Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

RRWポイント:86点

Jayer-Gilles Bourgogne Hautes-Côtes de Nuits 2015

ブルゴーニュの神様アンリ・ジャイエさんの従兄弟という先代ロベール・ジャイエさんが、マニー・レ・ヴィレ村のジル家の娘さんと結婚し、オート・コートの畑を受け継いでドメーヌ・ジャイエ・ジルが誕生しました。ロベールさんは何を思ったか息子をジルと名付けるものですから、ジル・ジャイエ・ジルさんが次代の当主になりました。そのジルさんは2018年に57歳の若さで他界されています。今はもうジャイエ・ジルのワインはありません。2016年がラスト・ヴィンテージだそうです。

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過去にジャイエ・ジルのオート・コート・ド・ボーヌ2014を試しています。亡くなられた当主ジル・ジャイエ・ジルさんは大腸ガンだったそうで、晩年は闘病されていたのでしょう。先代ロベール・ジャイエさんからドメーヌを引き継いだのが1990年といいますから、ジルさんがジャイエ・ジルのワインを作っていたのが25年ほどの間ということになります。所有11ヘクタールの畑の半分はオート・コート・ド・ニュイとオート・コート・ド・ボーヌにあります。オート・コートの達人なんて呼ばれる所以です。今日はニュイの方をいただいてみましょう。

ちなみにジルさんの後継ぎがなく、ドメーヌはスイスの富豪というアンドレ・ホフマンさんに売却されました。今はドメーヌ・ホフマン・ジャイエを名乗り、ジャイエ・ジルのワイン作りを継承しているそうです。


公式ページはもとからありませんでした。現行ホフマン・ジャイエのサイトはあるんですが、なぜか繋がりません。以下はネット情報から。

・ピノ・ノワール 100%

完全除梗で(なんと)100%新樽による17~18ヶ月間の熟成です。


3年ぶりにジャイエ・ジルを訪問してみますが、Googleのストビューの写真が更新されていないので、以前スクショした写真をもう一度貼っておきます。
Jayer-Gilles01
2012年のストビューのままなんですね。上がっていた写真を見ると、表札は「ホフマン・ジャイエ」に付け替えられているようです。


今日のワインの「Bourgogne Hautes-Côtes de Nuits」の範囲を見ようとINAOの地図を見るとこれが出てきます。
Sous_Regions01
その他いくつかの地理的呼称がついたAOCブルゴーニュと一緒に載せてありますね。
AOC Bourgogne Hautes-Côtes de Nuits は、地理的呼称(DGC=Dénomination Géographique Complémentaire)がついたAOCブルゴーニュのひとつで、これらは特定のエリアに限定されますが、位置づけとしては地域名(レジョナル)AOCブルゴーニュのままです。

全部で14ある地理的呼称付きAOCブルゴーニュDénominations Géographiques Complémentaires de l’AOC Bourgogne)を列挙します(順不同)。範囲・場所は、一部は上の地図で確認できますね。

・AOC Bourgogne Côtes d'Auxerre
・AOC Bourgogne Chitry
・AOC Bourgogne Epineuil
・AOC Bourgogne Coulanges La Vineuse
AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Beaune
・AOC Bourgogne La Chapelle Notre Dame
・AOC Bourgogne Le Chapitre
・AOC Bourgogne Montrecul(Montre-Cul)
・AOC Bourgogne Tonnerre
・AOC Bourgogne Côte Saint-Jacques
・AOC Bourgogne Côte Chalonnaise
・AOC Bourgogne Côtes du Couchois
・AOC Bourgogne Côte d’Or

2017年に AOC Bourgogne Côte d’Or がこれの仲間入りをしましたが、同時に AOC Bourgogne Vézelay というのが、単独 AOC Vézelay に昇格し、プラマイゼロです。

また、AOC Bourgogne Hautes-Côtes de Nuits と混同しやすいのが、AOC Côte de Nuits-Villages ですが、Côte de Nuits-Villages はワンランク上の「村名」AOCになります。片や、Côte de Beaune-Villages というのは地域名(レジョナル)AOCのままだったりします。ややこしや。

今日のワインの AOC Bourgogne Hautes-Côtes de Nuits のエリアをGoogle Map上で確認。
Bourgogne-Hautes-Cotes-de-N
対象の畑に色を付けています。シャンボール・ミュジニー以南のコート・ド・ニュイの山間部というのがわかりますね。赤・白・ロゼがOKのAOCです。地図内にも記しましたが、以下に AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits の対象コミューンを列挙します。

<コミューン全体が対象>
1. Arcenant
2. Bévy
3. Chaux
4. Chevannes
5. Collonges-lès-Bévy
6. Curtil-Verg
7. L’Etang-Vergy
8. Marey-lès-Fussey
9. Messanges
10. Meuilley
11. Reulle-Vergy
12. Segrois
13. Villars-Fontaine
14. Villers-la-Faye

<部分的に対象>
15. Chambolle Musigny
16. Flagey-Echézeaux
17. Magny-lès-Villers
18. Nuits-Saint-Georges
19. Premeaux-Prissey
20. Vosne Romanée

ジャイエ・ジルの畑がどこなのかはわかりませんでした。


エチケット平面化画像。
IMG_6357
左上の紋章には「GJG」とあります。ジル・ジャイエ・ジルさんのイニシャルでしょうね。合掌。


さあ、抜栓。
IMG_8428

コルク平面化。
IMG_8429

Alc.13%。
濃いめルビー。涙は細くて揃っていて綺麗。
IMG_8430

フランボワーズ、ダークチェリー、プラム。
新樽効果の木樽の風味はそんなにきつくはないです。
酸味際立つ辛口アタック。
かなり強めに酸がマスクしてきます。
なので、ちょっと置いておきました。
食事(チャプチェ、ハイローラー)に合わすと、
酸は気にならなくなります。
やっと味の実体が見えてきましたね。
奥行きも感じられ熟成感も出ています。

ですが、
好きなブルゴーニュルージュとはちと違うんですよね。


*****

Jayer-Gilles
Bourgogne Hautes-Côtes de Nuits 2015
RRWポイント 86点


Sommos Varietales Tempranillo - Syrah - Merlot 2018

久しぶりの外飲みでスペイン・レストラン(バルか?)に行きました。本場と比べると(比べてはいけませんが)料理もワインもちょっとひどかったのですが(本当にひどい。お客もひどさがわかってないのが日本の現状です…)、ワインには罪はないということで(笑)、写真が残ってるものだけ記録として記事を作成しておきます。そのお店のワインリストにはなぜかアラゴン州のワインしかありません。これはDOソモンタノです。ん?前に試したことのある生産者ですね。

Sommos01
作り手はボデガス・ソモスという2003年設立のワイナリーです。なかなか大規模で立派なワイナリーなんですが、そのワイナリーのオーナーはリオハ地区に本拠地を置く「Grupo Proconsol」という洗剤などのクリーニング用品を扱う大企業です。
Sommos00
そこがなぜか2003年にワイン作りに乗り出します。そしてなぜか、お隣のアラゴン州、DOソモンタノに大ワイナリーを立ち上げます。最初は「Bodegas Irius」という名前でしたが、2008年に新しい社屋にリニューアルし、「Bodega Sommos」に改名したようです。グラビティ―フローの最新式社屋はレストランやイベント会場、結婚式場も兼ねられます。所有畑はなんと355ヘクタールを擁し、150万本を生産、75%は輸出するそうです。(2007年には、今度はリオハに「Bodegas Antión」というこれまた大ワイナリーを建てています。ゴイゴイスー。)

公式ページは立派で、最新鋭のワイナリーや広大な畑の解説がいっぱいです。

ラインアップも充実していて、今日のワインは普及ラインというかローレンジのようですね。

・テンプラニージョ
・シラー
・メルロー

データシートまであるんですが、セパージュの比率は書いていません。たぶんこの順番で多いんだと思いますが、テンプラニージョとその他の大体の比率だけでも知りたいところです。フレンチオークの大桶と樽の併用で8ヶ月の熟成ということで、一応樽は使っているようです。

DOソモンタノのバルバストロ(Barbastro)の町の近くにボデガ・ソモスがあります。
Sommos01
幹線道路からストビューで入れないので遠巻きに見ています。周囲は一面の畑、中心の建物は奇抜なデザインです。ダース・ベイダーにしか見えません(笑)。ラベルのデザインはワイナリー上空からの畑の図案だということがわかりました。

少しズームアウトして周辺の位置関係を見てみます。
Sommos02
ボデガ・ソモスの近く(車で40分)に「サルト・デ・ビエルヘ(Salto de Bierge)」という滝があります。このあたりの名所のようで、なかなかきれいな滝です。この生産者のワインでこの滝の名前を冠したシャルドネを以前に試しています。

アラゴン州を俯瞰して、DOソモンタノ他、州内のDOの位置関係を確認します。
Sommos03
アラゴン州の州都はサラゴサ。サラゴサ県の県都でもあります。DOを列記すると…

DO Campo de Borja(カンポ・デ・ボルハ)
DO Cariñena(カリニェナ)
DO Calatayud(カラタユー)

以上3つのDOはすべてサラゴサ周辺、サラゴサ県にあります。

DO Somontano(ソモンタノ)

DOソモンタノだけが北側のウエスカ県(Huesca)になります。
Spain_Aragon州の県

DO Somontano 公式ページを見ると、DOについて詳しく書かれています。29の生産者が地図ページで紹介されています。もちろん今日のボデガ・ソモスも載っています。
DOソモンタノでは土着品種のモリステル(Moristel)、パラレタ(Parraleta)<以上黒品種>やアルカニョン(Alcañón)<白品種>といった品種も認められていますが、主流は今日のような国際品種のようです。

裏ラベルの画像を貼っておきます。割と情報量は多いですね。
Sommos02
畑名(Finca Torresalas)や熟成がシュールリーであることなど、HPでは書かれてなかった情報もあります。

テイスティングと言えるようなメモは残してないんですが、
よく言えば果実味、安ワインのシャバシャバ感が気になった印象です。


*****


Bodegas Sommos
Sommos Varietales
Tempranillo - Syrah - Merlot 2018
DO Somontano
RRWポイント 86点


岩の原葡萄園 善(赤)NV

正直マスカット・ベイリーAは日本を代表する品種とわかっていながら、個人的には積極的に飲みたくなるモーチベーションの低い品種です。ハイブリッド種であるがゆえのフォクシー・フレーバーであったり、コク重とは対極の風味によるところが大きいわけですが、しかしながら、定期的にはなんだかんだで飲んでいます(笑)。今日はそのマスカット・ベイリーAを生んだ日本ワインの父、川上善兵衛創設のワイナリーが作るマスカット・ベイリーAというのがお題です。

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新潟県上越市にある「岩の原葡萄園」は、前述のように川上善兵衛さんが1890年(明治23年)に創業したワイナリーです。130年超の歴史とはすごいですね。善兵衛さんは、本格的なワイン造りのため、現地の気候風土に適したブドウを求め品種改良に挑み続け、1万311回の品種交雑を行い、「マスカット・ベイリーA」をはじめとする優良22品種を世に送り出したそうです。ほかにもブラック・クイーンやベーリー・アリカントAなどもお馴染みですね。

公式ページはさすがに創業者の詳細や歴史がしっかり記されています。

善兵衛さんに因んだワインがラインアップになってます。良年しか作られないその名も「善兵衛」というのもあるんですね。今日のワイン「善」はいわゆるスタンダードラインです(笑)。

・マスカット・ベイリーA 100%

100%とは書いてないんですが、おそらくそうでしょう。ノンヴィンテージなことも含め特別な手間はかかってなさそうです(笑)。


さあ、マスカット・ベイリーAですが、今一度まとめておきます。
Takeda04
川上善兵衛氏が1927年(昭和2年)に作り出した品種です。新潟県が原産の日本固有種ということで、2010年の「甲州」に次いで、2013年にOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に登録され、国際的なワイン用ブドウ品種として公式に認められているのはご承知の通りです。日本のワイン用黒品種では第1位の生産量を誇ります。

母方にアメリカ原産の交雑種ベイリー(Bailey)と、父方に欧州のマスカット・ハンブルク(Muscat Hamburg)を掛け合わせたものですが、ベイリーがヴィティス・ラブルスカ(Vitis Labrusca)を含む種間交雑種(ハイブリッド*)のため、マスカット・ハンブルクがヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis Vinifera)であるものの、そのフォクシー・フレーバー(Foxy Flavor)はかなり特徴的です。いわゆるグレープジュースの香り。ファンタグレープなどは好きですが(笑)、個人的にはワインからこの香りがするのは勘弁してほしいところです。

厳密に言うと、母方のベイリー自体は4分の1はヴィティス・ヴィニフェラの系統なので、マスカットベイリーAの半分がヴィティス・ラブルスカの血筋というわけではありません。(参考1参考2)それでもこの香りが強く出るというのは、ラブルスカの遺伝って、よっぽどキツイんですね(笑)。

父方のマスカット・ハンブルクはマスカット・オブ・アレキサンドリア(いわゆるマスカット)とチロル地方原産のスキアヴァ・グロッサ(Schiava Grossa)を交配した品種です。スキアヴァ・グロッサはドイツのトロリンガー(Trollinger)のことでしたね。ややこしい…。

ところで、このマスカット・ベイリーA、ここでは「ベイリー」と書いていますが、本家とも言える岩の原葡萄園のHPでは「ベーリー」となっています。アルファベット表記では「Muscat Bailey A」一択なのですが、日本語表記となると、マスカット・ベーリーA、マスカット・ベーリA、マスカット・ベリーA、マスカット・ベイリーAの4表記がOIVに登録されてるそうです。元の英語がベイリー(Baily)ですから、特に「ベリー」はいかがなものか?と思いますね。「Berry」と混同する人がいそうですから。

(* 主にアメリカ系品種との交配品種。EU圏ではこれらを使ってワインを作ってもワインとは認められず輸入・販売もできません。ヨーロッパ人のヨーロッパ系品種至上主義の偏見から来るものと個人的には推察します。日本のマスカットベイリーAも厳密にはハイブリッドですが、2013年に国際ブドウ・ワイン機構 OIV に日本固有品種としてワイン用品種に登録されていますので、ワインとして欧州に輸出できます。なんかええ加減やな~。)


さあ、ワイナリー訪問。リアルでは新潟へ行ったことがないので楽しいです。
岩の原01
上越市は関川という一級水系が貫いており日本海に注いでいます。保倉川という支流と河口付近で合流。新潟と言えば、カーブドッチをはじめとする北側の新潟市の砂地にある「新潟ワインコースト」が目立ちますが、こちらの方も立地は良さそうな気がします。

新潟県を俯瞰して位置関係を見ておきます。
新潟県01
新潟は全体の数は少ないながらも見るべきワイナリーはいろいろありそうです。いずれ訪れたいなとは思っています。


ラベル平面化画像。
IMG_8162
うん、ネーミングと言い、ツバキをあしらったデザインと言い、カッコいいです。


さあ、スクリュー回転。
IMG_8175

Alc.12%。
赤味で透き通ったルビー。
Zen01

甘いイチゴシロップの香り。
しかしフォクシーフレーバーの嫌味はないです。
酸は感じるんですが印象のいい辛口アタック。
クリア感が持ち味の軽い感じではありますが、
ペラペラではない芯も感じられて好印象です。
最初の酸はフィニッシュまで結構いい仕事をしてくれました。
なかなか楽しめるマスカベA、また一つ見っけ、です。


*****

岩の原葡萄園
善(赤)NV
RRWポイント 86点


サッポロ グランポレール 長野メルロー 2018

もうすっかり家飲みが日常になっていますが、ほぼ2年ぶりに飲み会というのがありました。海鮮居酒屋の座敷に集まって…長らく忘れていた感覚がよみがえります(笑)。そしてこれも懐かしい流れですが、その二次会というのもやりまして、みんなが忖度してくれたわけでもなく、全員一致でワインバーへなだれ込みました。ボトル2本開けたので2回に分けて記事を書きます。

IMG_1239
そのワインバー、サッポロの「グランポレール」のコンセプトショップなんだそうで、東京・銀座の人気店舗に次ぐ2号店が関西初上陸ということです。置いているのは当然サッポロのグランポレールばかり。2本目は長野メルローをいただきます。

このワインバー、できたのが2年前だそうです。そりゃあ知らないですよね。
IMG_1232
大阪ではお馴染み「泉の広場」もリニューアルで生まれ変わって見違えるようなエリアになっています。またこういうところへ出かけられる日々にこのまま戻ればいいんですが…。


グランポレールの公式ページはサッポロビールのHP内ですが、単独で充実しています。

ブドウは長野県産としかわかりませんが、HPではメルロー主体となっており、裏ラベルを見るとカベソーをブレンドしているとのこと。

・メルロー
・カベルネ・ソーヴィニヨン

%はわかりません。その他、「手摘み」「木樽熟成」しか情報がないですね。裏ラベルに醸造地が書いてあるんですが、「グランポレール勝沼ワイナリー」。長野県産のブドウなら山梨で醸してもGI長野がうたえるんでしょうかね。

長野の畑がわからないので、グランポレール勝沼ワイナリーを訪問しておきます。
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これは実際に勝沼を訪れた時の写真です。試飲もいろいろできる立派な施設です。


ラベル平面化画像。
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グランポレールはいつも裏ラベルにブドウ栽培者の紹介があります。やはりブドウが重要ってことなんでしょう。


さあ、抜栓。
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Alc.13%。
軽めの色合いのガーネット。
IMG_1240

黒ベリー、煮詰まった感じあり。
酸が弱めながら邪魔するんですが、
味わいは奥行きあって、さすがグランポレールって感じです。

なかなかいい線いってますが、同じ長野県産なら、
グランポレール・メリタージュが最高でしたね。
こちらはカベソー主体ですが。


*****

サッポロ
グランポレール
長野メルロー 2018
RRWポイント 88点


サッポロ グランポレール 余市ツヴァイゲルトレーベ 2019

もうすっかり家飲みが日常になっていますが、ほぼ2年ぶりに飲み会というのがありました。海鮮居酒屋の座敷に集まって…長らく忘れていた感覚がよみがえります(笑)。そしてこれも懐かしい流れですが、その二次会というのもやりまして、みんなが忖度してくれたわけでもなく、全員一致でワインバーへなだれ込みました。ボトル2本開けたので2回に分けて記事を書きます。

IMG_1236
そのワインバー、サッポロの「グランポレール」のコンセプトショップなんだそうで、東京・銀座の人気店舗に次ぐ2号店が関西初上陸ということです。置いているのは当然サッポロのグランポレールばかり。まずは余市ツヴァイゲルトレーベをいただきます。

このワインバー、できたのが2年前だそうです。そりゃあ知らないですよね。
IMG_1232
大阪ではお馴染み「泉の広場」もリニューアルで生まれ変わって見違えるようなエリアになっています。またこういうところへ出かけられる日々にこのまま戻ればいいんですが…。


グランポレールの公式ページはサッポロビールのHP内ですが、単独で充実しています。

サッポロは1984年より北海道の余市でケルナーの栽培を始め、余市産ワインのパイオニアなんだそうです。現在は6戸の栽培農家と契約し21haの畑でドイツ系品種を栽培しているそうで、その中のひとつがツヴァイゲルトレーベということですね。

・ツヴァイゲルトレーベ 100%

「木樽熟成」しか情報がないですね。裏ラベルに醸造地が書いてあるんですが、なんと「サッポロビール岡山ワイナリー」。北海道から岡山までどの状態で持ってくるんでしょうね。興味あります。

ツヴァイゲルトレーベ(Zweigeltrebe)ですが、ツヴァイゲルト(Zweigelt)のシノニムです。
Zwiegelt
日本ではほとんどが北海道ですが「ツヴァイゲルトレーベ」の方が定着したようですね。ツヴァイゲルトは、1922年にオーストリアで開発されたブラウフレンキッシュ(Blaufränkisch)とサン・ローラン / ザンクト・ラウレント(St. Laurent / Sankt Laurent)の交配種で、栽培面積もオーストリアが最大で、オーストリアで栽培される赤ワイン品種としても最も栽培面積が広いそうです。


サッポロの余市のツヴァイゲルトの畑はどこだか情報がありません。
Yoichi
HPにあった余市の紹介ページをスクショしてお茶を濁しておきます。

で、その余市のツヴァイゲルトを醸すのが「サッポロビール岡山ワイナリー」。
IMG_1327
これは実際に岡山に訪問した時の写真です。なかなか立派な施設ですよ。


ラベル平面化画像。
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グランポレールはいつも裏ラベルにブドウ栽培者の紹介があります。やはりブドウが重要ってことなんでしょう。


さあ、抜栓。
IMG_1244

Alc.12.5%。
しっとりしたクリアなルビー。
IMG_1234-(1)


黒ベリー、まろやかな果実…アプリコット。
酸味がいい感じの楽しめる味わいです。

実は「北海道 ツヴァイゲルトレーベ 2015」というのを前に試してます。
同じ余市の栽培者なので名前は違えど実質同じワインなんだと思います。
昔の記憶と照らし合わせても、やはり「ツヴァイゲルトレーベだ!」と思います。
しかも、ずいぶんおいしくなったような気がします。


*****

サッポロ
グランポレール
余市ツヴァイゲルトレーベ 2019
RRWポイント 86点


Parlez-Vous la Loire? Pinot Noir 2020 IGP Val de Loire

先日、ロワールの面白そうなワインを求めて都会へ繰り出した時の戦利品です。正直期待したようなAOCのワインはなかったんですが、この IGP Val de Loire のピノ・ノワールを見つけ、広域だけど一応ロワールだし~っと買っておいたものです。こういう得体のしれない広域ワインは掘り下げるのに難儀しそうですが…行ってみましょう!

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「Parlez-Vous la Loire?」って「Do you speak the Loire?」という意味ですね。ロワール語話せますか?…いえ、話せません。終了~!(笑)

ネットにもほとんど情報なく、裏ラベルとこれを買ったタカムラのサイトくらいしか情報源がありません。とりあえずセパージュはこうなっています。
・ピノ・ノワール 85%
・メルロー 15%
ロワールらしく、メルローが少し混ぜてあります。あとは…まったくわかりません。(笑)

裏ラベルを見ると、ボトル詰めは「Lacheteau, Mouzillon」となっています。ナントの近くの町ですが、本拠地がここかと思いきや、アルザス(Petersbach, Alsace)が本社の GCF(Grands Chais de France)グループがこのワインの黒幕(笑)でした。

1979年創業で、もともとはコニャックを扱っていたジョセフ・ヘルフリッヒ(Joseph Helfrich)さんが1981年からワインを中心にビジネスを広げていきました。そのブランドが「J.P. Chenet」です。フランス内外でよく見かける安ワインブランドですね。

そこからがすごいです。1986年にはジュラのワイナリーを買収。1991年にはアルザスの大手アルテュール・メッツ(Arthur Metz)とボジョレーのワイナリー(Quinson)を買収。1994年にはアルザス出身のボルドーの作り手「Louis Eschenauer」を買収(これ飲んだことあります)。2003年、ラングドックの Domaine de la Baume 買収。そして、2004年にナントとアンジューの近くに生産拠点を置いてロワール進出をします。これが今日のワインの出どころです。
LeCheteau00
その後もネゴシアンの「Calvet」ほか、ボルドー・ブルゴーニュ・ロワール各地のワイナリーを買い漁ってます。ほぼほぼフランス全国制覇って感じですね。

ロワールには「Maison Lacheteau」という名で3ヶ所の拠点を構えて力の入れようが違います。

ロワールも広いですが、ロワール中のAOCをカバーしている感じです。

今日のワインもここでボトル詰めしているというムージヨン(Mouzillon)の拠点。
LeCheteau02
ロワールのメイン基地をナントの近くに置き、ここから出荷して流通拠点も兼ねているみたいですね。

アンジュー地区、ソーミュール近くの醸造工程の拠点がここみたいです。
LeCheteau01
以上の2拠点に加え、ヴーヴレにももう1拠点ありますが、若干ショボめなので訪問写真は割愛します。(笑)


やはり大手ネゴシアン企業を紹介してもつまらないですかね(笑)。お口直しに「IGP Val de Loire」を考察しておきましょう。まずは恒例のINAOの地図でIGPの範囲を確認します。
ValdeLoireIGP
ロワール全域をカバーするIGP(Indication Géographique Protégée)というのはわかっていましたが、「県」単位でかなりの広範囲に渡っています。また、ペイ・ナント地区にはサブゾーンのような地域も2つあります。この2つです。見たことないけど…。

・Val de Loire Marches de Bretagne
・Val de Loire Pays de Retz

また、県名を付記できるエリア(県)が以下の12あります。

・Val de Loire Allier
・Val de Loire Cher
・Val de Loire Indre
・Val de Loire Indre-et-Loire
・Val de Loire Loir-et-Cher
・Val de Loire Loire-Atlantique
・Val de Loire Loiret
・Val de Loire Maine-et-Loire
・Val de Loire Nièvre
・Val de Loire Sarthe
・Val de Loire Vendée
・Val de Loire Vienne

ドゥー・セーヴル県(Deux-Sèvres)とピュイ・ド・ドーム県(Puy-de-Dôme)の2つは IGP Val de Loire の範囲ながら県名を付記はできないようです。これらの県名表示も見たことがないですね。こんなこと調べて意味あるのかなと思ってきました。(笑)

このINAOのIGPの地図を、いつもの「大ロワール全体地図」に重ねてみました。
ValdeLoireIGP02
重ねてみて驚きました。「Val de Loire」を名乗れるエリアって、ロワールのAOCよりもかなり広いんですね。

今日のロワールの拠点「Lacheteau」の先ほどの2ヶ所の所在をいつものGoogle Map地図上に書き加えておきます。まずペイ・ナント。
Loire_Pays_Nantais

もう1ヶ所は、アンジュー・ソーミュール・トゥーレーヌ地図に示します。
Loire_Chinon
いやあ、ロワールは…広い。


エチケット平面化画像。
IMG_6087
裏ラベルの限られた情報から、今日の記事ここまで書きあげました。疲れた…。


さあ、抜栓。
IMG_6192

コルク平面化。
IMG_6193
プラスチック然とした合成コルク。超汎用品です。

Alc.12%。
濃いルビー。
IMG_6194

チェリー、フランボワーズ、ハイチュウ(笑)。
辛口アタック。
酸は跳ねないんですが、
重みの弱い味はその酸を受けとめきれず、酸~。
雑味、嫌味なくスルッといけるんですが、
余韻その他、全体的に淡白な印象。


*****

Parlez-Vous la Loire?
Pinot Noir 2020
IGP Val de Loire
RRWポイント 86点


北条ワイン ホージョーワイン スタンダード赤

鳥取県は「ゲゲゲの鬼太郎」を目指して(笑)境港方面へは何度となく訪れていますが、今回は「名探偵コナン」を目的に(笑)開湯850年の日本屈指の名湯、三朝温泉へ来ています。夕食でワインをチョイスすると、ほら、鳥取の「北条ワイン」が出てきました。実はこの旅行、昨年計画したもののリベンジなんです。昨年はやはり訪問は断念し、お取り寄せして「北条ワイン 砂丘赤」をお試し、そのポテンシャルに驚いたものでした。

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このワイン、「スタンダード」というだけあって、マスカット・ベイリーAを使った北条ワインのスタンダードラインです。ノンヴィンテージというのもスタンダードらしいです(笑)。
北条ワインは1944年(昭和19年)よりワイン造りを始めたという超老舗で、鳥取県の真ん中の日本海沿いに12kmに渡り広がる北条砂丘に畑を持ち、砂丘農業でブドウを栽培しています。砂丘地のため水はけが良く、日本海の海風により昼と夜の温度差も大きく、ブドウ栽培にはうってつけということで、この地ではすでに江戸時代末期からブドウ栽培が始まっていたそうです。
実はこの旅、三朝温泉へ向かう途中で「倉吉ワイナリー」という、同じく北条砂丘のブドウでワインを作る作り手に出会っています。やはりこの地のポテンシャルを信じて100%地元産ブドウで頑張っておられるそうで、当然買い求めましたが、まだ試してないのでこれも楽しみであります。

しかし鳥取県、「米子鬼太郎空港」にも驚きましたが、これ「鳥取砂丘コナン空港」です。
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砂丘感は全くなく、ほぼ「コナン空港」です(笑)。空港限定グッズショップもあってなかなか楽しめます。北条ワインの近くにある「青山剛昌ふるさと館」が本家のコナンミュージアムなんですが…。


公式ページは昨年見たときからリニューアルしていました。内容は…逆に減ったかな?

今日のワイン、マスカット・ベイリーA主体となっていますが、たぶん100%じゃないかと。
・マスカット・ベイリーA 100%
ノンヴィンテージですし、醸造法も書かれていません。当然樽なんかないでしょうね。


今回はリアルで訪問しています。…っていうほどすごいところでもないんですが(笑)。
IMG_0976
前回ストビューで見た時から看板がリニューアルされています(笑)。

記念にワインを買い求めようと呼び鈴を鳴らすも留守のようで、勝手がわからないと言うおじいちゃん(笑)しかいなくて、「ネットでも買えますから、いいですぅ~。」とAirペイの外人ばりにその場を後にしました(笑)。
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北条ワインのあるところは鳥取県北栄町というんですが、2005年に条町と大町が合併し北栄町になっています。北条ワインの前の道に「北条」町時代のマンホールのふたを見つけました。ブドウの絵柄なのがうれしいですね。
ちなみに名探偵コナンの作者、青山剛昌さんは大栄町の方のご出身です(笑)


鳥取県から関西までの地図を俯瞰して、位置関係を確認します。
Hojo01
丹波ワインはじめ、すでに訪問したワイナリーも示してあるのでご確認を。今回出会った倉吉ワイナリーというのは、北条ワインのごく近く、倉吉市の白壁土蔵の町にあります。その他北条ワイン近くの、大山ワイナリーとひるぜんワイナリーは今回も未訪問です。


今回は夕食に夢中で(笑)ラベルの平面化撮影はしていません。裏ラベルも直撮り。
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ホテル価格でハーフボトル1600円でした。北条ワインで買えば710円です。

抜栓は女中さんがしてくれました。
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短い合成コルクです。

Alc.13%。濃いめのルビー。(マスクケースの上で…)
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まず、身構えて待っていましたが、
フォクシーフレーバーはぜんぜん気にならないレベル。
逆に薬草っぽい風味が気になるくらいでした。
やはり品種の特性と、ワインのレベルから、
「軽さ」は否めないんですが、なんだか飲みごたえはあるんですよね。
酸も穏やかで飲み疲れることなくスルスルいけました。


*****

北条ワイン
ホージョーワイン
スタンダード赤
RRWポイント 86点


Aaldering Estate Lady M 2018

約1年ぶりのピノタージュです。いつもコーヒー風味を売りにしたようなお手頃なピノタージュしか試してないんで、今回はちょっといいやつ。コーヒー味というのは多分にローストした樽から来てると思っています。なので今日のワインは樽を使わずピノタージュ本来の風味を楽しめるやつということで、品種を知るという目的では打ってつけではないでしょうか。

IMG_5908
南アフリカで最高のワインを作りたいと、マリアンヌ&フォンス・アルデリング夫妻(Marianne & Fons Aaldering)がステレンボッシュ(Stellenbosch)近郊に2004年に立ち上げたワイナリーです。南アフリカ国内外でも高い評価を受け、ANAのファーストクラスでも採用されたそうで、南アのプレミアム・ワイナリーということらしいです。


公式ページはよくできています。いわゆる一流な感じがします。

今日のワインもデータシート付で紹介されています。
・ピノタージュ 100%
「Unwooded」と、樽を使っていないのが売りみたいですね。

ピノタージュは、ステレンボッシュ大学の Abraham Isak Perold 教授 (1880-1941) により、ピノ・ノワールとサンソーとの交配から、1924年に南アフリカで生まれました。
Pinotage01
その後すぐに南アフリカの代表品種になったわけではなく、初めてピノタージュからワインが作られたのが1941年になってからなんだそうです。ピノタージュの名前で呼ばれるようになったのが、さらに20年後の1961年というから驚きです。それからまた時が経ち、ピノタージュ普及の立役者であるカノンコップ(KANONKOP)が1995年にピノタージュ協会(Pinotage Association)を立ち上げています。
Pino Noir(ピノ・ノワール)と Cinsault(サンソー)ですから、Pinosault(ピノソー)にでもなりそうなもんですが、南アフリカではサンソーを昔から Hermitage(エルミタージュ)というシノニムで呼んでいて、Pino+tage =Pinotage となったという訳です。


ワイナリー訪問です。おっと、ストビューがワイナリー近くには届いてません。
Aaldering01
上空写真に拾った写真をインポーズしてお茶を濁します。きれいですね。ホテルも併設してるようです。


W.O. Western Cape の地図でW.O. ステレンボッシュを確認しておきましょう。
VanLoveren02
ケープタウンのすぐ東側、ステレンボッシュの町中心に広がっている地域です。広域のW.O.では Coastal Region に属します。(W.O.=Wine of Origin)

Google Map上に転記して地形との関係を見ておきます。
SA01
ワイナリーの場所も示してますのでご確認ください。ステレンボッシュは周辺のパールやフランシュフックを含めいくつもの山に囲まれた複雑な地形なのがわかります。海にも面していて気候は地中海性気候になります。


ラベル平面化画像。
IMG_5635
樽でお化粧しなくてもおいしいピノタージュというコンセプトで、「Lady M」というのはお化粧要らずのベッピンさんというイメージらしいです。オーナーご夫妻の奥様がマリアンヌさんでしたから、その「M」でしょうか。内輪でそこまで持ち上げるとは、ちょっとこっ恥ずかしいですね(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_5902
キャップシールにはワイナリーのシンボルマークが入っています。

コルク平面化。
IMG_5904
DIAMですが、ナンバーなしですね。

Alc.14%。(pH:3.90、Brix:7.0)
ガーネット。
IMG_5905

カシス、チェリー。
鉄っぽさも感じます。
酸味・甘み乗った辛口アタック。
果実味たっぷりとも言えるんですが、
お陰で
味の実体を軽く感じさせているようです。
余韻も甘みが尾を引きますね。

なんともこれが本来のピノタージュの個性でしょうか。
まさに、サンソー x ピノ・ノワールな感じではあります。


*****


Aaldering Estate
Lady M 2018
RRWポイント 86点


Celler Masroig Solà Fred Samsó 2019 Montsant

モールの駐車場をタダにするために何か買わなくっちゃって時、時間があまりない中、ちょうどカルディがあったので1000円のこのワインを手にしてレジへ。何でも良かったのですが、一応スペインのDOモンサン(DO Montsant)で品種はカリニャンというのは確認しました。DOモンサンはガルナチャとカリニャンのブレンドを前にも試したことがあるので2回目です。

IMG_5943
サジェ・マスロッジ(Celler Masroig)はカタルーニャのプリオラート郡のモンサンで1917年に設立されたワイナリーです。いわゆる地元の協同組合と思われます。

公式ページはなかなかカッコいいですが、ワイナリー自体の情報はあまりなし。

ワインはデータシート付でちゃんと紹介してあるので助かります。
・マスエロ(カリニャン) 100%
温度調節付きステンレスタンクで醸造、樽はなし。まあ、そんなとこでしょう。


カリニャンはスペイン原産。カリニェナ(Cariñena)やマスエロ(Mazuelo)というのは知ってましたが、カタルーニャ語ではサムソ(Samsó)というシノニムがあるんですね。
Carignan1
フランスのラングドックなんかでもよく栽培されていますし、過去にはカリフォルニアチリ、イタリアのサルデーニャ島のカリニャンのモノセパージュも試していますが、そういったところでも多いということです。
フランスでの耕作面積は減少傾向とは言うもののダントツの31,760haで、その約80%はラングドック・ルシヨン地域のオード県とエロー県です。原産国のはずのスペインでは、ぐっと落ちて5,461haです。イタリアは、やはりサルデーニャ中心ですが、1,686haになります。アメリカが1,086ha。チリが811haです。

さあ、作り手訪問。DOモンサンのアル・マスロッジ(El Masroig)という町にあります。
Masroig02
あまりに小さな町で、集落のほとんどがワイナリーと言えそうです。

DOモンサンは面白いことに、DOCaプリオラートを囲むような形になってます。
Nit02
しかし、DOモンサンは不思議な形です。まんま「C」ですね。DOCa Priorat(Denominación 
de Origen Calificada)を取り囲んでますから、テロワールも似ていて品質も高いのかもしれません。ちなみに、DOCa はカタルーニャ語では DOQ(Denominació d'Origen Qualificada)となります。

そうそう、近隣のDOとの位置関係も大事。これで確認しておきます。
Terra_Alta1
バルセロナから西の方に、DOペネデスやDOCaプリオラートが続きます。

実は上の地図は、カタルーニャ州のすべてのDOを書き込んでいません。
Catalunya
その他のDOはこんなのがあるってことだけ見ておきましょう。(↑)

最後は、いつものイベリア半島全図で位置関係を見ておきましょう。
MontSant_Spain
いやぁ、スペインもまだまだ課題が多いですね~。


ラベル平面化画像。
IMG_5742
ボトルを一周する特大ラベルです。インポーター(オーバーシーズ)のシールは恐れをなしたのか、なんとネックに巻き付けるように貼ってありました。いずれにせよオリジナルのラベルを隠さないのはいいことです。
ラベルには品種の3通りの言い方が載せてあります。スペイン(特にアラゴン州やリオハ)ではマスエロ(Mazuelo)がポピュラーですが、ここではマスエラ(Mazuela)となっています。マスエラもシノニムです。カタルーニャ地方ではもともとカリニェナという呼び方が一般的だったそうですが、カリニェナ(Cariñena)というDOがあるため、サムソ(Samsó)と言うようになったそうです。なんだかカタルーニャ人ぽいこだわりですね。

これがDOモンサンの認証シール。
IMG_5743


さあ、スクリュー回転。
IMG_5941
無印です。

Alc.14%。(pH:3.96、Brix:6.7)
ガーネット。
IMG_5942

カシス、チェリー。
辛口アタック。
フレッシュな果実味あり。
酸味は主張せず全体のバランスはいいです。
軽い飲み口は、安物感があるんですが嫌味はないです。
サイゼのモンテプルチアーノを想像しました。

味にまとまりがあって、スルスルとおいしくいただけます。
安物でもバランスは重要ですね。


*****


Celler Masroig
Solà Fred Samsó 2019
Montsant
RRWポイント86点


セブンプレミアム Robert Mondavi Twin Oaks Cabernet Sauvignon 2018 California

最近コンビニワインをよく覗くようになって、セブンイレブンにあるこのワインが気になって仕方ありませんでした。天下のロバート・モンダヴィのワインが880円(税込968円)です。「California」とあるので産地としてカリフォルニアをうたってるようですが、ボトルの雰囲気はどう見ても国内製造ワインです。その謎を探るべく、まずはお試しと行きましょう。

IMG_5705
このワインはセブンイレブンと名門ワイナリーとのコラボシリーズのひとつで、2019年に発売になっています。他に、同じくカリフォルニアのベリンジャーやオーストラリアのウルフ・ブラスとのコラボワインも一緒に出ています。

まず、店頭で気になったのがこのキャップの仕様です。
IMG_5699
どう見ても日本の大手メーカーが出してる国内製造のデイリーワインのやつです。

これは裏ラベルを平面化撮影したもの。ここにツッコミどころがありました。
IMG_5701
まず、原産国がアメリカ(カリフォルニア)となっています。「カリフォルニア」をうたうにはカリフォルニア州内で収穫されたブドウを100%使用しなくてはなりません。(カリフォルニア州以外の州は75%以上です。County表示も75%。ワイン指定栽培地域AVAの表示は85%。)少なくともワインはカリフォルニア産100%のようです。
しかし、やはりボトリングメルシャン株式会社となってますね。う~ん、あくまでカリフォルニア産のブドウ100%使っていたらOKで、醸造地や瓶詰め地は問わないのでしょうか。カリフォルニアからバルクワインを輸入してメルシャンが詰めたってことなんでしょうね。
ちゃんと「この商品はセブン&アイグループとメルシャン株式会社の共同開発商品です。」と書いてますね。ロバート・モンダヴィはどこへ行ったんだ?


ロバート・モンダヴィの公式ページはこれ。今日のワインは載ってないとは思いますが。

案の定、影も形もありません。プライベート・セレクションのようなローレンジは専用サイトがありますが、「Twin Oaks」のサイトはなさそうです。(笑)

セブンプレミアム向上委員会というサイトに名門ワイナリーコラボワインとして特集記事あり。

なんと田崎真也さんによる紹介コメントがありますね。

商品ページがこちら。ワインの詳細情報はほぼなし。

セブンイレブンのマーク入りですし、ほぼ日本オリジナル商品かと思われましたが、ネットを探すと、ほぼ同じデザインの同名ワインがアメリカやヨーロッパに存在することに驚きました。

これはヨーロッパのどこかのショップです。やはり1000円くらいなんですね。
Vivino2
しかし、スクリューキャップは日本のとは違い一般的なヤツです。

アメリカでもコラボワイン的に出してるようです。いくつか発見しました。
Vivino1
なんと、いろいろ種類があるんですね。これらのサイトによるとカベルネ・ソーヴィニヨンはオーク樽で熟成をしてることになっています。価格的に本当でしょうかね(笑)。


今日のワインは一応「カリフォルニア」なので、そのまとめ地図を見ておきます。
California_AVA
2020年の12月に Tehachapi Mountains AVA(Kern County)が新たに認定され、現在合計141のAVA(American Viticultural Areas)がカリフォルニア州にあることになります。全米では252のAVAがあるそうです。毎年増えていってますから追いかけられませんね。


ラベル平面化画像。
IMG_5698
安定剤(アカシア)入りです。価格的に仕方ないんでしょうが、健康に害はないといっても、これを使うのは禁じ手のような気がします(笑)。


スクリュー回転。
IMG_5703
日本酒とかでもある金属片がビロ~ンと残るやつ。「ケガにご注意」と印刷されてもね。なんだか雰囲気は出ません(笑)。

Alc.13.5%。(pH、Brix、計るの忘れました。)
ガーネット。
IMG_5704

黒ベリー、プラム。木樽の風味あり。
やはり樽かオークチップ使用でしょうか。
若干酸を感じる辛口アタック。
アカシアのおかげか(笑)ペラペラでなく最低限のコクはあります。
全体の印象としては悪くないですが、やはり1000円ワインです。
しかし、ロバモンの名を汚さないギリギリの線とも言えます。


*****

セブンプレミアム
Robert Mondavi
Twin Oaks Cabernet Sauvignon 2018
California
RRWポイント 86点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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