Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

RRWポイント:93点

Three Thieves Cabernet Sauvignon 2020 California Republic

カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンです。Three Thieves(三人の盗賊)という名前と、産地表示が California Republic(カリフォルニア共和国)となっているのがツボにはまり手に取ってしまいました(笑)。こだわりなのか奇をてらっているのか何となく面白そうです。カスタムクラッシュ(ワイナリーや畑を持たない作り手が、ブドウを持ち込んでワイン造りの設備を借りて作るシステム)の雰囲気がプンプンしますがお試しと行きましょう。

IMG_0101
やっぱりというか3人組が作るワインで、自らを「3人の盗賊」になぞらえたネーミングのようです。インポーター情報ですと、「ナパやSFで大行列の人気ハンバーガーショップ "Gott's Roadside"を経営し、日本でも多くの愛好家達に愛されている"Joel Gott"ほかいくつかのワインブランドを手がけるジョエル・ゴット。南仏プロヴァンスでのワイン造りを経て、アメリカではワシントン州のチャールズ・スミスとのジョイント"Charles & Charles"で一世風靡したチャールズ・ビーラー。11歳で起業し様々なビジネスを手がけた後1999年よりワイン造りに転じたロジャー・スコメーニャ。」という3人のビジネスマンということです。

公式ページは立派なのがあるんですが、やっぱりワイナリーの所在は不明です。

ワイン紹介についてはデータシート付きで親切です。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

熟成については75%に「Oak Stave」を注入、残りはフレンチとアメリカン・オークで(樽とは書いていない?)となっています。「オーク・ステイヴ」とは「オークの樽板」のことで、これをブッ込むことで樽を使わず風味付けを行います。まあ、しれっと樽熟成と書く作り手もいますから正直でいいでしょう。

あと、このワインは産地がカリフォルニア(カリフォルニア国…ですが。笑)と表示されていますので、カリフォルニアのどこかはわからないんですが、ご丁寧に以下の情報が書いてありました。

65% ・・・Lodi(ローダイ)
31% ・・・Coastal(沿岸地域)
4%   ・・・California(カリフォルニア)

大部分がローダイ産ですが、85%以上でないので「ローダイ」は表示できません。政府公認ワイン指定栽培地域、通称 AVA(American Viticultural Area)を表示する場合は85%以上となっています。
TTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)の規定では「」の名前を名乗るためには当該州産のブドウが75%以上でないといけません(かつ、その州内で生産されないといけません。)。しかしながら、カリフォルニア州だけは100%カリフォルニア州産のブドウであることを要求しているんですが、今日のワインは100%カリフォルニアなのでOKですね。(ワシントン州オレゴン州95%だそうで。州の下の「カウンティ(郡)」を表示する場合も75%以上。)


ワイナリー訪問できないのでHPのトップページの写真を拝借して貼っておきます。
3Thieves01
この3人が「盗賊」ですね(笑)。

いつものカリフォルニア地図でカリフォルニア州内での位置関係を見ておきます。
California_AVA
ローダイも一応書き込んでいますが、Central Valley AVA に属します。

ついでなのでローダイAVAの地図も貼っておきましょう。ナパの東側、内陸です。
Lodi_Map
まあ、今日の作り手はカスタムクラッシュのようですし、ブドウも下手したら買いブドウかもしれませんね。ただ、誤解なきようにしたいんですが、いろいろディスってるように聞こえたら申し訳ないです。コスパのいい美味しいワインであれば素性には文句を言うつもりはありません(笑)。


ラベル平面化画像。
IMG_9969
2002年から始まったのがわかります。3人それぞれのメアドが載ってるのがほほえましいです(笑)。ワインを作ったのはナパとローダイの「Rebel Wine」となっています。


さあ、抜栓。
IMG_0096

コルク平面化。
IMG_0098
ノマコルクのような合成コルクです。なぜに星?

Alc.13.5%。
赤みある濃いガーネット。
IMG_0099

黒ベリー、黒鉛、スパイス。
辛口アタック。
程よい構造感の中に複雑なレイヤーが何層にも感じられます。
喉越し、余韻とテンション下がらず続くのが好印象。
素性は?ながら、なかなかのレベルに達しています。


*****

Rebel Wine
Three Thieves Cabernet Sauvignon 2020
California Republic
RRWポイント93点


Franck & Aurélien Bailly(Domaine Bailly Reverdy)Chavignol 2017 Sancerre

AOCサンセールの赤をいただきます。ピノ・ノワール100%なので、昨今高騰が激しいブルゴーニュの代わりになるんではないかと期待して抜栓です(笑)。サンセールってソーヴィニヨン・ブランの印象が強いと思います。確かに85%は白らしいんですが、残り15%はピノ・ノワールのみで作る赤とロゼというわけです。ロワールのピノ・ノワールも調べておきたいですね。

IMG_0050
作り手は、ドメーヌ・バイィ・ルヴェルディ。サンセールの隣のコミューン、ビュエ(Bué)にあります。1952年に、ベルナール・バイィ(Bernard Bailly)さんとマリー・テレーズ・ルヴェルディ(Marie-Thérèse Reverdy)さんが結婚した際に始めたドメーヌで、お二方の名前をドメーヌ名にしているのがわかります。今日のワインのラベルには「フランク&オーレリアン・バイィ」となっていますが、フランクさんはベルナールさんの末息子。オーレリアンさんはベルナールさんの息子で二代目のジャン・フランソワさんの息子(ベルナールさんの孫)ということのようです。フランクさんはボルドーで、オーレリアンさんはボーヌとモンペリエで修行をしたあとドメーヌに加わっています。まさに家族経営ですね。

公式ページはサンセールの土壌やテロワールの説明があり好感が持てます。

今日の「フランク&オーレリアン・バイィ」名のワインは見当たりませんが、サンセール・ルージュがそれでしょう。

・ピノ・ノワール 100%

手摘み収穫。除梗ありですが、状況によって茎も若干残すようです。樽はないですが、MLF含む熟成を1年間行います。面白いことに、今日のワインの畑の素性がサンセールの土壌の成り立ちに応じて以下のように示されていました。

50%:カイヨット(Caillottes)<石灰岩の小石からなる土壌>
35%:テール・ブランシュ(Terres blanches)<白色の粘土質(キンメリジャン)の土壌>
15%:シレックス(Silex)<粘土質の硬い土壌(フリント・Frint:火打石)>

HPでも詳しく解説されていて、これらサンセール特有のテロワール(この場合は土壌)にかなりこだわりを持っているのがわかります。

AOCサンセールは、白はソーヴィニヨン・ブラン、赤はピノ・ノワールのみです。ドメーヌ・バイィ・ルヴェルディの畑はピノ・ノワールが30%を占め、サンセールの平均よりは赤を多めにやっているようです。オーク樽での熟成はしない規定のようですね。このあたりが土壌の特徴も相まってブルゴーニュとの味わいの違いになってくるんでしょうかね。


ドメーヌ・バイィ・ルヴェルディを訪問します。
Dom.Bailly-Reverdy01
ロワール川沿いのサンセールの町から車で10分くらいの隣町ビュエ(Bué)にあります。

INAOの地図でAOCサンセールの対象コミューンを確認します。
AOC-Sancerre
今日の作り手のあるビュエ(Bué)は見つかりましたでしょうか。

サントル・ロワール/サントル・ニヴェルネの地図で他AOCとの位置関係を確認。
Loire_Centre-Nivernais
これらサンセール周辺のエリアを、サントル・ロワール(Centre-Loire)とか、サントル・ニヴェルネ(Centre Nivernais)というんですが、ロワールの真ん中ともニエーヴル県(Nièvre)の真ん中とも違う気がします。強いて言えばフランスの真ん中です(笑)。
プイィ・フュメ(Pouilly-Fumé)、プイィ・シュル・ロワール(Pouilly-sur-Loire)やカンシー(Quincy)は白で示してありますが、白ワインのみのAOCという意味です。サンセール他には大抵赤もロゼもあります。ムヌトゥ・サロン(Menetou-Salon)はサンセールと同じく、白ならソーヴィニヨン・ブラン、赤・ロゼならピノ・ノワールです。サンセールの北側コトー・デュ・ジェノワ(Coteaux du Giennois)も赤・白・ロゼありですが、ここの赤・ロゼはピノ・ノワールに加えガメ(Gamay)が認められています。ルイィ(Reuilly)はロゼにピノ・グリが認められています。

ついでに、いつもの「大ロワール全体地図」(笑)も貼っておきます。
Loire_s
ひと筋縄ではいかないロワールの全体像が見られていい地図だと思います。


エチケット平面化画像。
IMG_0038
「Sélectionné par Jean-Luc Pouteau, meilleur sommelier du Monde 1983」と書いています。裏ラベルでわかりますが、「1983年世界最優秀ソムリエ、ジャン・リュック・プトーのセレクト」という意味です。

ネックにこんなPOPがありました。初代世界最優秀ソムリエが選んだワインだそうです。
IMG_0036
ジャン・リュック・プトーさん、今日のドメーヌ・バイィ・ルヴェルディの赤・白とも選んでいますね。いい作り手ということでしょうか。


さあ、抜栓。
IMG_0046

コルク平面化。
IMG_0047

Alc.13.5%。
透けるルビー。若干オレンジ味があります。
IMG_0048

フランボワーズ、ゼラニウム的な草っぽさ。
上品な熟成香か、出汁感が複雑に折り重なってる感じです。
酸味ほどよく効いた辛口アタック。
やはり熟成が進んだ複雑味が感じられます。
最初の酸はフレッシュさ果実味を添えていい仕事してます。

いやいや、ブルゴーニュに比肩するどころか、
独自の良さ・うまさが出てます。
さすが、ジャン・リュック・プトー・セレクションです(笑)。


*****

Franck & Aurélien Bailly
(Domaine Bailly Reverdy)
Chavignol 2017
Sancerre rouge
RRWポイント 93点


Viña Carmen Cabernet Sauvignon Gran Reserva 2021

チリ最古のワイナリーにして、カルメネールがチリで再発見された畑を持つカルメン。アメリカ在住中にカルメネールを探求していた昔から馴染み深いワイナリーです。日本ではやまやにガッツリ置いてますので最近でもちょくちょくいただいています。今日は豪華化粧箱に入って売っていたカベルネ・ソーヴィニヨンをお試しです。

IMG_9794
カルメンはチリ大手のひとつですが、1850年から続くチリ最古のワイナリーです。失われた品種カルメネールが1994年に再発見されたのがカルメンの畑なので、Carmenereからカルメンという名前になったのかなと思ってしまいますが、1850年の創業者Christian Lanzさんの妻の名がカルメンだったとのことで、カルメンと名付けられています。
1987年には、すぐ隣のこれも古参のワイナリー、サンタ・リタ(1880年創業)がカルメンを買収します。その翌年の1988年には大企業グループ、グルーポ・クラロ(Grupo Claro)にサンタ・リタごと買収され、現在サンタ・リタもカルメンも同じクラロ・グループの傘下となっています。

これが今日のワインが入っていた化粧箱。金ピカで高級感があります。
IMG_9783
「チリの最初のワイナリー」が最近イチオシの宣伝文句のようです。カルメネールの葉っぱマークと共に「1994年カルメネール再発見はカルメンの畑で」もキラーワード(殺し文句)ですね。

公式ページは、ちょっと見ない間にまたリニューアルしていたようです。

ラインアップやラベルデザインが結構一新されています。上級レンジの Winemaker's Black / Red もコンセプトはそのままに(黒はカルメネール、赤はカベソー)「Carmen Delanz」という名前に変わってました。今日の「Gran Reserva」はデザインその他変わっていないようです。ただ、通常のグラン・レセルバのカルメネールに加え、フリーダ・カーロ・カルメネール(Frida Kahlo Carmenere)という花柄デザインのカルメネールが登場しています。何が違うんでしょう?試してみたいですね。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

畑はサンティアゴの南、マイポ・ヴァレーからです。カルメンの本拠地近くでしょう。熟成はフレンチオーク樽とステンレスタンクの併用で14ヶ月間とのこと。半々でしょうか。比率は書いておいてほしいですね。

カルメンを訪問したいんですが、幹線道路から奥まっていてストビューがありません。
Carmen01
facebook にあった写真を拝借しましたが、これ以上のいい写真が見当たらないんですよね。幹線道路側に入り口もなく、どうやら同グループのサンタ・リタの方からアクセスするようです。右側の地図を見ると、カルメンとサンタ・リタは同じ敷地内にあるようです。いずれにしてもこの辺りはマイポ川の流域になり、ブイン、イスラ・デ・マイポ、プエンテ・アルト、ピルケなどマイポ・ヴァレーのサブゾーンが集中しているエリアになります。

これはカルメンの畑にある「カルメネール発見の記念碑」です。
Carmen_carmenere
日本カルメネール振興協会としては是非ここを訪れたいと願っています(笑)。

首都サンティアゴ周辺(首都州:Región Metropolitana de Santiago)を俯瞰します。
Chile_Santiago_Alrededor
カルメンのおおよその位置も示しました。ただカルメンはコルチャグア・ヴァレーのアパルタ、カサブランカ・ヴァレー、レイダ・ヴァレーのワインも作っているので他にも拠点はありそうです。


ラベル平面化画像。
IMG_9788
畑はアルト・マイポ・ヴァレーのロス・キジャジェス(Los Quillayes)という畑だと書いてます。ラベルで謳っている「Single Vineyard」というのがこれなんでしょうね。また、熟成は樽で12ヶ月となっています。HPの情報とは違いますが…。

インポーターシールはこのように丸隠しでした。
IMG_9787
剥がしやすかったからいいですが、困ったもんです。


さあ、抜栓。
IMG_9791

コルク平面化。
IMG_9792

Alc.13.5%。
赤味帯びたガーネット。
IMG_9793

黒ベリー、ダークチェリー、青みの香。
還元臭かすかにある?
辛口アタック。
酸が少し若いかな~という感じ。
重み、複雑味は十分。
タンニンがうまくバランス取りに来ます。
余韻も同じ流れで続きます。

2020年ですが、もう5年くらい寝かすといいかも…という印象。
そのポテンシャルも含め採点します。


*****

Viña Carmen
Cabernet Sauvignon 2021
Gran Reserva
Single Vineyard D.O. Maipo
RRWポイント 93点


Firriato Harmonium Nero d’Avola 2018 Sicilia DOC

KALDIのワインくじで1等のシャトー・パルメを狙っていたんですが、案の定ハズレを引いてしまいました。ボルドーボトルなのは箱の外から判別できたんですが、それ以上は運なんですよね(笑)。とは言え、これとてシチリアを代表する作り手のネロ・ダーヴォラのフラッグシップです。悪かろうはずがありません。はりきってお試しと行きましょう。

IMG_9692
フィリアートは、1980年代半ばにサルヴァトーレ・ディ・ガエターノ(Salvatore Di Gaetano)さんが奥様とシチリア島トラパニ(Trapani)近くのパチェーコ(Paceco)に立ち上げたワイナリーですが、30年でシチリア最大の生産者のひとつに成長しています。シチリアの特徴を生かしたワインを作っていますが、やはりシチリア島原産ネロ・ダーヴォラのワインが有名で、今日のワインでもあるフラッグシップのアルモニウム(Harmonium)は評価も高く、パーカーおじさんも90点(2008)をつけています。

公式ページはなんと日本語表示できます。自動翻訳のようで微妙な感じですが(笑)。
Banner
ワイン紹介はショップ兼用ながらデータシート完備で助かります。

・ネロ・ダーヴォラ 100%

手摘み収穫。MLFあり。フレンチ&アメリカン混成のバリック(Durmast barrique=フユナラ製小樽)で20ヶ月の熟成。加えてボトル詰め後+12ヶ月。

これがネロ・ダーヴォラ(Nero d'Avola)、シチリア島原産です。
Botter02
「アーヴォラから来た黒いやつ」って意味ですが、シチリア島の南西の端にあるシラクーザ(Siracusa)あたりがアーヴォラ(Avola)ということらしいです。正式名称はカラブレーゼ(Calabrese)ですが、カラブリア州では栽培されず(98%がシチリア島)、シチリア島現地もネロ・ダーヴォラで通ってますから「カラブレーゼ」はシノニムとして扱っていいと思います。

フィリアートを訪問します。トラパニの町近くのパチェーコにあります。
Firriato01
実はずいぶん前にもフィリアートのネロ・ダーヴォラ(普及ライン)を飲んでいて、その時にも(Google Mapで)訪れていました。

フィリアートの拠点はシチリア島中にあり、HPでは地図で解説がされています。
Firriato_拠点
今日のワインはトラパニ付近の「Borgo Guarini」エステートで作られています。

シチリア島のGoogle Map地図にシチリアの全DOCを印したものです。
Sicilia_island4
先ほどのフィリアートの本拠地も記していますのでご確認ください。シチリア島には全部で24のDOC/DOCGがありますが、DOCGは Cerasuolo di Vittoria DOCG のみです。これはネロ・ダーヴォラとフラッパート(Frappato)主体の赤のみのDOCGです。今日のワイン、シチリアDOC(Sicilia DOC)だけシチリア島全域が対象になります。これは元 IGT Sicilia から2011年に昇格したDOCで、もとのIGT(Indicazione Geografica Tipica);=IGP(Indicazione Geografica Protetta)は IGT Terre Siciliane と改称しています。今日のワインの「シチリアDOC」はシチリア島全域が対象です。

Sicilia DOC は赤・白・ロゼ・泡・甘口となんでも可能で、以下が主要品種です。

<黒品種>
・Alicante
・Cabernet Franc
・Cabernet Sauvignon
・Carignano
・Frappato
・Merlot
・Mondeuse
・Nerello Cappuccio
・Nerello Mascalese
・Nero d’Avola (Calabrese)
・Nocera
・Perricone
・Petit Verdot
・Pinot Nero
・Sangiovese
・Syrah

<白品種>
・Ansonica
・Carricante
・Catarratto
・Chardonnay
・Damaschino
・Fiano
・Grecanico Dorato
・Grillo
・Moscato
・Müller-Thurgau
・Pinot Grigio
・Sauvignon Blanc
・Vermentino
・Viognier
・Zibibbo

お馴染みのものから聞いたことのない土着品種まで何でもありって感じです。また、熟成の規定はありません。(樽使用や熟成期間の規定なし)
今日のフィリアートはジビッボ(Zibibbo)のワインもたくさん作っていますが、これはいわゆるマスカット・オブ・アレキサンドリア(Muscat d'Alexandrie)のシノニムです。


ラベル平面化画像。
IMG_9562
コテコテのラベルデザインはちょっと高級感に欠ける気がします(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_9689

コルク平面化。
IMG_9690
なんとDIAM10(10年保証)です。もっと寝かすべきだったかな?

Alc.14.5%。
ガーネット。
IMG_9691

黒ベリー、スパイス、ゼラニウム。
馬小屋臭ブレットも感じますが嫌味はない。
辛口アタック。
程よい酸。
コンパクトな感じですがしっかりした構造感。
ひなびた感じの複雑な風味もあり。
シチリアの田舎感とでも言いましょうか(笑)。
余韻もいいです。


*****

Firriato
Harmonium Nero d’Avola 2018
Sicilia DOC
RRWポイント 93点


Château Barrail du Blanc 2014 Saint-Émilion Grand Cru

サンテミリオン・グランクリュ。福袋に入っていた1本ですが、「Grand Cru Classé」じゃないグランクリュはごまんとあるので騙されるな!と日頃から言ってるやつです(笑)。最後にサンテミリオン絡みを飲んだのが昨年の7月。実はその9月には例の2022年の改定が発表されていました。10年ごとに改定されるサンテミリオン格付けの最新版。トップ・シャトーの脱退が相次いだので波乱の改定となりました。ボケ~っとしてる間に大事なことを記事にするのが遅れてしまいました。今日はこの無名グランクリュを試しながら最新格付けについて書きます。

IMG_9556
本題に入る前に今日のワインの作り手を見ておきましょう。Jean-Jacques Elliès さんがオーナーで、サン・テミリオン(Saint-Émilion)のコミューンの南側、ドルドーニュ川沿いのサン・シュルピス・ド・ファレラン(Saint-Sulpice-de-Faleyrens)というコミューンにあります。(ここもAOCサンテミリオンの対象エリアです。)…というか、これ以上の情報が見当たりません。

公式ページがないようなのでサンテミリオン公式ページの生産者リストから。

これが唯一の情報源ですね。これを見ていて2022年の格付けが発表になってるのに気づいたわけですが(笑)。

・メルロー 70%
・カベルネ・フラン 30%

新樽率33%で12ヶ月の熟成のようです。毎年1/3の樽を新調する感じですね。

一応、シャトー・バライユ・デュ・ブランを訪問。Google Mapによるとたぶんココ。
BarrailduBlanc01
看板も所番地も上がってないので確証はないですが…。

サンテミリオン「Premier Grand Cru Classé」格付けシャトー全部入り地図で見ておきます。
Saint-Emilion_2022
この地図は、今回更新される前の2012年の格付けによるプルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(A)と(B)の全部をカバーするように縮尺を2段構えにして作ったものをベースに、今回の2022年格付けを反映しています。ギリ、今日のシャトーが地図外に外れていたので無理やりハメ込みましたのでご確認ください。

サンテミリオンの最高格付け、Premier Grand Cru Classé の(A)(B)をマークで示してありますが、2022年の格付け表では「(A)」か「(A)なし」かという表記になっています。しかしながら、旧地図を活用していることもあって、「(A)なし」は「(B)」のままにしています。

サン・テミリオンの格付けは1855年のメドックの格付けに遅れること100年、1955年から始まっていて、10年ごとに改定されます。今回の2022年の格付けは脱退したシャトーが順当に抜け、シャトー・フィジャック(Château Figeac)が Premier Grand Cru Classé(A)に昇格しただけなので、2012年の格付けリストを上書きする形で下記します。

PREMIERS GRANDS CRUS CLASSÉS (A) (2シャトー)

 Château Ausone ・・・<2022年 脱退>
 Château Cheval Blanc ・・・<2022年 脱退>
 Château Angélus(2012年昇格) ・・・<2022年 脱退>
・Château Pavie(2012年昇格)
・Château Figeac(2022年昇格)

PREMIERS GRANDS CRUS CLASSÉS (12シャトー)
・Château Beau-Séjour (héritiers Duffau-Lagarrosse)
・Château Beau-Séjour-Bécot
・Château Bélair-Monange
・Château Canon
・Château Canon la Gaffelière(2012年昇格)
・Clos Fourtet
 Château la Gaffelière ・・・<2022年 脱退>
・Château Larcis Ducasse(2012年昇格)
・La Mondotte(2012年昇格)
・Château Pavie Macquin(2006年昇格)
・Château Troplong Mondot(2006年昇格)
・Château Trottevieille
・Château Valandraud(2012年昇格)

オーゾンヌやシュヴァル・ブランがいないのは淋しい限りですね。

<2022年 脱退>とあるシャトーは、審査基準(ワインと関係のない事柄が重要な評価ポイントとなっている)が納得いかないという理由で、2022年の格付けから脱退したシャトーになります。サン・テミリオンの格付けの最大の特徴は10年ごとに改定されるところです。過去、1969年、1986年、1996年、2006年、2012年と改定を重ねてきています。ところが、この改定がもめる要因にもなってるんですね。2006年の改定時も格付けが一時無効になったり大モメしています。前回2012年の格付けから10年。波乱の2022年改定は以上のようなオチになりました(笑)。


ボルドー右岸のサン・テミリオン(Saint-Émilion)はメドックとは格付けのシステムが違うので、いくつか理解しておかないといけない事項があります。まずは対象範囲を地図で確認。
SaintEmilionMap
行政区分のサン・テミリオンだけでなく周辺のコミューンを含めた結構広大な範囲です。ここで作ったワインが一定の条件を満たすと以下のAOCが名乗れます。

・AOC Saint-Émilion
・AOC Saint-Émilion Grand Cru

後者は「Grand Cru」とつきますが、これは低収量かつアルコール度数の基準を満たせばOKな「Grand Cru」で、「Grand Cru Classé」というランクとは全く別モノと考えないといけません。「AOC Saint-Émilion Grand Cru」の中に、さらに上級の「Grand Cru Classé」が含まれるという関係です。なので、表記すると「Saint-Emilion Grand Cru Grand Cru Classé」となります。ややこしいですね。「Grand Cru」というワードの安売りをするからいけないんですね。「Classé」の付かない「並」のグラン・クリュが腐るほどあるということですから、サンテミリオンの「グラン・クリュ」にだまされてはいけません。(今日のワインがそうですが…笑)

ただの「Grand Cru」とは違う「Grand Cru Classé」には以下の3段階があります。

・Premier Grand Cru Classé 'A' (2シャトー)
・Premier Grand Cru Classé (12シャトー)
・Grand Cru Classé (71シャトー)

「プルミエ」のつかないただの「グラン・クリュ・クラッセ」のシャトーでさえ71シャトーもあります。2012年の格付けでは64でしたから、7つ増えた格好です。


サン・テミリオンの公式サイト格付けワインのリストとその詳細が確認できます。

「グラン・クリュ・クラッセ」の下にさらにゴマンとある「AOC Saint-Émilion Grand Cru」のリストはこちらになります。全部で553あるようです。今日のワインはこれです(笑)。ちなみに「グランクリュ」の付かないタダの「AOCサンテミリオン」のリストもあったので数えてみたら168しかありませんでした。なんとグランクリュの方が圧倒的に多いです。素のサンテミリオンの方が貴重なのか…。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_7371
裏ラベルはインポーターシールのみだったので下に付けました。


さあ、抜栓。
IMG_9550

コルク平面化。
IMG_9552

Alc.13.5%。
ガーネット。エッジに結構オレンジ色来ています。
IMG_9553

黒ベリー、フィーグ。
酸い系の樽香ですが香ばしさもあり。
辛口アタック。
奥行き、厚み、構造感はしっかりあります。
タンニンのきぶみもいい感じに効いています。
余韻も結構長い。

ただのグランクリュ(笑)ですが普通に上等感あって美味しいです。
オリがけっこうありました。


*****

Château Barrail du Blanc 2014
Saint-Émilion Grand Cru
RRWポイント93点


Baettig Vino de Viñedos Los Compadres Cabernet Sauvignon 2021 D.O. Maule

チリ、エラスリスのチーフワインメーカーで世界的に高い評価をされるフランシスコ・ベティッグさんが自身のルーツの土地マジェコ・ヴァレーにて醸すピノ・ノワールを試してその完成度に驚いたのも束の間、今度はカベルネ・ソーヴィニヨンも出しているというのでお試しです。DOマウレになっていますからカベソーはマジェコ・ヴァレーからではなさそうです。

IMG_9388
ビニェド・チャドウィック(Viñedo Chadwick)やセーニャ(Seña)といったチリのスーパープレミアムワインを生み出しているビニャ・エラスリス(Viña Errázuriz)ですが、そのチーフワインメーカーのフランシスコ・ベティッグ(Francisco Baettig)さんが自身のルーツでもあるマジェコ・ヴァレー(Valle del Malleco)に帰り、ピノ・ノワールとシャルドネにこだわって2013年からワイン作りをしています。それがこのベティッグ。ところが、カベルネ・ソーヴィニヨンを新たにリリースしているといいますから、やっぱりカベソーもやりたかったんでしょうね。ピノ、シャルドネのこだわりはどうなった?(笑)

公式ページははスクロール式で少々見にくいです。ん?カベソーが載っていません。

こういうところはピノ・ノワール、シャルドネにこだわらなくてもいいんですけどね。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

ネット情報によれば、新樽率20%のフレンチオーク樽で10ヶ月の熟成。「Secano」と呼ばれる灌漑なしの乾燥した畑で栽培されるそうです。その畑はマウレ・ヴァレーの「Coronel de Maule 村」、「Los Despachos 村」、「Loncomilla 村」の村々の協力農家になるそうです。ワイン名にある「Vino de Viñedos Los Compadres」というのは「仲間のブドウ畑のワイン」という意味になります。「仲間」というか「マブダチ」に近いニュアンスですね(笑)。

「Coronel de Maule 村」、「Los Despachos 村」はGoogle Mapで見つかりました。
Loncomilla01
これらはマウレ・ヴァレー(Valle del Maule)のサブリージョン、ロンコミージャ・ヴァレー(Valle del Loncomilla)やトゥトゥベン・ヴァレー(Valle del Tutuvén)にあるようです。「Loncomilla 村」というのは見つからなかったのですが、サン・ハビエル・デ・ロンコミージャ(San Javier de Loncomilla)はじめロンコミージャ・ヴァレーのどこかだと思われます。

マウレ州全体を俯瞰して位置関係を確認。上の地図の範囲は白い四角で示しています。
Maule_Curico
今日のワインがDOマウレ(マウレ・ヴァレー)になるのはわかりますね。マウレ州にはクリコー・ヴァレーも北側にあります。それぞれの産地は川と密接な関係がありそうですね。ここら辺から首都サンティアゴの周辺マイポ・ヴァレーまでの広大な地域がセントラル・ヴァレー(Valle Central)になります。

セントラル・ヴァレー(Valle Central)全体像はこの地図がわかりやすいです。
Region_Viticola_del_Valle_C

いつものチリのワイン産地(DO)の一覧表(サブゾーン含む)で確認しておきましょう。
RegiónSubregiónZonaÁreaTérmino complementario
Región vitícola de AtacamaValle de Copiapó
Valle del Huasco
Región vitícola de CoquimboValle del ElquiLa Serena
Vicuña
Paiguano
Costa
Andes
Andes
Valle del LimaríOvalle
Punitaqui
Monte Patria
Río Hurtado
Costa
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Valle del ChoapaSalamanca
Illapel
Andes
Andes
Región vitícola de AconcaguaValle del AconcaguaZapallar
Quillota
Hijuelas
Panquehue
Catemu
Llay-Llay
San Felipe
Santa María
Calle Larga
San Esteban
Costa
Costa
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Andes
Valle de CasablancaCasablancaCosta
Valle de San AntonioCartagena
Algarrobo
Costa
Costa
Valle de LeydaSan Juan
Santo Domingo
Costa
Costa
Valle del Marga-MargaQuilpuéCosta
Región vitícola del Valle CentralValle del MaipoIsla de Maipo
Talagante
Melipilla
Alhué
María Pinto
Colina
Calera de Tango
Til Til
Lampa
Santiago
Pirque
Puente Alto
Buin
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Andes
Andes
Valle del RapelValle del CachapoalRancagua
Peumo
Coltauco
Requínoa
Rengo
Machalí
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Andes
Valle de ColchaguaParedones
Pumanque
Litueche
Lolol
Nancagua
Santa Cruz
Palmilla
Peralillo
Marchigüe
La Estrella
San Fernando
Chimbarongo
Costa
Costa
Costa
Costa
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Valle de CuricóValle del TenoVichuquén
Rauco
Romeral
Costa
Entre Cordilleras
Andes
Valle del LontuéSagrada Familia
Molina
Entre Cordilleras
Andes
Valle del MauleValle del ClaroEmpedrado
Curepto
Talca
Pencahue
San Rafael
San Clemente
Costa
Costa
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Valle del LoncomillaSan Javier
Villa Alegre
Parral
Linares
Longaví
Retiro
Colbún
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Valle del TutuvénCauquenesEntre Cordilleras
Región vitícola del SurValle del ItataPortezuelo
Coelemu
Chillán
Quillón
Costa
Costa
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Valle del BiobíoYumbel
Mulchén
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Valle del MallecoTraiguénEntre Cordilleras
Región vitícola AustralValle del CautínPerquenco
Galvarino
Valle de OsornoOsorno
San Pablo
Purranque
La Unión
Futrono


































<Wikipedia Anexo:Regiones vitícolas de Chile より>


ラベル平面化画像。
IMG_9363
樹齢30年超なんてちらっと書いています。


さあ、抜栓。
IMG_9384

コルク平面化。
IMG_9385
D.O. Mauleなんですが…。(笑)コルクは使いまわしですね。

Alc.13.5%。
濃いガーネットに若干の赤味あり。
IMG_9386

黒ベリー、スパイス。
上等ボルドーのように生っと樽香があります。
若干酸を感じる辛口アタック。
コク、重み充分ある深い味わい。
冷涼な気候を感じますね。
最初の酸は続くんですが、
バランスは絶妙なまま、
ゆっくりとフィニッシュに向かいます。

さすがエラスリスのワインメーカー、カベソーもいいですね。
こうなるとこの方の醸すカルメネールを飲んでみたいものです。


*****

Bættig
Vino de Viñedos Los Compadres
Cabernet Sauvignon 2021
D.O. Ma
ule
RRWポイント 93点


Château Rauzan-Gassies Les Ailes de Rauzan-Gassies 2013

メドック格付け第2級、シャトー・ローザン・ガシー。そのセカンド(らしき)ワインです。レ・ゼール・ド・ローザン・ガシーというネーミング。「Ailes」は「翼」。シャトーの紋章にあるように「翼」がシンボルマークというわけですね。ローザン・ガシーは3年ほど前になりますがファーストをすでに試しています。あまり傑出していた印象はないんですが、セカンドでリベンジと行きましょう。2013年だとちょっと分が悪いかな…。

IMG_9435
騎士の称号を持つピエール・デメジュール・ド・ローザン(Pierre Desmezures de Rauzan)さんがシャトー・ラトゥールに仕えていた経験を活かし、ドメーヌ・ド・ローザン(Domaine de Rauzan)を創設したのは17世紀にさかのぼります。ドメーヌ・ド・ローザンは、1763 年に相続上の理由から 2 つのシャトーに分割されます。これがご存知、ローザン・セグラローザン・ガシーです。1855年のメドックの格付け時にはドメーヌ・ド・ローザンとしてすでに第2級の名声を得ていたので、2つとも第2nennkara 級の格付けを得ました。
1946年にワイン商のポール・キエ(Paul Quié)さんがローザン・ガシーを取得。現在もキエ家が所有しています。キエ家はポイヤックのシャトー・クロワゼ・バージュ(メドック格付け第5級)やオー・メドックのシャトー・ベル・オルム・トロンコワ・ド・ラランド(ブルジョワ級)も所有しています。

キエ家所有の3つのシャトーの公式ページはオーナーのキエ家のページからリンクされています。

ローザン・ガシーのページを見るとオー・メドックのサードワイン「L’Orme de Rauzan-Gassies」と共にセカンドワインとして「Gassies」しか載っていません。れれれ? 今日のレ・ゼール・ド・ローザン・ガシーは?「2009年からセカンドは『ガシー』と呼ばれています。」なんて書いています。

その昔、と言っても2013年当時ですが、今日のレ・ゼール・ド・ローザン・ガシーは全日空 ANA のファーストクラスで採用され、このようにオンリストされています。
ANA1
ちゃんと「セカンドワイン」と書いていますよ。たぶん実質同じワインと思われるので、ガシー(Gassies)のデータを参考にします。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 58%
・メルロー 40%
・プチヴェルド 2%

例によってファーストと同じマルゴーの畑の若木から作られます。フレンチオーク樽で12ヶ月熟成だそうです。

さあ、シャトー訪問ですが、今日は正面の畦道からローザン・セグラと一緒に見ます。
Rauzan_Gassies01
元々は同じシャトーなので敷地や建物が一体化しています。どこまでがローザン・ガシーで、どこからがローザン・セグラか、わかるように示しています。ローザン・セグラの方がかなり大きいようですね。一度こんな風に2つのシャトーを一緒に載せたかったんですよね。

ローザン・ガシーがマルゴーに所有する畑は30ha。ローザン・セグラは70haだそうで。
Rauzan_Gassies00
この地図はローザン・ガシーが所有する畑の分布を示しています。ローザン・セグラの半分ほどしかないにしては、結構いい場所にかなりの面積があるように見えますね。


マルゴーの中心地にひしめく格付けシャトーをロゴ入りで示した地図です。
Margaux_中心周辺
見にくいですがローザン・ガシーを探して位置関係を確認しましょう。マルゴー村とカントナック村にこれら18シャトーが密集していますが、実は2017年に両村は合併し「マルゴー・カントナック村(Margaux-Cantenac)」となっています。

<マルゴー・カントナック村(Margaux-Cantenac)>(18シャトー)
(第1級)Château Margaux(マルゴー)
(第2級)Château Brane-Cantenac(ブラーヌ・カントナック)
     Château Durfort-Vivens(デュルフォール・ヴィヴァン)
     Château Lascombes(ラスコンブ)
     Château Rauzan-Gassies(ローザン・ガシー)
     Château Rauzan-Ségla(ローザン・セグラ)
(第3級)Château Boyd-Cantenac(ボイド・カントナック)
     Château Cantenac-Brown(カントナック・ブラウン)
     Château Desmirail(デスミライユ)
     Château d’Issan(ディッサン)
     Château Ferrière(フェリエ―ル)
     Château Kirwan(キルヴァン)
     Château Marquis-d’Alesme(マルキ・ダレーム)
     Château Malescot-Saint-Exupéry(マレスコ・サン・テグジュペリ)
     Château Palmer(パルメ)
(第4級)Château Marquis-de-Terme(マルキ・ド・テルム)
     Château Pouget(プージェ)
     Château Prieuré-Lichine(プリウレ・リシーヌ)

ただし、AOCマルゴーの格付けシャトーにはあと3つあり、全部で21シャトーになります。
AOC_Margaux_Communes
AOCマルゴーの範囲は、マルゴー・カントナック村に加え、ラバルド村、アルサック村、スッサン村の4村になります。残り3シャトーが以下です。

<ラバルド村(Labarde)>(2シャトー)
(第3級)Château Giscours(ジスクール)
(第5級)Château Dauzac(ドーザック)

<アルサック村(Arsac)>(1シャトー)
(第5級)Château du Tertre(デュ・テルトル)

以上からわかるように、スッサン村はAOCマルゴーですが格付けシャトーはありません。


エチケット平面化画像。
IMG_7846
HPに情報がなかったので、裏ラベルにもう少し何か書いておいてほしかったです。


さあ、抜栓。
IMG_9431

コルク平面化。
IMG_9433
キエ家の名前だけですね。

Alc.13.5%。
エッジ褐変気味のガーネット。
IMG_9434

黒ベリー、ダークチェリー、芳醇な樽香。
辛口アタック。
酸はありますがあまり騒がない穏やかな感じ。
複雑味、奥行き、申し分ないんですが、
2013の軽さははっきり認められる気がします。
ただバランスの良さは秀逸で最後までいい均衡が続きます。

年々よくなってるとしたらまたファーストを試してみたいですね。


*****

Château Rauzan-Gassies
Les Ailes de Rauzan-Gassies 2013
Margaux
RRWポイント 93点


Vinovalie Démon Noir Malbec Merlot 2019 Comté Tolosan IGP

定期的にタカムラワイン&コーヒーロースターズでワインを物色するんですが、そこで目を引いたワインです。デーモン・ノワール(Démon Noir)と書かれた黒いラベル。デーモンでしょうか、小鬼のようなイラストがあります。品種はマルベック主体のようで、産地が南西地方ということでカオールあたりで作られていると思われます。作り手は…と裏ラベルを見ると「Vinovalie」。またまたヴィノヴァリーです。南西地方では高確率でここに出くわします(笑)。

IMG_9360
南西地方のいろんな産地・品種を試していると作り手の「Vinovalie」の文字に「これもヴィノヴァリーかよ~!」となることが続いています。
ヴィノヴァリーはフロントン、ガイヤックx2、カオールの4つの協同組合が2006年に合併して創設されています。680人の生産者がメンバーで畑の総面積は1,570haもあります。その辺り一帯を牛耳ってるんだと思いますが、過去に試したヴィノヴァリーのワインのインポーターを見ると点でバラバラで、いろんなルートで入ってきてるのもあちこちで出くわす要因なのかもしれません。

公式ページは前からよく知っています(笑)。お洒落でモダンですが情報量は多くないです。

今日のデーモン・ノワールというシリーズはちゃんと載っていて、赤・白・ロゼがあります。

・マルベック
・メルロー

セパージュ%が不詳です。AOCカオール(Cahors)であれば、マルベックが70%以上で、補助品種もメルローやタナなのでおおよそ類推できそうなんですが、今日のこのワインは広域の IGPコンテ・トロサン(Comté Tolosan) です。産地なのか、品種なのか何かでAOCを外れてるんでしょうね。発酵前にホット・マセレーションをしてるなんて書いてます。コールド(低温)マセレーションは聞いたことありますが、なんでしょうね。樽はないようです。

マルベックは、オーセロワ(Auxerrois)、コ(Côt)他130ほどのシノニムがあります。
Septima00
オーセロワはフランス南西地方、コ(コット)はボルドーでの呼び名だったようですが、アルゼンチンのマルベックの成功で世界的に「マルベック(Malbec)」に統一されてしまった感があります。アルゼンチンは世界のマルベックの総生産量の実に84%を占めるそうですからね。一大産地カオールを擁するフランスは世界で2番目のマルベック生産量ですが、実はわずか8%にすぎません。ちなみに3位はチリの4%、4位はアメリカの3%が続きます。
オーセロワ(Auxerrois) という、アルザスでよく使われる白ブドウもありますが、これは全く別の品種です。また、シャブリの近くオーセール(Auxerre)周辺をグラン・オーセロワ(Grand Auxerrois)と呼びますが、あちこちで出てくるオーセロワ、正直こんがらがります(笑)。


南西地方の超大手と思しきヴィノヴァリー(Vinovalie)の拠点をまとめておきます。
Fronton05
本部以外は元がそれぞれの協同組合の醸造施設のようです。フロントン、ガイヤックがメインで少し離れてカオールにも拠点があるって感じです。しかしデカいですね。傘下にいくつかのドメーヌやらシャトーやらも従えているようですし。


恒例の Google Map上に南西地方のAOC、IGPを示した地図を貼っておきます。
Sud_Ouest01
IGPコンテ・トロサン(Comté Tolosan)は南西地方のほぼ全域が対象です。見にくいですが地図上の破線(---)で示した範囲です。ベルジュラック(Bergerac)周辺はドルドーニュ県(Dordogne)なので IGP Comté Tolosan からは外れるようです。

INAOの地図でも IGPコンテ・トロサンの範囲を確認しておきましょう。
ComteTolosan1
AOCが概ねコミューン(市町村)レベルが対象になるのに対し、IGPは県単位で設定されているのがよくわかりますね。以下のサブゾーンも示されています。

・Comté Tolosan Bigorre
・Comté Tolosan Cantal
・Comté Tolosan Coteaux et Terrasses de Montauban
・Comté Tolosan Haute-Garonne
・Comté Tolosan Tarn et Garonne
・Comté Tolosan Pyrénées Atlantiques


エチケット平面化画像。
IMG_9016
裏ラベルには、「その昔、カオールの町を貫くロット川に立派な橋(おそらく有名なヴァラントル橋)を架けるため、悪魔と契約を結び魂を売った」話が書かれています。そんな逸話から「Démon Noir(黒い悪魔)」のネーミングをしたんでしょうね。やはり、このワイン、暗に「カオール」だということをほのめかしています。カオールのマルベックはとても濃い赤色なので「黒ワイン」の異名がありますし。


さあ、抜栓。
IMG_9356

コルク平面化。
IMG_9357

Alc.12.5%。
やはり黒いインキーなガーネット。
IMG_9358

黒ベリー、ダークチェリー。
樽はないはずですが湿った木が香ります。
辛口アタック。
若干酸がはしゃぐ感じあり。
お陰でコクのある味も少しクールに感じます。
タンニンはしっかり効きながら奥深い味わいを演出。
余韻は引っぱり足らない気もしますが、
全体のまとまりはなかなかいいです。


*****

Vinovalie
Démon Noir Malbec Merlot 2019
Comté Tolosan IGP
RRWポイント 93点


Beringer Knights Valley Cabernet Sauvignon 2018

ナパの老舗、ベリンジャー。ソノマのナイツ・ヴァレーは Knights Valley AVA ができる前からのベリンジャーの看板商品です。コストコでお得になっていたので思わず手にしました。ずいぶん昔になりますが、ナパ・ヴァレーを訪問した時にテイスティングしています。歴史的にも有名なベリンジャーのドイツ風邸宅でのテイスティングが思い出されます。

IMG_9231
ベリンジャーはドイツのマインツから移住してきたヤコブとフレデリックのベリンジャー兄弟が1876年にナパ・ヴァレーのセント・ヘレナに創業したワイナリーです。ナパ・ヴァレーのワイン産業の先駆けのひとつであることは言うまでもありません。1883年に建てられたライン・ハウス(the Rhine House)という優美なドイツ風の邸宅はアメリカ合衆国国家歴史登録財 (National Register of Historic Places)に登録されており、今でもその中でテイスティングツーが行われています。

公式ページは普通によく出来ていて見やすいです。自慢の歴史もしっかり紹介しています。

ショップ兼用ながらワイン紹介は必要十分な情報があります。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 84%
・メルロー 9%
・カベルネ・フラン 6%
・プチ・ヴェルド 1%

かろうじて2018も載っていました。ぶどう畑の区画ごとに収穫と醸造を行うそうです。新樽率25%のフレンチオーク樽で16ヶ月の熟成。丁寧に作られている印象です。


ベリンジャー訪問。ストビューで少し中まで入れ、ライン・ハウスに近づけました。
Beringer01
ナパのワイン街道になるセント・ヘレナ・ハイウェイ(CA-29号線)を北上し、セント・ヘレナの市街を越えてすぐのところにあります。敷地や施設は周囲に拡大していますが、やはりシンボルはこの洋館です。

ナパのワイン街道(オークヴィル~セント・ヘレナ)を俯瞰しました。
Beringer02
その昔にベリンジャーでテイスティングしたのは勿論このライン・ハウスの中です。当時、まだまだワインの何たるかを知らないお子ちゃまでしたから、適当に選んだワインが極甘口のデザートワインだったらしく、「ゲッ!なんだこの甘いワインは!」とビックリ仰天。以来、長らく「ベリンジャー=甘い」と思い込んでいました(笑)。

さあ、今日のワインの Knights Valley AVA をソノマ・カウンティの地図で確認。
Sonoma_County
地図で見るとナパのベリンジャーとソノマのナイツ・ヴァレー、違う郡(カウンティ)ですが割と近いことがわかります。距離で言うとベリンジャーから北へ17マイル(27km)行ったところになります。ナイツ・ヴァレーAVAが認定される(1983年)20年も前の1960年代半ばに取得した自社畑で、水はけの良い火山性の土壌に着目した先見の明ということのようです。ベリンジャーの最高級のカベルネ・ソーヴィニヨンとソーヴィニヨン・ブランはここの畑から作られます。また、「ナイツ・ヴァレー」という名前をラベルに記したのもベリンジャーの1974年のヴィンテージが最初で、AVAの名前はここから来ています。

ソノマ・カウンティの地図を挙げたので、以下にソノマ・カウンティのAVAを列挙してまとめておきます。

<SONOMA COUNTY>
Sonoma Coast
(Russian River Valley、Fort Ross-Seaview を内包、Petaluma Gap、Los Carneros と重なる)
West Sonoma Coast(2022年5月認定の新しいAVA)
(Sonoma Coast の西側部分で、Fort Ross-Seaview を内包)
Northern Sonoma
(Alexander Valley、Knights Valley、Chalk Hill、Russian River Valley を内包、Dry Creek Valley の一部と重なる)
Alexander Valley
Russian River Valley
(Green Valley of Russian River Valley を内包、Chalk Hill の一部と重なる)
Green Valley of Russian River Valley
Chalk Hill
Dry Creek Valley
Knights Valley(本日のワイン)
Fountaingrove District
Fort Ross-Seaview
Sonoma Valley
(Bennett Valley、Sonoma Mountain、Moon Mountain District Sonoma County を内包、Los Carneros と重なる)
Bennett Valley
Sonoma Mountain
Moon Mountain District Sonoma County
Rockpile
(一部 Dry Creek Valley にかかる)
Pine Mountain-Cloverdale Peak
(Mendocino County から一部ソノマの Alexander Valley にかかる)
Los Carneros
(Napa Valley にまたがる)
Petaluma Gap
(南部分は Marin County)

※微妙な重なりまでは記述していません。地図でご確認を。


これまたいつもの地図でカリフォルニア全体を見ておきます。
California_AVA
ソノマ・カウンティ―はノース・コースト(North Coast)に属します。ナパよりも太平洋岸に近いということで、ソノマ・カウンティ自体は寒流の影響を受け冷涼な気候になりますが、今日のナイツ・ヴァレーは位置的にほぼナパ・ヴァレーの気候に近いと思われます。


以下、ご参考リンク。
全米の AVA のリスト
 *TTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)酒類タバコ税貿易管理局のサイト

おっと、現在全米では 267、カリフォルニアでは 147 のAVA総数になっています。8月15日に「Gabilan Mountains AVA」という Mt. Harlan(San Benito County)や Chalone AVA(Monterrey County)を内包する新しいAVAが加わっています。


ラベル平面化画像。
IMG_9051


さあ、抜栓。
IMG_9228

コルク平面化。
IMG_9229

Alc.14.6%。
濃いガーネット。
IMG_9230

黒ベリー、ダークチェリー、芳しい樽香。
辛口アタック。
すぐに酸の存在も確認。
それが甘やかな印象を与え、
味の立体感、構造感に彩りを加えてくれます。
ピリッと効くタンニンも楽しませてくれますね。
余裕の長い余韻もうれしい。
正統派、ボルドータイプのうまうまカベソーです。


*****

Beringer
Knights Valley
Cabernet Sauvignon 2018
RRWポイント 93点


Campagnola Le Bine Valpolicella Classico 2019

買い出しに行ったグランマルシェの店頭で少々変わった形のボトルのヴァルポリチェッラ・クラッシコを発見。ジュゼッペ・カンパニョーラというヴァルポリチェッラの老舗のようですね。アマローネ(デッラ・ヴァルポリチェッラ)があればそちらの方を試してみたいものですが、一期一会ということで、とりあえずコレから取り組みたいと思います(笑)。

IMG_8982
ジュゼッペ・カンパニョーラは、インポーター情報ではカルロ・カンパニョーラさんが1886年に設立したとなっていますが、ロゴマークを見ると1907年と入ってますね。1907年には最良のレチョート・ワイン(甘口)に与えられる金メダルを受賞したとなっています。そこをスタートとしたんでしょうか。いずれにせよ、以来4世代に渡ってカンパニョーラ家がワイナリー事業を拡大していったということのようで、Le Tenute Campagnola(カンパニョーラ・エステート)という名前で、ヴェネト州に3ヶ所(オリジナルのカンパニョーラ含む)、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州に1ヶ所、アブルッツォ州に1ヶ所、計5つものワイナリーを運営しています。

公式ページは情報豊富。ネゴシアンとして扱ってるブランドも網羅しています。

全てのワイン紹介がテクニカルシート付きです。助かります。

・コルヴィーナ・ヴェロネーゼとコルヴィノーネ・ヴェロネーゼ 70%
・ロンディネッラ 30%

醸造なんですが、アマローネ用にアパッシメント(陰干)したブドウの絞りかすを15%加えて、二次発酵させるとあります。これって、リパッソ(Valpolicella Ripasso)の製法です。Valpolicella Ripasso DOC を名乗らず Valpolicella Classico DOC としてるのは謎です。熟成は、スラヴォニアンオークの大樽で4~6ヶ月+瓶内で3ヶ月だそうです。

これが、コルヴィーナ(Corvina)。18世紀頃から Corvina Veronese とも呼ばれてます。
Corvina
1627年の文献にコルヴィーナという名が初出しており、当然イタリア原産です。DNA分析では、Refosco dal Peduncolo Rosso や Rondinella と親子関係があり、Dindarella、Garganega、Marzemino、Oseleta とは遠い親戚だそうです。

Valpolicella DOC の規定では、コルヴィノーネ(Corvinone)というよく似た名前の品種をコルヴィーナの代わりに使用可なのですが、今日のワインは両方使ってるような感じですね。これが、コルヴィノーネ。コルヴィーナと同じく Corvinone Veronese とも言うようです。
Corvinone
コルヴィノーネの方はフェノール特性が同じながら、房や果実がコルヴィーナより大きく果皮の色も濃いそうです。

規定では30%まで混ぜていいロンディネッラ(Rondinella)。同じくイタリア原産。
Rondinella
今日のワインはギリギリいっぱいの30%をブレンドしていますね。2006年のDNA鑑定では、Corvina (Veronese) と何らかの品種の自然交配という結果が出ています。コルヴィーナの子供ですか。親子でブレンドするわけですね。なんだかんだ言って、ヴァルポリチェッラって近親ばかりのブレンドなわけです(笑)。


今日のワインに絡めて、Valpolicella DOC他を整理しておきます。最初に引っかかるのが「アマローネ」や「ヴァルポリチェッラ」が品種なのか地名なのか何なのかってことですよね。「Valpolicella」は産地の名前ではありますが、そのものズバリの名前の町はありません。地名ではありますが、あくまで地方名って感じです。「Amarone」は製法もしくは種類の名前になりますが、~della Valpolicella 以外のアマローネはないですからややこしいです。そして辛口であり、アマローネの名前の響きのように甘くはありません(笑)。

Valpolicella DOC が1968年にDOCとして成立します。

42年後の2010年に、以下の3つが単独のDOCGとしてValpolicella DOCから分離します。

Amarone della Valpolicella DOCG
(ぶどう収穫後、数ヶ月<最低12月1日まで>乾燥=アパッシメント。Alc.14%以上。)
Recioto della Valpolicella DOCG(アマローネの残糖50g/Lの甘口。Alc.12%以上。)
Valpolicella Ripasso DOCG(二重発酵=リパッソ製法。)

これら3つは製法としては過去から確立されていたのでしょうが、DOCGとしては2010年からですから比較的新しいですね。Valpolicella DOC成立の時点で、品種は、Corvina / Corvinone が45~95%、 Rondinella が5~30%、その他が Max.25%(単品種で10%超えない)と規定され、サブゾーンとして「Classico」と「Valpantena」が設定されました。これら品種規定とサブゾーンはその後の3つのDOCGにそのまま引き継がれます。

結論、アマローネ他、レチョート、リパッソなどは「製法」であり、ヴァルポリチェッラは「産地名」及びDOC名称ってことです。上記したように、品種の規定はValpolicella DOC以下みんな同じなのでその点は助かります。(笑)


ジュゼッペ・カンパニョーラを訪問します。すごくデカくてきれいな建物です。
Campagniola
マラーノ・ディ・ヴァルポリチェッラ(Marano di Valpolicella)というコムーネにあります。ヴァルポリチェッラ・クラッシコの対象地域です。


いつものヴェローナ周辺地図で、まず Valpolicella DOC のエリアを確認。派生した3つのDOCG(Amarone della Valpolicella 、Recioto della Valpolicella、Valpolicella Ripasso)は当然ながら同じエリアになります。そしてそれぞれにサブゾーン(Classico、Valpantena)があります。
Verona周辺_3
マラーノ・ディ・ヴァルポリチェッラ(Marano di Valpolicella)にあるジュゼッペ・カンパニョーラの場所も示しています。今日のワインがサブゾーン、クラッシコ(Classico)ですが、以下の5つのコムーネがクラッシコの対象地域です。

・Fumane
・Marano di Valpolicella
・Negrar di Valpolicella
・San Pietro in Cariano
・Sant'Ambrogio di Valpolicella

「~di Valpolicella」は昔は付かなかったようですが…やはりハッタリが効くんでしょうか(笑)。


いつもヴェローナ周辺をクローズアップしますが、ヴェネト州にはソアヴェ、プロセッコ他、実にたくさんのDOC/DOCGがあり、またそれらが州で一括りにできないくらい実に多様です。
Veneto_DOCDOCG
隣接するロンバルディアやフリウリ・ヴェネチア・ジュリアとの州境では州をまたぐDOCもあります。それらはルガーノDOCプロセッコDOCの時に見ていますのでご参考ください。


ラベル平面化画像。
IMG_8503
裏ラベルには確かに二次発酵(二重発酵)してると書いてあります。

インポーターシールはいつものバーコード隠しです。
IMG_8501


さあ、抜栓。
IMG_8974

コルク平面化。
IMG_8976

Alc.13%。
ガーネット。
IMG_8977

黒ベリー、プラム、プルーン。
ほんのりと樽香の芳しさ。
辛口アタック。
酸は主張強めですが前には出ず、
複雑な味わいは厚みも充分あります。
かすかな苦味もいい感じに決まってます。
喉越しからフィニッシュまで、
最初の酸が軽めな方へバランスを引っ張るんですが、
それがかえってフレッシュな感じで気持ち良く終われます。
アマローネとは違ううまさを発見した気がします。


*****

Campagnola
Le Bine
Valpolicella Classico 2019
RRWポイント 93点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ


写真サイト:
最近ちゃんと写真撮ってますか?

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ