Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

RRWポイント:88点

Paul Reitz Mercurey 2016

ポール・レイツ(Paul Reitz)のメルキュレをいただきましょう。コート・ド・ニュイの南の端、コルゴロアン村が本拠地の大手ですが、いわゆるネゴシアン・エルヴール(Négociant éleveur)で、ブドウを仕入れ、醸造・熟成・瓶詰めを自ら行います。ブルゴーニュに多いスタイルですね。シャンパーニュのネゴシアン・マニピュラン(NM=Négociant-Manipulant)と似ています。

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1793年にジーン・アダム・レイツさんがエステートを造ったのが起源だそうで、1872年にポール・レイツさんがコルゴロアン村(Corgoloin)に立ち上げたワイナリー/ネゴシアン・エルヴールが今日の「ポール・レイツ」という訳です。

公式ページの本体は全編Flashベース。2021年の現在はFlashサポート終了で全く見られません。

Flashの終了は早くからわかっていた話ですから、ここは対応をしておいて欲しかったですね。仕方がないので何とかFlashを表示する方法がないかネット上を探し回った結果、怪しい(笑)エミュレータがあったので何とか見られました。これがそのサイトのスクショです。
Website
もう見られませんから今となってはなかなか貴重ですよ。しかし、サイトの情報自体は結構あっさりめのようです。今日のメルキュレもラインナップにあるのはわかりますが詳細情報なし。ネゴシアンのサイトの宿命ですかね。ポール・レイツの情報源はあと facebook がありますが2019年で更新が止まってます。(笑)


コルゴロアン村(Corgoloin)の真ん中にあるポール・レイツを訪問。
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ストビューでは中の立派な建物が拝めなかったので、facebook に上がってた写真を拝借しました。ロゴマークにするぐらい自慢の建物なんでしょう。

コルゴロアン村近辺をGoogle Mapで俯瞰して位置関係を確認します。
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この辺りは単独でAOCになってないコミューンが続きますので影が薄いですね。
プルモー(Premeaux、行政区分上はプルモー・プリセ Premeaux-Prissey)はほとんどがAOCニュイ・サン・ジョルジュ扱いで(D974号線西側は1級)、それ以外の部分の畑も単独ではなく、コンブランシアン(Comblanchien)、コルゴロアン(Corgoloin)、そしてだいぶん北へ飛んで、ブロション(Brochon)とフィサン(Fixin)の一部と合わせ技でAOC Côte de Nuits-Villages を形成しています。(赤・白あり。)

そうそう、今日のワインはコート・シャロネーズでした。
DomaineFaiveley06
コート・シャロネーズ(Côte Chalonnaise)は、コート・ドールの南端からの続き、アリゴテのみのAOCブーズロンに始まり、マコネまでに5つのコミュナルAOCがあります。リュリー(Rully)、メルキュレ(Mercurey)、ジヴリ(Givry)までは赤・白両方のAOCで、1級畑もあります。さらに南側のモンタニー(Montagny)は白(シャルドネ)のみのAOCです。

今日のメルキュレはどこの畑なのかも全く情報なし。以前、フェヴレのメルキュレを試した時の地図を再掲してお茶を濁そうと思います(笑)。これもネゴシアンの宿命ですかね…。
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AOCメルキュレは、メルキュレのコミューンだけでなく、隣接するサン・マルタン・ス・モンテギュ(Saint-Martin-sous-Montaigu)も含まれることに注意。

これもフェヴレ(Faiveley)のメルキュレのときのGoogle Map転記地図です。
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プルミエ・クリュ(1級)の分布も示してます。いくつか畑名を書き込んでますが、名前の入った畑はフェヴレの所有する畑です。しかし、醸造施設も構え、畑もいっぱい持ってるフェヴレのメルキュレに対する力の入れようは並々ならぬものですね。


エチケット平面化画像。
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「Élevé et mis en bouteille par~」となっていますが「熟成および瓶詰めしてます」ってことで、ただのメゾンじゃないぞって主張してます。ネゴシアン・エルヴール(Négociant éleveur)でしたね。裏ラベルはなくインポーターシールのみ。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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キャップもコルクもごく普通の汎用品でした。

Alc.13%。(pH:4.28、Brix:7.0)
しっかりルビー。
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フランボワーズ、チェリー、佃煮香も。
酸味からくる辛口アタック。
複雑味、奥行きがあるのは感じるんですが、
最初の酸ががっつりマスクしますね。
喉越し余韻と時は流れても酸はそこに居る(笑)。

このパターン、よくあるので慣れてきたんですが、
好みとしてはいまだ高評価はしにくいんですよね。


*****


Maison Paul Reitz
Mercurey 2016
RRWポイント 88点


Famille Laplace Château d’Aydie Madiran 2015

フランス南西地方、AOCマディランのタナ種100%のワインです。過去はドメーヌ・アラン・ブリュモン(Domaine Alain Brumont)のAOCマディランをいくつか試していますが、今日のはAOCマディランとして初めてワインのボトリングと販売を行ったという、この地のパイオニアとも言えるラプラス家のワインです。

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代々マディランに続くラプラス家のフレデリック・ラプラス氏が1927年に立ち上げたワイナリーです。今日のシャトー・ダイディ(Château d’Aydie)というのが看板ワインのようです。


公式ページのリンクはここ。下のバナーはショップのものです。

今日のワインはしっかり載ってますが、最新のヴィンテージではデザインが変わっているようです。ブルゴーニュ型ボトルにシンプルなラベルで随分印象が違います。
・タナ 100%
熟成の記述がないんですが、インポーター情報では、新樽率20%のフレンチオーク樽(225L)で24ヶ月、コンクリートタンクで12ヶ月だそうです。海外のサイトでは、フードル(Foudre)とバリックの併用で12~15ヶ月含む合計20ヶ月とする情報もありました。まあ、しっかり樽は使ってるということで。

また、AOCマディラン(1948年認定)ではタナを主体にカベソー、カベフラ、フェール・セルヴァドゥ(Fer Servadou)がブレンド可能ですが、今日のはタナ100%ですね。
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タナ(Tannat)は名前が示す通り、タンニン(Tannin)が語源で、タンニン成分が豊富で長熟だとされています。


作り手訪問。マディランのコミューンの西側、アドゥール川と反対に車で10分。Lplace01
今日のワインのシャトー・ダイディらしき建物が見当たりませんね。

辺りを探すと、お向かいにありました。きれいに改装中のようです。
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ともすれば新築に見えます。(笑)


さて、AOCマディランの範囲を確認すべく、例によってINAOを地図を拝借。
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AOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビルAOC Pacherenc du Vic-Bilh)の地図に「AOCマディラン」と書き加えたんですが、どちらも同じ範囲なのでこれいいんです。AOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビルはAOCマディランと同じ地域で造られる白・甘口白のAOCになります。
この2つの同じ範囲のAOCは地図でわかるように3つの県にまたがっています。マディラン自体はオート・ピレネー県(Hautes-Pyrénées)ですが、ジェール県(Gers)とピレネー・アトランティック県(Pyrénées-Atlantiques)に渡る計37のコミューンになります。

今回は念願の南西地方のGoogle Map地図を完成させたので、これで見てみます。
Lplace02
まあ、ネットで拾った地図を重ねただけなんですが、フォトショップの腕前が上がってる分、完成度も高いわけです(笑)。今日の作り手ラプラスの所在も記しましたのでご参考ください。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルにはフランス語ですが、シャトーの説明とマリアージュの解説がしっかりあります。これを隠さないモトックスのシールは偉いですね。


さあ、抜栓。
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キャップシールは無印ですが、コルクはいい感じです。

コルク平面化。
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さすが長熟ワイン、DIAMの10をおごってますね。ミレジムも横に入っていて完璧。

Alc.14.5%。(pH:4.24、Brix:7.5)
黒いインキーなガーネット。タナって感じです。
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黒ベリー、ダークチェリー、森の下草、腐葉土。
若干酸味が乗った辛口アタック。
味わいの厚みはそこそこかな。
しっかりしたストラクチャーも感じるんですが、
最初の酸に少し邪魔されてるかも。
もう数年後かなぁ~という気がします。
余韻も酸は気になるんですが、
やはり熟成のポテンシャルはビンビン感じます。

ただ、最近飲んだウルグアイのタナがバリうまだったので、
どうしても比較してしまいます。(笑)


*****


Famille Laplace
Château d’Aydie
Madiran 2015
RRWポイント 90点


Gérard Bertrand Corbières 2015 Grenache / Syrah / Mourvèdre

ジェラール・ベルトランのAOCコルビエールをいただきます。エチケットにグルナッシュ・シラー・ムールヴェードルとあるように、いわゆるGSMというやつですね。インポーターのうたい文句では、ラングドック・ルシヨンのプレミアムワインのパイオニアで自然派ワインの巨人なんて書いてます。これは面白そうです。

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父からコルビエールの畑(Château de Villemajou)を受け継いだブドウ栽培家でありながら、元ラグビー仏代表という異例の経歴を持ったジェラール・ベルトラン氏がラグビーを引退後、家族経営のワイナリーを設立したのが今日の作り手です。1975年のことのようです。ラングドック・ルシヨン各地に16ものシャトー/ドメーヌを持ち、畑の総面積は850haにも及ぶそうです。また、2002年来これらの畑のビオディナミ化を推し進めているそうで、なるほど「自然派ワインの巨人」なわけですね。

公式ページは、さすが大手といった雰囲気。

う~ん、今日のGSMが見当たりませんね。ショップ兼用だからかな~。インポーター情報(ファインズ)を参考にします。
・グルナッシュ 40%
・シラー 35%
・ムールヴェードル 15%
・カリニャン 10%
あれれ、カリニャンも? GSMCになっちゃいますね(笑)。手摘み収穫、シラーは全房、グルナッシュとムールヴェードルは除梗あり、だそうです。で、カリニャンは?(笑)

作り手訪問。2002年に取得なので創業の地ではないようですが本拠地はここのようです。
Gerard-Bertrand01
シャトー・ロスピタレット(Château l'Hospitalet)という名前でホテルもやっています。周りの雰囲気も含めなかなか素晴らしいところです。公式ページによると、ここで作ってるワインはすべて「AOC La Clape」になっているようです。

いつものラングドック・ルシヨンGoogle Map地図で所在を確認してみます。
Gerard-Bertrand00
ナルボンヌのすぐ東側、確かにAOCラ・クラープ(AOC La Clape)にありますね。このAOCは赤・白OKで、赤はグルナッシュ、シラー、ムールヴェードルが主要品種です。すると、お隣のAOCコルビエール(AOC Corbières)と何が違うんでしょうね。

INAOの地図で、AOCコルビエール(左)とAOCラ・クラープ(右)の範囲を比べます。
Gerard-Bertrand03
あれれ、ナルボンヌ含めこの2つのAOC、範囲がかなりオーバーラップしてます。AOCコルビエールが広大すぎるっていうのもあるかもしれませんが、AOCラ・クラープの大半のところでAOCコルビエールが名乗れそうです。

INAOの地図じゃちょっとわかりにくいですね。正確な範囲を再度Google Map上にインポーズ。
Corbieres
なるほど、なるほど。やっぱり今日の作り手の本拠地はAOCラ・クラープとAOCコルビエールの両方に属してます。AOCラ・クラープで出すってことは、やはり広域のAOCコルビエールより上って印象があるんでしょうね。ラングドック・ワインの公式ページではAOCのランク付けがしてあって、AOCラ・クラープは「Crus du Languedoc」、AOCコルビエールは「Grands Vins du Languedoc」と分類され、やはりAOCラ・クラープの方が上のようです。
因みに、今日の作り手はAOCコルビエール・ブートナック(AOC Corbières-Boutenac)に創業の地の「Château de Villemajou」があります。地図上に示したのでご確認を。
また、AOCフィトゥー(AOC Fitou)もAOCコルビエールの範囲に含まれることに気づきました。これも書き込んだので要チェックです。AOCコルビエールって、ほんといろんな他のAOCとかぶってたんですね。ナルボンヌ近郊の小さなAOCですが、AOCラングドック・カトゥールズ(AOC Languedoc Quatourze)というのもAOCコルビエール範囲内です(笑)。

で、これらAOCは大抵赤がありまして、主要品種もグルナッシュ、シラー、ムールヴェードルとどれも似たり寄ったりです。テロワールの違いと言われれば納得しないでもないですが、AOCコルビエールのように場所も重なってるとなると「一体何が違うの?」となりますね(笑)。

AOCコルビエールの赤の規定だけ書き出しておきます。
・主要品種は、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、カリニャン、Lladoner Pelut。
・主要品種は、合計で50%以上。
・補助品種は、サンソー、ピクプール・ノワール、グルナッシュ・グリ、Terret Noir。
・カリニャン、ピクプール・ノワール、Terret Noirは、合計で50%以下。
・サンソーは、20%以下。
・グルナッシュ・グリは、10%以下。
・少なくとも2種は使うこと。
どうです。微妙に複雑でしょ。これにロゼと白の規定もあるので、今回は赤しか書かないわけです(笑)。(Lladoner Pelut=Garnacha Peluda)


エチケット平面化画像。
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裏ラベルの説明にはカリニャンが入ってるとは書いていません。ファインズの情報、正しい?


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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ジェラール・ベルトランのエンブレム(x2)のみですね。

Alc.14%。(pH:4.43、Brix:7.2)
濃いガーネット。
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黒ベリー、チェリー、カシス、黒鉛か酸の風味。
やはり酸を乗せた辛口アタック。
複雑味は感じますが奥行きは浅そう。
タンニンの収斂性はそこそこしっかり喉元を刺激します。
余韻もじっくり楽しめるんですが、
やはり最初の酸は続きますね。
まあまあ、十分及第点ではあります。


*****


Gérard Bertrand
Corbières 2015
Grenache / Syrah / Mourvèdre
RRWポイント 88点


Vignerons Ardéchois Le Grand Devès Grignan-Les-Adhémar 2019

AOCグリニャン・レ・ザデマールGrignan-Les-Adhémar)をいただきます。南部ローヌの北端にあるこのAOCはお初になりますので、ひとつ課題クリアってことで。ところで、このAOCはかつてコトー・デュ・トリカスタンCoteaux du Tricastin)と呼ばれたもので、2008年に起きたトリカスタン原子力発電所の放射能漏れ事故の影響により、風評被害を避けるため2010年に名称変更になったものです。この原発事故、調べてみると結構ヤバかったみたいですね。当時日本では東電や原発行政に忖度してマスゴミはあまり大きく報道しなかったようで記憶にある人は少ないんじゃないでしょうか。そんなことも考えながらいただくとしましょう。(笑)

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作り手は、ヴィニュロン・アルデショワ(Vignerons Ardéchois)という地域最大の協同組合で、1967年に創業、現在1000以上の生産者が参加し総計6000haもの畑をカバーしています。

公式ページはさすが大手と言う感じの雰囲気ですが、ワイン情報は極少。

セパージュはこう。
・シラー
・グルナッシュ
比率がわかりません。熟成はインポーター情報でステンレスタンクで6ヶ月。
AOCグリニャン・レ・ザデマールは赤・白・ロゼがありますが、赤の規定では主要品種がシラーとグルナッシュとなっています。主要品種で70%以上、シラー単体は30%以上入れないといけないことになってます。先に書いてあるシラーが順当に半分以上入ってるんでしょうね。補助品種はサンソー、カリニャン、ムールヴェードル、マルスランで、単独で15%を超えず、補助品種合計で30%を超えてはいけません。(主要品種70%の裏返しですね。)

作り手訪問。っていうか、すごくでかい企業のような風情です。
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アルデシュ県南部のルオム(Ruoms)というところにあります。社名が「アルデシュのワイン生産者(Vignerons Ardéchois)」ですからね。

南部ローヌを俯瞰してAOCグリニャン・レ・ザデマールや作り手の所在を確認。
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例のトリカスタン原子力発電所の場所も記しました(笑)。いつも使ってる地図を左側にインポーズして参考にしています。
この地図、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(AOC Côtes-du-Rhône-Villages)の範囲を見るのにいい地図だと思って、ケランヌやラストーなんかを削除・修正しながら使っていましたが、「Villages」のあとに地名を名乗ることができる所が近年増えていて、さすがに参考にするには少々古すぎたようです。
AOC Côtes-du-Rhône-Villages ~のように補足的地理的呼称(Dénominations Géographiques Complémentaires)がつくのが 16 あると以下を上げていましたが、実はいつの間にか6つ増えていて現在 22 あるそうです。

・Côtes-du-Rhône-Villages Chusclan
・Côtes-du-Rhône-Villages Laudun
・Côtes-du-Rhône-Villages Massif-d'Uchaux
・Côtes-du-Rhône-Villages Plan-de-Dieu
・Côtes-du-Rhône-Villages Puyméras
・Côtes-du-Rhône-Villages Roaix
・Côtes-du-Rhône-Villages Rochegude
・Côtes-du-Rhône-Villages Rousset-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Sablet
・Côtes-du-Rhône-Villages Séguret
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Gervais
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Maurice sur Eygues
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Pantaléon-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Signargues
・Côtes-du-Rhône-Villages Valréas
・Côtes-du-Rhône-Villages Visan

追加された地名と言うのが以下の6つです。追加された時系列で挙げます。

<2012年追加>
・Côtes-du-Rhône-Villages Gadagne

<2016年追加>
・Côtes-du-Rhône-Villages Sainte-Cécile
・Côtes-du-Rhône-Villages Suze-la-Rousse
・Côtes-du-Rhône-Villages Vaison-la-Romaine

<2017年追加>
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Andéol

<2020年追加>
・Côtes-du-Rhône-Villages Nyons

2020年って、つい最近も追加があったんですね。AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュは南部ローヌ(Vallée du Rhône Sud / Méridional)にしかなく、北部ローヌ(Vallée du Rhône Nord / Septentrional)にはありません。そしてどんどん進化していってるようです。南部ローヌの最新情報に目が離せませんね。

しかし…
南部ローヌにとっては微妙な位置にあるトリカスタン原子力発電所。行ってみました(笑)。
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なんと、Google Mapではボカシが入ってます。上空写真も拡大しても高解像度になりません。なんだ、なんだ? ヤバそうな雰囲気がプンプンします。
2008年の放射能漏れ事故を調べてみました。2008年7月、天然ウランを含むウラン溶液18,000リットルが誤って放出され地面に漏れてしまったとのことで、ガフィエール川(Gaffière)とロゾン川(Lauzon)で高濃度のウランを検出。これらの川はカナル・ド・ドンゼール=モンドラゴン
(Canal de Donzère-Mondragon)を通じてローヌ川に合流しています。当局は川からの飲用水と農業用水の使用を禁止、この他にも水泳やウォータースポーツ、釣りも禁止されました。その後、約100人の従業員が、停止した原子炉から漏れ出した放射性粒子によって被曝していたそうです。ただ事ではなかったみたいですね。
フランスでは59基もの原発が稼働しており、総電力の80%を原子力に頼っている状態ですが、フランス政府は原子力発電所の運営を原子力開発会社大手アレバ(AREVA)というのに丸投げで任しており、アレバの言うことも鵜呑みの状態だそうです。アレバの幹部はこの事故後、「健康や環境への被害はない」と発表しているそうです。ああ、良かった…ってならんわ!!
この原発と同じ名前のAOCコトー・デュ・トリカスタン(Coteaux du Tricastin)を名称変更したのが今日のワインですが、風評被害という理由もわかりますが、それ以上に南部ローヌのワインのヤバさを隠そうとするための名称変更であったような気がしてなりません。(笑)

今日の作り手はアルデシュ県(Ardèche)にあるだけあって、主力は IGP Ardèche だそうで。
Adechois03
最後に、IGPアルデシュをGoogle Map上で見ておきます。南部ローヌに属する県南部を特に IGP Ardèche-Coteaux de l'Ardèche と言うようですね。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルは剥がした跡がありますが…

インポーターシールがこんな具合でした。これはいけません。
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おっと、安定剤(アカシア)入り! まあ、安かったですからね。


さあ、抜栓。
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まあ、無印ですわな。

コルク平面化。
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ノマコルクでした。

Alc.12.5%。(pH:4.49、Brix:6.4)
ガーネット。
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黒ベリー、カシス、黒胡椒。
辛口アタック。
酸味は邪魔ではないんですが、しっかりそこにあるって感じ。
タンニンも効かせながらバランスは悪くないですが、
奥行きや立体感は正直弱いですね。

軽いローヌが味わえて満足ではあります。
放射能と安定剤(アカシア)入りですが。(笑)


*****

Vignerons Ardéchois
Le Grand Devès
Grignan-Les-Adhémar 2019
RRWポイント 88点


Karl Haidle Spätburgunder Trocken Stubensandstein 2018 Württemberg

カール・ハイドルというドイツはヴュルテンベルク(Württemberg)の作り手のシュペートブルグンダー(Spätburgunder)、すなわちピノ・ノワールです。VDP.の Gutswein の等級マークがついていますが、店頭では隣に同じ作り手の Erste Lage のものも置いてました。一瞬迷いましたが、平常運転、お手頃のグーツヴァインの方を選びました。はてさて、吉と出るか凶と出るか…。

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カール・ハイドル(Karl Haidle)は、カール・ハイドルさんが1949年にシュトゥットガルトに近いレムス渓谷(Remstal)で設立したワイナリーです。0.5haで始めた畑は現在19haにもなり、この地で協同組合ではなく個人でワイナリーを成功させた先駆者とされているようです。現在は2代目のハンスさん、3代目のモリッツさんが運営をしています。

公式ページは、ワイナリー紹介、畑紹介などなかなか充実の内容でした。
KarlHaidle1A
ワイン紹介は、今日のワインのデータシートがリンク切れのようで残念。
・ピノ・ノワール 100%
オークの大樽とバリックの併用で熟成させるようですが期間がわかりません。

今日のワインは VDP. のグーツヴァイン(Gutswein)の等級となっていますが、VDP.(ファーデーペー、Verband Deutscher Prädikatsweingüter)の格付けについておさらいをしましょう。
ドイツの QbA や Prädikatswein の等級は甘さが基準で品質自体がわかりにくいこともあり、VDP.(ドイツ高品質ワイン醸造家協会)が1910年に独自に審査・認定を始め、畑に格付けをしています。テロワール重視のフランス式と考えればわかりやすいです。
キャップシールに VDP. ロゴ(鷲のマーク)が入り、以下の等級が表記されます。

Gutswein(グーツヴァイン)・・・地域名ワイン
Ortswein(オルツヴァイン)・・・村名ワイン
Erste Lage(エアステ・ラーゲ)・・・1級畑ワイン
Grosse Lage(グローセ・ラーゲ)・・・特級畑ワイン
 この特級畑からの辛口ワインには、特に、
Grosses Gewächs(グローセス・ゲヴェックス)・・・“Grand Cru”
 と表記され、Qualitätswein trocken が併記されます。

今日のワインは Gutswein(地域名ワイン)。同様に Qualitätswein trocken が併記されてます。


ワイナリー訪問。ロゴマークにある建物が畑の真ん中にありました。
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ワイナリー自体はこの畑のすぐ麓にあります。丘の上の建物はイーブルク城 (Y-Burg)といって建てられたのは1300年頃といいます。なんだかんだあって18世紀頃に壁だけが残るまで破壊されたそうです。この建物を取り囲む畑はカール・ハイドルの畑なので、イーブルク城もワイナリーの所有なんでしょうね。マークに使ってるくらいですから。

公式ページに所有畑の地図があったので Google Map にインポーズします。
KarlHaidle03
最初の写真に写ってる畑全部なんですね。この地図の範囲外にもまだ所有畑はありました。

今日のワインは地域名ワインで、ヴュルテンベルク(Württemberg)が産地です。ドイツの(13ある)生産地のひとつでありまして、場所としてはバーデンの東側に広がっています。
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この地図にも書かれていますが、ヴュルテンベルクには大きく4つのベライヒ(Bereich)があります。以下の4つになります。

Kocher-Jagst-Tauber(コッハー・ヤークスト・タオバー )
Württembergisch-Unterland(ヴュルテムベルギッシュ・ウンターラント )
Remstal-Stuttgart(レムシュタール・シュトゥットガルト)
Oberer Neckar(オーベラー・ネッカル )

また、地図外ですが、少し離れたボーデン湖畔にも飛び地のベライヒがもう2つあります。湖の北岸東側で Württembergischer Bodensee(Nonnenhorn、Wasserburg、Lindau)と Bayerischer Bodensee(Kressbronn周辺)といいます。ボーデン湖周辺はややこしい…。

今日のワインは Remstal-Stuttgartレムシュタール・シュトゥットガルト)のベライヒになりますが、見にくい地図なので、Google Mapに転記してワイナリーの所在を確認します。
KarlHaidle01
シュトゥットガルトの東側ですね。シュトゥットガルトはバーデン・ヴュルテンベルク州の州都であり、ネッカー川が町を流れる大都市です。ベンツやポルシェの本社と博物館があったりします。

ワイン産地としてのヴュルテンベルクのカギとなるのがやはり川です。上の地図にも書き込みましたが、川だけに着目するとこんな具合に流れています。
KarlHaidle02
ネッカー川(Necker)はマンハイムでライン川と合流しますので、ライン川の支流ということになりますが、ヴュルテンベルクの主要な4つのベライヒを貫く大きな川です。


ラベル平面化画像。長~い一枚ものです。
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ユーロリーフが付いてますね。ヴィーガンワインのようです。
インポーターシールが隠しているのはバーコードだけでした。セーフ。


さあ、スクリュー回転。
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Ortswein(オルツヴァイン)以下はスクリューキャップ仕様のようです。キャップにはエンボスのマークが入っていてカッコいいですが。

Alc.12%。(pH:4.11、Brix:6.2)
ルビー。
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ラズベリー、ストロベリー、チェリー。
青み、茎っぽさもかすかに感じます。
辛口アタック。
大人しめの酸はいい感じですが、
味の芯は弱めで酸に負けています。
すると後味でもその酸は引きずるんですよね。

ライトなピノとしてよしって感じなんですが、
やっぱりもう一つ上のグレードが良かったのでしょうか。
(笑)


*****

Karl Haidle
Spätburgunder Trocken 
Stubensandstein 2018
Württemberg
RRWポイント 88点


Indómita Gran Reserva Pinot Noir 2019

前からちょこちょこ試しているインドミタです。今日はピノ・ノワールといきましょう。とにかくリカマンに大量に置いてあるので(笑)特売になってるとつい手が出てしまいます。ここはサンソーカリニャンのモノセパージュ、ゲヴュルツの甘口など結構面白そうなのを出しているので過去にいくつか試しています。実力もそこそことお見受けします。

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インドミタはカサブランカ・ヴァレーに2004年創業という新しめのワイナリーですが、輸出量ではチリで8位という大手になっています。元はベティア(Bethia)グループというチリ資本の傘下でしたが、2017年に中国のワイン企業グループ Changyu(Yantai Changyu Pioneer Wine)に買収され現在は中国資本になっています。サンタ・アリシア(Santa Alicia)も同じく Changyu 傘下ですからお仲間です。(笑)

公式ページはまたリニューアルしてるようです。内容は減っていってるような…。

ワイナリーの歴史も長くなく、中国企業傘下ということもあってか、自社の歴史なんかはまったく触れられていません。なんとなく身につまされるものがありますね。
・ピノ・ノワール 100%
これ以上の情報は載ってませんが(笑)、ブラジルのショップサイトの情報ですと、除梗あり、低温浸漬あり、オーク樽で6ヶ月の熟成とのこと。


何度も行ってますが、再度ワイナリーを訪問。丘の上にあって割と立派ですよ。
Indomita01
首都サンティアゴと太平洋岸の都市バルパライソを結ぶ幹線道路(68号線)沿いにあるカサブランカの町のすぐ近くです。そしてここがカサブランカ・ヴァレーなわけです。


サンティアゴ、首都州周辺の広域地図で位置関係を把握しておきましょう。
Indomita02
サンティアゴの人は、ビニャ・デル・マル(Viña del Mar)という海岸リゾートによく行きますから、幹線道路沿いのカサブランカ・ヴァレーはマイポ・ヴァレーより馴染みがあるんじゃないかと思われます。
カサブランカ・ヴァレーは「Costa」に分類されるその地形・位置関係から、フンボルト海流による冷却効果の影響を強く受け、概して冷涼な気候となっています。ブドウ栽培が盛んになったのは1980年代とさほど古くないのですが、すぐに白品種にうってつけとわかった生産者が集まり、ソーヴィニョン・ブランやシャルドネの一大産地となっていきました。同様の理由で、ピノ・ノワールもカサブランカ・ヴァレーに適した品種として栽培され成功しています。


ラベル平面化画像。
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ジェームズ・サックリングさんの91点シールが誇らしげです。サックリングおじさんはこのピノ・ノワールに過去からコンスタントに90点以上をつけてます。お好みなんですね。


さあ、抜栓。
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キャップシールは無印。

コルク平面化。
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凝った模様にワイナリーの遠景からの姿が描かれています。

Alc.14%。(pH:4.30、Brix:7.7)
ルビー。
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ラズベリー、イチゴ。
ミント(ゼラニウムっぽ?)や茎感もわずかながらあります。
酸味が乗った辛口アタック。
酸はさほど鋭角ではないんですが、
実体をマスクする感じで居座ります。
ペラペラではないので楽しめますが、
もう少し滋味感が欲しいかな~。

まあ、1000円ですからね。
上出来ということで。


*****

Indómita Gran Reserva Pinot Noir 2019
D.O. Casablanca Valley
RRWポイント 88点


Nahuen by Terrapura Gran Reserva Carmenere 2017 Colchagua Valley

日本カルメネール振興協会の活動日です。活動用に日頃からちょっといいカルメネールのバリエタルを探していますが、なかなか苦労しています。どの作り手もトップレンジにもカルメネールをラインナップしていたりするんですが、日本に入ってきてるのはお手頃ローレンジばかり。それもカベソーは入ってきていてもカルメネールだけなかったりします。まだまだ振興活動が足らないようですね(笑)。今日のコレは1000円台のとってもお手頃カルメネール。見慣れないブランドですが、「By TerraPura」となってます。

IMG_4887
インポーター、ヴィレッジ・セラーズの情報によると、このブランド、「ウンドラーガ・ファミリーのアルフォンソ・ウンドラーガと栽培醸造家であるホセ・ミゲル・オバルが2人のチリワイン産業界での経験を生かし、2006年に興したテラプラ(=ピュア・テロワールの意味)の後継ブランドです。」だそうです。
ここの情報によると、今日のカルメネールは、
・カルメネール 100%
フレンチオークで8~10ヶ月熟成となっています。

えっ、もうテラプラのブランドないんだと思ったら、こんな画像をネットで発見。
Nahuen01
どうやら、ほんとに「テラプラ → ナウエン」に変えちゃったようですね。

と思って、TerraPura の公式ページを探してみると、ブランドはいまだ健在です。

おまけに、Nahuen なんてかけらも載っていません。

裏ラベルに「8valleys」の製造とあり、「www.8valleyswines.com」のURLが載ってますが、こっちこそ、テラプラのことさえ載っていません。(笑)

う~ん、チリあるあるですが、メーカーの海外向けブランド戦略に翻弄されているようです。出荷先によってブランドを使い分けたり、別ブランド作ってみたりする方が、マーケティング的に非効率な気がするんですがね。


まあ、気を取り直してテラプラを訪問してみます。
Nahuen00
ストビュー(2015年のデータ)ではまだ存在していないので新しそうですね。これは公式ページの写真を拝借しました。パンアメリカンハイウェイ(チリハイウェイ)5号線沿い、レンゴとサン・フェルナンドの間です。

ラペル・ヴァレー(=コルチャグア+カチャポアル)の地図で場所(黄四角)を確認。
Nahuen02
ラペル・ヴァレーの範囲は、いわゆるリベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O’Higgins)と重なるということです。


ラベル平面化画像。
IMG_4874
裏ラベルに熟成について書いてました。「フレンチオークに触れさせて10ヶ月」とのこと。出ました「オークチップ」ですね。樽なんてひと言も書いてません。「フレンチ」なのが救いでしょうか。(笑)


さあ、抜栓。
IMG_4885
コルチャグア・ヴァレーなんて書いてますが汎用品ですね。コルクはこの「Chile Premium Wines」が2回繰り返しなだけなので平面化はしません。

Alc.13.5%。(pH:4.47、Brix:7.3)
濃いガーネット。
IMG_4886

黒ベリー、アメリカンチェリー。
黒糖・チョコかすかにありカルメネールを感じます。
酸も感じる辛口アタック。
軽めの中心ながら立体感はありますね。
酸は弱めですが始終居座るのはちょっとしつこいな。
カルメネールらしさは充分出ているとは思います。


*****


8Valleys
Nahuen by Terrapura Gran Reserva Carmenere 2017
Colchagua Valley
RRWポイント 88点


Jean Perrier et Fils Savoie Pinot Noir 2018 Cuvée Gastronomie

サヴォワのピノ・ノワールをいただきます。以前、ビュジェBugey AOC)のピノ・ノワールを試して良かったので、その類推でサヴォアで試してみます。サヴォワAOC(Savoie AOC)の赤は、ガメ、ピノ・ノワール、モンドゥーズが主要品種で、これら3種が作付けの90%を占めないといけません。白主体のAOCなので赤は全体の2割ほどですが、ピノ・ノワールは主要品種ですから、しっかり作ってるんじゃないかと期待します。

IMG_4770
作り手のジャン・ペリエ・エ・フィスは1853年創業、7代続くサヴォアの老舗です。ドメーヌ名にもなっている3代目のジャン・ペリエさんが規模を拡大、その息子のヴィクトールさんが1947年にサヴォアで初めて自社瓶詰めを始めるなど、サヴォアのワインを牽引してきた作り手と言えるかもしれません。実際、公式ページにはドメーヌの歴史の前にサヴォワ・ワインの歴史が書かれています。(笑)

公式ページは動画を使ってサヴォアの雰囲気が伝わるいい感じのものです。

今日のピノは「Cuvée Gastronomie」という副題が示すように日常の食事に合わせるデイリー・レンジのようですが、きちっと紹介も載ってます。
・ピノ・ノワール 100%
手摘み収穫、MLFあり、樽はなしです。早飲み仕様、2年内の消費を推奨だそうで。
ブドウは、ブルジェ湖(Lac du Bourget)北側のショターニュ(Chautagne)とジョンジュー(Jongieux)、イゼール川(L'Isère)流域の渓谷(La Combe de Savoie と呼ばれる)など複数の場所から来ているそうで、どうりで「Vin-de-Savoie+産地名」が名乗れないわけです。

各ワイン紹介と共に、ブドウと畑の写真が載ってました。親切~。
Savoie001
と思ったら、ピノ・ノワールの写真はモンドゥーズと同じものでした。(笑)

さて、作り手訪問です。
Savoie02
以前モンドゥーズを試したドメーヌ・イヴ・ジラール・マドゥーの近くでした。シニャン(Chignin)の駅を挟んで反対側です。


サヴォワAOC(Savoie AOC)もしくはヴァン・ド・サヴォアAOC(Vin-de-Savoie AOC)の範囲をお馴染みのINAOの地図で見てみましょう。サヴォア全域対象のAOCというのがわかります。
Savoie04
この地図で「Vin-de-Savoie+産地名」の16地域もわかりますね。

そしていつものGoogle Map転記地図。作り手の所在も書き込みました。
Savoie03
とどのつまり、Vin-de-Savoie(もしくは単にSavoie) 、Roussette-de-Savoie、Seyssel の3つしかAOCはないんですが、「Vin-de-Savoie+産地名」x 16 と 「Roussette-de-Savoie+産地名」x 4 の地理的名称付きバージョンと、Crémant de Savoie、Vin de Savoie Mousseux、Vin de Savoie Pétillant、Seyssel Mousseux、Seyssel Molette などが話をややこしくしています。違いや位置づけはINAOのサイトなんかで調べましょう。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_4752
シンプルなデザイン。山の稜線のようなライン。嫌いじゃないです。

はい、例によってインポーターラベルはこのありさまです。
IMG_4751
フランス語だからって作り手のメッセージを隠してはいけませんね。


さあ、抜栓。
IMG_4765
キャップにエンボスでドメーヌのロゴ。「SAVOIE」&エチケットと意匠を合わせたネックの模様もいいですね。

コルク平面化。
IMG_4766
これは完全に汎用品でした。2年で飲み切り推奨ですからDIAM1でいいんでしょう。

Alc.12%。(pH:4.24、Brix:6.6)
クリアできれいなローズ系のルビー。
IMG_4767

フランボワーズ、チェリー、かすかな佃煮香も。
ハーブでなくミントっぽいかな。
酸味がかすかに乗った辛口アタック。
うっ、軽いな…。
厚み、複雑味を期待するのは酷かもしれません。
ただ、酸とフワッとした苦味がバランスを取ってくるので、
案外と楽しめることが判明します。

油淋鶏にバッチリ会いました。(笑)
へたなブルゴーニュより、こんなピノもありです。


*****


Jean Perrier et Fils
Savoie Pinot Noir 2018
Cuvée Gastronomie
RRWポイント 88点


Monte del Frà Bardolino DOC Chiaretto 2018

ヴァルポリチェッラばかりに気を取られて見落としがちですが、その西隣、ガルダ湖周辺にバルドリーノ(Bardolino DOC)というDOCがあります。ここもコルヴィーナ主体にロンディネッラやモリナーラをブレンドしますからよく似てますね。しかしながらバルドリーノではキアレットChiaretto)というロゼも同じDOCとして認められており、ブドウの規定は同じです。コルヴィーナのロゼ、これは試しておかないとなりませぬ。

IMG_4597
作り手のモンテ・デル・フラ(Azienda Agricola Monte del Frà)はヴェネト州ヴェローナのソンマカンパーニャ(Sommacampagna)にあるクストーザ(Custoza)というところで1958年に創業しています。140haもの所有畑がある大手になっていますが、ボノモ家(Bonomo)による家族経営です。

公式ページは情報も充実しており、大手らしい出来です。

ワイン情報もデータシート完備でいいんですが、この辺りの産地アルアルなのかもしれませんが、セパージュの%情報が書かれていません。これはインポーター情報に頼ります。
・コルヴィーナ 65%
・ロンディネッラ 30%
・モリナーラ 5%
どれも黒ブドウですが、24時間の低温浸漬によるスキンコンタクト+白ワインの製法でロゼに仕上げるそうです。

Bardolino DOC(1968年DOC認定)の規定では、ロゼChiaretto でも品種は同じです。
・Corvina and/or Corvinone 35~80%(Corvinone は20%を超えない)
・Rondinella 10~40%
・Molinara 15%以下

Bardolino Superiore DOCG が2001年にDOCG化しており、品種規定は同じ、熟成1年が義務付けられています。ただし、スペリオーレにはロゼ(Chiaretto)はありません

またそれぞれ、サブゾーンとして Classico があり、Affi、Bardolino、Cavaion、Costermano、Garda、Lazise の6コミューンが対象です。

これが、Corvina。18世紀ごろからCorvina Veroneseとも呼ばれてます。
Corvina
1627年の文献にコルヴィーナという名が初出しており、当然イタリア原産です。DNA分析では、Refosco dal Peduncolo Rosso や Rondinella と親子関係があり、Dindarella、Garganega、Marzemino、Oseleta とは遠い親戚だそうです。
また、Corvinone というよく似た名前の品種がコルヴィーナの代わりに使用可なのですが、フェノール特性が同じながら、房や果実がコルヴィーナより大きく果皮の色も濃いそうです。

これが40%まで混ぜていい Rondinella。同じくイタリア原産。
Rondinella
2006年のDNA鑑定では、Corvina (Veronese) と何らかの品種の自然交配という結果が出ています。コルヴィーナの子供ですか。親子でブレンドするわけですね。

今日のワインにも5%だけ入ってる Molinara
Molinara
ロンディネッラは最低10%はブレンドしないといけないようですが、モリナーラは15%を超えないようにとなってるだけで、入れなくてもOKなんでしょう。モリナーラは色や糖度の弱さからブレンドでしか使われない裏方のような品種ですが、ミネラル分の特性がいいことから今日のワインのように一部では根強く使われているようです。


作り手訪問。なかなか立派な施設です。
Verona_Bardolino02
周辺も一面畑ですが、全部自社畑なんだそうです。


バルドリーノDOCの位置関係を確認するのにお馴染みのヴェローナ周辺地図を見ます。
Verona_Bardolino
Bardolino DOC と Bianco di Custoza DOC はオーバーラップしていますが、作り手のモンテ・デル・フラはちょうどその辺り、Sommacampagna と Custoza の間ぐらいに位置します。

この地図をGoogle Mapに重ねてみます。モンテ・デル・フラの場所も印をしました。
Verona_Bardolino00
ずいぶんわかりやすくなったと思ってるのは作った本人だけでしょうか。(笑)

と思っていたら、モンテ・デル・フラの公式ページにこんな地図がありました。
Verona_Bardolino01
自社畑の場所とワインのラインアップが紐づけで示してあります。素晴らしい。さすが本家、完璧です。(当たり前か)今日のワインに黄色枠で印を追記しています。
Amarone della Valpolicella も出していて、評判もいいようです。いずれ試してみたいですね。


ラベル平面化画像。
IMG_4467
インポーターシールは控えめで裏ラベルを隠していません。エライ。
ところで「Chiaretto」って英語の「Claret」のことらしいですね。クラレットといえばボルドーの赤ワインですからロゼではないんですが…。


さあ、抜栓。
IMG_4598

コルク平面化。
IMG_4594

コルクに印刷されているのはこのロゴマークですね。
Verona_Bardolino03

Alc.12.5%。(pH:3.92、Brix:6.2)
玉ねぎの皮のようなオレンジ色。ピンクっぽいロゼとは趣きが違います。
IMG_4596

ラズベリー、キイチゴ、プラム、ゆずっぽさも香ります。
甘みを感じますが辛口アタック。
ベリー系の果実味が甘みを連想させてるみたいです。
しっかりした味わいがありますね。
水臭いロゼとは一線を画す感じがします。
喉越しの苦味もいい具合にタンニンが残ってるんでしょうか。
余韻もしっかりあります。
何にでも合わせられそうないいワインですね。

色は薄いですが、赤ワインの味わいがあります。
薄いロゼは白ワインとして評価したりしていましたが、
これは赤ワインとして評価しておきましょう。


*****

Monte del Frà
Bardolino DOC Chiaretto 2018
RRWポイント 88点


Lvnae Auxo Colli di Luni D.O.C. Rosso 2016

コッリ・ディ・ルーニDOC、リグーリア州のワインです。リグーリアと言えば、コートダジュールのニースやモナコの方から海岸沿いに続く細長い州です。その昔フランス側からジェノバまで車で旅行したことが思い出されるのですが、どうやら Colli di Luni DOC はその反対側のようですね。山がちな海岸線が続き、どこにブドウ畑を作るんだろうと思うような地形だった記憶がありますが、ワインをいただきながら紐解くといたしましょう。


IMG_4301
Cantine Lvnae Bosoni は、DOCの名前でもある「Colli di Luni(ルーニの丘)」に1966年にボゾーニ家が創業した家族経営の作り手です。このDOCを代表するワイナリーのひとつのようですね。


公式ページはそこそこしっかりしています。

ただし、ワイン情報でセパージュ%の表記がありません。イタリアあるあるですけどね。
ネットを調べると、パーカーおじさんが今日の2016年に88点をつけた記事を発見。おじさんはちゃんとセパージュ情報も書いてくれてました。偉いぞ、パーカーおじさん!
・サンジョヴェーゼ 70%
・カナイオーロ 15%
・チリエジオーロ 15%
これもおじさん情報ですが、熟成はオークの大樽で8ヶ月だそうです。結構この樽が効いてるって書いてます。

Colli di Luni DOC はヴェルメンティーノ主体の白がメインですが、今日のワインのようにサンジョヴェーゼ主体の赤も認められています。(サンジョヴェーゼ50%以上が規定。)実はこのDOC、隣のトスカーナ州まで広がっており、トスカーナのDOCでもあります。
Liguria05
どうりでセパージュがトスカーナっぽいわけです。

なので、キヤンティでもお馴染みのカナイオーロをブレンドしています。
Canaiolo

チリエジオーロもトスカーナで使われるブレンド用品種です。
Ciliegiolo
チリエジオーロは片親がサンジョヴェーゼだとか、子孫がサンジョヴェーゼだとかいうDNA分析が出ており、とにかくサンジョヴェーゼのご親戚のようです。


さあ、作り手訪問。周辺もブドウ畑でなかなか立派な感じです。
Liguria00
どうでもいいですが、すぐ近くにルーニ(Luni)という鉄道駅がありました。

公式ページにワイナリー周辺の状況がわかるなかなかいい写真が載ってました。
Liguria03
マグラ川流域のこのあたりが Colli di Luni DOC の中心地になるようです。

写真と同じあたりをGoogle Mapで俯瞰してみました。
Liguria04
マグラ川の河口部分なので、右側はすぐ海(リグリア海)です。

例によってリグーリア州を俯瞰します。細長いっすね~。(笑)
Liguria01
ワイナリーの所在も示しましたが東の端っこですね。ほぼトスカーナ。(笑)
海岸沿いまで山が迫っていて、平地がほとんどありません。おかげで生産量も少なく、イタリア全州で一番生産量の少ないヴァッレ・ダオスタ州に次いで少ないそうです。しかし、その中に8つもDOCがあるんですね。


ラベル平面化画像。
IMG_4161b
「Lvnae」というのはラテン語の月(イタリア語で Luna)のことで、町の名前「Luni」からインスパイアされてつけた名前だそうです。
裏には簡単なセパージュや Colli di Luni の説明があります。サインは当主のパオロ・ボゾーニさんのものです。


さあ、抜栓。
IMG_4298
キャップシール、コルクとも賑やかでいいです。

コルク平面化。
IMG_4299
ラベルのと同じマークがあしらわれています。DIAM5を採用。

Alc.13%。(pH:4.20、Brix:7.2)
濃いガーネット。
IMG_4300

黒ベリー、イチジク…。
そしてけっこう目立つブレット(ブレタノマイセス)。
樽香かも?とも思いましたが、やはり馬小屋臭です。(笑)
辛口アタック。
ちょっと酸が顔出しますが、果実味を強調していて、
しっかりした骨格のある味へつながっていきます。
タンニンはソフトですが喉越しで軽い収斂性あり。
余韻では最初の酸が帰ってきて早めに店じまいって感じです。

うん、悪くはないんですが、めちゃうまでもない。
パーカーおじさんのつけた88点は絶妙ですね。同意。(笑)


*****


Cantine Lvnae Bosoni
Auxo Colli di Luni D.O.C. Rosso 2016
RRWポイント 88点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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