブルゴーニュと同じ扱いで、地域名(レジョナル)AOCブルゴーニュでありながら、その中の特定のエリアに限定するものということです。

AOC Bourgogne Côte d’Or が仲間入りし、全部で14になった地理的呼称付きAOCブルゴーニュDénominations Géographiques Complémentaires de l’AOC Bourgogne)を列挙します。(順不同)範囲・場所は書きませんので勝手に調べてください(笑)。

・AOC Bourgogne Côtes d'Auxerre
・AOC Bourgogne Chitry
・AOC Bourgogne Epineuil
・AOC Bourgogne Coulanges La Vineuse
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Beaune
・AOC Bourgogne La Chapelle Notre Dame
・AOC Bourgogne Le Chapitre
・AOC Bourgogne Montrecul(Montre-Cul)
・AOC Bourgogne Tonnerre
・AOC Bourgogne Côte Saint-Jacques
・AOC Bourgogne Côte Chalonnaise
・AOC Bourgogne Côtes du Couchois
AOC Bourgogne Côte d’Or

AOC Bourgogne Vézelay というのもありましたが、AOCブルゴーニュ・コートドール誕生と同じくして2017年に単独 AOC Vézelay に昇格しています。


さて、ミシェル・グロのAOCブルゴーニュ・コートドールの畑ですが、実は公式ページにすべての所有畑の「区画」がGoogle Map上に図示してあり、それでバッチリ正確な場所がわかります。
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黄色丸で囲った部分です。0.80haあり、平均樹齢40年のピノ・ノワールのみが植えられ、ここから平均年間7,000本が生産されるということです。完璧な情報です。ブラボー。
土壌は、更新世(洪積世)の砂と砂利の下層土に粘土質ローム層であり、石灰成分が少ないこれらの土壌からは、紫色の色調とかなり強い酸性度を備えたワインができるそうで、非常にフレッシュで香り高いものになるとのこと。これまた完璧です。

この畑は、かつては(今もですが)AOCブルゴーニュの畑とは言え、ヴォーヌ・ロマネ村内です。いつもの地図(ラック・コーポレーション様より拝借)で位置関係を確認しましょう。
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県道D974号線の東側、「Lutenière」という名前のようですね。

Google Mapで現地へ行ってみます。おっと、ストビューで近寄れませんね。
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まあ、でも雰囲気はわかりました。すぐ近くに鉄道が走っています。クロ・デ・レアの畑から700mの距離。ロマネ・コンティの畑から1500mです。(笑)


エチケット平面化画像。
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イラストはクロ・デ・レアの畑です。裏ラベルはインポーターシールのみ。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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一応、コルクはブルゴーニュ・コートドール専用品。しかし「P」印ってなんだ?

Alc.14%。(pH:4.09、Brix:7.0)
しっかりルビー。
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フランボワーズ、フレーズ。
香り高いですが、ゼラニウムっぽいのも少し感じます。
穏やかな酸味が乗った辛口アタック。
深みのある味は、その酸と見事な均衡を見せます。
複雑なようでシンプルな構造の味わいは素直に楽しめます。
今もいいけど、数年後が楽しみになるようなポテンシャルも感じます。

ブルゴーニュ・コートドール。レジョナルではありますが、
ミシェル・グロのそれはなかなかのレベルとお見受けします。


*****

Domaine Michel Gros
Bourgogne Côte d’Or 2018
RRWポイント 93点


Greg Norman Estates Pinot Noir Santa Barbara 2017

コストコで売ってるグレッグ・ノーマンです。知る人ぞ知る往年のゴルフの大スターですが、ワイナリーもやっておられるのですね。今は自分はやらないゴルフですが、その昔コブラのグレッグ・ノーマンのアイアンを使っていたのを思い出しました。懐かしい~。(笑)

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グレッグ・ノーマンは「The Shark」の異名で人気を博してましたから、今でもサメがシンボルマークのようです。サメの背ビレがデザインされたお洒落なラベルです。いろいろ手広くビジネスをされていたようですが、1996年にグレッグ・ノーマン・エステーツを設立しワイナリーも始めたということです。面白いのはグレッグ・ノーマン自身がオーストラリア人なので、オーストラリアやニュージーランドのワインもラインナップしているところです。


公式ページはカッコいいですが、ワイナリー自体の情報は貧弱で、所在が不明。

ワイン自体はデータシートでしっかり紹介されています。
・ピノ・ノワール 100%
熟成は一部のみをフレンチオーク樽で、残りはステンレスタンクで12ヶ月です。

ワイナリーを訪問したいんですが、住所不明。裏ラベルにはソノマの Healdsburg となっていましたが、場所は特定できませんでした。


ワインはサンタ・バーバラ・カウンティAVA(Santa Barbara County AVA)ということですが、「水はけのよい砂岩と石灰岩の土壌でノース・キャニオンの涼しいヒルサイドからのブドウ」としかわかりません。(AVA=American Viticultural Area)
Santa-Barbara_AVA
サンタ・バーバラの地図を眺めたところでわからないものはわかりませんね。(笑)

サンタ・バーバラ・カウンティAVAはセントラル・コーストAVAに属します。
CentralCoast_AVA
ネットで拾った地図を貼るだけじゃ、なかなか理解度が上がりませんね。

よ~し、カリフォルニアAVAまとめ地図を作ってカリフォルニアを俯瞰しておきましょう。
California_AVA
ノース・コースト(North Coast)AVA、シエラ・フットヒルズ(Sierra Foothills)AVA、セントラル・ヴァレー(Central Valley)AVA、セントラル・コースト(Central Coast)AVA、サウス・コースト(South Coast)AVAと大まかに5つの広域AVAがあり、それ以下はカウンティ(郡)ベースで細分化されていく感じですね。右側にそれぞれの主要なAVAを挙げています。(全部じゃないです。全AVAは100個以上あって書ききれません。笑)


ラベル平面化画像。
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サンタ・バーバラにピンが立ってますね。(笑)

コストコのシールはこんな具合。
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さあ、スクリュー回転。
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Alc.13.9%。(pH:4.57、Brix:7.7)
濃いめルビー。
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ラズベリー、ストロベリー、スミレ。
酸味、甘みはっきり感じるアタック。
味わい自体は弱めで酸と甘さに負けてますね。
各要素は悪くないんですが、少々バランス悪し。
カリフォルニアっぽいっちゃあ、ぽいです。
うまいアメリカのピノはオレゴンで探そうと改めて思いました。(笑)


*****


Greg Norman Estates
Pinot Noir Santa Barbara 2017
RRWポイント 86点


Domaine Berthaut-Gerbet Fixin Les Clos 2017

フィサン(Fixin)に18世紀後半から続くというドメーヌ・ベルトー・ジェルベです。正確にはフィサンのドメーヌ・ベルトー(Domaine Berthaut)が2013年にヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・フランソワ・ジェルベ(Domaine François Gerbet)の一部畑を引き継いでドメーヌ・ベルトー・ジェルベ(Domaine Berthaut - Gerbet)となっています。なにやらややこしそうですが、そこのフィサン村名「Les Clos」をいただきながら紐解いていきたいと思います。

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ドメーヌ・ベルトー・ジェルベとなってから評価も高まってるようですが、その立役者は、父ドニ・ベルトー(Denis Berthaut)さん、母マリー・アンドレ・シャンタル・ジェルベ(Marie-Andrée Chantal Gerbet)さんの娘、アメリー・ベルトー(Amélie Berthaut)さんです。
父がフィサンのドメーヌ・ベルトーの当主、母がヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・フランソワ・ジェルベの当主というわけですが、ボルドー大学でワイン醸造学を学び、名だたるドメーヌで修行をした後、2013年に父のドメーヌを継ぎ、母方の名字を加えた「ドメーヌ・ベルトー・ジェルベ」に名称変更しました。この時、ヴォーヌ・ロマネの1級畑やエシェゾー特級畑を含む母のドメーヌの畑を一部もらっているため、ラインアップは大幅に拡充されたというわけです。

公式ページはこじんまりした感じですが内容は充実しています。

エチケットから各ワインの説明ページに入れるんですが、そこの情報は少々貧弱でした。
・ピノ・ノワール 100%
フィサンの「Les Clos」という村名畑ですが、1級畑と標高が同じ粘土石灰土壌で樹齢が10~80年…くらいしか書いていません。 インポーターの情報ですが、100%除梗、新樽率20%のオーク樽で12ヶ月の熟成のようです。


ドメーヌ訪問します。フィサンの集落の真ん中です。
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門に「Vincent et Denis」とありますが、ヴァンサンさんとドニさん(アメリーさんの御父上)はご兄弟です。

先々代のギー(Guy)さんの時代に向かいの建物も買ったそうで、これがそれ。
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その頃も、メタヤージュ(Métayage・折半耕作)でジュヴレ・シャンベルタン(1級・村名)の畑を獲得、ビジネスを拡張していったそうです。

公式ページに所有畑の区画を示した地図がありました。よくわかるので拝借。
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コート・ド・ニュイの特級、1級、村名畑の分布がよくわかります。母から引き継いだのが、ヴォーヌ・ロマネやエシェゾーですね。ヴォーヌ・ロマネは1級ながらクロ・パラントゥーのすぐ横。1万2千円くらいみたいです。買おうかな~(笑)。

いやいや、まずは今日のフィサン村名です。いつもお世話になってる地図で場所確認。
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「Les Clos」ありましたね。山手の方で1級畑と高さが同じってこういうことですね。地図にあるようにフィサン村名畑は「Côte de Nuits Villages」も名乗れます。しかし、最近はフィサンの名前も売れてきたので、フィサン名の方が売れるんではないでしょうか。

やっぱりですが、Google Map上で見てみますよ。
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ブルゴーニュ・ツアーではフィサンの集落を貫くグラン・クリュ街道をミニバンで爆走しました。今日のドメーヌのすぐ近くを通っていたんですね。懐かしい…。

今日の畑、レ・クロ(Les Clos)に行ってみますよ。
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うん、なかなかいい感じ。この風景をつまみに今日のワインもおいしくいただけそうです(笑)。


エチケット平面化画像。
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しかし、イラストのこのおっさんは誰でしょう?

裏ラベルはなく、このインポーターシールのみ。
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さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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畑名まで入った専用品。ミレジムも定位置に入っていて完璧です。

Alc.13%。(pH:4.24、Brix:6.4)
しっかり色づいたルビー。
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フランボワーズ、チェリー。
こなれた樽香か、軽めの滋味香感じます。
辛口アタック。
酸はしっかりあるんですが控えめなポジションに居ます。
複雑味、奥行きも感じ、全体としていいバランスです。
酸は余韻で主張を始め、最後まで存在感を出しますね。
もう数年寝かしたいところでした。
しかし、レベルはなかなか高いとお見受けしました。


*****


Domaine Berthaut-Gerbet
Fixin Les Clos 2017
RRWポイント 92点


Michel Tissot & Fils Crémant du Jura Rosé Brut

ジュラの泡、クレマン・デュ・ジュラCrémant du Jura)のロゼをいただきます。このAOCは白とロゼがありますが、ピノ・ノワールとローカル品種の黒ブドウを使ったロゼの方が面白そうなのでお試しです。お勉強だけしていると、変な形のクラヴランに入った黄ワイン(Vin Jaune)が6年も熟成してるとか、藁の上で陰干しする藁ワイン(Vin de Paille)だとか、ジュラを知識先行の奇異の目で見てしまいますが、実際は多様で個性的なワインがいろいろあって楽しいということがわかってきました。やはり、「百聞は一飲にしかず」です。(笑)

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実は結構歴史の古いジュラにおいて、ジュラ最古の生産者であり、ジュラで初めての瓶内二次発酵スパークリングを生み出したのが、このワインに名前のあるティソ家なんだそうで。
ジョセフ・ティソ(Joseph Tissot)さんが、1896年に Maison Tissot というネゴシアンを立ち上げ、自社ワインや近隣の協力農家からのブドウでワインを作って売り出します。1920年には息子のミシェル・ティソ(Michel Tissot)さんがスパークリングワインの生産を始めたそうです。なるほど、今日のワイン名はここから来てそうですね。
1948年にこのミシェル・ティソさんは、ジュリエット・クラヴラン(Juliette Clavelin)さんと結婚するんですが、このジュリエット・クラヴランさんのご先祖がヴァン・ジョーヌ(Vin Jaune)用の620mlビン、クラヴラン(Clavelin)の名前の元になってるというので驚きました。ティソ家はまさにジュラの歴史ですね。
ミシェル・ティソさんのメゾン・ミシェル・ティソは、2005年に同じくジュラの名門ネゴシアン(1632年から続くそうです)であるアンリ・メール(Henri Maire)に買収されています。ここはティソ・メール(Tissot Maire)というブランドでクレマン・デュ・ジュラを展開しているんですが、一部ミシェル・ティソ(Michel Tissot & Fils)ブランドも残しているようです。今日のワインがそれですね。

ティソ・メールの公式ページはこれ。以上の歴史はここからいただきました。

今日のワインもこのティソ・メールのものと同じスペックと思われます。
・ピノ・ノワール
・トゥルソー(Trousseau)
・プルサール(Poulsard)
比率は不明ですが、ピノ・ノワールが主体に若干のトゥルソーとプルサールとあります。1995年制定のAOCクレマン・デュ・ジュラの規定ではこれら3つの品種が50%以上であればOKです。瓶内二次発酵の「Méthode Traditionelle」にて熟成は澱と共に9ヶ月との規定ですが、これは12ヶ月やっているようです。

ピノ・ノワール、トゥルソー、プルサールの外観です。
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何%かはわかりませんが、しっかりローカル品種が入ってるのがうれしいですね。
クレマン・デュ・ジュラAOCの白(Blanc)でも、現地のシノニムでムロン・ダルボワ(Melon d'Arbois)と呼ばれるシャルドネに加え、ピノ・ノワールとトゥルソーを合わせて70%以上にしないといけない規定です。白品種のサヴァニャン(Savagnin)も使用可ですが必須ではありません。黒ブドウがかなり幅を利かせていると言えますね。

アンリ・メール、もしくはティソ・メールを訪問。アルボワ市街から車で10分の郊外です。
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上空から見ると近代的でかなり大きな施設であることがわかります。


さて、AOCクレマン・デュ・ジュラの範囲ですが、このようにジュラ全域です。
Jura01
これは、広域の AOC Côtes du Jura(赤・白・ロゼあり。Vin Jaune、Vin de Paille も全域であります。)と全く同じ範囲です。

以前描いた地図でジュラ全域をGoogle Map上で見ておきましょう。
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緯度的にはボーヌ以南のブルゴーニュとほぼ同じで、距離も車で1時間以内の距離です。遠く離れたシャブリがなんでブルゴーニュ?と思うぐらいジュラの方が近い。(笑)

ジュラ・ワインの公式ページにもっといい地図がありましたので貼っておきます。
Jura02
地図の形状が違いますが、対象コミューンと実際の栽培範囲との差なんでしょうね。ずいぶんとジュラが身近に思えてきました。そろそろ黄ワインや藁ワインにも手を出そうかな…。


エチケット平面化画像。
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さあ、抜栓。
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あちこちジュラとは書いてますが、ミュズレは無印です。

Alc.12%。(pH:3.89、Brix:6.7)
サーモンピンク。
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ベリーっぽくもあり白桃っぽくもあり。
辛口アタック。
苦味様の複雑味は黒ブドウ由来ですかね。
奥行き感じる泡としてなかなか秀逸と思います。
白ワインカテゴリー(WWWポイント)で評価します。


*****


Michel Tissot & Fils
Crémant du Jura Rosé Brut
WWWポイント 79点


Karl Haidle Spätburgunder Trocken Stubensandstein 2018 Württemberg

カール・ハイドルというドイツはヴュルテンベルク(Württemberg)の作り手のシュペートブルグンダー(Spätburgunder)、すなわちピノ・ノワールです。VDP.の Gutswein の等級マークがついていますが、店頭では隣に同じ作り手の Erste Lage のものも置いてました。一瞬迷いましたが、平常運転、お手頃のグーツヴァインの方を選びました。はてさて、吉と出るか凶と出るか…。

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カール・ハイドル(Karl Haidle)は、カール・ハイドルさんが1949年にシュトゥットガルトに近いレムス渓谷(Remstal)で設立したワイナリーです。0.5haで始めた畑は現在19haにもなり、この地で協同組合ではなく個人でワイナリーを成功させた先駆者とされているようです。現在は2代目のハンスさん、3代目のモリッツさんが運営をしています。

公式ページは、ワイナリー紹介、畑紹介などなかなか充実の内容でした。
KarlHaidle1A
ワイン紹介は、今日のワインのデータシートがリンク切れのようで残念。
・ピノ・ノワール 100%
オークの大樽とバリックの併用で熟成させるようですが期間がわかりません。

今日のワインは VDP. のグーツヴァイン(Gutswein)の等級となっていますが、VDP.(ファーデーペー、Verband Deutscher Prädikatsweingüter)の格付けについておさらいをしましょう。
ドイツの QbA や Prädikatswein の等級は甘さが基準で品質自体がわかりにくいこともあり、VDP.(ドイツ高品質ワイン醸造家協会)が1910年に独自に審査・認定を始め、畑に格付けをしています。テロワール重視のフランス式と考えればわかりやすいです。
キャップシールに VDP. ロゴ(鷲のマーク)が入り、以下の等級が表記されます。

Gutswein(グーツヴァイン)・・・地域名ワイン
Ortswein(オルツヴァイン)・・・村名ワイン
Erste Lage(エアステ・ラーゲ)・・・1級畑ワイン
Grosse Lage(グローセ・ラーゲ)・・・特級畑ワイン
 この特級畑からの辛口ワインには、特に、
Grosses Gewächs(グローセス・ゲヴェックス)・・・“Grand Cru”
 と表記され、Qualitätswein trocken が併記されます。

今日のワインは Gutswein(地域名ワイン)。同様に Qualitätswein trocken が併記されてます。


ワイナリー訪問。ロゴマークにある建物が畑の真ん中にありました。
KarlHaidle00
ワイナリー自体はこの畑のすぐ麓にあります。丘の上の建物はイーブルク城 (Y-Burg)といって建てられたのは1300年頃といいます。なんだかんだあって18世紀頃に壁だけが残るまで破壊されたそうです。この建物を取り囲む畑はカール・ハイドルの畑なので、イーブルク城もワイナリーの所有なんでしょうね。マークに使ってるくらいですから。

公式ページに所有畑の地図があったので Google Map にインポーズします。
KarlHaidle03
最初の写真に写ってる畑全部なんですね。この地図の範囲外にもまだ所有畑はありました。

今日のワインは地域名ワインで、ヴュルテンベルク(Württemberg)が産地です。ドイツの(13ある)生産地のひとつでありまして、場所としてはバーデンの東側に広がっています。
Wurttenberg02
この地図にも書かれていますが、ヴュルテンベルクには大きく4つのベライヒ(Bereich)があります。以下の4つになります。

Kocher-Jagst-Tauber(コッハー・ヤークスト・タオバー )
Württembergisch-Unterland(ヴュルテムベルギッシュ・ウンターラント )
Remstal-Stuttgart(レムシュタール・シュトゥットガルト)
Oberer Neckar(オーベラー・ネッカル )

また、地図外ですが、少し離れたボーデン湖畔にも飛び地のベライヒがもう2つあります。湖の北岸東側で Württembergischer Bodensee(Nonnenhorn、Wasserburg、Lindau)と Bayerischer Bodensee(Kressbronn周辺)といいます。ボーデン湖周辺はややこしい…。

今日のワインは Remstal-Stuttgartレムシュタール・シュトゥットガルト)のベライヒになりますが、見にくい地図なので、Google Mapに転記してワイナリーの所在を確認します。
KarlHaidle01
シュトゥットガルトの東側ですね。シュトゥットガルトはバーデン・ヴュルテンベルク州の州都であり、ネッカー川が町を流れる大都市です。ベンツやポルシェの本社と博物館があったりします。

ワイン産地としてのヴュルテンベルクのカギとなるのがやはり川です。上の地図にも書き込みましたが、川だけに着目するとこんな具合に流れています。
KarlHaidle02
ネッカー川(Necker)はマンハイムでライン川と合流しますので、ライン川の支流ということになりますが、ヴュルテンベルクの主要な4つのベライヒを貫く大きな川です。


ラベル平面化画像。長~い一枚ものです。
IMG_5013
ユーロリーフが付いてますね。ヴィーガンワインのようです。
インポーターシールが隠しているのはバーコードだけでした。セーフ。


さあ、スクリュー回転。
IMG_5053
Ortswein(オルツヴァイン)以下はスクリューキャップ仕様のようです。キャップにはエンボスのマークが入っていてカッコいいですが。

Alc.12%。(pH:4.11、Brix:6.2)
ルビー。
IMG_5055

ラズベリー、ストロベリー、チェリー。
青み、茎っぽさもかすかに感じます。
辛口アタック。
大人しめの酸はいい感じですが、
味の芯は弱めで酸に負けています。
すると後味でもその酸は引きずるんですよね。

ライトなピノとしてよしって感じなんですが、
やっぱりもう一つ上のグレードが良かったのでしょうか。
(笑)


*****

Karl Haidle
Spätburgunder Trocken 
Stubensandstein 2018
Württemberg
RRWポイント 88点


Bouchard Père & Fils Bourgogne Pinot Noir La Vignée 2018

前にも2015年を試しているブシャール・ペール・エ・フィスです。特に好みなわけでもありません。たまたま特価で売っていたので手を出してしまった的な…(笑)。どちらかというと、過去に本や漫画(漫画ソムリエ 第6巻 Vintage 45:不正)で読んだブシャール・ペール・エ・フィス社が1987年に起こした不祥事の印象で避けていたくらいです(笑)。

IMG_4994
1731年もの昔にミシェル・ブシャールによってボーヌに設立されたブシャール・ペール&フィスは、ブルゴーニュで最も古い作り手の1つであり、コートドールで最大の地主の1つでもあります。(現在、所有畑130haの内、74haが1級畑、12haが特級です。)
そんな偉大なドメーヌがしくじったのが1987年の不正事件です。フランスでは法律で禁止されている補糖と補酸の併用を行っていたことが発覚。その上、補糖の量自体も法律の制限量を上回っており、さらには原産地表示以外のブドウも使っていたというから驚きです。そして事件当時の経営者が吐いた言葉が、「みんなやってるのに何でワシだけパクられるねん!」だそうです。(笑)
案の定、その後会社は傾き、1995年にシャンパーニュ・アンリオを所有するジョゼフ・アンリオ氏に身売りをすることになります。しかし、アンリオ氏が経営を引き継ぐと、畑から醸造からあらゆる面に改革が行われ、現在のブシャールの品質は向上し、再び世界に名が知れ渡るドメーヌに返り咲いているということです。
ただ個人的には、そういうネガティブな話は印象に残るものでして、なんとなくいや~な感じを感じながらの抜栓となっちゃうんですよね。(笑)

公式ページは大ドメーヌの風格でしっかりしてますよ。

今日のAOCブルゴーニュもちゃんとデータシートまであります。
・ピノ・ノワール 100%
ただし、畑の場所はわかりません。シャブリからボジョレーまでのどこかです(笑)。買いブドウ(マスト)か買いワインだとはっきり書いています。熟成は10~15%だけフレンチオーク樽で、残りはステンレスタンクで9~10ヶ月だそうです。まあ、レジョナルですからこんなもんでしょう。

ただ、ひとつ気になるのは、裏ラベルの添加物の「安定剤アカシア)」の表示。たまに安ワインの表示で見かけますが、調べると現物はこの写真のような樹脂だそうです。(オエッ…笑)
Bouchard02
アカシア属アラビアゴムノキの樹皮から採るそうで、「アカシア」の代わりに「アラビアガム」と表示されることもあります。自然由来ですし、禁止されているわけでもなく、乳化剤や安定剤として広く使われているもののようです。例えば、アイスクリームやガムシロップ。あと、清涼飲料水の類、特にコーラはこれなしには成分が均一に混ざらないそうです。まさに安定剤なわけですね。
しかし、待てよ? たいていのワインはこんなもの入れずに作ってますよね。やはりこれは真っ当な作り方を端折って、それなりの味わいを作為的に作り出そうとして入れるもんなんでしょうね。

添加物の安定剤、ペイ・ドックの安いワインでも見かけますが、自分の経験上として過去の記録を調べてみると、なぜか南アフリカが特に多かったです。これは「アラビアガム」の例。
Bouchard03

De Wetshof という作り手では「安定剤(CMC)」とあります。
Bouchard04
CMCは Carboxymethyl Cellulose(カルボキシメチルセルロース)のことで、天然パルプ由来のセルロースを加工して作られた増粘安定剤だそうです。これも無害なんでしょうが、真っ当なワイン造りではないところで、とろみや粘りを出そうとしてるわけですよね。今日のブシャール同様、何となく釈然としません。そうそう、調べていて気がついたんですが、南アフリカは他国では見られない「酸味料」という謎の添加物の表示も多かったです。要注意ですね。

今日はなんだかすごく脱線(笑)。恒例の作り手訪問はしておきましょう。
Bouchard01
ボーヌの鉄道駅から市街へ向かって歩いて5分。旧市街の外郭に到達してすぐのところですね。なんとお向かいがアルベール・ビショーでした。


エチケット平面化画像。
IMG_4896
「安定剤(アカシア)」が燦然と輝いています(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_4992
キャップシールなんかはカッコいいですよ。

コルク平面化。
IMG_4989
汎用品ですが、DIAMのいくつだろう? 3? 5?(笑)

Alc.12.5%。(pH:4.42、Brix:7.1)
しっかり色づいてるルビー。
IMG_4990

フランボワーズ、チェリー、ベリーの酸味の香り。
辛口アタック。
控えめで程よい酸味と複雑さも感じる味があります。
軽さはありますが、フレッシュ感として解釈可能。
後味で少々水臭い気がするんですが、
総論としてなかなかうまくまとまっています。

昔飲んだ2015年よりずっといいですね。
これが「安定剤(アカシア)」の効果なんでしょうか?
(笑)


*****

Bouchard Père & Fils
Bourgogne Pinot Noir La Vignée 2018
RRWポイント 90点


MontGras Antu Pinot Noir 2017 DO Valle de Leyda

チリですが、ちょっと上等そうなピノ・ノワールを発見しました。作り手はモングラス(MontGras)。アメリカにいた頃は、モングラスのカルメネールや、4種ブレンドの「クワトロ」なんていうワインがあちこちに売っていたのでよく飲んでいましたが、日本ではあまり見かけませんね。なかなかおいしいワインを造るところという印象なので楽しみです。

IMG_4982
モングラスは1993年にコルチャグア・ヴァレーで始まりました。エルナンとエドゥアルドのグラス兄弟が創設者&現オーナーです。コルチャグアにとどまることなくマイポ・ヴァレー(Alto Maipo)やレイダ・ヴァレー(Leyda Valley、San Antonio Valley)にも進出して成長目覚ましいようです。今日のピノ・ノワールはそのレイダ・ヴァレーからですね。

公式ページは今風のいい感じです。データシートも豊富に準備されています。

「Ninquén」というカベソーのフラッグシップがあり、その下がこの「Antu」というシリーズになっています。「Antu」とは原住民の言葉(マプチェ語)で「太陽」の意味だそうで。
・ピノ・ノワール 100%
レイダのピノ・ノワールなので、載っていた「Limited」というやつと基本同じだと思うのですが、今日のは Limited と書いておらず、ワインメーカーのサインも違っています。公式に載ってないワインもあるのかもですが、同じだとすれば、228Lと500Lのフレンチオーク樽で12ヶ月の熟成だそうです。


モングラスはコルチャグア・ヴァレー、パルミージャ(Palmilla)近くにあります。
MontGras00
残念ながらストビューで近寄れず、上空写真でお茶を濁します。コルチャグアの主要河川ティンギリリカ川(Río Tinguiririca)が近くを流れています。おっと、「コルチャグア」って地名がありますね。ショボすぎて町でさえなさそうですが、まさかここからコルチャグア・ヴァレーと名付けたんでしょうか。

ラペル・ヴァレー(コルチャグア+カチャポアル)のリベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)を俯瞰してモングラスの場所を確認。
MontGras02
モングラスはコルチャグアに畑を3ヶ所所有。サン・ホセ(900ha)、ニンケン(100ha)、プマンケ(2007年取得)です。カベソー、カルメネール、メルロー、シラーなんかはこの辺りからです。

今日のピノ・ノワールは少し離れた、サン・アントニオ・ヴァレーのサブリージョンになるレイダ・ヴァレー(Valle de Leyda)からになります。地図で示すとここ。バルパライソ州です。
MontGras03
アマラル(Viña Amaral)と呼んでるそうです。海岸から12kmしか離れておらず、いわゆる「コスタ(Costa)」に分類される海洋性の気候です。フンボルト海流の影響を受け冷涼な気候となり、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、そしてピノ・ノワールにうってつけだそうです。

Google Mapで大体の場所がわかったのでズームインしてみます。
MontGras01
ここに650haもの畑を開いているそうです。マイポ川の河畔で良さげな立地です。実際、標高や日照からくる影響のみならず、マイポ川流域の沖積堆積物、海洋堆積物からの石灰質、沿岸山脈に由来する花崗岩など、ありとあらゆる要素が絡み合い複雑なミクロクリマを形成しています。チリのテロワール、あなどるなかれですよね。


ラベル平面化画像。
IMG_4736
インポーターのヴァンパッションのサイトでは新生ドメーヌ 「ドメーヌ・デ・グラス」と紹介されています。そんなに新しくもない「モングラス」なんですけどね。


さあ、抜栓。
IMG_4979
キャップシールの太陽(?)マークはモングラスのシンボルのようですね。

コルク平面化。
IMG_4980
あまりたいしたことなかったですね。

Alc.14%。(pH:4.38、Brix:7.5)
しっかり色づいてる濃いめルビー。細かいながらキレのいい涙も。
IMG_4981

ラズベリー、チェリー、あんず。
茎っぽくもあり、熟成感のある複雑な香り。
辛口アタック。
穏やかないい酸に乗ってたどり着く味は、
ふくらみのあるなかなかな滋味です。
かすかな苦味様のタンニンがさらに立体感を与え、
余韻も最後まで楽しませてくれます。

何気にブルゴーニュ含め他国のバリ旨ピノと張り合えるうまさです。
チリのピノのポテンシャルを見た気がします。


*****

MontGras
Antu Pinot Noir 2017
DO Valle de Leyda
RRWポイント 94点


Clos Buzao Pinot Noir Réserve 2018 Dealurile Munteniei

ルーマニアのピノ・ノワールを見つけたのでポチったんですが、1000円+税というお値段です。素性を調べるのもちょっと手こずりそうな予感。まあ、ルーマニアは経験上レベルがそこそこ高いので、当たりであること期待しつつルーマニアワインの総論でも調べましょうか。

IMG_4971
案の定、作り手の素性不明(笑)。裏ラベルに「Bottled by DMD at F11170 France」とあります。フランスのネゴシアンでしょうか、このポストコードはレサック・シュル・ランピ(Raissac-sur-Lampy)というカルカソンヌの近くの町です。やはり、Chai DMD というワイン流通業者のようです。

Chai DMD の写真があったので貼っておきます。ルーマニアじゃないですよ。(笑)dmd01
ネットのショップの情報では、『南仏ドメーヌのオーナー“ピエール・デグルット氏”が手がける。“ブルゴーニュ以外でピノが上手に育つのはここしかない”と、ピノ・ノワールの苗木を全てフランスから持ち込んで、ルーマニアの銘醸地「デアルマーレ」で造られたワイン。』とあります。
「南仏ドメーヌ」ってどこな? ピエール・デグルット氏って誰な? …と、基本的なことがわからず情報的価値はほぼゼロです。(笑)

『ルーマニアの銘醸地「デアルマーレ」で造られたワイン』とありますが、今日のワインは「Dealurile Munteniei IGP」となっています。(IGPが「Indication Géographique Protégée」とフランス語なのもご愛敬。)ネットの情報によると、10年くらい前のヴィンテージでは(そんな前からあるんだ…)確かに DOC Dealu Mare だったようです。DOC → IGPで、少し広域になったのでしょうか。

ルーマニアのワイン法では、原産地呼称のDOCDenumirea de Origine Controlată)と地理的表示のIGIndicaţie Geografică)で産地が格付けされており、EUの規定よりも厳しいなんて言われています。ルーマニアがEUに加盟したのが2007年と割と最近なんですが、基本はEUワイン法のAOP/IGPに準じてるんじゃないでしょうか。

ルーマニアには、DOCが33、IGが12あると言います。列挙してみましょう。
(アルファベットはルーマニア語表記のまま記します。読みづれぇ~。笑)

DOC(Denumirea de Origine Controlată):計33
(Denumiri de origine controlată → 複数形)
インデントしてあるのはサブゾーンです。

1. Târnave
Blaj
Jidvei
Mediaş
2. Alba Iulia
3. Sebeş - Apold
4. Aiud
5. Lechinţa
6. Cotnari
7. Iaşi
Copou
Bucium
Uricani
8. Bohotin
9. Huşi
Vutcani
10. Iana
11. Dealu Bujorului
12. Nicoreşti
13. Panciu
14. Odobeşti
15. Coteşti
16. Dealu Mare
Boldeşti
Valea Călugărească
Urlaţi
Ceptura
Tohani
Breaza
Merei
Zoreşti
17. Pietroasa
18. Ştefăneşti
Costeşti
19. Sâmbureşti
20. Drăgăşani
21. Banu Mărăcine
22. Segarcea
23. Mehedinţi
Severin
Corcova
Golul Drâncei
Vânju Mare
Oreviţa
24. Recaş
25. Banat
Moldova Nouă
Dealurile Tirolului
Silagiu
26. Miniş
27. Crişana
Diosig
Biharia
Şimleu Silvaniei
28. Murfatlar
Medgidia
Cernavodă
29. Babadag
30. Sarica Niculiţel
Tulcea
31. Adamclisi
32. Oltina
33. Însurăţei


IG(Indicaţie Geografică):計12
(Indicaţii geografice → 複数形)

1. Dealurile Transilvaniei
2. Dealurile Moldovei(もしくは)
Dealurile Hârlăului
Dealurile laşilor
Dealurile Huşilor
Dealurile Tutovei
Dealurile Covurluiului
Terasele Siretului
3. Dealurile Vrancei
4. Dealurile Munteniei
5. Dealurile Olteniei
6. Viile Carașului
7. Viile Timişului
8. Dealurile Zarandului
9. Dealurile Crişanei
10. Dealurile Sătmarului
11. Colinele Dobrogei
12. Terasele Dunării


今日のワインは、IG Dealurile Munteniei ですが、ワイン名が「Clos Buzao」といいます。おそらく「Buzao」という場所があるはずと調べると、どうやら現地語で「ブザウ(Buzău)」のようです。ムンテニア(Muntenia)地方の県とその県都に Buzău というところがありました。ムンテニア(Muntenia)地方は首都ブカレストを含むルーマニアの南部を占める地方です。

ブザウは DOC Dealu Mare の域内にあり、IG Dealurile Munteniei に含まれます。Dealurile Munteniei の意味は「ムンテニアの丘」ということですから、ムンテニア地方の山側部分に当たるようです。以上をこの地図で確認してみましょう。
Romania_Wine_Region
ブカレストの北側、IG Dealurile Munteniei(黄文字)は見つかりましたか? その中に DOC Dealu Mare があり、ブザウ(Buzău)もその域内にありましたね。


実はこの辺りの情報は、ルーマニアワイン専門商社のユーロアジアトレーディングのサイトが詳しいです。カタログPDFにルーマニア情報が満載です。読み方もカタカナでわかります。(笑)
Romania_Wine_Region_ET
最初からこれを上げとくべきでしたかね。(笑)

毎回やってますが、Google Map上でルーマニアの緯度を見ます。
dmd00
ルーマニアはフランスとほぼ同じ緯度にあり、フランスの銘醸地のエリアがほぼ同じ規模で東欧に展開している印象です。国土の中央にとぐろを巻くように走るカルパチア山脈を境に、山岳部と平
原部で気候が大きく異なるため、生産されるワインも多種多様なんだそうです。やはり興味深い国です。


ラベル平面化画像。
IMG_4741
インポーターの重松貿易のサイトへ行ってもこのワインの情報はありませんでした。


さあ、抜栓。
IMG_4968
まあ、汎用品ですね。コルクも短い。

コルク平面化。
IMG_4972
ブドウのイラストのみ。

Alc.12.5%。(pH:4.37、Brix:7.0)
しっかり色づいたルビー。
IMG_4969

ラズベリー、イチゴ。
ミンティーな風味に隠れ軽めながら佃煮香もあります。
辛口アタック。
酸はミルキーなくらいまろやかで控えめ。
そこそこの複雑味があって面白いです。
全体像は値段なりの軽さはあるんですが頑張ってると思います。
やはり、ルーマニアはいい線行ってますね。


*****

Clos Buzao
Pinot Noir Réserve 2018
Dealurile Munteniei IGP
RRWポイント 90点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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