Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Riesling

Reif Estate Winery White Sands 2021 Vidal Riesling VQA Ontario VQA

カナダのワインはなかなかお目にかかりませんが、近所の百貨店のワイン売り場でカナダフェアなるものをやっていたので辛口白ワインをゲットしてみました。カナダフェアというと大抵アイスワインばっかりなので辛口はありがたいです。というか、過去赤ワインしか飲んでいなかったことに気づきました(笑)。品種はアイスワインでよく見るヴィダルとリースリングのブレンドです。

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作り手は「Reif Estate Winery」。「ライフ」とドイツ語読みするようです。古くからドイツでワイン作りに従事していたライフ家が1977年にカナダに移住し、本場ドイツのアイスワイン作りをカナダに根付かせた先駆者のひとつだったようです。ライフ・エステート・ワイナリーは1982年に創業しており、カナダのアイスワインは1983年に初めて作られています。その場所がライフ・エステート・ワイナリーのある、オンタリオ州のナイアガラ・ペニンシュラ地区。オンタリオ州最大のブドウ栽培地域であり、アイスワインの一大産地です。

公式ページはやはりアイスワイン推し。また、ワイン紹介はショップにしかないようです。

今日のワイン見当たりません。在庫分しか載っていないショップ兼用の悪いところ。

・ヴィダル
・リースリング

ブレンド比がわからなくて困りましたが、今日のワインの VQA(Vintners Quality Alliance)オンタリオというアペレーションの規定を見ると2品種表示の場合の規定があり、だいたい想像がつきました。ブレンド比の多い順に書きますからヴィダルの方が多いはずです。2種類で90%以上を占め、2種類目が15%以上の場合に2種類表示ができますから、以下の範囲ということになります。

・ヴィダル 46~85%
・リースリング 15~49%

まあ、結構範囲はありますが、50:50ではなくヴィダル主体ということはハッキリしました。

さて、そのヴィダル(Vidal)ですが、今回お初ですからね。少し調べてみました。
Vidal
正式名称は「Vidal Blanc」で、1930年代にジャン・ルイ・ヴィダル(Jean-Louis Vidal:1880‐1976)さんによってフランスで交配されて生まれました。ヴィダルさんは元々コニャック生産のために作ったそうですが、フランスではもうほとんど栽培されていません。代わりに、前述のようにドイツ経由でカナダに渡り成功したというわけです。シノニムに「Vidal 256」というのがあります。おそらくヴィダルさんはいくつも育種していて番号を振っていたんでしょう。ヴィダルは人工的に交配されていますから親子関係ははっきりしています。

Trebbiano Toscano x Seibel 4986(Rayon d'Or

母方の「トレッビアーノ・トスカーノ」はフランスではサンテミリオン(Saint Émilion)やユニ・ブラン(Ugni Blanc)といったシノニムで知られている白品種ですね。父方の「セイベル4986」というは正式名称は「Rayon d'Or」というんですが、フランスの育種家アルベール・セイベル(Albert Seibel:1844-1936)さんがヨーロッパ系品種(Vitis Vinfera)とアメリカ系品種(Vitis Labrusca)を掛け合わせて生み出した一連のハイブリッド品種群のひとつで、セイベル405 x セイベル2007 が親になっています。これ以上深追いするとセイベル沼にハマってしまいますからこれぐらいにしますが、気に留めておきたいのは、「セイベル」は Vitis Vinfera と Vitis Labrusca を掛け合わせた、いわゆるハイブリッド種であるということです。ということは、ヴィダルにもヴィティス・ラブルスカに由来する特徴(フォクシー・フレーバー?)があるかもしれません。


ライフ・エステート・ワイナリーを訪問しました。ナイアガラ川のほとりです。
Reif-Estate
まだ新しそうなきれいな建物ですね。周囲は50ヘクタールあるという自社畑でしょうから、畑はナイアガラ川に面しているというわけです。川向うはもうアメリカです。

カナダ、オンタリオ州を俯瞰して位置関係を見てみましょう。結構複雑です。
Ontario_CA
オンタリオ州全体がVQAオンタリオ(VQA Ontario)というアペレーションにあたるわけですが、その中のサブリージョン、VQAナイアガラ・ペニンシュラ(VQA Niagara Peninsula)のエリアに、ライフ・エステート・ワイナリーはあるということがわかりますね。さらにナイアガラ川沿いのエリアは VQAナイアガラ・リバー(VQA Niagara River)という VQAナイアガラ・ペニンシュラのさらに狭域のサブリージョンになっており、当然今日のライフ・エステート・ワイナリーは、VQAオンタリオや VQAナイアガラ・ペニンシュラに加え、VQAナイアガラ・リバーのワインも出しています。

カナダは州ごとにアぺレーション、いわゆる GI(Geographical Indication)を統制していて、トロントのある東側のオンタリオ州では VQA(Vintners Quality Alliance)というアぺレーション表示の制度があります。VQAオンタリオ公式ページに詳しく載ってますが、VQAオンタリオには以下の3つのサブアペレーションがあります。

Niagara Peninsula
Prince Edward County
Lake Erie North Shore

VQAオンタリオは100%オンタリオ州産のブドウでないといけませんが、これら3つのアペレーションは当該地域から85%以上という決まりになっています。品種やヴィンテージの表示も同じく85%以上という決まりです。また、ラベルには「VQA Ontario VQA」のように「VQA」で挟んで表記していますが、これは正しいようですね(笑)。規定には「Appellation with VQA letters on each side」とありまして、アペレーション名を表記する場合は「VQA」を左右に置かないといけないようです。変なの...。

地図を描いていて思いましたが、これはアメリカ・ニューヨーク州のAVAと一緒に位置関係を見るべきと思い、以前描いたニューヨーク州の地図に追記してみました。New_York_State_VQA
これでしっくりきました。国が違うといって別々に見ると位置関係がつながりませんからね。ナイアガラの滝の周辺は双方の国の銘醸地が集中してる感じです。

おさらいでカナダの他のワイン産地も含めた地図を貼っておきます。
VQA01
大きくは西海岸・ブリティッシュコロンビア(BC VQA)と東海岸に分かれるってことですね。東のひとつ、VQAオンタリオは今日試しましたが、まだ見ていないケベックQuébec)とノヴァ・スコシアNova Scotia)もそれぞれ独自にアペレーションを管理しています。


ラベル平面化画像。
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「VQA・Ontario・VQA」ってなんだか「バイク川崎バイク」みたいですね(笑)。裏ラベルの解説でかすかに甘いことがわかります。

インポーターシールは小さくて裏ラベルを隠しません。えらい。
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さあ、スクリュー回転。
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ネックに「VQA認証マーク」が入ってますが、これをどこかに入れるのも規定です。

Alc.12.5%。
ゴールデンイエロー。
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黄色いリンゴ、テルペン香、アプリコット。
フォクシー・フレーバーはなさそうです。
辛口アタックながら酸は甘やか。
決して甘味は多くないです。ちょうどいい。
果実味は弱めですがビター系の複雑味があってバランスはいいです。
甘くない黄色いリンゴって感じでしょうか。
サラッと飲めて後味爽やか。
こってりはないですが、こういうのも楽しめます。


*****


Reif Estate Winery
White Sands 2021
Vidal Riesling
VQA Ontario VQA
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Chateau Ste. Michelle Riesling 2021 Columbia Valley

シャトー・サン・ミッシェルのリースリングです。アルザスかドイツ風情ですが、アメリカはワシントン州の歴史あるワイナリーです。コストコで普通に売ってるんですが、以前2017年を試してめっぽうおいしかったので、そのイメージからまた試してみたくなりました。ドイツのリースリングも素晴らしいですが、実はワシントン州のリースリングもすごいんです。

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シャトー・サン・ミッシェルは前身が1912年に遡る、この地のパイオニアです。ワシントンを今の一大有名産地にしたのがシャトー・サン・ミッシェルということになります。アメリカの禁酒法時代(1920~1933年)を切り抜け、ワイナリーを再開したということなので、創業を1934年とする見方もあるようですが…。1967年、伝説的な醸造家アンドレ・チェリチェフ氏(Andre Tchelistcheff)をコンサルとして招き、近代的なワインメイキングで評価を得、サン・ミッシェル・ヴィントナーズを名乗って今の発展の礎を築いたそうです。1976年、フレンチ・スタイルのシャトーを建て、シャトー・サン・ミッシェルに改名して今に至ります。そのフランス風情は、旧世界の伝統的ワイン造りと新世界の革新的技術を織り交ぜるというポリシーの現れだそうです。

公式ページはしっかりしててカッコいいんですが、ワイン情報はショップ兼用。

このパターンは、現行ヴィンテージ、もしくは在庫のあるものしか載ってません。アメリカのワイナリー公式サイトあるあるです。今日のリースリングは残念ながら見当たりませんでした。

・リースリング 100%

畑はコロンビア・ヴァレー各地からのブレンドと、コストコでも大量に売られるベーシックラインですね。そうそう、コストコでは、過去2017年と2018年が置いてあった時、2017年はコルク、2018年はスクリューキャップになってました。今日のはスクリューキャップですが、そのころに切り替わったようですね。

リースリングはドイツ原産で、おそらくライン渓谷で生まれたとも言われます。
Riesling01
2021年のDNA分析で、Heunisch Weiss(=Gouais Blanc グエ・ブラン)を父に(母方は不明)自然交配から生まれたとされます。グエ・ブランっていろんなところで親戚関係に現れますね。
栽培面積はやはりドイツが断トツで最大で、23,960 ha あります(2016年)。他ヨーロッパではフランスで4,025 ha ありますが、ほぼアルザスのみです。これが次点かというとルーマニアが 6,121 ha と若干多いようです。なのでフランスは3位ですね。
新世界では、アメリカが断トツで、4,952 ha となんと驚異のフランス越え。アメリカがリースリング大国というのも驚きですが、そのアメリカの中で1番なのが、なんと今日のワシントン州(2,558ha)なのです。2位のカリフォルニア州は 1,550ha なので、ぶっちぎりの1位ですね。リースリングなら、アメリカ、それもワシントン。覚えておきましょう。(笑)


さて、ワイナリーを再訪。シアトルの市街から車で30分ほど北へ行ったところ。
ChSteMichelle01
さすがワシントンのパイオニアであり、トップ「シャトー」。立派です。ただ、この本拠地、コロンビア・ヴァレーからはけっこう遠いのです。

いつものようにGoogle Mapでワシントン州を俯瞰してAVAの分布を見てみましょう。
Washington_RE
一応、シアトル周辺もPuget Sound(ピュジェット湾)というAVAであり、ブドウは産するようですが、最大生産地はやはりコロンビア・ヴァレーです。シアトルのあるPuget Sound AVA以外は、カスケード山脈を挟んで内陸側、コロンビア川流域の、いわゆるコロンビア・ヴァレーAVAになります。その中に内包されて狭域のAVAがいろいろあるという関係になっています。(AVA=American Viticultural Area)

コロンビア川はカナディアンロッキーを水源にワシントン州を広範囲に流れ、Horse Heaven Hills AVAのあたりでオレゴン州との州境となり西へ向かい、オレゴン州最大の都市ポートランド(オレゴンの州都はセイラム - Salem)で Willamette Valley AVAから来たウィラメット川と合流し太平洋に注ぎ込みます。やはり川が銘醸地を知る鍵ですね。

最後に、米TTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)地図を拝借、加工して作った地図でコロンビア・ヴァレー(Columbia Valley)AVA をおさらいしたいと思います。
Washington_Columbia_Valley_
地図西側の端にあるコロンビア・ゴージAVA(Columbia Gorge AVA)はコロンビア・ヴァレーAVA には属しません。また反対の東側のルイス・クラーク・ヴァレーAVA(Lewis-Clark Valley)もコロンビア・ヴァレーAVA に属しません。これはアイダホ州のAVAですが、一部ワシントン州に入ってる感じです。以上を踏まえ、コロンビア・ヴァレーAVA の構成を下記します。

Columbia Valley AVA
・Lake Chelan
・Rocky Reach(2022)
・Ancient Lakes of Columbia Valley
・Royal Slope(2020)
・Naches Heights
・Wahluke Slope
・White Bluffs(2021)
・Yakima Valley
  ー Rattlesnake Hills
  ー Snipes Mountain
  ー Red Mountain
  ー Goose Gap(2021)
  ー Candy Mountain(2020)
・Horse Heaven Hills
・Walla Walla Valley
  ー The Rocks District of Milton-Freewater
・The Burn of Columbia Valley

後ろに年号が付いているものは、ここ数年で新たに制定されたAVAです。過去記事の地図等ではカバーできいないものもあると思います。知らないうちにずいぶん増えました。おおよそ北から順に挙げてあるので地図と照らし合わせながらご確認ください。


ラベル平面化画像。
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以前の裏ラベルには甘さ表示があって、ちょっぴり甘口(Medium Dry と Medium Sweet の間)になっていました。今日のワインは甘口とは書いてないですが、「Riesling」は微甘口で、ホントの辛口は「Dry Riesling」というのがあるようです。

裏ラベルはコストコシールにガッツリ隠されていました。
IMG_0435
これはイカンやろ。


さあ、スクリュー回転。
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キャップは寂しい無印です。

Alc.12%。
プラチナイエロー。
IMG_0977

青リンゴ、グレープフルーツ。
ペトロールも少しですがしっかり香ります。
やはり甘やかなアタック。
甘夏みかんですね。
(夏みかんの甘にがさを表現しています。笑)
ドイツのカビネットくらいでしょうか。
甘いのはあまり好みではないのですがスルスル飲みやすいです。
しかし、以前の2017よりはずいぶん甘くなった気がします。


*****


Chateau Ste. Michelle
Riesling 2021
Columbia Valley
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WhiteWhiteWine01

Maximin Riesling 2021 Mosel

その昔、仕事でよくドイツに行っていたんですが、事務所がラインガウにあったため、それはもうたくさんのリースリングを飲んでおりました(笑)。そういう経緯もあってリースリングは白品種ではかなり好きな部類であり、定期的に飲みたくなります。そんな訳で、リカマンでお手頃かつ良さげなリースリングをゲットしてきたというのが今日のこれです。モーゼルですが。

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作り手はマクシミン・グリュンハウス(Maximin Grünhaus)といって、なんと西暦966年に神聖ローマ帝国の初代皇帝・オットー1世がトリーア(Trier)の聖マクシミン修道院(ベネディクト派)に寄進したワイナリーであると記録が残っているという、超絶古い歴史のあるところでした。1882年からフォン・シューベルト家(von Schubert)の所有となっているそうですが、「マクシミン」という名前は残ってるんですね。というか、6代目現当主がマクシミン・フォン・シューベルトさんだそうで、ワイナリーの名前から取ったんですかね?


公式ページはシンプルながらカッコいい感じで情報量もそこそこ。

今日のワインは近隣の契約農家からのブドウを使ったエントリーモデルだそうです。

・リースリング 100%

とは言っても、モーゼル川(Mosel)とルーヴァー川(Ruwer)沿いの優れた場所にある畑だとのこと。醸造については明記なし。

HPにはマクシミン・グリュンハウスのラインアップの略図がありました。
Maximin03
今日の作り手は VDP.(Verband Deutscher Prädikatsweingüter)、ドイツ高品質ワイン醸造家協会の会員ですのでVDP. の等級に倣って分類しています。まあ、今日のワイン「Maximin」はご覧のように底辺のエントリーモデルですからVDP.のワシのマークもないですが(笑)。

早速、ワイナリー訪問。例によってドイツはストビューがないのでHPの画像を拝借。
Maximin01
さすが歴史のあるワイナリー、なかなか立派な建物です。畑もすごい。

あれれ? この辺りのストビュー、ありました。入り口辺りまで来れました。
Maximin02
モーゼル川(Mosel)の支流、ルーヴァー川(Ruwer)がすぐ近くを流れています。モーゼル川との合流地点もすぐ近くにあります。

モーゼルは13ある特定生産地域のひとつ。俯瞰してベライヒや所在を確認します。
Mosel_All_Final
モーゼルには6つのベライヒがありますが、マクシミン・グリュンハウスはベライヒ・ルーヴァータール(Bereich Ruwertal)とベライヒ・ベルンカステル(Bereich Bernkastel)の境目にありますね。モーゼルの6つのベライヒを見てみましょう。()内は栽培面積です。

Bernkastel / ベルンカステル(5,618 ha)<Trier ~ Briedel>
Burg Cochem / ブルク・コッヘム(1,168 ha)<Zell ~ Koblenz>
Saar / ザール(799 ha)<Serrig ~ Konz>
Obermosel / オーバーモーゼル(749 ha)<Palzem ~ Igel>
Ruwertal / ルーヴァ―タール(197 ha)<Sommerau ~ Ruwer>
Moseltor / モーゼルトール(125 ha)<Perl / Saarland州>

ベライヒ・ベルンカステルが圧倒的に規模が大きいですね。<>内は対象範囲の町の名前です。

ドイツ全体の地図を見ます。13のワイン生産地域の中での位置関係はこうです。
German_Wine_Regions
色分けでモーゼルは白ワインがかなりを占めているのがわかります。正確にはこんな割合。

・白品種 90.7%(7,850 ha)
・赤品種 9.3%(805 ha)

品種はリースリングが大半です。以下が上位3品種。

・リースリング 62.5%(5,412 ha)
・ミュラー・トゥルガウ 9.4%(813 ha)
・エルプリング(Elbling) 5.4%(465 ha)

以上、上位3品種が全部白。4位に黒品種のピノ・ノワール(4.8%)が来ます。

13のワイン生産地域は、アンバウゲビート(Anbaugebiet)、いわゆる g.U.(geschützte Ursprungsbezeichnung)で、EU法の AOP の位置づけです。
Germany_Wein_Classification
ドイツでは2021年1月に新しいドイツワイン法が採択され、EUのワイン法の影響を受けてブドウの出どころ(地理的呼称範囲)を基準に格付けされます。つまりはVDP.式の公式なものが出てきたということですね。(移行期間が5年間。2026年のヴィンテージから拘束力が発生します。)この図は新法の概要を自分なりにまとめて図示したものです。ご参考まで。


ラベル平面化画像。
IMG_9378
フォン・シューベルト家の家紋である「燃えるような赤い蒸気馬」?がラベルに描かれています。


さあ、スクリュー回転。
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スクリューキャップですがエンボスのロゴがあったり凝ってます。

Alc.11.5%。
薄いゴールドイエロー。
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夏みかん、ペトロールはほんの微か。
柑橘系の甘味を感じる微甘のアタック。
「Trocken」(辛口)と書いてないからかな?
酸は柑橘系のそれ、つまりイキイキフレッシュ。
レモネードかしらと思う風味。
夏にスルスル飲む用にいいですね。


*****


Maximin Grünhaus
Riesling 2021
Mosel
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WhiteWhiteWine01

Weingut Heilig Grab Bopparder Hamm 2020 Riesling - Hochgewächs Mittelrhein

ドイツのリースリングですが、いつものモーゼルやラインガウのリースリングではなく、ミッテルラインのものになります。実はミッテルラインのワインは初めてなんですよね。「Mittelrhein」は読んで字のごとく「ライン川中流域」という意味で、ラインガウから連なるライン川流域 120km 以上に渡るエリアです。おいしくないわけないじゃんという雰囲気がありますよね。なぜ今まで飲んでいなかったんでしょう?(笑)

IMG_0206
作り手のハイリヒ・グラーブは 200年以上の歴史があるという家族経営のワイナリーです。「Heilig Grab」というのは「聖なる墓」という意味で、珍しいワイナリーの名前なんですが、このあたりで教会に礼拝に行くことを昔は「聖なる墓に行く」と言っていたそうで、その昔ワインバーをこの名前で開いたところ、礼拝に行ってきますと言って村の男たちがこぞってワインを一杯やりに行くということが横行し、このワイナリーはたいそう栄えたそうです(笑)。笑い話のようなワイナリーのネーミングの由来です。
このワイナリーはボッパルト(Boppard)というライン川沿いの町にありますが、この辺りはボッパルダー・ハム(Bopparder Hamm)という名前で知られるミッテルラインきっての銘醸地です。そこに4ヘクタールの広大なブドウ畑を所有しているそうです。85%がリースリングだそうで今日はそれをいただくわけですね。

ボッパルダー・ハムってこんなところです。ライン川最大のループ区間なんだそうで。
Bopparder-Hamm
 この辺りのライン川流域は2002年にユネスコの世界遺産に登録されており、景観も素晴らしいですが、ここから少し上流(車で30分ほど)のローレライ伝説で知られるローレライ岩(Loreley)あたりも含め船の航行の難所であったようですね。しかし、モーゼルと雰囲気が似ていますがこういう所はやっぱりワインの銘醸地になるわけです。

公式ページは写真が多く、ストビューのないドイツではこういうHPは助かります。

ワイン紹介はショップ兼用であまり情報は多くないです。

・リースリング 100%

醸造についての解説はありません。クヴァリテーツワイン(Qualitätswein)、ドイツの13の認定ワイン生産地域のひとつ、ミッテルライン(Mittelrhein)からになりますが、ボッパルダー・ハム(Bopparder Hamm)という狭域の産地名も書かれていますね。

気になるのが、「リースリング」だけじゃなく、「リースリング・ホッホゲヴェクス(Riesling Hochgewächs)」と書かれていることです。「Riesling-Hochgewächs(高成長リースリングの意)」はモーゼル川で初めて導入された用語で、急斜面で採れるリースリングの特別な品質を指します。1987年にドイツのワイン法で「特別原産地の典型的なワイン」として定められました。すべてのワイン生産地域で適用できますが、リースリングのみを使用し、ブドウの果汁重量が基準より少なくとも 10 °Oe 高くなければならず、ワインのアルコール含有量もその栽培地域の要件より1.5%高くないといけません。さらに公式の品質(官能)テストもパスする必要があります。ということは、結構今日のワインはよさそうですね。

ハイリヒ・グラーブを訪問します。ストビューがないのでネットの色々な写真を拝借。
Weingut_Heilig-Grab01
「聖なる墓」と偽っていた(笑)ワインバーはガーデンレストランとして健在です。宿泊施設もあるようです。ほんと、行ってみたいですね。

場所的にはこんなところ。ボッパルト(Boppard)の町を俯瞰して見ます。
Weingut_Heilig-Grab02
ボッパルトの駅前すぐですし、ライン河畔までもすぐです。ライン川観光の船着き場もあるようです。畑はどこなんでしょうね?


ミッテルライン(Mittelrhein)を深掘りしておきます。まずは恒例のGoogle Map。
Mittelrhein_Map-S
栽培地域はライン川沿いのビンゲン(Bingen am Rhein)からボン(Bonn)までの 120キロメートル以上に広がっています。川は歴史的な風景(険しいブドウ畑、宮殿、城、世界的に有名なローレライ)の中を曲がりくねって流れます。ビンゲンからコブレンツまではユネスコの世界遺産にも登録されているライン川観光の目玉です。周辺の認定ワイン生産地域(Anbaugebiete)、アール(Ahr)、モーゼル(Mosel)、ラインガウ(Rheingau)なども書き込んでいるので位置関係を把握しておきましょう。

ミッテルラインのベライヒ(Bereich)は2つ。

・ローレライ(Bereich Loreley
ラインラント・ファルツ州(Rheinland-Pfalz)に属し、ミッテルラインの大部分を占めます。

・ジーベンゲビルゲ(Bereich Siebengebirge
ボンの手前にあり、ノルトライン・ヴェストファーレン州(Nordrhein-Westfalen)に属します。

これらの下にさらに11の地域と111の単一畑があるようですが、いちいち挙げません(笑)。とりあえず今日のボッパルダー・ハム(Bopparder Hamm)だけ覚えておきましょう。
ミッテルラインのブドウ畑面積は465ヘクタールと13ある生産地域の中ではかなり少ない部類です。(どうりであまり見かけない。)品種の割合は、白:84.8%、赤:15.2%と圧倒的に白。また、リースリングが65%と圧倒的。あとはミュラー・トゥルガウ(4.9%)、ピノ・ノワール (10%)が続きます。

あとは、ミッテルライン公式ページやドイツワインのページがあるのでご参考ください(笑)。


ラベル平面化画像。
IMG_0192
横長一枚ものです。


さあ、スクリュー回転。
IMG_0204
スクリューキャップながらロゴマークがエンボスで入っています。

Alc.12%。
薄いイエロー。
IMG_0205

ライム、はっさく、ペトロール臭結構あり。
辛口アタックながら、柑橘系の果実味たっぷりです。
かすかな苦味含んだ酸はフレッシュさ強調します。
後味で少し水臭さを感じますが、
それを補うフレッシュフルーティが全てOKにしてくれました(笑)。


*****


Weingut Heilig Grab
Bopparder Hamm 2020
Riesling Hochgewächs
Trocken

Mittelrhein
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Reh Kendermann Crafted collection Riesling 2021 Landwein Rhein

リカマンの店頭で1000円でお釣りがくるとってもお手頃なリースリングを発見。過去そこそこいいリースリングは飲んできていますが、こんなのも試してみないといけませんね。原産地表示を見ると「Landwein Rhein」となっています。「ラントヴァイン」ということは、いわゆる g.g.A.(geschützte geografische Angabe)、EU法でいう IGP に相当するものですね。

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レー・ケンダーマンは1920年にモーゼル地方にてカール・レー氏がワイン商を立ち上げたことから始まり、現在はラインヘッセン、フランケン、ラインガウ、モーゼル、ナーエなどワイン銘醸地に自社畑を持つに至ったドイツ有数のワイン生産者なんだそうです。(インポーター情報
ただ、今日のワイン、「Selected by Reh Kendermann」と書いてますから、買ってきただけで作ってさえいない感じはします(笑)。

これが店頭での写真。ただでさえ安いのに「広告の品」になってました(笑)。
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これでゲロまずでなけりゃ儲けもんですよ。


公式ページはやはり大手企業の風格。いろんなブランドで出してますね。

当然のように今日のワインは影も形もなく載っていません。

・リースリング 100%

店頭POPでリースリング100%とタイプがやや甘口というのはわかりました(笑)。あと裏ラベルで「安定剤(メタ酒石酸)」というのが添加されているのがわかりました。アカシア(アラビアガム)やCMC(カルボキシメチルセルロース)の安定剤はよく見ますが、メタ酒石酸というのは初めてです。調べると他の安定剤と違い、日本の食品衛生法ではワイン以外の食品への使用が禁止されています。なんだかコワい…。


レー・ケンダーマンの拠点はいくつもあるようですが本拠地はここのようです。
Reh01
地域的にはラインヘッセンなんでしょうが、ライン川の畔、ラインガウのリューデスハイムの対岸になります。しかし、巨大な工場然とした建物ですね。


今日のワインの「Landwein Rhein」はどこなのか調べてみますが、あまり詳しい情報がなく、とにかくライン川流域全体が対象のようです。ドイツを貫く大河ですから相当な広範囲ですよ。
Rhein02
「Landwein Rhein」というのは、13ある特定生産地域ではなく、広域の原産地が指定されたラントヴァインLandwein)の一つで、所謂 g.g.A.geschützte geografische Angabe)、EU法でいう IGP に相当するものです。全部で26ありますので以下に挙げておきます。

・Ahrtaler Landwein
・Badischer Landwein
・Bayerischer Bodensee-Landwein
・Brandenburger Landwein
・Landwein Main
・Landwein der Mosel
・Landwein Neckar
・Landwein Oberrhein
Landwein Rhein
・Landwein Rhein-Neckar
・Landwein der Ruwer
・Landwein der Saar
・Mecklenburger Landwein
・Mitteldeutscher Landwein
・Nahegauer Landwein
・Pfälzer Landwein
・Regensburger Landwein
・Rheinburgen Landwein
・Rheingauer Landwein
・Rheinischer Landwein
・Saarländischer Landwein
・Sächsischer Landwein
・Schleswig-Holsteiner Landwein
・Schwäbischer Landwein
・Starkenburger Landwein
・Taubertäler Landwein

一方、13ある特定生産地域は、いわゆるEUワイン法の AOP の位置づけになるんですが、アンバウゲビートAnbaugebiet)、g.U.geschützte Ursprungsbezeichnung)と呼ばれます。ご参考までに地理的呼称範囲(テロワール)による格付けに変わった(2021年)新ドイツワイン法を(自分なりに)図示したものを貼っておきます。g.g.A.や g.U.の位置づけがわかると思います。

Germany_Wein_Classification
新法では、ベライヒ名もしくは集合畑名を名乗る場合は、Bereich(ベライヒ)もしくは Region(レギオン)をつけなくてはならないようです。以降、村名、単一畑名と範囲が狭まるほど上位ランクということになります。さらに単一畑の中には1級や特級畑が設定されます。
これら新法の適用は移行期間が5年間あり、2026年のヴィンテージからは拘束力が発生します。また、Kabinett ~ Trockenbeerenauslese といった既存の呼称はこの新法の影響は受けずに残るようです。とにかく今は過渡期のようなので気をつけながらドイツワインの表示は見ていかなくてはなりませんね。


ラベル平面化画像。
IMG_8371


スクリュー回転。
IMG_8812

Alc.9.5%。低っ。
透け透けクリアゴールド。
IMG_8813

ライム。
しっかりペトロール香があります。
リースリングには間違いないです。
酸味キリッとした微甘口アタック。
果実を直に食べているような味わいです。
酸は始終主張するんですが個性としてOKかな。
酸っぱい夏ミカンを食べた後のような後味(笑)。

まあ普通のリースリングと方向性違うのでこの評価ですが、
なんだかんだで結構楽しめました(笑)。


*****


Reh Kendermann
Crafted collection Riesling 2021
Landwein Rhein
WWWポイント76点



WhiteWhiteWine01

Kloster Ebernach Pink Riesling & Pinot Noir Rotling 2020

クロスター・エバーナッハの「PINK」と書いたピンク色のワインを見つけました。ロゼとは書いてませんね。裏ラベルには「Rotling」とあります。調べると、ロートリングは黒ブドウと白ブドウを醸造の段階でブレンドしたワインで、ドイツではロゼと呼んではいけないんだそうです。(ロゼは黒ブドウのみから作られます。)「ピンク」と英語で書くのはいいのかな?

IMG_8733-(1)
クロスター・エバーナッハはエバーナッハ修道院と言う意味で、修道院としての歴史は12世紀までさかのぼります。ワインづくりは1673年から始められ、それでもすでに350年の歴史があるというわけです。そこが、2019年から同じくモーゼルの名門ドクター・ツェンツェン(アイニッヒ・ツェンツェン)と組んで新たなワイン作りに挑んでいるようです。もともと良い畑は持ってますから、そこにドクター・ツェンツェンのノウハウや技術が加わりワインのレベルも上がってるんでしょう。どうりで最近クロスター・エバーナッハのワインをよく見かけるなと思ったら、そういうことなんですね。

公式ページはドイツ語オンリーのようですがショップ兼用ながら内容は充実。

ワイン紹介はショップページになります。

・リースリング
・ピノ・ノワール

比率は不明。ロートリング(Rotling)の規定では黒ブドウと白ブドウの比率は決まっていません。とにかく両方使えばロートリングと表示しなくてはなりません。また、ブドウを混ぜるタイミングは破砕前のブドウの状態か、圧搾して果汁(モスト)を得る前、つまりは潰したブドウ(マイシェ)の状態までです。発酵後のワインの状態はもちろんのこと、モストの状態でブレンドすることも認められていません。

こうして黒ブドウと白ブドウから作られるロートリングは、ドイツでは赤ワインでも白ワインでもロゼワインでもない、第4のワインという分類になります。(EUでは混醸法のロゼが認められていますが、ドイツは黒ブドウのみで作らないとロゼになりません。)また、地方ごとに独特の呼び名がある場合があります。ヴュルテンベルク地方のシラーワイン(Schillerwein)、バーデン地方のバーディッシュ・ロートゴルト(Badisch Rotgold)、ザクセン地方のシーラー(Schieler)などです。


クロスター・エバーナッハを訪問。中途半端なモーゼ川の川岸から覗きます。
Kloster_Eberbach0
例によって基本的にドイツはストビューがないんですが、このようなどなたかがスポットで上げている画像があったりします。ないよりマシということで(笑)。奥の方に塔やら建物が見えます。

3Dマップにすると全体の雰囲気がわかりますかね。
Kloster_Eberbach00
さすが歴史ある修道院だけあって、敷地や建物の規模が大きいですね。


モーゼルは13ある特定生産地域のひとつ。Google Mapで俯瞰してクロスター・エバーナッハの所在を確認します。モーゼル川下流域のコッヘム(Cochem)という町にあります。
Mosel_All_Final
コッヘムの町はまさにブルク・コッヘム(Burg Cochem)というモーゼル川下流のベライヒにあります。モーゼルの6つのベライヒを見てみましょう。()内は栽培面積です。

Bernkastel(5,618 ha)<Trier ~ Briedel>
Burg Cochem(1,168 ha)<Zell ~ Koblenz>
Saar(799 ha)<Serrig ~ Konz>
Obermosel(749 ha)<Palzem ~ Igel>
Ruwertal(197 ha)<Sommerau ~ Ruwer>
Moseltor(125 ha)<Perl / Saarland州>

ベルンカステル(Bereich Bernkastel)が圧倒的に規模が大きいですね。<>内は対象範囲の町の名前です。

ドイツ全体の地図を見ます。13のワイン生産地域の中での位置関係はこうです。
German_Wine_Regions
モーゼルは白ワインがかなりを占めているのがわかります。こんな割合。

・白品種 90.7%(7,850 ha)
・赤品種 9.3%(805 ha)

品種はリースリングが大半です。以下が上位3品種。

・リースリング 62.5%(5,412 ha)
・ミュラー・トゥルガウ 9.4%(813 ha)
・エルプリング(Elbling) 5.4%(465 ha)

以上、上位3品種が全部白。4位に黒品種のピノ・ノワール(4.8%)が来ます。今日のロートリングがリースリングとピノ・ノワールのブレンドなのも頷けます。


ところで、今日のワインはクロスター・エバーナッハのロゴに「Mosel」と入ってるので特定生産地域のモーゼルの表示かと思うと、裏ラベルには「Landwein der Mosel」とあります。これは原産地が指定されたラントヴァインLandwein)ということで、いわゆる g.g.A.geschützte geografische Angabe)、EU法でいう IGP に相当するものです。26ありますので以下に挙げておきます。

・Ahrtaler Landwein
・Badischer Landwein
・Bayerischer Bodensee-Landwein
・Brandenburger Landwein
・Landwein Main
Landwein der Mosel
・Landwein Neckar
・Landwein Oberrhein
・Landwein Rhein
・Landwein Rhein-Neckar
・Landwein der Ruwer
・Landwein der Saar
・Mecklenburger Landwein
・Mitteldeutscher Landwein
・Nahegauer Landwein
・Pfälzer Landwein
・Regensburger Landwein
・Rheinburgen Landwein
・Rheingauer Landwein
・Rheinischer Landwein
・Saarländischer Landwein
・Sächsischer Landwein
・Schleswig-Holsteiner Landwein
・Schwäbischer Landwein
・Starkenburger Landwein
・Taubertäler Landwein

あれ? 裏ラベルにはその「Landwein der Mosel」の下にでっかく「Mosel」とも書いてますね。モーゼルとだけ書かれているのならば、アンバウゲビートAnbaugebiet)、いわゆる g.U.geschützte Ursprungsbezeichnung)で、13ある特定生産地域に対応する、EU法の AOP の位置づけです。いったいどっちなんでしょうね? ご参考までに地理的呼称範囲(テロワール)による格付けに変わった新ドイツワイン法を(自分なりに)図示したものを貼っておきます。
Germany_Wein_Classification


ラベル平面化画像。
IMG_8677


さあ、スクリュー回転。
IMG_8728
赤・白のキャラクター、重ねておきました(笑)。キャップは一応シンボルマークがエンボスで入っています。

Alc.10.5%。
ピンクゴールド。
IMG_8732

リンゴに赤ベリー、カシス的な香りも。
やはりピノ・ノワールも効いてる感じがします。
微甘な酸の乗った辛口アタック。
始終かすかな甘さを感じるのがすごくいい塩梅です。
リースリングから来るであろう果実味もしっかりあり。

赤寄りのロゼ、少々甘めという印象ですが結構いい。
赤ワインのRRWポイントで評価します。


*****

Kloster Ebernach
Pink Riesling & Pinot Noir Rotling 2020
Landwein der Mosel
RRWポイント 89点


Privatkellerei St.Antonius Riesling 2019 Trocken Nahe

リースリングは、その昔ヨーロッパの出張先がドイツのラインガウばっかり(Wiesbadenという町ですが)だったので、当時は浴びるように飲んだ品種です(笑)。今でも定期的に欲しくなり適当に探しますが、ドイツの有名なリースリングは思いのほか高かったりしますので、大抵は今日のようなお手頃なやつになります。産地もナーエ(Nahe)と少しマイナーですが、こういう所の方が当たりがあるかもと期待を寄せて…。

IMG_8359
作り手は Privatkellerei St.Antonius(「プライベートワイナリー 聖アントニウス」の意)といって、ナーエのシュヴェッペンハウゼンという小さな村でアントン・ビロス(Anton Biroth)さんが1988年に始めた家族経営のワイナリーです。現在は息子さんのステファンさんと二世代で運営されていますが、事業も大きくなり、ナーエのみならずお隣のラインヘッセンのワインもラインアップに加えられています。

公式ページはまじめな作り。ローカル相手なのかドイツ語オンリーです。

今日のナーエのリースリングは一応主力だと思うので載っていますが、特筆すべき情報はなし。

・リースリング 100%

ワイナリー近辺の山間の自社畑からのようです。砂岩、黄土、ロームの層状の土壌でブドウ栽培には非常にいいんだと書いてます。

リースリングはドイツ原産で、おそらくライン渓谷で生まれたとも言われます。
Riesling01
1998年のDNA分析ですが、Vitis Vinifera Sylvestris x Traminer の交配種を母に、Weißer Heunisch(=Gouais Blanc グエ・ブラン)を父に自然交配から生まれたとされます。グエ・ブランっていろんなところで親戚関係で現れますね。また、人気の品種ということで、リースリングを元に200種以上の新品種が世界で産み出されているそうです。日本で生まれたリースリング・リオン(Riesling Lion)もその一つでしたね。
栽培面積はやはりドイツが断トツで最大で、23,960 ha あります。(2016年)他ヨーロッパではフランスで4,025 ha ありますが、ほぼアルザスのみです。これが次点かというとルーマニアが 6,121 ha と若干多いようです。なのでフランスは3位。オーストリアはどうかな~と気になりますが、1,986 ha です。これが4位かなと思うと、あいだにロシア(2,232 ha)がいます(笑)。まあ、ロシアがヨーロッパなのかという問題もありますが。(笑)
新世界では、アメリカが断トツで、4,952 ha とフランス越え。オーストラリアが 3,114 ha と順当に次点です。その次に 1,188 ha のカナダが来そうなもんですが、意外にも中国が 1,600 ha で3番手です。まあ、中国が新世界なのかという問題もありますが。(笑)
(リースリングは中国語で「雷司令」だそうです。レイ・スー・リンと発音するようです。どうでもいいですが…。笑)

作り手訪問…したいんですが、例によってドイツはストビューなし。
PKSt.Antonius01
HP他を探してもワイナリーの外観写真は見当たりませんでした。ビロスさん親子の写真他を拝借して貼っておきます。

ナーエを俯瞰して位置関係や地形を確認。中央を流れるナーエ川はライン川の支流。
Nahe
ナーエ(Nahe)はドイツの13ある特定栽培地域(bestimmtes Anbaugebiet)のひとつで、ラインヘッセンのすぐ西側にあり、ベライヒ(Bereich)は Nahetal のひとつだけになります。約75%が白ワイン品種で、1位はやはりリースリング、28.9%を占めます。2位がミュラー・トゥルガウで12.0%。3位にやっと赤品種のドルンフェルダー(9.7%)が来ます。

ナーエは、同じくドイツの13ある特定栽培地域のひとつラインヘッセンと同じく、ラインラント・ファルツ州(Rheinland-Pfalz、州都はマインツ)にあります。ラインヘッセン自体は「ヘッセン」とつきますが、ヘッセン州(Land Hessen、州都はヴィースバーデン)にはないので気を付けてください。(ラインヘッセンの名前は、1816~1919年までこの地域に存在したヘッセン大公国が所有していた領地の「ラインヘッセン」という名前に由来。ヘッセン州とは地理的関係がありません。)ナーエはライン川を挟んでラインガウとも接します。(そして、ラインガウはヘッセン州にあります!)ご参考までに16あるドイツ連邦共和国の州の地図を貼っておきます。
Germany_16連邦州
ワインとは関係なさそうな気もしますが、「ベルクシュトラーセ(Bergstraße)」がヘッセン州に属するヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ(Hessische Bergstraße)と、バーデン・ヴュルテンベルク州に属するバーディッシェ・ベルクシュトラーセ(Badische Bergstraße)に分かれたように、行政区分は大いにワイン産地の分類に影響します。
バーディッシェ・ベルクシュトラーセ(Badische Bergstraße)はバーデンのベライヒですが、ヘッセン州側のヘッシッシェ・ベルクシュトラーセは独立したワイン生産地となっています。


ラベル平面化画像。
IMG_7918
長い一枚ものです。

インポーターシール。
IMG_7918B


さあ、スクリュー回転。
IMG_8355

Alc.12%。
薄めのゴールドイエロー。
IMG_8356

青リンゴ、ライム。
結構ペトロール香あり。
柑橘系な酸がたっぷり乗った辛口アタック。
キレのある酸は量も多いですね。
味わいも柑橘系思わせるんですが、
立体的な構造もあり楽しめます。
爽やかさあり、夏場にいい感じです。


*****


Privatkellerei St.Antonius
Riesling 2019 Trocken
Nahe
WWWポイント78点



WhiteWhiteWine01

Egon Müller Scharzhof 2019 Riesling QbA

家飲みがすっかり定着している今日この頃。都会でちょっといいワインもいただかねばと久しぶりに出かけました。お目当ては、ドイツワインの頂点に君臨するというエゴン・ミュラーです。白ワインの最高峰とも言われるリースリングのお味とは…。

IMG_1593
エゴン・ミュラーの歴史は古く、フランス革命後まで遡ります。11世紀、ドイツではベネディクト派の修道院により、現在のオルツタイルラーゲと呼ばれている特別単一畑の一つ、シャルツホーフベルクが開墾されましたが、フランス革命時に革命政府が没収。しかしその後1797年、コッホ家がこの土地をフランス政府から譲り受けることとなり、当時コッホ家の婿として迎えられた人物がエゴン・ミュラー1世であったことから、エゴン・ミュラー・ワインの歴史が始まりました。…と、エノテカのサイトからコピペしておきます。

今回は写真の3種がお試しできましたが、選んだのは一番辛口のシャルツホーフ(一番左)。
IMG_1587
これはクヴァリテーツワイン(Qualitätswein)、いわゆる QbA(Qualitätswein bestimmter Anbaugebiete =特定産地上質ワイン)に当たり、エゴン・ミュラーではエントリークラスになるようですね。残りの2つは、シャルツホーフベルガー・リースリング・カビネット(Kabinett:通常収穫の完熟ブドウ、最低エクスレ度:67〜82)とシュペートレーゼ(Spätlese:Kabinettより7日間以上遅い遅摘み、最低エクスレ度:76〜90)で、甘口になります。

公式ページは…なんと工事中。困りますね~。

エノテカのHPなどを参考にします。

・リースリング 100%

自社畑で収穫したブドウをブレンドして造られる、以上の情報は見当たりませんでした。早く公式ページ復旧いただきたいですね。

エゴン・ミュラーを訪問します。ヴィルティンゲン(Wiltingen)という町です。
IMG_1594
コンツ(Konz)の町でモーゼル川に合流するザール川(Saar)の近くです。モーゼル地域に6つあるベライヒで言うとザール(Bereich Saar)のエリアになります。

モーゼルは13ある特定生産地域のひとつです。Google Mapで俯瞰してベライヒやエゴン・ミュラーの所在を確認します。
Mosel_All_Final
6つのベライヒがありますが、それぞれの栽培面積を見ます。

・Bernkastel(5,618 ha)<Trier ~ Briedel>
・Burg Cochem(1,168 ha)<Zell ~ Koblenz>
・Saar(799 ha)<Serrig ~ Konz>
・Obermosel(749 ha)<Palzem ~ Igel>
・Ruwertal(197 ha)<Sommerau ~ Ruwer>
・Moseltor(125 ha)<Perl / Saarland州>

ベルンカステル(Bereich Bernkastel)が圧倒的に規模が大きいですね。<>内は対象範囲の町の名前です。

ドイツ全体の地図を見ます。13のワイン生産地域の中での位置関係はこうです。
German_Wine_Regions
モーゼルは白ワインがかなりを占めているのがわかります。こんな割合。

・白品種 90.7%(7,850 ha)
・赤品種 9.3%(805 ha)

品種はリースリングが大半です。以下が上位3品種。

・リースリング 62.5%(5,412 ha)
・ミュラー・トゥルガウ 9.4%(813 ha)
・エルプリング(Elbling) 5.4%(465 ha)

以上、上位3品種が全部白。4位にピノ・ノワール(4.8%)が来ます。


ラベル普通に撮影画像。
IMG_1603
最新のiPhone13に機種変したんですが、パノラマ撮影でラベルの平面化がうまくできないことに気づきました。最悪です。iPhone SEに再機種変しないといけないのか?(涙)

さあ、いただきましょう。
Alc.10.5%。
淡い淡いゴールド。
IMG_1604

レモンライム。
ぺトロール香しっかりありますが、楽しめる爽やかな香り。
ミンティーに鼻腔へ入ってきます。
アタックでクールな甘味が入ってきます。
キリッとした酸です。
ミネラル感も見事に融合してます。

確かに次元の違ううまさです。
甘いリースリングもいいですね。


*****


Egon Müller
Scharzhof 2019
Riesling QbA
WWWポイント80点



WhiteWhiteWine01

Prince Trubetskoi Winery Riesling Select 2019

ウクライナへの軍事侵攻をロシアが2022年2月24日に開始してから随分経ちます。連日終わりの見えない報道でメディアは溢れています。このワインのブログでそれについて何かを論じようという意図はありません。しかし、リカマンの店頭で「ウクライナ支援」とPOPがついてウクライナ・ワインが並んでいるのを発見。これしきで支援になるとは思いませんが、ウクライナ・ワインをいただくことで「無関心」という自分の殻は取り除きたいなと思いました。

IMG_7705
ワイナリー名は「トルベツコイ王子ワイナリー」という意味ですね。1889年とラベルにも記されてまして、19世紀の終わりにトルベツコイなる王子がシャトーとブドウ園を創設したという歴史の長さをアピールしているようです。その長い歴史は公式ページに詳細に書かれていますのでここでは割愛しますが、ウクライナのロシアへの併合からソ連時代に入り、1917年にワイナリーは国営化され「レーニン・ワイン・ソフホーズ」と改名されていたようです(笑)。1991年にウクライナは独立します。(ソ連崩壊。)

公式ページはウクライナ語と英語の切り替えができます。
banner
ワイン紹介はショップ兼用でちょっと内容は薄いですね。

・リースリング 100%

へぇ~、リースリングなんだ。1941年から1944年までのナチス・ドイツによるウクライナ占領が関係してるのかな?っと思いましたが、HPをよく見ると1912年頃からすでにリースリングはやっていたようです。温度調節付きのタンクにて製造・熟成以外の情報は書いていませんでした。

さあ、ワイナリー訪問の前に、ウクライナはどこだってことです。こんな感じ。
Ukraine01
最近は報道で見慣れたので、ロシア、ベラルーシ、ポーランドなどの位置関係もだいたいわかっています。ワイナリーは南部、クリミア半島近くのドニエプル川沿いにありました。

これがプリンス・トルベツコイ・ワイナリー。当時のシャトーを再建しています。
UkraineW01
ヘルソン(Kherson/Херсон)という町の近くで、敷地はドニエプル川に面していて、河畔際々にあるのがわかります。

今日時点でのロシアのウクライナへの侵攻状況を見てみましょう。
Yahoo01
画像制作:Yahoo! JAPAN(Institute for the Study of Warの発表を基に作成)
ロシア支配地域はドニエプル川を渡ってヘルソンまで及んでいることがわかります。おそらくワイナリーもロシア支配地域に入ってそうです。現状が心配ですね。

あまり詳しい情報はないんですが、ウクライナのワイン産地をまとめてみました。
Ukraine_Wine_Region
以下の6ヶ所(クリミア半島も便宜上ウクライナの産地に数えています。)です。

・ザポリージャ(Zaporizhia/Запоріжжя)
・オデッサ(Odessa/Одеса)
・ヘルソン(Kherson/Херсон)
・ムィコラーイウ(Nikolayev/Миколаїв)
・ザカルパート(Zakarpattia/Закарпатська область)
・クリミア半島(Crimea/Крымский полуостров)

ワイン産地は南部に集中してるため、かなりの部分がロシア支配下になっているようですね。


ラベル平面化画像。
IMG_7699
産地はヘルソン(Kherson)だと書いてますね。「Dnipro hills」は畑名でしょうか。ググっても正確な場所はわかりませんでした。


さあ、抜栓。
IMG_7701

コルク平面化。
IMG_7702

Alc.12.5%。
ハチミツっぽいゴールド。
IMG_7703

白い花、出汁香、リンゴ。
ペトロール香はないですね。
辛口アタック。
生き生きした酸味を感じます。
クールな柑橘系の味わいです。
ミネラル感、コクあって楽しめました。

あまりリースリングっぽい特徴は掴めなかったんですが、
これはこれでおいしい白ワインだと思います。


*****


Prince Trubetskoi Winery
Riesling Select 2019
Kherson region Ukraine
Dnipro hi
lls
WWWポイント78点



WhiteWhiteWine01

Weingut Haart Riesling 2016 Piesporter Goldtröpfchen GG Trocken Mosel

モーゼルのリースリングをいただきますが、GGとあるように Großes Gewächs、フランス語でいう Grand Cru(特級畑)になります。つまり、ちょっといいやつ。実はこれクリスマスイブに抜栓しています。なんとなく最近のクリスマスは昔出張でよく行っていたドイツのクリスマス・マーケット(Weihnachtsmarkt)等が懐かしく思い出され、ドイツ風に過ごしたいななどと訳の分からないことを思っています。グリューワインを飲んだりしてるのもそのためです。

IMG_7013
作り手のラインホールト・ハールトはモーゼルの銘醸地ピースポート村(Piesport)で1337年(!)からワインづくりをしているというピースポルトで最も古い伝統的な家族経営のワイナリーです。これはヨーロッパ全土でも最古の部類といいます。そこが持つ、ピースポート最高の銘醸畑「ゴルトトレプヒェン(Goldtröpfchen =「黄金の滴」の意味)のVDP. 認定の特級畑(GG)が今日のワイン。パーカーおじさんも2018年に91+点をつけているようです。

クリスマスにはドイツ風にこのクリスマスピラミッドを飾ります。
IMG_7015
ドイツ語でヴァイナハツピラミーデ(Weihnachtspyramide)といい、ドイツのクリスマスの飾り物の定番。これは以前にドイツ人の同僚からもらったものです。ろうそくの熱(上昇気流)が上の羽根を回し、真ん中の飾り物がくるくる回ります。眺めているだけで楽しくなります。


公式ページはしっかりしたのがあるんですが、スクロール式でめっちゃ使いにくいです。

畑の紹介など情報は豊富ですが、ワイン紹介はショップページを見ないといけません。

・リースリング 100%

手摘みですが、11月初旬の収穫だそうです。完熟したブドウからさらに芳香の強いものを選果するとのこと。収量は 50hl / ha とかなり低くなるようです。伝統的な発酵を行い、6~8ヶ月シュールリーで熟成させ、1回だけ濾過して瓶詰めされます。


ピースポート村のラインホールト・ハールトを訪問します。
Haart_Piesport
例によってストビューがないのでHPより写真を拝借しています。ピースポート最高の畑「ゴルトトレプヒェン(黄金の滴)」はピースポートの集落から見るとモーゼル川を挟んだ向こう側、南向きの 60ha の急な斜面に広がっています。粘土質の灰色の粘板岩(スレート)でできているのが特徴です。

facebookに別アングルの写真がありました。畑の姿がわかりやすいですね。
Haart_Piesport2
ピースポートはローマ時代のブドウ圧搾機の遺跡もあるという2000年の歴史を持つ集落です。そんな感じがする写真ですね。


今日の作り手は VDP.(Verband Deutscher Prädikatsweingüter)、「ドイツ高品質ワイン醸造家協会」の会員ですのでネックに VDP. のワシのマークがあります。VDP. は、1910年に独自に審査・認定を始め、フランス式に畑に格付けをしています。ドイツのワイン法に基づかない私的団体ですから、メンバーでないとこの表示はありません。

VDP.の等級は以下のようになっていて、ワシのマークと共に表記されます。

Gutswein(グーツヴァイン)・・・地域名ワイン
Ortswein(オルツヴァイン)・・・村名ワイン
Erste Lage(エアステ・ラーゲ)・・・1級畑ワイン
Grosse Lage(グローセ・ラーゲ)・・・特級畑ワイン
 この特級畑からの辛口ワインには、特に、
Grosses Gewächs(グローセス・ゲヴェックス)・・・“Grand Cru”
 と表記され、いずれも辛口の場合、Qualitätswein Trocken が併記されます。

今日のワインは「Grosse Lage - GG」。ゴルトトレプヒェン(Goldtröpfchen)の畑の中でも特級に認定されています。以下は VDP. 格付けのピラミッド図にしたものです。
VDP
この図は VDP. のサイトから拝借したものに加筆しました。


ドイツのワイン生産地とモーゼル(Mosel)の位置関係を見ておきます。モーゼルは、2006年までモーゼル・ザール・ルーヴァー(Mosel-Saar-Ruwer)と呼ばれていました。
German_Wine_Regions
この地図、色分けでわかりやすい上に、主要品種が赤・白比率で示してあり、視覚的に理解ができます。モーゼルは白ワインが主で(白:赤=90.6%:9.4%)、リースリング(62.2%)やミュラー・トゥルガウ(10.2%)が多いです。赤はピノ・ノワールが少々(4.6%)。(2019年データ)

Google Map上でピースポート村のあるベルンカステルのベライヒを示します。
Mosel_Bernkastel
モーゼルには以下の6つのベライヒがあります。左にインポーズしたモーゼル全体の地図を見ると銘醸畑の数や総面積でベルンカステルが圧倒的なのがわかります。また、「モーゼル・ザール・ルーヴァー(Mosel-Saar-Ruwer)」という旧呼称は、ザール川(Saar)とルーヴァー川(Ruwer)というモーゼル川の支流を含めた呼び名だったということにも気づきますね。

・Bereich Burg Cochem(ブルク・コッヘム)
Bereich Bernkastel(ベルンカステル)
・Bereich Ruwertal(ルーヴァータール)
・Bereich Saar(ザール)
・Bereich Obermosel(オーバーモーゼル)
・Bereich Moseltor(モーゼルトール)

モーゼルはドイツでもっとも西側で、ライン川支流のモーゼル川両岸および、さらにその支流のザール川・ルーヴァー川流域に広がる産地ということがわかりました。西端(モーゼル川上流側)はフランス国境に達しています。


ラベル平面化画像。
IMG_6344
VDP. のマーク、GG(Großes Gewächs)と共に Qualitätswein、Trocken の表記がありますね。


さあ、抜栓。
IMG_7010
ネックに鷲のマークと共に「VDP. GROSSE LAGE」と記されています。

コルク平面化。
IMG_7011

Alc.12.5%。
濃い目のゴールドイエロー。
IMG_7012

黄桃、りんご、ペトロールとお香の感じがしました。
甘みがかすかにありますがトロッケンです。
味も青リンゴの風味。
コテっとはしてないですが重みがあります。
さすがに特級と思わせる、深み・奥行きです。
後味は割とあっさり、軽く終わりました。
リースリングのいいところです。


*****


Weingut Reinhold Haart
Riesling 2016
Piesporter Goldtröpfchen GG
Trocken Mosel
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01
--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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