Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

San_Pedro

San Pedro 9 Lives Delirious Cabernet Sauvignon 2021

「9 Lives」というワインをスーパーの店頭で発見。そう、チリの大手サンペドロの出すお手頃バリエタルシリーズのガトネグロ(GatoNegro)のちょっと上級のグレード(のはず)です。ん? しかし、いつもの黒猫ちゃんも居ないし、そもそもガト・ネグロとどこにも書いていません。これは何事?と首をかしげながらも長らくお目にかかっていなかった 9 Lives ですからすぐさまゲットしお試しすることにいたしました。

IMG_1397
San Pedro は1865年という昔にクリコー・ヴァレーに創業し、今やチリを代表するワインメーカーになっていますが、そのサンペドロが黒猫マークの「GatoNegro」を始めたのが1960年という、これまた60年も前になります。おそらく世界で初めての、いわゆるクリッターワイン(Critter Wine、キャッチーな動物の絵柄がラベルに描かれているワイン)がガトネグロらしいです。カンガルーの絵柄で人気のオーストラリアのイエローテールが20年前かららしいので、ガト・ネグロはそれよりずっと昔のクリッターワインの先駆けというわけです。
10年程前でしょうか、ガトネグロの「Reserve」のシリーズが「GatoNegro 9 Lives」として登場しました。「9 Lives」というのはその昔サンペドロの創業のブドウ畑に現れたという幸運をもたらす黒猫の9回生きたという伝説からきたネーミングです。それが今回、「黒猫」が消えて「9つの魂」だけになってしまったのはちょっと解せませんね。

サンペドロの公式ページはこれ。ライナップの紹介もしっかりしています。

ただ、「Gato(Negro) 9 Lives」は載ってますが、「9 Lives」のみは見当たりません。

GatoNegroシリーズのブランド専用サイトというのが別にあります。

しかしここにも「9 Lives」のみというのは見当たりません。

するとどうでしょう。「9 Lives Wine」という専用ページができていました。

独立ブランド化させるマーケティングなんでしょうね。カッコいいサイトですが情報は極少。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

ワインについての詳細がないのでセパージュはネット情報です。「Reserve」なので多少の樽はあるはずですが、フレンチオーク樽で8~9ヶ月熟成とするサイトがあったのでそんなものだと思います。ワイン名の「Delirious Cabernet Sauvignon」というのは「有頂天の、狂喜乱舞した~」と言う意味ですが、ちょっと何言ってるかわかりません(笑)。

これが前述の「9 Lives Wine」という専用サイトのワイン紹介ページのスクショです。
名称未設定-1
カッコいいけど素性の情報ゼロというのは困りますね。


サンペドロはマウレ州クリコー・ヴァレーのモリーナに本拠地があります。
SanPedro01
カチャポアル・ヴァレーにもアルタイル(Altaïr)やカボ・デ・オルノス(Cabo de Hornos)などを作るプレミアムワイン専用ワイナリーを持っていますが、創業の地はこちらです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの本部にもなっているようです。

Google Mapでマウレ州を俯瞰して位置関係を確認。サンペドロも印してます。
Maule_Curico
サンペドロはマウレ州北側のクリコー・ヴァレーのエリアにありますが、今日のワインは「D.O. Valle Central」なので首都サンティアゴのエリアのマイポ・ヴァレーから南のマウレ・ヴァレーまでの非常に広域になります。(上記地図内の右側にインポーズした図でセントラル・ヴァレーの確認ができます。)

チリの DO(Denominación de Origen)一覧表。セントラル・ヴァレーを確認してください。
RegiónSubregiónZonaÁreaTérmino complementario
Región vitícola de AtacamaValle de Copiapó
Valle del Huasco
Región vitícola de CoquimboValle del ElquiLa SerenaCosta
VicuñaAndes
PaiguanoAndes
Valle del LimaríOvalleCosta
PunitaquiEntre Cordilleras
Monte PatriaAndes
Río HurtadoAndes
Valle del ChoapaSalamancaAndes
IllapelAndes
Región vitícola de AconcaguaValle del AconcaguaZapallarCosta
QuillotaCosta
HijuelasEntre Cordilleras
PanquehueEntre Cordilleras
CatemuEntre Cordilleras
Llay-LlayEntre Cordilleras
San FelipeEntre Cordilleras
Santa MaríaAndes
Calle LargaAndes
San EstebanAndes
Valle del Marga-MargaQuilpuéCosta
Valle de CasablancaCasablancaCosta
Valle de San AntonioValle de San AntonioCartagenaCosta
Lo AbarcaCosta
AlgarroboCosta
Valle de LeydaSan JuanCosta
Santo DomingoCosta
Región vitícola del Valle CentralValle del MaipoIsla de MaipoEntre Cordilleras
TalaganteEntre Cordilleras
MelipillaEntre Cordilleras
AlhuéEntre Cordilleras
María PintoEntre Cordilleras
ColinaEntre Cordilleras
Calera de TangoEntre Cordilleras
Til TilEntre Cordilleras
LampaEntre Cordilleras
SantiagoAndes
PirqueAndes
Puente AltoAndes
BuinAndes
Valle del RapelValle del CachapoalRancaguaEntre Cordilleras
PeumoEntre Cordilleras
ColtaucoEntre Cordilleras
RequínoaAndes
RengoAndes
MachalíAndes
Valle de ColchaguaParedonesCosta
PumanqueCosta
LituecheCosta
LololCosta
NancaguaEntre Cordilleras
Santa CruzEntre Cordilleras
ApaltaEntre Cordilleras
PalmillaEntre Cordilleras
PeralilloEntre Cordilleras
MarchigüeEntre Cordilleras
La EstrellaEntre Cordilleras
San FernandoAndes
Los LinguesAndes
ChimbarongoAndes
Valle de CuricóValle del TenoVichuquénCosta
LicanténCosta
RaucoEntre Cordilleras
RomeralAndes
Valle del LontuéSagrada FamiliaEntre Cordilleras
MolinaAndes
Valle del MauleValle del ClaroEmpedradoCosta
CureptoCosta
TalcaEntre Cordilleras
PencahueEntre Cordilleras
San RafaelEntre Cordilleras
San ClementeAndes
Valle del LoncomillaSan JavierEntre Cordilleras
Villa AlegreEntre Cordilleras
ParralEntre Cordilleras
LinaresEntre Cordilleras
LongavíEntre Cordilleras
RetiroEntre Cordilleras
ColbúnAndes
Valle del TutuvénCauquenesEntre Cordilleras
Región vitícola del SurValle del ItataPortezueloCosta
CoelemuCosta
ChillánEntre Cordilleras
QuillónEntre Cordilleras
Valle del BiobíoYumbelEntre Cordilleras
MulchénEntre Cordilleras
Valle del MallecoTraiguénEntre Cordilleras
Región vitícola AustralValle del CautínPerquenco
Galvarino
Valle de OsornoOsorno
San Pablo
Purranque
La Unión
Futrono

<Wikipedia Anexo:Regiones vitícolas de Chile より一部(新サブゾーン)加筆>



ラベル平面化画像。
IMG_1391
インポーターはコルドンヴェールじゃなくてアサヒビールなんですね。


さあ、スクリュー回転。
IMG_1395
ネックに「9つの人生を生きよ」なんて書いてます。意味わからん(笑)。

Alc.14%。
濃いガーネット。
IMG_1393

黒ベリー、ダークチェリー、胡椒。
辛口アタック
いい意味での焦げ風味あり。
厚みある味わいです。
程よい酸もアクセントでバランスの妙です。
余韻にもうまさが残り味わい深く続きます。
安いけどやっぱりいいシリーズですね。


*****

San Pedro
9 Lives Delirious Cabernet Sauvignon 2021
Reserve
D.O. Valle Central
RRWポイント 93点


San Pedro 1865 Carmenère 2020 Selected Vineyards Las Moradas D.O. Valle del Maule

サンペドロの1865カルメネールの2020です。このブログの中でも、過去、201620172019と飲んでいますから最頻出ワインのひとつですね。やまやで定番で置いてくれるようになったのが大きいですが、なにより安定しておいしいのでついつい手が出ます(笑)。仕様も毎年ちょこちょこ微妙に変わっているようなのでこれも探ってみましょう。

IMG_0752
今さらサンペドロを語るのも何ですが、1865年クリコー・ヴァレーに創業、150年以上の歴史のある、またコンチャイトロと並ぶチリ有数のワイナリーです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの中核でもあります。「1865」というシリーズ名は創業年なわけです。

公式ページはちょっと前にリニューアルしてカッコよくなったんですが情報量は減ったような。

ワイン紹介で1865を選ぶと、専用サイトに飛びますが、やはりそっちも簡素。

・カルメネール 100%

以前は樽熟の記述もあったはずなんですが、この新専用サイトでは見当たりません。以前は、95%仏樽、5%米樽で12ヶ月間、新樽率は50%となっていましたが、ネット情報を見るとフレンチオーク樽で12ヶ月としているものが多いのでそんなに変わりはないでしょう。それより、産地が昔からマウレ・ヴァレーだったものが現在はコルチャグア・ヴァレーに変わっているようです。今日の2020がまだマウレなので2021~2022あたりの直近で変わったんでしょうかね。今日の2020は長らく書かれていなかった畑名「Las Moradas」が久しぶりに明記されていたので、原点回帰か!と密かに喜んでいたんですが、今後はマウレでさえなくなってしまうようですね。

こちらが1865シリーズ専用サイトです。

カッコいいんですが内容は薄し。日本に入ってきてないモデルが多いことに愕然としますし。


サンペドロはマウレ州クリコー・ヴァレーのモリーナに本拠地があります。
SanPedro01
カチャポアル・ヴァレーにもアルタイル(Altaïr)やカボ・デ・オルノス(Cabo de Hornos)などを作るプレミアムワイン専用ワイナリーを持っていますが、創業の地はこちらです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの本部にもなっているようです。

このモリーナにあるサンペドロの本拠地、カルメネール100%の最上級ワインを作っています。その名も「TIERRAS MORADAS」。スペイン語で「紫の大地」という意味です。
SanPedro_Rapel03
日本カルメネール振興協会としては是非試してみたいのですが、日本に入ってきてないんですよね。同じくカルメネールの最高峰であるコンチャイトロのカルミン・デ・ペウモや、エラスリスの KAI なんかは入ってきてるんですけどね。どこかのインポーターさん、是非よろしく。

注目点はこのカルメネール最高峰ワインのブドウの出どころで、マウレ・ヴァレーのペンカウエ(Pencahue)というエリアからとなっています。実は1865のカルメネールはこのペンカウエにある「Las Moradas Vineyard」という畑がオリジナルの畑で、現在の1865は「Selected Vineyards」と副題が打たれていますが、元々「Single Vineyard(単一畑)」と言うシリーズで、「Las Moradas」の畑からのみのブドウで作られていたのです。それが今日の2020では「Las Moradas」表記が戻ってる!?と歓喜したわけです。サンペドロのカルメネール最高峰「TIERRAS MORADAS」は、おそらくこのペンカウエ(Pencahue)にある「Las Moradas Vineyard」からだと確信しています。


Google Mapでマウレ州を俯瞰して位置関係を確認。モリーナにあるサンペドロも印してます。
Maule_Curico
サンペドロはマウレ州北側のクリコー・ヴァレーのエリアにありますが、今日のワインは「D.O. Valle del Maule」なので州の南側のマウレ・ヴァレーからです。マウレ・ヴァレーはマウレ川流域なのですが、そのマウレ川(Río Maule)の支流のクラロ川(Río Claro)流域がサブリージョンのクラロ・ヴァレーになり、その中に6つあるエリアのひとつが先ほど書いたペンカウエPencahue)になります。地図上に丸印をつけてあるので探してみてください。


チリの DO(Denominación de Origen)一覧表。マウレ・ヴァレーを確認してください。
RegiónSubregiónZonaÁreaTérmino complementario
Región vitícola de AtacamaValle de Copiapó
Valle del Huasco
Región vitícola de CoquimboValle del ElquiLa SerenaCosta
VicuñaAndes
PaiguanoAndes
Valle del LimaríOvalleCosta
PunitaquiEntre Cordilleras
Monte PatriaAndes
Río HurtadoAndes
Valle del ChoapaSalamancaAndes
IllapelAndes
Región vitícola de AconcaguaValle del AconcaguaZapallarCosta
QuillotaCosta
HijuelasEntre Cordilleras
PanquehueEntre Cordilleras
CatemuEntre Cordilleras
Llay-LlayEntre Cordilleras
San FelipeEntre Cordilleras
Santa MaríaAndes
Calle LargaAndes
San EstebanAndes
Valle del Marga-MargaQuilpuéCosta
Valle de CasablancaCasablancaCosta
Valle de San AntonioValle de San AntonioCartagenaCosta
Lo AbarcaCosta
AlgarroboCosta
Valle de LeydaSan JuanCosta
Santo DomingoCosta
Región vitícola del Valle CentralValle del MaipoIsla de MaipoEntre Cordilleras
TalaganteEntre Cordilleras
MelipillaEntre Cordilleras
AlhuéEntre Cordilleras
María PintoEntre Cordilleras
ColinaEntre Cordilleras
Calera de TangoEntre Cordilleras
Til TilEntre Cordilleras
LampaEntre Cordilleras
SantiagoAndes
PirqueAndes
Puente AltoAndes
BuinAndes
Valle del RapelValle del CachapoalRancaguaEntre Cordilleras
PeumoEntre Cordilleras
ColtaucoEntre Cordilleras
RequínoaAndes
RengoAndes
MachalíAndes
Valle de ColchaguaParedonesCosta
PumanqueCosta
LituecheCosta
LololCosta
NancaguaEntre Cordilleras
Santa CruzEntre Cordilleras
ApaltaEntre Cordilleras
PalmillaEntre Cordilleras
PeralilloEntre Cordilleras
MarchigüeEntre Cordilleras
La EstrellaEntre Cordilleras
San FernandoAndes
Los LinguesAndes
ChimbarongoAndes
Valle de CuricóValle del TenoVichuquénCosta
LicanténCosta
RaucoEntre Cordilleras
RomeralAndes
Valle del LontuéSagrada FamiliaEntre Cordilleras
MolinaAndes
Valle del MauleValle del ClaroEmpedradoCosta
CureptoCosta
TalcaEntre Cordilleras
PencahueEntre Cordilleras
San RafaelEntre Cordilleras
San ClementeAndes
Valle del LoncomillaSan JavierEntre Cordilleras
Villa AlegreEntre Cordilleras
ParralEntre Cordilleras
LinaresEntre Cordilleras
LongavíEntre Cordilleras
RetiroEntre Cordilleras
ColbúnAndes
Valle del TutuvénCauquenesEntre Cordilleras
Región vitícola del SurValle del ItataPortezueloCosta
CoelemuCosta
ChillánEntre Cordilleras
QuillónEntre Cordilleras
Valle del BiobíoYumbelEntre Cordilleras
MulchénEntre Cordilleras
Valle del MallecoTraiguénEntre Cordilleras
Región vitícola AustralValle del CautínPerquenco
Galvarino
Valle de OsornoOsorno
San Pablo
Purranque
La Unión
Futrono

<Wikipedia Anexo:Regiones vitícolas de Chile より一部(新サブゾーン)加筆>


セントラル・ヴァレー>マウレ・ヴァレー>クラロ・ヴァレー>ペンカウエ、という関係です。チリで使われる3つの地理条件でいうと、「Entre Cordilleras」になることもわかりますね。

チリでは2011年に新しい原産地呼称表示の制度が導入されていまして、
 ・Costa(コスタ =海岸)
 ・Entre Cordilleras(エントレ・コルディジェラス =山脈の間の平地部分)
 ・Andes(アンデス =アンデス山脈)
の3つの地理条件をD.O.に付記できるようになっています。


ラベル平面化画像。
IMG_9789
裏ラベルに「Las Moradas」の畑の位置を示す地図がありますが…無意味(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_0748

コルク平面化。
IMG_0755
コルク両端にもロゴや150周年の文字があります。ミレジム打ってほしいものですが。

Alc.14%。
濃いガーネット。
IMG_0751

黒ベリー、モカ、青みもあり、
カルメネール王道の香りが確認できます。
酸味イキイキ辛口アタック。
深み、厚み、ボリューム感、貫禄ありです。
安定の旨さでフルーティーさ失わず余韻へ〜。
いやいやこれは間違いなし。


*****

San Pedro
1865 Carmenère 2020
Selected Vineyards Las Moradas
D.O. Valle del M
aule
RRWポイント 94点


San Pedro Castillo de Molina Carmenère Gran Reserva 2020

サンペドロのちょっと上のシリーズ、カスティージョ・デ・モリーナ。これのカルメネールを過去から何回か試してるんですが、どれでもそこそこ美味しいサンペドロにあって、なんとなく毎回イマイチだった印象があります。記録によると過去2008年と2015年を試してますが、ずっとDOマウレ・ヴァレーだったのが今日の2020は、DOマレ・ヴァレーとDOラペル・ヴァレーのダブル表記になっています。久しぶりに試してみましょう。

IMG_9686
今さらサンペドロを語るのも何ですが、1865年クリコー・ヴァレーに創業、150年以上の歴史のある、またコンチャイトロと並ぶチリ有数のワイナリーです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの中核でもあります。創業の地がクリコー(Curicó)の町にも近いモリーナ(Molina)というところで、今日のワインの名前、カスティージョ・デ・モリーナ(Castillo de Molina=モリーナ城)の由来になっています。

公式ページはこれ。カスティージョ・デ・モリーナは「Premium Wines」になっています。

しかし、ワイン紹介は専用ページへのリンクになっています。

リンク先の Castillo de Molina の専用ページがこちらです。

昔はもう少し詳細情報があったんですが、セパージュ、樽熟成など書いていません。

・カルメネール 100%

たぶん…なんですが、2008年はカベソーが10%ブレンドしてあったと自分メモに記録しています。樽熟成もフレンチオーク樽(新樽率30%)で12ヶ月でした。現在はどうなんでしょうね?

で、今日の本題なんですが、このワインの DO(Denominación de Origen)は過去ずっとマウレ・ヴァレー(Valle del Maule)だったものが、この2020年はラペル・ヴァレー(Valle del Rapel)との併記になっています。歴史ある本拠地のカルメネールでは足りなくなってラペル・ヴァレーからもブドウを持ってきていることは想像がつきますが、こんな風にダブルネームでDOを列記するのってありなんでしょうか? この2ヶ所のDOは結構離れてますしね。

チリの農牧庁、SAG(Servicio Agrícola y Ganadero)の官報に目を通し、そんな規定はないよな~と思っていたんですが、再度しっかり読んだら…見つけました(笑)。やっぱりですが、規定がありました。

DECRETO N° 464
Artículo 3° Ter. Tratándose de mezcla y cuando la totalidad del vino sea de un mismo cepaje, las etiquetas de vinos con denominación de origen, podrán señalar hasta tres regiones o hasta tres Subregiones de las cuales provengan los componentes de la misma, en orden decreciente de importancia, de izquierda a derecha, y siempre que la participación menor que intervenga en la mezcla no sea inferior al 15%. Cuando se opte por utilizar el nombre de regiones, no se podrá emplear el nombre de subregiones.

「政令第464号 第3条の3:同じ品種(のブレンド)の場合、3地域まで多い順に左から右に並べて表記してよい。ただし最少の地域でも最低15%以上であること。」といった主旨です。ついでにですが、品種にしても15%以上なら3種まで多い順に列記できることもわかりました。


サンペドロはマウレ州クリコー・ヴァレーのモリーナに本拠地があります。
SanPedro01
カチャポアル・ヴァレーにもアルタイル(Altaïr)やカボ・デ・オルノス(Cabo de Hornos)などを作るプレミアムワイン専用ワイナリーを持っていますが、創業の地はこちらです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの本部にもなっているようです。


Google Mapでマウレ州を俯瞰して位置関係を確認。サンペドロも印してます。
Maule_Curico
サンペドロはマウレ州北側のクリコー・ヴァレーのエリアにありますが、今日のワインにある「D.O. Valle del Maule」というのはその南側のマウレ・ヴァレーになります。

今日のワインに併記されているラペル・ヴァレー(D.O. Valle del Rapel)ですが、マウレ州より北側のリベルタドール・ヘネラル・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)になります。州全体を俯瞰して見ましょう。
SanPedro_Rapel02
カチャポアル・ヴァレーコルチャグア・ヴァレーラペル・ヴァレーという関係ですが、ラペル・ヴァレーとなるとリベルタドール・ヘネラル・ベルナルド・オイギンス州全体が対象になりますので、もう畑がどこだか見当もつきません。
色付き文字で示した町はカチャポアル・ヴァレーコルチャグア・ヴァレーのサブリージョンになりますが、このあたりまで書いてくれないと場所の特定は難しいですね。(先ほどの条文には、リージョンとサブリージョンの併記はダメとなってました。「マウレ」と書いたら「ラペル」と、レベルを合わせないといけないようです。)
また、カチャポアル・ヴァレーはカチャポアル川(Río Cachapoal)、コルチャグア・ヴァレーはティンギリリカ川(Río Tinguiririca)のそれぞれの流域に広がっていることに注目ください。この2つの川は合流するとラペル川(Río Rapel)となり太平洋に注いでいます。なるほど~です。


ラベル平面化画像。
IMG_9682
一応、裏ラベルにはマウレ・ヴァレーやラペル・ヴァレーの位置関係がわかる簡単な地図がありますね。


さあ、抜栓。
IMG_9684
コルクは写真の図柄(x2)なので平面化はしません。

Alc.14%。
ガーネット。
IMG_9685

黒ベリー、ダークチェリー、モカ。
メトキシ(青菜)はないかな?
辛口アタック。
苦味をはらんだ酸も健在。
そこそこの複雑味と固まり感がありますね。
酸のおかげでフィニッシュまでスッキリ楽しめました。
バランスもなかなかではないでしょうか。
過去のカスティージョ・デ・モリーナよりすごく良くなってます。

DOダブルネームで品質が落ちたかなと思いましたが、
かえって上がってるようです(笑)。


*****

San Pedro
Castillo de Molina Carmenère Gran Reserva 2020
D.O. Valle del Maule 
- D.O. Valle del Rapel
RRWポイント 92点


San Pedro 1865 Selected Collection Desert Valley Syrah 2019

お気づきかもしれませんが、このところチリワインが続いています。これは偶然ではなく、自分のワインにおけるアナザースカイであるチリのワインについてアップデートしたいという思いから、意図的に選んでいます。大手サン・ペドロの1865シリーズのちょっといいやつですが、エルキ・ヴァレーからのシラーになります。いやあ、チリはいろいろあって面白い。

IMG_8125
今さらサンペドロを語るのも何ですが、1865年クリコー・ヴァレーに創業、150年以上の歴史のある、またコンチャイトロと並ぶチリ有数のワイナリーです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの中核でもあります。「1865」というワイン名は創業年なわけですね。

公式ページはちょくちょくリニューアルしますが、その度に簡素になっていく気がします。


ワイン紹介で1865を選ぶと、専用サイトに飛びます。

カッコいいんですがやはり内容は薄し。日本未導入のモデルが多いことに愕然としますが、今日のちょっといいシラーはやまやで発見できました。もっとがんばって入れてほしいものです。

・シラー 100%

1865シリーズには通常のシラーもあるんですが、そちらはカチャポアル・ヴァレーです。「Desert Valley(砂漠の渓谷)」と銘打たれた今日のワインはエルキ・ヴァレー。サン・ペドロが新たに取得もしくは切り開いた畑なんでしょう。しかし、樽使いなどの情報が全く載っていないのは困りものです。価格的に(やまやで3,000円)樽を使っていないことはないと思われます。

エルキ・ヴァレーの畑の名前「エル・クトゥン」は載っていたので探しました。
ElCutun
海から25 km、エルキ川の畔という情報も書いてあったので、おそらくここでしょう。エルキ・ヴァレーはコキンボ州の北端、エルキ川流域のエリアです。これ以上北へ行くとアタカマ州になり、アタカマ砂漠が始まります。そういう意味で、エルキ・ヴァレーを「デザート・ヴァレー」と呼んでいるんでしょう。
エル・クトゥンというこの畑は内陸っぽいですが、この辺りまでは「コスタ」と呼ばれる海岸性の気候で湿度が高く、日中でも雲が多く気温が中程度に保たれるとか。おかげでブドウの生育を遅らせ完熟させられるといいます。

コキンボ州をGoogle Mapで俯瞰して位置関係を把握しましょう。
Chile_Coquimbo_Elqui
コキンボ州にはエルキ・ヴァレー(Valle del Elqui)の他、リマリ・ヴァレー(Valle del Limarí)、チョアパ・ヴァレー(Valle del Choapa)と3つのサブリージョンがあり、それぞれエルキ川、リマリ川、チョアパ川という川の流域に相当します。エルキ・ヴァレーは緯度29度のサンティアゴの北400kmに位置します。サン・ペドロのHPにはエルキがチリ最北端のワイン産地と書いてありますが、エルキ・ヴァレーの北のアタカマ州にはウアスコ・ヴァレー(Valle del Huasco)、コピアポ・ヴァレー(Valle de Copiapó)という産地が続いています。エルキも含め、この辺りはもともとはピスコ(ブドウで作るチリを代表する蒸留酒)の生産のためのブドウ畑ですがワイン用に転用がされるようです。
チリ滞在中はワイナリーを回ったり努めてワインを飲んでいましたが、チリ人と食事となるとワインじゃなくてピスコばっかりだったのが思い出されます(笑)。

チリの DO(Denominación de Origen)一覧表。北から順に並びチリ国土のように長い(笑)。
Región Subregión Zona Área Término complementario
Región vitícola de Atacama Valle de Copiapó
Valle del Huasco
Región vitícola de Coquimbo Valle del Elqui La Serena Costa
Vicuña Andes
Paiguano Andes
Valle del Limarí Ovalle Costa
Punitaqui Entre Cordilleras
Monte Patria Andes
Río Hurtado Andes
Valle del Choapa Salamanca Andes
Illapel Andes
Región vitícola de Aconcagua Valle del Aconcagua Zapallar Costa
Quillota Costa
Hijuelas Entre Cordilleras
Panquehue Entre Cordilleras
Catemu Entre Cordilleras
Llay-Llay Entre Cordilleras
San Felipe Entre Cordilleras
Santa María Andes
Calle Larga Andes
San Esteban Andes
Valle del Marga-Marga Quilpué Costa
Valle de Casablanca Casablanca Costa
Valle de San Antonio Valle de San Antonio Cartagena Costa
Lo Abarca Costa
Algarrobo Costa
Valle de Leyda San Juan Costa
Santo Domingo Costa
Región vitícola del Valle Central Valle del Maipo Isla de Maipo Entre Cordilleras
Talagante Entre Cordilleras
Melipilla Entre Cordilleras
Alhué Entre Cordilleras
María Pinto Entre Cordilleras
Colina Entre Cordilleras
Calera de Tango Entre Cordilleras
Til Til Entre Cordilleras
Lampa Entre Cordilleras
Santiago Andes
Pirque Andes
Puente Alto Andes
Buin Andes
Valle del Rapel Valle del Cachapoal Rancagua Entre Cordilleras
Peumo Entre Cordilleras
Coltauco Entre Cordilleras
Requínoa Andes
Rengo Andes
Machalí Andes
Valle de Colchagua Paredones Costa
Pumanque Costa
Litueche Costa
Lolol Costa
Nancagua Entre Cordilleras
Santa Cruz Entre Cordilleras
Apalta Entre Cordilleras
Palmilla Entre Cordilleras
Peralillo Entre Cordilleras
Marchigüe Entre Cordilleras
La Estrella Entre Cordilleras
San Fernando Andes
Los Lingues Andes
Chimbarongo Andes
Valle de Curicó Valle del Teno Vichuquén Costa
Licantén Costa
Rauco Entre Cordilleras
Romeral Andes
Valle del Lontué Sagrada Familia Entre Cordilleras
Molina Andes
Valle del Maule Valle del Claro Empedrado Costa
Curepto Costa
Talca Entre Cordilleras
Pencahue Entre Cordilleras
San Rafael Entre Cordilleras
San Clemente Andes
Valle del Loncomilla San Javier Entre Cordilleras
Villa Alegre Entre Cordilleras
Parral Entre Cordilleras
Linares Entre Cordilleras
Longaví Entre Cordilleras
Retiro Entre Cordilleras
Colbún Andes
Valle del Tutuvén Cauquenes Entre Cordilleras
Región vitícola del Sur Valle del Itata Portezuelo Costa
Coelemu Costa
Chillán Entre Cordilleras
Quillón Entre Cordilleras
Valle del Biobío Yumbel Entre Cordilleras
Mulchén Entre Cordilleras
Valle del Malleco Traiguén Entre Cordilleras
Región vitícola Austral Valle del Cautín Perquenco
Galvarino
Valle de Osorno Osorno
San Pablo
Purranque
La Unión
Futrono
それぞれの名称からWikipediaのページにリンクが張ってあります。スペイン語ですが(笑)。


ラベル平面化画像。
IMG_8105
イラストはなかなかカッコいいです。裏ラベルはもう少し情報欲しかったな。

例によってコルドンヴェールさんはお粗末なシールでお隠しになってます。
IMG_8104


さあ、抜栓。
IMG_8121

コルク平面化。
IMG_8122
1865シリーズはみんなこの汎用コルクですね。

Alc.14.5%。
赤味のある濃いインキーなガーネット。色付き涙は粘性で細かめ。
IMG_8123

黒ベリー、黒胡椒、カフェっぽさ。
ごくかすかなメトキシピラジンの青み香。
苦味かすかに乗った辛口アタック。
シラーらしいスモーキーな感じ。
深み、厚み、立体感、ねっとり感あり。
焦げた様な複雑味。
余韻も重くて長〜い印象。

シラーの個性を存分に発揮したいいワインです。
チリワインのポテンシャルを感じます。


*****

Viña San Pedro Tarapacá
1865 Selected Collection Syrah 2019
Desert Valley
D.
O. Valle del Elqui
RRWポイント 92点


San Pedro 1865 Carmenère 2019 Selected Vineyards D.O. Valle del Maule

やまやにサンペドロの1865カルメネールが定期的に入るようになって助かります。間違いないカルメネールが近所で買えるわけですから。やまやはカルメンも置いてますから偉いですよね。さて、今日は1865カルメネールの2019です。過去、20162017と飲んでいますから定点観測のようになってきました。

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今さらサンペドロを語るのも何ですが、1865年クリコー・ヴァレーに創業、150年以上の歴史のある、またコンチャイトロと並ぶチリ有数のワイナリーです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの中核でもあります。「1865」というワイン名は創業年なわけですね。

公式ページはまたちょっとリニューアルしたようですね。

なんとなく簡素化して情報量が減ったような気がします。ワイン紹介で1865を選ぶと、専用サイトに飛びますが、やはりそっちも簡素。

・カルメネール 100%

以前は樽熟の記述もあったはずなんですが、見当たりません。
以前は、95%仏樽、5%米樽で12ヶ月間。新樽率は50%となっていました。

こちらが1865シリーズ専用サイトです。

カッコいいんですが内容は薄し。日本に入ってきてないモデルが多いことに愕然としますし。


サンペドロはマウレ州クリコー・ヴァレーのモリーナに本拠地があります。
SanPedro01
カチャポアル・ヴァレーにもアルタイル(Altaïr)やカボ・デ・オルノス(Cabo de Hornos)などを作るプレミアムワイン専用ワイナリーを持っていますが、創業の地はこちらです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの本部にもなっているようです。

このモリーナにあるサンペドロの本拠地、カルメネール100%の最上級ワインを作っています。その名も「TIERRAS MORADAS」。スペイン語で「紫の大地」という意味です。
SanPedro_Rapel03
日本カルメネール振興協会としては是非試してみたいのですが、日本に入ってきてないんですよね。同じくカルメネールの最高峰であるコンチャイトロのカルミン・デ・ペウモや、エラスリスの KAI なんかは入ってきてるんですけどね。どこかのインポーターさん、是非よろしく。

Google Mapでマウレ州を俯瞰して位置関係を確認。サンペドロも印してます。
Maule_Curico
サンペドロはマウレ州北側のクリコー・ヴァレーのエリアにありますが、今日のワインは「D.O. Valle del Maule」なので州の南側のマウレ・ヴァレーからです。


ラベル平面化画像。
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裏ラベルはコルドンヴェールの貼り替え版です。気合入ってますね。


さあ、抜栓。
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キャップシールのエンボスの「1865」、カッコいいです。

コルク平面化。
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シンプルながら横に創立年やら創立150周年やらいろいろ書いてます。ここにはミレジムを打ちましょう(笑)。

Alc.14.5%。
ガーネット。
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黒ベリー、モカ、香ばしい樽香。
カルメネール感バリバリに漂います。
酸味若干乗った辛口アタック。
程良い厚みのある味わいながら、
コテっとモカ感が続きますね。
重すぎず、いい具合に軽い。
少し最初の酸が残るのが若干マイナスですが、
余韻は貫禄の伸びです。
やはり1865カルメネール、安定のうまさ。


*****

San Pedro
1865 Carmenère 2019
Selected Vineyards
D.O. Valle del Maule
RRWポイント 92点


San Pedro Sideral 2016

お馴染みのサンペドロですが、今日はアルタイル(Altaïr)やカボ・デ・オルノス(Cabo de Hornos)と共にサンペドロの上級ラインの一角をなすシデラル(Sideral)をいただきます。シデラルは3年ほど前に2012年を試したきりですので随分お久しぶりになります。パーカーおじさんはこの2016年に91点をつけています。いいかも…。

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今さらサンペドロを語るのも何ですが、1865年クリコー・ヴァレーに創業、150年以上の歴史のある、またコンチャイトロと並ぶチリ有数のワイナリーです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの中核でもあります。

公式ページはまたちょっとリニューアルしたようですね。

さすが上等レンジです。データシートをヴィンテージごとに完備。
・カベソー 78%
・カベフラ 10%
・シラー 7%
・カルメネール 3%
・プチヴェルド 2%
手摘み収穫、3度の選果、低温浸漬、軽いポンプオーバー、MLFは樽内で起こります。熟成は新樽率20%のフレンチオーク樽(225Lと600L)と3000Lのフレンチオーク大樽(フードル)併用で12ヶ月。

今日のシデラルはカチャポアル・ヴァレーにある Cachapoal Andes Winery で作られます。
SanPedro_Rapel01
アルタイル(Altaïr)やカボ・デ・オルノス(Cabo de Hornos)もここで作られています。プレミアムワイン専用ワイナリーということでしょうか。ここはサンティアゴから車で1時間半ほどで割と行きやすく、ツアーなどの受け入れも盛んにやっているようです。行ってみた~い。

リベルタドール・ヘネラル・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)のGoogle Mapでワイナリーの場所を確認しましょう。
SanPedro_Rapel02
ランカグア(Rancagua)とレンゴ(Rengo)の間、レキーノア(Requínoa)の山沿い部分にこのワイナリーはあります。これら同じ色付き文字で示した町はカチャポアル・ヴァレーのサブエリアになります。違う色でコルチャグア・ヴァレーも同様に示しています。これら2つの「ヴァレー」を合わせてラペル・ヴァレーでしたね。また、ラペル・ヴァレーの範囲はリベルタドール・ヘネラル・ベルナルド・オイギンス州とほぼ一致しますので覚えておきましょう。
また、カチャポアル・ヴァレーはカチャポアル川(Río Cachapoal)、コルチャグア・ヴァレーはティンギリリカ川(Río Tinguiririca)のそれぞれの流域に広がっていることに注目ください。この2つの川は合流するとラペル川(Río Rapel)となり太平洋に注いでいます。なるほど~でしょ。

サンペドロの本拠地はクリコー・ヴァレーのモリーナ(Molina)にあります。
SanPedro01
サンペドロの創業の地でもあり、パンアメリカン道路(チリ国道5号線)沿いの大規模な施設になっています。

マウレ州のGoogle Mapでその場所を確認してきましょう。ロントゥエ・ヴァレー(Valle del Lontué)の Molina の町のところです。見つかりましたでしょうか。
Maule_Curico01
ここも州の範囲が重要です。クリコー・ヴァレー+マウレ・ヴァレーがほぼマウレ州の範囲と一致します。

このモリーナにあるサンペドロの本拠地、カルメネールの最上級ワインを作っています。
SanPedro_Rapel03
日本カルメネール振興協会としては是非試してみたいのですが、日本に入ってきてないんですよね。同じくカルメネールの最高峰であるコンチャイトロのカルミン・デ・ペウモや、エラスリスの KAI なんかは入ってきてるんですけどね。どこかのインポーターさん、是非よろしく。


ラベル平面化画像。
IMG_4277
シデラル(Sideral)は星や恒星のことです。イラストは白鳥座でしょうかね。アルタイルはわし座のいわゆる彦星。


さあ、抜栓。

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キャップシール、コルク共に「Grandes Vinos de San Pedro」のマーク。

コルク平面化。
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このイラストは…おそらく今日のカチャポアル・ヴァレーのCachapoal Andes Wineryですね。

Alc.14%。(pH:4.53、Brix:8.0)
濃い濃いガーネット。
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黒ベリー、スパイス、黒糖感あり。
辛口アタック。
なめらかなテクスチャーです。
厚み、重み、エレガントさと両立してます。
収斂性はアルコール感と拮抗し、溶け合う感じ。
かなりタンニンがこなれてるのがわかります。
余韻は悠遠なり~。

Brix 8.0のせいか結構甘みも感じます。
しかし、傑出したうまさなのは確かです。


*****


San Pedro
Sideral 2016
RRWポイント 96点


San Pedro Gato Negro Carmenère 2019

サンペドロのガト・ネグロの2019が出ていますが、ラベルデザインが一新されたようです。文字も黒猫ちゃんも大きくなって、ちょっと安っぽくなったような気がしますが、ワンコインですから仕方ないですね。いや、650円だったのでワンコインではなく値上げになったかも…。(笑)
とにかく今日は臨時「日本カルメネール振興協会の活動日」とし、久しぶりにガト・ネグロのカルメネールを頂いてみましょう。前回は3年前に2016を試していますが、ラベルデザイン以外に変化はあるのでしょうか…。


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San Pedro は1865年という昔にクリコー・ヴァレーに創業し、今やチリを代表するワインメーカーになっていますが、そのサンペドロが黒猫マークの Gato Negro を始めたのが1960年という、これまた60年も前になります。このネット記事なんかによると、おそらく世界で初めての、いわゆるクリッターワイン(Critter Wine、キャッチーな動物の絵柄がラベルに描かれているワイン)がガト・ネグロらしいです。カンガルーの絵柄で人気のオーストラリアのイエローテールが20年前かららしいので、ガト・ネグロはそれよりずっと昔のクリッターワインの先駆けというわけです。

参考に世界のワインブランドの最新ブランド力ランキングをご覧あれ。
GN01
世界21ヶ国の2万人の消費者から得たアンケートがベースのブランド認知度や人気度を示すもので、売上高とかではないようです。ガト・ネグロは上昇中の第6位。しかし、イエローテール強え~な~。


San Pedro の公式ページはこれなんですが、チリ中に広がる畑の紹介など情報豊富です。

ワイン紹介は、それぞれのラインアップの個別の専用サイトへのリンクになっています。

Gato Negroシリーズもいくつかあり、普通のガトネグロ(今日のワイン)はこのサイトです。

プロモーション用のサイトらしく、ワインの詳細情報はあまりありません。
よく探すと、ダウンロードページにテクニカルシートがありました。セパージュは…。

・カルメネール 90%
・カベソー 10%

カルメネール100%でなくブレンドなのは何となくうれしいですね。樽使いは書いていません。たぶんないでしょうけど。(笑)あと、産地もセントラル・ヴァレー(マイポ~マウレ)と、かなり広域になっています。

ガト・ネグロのレセルバ、9 Livesのシリーズはこのサイトです。


今回発見したんですが、単なる「Gato」というブランドが追加されています。プレミアムという上級版もあって、スクリューキャップでもないので、通常のガト・ネグロより上等なんでしょうね。


ということで、ことカルメネールに限って言えば、以下の3種類が日本未発売のようですね。日本カルメネール振興協会としては非常に残念で、是非とも導入いただきたいと切に願います。
New01
個別サイトの英語主体の体裁を見るに、アメリカをターゲットにしてるんでしょうね。アメリカのワインショップまわりたいです。


さて、サンペドロの拠点はたくさんありますが、本拠地はここです。
マウレ州クリコー(Curicó)の町から南へ車で20分、モリーナというところ。
SanPedro01
ショップもありますし、サンペドロが属するVSPTワイングループのオフィスもあります。

マウレ州を俯瞰するGoogle Map上でサンペドロの所在を確認します。
Maule_Curico01
右側にインポーズした地図で確認できますが、今日のワインの出どころであるセントラル・ヴァレー(Valle Central)は以下の産地を包括する広域になります。

Valle Central
 ・Valle del Maipo
 ・Valle de Rapel(= Valle de Colchagua + Valle del Cachapoal)
 ・Valle de Curicó
 ・Valle del Maule


ラベル平面化画像。
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裏ラベルの「他のガトーシリーズの赤ワインとは驚くほど異なった味わいが印象的」というコメントが気になります。他にはカベソー、メルロー、マルベック等ありますが、これらと驚くほど異なるとは思えません。どちらかというとカベソー寄りと思っています。公式サイトにもそんなこと書いてないんですが、なんだろう、インポーターの主観でしょうか。(笑)


さあ、スクリュー回転。
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ここにもちゃんと黒猫ちゃんがいます。

Alc.13%。(pH:4.07、Brix:7.0)
若干透けるガーネット。涙はわりとはっきりで細かいです。
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黒ベリー、モカ、黒糖。カルメネール感です。
辛口アタック。
苦味も含んだタンニンがしっかり主張します。
味わいに薄っぺらいところなく、複雑味も出てますね。
余韻はさすがにあっさりなんですが、
始終いいバランスが感じられて、フィニッシュで満足感が残ります。
これはカルメネール王道のうまさを上手に出せてると思います。

少々驚き。前に比べてめっちゃ良くなってます。
こうなるとカベソー他の2019も気になりますね~。


*****


San Pedro
Gato Negro Carmenère 2019
RRWポイント 92点


San Pedro 1865 Carmenère 2017

今日は日本カルメネール振興協会の活動日(笑)。カルメネールを抜栓です。
かれこれ2年ほど前に、サンペドロ 1865 カルメネールをやまやで発見し、
たいそう喜び、また大変おいしくいただきました。前回は2016年でしたが、
今日はミレジムが1年進み2017年です。さて毎年ブレずにおいしいでしょうか。


IMG_3417
今さらサンペドロを語るのも何ですが、ワイン名のごとく1865年創業。
150年以上の歴史のある、またコンチャイトロと並ぶチリ有数のワイン企業。
タラパカー、サンタ・エレナなどとVSPTワイングループを形成してます。


公式ページはリニューアルされたんでしょうか、前と雰囲気が違いますね。

なんとなく簡素化して情報量が減ったような気がします。
ワイン紹介で1865を選ぶと、専用サイトに飛びますが、やはり簡素。
・カルメネール 100%
以前は樽熟の記述もあったはずなんですが、見当たりません。
以前は、95%仏樽、5%米樽で12ヶ月間。新樽率は50%となっていました。

あと、上等シリーズが追加になってますね。
SanPedro02
マスター・ブレンドやVVらしきものなど、いろいろやってますね。
日本じゃ手に入らないんでしょうね。試してみたいのにな…。


さて、サンペドロの拠点はたくさんありますが、本拠地はここです。
マウレ州クリコー(Curicó)の町から南へ車で20分、モリーナというところ。
SanPedro01
ショップもありますし、何よりVSPTワイングループのオフィスもあります。


今日のカルメネールも D.O. Valle de Maule、マウレ・ヴァレーです。
マウレ州の地図に産地情報を書き込みながら、サンペドロの位置も確認。
Maule_Curico01
チリのワイン産地の把握には、行政区分である州境と、川の流域がカギです。
サブリージョンもそれぞれ関連する川があるのがわかります。


ラベル平面化画像。
IMG_2798
昔も今も「 Viñedo las Moradas」という畑からのカルメネールらしいですが、
昔は「Selected Vineyards」ではなく「Single Vinyard」と書いてました。

カルメネールの表記は「Carmenère」と、3音節目にアクサングラーヴのみ。
フランス語で発音すると「カルムネール」に近くなると思われます。
チリでは(スペイン語では)皆さん「カルメネール」と発音してますから、
日本カルメネール振興協会では「Carménère」のように、アクサンテギュと、
アクサングラーヴの両方付きが推奨です。(笑)

詳しくはこちら… 「カルメネール」の発音と綴り


さあ、抜栓。
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キャップシールは1865専用品でカッコいいですね。

コルク平面化。
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シンプルですが横に創立150周年の刻印が。ここにはミレジム入れましょう。(笑)

Alc.14.5%。(pH:3.86、Brix:7.1)
濃いガーネット。粘性の涙は細かめ。
IMG_3416

黒ベリー、ブラックカラント、黒糖系、モカ…。
カルメネールの雰囲気出てますね。
ちょっと酸味が勝ってはいるんですが辛口アタック。
きめ細かなテクスチャーを感じます。
少し甘みも感じてきますが、
先ほどの酸味と相まって程よいバランスになりました。
ただ、余韻からフィニッシュにかけ、
やはり徐々に酸味が優勢になってきました。
もう少し寝かすか、エアレーションか…何か足りない…。

う~ん、おいしいではありますが、以前ほどの感動はありません。
定点観測的に、またミレジムが進んだら試していきましょう。


*****


San Pedro
1865 Carmenère 2017
RRWポイント 91点


San Pedro GatoNegro 9 Lives Reserve Sauvignon Blanc 2018

チリ大手のサンペドロが出してるお手頃バリエタルのガト・ネグロ(黒猫)。
それのちょっといいバージョンがこの「9 Lives」です。
このシリーズのカベソーをよくいただくのですが、なかなかうまい。
780円(+税)の価格からするととっても偉いワインです。
今日は前から気になっていた白、ソーヴィニヨン・ブランをお試し。


IMG_0072
ガト・ネグロを初めて飲んだのは20年以上前。メルローがバリうまでした。
当時はまだカルメネールも発見されたてでラインアップにもなかった頃。
まだまだカルメネールがメルローと混同されてた頃のお話。

とにかくこのガト・ネグロというワインは長い付き合いというか印象深いです。
これもかなり前ですが、チリへ行った時に、ガト・ネグロの750mlが、
地元のスーパーでコカ・コーラみたいに6パックで売られていて驚き。
そして、コーラみたいな値段を見て2度驚きました。(笑)


公式ページは「9回生きた猫」の動画付きで健在です。

ただ、ワインの素性は、
・ソーヴィニヨン・ブラン 100%
しかわかりません。当然樽はないでしょう。
サンペドロ公式ページにもワイン紹介ありますが、データシートはリンク切れ。

今日はもう訪問しませんが、サンペドロの本拠地はクリコーにあります。


それより驚いたのが、ラインアップが増えていたことです。
GN1
なんと「9 Lives」のカルメネールの登場です。
これまだ店頭では見かけたことないんですよ。日本へ入ってないのかな~。
う~ん、試してみたい。日本カルメネール振興協会としては必須です。(笑)

で、こんなのもありました。
GN2
オーガニック・ブレンド白とついに出ましたシャルドネ。
そして、「アパシオナド(情熱的の意)」なる謎の赤ブレンド。
どれもメッチャ気になります!


エチケット平面化画像。
IMG_9967
1000円以下とは思えない高級感はあると思うんですが。


さて、スクリュー回転。
IMG_0073
キャップの「9」マークがカッコいいです。

Alc.12.5%。
淡い黄色。
IMG_0070

青リンゴ、グレープフルーツ、花梨…。
酸味がかすかに乗った辛口アタック。
味の実体は感じるんですがこの酸が目立ちます。
喉越し余韻で苦味っぽいものも感じますね。
つまらない味と言うまではひどくはないし、
ダメダメではないんですがね。まあ、飲めます。(笑)
値段なり、残念ながら驚きはありませんでした。


*****


San Pedro
GatoNegro 9 Lives Reserve
Sauvignon Blanc  2018
WWWポイント 76点



WhiteWhiteWine01

San Pedro 1865 Selected Vineyards Carmenère 2016

「事件だわ!」(沢口靖子のモノマネ風に)
ふらっと立ち寄ったやまやで、1865のカルメネールを発見です!
その昔の記憶でおいしかったやつですが、カベソーやピノはあるのに、
なぜかカルメネールだけ日本に入って来てませんでした。
とうとう入ってきたようです。思わずゲット&抜栓です。


IMG_6486
他のチリワインのブランドでもそうですが、
カベルネ・ソーヴィニヨンは知名度があるからか入ってくるんですが、
いつもなぜかカルメネールが、ラインアップにはあるのに日本に来ない。
カルメネール専門家(?)としては非常に厳しい状況なんですよ。
しかし、時代は少しづつ変わっているようです。(笑)


これは、かれこれ7年ほど前につけていた「ワイン手帳」です。
今のブログとは違い、頑張ってラベルを剥がし貼っつてけてました。
IMG_6482c
たいした情報は書き込んでいませんでしたが、
相当うまかった場合は、黄色マルで示したように、
端っこに小さく「うま」と書いてました。(笑)
当時の(2008年)「1865」はかなりおいしかったのを覚えています。
この頃は、アメリカ在住でしたので、今の日本とは違って、
チリの主要ブランドはいっぱい売ってましたし、
当然カルメネールはちゃんとラインアップされていました。
日本もそんな風になるといいのにな。
ん?今日のワインを見ると、なりつつあるかな?


サンペドロはコンチャイトロと並ぶチリ有数のワイン企業です。
タラパカー、サンタ・エレナなどとVSPTワイングループを形成してます。

公式ページによると、
サンペドロは150年以上前の1865年(!)にクリコー・ヴァレーに創設。
おそらく今もそこが本拠地らしく、大きな施設があります。
VSPT03
上空から大きなタンク群やショップなどが入る建物が見えます。
パンアメリカン道路沿いで、前にはショッピング・モールもあります。

道路から敷地に向かうとこのサインが出迎えてくれるようです。
VSPT01


セントラル・ヴァレーを見渡す地図でこの場所を示すとこうです。
VSPT04
クリコーとマウレの中間ですね。
首都サンティアゴからは、マイポ、ラペルを越えて少し離れます。
(地図は90度回転してますので、左が南です。あしからず。)

ついでにチリの産地のおさらいをしてきましょう。
VSPT00
マウレはチリで一番古く、かつ最大面積の産地です。

と思ったら、公式ページにサンペドロ所有畑の地図がありました。
SP001
産地名をクリックすると写真と説明が切り替わります。
このクリコーの写真、霧がかかってカッコいいですね。


さて、ワインについて見ていきます。
あれ?
このシリーズはサブタイトルが「Single Vineyard」なんですが、
「Selected Vineyards」になっています。
単一畑から収穫できず複数畑の混醸になったんだと思われ。(笑)
IMG_6477
インポーターはコルドンヴェールですね。
やっとカルメネールを入れてくれたことは大いに評価いたします。

セパージュはカルメネール100%。
樽熟は、95%仏樽、5%米樽で12ヶ月間。
また新樽率は50%。残りはセカンド・ユースです。


キャップシールに「1865」。
James Sucklingが91点をつけたと誇らしげな金ピカシールも。
IMG_6480


さて、抜栓。 
Alc.14.5%。完熟フルボディー。
濃いルビー色。
黒ベリーに生ヌルっと野菜香、カルメネールです。
木の樽香、スパイスもしっかり感じます。
滋味たっぷりのアタックです。これこれ。
喉にシルキーなタンニンも記憶の中のうまさ通り。
余韻にちょっと目立つ苦味が残ります。
この苦み(雑味)がなければ、
すごい点数つけたであろうと思われるうまさ。
満足です。


*****


Viña San Pedro
1865 Selected Vineyards Carmenère 2016
RRWポイント 94点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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