Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

RRWポイント:93点

Rejadorada Tinto Roble 2017 Toro

リカマンでセールになっていたので買っておいたものですが、スペインはDOトロのテンプラニージョです。「Roble」とあるのでオーク樽熟成をしてるはず。見かけはなかなかいい雰囲気なんですが、裏ラベルに「添加物:安定剤(アラビアガム)」の表示を発見…。

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レハドラダというこの作り手、1999年にトロの町中にあるレハ・ドラダ宮殿(Palacio de Reja Dorada)と呼ばれるところで始まったそうです。2003年にはトロ郊外に移転し近代的な設備のワイナリーになっていますが、名前はその始まりの場所にちなみレハ・ドラダ(金色の格子)としています。その昔、トロの町を守って命を落としたアントナ・ガルシアという女性の英雄がいたそうで、イサベル女王(イサベル1世)は彼女の功績を称え、彼女が処刑されたところの格子を金メッキするように命じたのが、レハ・ドラダ(金色の格子)の謂れだそうです。

公式ページは今風のいい感じなやつです。内容は充実、データシートもしっかり完備。

ラインアップはシンプルで、全部で6種類。今日のこれはやはりエントリーレンジのようです。
・テンプラニージョ 100%
テンプラニージョはここトロでは「Tinta de Toro」というシノニムで呼ばれます。樽熟はアメリカンオークとフレンチオークの併用で6ヶ月だそうです。

で、裏ラベルの表示にあった添加物の安定剤(アラビアガム)というのがこれです。
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アカシア属アラビアゴムノキの樹皮から採る樹脂で、「アラビアガム」の代わりに「アカシア」と表示されることもあります。自然由来ですし、禁止されているわけでもなく、乳化剤や安定剤として広く使われているもののようです。例えば、アイスクリームやガムシロップ。あと、清涼飲料水の類、特にコーラはこれなしには成分が均一に混ざらないそうです。まさに安定剤なわけですね。
ただし、たいていのワインはこんなもの入れずに作っているわけで、やはりローレンジのワインはこういうものの力を借りて、それなりの味わいを作為的に作り出そうとして入れるもんなんでしょうね。あまり気にしたくはないですが、何となく微妙な気分になります(笑)。


作り手訪問。トロの町からドゥエロ川沿いに西に車で15分ほどいったところです。
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1999年の創業の場所、トロの町の中にあるレハドラダ宮殿(Palacio de Reja Dorada)と呼ばれる建物は今はホテルになっているようです。

このあたりは、今日のワインがそうであるようにDOトロ(DO Toro)になります。
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このネットで拾ったカスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)の DO地図で、ドゥエロ川周辺の他のDOの位置関係含めよくわかるんではありますが、やはりGoogle Map上でも見たくなりますね。

はい、それがこれです。今日の作り手レハドラダの位置も書き込みました。
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DOトロの域内でドゥエロ川も近くいい感じの場所にありますね。このあたりもキーは川(ドゥエロ川)なので色を塗って目立たせました。下流でポルトガル語のドウロ川に名を変え大西洋に注ぎ込んでいます。有名なDOリベラ・デル・ドゥエロ(DO Ribera del Duero)はDOトロよりかなり上流です。


ラベル平面化画像。
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やはり、レハ・ドラダ(金色の格子)がシンボルマークです。裏側にはDOトロの認証シールもあります。よく見るとこのマーク、牛を描いてあるようですね。トロ(Toro)はスペイン語で雄牛の意味です。


さあ、抜栓。
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キャップシール、コルク、シンボルマーク入りです。

コルク平面化。
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DIAM3でした。

Alc.14.5%。(pH:4.56、Brix:8.0)
濃い濃いガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー、リコリス。
辛口アタック。
厚みのある味ですよ。
ビロードのようなテクスチャーも感じます。
スモーキーさはアメリカンオーク樽由来でしょうか。
このまとまりのよさは…アラビアガムの効果?(笑)
酸はかすかでフレッシュネスを与えてます。
タンニンもいい具合に喉元をくすぐりますな~。
余韻もいいバランス続きます。

もう少し寝かせても良さそうな印象もあります。しかし、
これらのいい感じがアラビアガム効果だとしたら…微妙だな~。(笑)


*****


Bodega Rejadorada
Tinto Roble 2017
D.O. Toro
RRWポイント 93点


Château Beau-Site 2003 Saint-Estèphe

シャトー・ボー・シット(Château Beau-Site)というサン・テステフのワインです。特売だったので飛びついたんですが、2003年というなかなかのバックヴィンテージなのも熟成が進んでいて面白そうです。エチケットにはクリュ・ブルジョワ・スペリュール(Cru Bourgeois Supérieur)とありますので(当時は)そこそこのレベルであったことが伺えます。

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「美しい場所」を意味するシャトー・ボー・シットは、19世紀半ばには既に非常に高く評価されていたようなんですが、1855年の格付け時にサンプルを提出しなかったため格付けから外れてしまったなんて本当かどうかわからない情報がありました。(笑)

で、今日のワインは「Cru Bourgeois Supérieur」と表示されていますが、これはかつて公式の格付けとして存在した「Cru Bourgeois」の上位クラスになります。特に優良なワインには「Cru  Bourgeois Supérieur」と 「Cru Bourgeois Exceptionnel」という上位格付けが与えられていました。しかしながら、2007年に運用が不適切であるとの理由で「Cru Bourgeois」は公式の格付けではなくなり、使用が禁止されます。2009年に政府より使用許可が下り「Cru Bourgeois」の名称は再び使われ始めています。ただし、反対する生産者もあり、かつて上位格付けだったところも含め加盟していないシャトーも多く存在するようです。今日のシャトー・ボー・シットも現在は表示してないようです。これが2015年のエチケットです。シンプルになりましたね。
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シャトー・ボー・シットは、1955年にボルドー大手ネゴシアンのボリー・マヌー(Borie-Manoux)社のオーナー、カステジャ(Castéja)家が取得して現在に至ります。ボリー・マヌー社はシャトー・バタイエ(Château Batailley)やシャトー・ランシュ・ムーサ(Château Lynch-Moussas)他も所有していて、これらワインの流通は自社で独占的にやっています。


公式ページは存在はしますが、ワイン情報含めほぼ情報なし。


ボリー・マヌー社(Borie-Manoux)のサイトの1ページになってるって感じですからね。

ネット情報を総合するとこんな感じです。
・カベソー 70%
・メルロー 30%
熟成は新樽率50%のオーク樽で12~15ヶ月。


さあ、サン・テステフのシャトー訪問。う~ん、前の道からは雑木でシャトーが見えません。
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格付け第3級シャトー・カロン・セギュールのすぐお隣でした。

サン・テステフを俯瞰してシャトーの位置関係を見てみます。
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メドック格付け61シャトーのうち、サン・テステフには5つしかなく、
2級にモンローズとコス・デストゥルネルの2つ。
3級はカロン・セギュールのみです。
4級にラフォン・ロシェ。5級にコス・ラボリ。
合計5つになります。


エチケット平面化画像。
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インポーターシールが隠しているのはバーコード(と、Alc.13%、750ml表示)のみ。


さあ、抜栓。ゲッ! コルク折れてしまいました! 1/3はボトル内に落としました。
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2003年くらいでコルクがそんなに脆くなるとは思えないんですが。コルクの破片が中に入らないようにとスクリューをいつも完全に貫通させないんですが、それがいけなかったようです。

Alc.14%。(pH:4.51、Brix:7.0)
濃い濃いガーネット。エッジは褐変。
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黒ベリー、ドライフルーツ、黒鉛。
柔らかな樽香は黒糖風味にも感じます。
辛口アタック。
酸味がしっかりベースにありますね。
味の立体感、構造感はなかなか立派。
テクスチャーはビロードのごとし。
タンニンは限りなくシルキー。
余韻もたおやかに続きます。
久々に熟成ボルドーを堪能させていただきました。


*****

Château Beau-Site 2003
Saint-Estèphe
RRWポイント 93点


Terre da Vino Barolo DOCG 2015

スーパーで売っていたバローロです。最近よく無名のバローロ、バルバレスコがスーパーに置いてあるのでついつい手を出してしまいます。無名といっても、バローロDOCGの規定がありますから、バローロ域内のネッビオーロ 100%をバローロ域内で醸し、合計38ヶ月の熟成(内、木樽で18ヶ月)をしていることは保証されているわけで、最低限の品質は確保されているわけです。で、今日のバローロ、1,780円+税で10%ポイント還元(笑)。自分史上、最安のバローロかも。

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作り手のテッレ・ダ・ヴィーノ社は1980年にピエモンテの農家と生産者組合が母体となって立ち上げられました。トリノ大学のコンサルを受けたり、醸造家、生物学者、農学者らのプロフェッショナルを自ら抱え栽培等のアドバイスを契約農家に行ない、低収量・完熟収穫を徹底し高品質のワインを産みだしてるそうです。現在、2,500人以上の栽培者がおり、畑の総面積は5,000ha以上にもなるそうです。2000年にはセラーをバローロ地区のど真ん中に移し、2,000樽のバリックを空調付きのホールで熟成させるといった近代的な施設を構えています。

公式ページはさすがに立派ですが個々のワイン情報は弱いですかね。

ラインアップはピエモンテの有名DOC/DOCGばかり。高品質を目指してるのがわかります。
・ネッビオーロ 100%
バローロDOCGの規定、合計38ヶ月の熟成、内木樽で18ヶ月は当然クリアでしょうが、このワインはオーク樽で2年熟成となっていますので、規定より半年ほど長くやってるようです。


テッレ・ダ・ヴィーノを訪問します。かなり立派な施設ですね。
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バローロの集落からも車で5分です。写真に見えているのは建物の正面で、木材を使った凝った作りのファサードになっています。醸造施設ほかは後方にかなり大規模に広がっています。

いつものバローロの地図に所在を書き込んでみました。
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まさに、バローロ・エリアのど真ん中。そこにあんな巨大で近代的な施設を作っちゃったわけですね。そしてそれをお安く提供する。偉いワインならぬ、偉い生産者です。(笑)

バローロのコムーネの地図でズームインして見てみると、ぎりぎりバローロ村内にあります。
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まわりは見渡す限りの銘醸地。メインの建物の最上階には、クライアントの訪問に対応し試飲や会議ができる多機能スペースがあり、ここからは、バローロの壮大な景色が一望にできるそうです。行ってみた~い。


ラベル平面化画像。
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デザインはシンプル過ぎて、バローロの威厳がちょっと感じられないですかね(笑)。


さあ、抜栓。
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無印キャップは致し方なし。

コルク平面化。
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ワイナリーの名前入りノマコルク。

Alc.13.5%。(pH:4.46、Brix:7.5)
エッジレンガ色。わりと透けるガーネットです。
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黒ベリー、イチジク、スパイス、リコリス。
辛口アタック。
酸もいい感じに控えめです。
複雑味ある味わい。
立体感もしっかりと感じます。
すごくいいバランス。有名作り手と見紛います。
やはり、バローロもいいバランスが全てですね。
余韻もぬかりない感じで満足のうちにフィニッシュ。

超お手頃なのにしっかりバローロしていて驚きです。
こだわりの小規模生産者でなくとも、このレベル。
偉い。


*****

Terre da Vino
Barolo DOCG 2015
RRWポイント 93点


Domaine Philippe Charlopin Bourgogne Côte d’Or 2017 Cuvée Prestige

ブルゴーニュを代表する生産者のひとつであるドメーヌ・フィリップ・シャルロパン・パリゾ(Domaine Philippe Charlopin-Parizot)であります。ジュヴレ・シャンベルタンが本拠地ですが、8つのグラン・クリュ、35のアペラシオンのワインを作る名門ドメーヌ。過去、村名はいくつか試してますが、今日は「AOC Bourgogne Côte d’Or」をいただきます。これは2017年に新しく認められたAOCで、ただの広域と侮るなかれというやつでしたね。シャルロパンは早速2017年ヴィンテージからこの「~コートドール」に名称変更しています。

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1977年に家業の畑たった1.5haから始めたフィリップ・シャルロパンは、かのアンリ・ジャイエから指導を受けた一人ですが、そのお陰なのか今では珠玉のグラン・クリュ含む25haに大発展し高評価を得ています。そう言えば店頭でシャルロパンのシャブリも見かけましたね。手広い。

公式ページは正直古くさいデザイン。情報も決して多くないですが、あるだけマシですね。

ワインごとの情報がないのでネットで探ります。
・ピノ・ノワール 100%
新樽率10%で10~14ヶ月という情報がありました。また、畑は、ジュヴレ・シャンベルタン村、マルサネ村、そしてわずかにクーシェ村に広がる合計3haの畑からとのこと。


作り手訪問。ジュヴレ・シャンベルタンですが少し外れの方。県道974号線沿いです。
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お向かいがフーリエですね。

ジュヴレ・シャンベルタンの地図上で見るとこのあたりです。(黄四角)
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ジュヴレ・シャンベルタンは村名畑が県道974号線の東側まで広がっており、AOC Bourgogne に相当する広域畑(レジョナル)はさほど多くはないです。とは言え、今日のワイン、それにマルサネ、クーシェを混ぜて3haという手掛りだけでは、どこだかさっぱりわかりません。(笑)

そのマルサネ(マルサネ・ラ・コート)とクーシェの位置関係を見ておきます。
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白い線は行政区分ですが、AOCジュヴレ・シャンベルタンはブロションにはみ出てますし、AOCマルサネがシュノーヴやクーシェまで含むだとか、AOCフィサンは一部ブロション側にはみ出してるとか、行政区分通りスキッといかないので正しい範囲は適宜覚えましょう。(笑)


今日のメインエベント、AOCブルゴーニュ・コートドールAOC Bourgogne Côte d’Or)です。コートドールが付いただけと思うなかれ。実は対象の地域はAOCブルゴーニュとはずいぶん違います。まずは、その対象範囲を見てみましょう。例によってINAOの地図を見ます。
BCotedor02
左側が元来のAOCブルゴーニュの対象範囲の地図です。右側が今回のAOCブルゴーニュ・コートドールの対象範囲を示す地図になります。
具体的には右の地図の「AOP Bourgogne DGC Côte d’Or」が示す範囲になるんですが、もともとのAOCブルゴーニュ(左側の地図)がグラン・オーセロワからボジョレーまで広範囲に渡っていたことからすると、ずいぶんと限定されましたね。

この範囲をGoogle Map上に重ねてみます。赤線で囲った部分です。
Charlopin01
シュノーヴからマランジュまで、まさにコートドール(=コート・ド・ニュイ+コート・ド・ボーヌ)の全範囲。特級・1級畑を含む村名AOCの集合体です。それでも基本は県道974号線の東側(もともとのAOCブルゴーニュ)がメインになるんでしょうけど…。
山側のオート・コート・ド・ニュイ/ボーヌはこの範囲からは外れていますね。これらはそれぞれ単独で、AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits / Beaune が名乗れますからね。AOCブルゴーニュ・コートドールがこれら「地理的呼称付きブルゴーニュ」の仲間入りをしたってことになります。なので、オート・コートの部分は外れるわけで。
つまり、AOCブルゴーニュ・コートドールは、今までにもあった、地理的呼称DGCDénomination Géographique Complémentaire)がついたAOCブルゴーニュと同じ扱いで、地域名AOCブルゴーニュでありながら、その中の特定のエリアに限定するものということです。

AOC Bourgogne Côte d’Or が仲間入りし、全部で14になった地理的呼称付きAOCブルゴーニュDénominations Géographiques Complémentaires de l’AOC Bourgogne)を列挙します。(順不同)範囲・場所は書きませんので勝手に調べてください(笑)。

・AOC Bourgogne Côtes d'Auxerre
・AOC Bourgogne Chitry
・AOC Bourgogne Epineuil
・AOC Bourgogne Coulanges La Vineuse
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Beaune
・AOC Bourgogne La Chapelle Notre Dame
・AOC Bourgogne Le Chapitre
・AOC Bourgogne Montrecul(Montre-Cul)
・AOC Bourgogne Tonnerre
・AOC Bourgogne Côte Saint-Jacques
・AOC Bourgogne Côte Chalonnaise
・AOC Bourgogne Côtes du Couchois
AOC Bourgogne Côte d’Or

AOC Bourgogne Vézelay というのもありましたが、AOCブルゴーニュ・コートドール誕生と同じくして2017年に単独 AOC Vézelay に昇格しています。
この中じゃ、オート・コート以外ではコート・シャロネーズと Montrecul(Montre-Cul)くらいしか飲んでませんね。課題多し…。


エチケット平面化画像。
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2016年まではご覧の通り、ただのAOCブルゴーニュでした。
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今まで飲んだ他のAOCブルゴーニュも、AOCブルゴーニュ・コートドールが名乗れるものが多かったと思います。順次名称変更が進むんでしょうかね。

そうそう、インポーターシールは剥がしましたが、こんな具合でした。
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オリジナルのラベルは上から貼られることを想定してるデザインですかね。


さあ、抜栓。
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コルクはドメーヌ名入りですが、ここに写ってるだけなので平面化はしません。

Alc.13%。(pH:4.37、Brix:6.8)
クリアですがしっかり色づいたルビー。アンリ・ジャイエ譲りの完全除梗ですからね。
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フランボワーズ、フレーズ、煮詰まった滋味の風味あり。
完全除梗ながら茎っぽい青さもかすかに香ります。
辛口アタック。
酸は弱めながら味の輪郭をアシストしています。
複雑味もしっかりありウットリしますね。
喉越しから余韻と、いいバランスを流れの中で感じられます。

出ましたね。いい仕事する酸のパターンです。
2017年が良年だからでしょうか。かなりハイレベル。


*****

Domaine Philippe Charlopin-Parizot
Bourgogne Côte d’Or 2017
Cuvée Prestige
RRWポイント 93点


David Duband Bourgogne 2018

なんだか評判のいいダヴィド・デュバン。例によって「AOCブルゴーニュを試して作り手の実力を想像するの巻」です。統計的推定の世界では、得られた一部の情報・データをもとに、母集団の性質・傾向を推定するわけであります。そして導き出された答えはぼぼ間違いなし。そういう理論をベースに今日もまた違う作り手のAOCブルゴーニュをお試しです。(笑)

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当主のダヴィド・デュバンさんは1971年生まれで今は49歳ですか、まあまあ若い。ブルゴーニュの醸造家で注目度がNo.1といいますが、ドメーヌは1965年に父親のピエールさんが15haで始めたもので、共同セラーへの売りブドウをしていましたが、1991年に自身の名ダヴィド・デュバンで元詰めを始めます。1995年にピエールさんが引退してからも畑を拡張して進歩が目覚ましいようです。
インポーターの情報では、フランスで最も権威あるワインガイド「ル・ギィド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス(Le guide des meilleurs vins de France)」2015年版で、ブルゴーニュからは唯一ダヴィド・デュバンが3つ星に昇格したそうで。3つ星が最高位ですから、他にはルロワ、DRC、ルーミエ、コシュ・デュリ、ドーヴネ、アルマン・ルソー、ルフレーヴ、ポンソ、ラヴノー、デュガ・ピィなどなどが名を連ねているわけで、まあ世間的にも一流と認められたってことなんでしょう。


公式ページはカッコいいです。一流っぽい。(笑)

AOCブルゴーニュの情報もしっかりしてて好感が持てます。
・ピノ・ノワール 100%
畑はシャンボール・ミュジニーとモレ・サン・ドニからで樹齢は40~60年のVVというから驚きです。(どうせ県道974号線の向こうなんでしょうが。笑)
40%が全房で醸されます。17日間の発酵の間、5~7回のルモンタージュ(ポンプオーバー)・ピジャージュ(パンチダウン)が行われます。ピジャージュは足でやるそうです(笑)。樽熟は、新樽30%、残り1~3年落ちのオーク樽で14ヶ月。その後大樽に移されて3ヶ月寝かされ、ろ過・清澄なしで瓶詰めです。なんだかAOCブルゴーニュでも贅沢にやってる感じですね。


ドメーヌ訪問。ちょっと辺ぴなシュヴァンヌ(Chevannes)という村にあります。
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このワイナリーとセラーは2007年に建てられ、2012年には事務所他、レセプション、テイスティングルームも増設されたそうです。

シュヴァンヌ(Chevannes)はAOCブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ(Bourgogne Hautes Côtes de Nuits)の対象20村の一つです。Google Map上で見るとこんなところ。
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ダヴィド・デュバンと今日のワインの畑、モレ・サン・ドニとシャンボール・ミュジニーも1枚に入れ込みました。位置関係を把握しておきましょう。ずいぶん離れた山の中ですね。(笑)

いつもの地図で(Luc Corporation様サイトより拝借)モレ・サン・ドニとシャンボール・ミュジニーの畑の構成も見ておきましょう。AOCブルゴーニュの範囲をご確認ください。
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例によって県道D974号線が運命の分かれ道です(笑)。今日のワインもこの辺りのどこか…。


エチケット平面化画像。
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シンプルですが「David Duband」マークは目立ちますね。


さあ、抜栓。
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キャップは無印ですが(ネックには名前が入っています。)厚めのアルミで上品な感じがします。

コルク平面化。
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ここもシンプル~。DIAM5を採用です。

Alc.13%。(pH:4.32、Brix:6.5)
透明感のある綺麗なルビー。細かくたくさんのハッキリした涙あり。
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フランボワーズ、アメリカンチェリー…のキャンディ(笑)。
40%の全房のお陰か茎感もかすかにあります。
辛口アタック。
酸は薄っすらとしてて、いい演出になってます。
キリッとした味はしっかりした厚みもあります。
酸の使い方含めAOCブルゴーニュとしては完璧なバランス。
そしてそれはフィニッシュまで崩れません。

やっぱり評判のいい作り手は、うまいですね。
あえて上のレンジを試さなくても、
AOCブルゴーニュで十分かもと思えてしまいます。


*****


David Duband
Bourgogne Pinot Noir 2018
RRWポイント 93点


Viña Errázuriz Estate Series Carmenere 2018

本日は日本カルメネール振興協会の活動日ですが(笑)、前回からちょっと間が空いてしまいました。どうやら日本で手に入るカルメネールのネタが底を尽いてきたのかもしれません。今日のもおなじみエラスリスになります。エステート・シリーズという一番下のレンジですが、前に2016年を試しています。チリ本国には未だ日本へ輸出されてないカルメネールがいろいろあるようです。なんとかゲットしたいものです。またチリへ行くしかないか…。


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ビニャ・エラスリスは1870年にドン・マクシミアーノ・エラスリスさんがアコンカグア・ヴァレーに創設した歴史あるところです。現当主のエドゥアルド・チャドウィック氏の手腕(ベルリン・テイスティングなどの奇策とか…。笑)により世界にその名をとどろかせています。


公式ページはちゃんと一流のワイナリー風情があります。(笑)

ワイン紹介もミレジム毎にデータシートも完備。
・カルメネール 100%
全量の70%をフレンチオーク樽で7ヶ月の熟成をするそうです。ローレンジですからこんなもんですね。過去のデータシートをさかのぼっていくと、2017年までは15%ほどシラーやプチシラーがブレンドされていますが、現在はカルメネール100%のようです。

カルメネールは過去から何度となく掘り下げていますが、一応写真を貼っておきます。
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チリでは長らくメルローと混同され、1994年に再発見されるまで世の中から姿を消していたわけですが、外観や特徴はメルローとはあまり似ていなかったことは以前に検証しました。2013年の最新のDNA分析では、母:ムラル(Moural)と父:カベルネ・フラン(Cabernet Franc)の自然交配ではないかと言われています。メルローも父親はカベルネ・フランですから背格好は似てなくても(笑)異母兄弟としての共通点はどこかしらあったんでしょうね。因みに、母方のムラル(Moural)という品種は現在栽培されている地域がありません。


さて、何度も訪問していますが、アコンカグア川上流近くにあるエラスリス訪問。
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この円形の建物が2010年に建てられた「ドン・マクシミアーノ・アイコン・ワイナリー」です。

アコンカグア・ヴァレーを俯瞰します。以前、セーニャの時に作った地図ですが。(笑)
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首都サンティアゴからも車で1.5時間とわりと近いですが、カサブランカ・ヴァレーやサン・アントニオ・ヴァレーとともにバルパライソ州になります。

チリの産地をおさらいしておきます。
EmiChile
こういう地図はネットで拾ったものを加工して何度となく載せていますが、決定版ってなかなかないんですよね。やはり自分で描かなきゃだめか…?


ラベル平面化画像。
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さあ、スクリュー回転。
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キャップは一応エンボスで名前が入っています。

Alc.13.5%。(pH:4.27、Brix:7.6)
濃いガーネット。細かめの涙は色付きです。
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黒ベリー、ダークチェリー。
モカかビターチョコを感じるのもカルメネールの王道です。
ごくかすかにピーマンも。
辛口アタック。
甘みを微妙にたたえながら、
しっとりまったりの厚みある味につながっていきます。
味にもチョコのような香ばしさがあり、
ストラクチャーをしっかり感じます。
シルキーなタンニン。
甘々しい雰囲気の余韻も長くていいです。
ローレンジにしては上出来ではないでしょうか。


*****


Viña Errázuriz
Estate Series Carmenere 2018
RRWポイント 93点


Tabor Winery Sufa Storm 2014

コストコにあったイスラエルのワインです。イスラエルは歴史的にも古いワインの産地で、5000年以上前からワイン造りをしていたそうで。そりゃあ、キリスト教ではワインはイエス・キリストの血と考えられ、そのキリストはエルサレムの近く(ベツレヘム)のお生まれですからね。ゴラン高原のワインなんかが有名ですが、このワインは産地が書いてませんね。どこなんだろう?


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作り手の Tabor Winery は、ガリラヤ湖周辺のガリラヤ地方(Galilee Region)の山地にあるワイナリーで、1999年に4つの家族が共同で立ち上げたそうです。現在は大手資本(イスラエルのコカ・コーラを扱うCentral Bottling社)の傘下のようですが、大規模な投資も受けイスラエルで5番目に大きいワイナリーになってるそうです。

公式ページはヘブライ語がガッツリ出てきますが、英語表示できますからご安心を。
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ワイン紹介もちゃんとありますが、データシートがヘブライ語(笑)。
・カベソー 50%
・プティ・シラー 50%
オーク樽で12ヶ月の熟成をしています。ブドウはガリラヤ地方のあちこちの畑からだそうです。ガリラヤ地方はゴラン高原と並びイスラエルで最良のワイン生産地とされています。しかし、ゴラン高原じゃないんだ~と、若干ホッとします。その理由は後ほど。


ワイナリー訪問。ティベリアス湖とも呼ばれるガリラヤ湖の近くにあります。
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周辺はブドウ畑ではなくオリーブばかりのようです。

Google Map上でワイナリーの位置関係を見てみましょう。
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ガリラヤ湖を挟んでゴラン高原の反対側ですね。

さらに広域からイスラエルの位置関係を確認します。
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ヨーロッパの銘醸地からするとかなり南側になりますね。だからゴラン高原とか標高がある所がブドウ栽培にはいいのかもしれません。
ところで地図の国境線を色を変えてなぞりましたが、これはイスラエルという国が抱える紛争地を示すためにやっています。ガザ地区とヨルダン川西岸地区がご存知「パレスチナ自治区」です。これについてはワインブログの趣旨から脱線するので(笑)これ以上書きませんが、問題は「ゴラン高原」です。1967年の第3次中東戦争で、シリア領だったゴラン高原をイスラエルが占領し、1981年に一方的に併合して現在に至りますが、国際社会は現在までイスラエルのゴラン高原に対する主権を認めていません。(ユダヤ系米国人の支持が欲しいイスラエル寄りのトランプ大統領は「イスラエルのゴラン高原に対する主権を認めてやったらど~や?」と茂造じいさんのようなことをのたまいましたが…。笑)
イランとの攻防やらイスラエル側の事情はあるのでしょうが、不法占拠実効支配を理由に自国の領土としてしまう行為には反発を感じます。日本の弱り目に付け込み、竹島を実効支配して自国領土のように振舞う卑劣な韓国と同じで許しがたい蛮行と思っています。
したがって、ゴラン高原で作ったワインをイスラエル・ワインとすることにも抵抗を感じるわけです。今日のワインは少なくともゴラン高原産ではなさそうなのでホッとしたというわけ。(笑)


ラベル平面化画像。
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表裏兼用、長~い1枚ものラベルです。警告表示とかヘブライ語で書かれてますが、コストコ・ジャパンの商品にそもそもヘブライ語表示が要るんでしょうか?(笑)
「Sufa」というのが本来のワイン名(ヘブライ語)で、英語で「Storm」の意味になるようです。


さあ、抜栓。
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キャップシールはシンボルマークのフクロウ。

コルク平面化。
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「תבור」は「TABOR」のヘブライ語。DIAM10とは贅沢ですね。

Alc.14.5%。(pH:4.24、Brix:8.0)
濃い濃いインキーなガーネット。
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黒ベリー、ブラックチェリー、黒胡椒、スパイス。
よく馴染んだ樽木の香りも。
辛口アタック。
複雑味、奥行き感、しっかりありますね。
喉越しでの収斂性も心地よいです。
余韻もいいバランスのまま続き、
暴れる要素なくうまくまとめられてる感じです。

イスラエル・ワインのポテンシャルを感じますねえ。
ゴラン高原のはもっとおいしいのかな。(笑)


*****


Tabor Winery
Sufa Storm 2014
RRWポイント 93点


Caves Cooperatives Donnas Vallée d’Aoste DOC Donnas 2013

何かおもしろいワインはないかと伊勢丹のワイン売り場を物色して発見。ヴァッレ・ダオスタDOC(Valle d’Aosta / Vallée d’Aoste DOC)のサブゾーン、ドナス(Donnas)の名前が入ったワインです。このDOCが、アルプスの名峰に囲まれたイタリア北西のヴァッレ・ダオスタ自治州に当たることや、アオスタというのが州都であることなんかはなんとなく予備知識がありましたが、一番興味を引かれたのが、ブドウがピコテンドロネッビオーロのシノニム)だったことです。


IMG_4111
作り手は、ヴァッレ・ダオスタ州ドナスの町に1971年に創業した、その名も Caves Cooperatives Donnas という協同組合です。80軒の農家が属し、年間平均15万本の生産と規模はそれほど大きくはありません。
ドナス(Donnas)は、ヴァッレ・ダオスタDOC(Valle d’Aosta / Vallée d’Aoste DOC)のサブゾーンになりますが、ドナスを名乗る場合、ネッビオーロを85%以上使わないといけない規定になっています。やはり一番ピエモンテ州に近いエリアだからなのか、古くからネッビオーロを栽培していたらしく、ドナスを代表するブドウということになっているようです。


公式ページは少々古い感じですが、内容はそこそこあります。
Donnas00
今日のワインはフラッグシップなのか真っ先に載ってます。ただ、ワイン情報は裏ラベルの方が詳しかったですが。(笑)
・ピコテンドロ(ネッビオーロ) 85%
・フレイザ、ネイレ 15%
25hlのオークの大樽で、少なくとも12ヶ月間熟成されるそうです。

ネッビオーロはこの地ではピコテンドロ(Picotendro)と呼ばれるようです。
「Pico=小さい」+「Tendro=柔らかい」という語源らしいです。かわいらしい名前ですね。
Nebbiolo01
ピエモンテ州でもクオーネ県以外ではスパンナ(Spanna)と呼んだり、ロンバルディアではキアヴェンナスカ(Chiavennasca)と呼ばれていましたね。

Neyret(ネイレ)と合わせて15%入ってるというのが、このFreisa(フレイザ)。
Freisa01
ピエモンテ州でネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェットに次いでお馴染みのローカル品種です。

Neyret(ネイレ)は色付けのためブレンドされるローカル品種です。
Neyret01
ヴァッレ・ダオスタDOCの、ドナスをはじめとするいくつかのサブリージョンで認められている品種だそうです。


ドナスの町の Caves Cooperatives Donnas を訪問します。ヴァッレ・ダオスタ州、アオスタ渓谷を貫いて流れるドーラ・バルテア川(Fiume Dora Bàltea)沿いにあります。
Donnas01
三角屋根の特徴的な建物です。レストランもやってるようです。周りの山の岩肌も壮観ですね。

ヴァッレ・ダオスタ州を俯瞰した上で、Valle d’Aosta / Vallée d’Aoste DOCとそのサブゾーンを俯瞰します。DOC名でわかるように地域的にイタリア語と共にフランス語も公用語です。
Donnas02
フランスとスイスの国境でモンブランやマッターホルンなどの名峰に囲まれてます。ワイン産地とサブゾーンはドーラ・バルテア川(Fiume Dora Bàltea)沿いに集中していますね。
ここで7つあるサブゾーンをまとめておきます。地図と照らし合わせてみてください。

(Blanc de) Morgex-La Salle(Prié Blancという品種100%の白かスパークリング)
Enfer d'Arvier(Petit Rougeという品種85%以上の赤のみ )
Torrette(Petit Rougeという品種70%以上の赤のみ )
Nus(現地でMalvoisieと呼ばれるPinot Grigio 100%の白、および、Petit Rougeという品種70%以上か、Vien de Nusという品種40%以上の赤のみ)
Chambave(Moscato Bianco 100%の白・甘口白、および、Petit Rougeという品種70%以上の赤のみ)
Arnad-Montjovet(ネッビオーロ70%以上の赤のみ)
Donnas(ネッビオーロ85%以上の赤のみ)--- 今日のワイン。

ヴァッレ・ダオスタDOCは1986年に、それまでにDOCであったDonnaz DOCとEnfer d’Arvier DOCを取り込む形で広域のDOCになっています。しかし、そのサブゾーンは制約がなかなか厳しいですね。


ラベル平面化画像。
IMG_3890
裏ラベル含め全部イタリア語表記ですが、DOC名だけ「Vallée d’Aoste」とフランス語の方を使ってます。何のこだわりでしょうか。裏ラベルにはドナス他、近辺の Bard、Perloz、Pont-Saint-Martinのコミューンの畑からとなっています。情報豊富な裏ラベルとそれを隠さないインポーターシールはいいですね。


さあ、抜栓。
IMG_4108

コルク平面化。
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一応、ワイナリー名は入ってます。

Alc.13%。(pH:4.20、Brix:7.1)
盛大に褐変のガーネット。クリア感あり。粘性の涙は細かいです。
IMG_4110

黒ベリー、カシス、黒オリーブ。
甘い香りに感じたと思うと、鞣し革のようなブレットも。
甘みにも感じるクールな酸味からの辛口アタック。
渋み成分のしっかりしたタンニンが舌上で広がり、
その上に存在感のある味が乗っかってきます。
2013年ですからね、熟成によるうまみが出てる感じです。
先ほどのタンニンにいざなわれた余韻にはうっとりします。

ロンバルディアのキアヴェンナスカもなかなか良かったですが、
ピエモンテ以外のうまいネッビオーロはここにもありましたね。


*****


Caves Cooperatives Donnas
Vallée d’Aoste DOC Donnas 2013
RRWポイント 93点


El Esteco Don David Blend of Terroirs Malbec・Malbec 2018

なにか面白いワインはないかと都会の(笑)ワインショップなんかをまわっていると、アルゼンチンのエル・エステコのワインで品種が「マルベック・マルベック」となっているのを発見。裏ラベルによると同じ Calchaquí Valley ながら、フルーティーな Finca La Maravilla Vineyard と、色が濃く構造感のしっかりした Chañar Punco の2つの畑からのマルベックのブレンドだそうで。まあ、結局マルベック100%なのですが(笑)、異なったテロワールのブレンドというのが売りのようです。これは面白いかも。


IMG_3900
エル・エステコのワインはちょこちょこ見かけますし、以前にタナの探求をしてる頃、ドン・ダビのタナ100%を試したことがあります。そうそう、トロンテスを試したのもエル・エステコでした。これは2018年のソムリエ二次試験のテイスティングワインとして出題されたので勉強のために試しましたが、今年のワインエキスパート二次試験でまたトロンテスが出たんですってね。そんなに重要な品種でしょうか? 時々日本ソムリエ協会には「?」となりますね。ウルグアイのタナやチリのカルメネールなんか出した方がいいのでは? 僕は当てれます。(笑)

さて、エル・エステコは1892年創業といいますから、アルゼンチンでは最古の部類の名門ワイナリーです。公式ページはトップページでアルゼンチン国内向けサイトかインターナショナル・サイトか選ぶようになっています。それぞれで若干ラインアップが異なるようです。

しかし、どちらにも今日の「マルベック・マルベック」が載っていません。仕方がないのでインポーター情報に頼ります。
・マルベック 100%
ではあるものの、Finca La Maravilla Vineyard と、Chañar Punco の畑と2ヶ所の異なるテロワールのブレンドでしたね。前者のフィンカ・ラ・マラビージャはワイナリー周辺のカファジャテ(Cafayate)にあり、標高1700mの痩せた沖積土、高日照、低湿度、昼夜の温度差がある畑で、後者のチャナール・プンコは北の方に離れたところで、標高1900mの砂漠気候、寒冷高地で石灰質土壌を持つ畑だそうです。アルゼンチンは南半球なので北に行くほど温暖になります。エル・エステコ自体、アルゼンチンの最北に近い所に位置しますが、1800m級の高地のためちょうどよい気候(温度)になるんでしょうね。
いずれも手摘み収穫、発酵前に低温浸漬、MLFあり、熟成は樽なしでコンクリートタンク(エッグタンク)を使うそうです。

Tolosan00


カファジャテの町の近くのワイナリー訪問。ストビューでは近づけず、畑越しに眺めます。
ElEsteco01
建物は立派ですね。

ほぼ同じところからですが、ちょっとアングル違いで。(笑)
ElEsteco02


アルゼンチン全体が入った地図で位置関係を把握します。カファジャテ・ヴァレー(Cafayate Valley)というところですが、アルゼンチン最大の生産地(全生産量の2/3以上)であるメンドーサ(Mendoza)からはずいぶん北の方になります。
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地図にあるサルタ州の地域はサルタ(Salta)の町を中心に広がっており、カファジャテ・ヴァレー(Cafayate Valley)を内包しますが、エル・エステコはカルチャキ・ヴァレー(Calchaqui Valley / Valles Calchaquíes)と呼んでいますね。調べてもはっきりしなかったのですが、両者は同義か、もしくはカルチャキ・ヴァレーが広域でその中心にカファジャテ・ヴァレーがあるという関係のようです。

以上をざくっとGoogle Map上で見てみましょう。
ElEsteco03
アルゼンチンの州区分の地図も貼りましたのでわかりやすいですね。


ラベル平面化画像。
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表にも裏にも「Blend of Terroirs」の意味がしっかり書いてあります。
でも、比率はどうなんでしょう。Malbec・Malbecだから50/50でしょうか。


さあ、抜栓。
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キャップシールは無印…。

コルク平面化。
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なんと、ザクっとした南米地図でアルゼンチンを示してあります。(笑)
5年耐用テクニカルコルク、DIAM5を採用です。

Alc.14%。(pH:4.25、Brix:8.1)
濃い黒いインキーなガーネット。Chañar Punco の畑のお陰でしょうか。
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黒ベリー、プラム、スパイス、ミントっぽくも。
辛口アタック。
フルーティでフレッシュな酸がいい感じ。
そこそこ厚みを感じる味わいもあります。
貫禄こそ足りない気もしますが、抜群のバランスではあります。
シルキーなタンニンは喉越しを心地よく刺激。
余韻はわりとあっさりですが、
全体のバランスが秀逸でフィニッシュ後の満足度が高いです。

同じマルベック同士のブレンドですが、
確かにテロワールの違いが功を奏し、複雑味を増してると思われます。


*****


El Esteco
Don David Blend of Terroirs
Malbec・Malbec 2018
RRWポイント 93点


Domaine Harmand-Geoffroy Gevrey-Chambertin 2017

ジュヴレ・シャンベルタンで19世紀から5代に渡って続き、ジュヴレ・シャンベルタンに根差したエキスパートととも称されるドメーヌ・アルマン・ジョフロワの村名ジュヴレ・シャンベルタンをいただきます。ここのトップキュヴェは特級マジ・シャンベルタンですが、家飲みではとても手が出ませんので(笑)、リリース後すぐでも楽しめるようになってるはずの村名レベルで、まずはその実力の程を想像してみます。


IMG_3877
ジュヴレ・シャンベルタンで代々家族経営でやってるドメーヌですから、所有する村名以上の畑は全てジュヴレ・シャンベルタン村にあります。全部で9haになるそうです。


公式ページはあるだけ有難いんですが、FLASHを使った20年前のクオリティ。(笑)

村名ジュヴレ・シャンベルタンでも畑名のついたものや、Vieilles Vignesもラインアップにありますが、今日いただくのは無印のジュヴレ・シャンベルタンなのでその中の一番下になります。(まだ下にAOCブルゴーニュはありますが…。)
・ピノ・ノワール 100%
100%除梗、低温浸漬、ピジャージュ・ルモンタージュ、他伝統的なスタイルで醸され、無印ジュヴレ・シャンベルタンは新樽率20%のオーク樽で12ヶ月の熟成をするようです。

ジュヴレ・シャンベルタンの集落の真ん中にあるドメーヌ訪問。
ArmandGeofroy02
間口は狭いですが奥は広いのかな? ご近所にドルーアン・ラローズがありますね。


Google Mapにジュヴレ・シャンベルタンの畑分布を転記たものにドメーヌの所在を記します。
ArmandGeofroy03
ジュヴレ・シャンベルタンは広大な扇状地になって村名畑が広がっており、コートドールの他の村と違い、県道D974号線を越えてもまだ村名畑が続きます。今日の村名の畑ですが、場所ははっきりわかりませんが、パーカーおじさんの記事に「扇状地の端の方の12区画」と書いてあったので、間違いなく県道D974号線は越えると思われます。(笑)


いつもの村名以下の畑名も載ってる地図を拝借し、ドメーヌ・アルマン・ジョフロワの所在及び、その所有畑(特級・1級)を赤で印しました。(Luc Corporation様サイトより拝借)
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特級畑の Mazis-Chambertin は、Mazis-Hauts と Mazis-Bas に分かれますが、アルマン・ジョフロワの所有畑はその両方にまたがる6区画で、計0.8haにもなるそうです。その他1級畑は以下になります。地図上でもご確認を。
・Gevrey-Chambertin 1er Cru ‘Les Champeaux’
・Gevrey-Chambertin 1er Cru ‘Lavaux St Jacques’
・Gevrey-Chambertin 1er Cru ‘La Perrière’
・Gevrey-Chambertin 1er Cru ‘La Bossière’

今日のワインは村名畑ながら、畑名が不明なので場所は特定できませんでしたが、県道D974号線のこっち側の村名畑に適当に行ってみました。(笑)
ArmandGeofroy05
そこから恨めしそうにグラン・クリュが連なる辺りをながめます。やはりそちらへ向かってなだらかに斜面になっていますね。


エチケット平面化画像。
ArmandGeofroy01
裏ラベルはありませんでした。シンプル~。

裏はインポーターシールのみ。
IMG_3815
別撮りしておきました。


さあ、抜栓。
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エンボスのマーク入りキャップ、かっこいいですね。

コルク平面化。
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村名ジュヴレ・シャンベルタン専用品のようです。ミレジム入り。

Alc.13%。(pH:3.84、Brix:6.9)
しっかりと色づいたルビー。100%除梗でしたね。
IMG_3874

フランボワーズ、ダークチェリー。
出汁的な複雑な香り。軽い茎感もありました。
総じて、うっとりする香りです。
塩味かと見紛う辛口アタック。
コクのあるエキスのような貫禄ある味わいです。
複雑味もあり、やっぱ村名だな~(笑)と思わせます。
喉越しから余韻にかけていい仕事する裏方の酸も発見。

ジュヴレ・シャンベルタンの品の良い力強さみたいな、
テロワールをちゃんと表現しているなという印象。


*****


Domaine Harmand-Geoffroy
Gevrey-Chambertin 2017
RRWポイント 93点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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