Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Saint-Chinian

Chocolate Moose Cabernet Sauvignon Oak Aged 2019 Pay d’Oc

IGPペイ・ドックのカベソーなんですが、カルディでジャケ買いしました。チョコレート・ムースと書かれ、ムース(ヘラジカ)の顔がドーンとこちらをにらみつけています。「moose」は確かにヘラジカなんですが、チョコレート・ムースのムースは正しくは「mousse」と書きます。シャレで引っかけてるんでしょうが、何かワインの味と関係があるシャレなんでしょうか? それとも単にインパクト重視?(笑)


IMG_4268
作り手は…表ラベルに「Les Producteurs Réunis à F34360 Cébazan」とあります。セバザン?なんだか聞いたことがあります。前に、これもカルディで買ったカベルネ・フランのモノセパージュと同じワイン生産者共同組合ですね。

この共同組合の公式ページはなく、セバザン市のHP内に紹介があるだけです。
困るんですよね~。情報がなくって。とりあえず、カルディのHPを貼っておきます。

しかし、これさえほとんど情報なし。(笑)
・カベソー 100%
でしょうね。「Oak Aged」とうたってますからオークで熟成はしてるんだろうと思います。ただし、「樽」とは一言も書いてません(笑)。ステンレスタンクにオークチップ投入ってやつかもしれません。

Les Producteurs Réunis de Cébazanというのは、Union Caves Coopératives de Cébazanというワイン生産協同組合のことだと思うので、そこは前にも訪れています。
StChinian03
サン・シニアン(Saint-Chinian)の近くのセバザン(Cébazan)という町にあります。

南仏の田舎だしショボいな~と思っていたんですが、今回改めて訪問すると、隣に近代的で立派な本体と思しき施設がありました。な~んだ、古い方は旧社屋か。そりゃそうですよね。
Moose01
AOC Saint-Chinian、AOC Minervois、そしてIGP Pays d'Ocを主力にやってるそうです。テイスティングもできる直売所もあるようです。

今日はこれ以上広がりようがないので(笑)、今日のワインの IGP Pay d’Oc から掘り下げていきましょう。まず、IGPペイ・ドックとAOCラングドックの対象範囲を比べます。
Languedoc_PaysdOc_INAO
いつものINAOの地図で、左側に IGP Pays d'Oc、右にAOC Languedoc を置いています。まず、IGPの方は、ガール(Gard)県、エロー(Hérault)県、オード(Aude)県、ピレネー・ゾリアンタル(Pyrénées-Orientales)県の4県全域が対象です。AOCラングドックは対象コミューン(地図上の区画はコミューンです。)がかなり細かく決まっていることがわかります。まあ、これは普通によくあるIGPAOCの差ですね。
また、AOC Languedoc というのは、2007年まで AOC Coteaux-du-Languedoc と呼ばれたものが名称変更したもので、同時に、元々 AOC域内で AOC Coteaux-du-Languedoc~なんちゃらと呼ばれていたAOCが、単独AOCや AOC Languedoc~ なんちゃらというAOCに名称変更になっています。(実はこれらAOCの新旧の名称の混在が僕の理解を阻害していました。笑)
ひとつ気になるのは、このINAOの地図を見る限り、AOC Languedoc がルシヨン(Roussillon)地域(ピレネー・ゾリアンタル県)を含んでいることです。「AOCラングドック」=「ラングドック・ルシヨン」ってことになります。まあ、AOCルシヨンなんてのがないからいいのかな。(笑)


長らく課題になっていた(笑)ラングドック・ルシヨンのGoogle Map転記が完成しました。
Languedoc_Roussillon00
今度はちゃんとルシヨンもカバー。書き込みが多くて少々カオスになってますが。(笑)赤・白・ロゼ・泡・VDN(Vin Doux Naturel=天然甘口ワイン)区分も記号で入れています。
先ほどのINAOのAOCラングドックの対象範囲は、ほぼこの地図上のAOCの集合と一致してることがわかります。
唯一、AOC Malepère だけがAOCラングドック対象地図から外れていそうですね。なぜだか考えてみましたが、おそらく、AOCマルペールのみ2007年にAOC昇格する前が、VDQS Côtes de Malepère であり、AOCよりワンランク落ちるVDQSだったため今も仲間外れになっているんじゃないかと想像します。
* VDQSVins Délimités de Qualité Supérieure)とは、2011年まであったフランスのワインの規格で、2011年に全ての産地がAOCに昇格し、事実上廃止されています。(EUのワイン法にこれに当たるカテゴリーがなかったため廃止になったそうです。)

作り手の所在(Union Cavesの印)も書き込んでいます。エロー県のAOCサン・シニアン(Saint-Chinian)のところを探してください。サン・シニアン周辺の農家の協同組合であれば、今日のワインは AOC Saint-Chinian を名乗れそうなものですが、実はカベソーのモノセパージュは認められていません。因みにAOCサン・シニアンの赤の規定は、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、Lladoner Pelut(=Garnacha Peluda)の4種で60%を占めねばならず、他に使用可なのがカリニャン、サンソーです。けっこう古くからのAOCは規定が細かいです。カベソーやメルローなど人気の高い品種を使うとIGPペイ・ドックとなってしまい、その土地の良さを出していても一括りの広域IGPになってしまうのは、なんだかもったいないですね。


エチケット平面化画像。
IMG_4216
チョコっぽい色にチョコレート・ムースの名前。これで味がチョコ風味だったら「一本取られたわい。」となりますが、そこにムース(ヘラジカ)の絵というオチは減点です。(笑)


さあ、抜栓。
IMG_4265
見事な無印(笑)。コルクもこれだけの表示なので平面化はしません。
1年保証のDIAM1ですが、DIAMなだけ偉いです。

Alc.13.5%。(pH:4.33、Brix:7.1)
黒いくらい濃いガーネット。
IMG_4266

黒ベリー、プラム…。
確かにチョコっぽい?(笑)
若い樽香もかすかにあります。
「Oak Aged」ですからね。(笑)
苦味走った辛口アタック。
軽めですがカベソーらしさは出てます。
果実味も充分。
タンニンもいい具合に効かせてあります。

確かに1000円ワインっぽい味ではありますが、
レベルは高めで十分楽しめます。
がんばれ!ぼくらのペイ・ドック!!


*****

Les Producteurs Réunis de Cébazan
Chocolate Moose
Cabernet Sauvignon Oak Aged 2019
Pay d’Oc
RRWポイント 87点


Beau Pressoir Cabernet Franc 2017 Pays d’Oc

カルディで1000円ほどのとってもお手頃ワインなんですが、
ラングドックカベルネ・フランというのに惹かれました。
カベルネ・フランのモノセパージュはいつもロワールのが多いですから、
たまにこんなのを見つけると思わず手が出てしまいます。


IMG_0623
Beau Pressoirは「美しいぶどう絞り機」って意味でしょうか。
イラストに昔ながらのワインプレス機が描かれています。


作り手は、Les Producteurs Réunis à F34360 Cébazanとありますから、
フランスによくあるワイン生産者の共同組合ですね。
セバザン(Cébazan)はサン・シニアン(Saint-Chinian)近くの町です。
ワイン生産者組合としての公式ページはなさそうですが、
セバザンの町の公式ページにコンタクト情報が載っています。

というわけで、ワイン情報なし。カルディのサイトでも金賞受賞(笑)くらいの情報。
まあ、カベルネ・フラン100%らしいので、それでOKとします。


ワイン生産者組合だとしても、恒例の作り手訪問しますよ。
StChinian03
田舎の大きな古びた建物です。直売もやってそうですね。
場所がAOCサン・シニアンですから、今日のIGP Pays d'Oc以外にも、
AOC Saint-ChinianAOC Minervoisも出してるようです。

ラングドック全体からするとこの辺りになります。
StChinian01
AOC Saint-ChinianとAOC Minervoisは隣接してますね。
この辺りの作り手が集まった協同組合だと思われます。

お手製の地図は見にくいのでネットでの拾い物地図も上げておきます。
StChinian02
ラングドック・ルシヨンのいい地図ってあんまりないんですよね。
またGoogle Map地図を作り直したいとは思っています。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_0482
金賞はドイツのBerliner Wein Trophyのものですね。


さあ、スクリュー回転。
IMG_0622
無印キャップ! しかたないですね。(笑)

Alc.13%。
ガーネット。涙は形はっきりしないやつです。
IMG_0620

黒ベリー、赤ベリーっぽいのも香ります。
シナモンかリコリスも。
うまげな辛口アタック。
軽めですが複雑味も感じ飲みやすいです。
タンニンはなめらかで余韻に好影響。
総じて軽さを感じるんですが薄っぺらさはなく、
素性はすごくいいと思います。
値段的にはとっても「偉い」と思われます。


*****


Beau Pressoir
Cabernet Franc 2017
Pays d’Oc
RRWポイント 89点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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