Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Ribera_del_Duero

Kirkland Signature Ribera del Duero Gran Reserva 2015

スペイン、リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)のワインですが、出ましたコストコのプライベートブランド「Kirkland Signature」です。で、よく見るとこれ、「Gran Reserva」です。リベラ・デル・ドゥエロのグラン・レセルバは規定により 60ヶ月(内、24ヶ月は木樽)の長期熟成をしているってことになります。それが税込み1,788円。こりゃあ、お買い得だわ。

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コストコのPBワインは作り手(生産委託先)を突き止めるのに苦労するんですが、これはあっさり裏ラベルに「Viña Solorca」と住所と共に書いてありました(笑)。1998年に設立されたリベラ・デル・ドゥエロの中心地ロア(Roa)にある家族経営の作り手です。と言っても、年間50万本の生産をしてるそうで、そりゃあコストコも委託するわけですね。

公式ページは新しい作り手にしては少々古風な感じです。

ここにコストコのワインが載っているわけもなく、同等であろうグラン・レセルバを参考にしようと思いましたが、UKのコストコのサイトに割と詳しい情報がありました。

・テンプラニージョ 100%

ブドウは古樹から手摘み収穫されます。熟成はフレンチオーク樽で13ヶ月、その後なぜかアメリカンオーク樽に移し替えてさらに25ヶ月。瓶詰め後、ボトルで24ヶ月放置プレー。合計で5年以上の熟成期間だそうで驚きました。まあ、DO Ribera del Duero の規定がほぼそれぐらいなんですけどね。以下に他のDOとの違いも含めてまとめます。

・ビノ・ホベン(Vino Joven
 樽には全く入れない若飲みタイプ。(樽熟成を短期間行うものもあり)

・クリアンサ(Crianza
(他DO)24ヶ月/内、6ヶ月は樽(白・ロゼ:12-6)
(DO Ribera del Duero / DOCa Rioja)24ヶ月/内、12ヶ月は樽

・レセルバ(Reserva
(他DO)36ヶ月/内、12ヶ月は樽(白・ロゼ:24-6)
(DO Ribera del Duero / DOCa Rioja)36ヶ月/内、12ヶ月は樽

グラン・レセルバ(Gran Reserva
(他DO)60ヶ月/内、18ヶ月は樽(白・ロゼ:48-6)
(DO Ribera del Duero / DOCa Rioja)60ヶ月/内、24ヶ月は樽

Tempranillo」です。巷で「テンプラニーリョ」とよく書いてますが、ここでは「テンプラニージョ」としています。テンプラニーはあったとしても、まずテンプラニーリョとは発音しません。スペイン語で「LL」は「L」とは別の文字で「エジェ」というアルファベットの1文字です。
Tempranillo
リベラ・デル・ドゥエロでは Tinto Fino とか Tinta del País と言います。DOトロの地域ではテンプラニージョを Tinta de Toro というシノニムで呼びます。ラ・マンチャでは Cencibel。カタルーニャのペネデスでは Ull de Llebre。またこれがポルトガルへ行くとティンタ・ロリス(Tinta Roriz)と呼びますが、これはダンやドウロ含む北部の呼び方で、中央部やアレンテージョなどの南部では、アラゴネス(Aragonez)になります。以上、シノニムまとめ。(笑)
スペインでは、テンプラニージョは白品種のアイレン(Airén)に次ぐ2番目に多く生産される品種です。世界で栽培されるテンプラニージョ合計は219,397ha で、スペインが 193,597ha なので、ほぼ9割(88.2%)を占めます。あとはポルトガルに 17,014ha(7.8%)あります。結局この2ヶ国でほとんどですね。

作り手のビニャ・ソロルカを訪問します。立派な建物です。
Solorca01
ロア(Roa)の町のすぐ北側。ドゥエロ川(El Duero)の畔です。


カスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)を俯瞰して位置関係を見ます。
Castilla_y_Leon_new
カスティージャ・イ・レオン州は、州都のバジャドリード(Valladolid)と州を横断するドゥエロ川(Río Duero)を押さえてください。DOリベラ・デル・ドゥエロ他、DOトロ、DOルエダなどの銘醸地はこの川の流域ですからね。バジャドリード市街やDOシガレスなんかはドゥエロ川の支流になるピスエルガ川(Río Pisuerga)が貫いています。また、ドゥエロ川は下流でポルトガルに入るとポルトガル語のドウロ川(Rio Douro)に名を変え大西洋に注ぎ込んでいます。ポルトガル側も河畔はDOCドウロ(Douro)という銘醸地でしたね。

ちなみに地図中に「VC」とあるエリアは「Vino de Calidad con Indicación Geográfica」のことで、DO(Denominación de Origen)より、ワンランク下の格付けになります。下図参照。
スペイン・EUワイン法
EUのワインの分類と比べると、VPからVCまでDOP(Denominación de Origen Protegida)の範疇に入ってしまうのがわかります。DOPと言うと、スペインの格付けの VP / DOCa / DOC / VC 全部を含むという訳です。VC(Vino de Calidad con Indicación Geográfica)は聞き慣れませんが、それもそのはず、DOへ昇格するためのプロセスのような格付けです。DO昇格前提で5年はこのランクで過ごさないといけないようです。現在7つの産地がこのカテゴリーでDO昇格を待っているそうです。


ラベル平面化画像。
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イラストの建物を訪問写真と見比べれば、ビニャ・ソロルカで間違いないのがわかりますね。おっと、熟成情報は裏ラベルに詳しく書いてありましたね。

一応、コストコシールは剥がしてみました。
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WARNINGが隠れているだけでした。


さあ、抜栓。
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キャップシールのエンボス、カッコいいですね。ネックのシマシマ含めいい感じです。

コルク平面化。
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汎用品か…。

Alc.15%。
エッジかすかにオレンジ味のガーネット。細かい涙がたくさん整列。
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黒ベリー、古い木の香り、ローストナッツ。
ブレットも微妙にありますね。
辛口アタック。
こなれたタンニンとまだまだ生き生きの酸味が溶け合い、
えも言われぬ複雑味を織り成しています。
厚みもしっかりあり、余韻の伸びもよし。
バランスだけが酸に乱される瞬間があるのが惜しいかな。

しかし、お値段も考えるとこれは満足感高いです。
1,788円でこの熟成感を味わえるとは…コストコやるわね。


*****

Kirkland Signature
Ribera del Duero
Gran Reserva 2015
RRWポイント 93点


Valdebodega Roble 2019 Ribera del Duero

スペインはリベラ・デル・ドゥエロ(D.O. Ribera del Duero)のワインです。リベラ・デル・ドゥエロと言えば何といってもこの地の先駆者であり孤高の存在の「ベガ・シシリア」がありますが、店頭で見つけたこのワイン、POPに「ベガ・シシリアの隣のワイナリー」という売り文句が躍っています。隣って…個人的にすごくツボでしたので思わず購入いたしました(笑)。

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作り手はバルデボデガ(Bodegas y Viñedos Valdebodega)といい、1999年にマルティン家のソフィアさんとペドロさん兄妹がご両親とともに始めた家族経営のワイナリーです。最初からベガ・シシリアの隣にあったわけではなく、徐々にビジネスを成功させ、2019年にベガ・シシリアの隣にワイナリーを移転してきたんだそうです。な~んだ、最近じゃん(笑)。だし、今日のワインは2019年です。畑もまだベガ・シシリアの隣ではない可能性もありますね。

これが店頭のPOP。こんな「となり」推しの宣伝文句見たことがありません(笑)。
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「となり」でつい思い出してしまうのが、天才バカボンの「バカ田大学の校歌」です。
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世代がバレますが、同じ節回しでベガ・シシリアを歌ってしまいます(笑)。


公式ページは若干手作り風です。ショップページもこなれてない感あり。

3種類のラインアップの一番下のワインが今日のこれのようです。7ユーロなり。

・テンプラニージョ 100%

ワイン名に「Roble 9 Meses en Barrica(オーク樽で9ヶ月)」とあるように熟成は9ヶ月、スペインらしくアメリカンオーク樽を使用しているようです。熟成によるランク付けの「クリアンサ」や「レセルバ」を名乗るには最低12ヶ月が必要になります。以下にまとめますが、DOリベラ・デル・ドゥエロはDOCaリオハと同様の少し厳しめの規定になっていますのでご注意を。

・ビノ・ホベン(Vino Joven
 樽には全く入れない若飲みタイプ。(樽熟成を短期間行うものもあり)

・クリアンサ(Crianza
(他DO)24ヶ月/内、6ヶ月は樽(白・ロゼ:12-6)
(DO Ribera del Duero / DOCa Rioja)24ヶ月/内、12ヶ月は樽

・レセルバ(Reserva
(他DO)36ヶ月/内、12ヶ月は樽(白・ロゼ:24-6)
(DO Ribera del Duero / DOCa Rioja)36ヶ月/内、12ヶ月は樽

・グラン・レセルバ(Gran Reserva
(他DO)60ヶ月/内、18ヶ月は樽(白・ロゼ:48-6)
(DO Ribera del Duero / DOCa Rioja)60ヶ月/内、24ヶ月は樽

これを見ると、今日のワインは他のDOならクリアンサが名乗れたことがわかります。「ビノ・ホベン」と書くのは悔しいのでわざわざ熟成期間をラベルに書いてるのでしょうか(笑)。

Tempranillo」です。巷で「テンプラニーリョ」とよく書いてますが、ここでは「テンプラニージョ」としています。テンプラニーはあったとしても、まずテンプラニーリョとは発音しません。スペイン語で「LL」は「L」とは別の文字で「エジェ」というアルファベットの1文字です。
Tempranillo
リベラ・デル・ドゥエロでは Tinto Fino とか Tinta del País と言います。DOトロの地域ではテンプラニージョを Tinta de Toro というシノニムで呼びます。ラ・マンチャでは Cencibel。カタルーニャのペネデスでは Ull de Llebre。またこれがポルトガルへ行くとティンタ・ロリス(Tinta Roriz)と呼びますが、これはダンやドウロ含む北部の呼び方で、中央部やアレンテージョなどの南部では、アラゴネス(Aragonez)になります。以上、シノニムまとめ。(笑)

さあ、ワイナリー訪問と共に、ほんとにベガ・シシリアの隣なのか確認します(笑)。
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う~ん、近所ではありますが、ドゥエロ川を挟んで3キロほど離れています。隣と言うなら、以前に試した「フィンカ・ビジャクレセス(Finca Villacreces)」の方がよっぽど近いです。店頭のPOPは少々盛りすぎな感じです(笑)。

カスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)を俯瞰して他DOなんかも見てみます。
Valdebodega02
ここまで広域になると、ベガ・シシリアの隣って感じがしてきます(笑)。カスティージャ・イ・レオン州は、州都のバジャドリード(Valladolid)と州を横断するドゥエロ川(Río Duero)を押さえてください。DOリベラ・デル・ドゥエロ他、DOトロ、DOルエダなどの銘醸地はこの川の流域ですからね。バジャドリード市街やDOシガレスなんかはドゥエロ川の支流になるピスエルガ川(Río Pisuerga)が貫いています。また、ドゥエロ川は下流でポルトガルに入るとポルトガル語のドウロ川(Rio Douro)に名を変え大西洋に注ぎ込んでいます。ポルトガル側も河畔はDOCドウロ(Douro)という銘醸地でしたね。


ラベル平面化画像。
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ヴィンテージはリベラ・デル・ドゥエロの認証シールに載ってます。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14.5%。
濃い目のガーネット。
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黒ベリー、プラム。
アメリカンオークの樽香は上品に仕上がってます。
辛口アタック。
酸は程よくあります。
まろやかなコクのある味わいで厚みも感じます。
酸がフィニッシュにかけて戻ってくるんですが、
まとまりのいい余韻でオールOKになります。

うん、悪くない。
ベガ・シシリアの隣の効果が出ているようです(笑)。


*****

Valdebodega
Roble 9 Meses en Barrica 2019
Ribera del Duero 
RRWポイント 91点


Tempos Vega Sicilia Alión 2015 Ribera del Duero

スペインの最高峰のワインというとベガ・シシリア(Vega Sicilia)のウニコ(Único)なんだと思うんですが気軽に手が出せるお値段じゃないですよね。なにせ10年熟成ですから。5年熟成のバルブエナ・シンコ・アニョス(Valbuena 5º)というセカンド的なのもあるんですが、これもなかなかのお値段。そんなとき、ベガ・シシリアが近所に新しいワイナリーを作って、さらにお手頃なアリオン(Alión)というワインを作っていることを知りました。1年熟成ですが、お値段はそれでも1万円越え。ええい、この辺りで手を打ちましょうか(笑)。

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スペインを代表するトップワイナリー、ベガ・シシリア。銘醸地リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)の先駆者でもあります。1864年、ボルドーでワイン造りを学んだリビオ・ルカンダさんが、 フランスからカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、マルベックの苗を持ち込み、リベラ・デル・ドゥエロの土地に植えたことがワイナリーのはじまりで、その後1868年、息子のエロイさんがボデガス・ベガ・シシリア(Bodegas Vega Sicilia)を創設しました。

それから100年以上の時が経ち、ベガ・シシリアの名声はリベラ・デル・ドゥエロにとどまらず世に広がっていましたが、1982年に大手グループ企業のグルポ・エウレン(Grupo EULEN)を率いるアルバレス家(Familia Álvarez)がベガ・シシリアを入手します。この時、会社名を「TEMPOS Vega Sicilia」として企業化しています。こうしてアルバレス家は資本を投入し、畑を拡大、醸造設備を刷新するなど品質を向上させることに成功し、ベガ・シシリアの名をゆるぎないものにしました。

1991年、アルバレス家はベガ・シシリアの隣(ドゥエロ川に沿って東へ10キロ)に新しいワイナリーをオッ建てます。ここの130haの畑でベガ・シシリアと同じアプローチでブドウを栽培。ティント・フィノ(テンプラニージョ)100%で作るベガ・シシリアのモダン・バージョンというのがこのアリオンということのようです。

ベガ・シシリアは、アリオン以降も他の土地へ進出し、現在5つのワイナリーを運営。
・Vega Sicilia(Ribera del Duero)
・ALIÓN(Ribera del Duero)
・PINTIA(Toro)
・MACÁN(Rioja)
・Tokaj-Oremus(Hungary)


公式ページはさすが大企業という感じ。日本語も中国語も完備です。

ティント・フィノはリベラ・デル・ドゥエロでいうテンプラニージョです。
・テンプラニージョ(Tinto Fino) 100%
5%程度のアメリカンオーク樽を含むフレンチオーク樽で12ヶ月の熟成です。新樽率は80%。ベガ・シシリア(Vega Sicilia)のウニコ(Único)にはカベソーが、バルブエナ・シンコ・アニョス(Valbuena 5º)にはメルローが、それぞれ5%程度ブレンドされるんですが、アリオンはテンプラニージョ 100%です。なんだかこっちの方がピュアで潔い感じがします。
今日の2015年のパーカーおじさんの評価は93+点のようです。微妙かな…。


さあ、リベラ・デル・ドゥエロへ行ってワイナリー訪問します。
VegaAlion01
ベガ・シシリアとアリオンの位置関係を確認ください。同じドゥエロ川河畔で車で8分の距離。ほぼ同じテロワールなんじゃないかと思います(笑)。


カスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)を俯瞰して他DOなんかも見てみます。
Alion02
DOリベラ・デル・ドゥエロのベガ・シシリア、アリオンは見つかりましたか? 州都のバジャドリード(Valladolid)と州を横断するドゥエロ川を押さえてください。DOリベラ・デル・ドゥエロ他、DOトロ、DOルエダなどの銘醸地はこの川の流域ですからね。バジャドリード市街やDOシガレスなんかはドゥエロ川の支流になるピスエルガ川(Pisuerga)が貫いています。また、ドゥエロ川は下流でポルトガルに入るとポルトガル語のドウロ川に名を変え大西洋に注ぎ込んでいます。ポルトガル側も河畔はDOCドウロ(Douro)という銘醸地でしたね。


ラベル平面化画像。
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裏ラベルにあるURL(www.bodegasalion.com)は先ほどのベガ・シシリアのHPに誘導されます。


さあ、抜栓。
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キャップシールにもヴィンテージが入ってますね。

コルク平面化。
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シンプルです。そこは紋章じゃなくてヴィンテージを打ってほしいところです。

Alc.15%。(pH:4.08、Brix:7.4)
濃いインキーなガーネット。涙は濃厚ではっきりしてます。
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黒ベリー、ダークチェリー、森の下草。
濡れ樽香しっかり効いてます。
辛口アタック。
濃いエキスという感じがします。
やはり圧倒的な厚みと構造感に圧倒されます。
味わいは複雑味の極みですね。
シルキーなタンニンとビロード様のテクスチャー。
エレガント…ため息が出ます(笑)。
そして、悠遠の余韻が続きます。
2015とは思えないほど、オリがありました。

お手軽アリオンでここまでのレベルだと、
やっぱり、ウニコ、気になります(笑)。


*****


Tempos Vega Sicilia
Alión 2015
Ribera del Duero
RRWポイント 98点


Alejandro Fernández Condado de Haza Crianza 2016 Ribera del Duero

間違いない作り手というのは、どこの国、どの品種についても居るもので、スペインのテンプラニージョに関しては、このアレハンドロ・フェルナンデス(Alejandro Fernández)さんはその一人に違いないです。1975年から作るティント・ペスケラはすぐに名声を得、ベガ・シシリアの名前くらいしか知られていなかったリベラ・デル・ドゥエロという産地に世界の注目を集めさせ、1982年にDOリベラ・デル・ドゥエロ(DO Ribera del Duero)を誕生させるキッカケともなりました。今日は氏のもう一つのリベラ・デル・ドゥエロ、コンダド・デ・アサをお試しです。

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アレハンドロ・フェルナンデス(Familia Fernández Rivera)は1972年にドゥエロ川河畔の町ペスケラ・デ・ドゥエロ(Pesquera de Duero)で創業します。1975年にティント・ペスケラ(Tinto Pesquera)の初ヴィンテージをリリース、その評判によって1982年に原産地呼称、DO(Denominación de Origen)リベラ・デル・ドゥエロが出来たのは前述の通り。同年、最高級のハヌース・ペスケラ(Janús Pesquera)をリリース。これをパーカーおじさんは「スペインのペトリュス」と絶賛しています。
1995年にもう一つのリベラ・デル・ドゥエロのワイナリーを立ち上げるのですが、それが今日のコンダド・デ・アサ(Condado de Haza)」になります。その後も1998年にサモーラ近くにデエサ・ラ・グランハ(Dehesa la Granja)、1999年にカスティージャ・ラ・マンチャのエル・ビンクロ(El Vínculo)と矢継ぎ早に新ワイナリーを立ち上げてきました。


公式ページは以上の4つのワイナリーがひとつになってます。


なんと日本語も選べるようになってます。その心意気、うれしいですね。

情報もしっかりあって非常に好感が持てます。
・テンプラニージョ 100%
熟成はアメリカンオークの樽で18ヶ月。さらにボトルで6ヶ月です。
30分以上前のデカンタージュ推奨。無濾過なので沈殿物の可能性ありとか丁寧な情報です。


ペスケラ・デ・ドゥエロ(Pesquera de Duero)のティント・ペスケラの方は前に訪問してます。今日のコンダド・デ・アサはドゥエロ川沿いに車で30分ほど上流へ行った所にあります。
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「Condado de Haza」というのは「アサ(Haza)にある伯爵の領地」という意味です。このワイナリーの南側(さらに車で20分ほど)に確かにアサ(Haza)という小さな集落が丘の上にありました。30人ほどしか住んでいないそうですが、スペイン歴史保護遺産にもなっている昔の要塞都市なんだそうです。

そこの観光スポットの「サンミゲル教会」がなんだか見覚えがあります。
Haza02
今日のワインのラベルのイラストですね。ワイナリーじゃなくて地元のシンボルをあしらっていたわけですね。

ネットで拾ったカスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)の DO地図で、DOリベラ・デル・ドゥエロ他、アレハンドロ・フェルナンデスの拠点の位置関係を確認しましょう。
Haza03
と思いましたが、この地図じゃイマイチしっくりきませんねぇ。

やはりこれです。Google Map上で地形と合わせてみます。うん、わかりやすい。
Haza01
ドゥエロ川(Duero)が重要です。元の地図は流路が若干間違ってましたので描き直しています。下流域でポルトガルに入るとドウロ川(Douro)に名を変えるんでしたね。
Tinto Pesquera、Condado de Haza、Dehesa la Granja の場所も示しました。El Vínculo はカスティージャ・ラ・マンチャ州(マドリードの南)なので少し離れています。右下のスペイン地図に書き込みました。(笑)


ラベル平面化画像。
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クリアンサCrianza)ですから、規定では24ヶ月熟成内、6ヶ月は樽)です。樽18ヶ月+ボトル6ヶ月なので一応クリアですね。コンダド・デ・アサには上級のレセルバReserva)もあって、樽24ヶ月+ボトル12ヶ月しています。これも当然ながらレセルバの規定、36ヶ月熟成内、12ヶ月は樽)をクリアしています。


さあ、抜栓。
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キャップシールはアレハンドロ・フェルナンデス共通のデザインです。

コルク平面化。
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シンプルですが、ヴィンテージがちゃんと横に打ってあります。

Alc.14.5%。(pH:4.47、Brix:7.5)
濃いガーネット。
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黒ベリー。プラムは酸を連想させる感じ。
藁っぽいですがブレットとは違うようです。
アメリカンオーク樽でしょうかね。
辛口アタック。
とろみのある厚みはいいですね。
ビロードのような繊細な舌触り。
奥深い複雑味も感じます。
かすかな酸がとてもいい隠し味になってますし。
タンニンも控え目ですがいい仕事して効いています。
余韻は、うまさのバランスをおさらいできる例のやつ。

いやあ、テンプラニージョは、やはり、
アレハンドロ・フェルナンデスで間違いないっす。


*****

Alejandro Fernández
Condado de Haza Crianza 2016
Ribera del Duero
RRWポイント 96点


Viña Mayor Ribera del Duero Crianza 2011

(特に意味はなく)テンプラニージョを飲まなくっちゃとゲット。
リベラ・デル・ドゥエロでいきましょう。


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シンプルなエティケタ(エチケット)が好印象です。


公式ページは最新ヴィンテージしか載っていないショップ兼用です。

ただ、年ごとに変わりはないようです。
・テンプラニージョ 100%
樽熟は、フレンチ/アメリカンオーク混合で12ヶ月です。

スペインの熟成区分についておさらいです。

<クリアンサ(Crianza)>
(赤)24ヶ月(内、6ヶ月は樽)
(白・ロゼ)18ヶ月(内、6ヶ月は樽)

<レセルバ(Reserva)>
(赤)36ヶ月(内、12ヶ月は樽)
(白・ロゼ)24ヶ月(内、6ヶ月は樽)

<グラン・レセルバ(Gran Reserva)>
(赤)60ヶ月(内、18ヶ月は樽)
(白・ロゼ)48ヶ月(内、6ヶ月は樽)

リオハ含め、実際の樽熟期間は規定より長めが多いですね。
今日のも12ヶ月やってますから。
ボトル熟成含め計24ヶ月に満たないからクリアンサなんでしょう。

ところで、スペイン語では「熟成」自体を「Crianza」といいます。
現地の人との会話でこの熟成区分のCrianzaと混同しないように注意です。


このビニャ・マジョール、Bodegas Palacioグループだそうで、
本体はリオハのボデガス・パラシオです。

ルエダやトロにもグループのワイナリーを所有。銘醸地ばかり手広いです。
1894年にリオハ・アラベサで創業。125年の老舗ですね。
1986年にリベラ・デル・ドゥエロに進出。それがこのビニャ・マジョール。


ビニャ・マジョールを訪問です。
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残念、ストビューでは近づけません。しかし立派な施設です。
場所はドゥエロ川の畔。近くにあのベガ・シシリアがありました。
前に飲んだFinca Villacrecesもご近所でした。

いつもの地図を上げておきます。リベラ・デル・ドゥエロご確認ください。
SpainMap


エティケタ平面化画像。
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うぬぬ、インポーターシールが何かを隠しています。

隠れていたのはコレです。DOリベラ・デル・ドゥエロ認証シール。
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ダメじゃんか。こんな大事なもの隠しちゃ!
せめて剥がしやすいシールにするとか、気を使ってほしいものです。


さあ、抜栓です。
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VM(Viña Mayor)のシンボルマークがこれでもかと入っています。
3年耐用テクニカルコルク、DIAM3ですね。

Alc.14%。
濃いガーネット。透けにくい感じ。
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黒ベリー、ブラックチェリー。
酸味を感じさせる香りもします。
辛口アタック。
味の厚みは十分ありますね。
やはり酸味がかすかに乗っていますが、
複雑味を与えてるのでいい酸です。
余韻も同じバランスで続いて心地いいですね。
タンニンもいい具合に効いています。


*****


Viña Mayor
Ribera del Duero Crianza 2011
RRWポイント 91点


Alejandro Fernández Tinto Pesquera Crianza 2012 Ribera del Duero

Ribera del Dueroのテンプラニージョの巨匠アレハンドロ・フェルナンデス。
パーカーおじさんも「スペインのペトリュス」とベタ褒めだそうです。
(Gran)Reservaもありますが、そこは若干お手頃のCrianzaをチョイス。(笑)
以前、同じ作り手のデエサ・ラ・グランハが結構よかったので楽しみです。


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独特のラベルデザイン(フォント含む…笑)。ボトルにも同じ門の浮彫。


公式ページは「Familia Fernández Rivera」名になっています。
前に覗いた時は「Grupo Pesquera」だったような気がしますが…。
傘下に4つのワイナリーを運営してるんでしたね。
本拠地リベラ・デル・ドゥエロの「Pesquera」と「Condado de Haza」、
Zamoraに「Dehesa la Granja」、Campo de Criptanaに「El Vínculo」。

ワイン情報となると、最新ヴィンテージの2016年しか載っていません。
・テンプラニージョ 100%
これは変わらないと思います。
熟成もアメリカンオーク樽で18ヶ月で変わらないようですね。
+6ヶ月ボトルで熟成とも書いてます。


さあ、ワイナリー訪問。
TintoPesquera01
ラベルと同じ門がありますね。これがシンボルになってるわけですか。
この前の道を隔てた向かい側がすぐドゥエロ川になってます。
川沿いにずっと行くと、前に飲んだFinca Villacrecesやベガ・シシリアに到達。

いつもの地図でリベラ・デル・ドゥエロの位置を確認しておきましょう。
TintoPesquera02
バジャドリー(一般にはバリャドリードとも)の東側のドゥエロ川沿いです。


エチケット平面化画像。
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インポーターのシールが見事に裏ラベルを隠してるので剥がしました。(笑)
一部下のラベルが剥がれたりしましたが何とか見られる状態にしました。
スペイン語ではありますが、アレハンドロ・フェルナンデスのメッセージが。
「いかに頑張ってこのワインを作ったか」という大事なメッセージです。
ほんと、何度も言いますが、裏ラベルの件に関してはインポーターの皆さん、
よく考え直していただきたいものです。

さてさて、抜栓。
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専用コルクにキャップシール。横ミレジムも入っています。

コルクも平面化撮影しておきます。
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ここにもシンボルの門のイラストがありました。

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
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黒ベリー、生っと熟成香を感じます。
辛口アタック。
味の厚み、滋味、なかなかなものです。
ちょっとブレタノマイセス風味がある気がしますが、
うまさが帳消しにしてくれるので気にしない。(笑)
タンニンはシルキーで、
最後まで味の厚みをキープしてくれています。
やはり巨匠の醸すテンプラニージョは美味しいです。


*****


Alejandro Fernández
Tinto Pesquera Crianza 2012
Ribera del Duero
RRWポイント 94点


Finca Villacreces Pruno 2016 Ribera del Duero

通販でゲットしたと思うんですが、そのきっかけが思い出せません。
おいしいテンプラニージョ探求の一環だとは思うのですが。
きっとパーカーおじさん91点でお手頃だったからに違いありません。(笑)
(何年かはわかりませんが、4年連続PP93以上なんて書いてました…)


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ビジャクレセスの母体はIZADIなどを持つグルポ・アルテビノです。
有名なベガ・シシリアのすぐ隣という好立地を2003年に取得、
畑の整備、最新設備導入など大規模な投資で品質を上げていると言います。


公式ページはホームが大画面動画でカッコいいんですが、
ワイン紹介は最新ヴィンテージのみとなっています。
プルーノは2016年はなく2017年となっています。
(トップエンドのNebro、スタンダードのFinca Villacrecesがあるので、
このPrunoは最廉価モデルということですね。)
セパージュは、
・ティント・フィノ(テンプラニージョ)90%
・カベルネ・ソーヴィニヨン 10%
テンプラニージョはシノニムがたくさんありますが、
リベラ・デル・ドゥエロを含むカスティージャ・イ・レオン州では、
「ティント・フィノ」とか「ティント・デル・パイス」と呼ばれます。
マドリードやカスティージャ・ラ・マンチャ州の「センシベル(Cencibel)」、
カタルーニャ地方の「ウル・デ・リェブレ(Ull de Llebre)」も覚えておきましょう。

樽熟はフレンチオークで12ヶ月、新樽率は不明。


さて、ワイナリー訪問。
Villacreces01
ストビューは入口までなので上空写真でお茶を濁します。
ぐるっとドゥエロ川に囲まれています。隣のベガ・シシリアも同様です。

DOリベラ・デル・ドゥエロをスペインDOマップ上で確認しておきます。
Pruno01


ラベル平面化画像。
IMG_8172
セパージュ、樽熟は裏ラベルに記述がありました。
あまり意味のない畑の地図も載っています。
上空写真で一枚に収めた範囲がちょうど所有畑ですね。

インポーターのシールは別撮りです。
IMG_8174


さあ、抜栓。
IMG_8467
ミレジムが端に書いてあるコルクは感心です。

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
IMG_8463

カシス、チェリー、チョコ、セロリ…いろいろ香ります。
酸味を感じる辛口アタック。
味が酸に包まれていて正体がつかみにくいです。
芯がしっかりした味わいということは感じますが、
やはり酸にかき消されてしまっています。
余韻に入っても酸は舌に乗っかってきます。
変質したのかなと疑うレベルです。
パーカーおじさん91点ってにわかに信じられません。
うそでしょ!

しかし、若干時間を置いた後、食事と合わせると、
あまり酸も気にならなくなってきたので、
飲み方で何とか対処できそうです。

もっと上のを飲まなくちゃかな~。
えっと、ベガ・シシリアか?


*****


Finca Villacreces
Pruno 2016 Ribera del Duero 
RRWポイント 86点


Mironia Cosecha (D.O. Ribera del Duero) 2015

仕事で台湾は台中へ来ています。
とはいえ、台湾のワイン事情の調査と共に、
そこそこのワインをいただけないものかとGoogle Mapで検索。

するとホテルから10分のところに、
「テロワール・ワイン」なる素敵な名前のワイン店を発見。


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小さな店舗ながら、
きれいなディスプレイで所狭しとワインが並べられていて、
思わず気分も上がります。

店内には小さなカウンターと4つほどのテーブル席が用意されいて
軽食+グラスワインでテイスティングができるようになっています。

いただいたのはお店の一押しの安価な方です。


IMG_4144


スペインの代表的なワイン産地のひとつリベラ・デル・ドゥエロ。
エブロ川沿いのリオハ地域の西方、ドゥエロ川流域になります。

調べるとスペインでは6~7ユーロで売られていて、
いわゆる1000円以下ワインの類だと思いますが、
これがなかななかいいお味です。


IMG_4146


品種は「Tinta del País(ティンタ・デル・パイス)」100%で、
(ティンタ・フィナ Tinta Finaとも呼ばれる)
いわゆる「Tempranillo(テンプラニージョ)」と同種のものです。

なるほど、テンプラニージョなら大好物。おいしいはずです。


お店のメニュー載せておきます。
たいしたものはないですが、ワインの味見には十分です。


IMG_4148


オーナーはアメリカ人とフランス人の二人で共同経営だそうで、
どうりで、
ヨーロッパ産ワイン中心にアメリカやオーストラリア産はありますが、
僕の好物の南米産は置いていませんでした。(笑)


IMG_4147



*****


Mironia Cosecha (D.O. Ribera del Duero) 2015
RRWポイント 89点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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