Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Sicilia

Cantine Europa Notti di Sicania Zibibbo 2021 Terre Siciliane IGP

やまやにシチリア(IGP Terre Siciliane)のバリエタルがたくさん並んでいました。インツォリア(Inzolia)やカタッラット(Catarratto)なんかは過去にも試していますが、グリッロ(Grillo)とジビッボZibibbo)というのはまだでした。悩んだ末、名前の響きでジビッボを選びました。早速お試しといきます。

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作り手はカンティーネ・エウロパ(Cantine Europa)というシチリア島の西部マルサラの近くに1962年に設立された協同組合です。シチリアの中でも最大規模の生産者ということで、島西部の2,000を超える農家が所属しているそうです。

公式ページはなかなかカッコいいです。創立60周年の記念ロゴになっています。

ワイン紹介には今日のワインは見当たりませんでした。新シリーズかな?

・ジビッボ 100%

セパージュはこうでしょう。「Da Uve Leggermente Appassite(軽く乾燥させたブドウから)」とあるので少し陰干しして水分を飛ばす手間はかかっているようです。

ジビッボ(Zibibbo)。なんとマスカット・オブ・アレキサンドリアのシノニムでした。
Zibibbo
マスカット・オブ・アレキサンドリア(Muscat of Alexandria / Muscat d'Alexandrie)はギリシャかイタリア原産で世界中に多様なシノニムで広がっています。日本の生食用のいわゆるマスカットはこれです。また非常に古い品種で、16世紀にはジビッボの名前ですでにシチリア島にあったそうです。2021年のDNA分析では、シチリア原産のグリッロ(Grillo)は「Catarratto Bianco Comune」x「 Zibibbo(Muscat d'Alexandrie)」の交配種であることがわかっています。また今度グリッロも試したいんですが、ジビッボの子なんですね。


さあ、カンティーネ・エウロパを訪問。さすが地域最大の協同組合という規模です。
Cantine-Europa01
マルサラ(Marsala)の町から南下する幹線道路沿いにあります。

シチリア島を俯瞰してカンティーネ・エウロパの所在と他DOCとの位置関係を確認。
Sicilia_island3
地図の最西端がマルサラ(Marsala)の町です。この辺一帯はマルサラ(Marsala)DOCというマルサラ・ワイン(酒精強化ワイン)のDOCになります。

そうそう、今日のワインは全島が対象エリアの IGP Terre Siciliane でしたね。(IGP=Indicazione Geografica Protetta)つまりは、全島全域からのブドウなんでしょう。巨大協同組合ですからさもありなんです。IGP Terre Siciliane はもともと「IGP Sicilia」なんですが、2011年に DOC Sicilia が出来た時、IGPの方が改名されたものです。(DOC=Denominazione di Origine Controllata)

IGT Terre Sicilianeに使える品種は国際品種含めなんでもOK状態ですから、当然ジビッボもOKなんですが、同じく全島が対象のDOCシチリアにならなかった理由がよくわかりませんね。

DOC Sicilia は赤・白・ロゼ・泡・甘口となんでも可能で、以下が主要品種です。

<黒品種>
・Alicante
・Cabernet Franc
・Cabernet Sauvignon
・Carignano
・Frappato
・Merlot
・Mondeuse
・Nerello Cappuccio
・Nerello Mascalese
・Nero d’Avola (Calabrese)
・Nocera
・Perricone
・Petit Verdot
・Pinot Nero
・Sangiovese
・Syrah

<白品種>
・Ansonica
・Carricante
・Catarratto
・Chardonnay
・Damaschino
・Fiano
・Grecanico Dorato
・Grillo
・Moscato
・Müller-Thurgau
・Pinot Grigio
・Sauvignon Blanc
・Vermentino
・Viognier
Zibibbo

ねっ?ジビッボも使えますから DOC Sicilia もいけると思うんですが。


ラベル平面化画像。
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ユーロリーフのビオワインですね。


さあ、スクリュー回転。
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Alc.13%。
濃いめのハチミツ感のあるイエロー。
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黄桃、メロン。
微かに甘い辛口アタック。
酸は程良く味わいにはネクター感もあります。
ある意味、香りで感じたメロン味にも感じますね。
喉越しと余韻で酸はかすかな苦味を伴います。
最後にフルーティー感が戻ってきていい感じです。


*****


Cantine Europa
Notti di Sicania Zibibbo
Da Uve Leggermente Appassite 2021
Terr
e Siciliane IGP
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01

Cantina Europa Roceno Nerello Mascalese 2021 Terre Siciliane IGP

シチリアの代表的な黒品種のひとつ、ネレッロ・マスカレーゼ(Nerello Mascalese)ですが、なぜか今まで試したことがありませんでした。もしかしたらブレンドで口にしたことがあったかもしれませんが、モノセパージュは今回がはじめて。京都に昨年末新しくオープンしたワインショップ(WineRoom17)を覗いたときに見つけたのでゲットしたものです。

IMG_0522
作り手はカンティーネ・エウロパ(Cantine Europa)というシチリア島の西部マルサラの近くに1962年に設立された協同組合です。シチリアの中でも最大規模の生産者ということで、島西部の2,000を超える農家が所属しているそうです。

公式ページはなかなかカッコいいです。創立60周年の記念ロゴになっています。

ワイン紹介はショップになります。シビリアーナ(Sibiliana)マーク付きの上質ラインだそうで。

・ネレッロ・マスカレーゼ 100%

まあ、情報はほぼなし。ステンレスタンクで発酵・熟成とのこと。裏ラベルを見ると安定剤(アカシア)入り。ちょっと気になります。


ネレッロ・マスカレーゼ(Nerello Mascalese)。「マスカリの黒いやつ」という意味でしょうか。マスカリ(Mascali)という町は島東部の活火山エトナ山のふもとにあります。
Nerello-Mascalese
従って、エトナ(Etna)DOCの主要品種になっていますが、他にも Alcamo DOC、Faro DOC、Marsala DOC、Menfi DOC、Monreale DOC、Riesi DOC、Sicilia DOC でも主要品種なのでシチリア島全域で栽培されてそうですね。全栽培面積の91%が原産のシチリア島と、シチリア島に多い品種ですが、一部カラブリア州にもあります。(カラブリア州の S. Anna di Isola Capo Rizzuto DOC の主要品種になっています。)
2013年に実施されたDNA分析によると、おそらくサンジョヴェーゼとマントニコ・ビアンコの自然交配(Sangiovese x Mantonico Bianco)ということがわかっています。

ネレッロ・カプッチオ(Nerello Cappuccio)というのが定番のブレンドパートナーです。
Nerello-Cappuccio
ネレッロ・マスカレーゼの方が品質が上とされ、もっぱらネレッロ・マスカレーゼに補助的にブレンドされるようです。2008年に実施されたDNA分析では最大5種類の未知の品種が存在し親子関係が特定できなかったそうです。ネレッロ・マスカレーゼとは直接関係ないんでしょうね。これも61%がシチリア島にあり、34%がカラブリア州だそうです。まあ、今日のワインに入ってはいませんが補足情報として…(笑)。(後の地図で見てもらうとわかりますが、実はカラブリア州とシチリア島は泳いで渡れるぐらい近いですよ。)


さあ、カンティーネ・エウロパを訪問。さすが地域最大の協同組合という規模です。
Cantine-Europa01
マルサラ(Marsala)の町から南下する幹線道路沿いにあります。

シチリア島を俯瞰してカンティーネ・エウロパの所在と他DOCとの位置関係を確認。
Sicilia_island3
地図の最西端がマルサラ(Marsala)の町です。この辺一帯はマルサラ(Marsala)DOCというマルサラ・ワイン(酒精強化ワイン)のDOCになります。先ほど出てきた、ネレッロ・マスカレーゼ(Nerello Mascalese)の名前の由来であるマスカリ(Mascali)の町も書き込んでおきました。今度は島の東側、エトナ山を探してください。
そうそう、今日のワインは全島が対象エリアの IGP Terre Siciliane でしたね。(IGP=Indicazione Geografica Protetta)つまりは、全島全域からのブドウなんでしょう。巨大協同組合ですからさもありなんです。IGP Terre Siciliane はもともと「Sicilia」なんですが、2011年に DOC Sicilia が出来た時、IGPの方が改名されたものです。


ラベル平面化画像。
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やはり、安定剤(アカシア)が気になります。


さあ、抜栓。
IMG_0518

コルク平面化。
IMG_0520

Alc.13%。
濃いガーネット。
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黒ベリー、ブラックチェリー、スミレ、黒鉛。
辛口アタック。
最初酸が少し出過ぎと感じましたが、
厚みのある味わいですぐバランスが取れてきます。
少し還元があるような気がしましたが、個性として楽しめました。
アカシア効果かもですが余韻もいい感じでした。


*****

Cantina Europa
Roceno Nerello Mascalese 2021
Terre Siciliane IGP
RRWポイント 87点


Firriato Harmonium Nero d’Avola 2018 Sicilia DOC

KALDIのワインくじで1等のシャトー・パルメを狙っていたんですが、案の定ハズレを引いてしまいました。ボルドーボトルなのは箱の外から判別できたんですが、それ以上は運なんですよね(笑)。とは言え、これとてシチリアを代表する作り手のネロ・ダーヴォラのフラッグシップです。悪かろうはずがありません。はりきってお試しと行きましょう。

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フィリアートは、1980年代半ばにサルヴァトーレ・ディ・ガエターノ(Salvatore Di Gaetano)さんが奥様とシチリア島トラパニ(Trapani)近くのパチェーコ(Paceco)に立ち上げたワイナリーですが、30年でシチリア最大の生産者のひとつに成長しています。シチリアの特徴を生かしたワインを作っていますが、やはりシチリア島原産ネロ・ダーヴォラのワインが有名で、今日のワインでもあるフラッグシップのアルモニウム(Harmonium)は評価も高く、パーカーおじさんも90点(2008)をつけています。

公式ページはなんと日本語表示できます。自動翻訳のようで微妙な感じですが(笑)。
Banner
ワイン紹介はショップ兼用ながらデータシート完備で助かります。

・ネロ・ダーヴォラ 100%

手摘み収穫。MLFあり。フレンチ&アメリカン混成のバリック(Durmast barrique=フユナラ製小樽)で20ヶ月の熟成。加えてボトル詰め後+12ヶ月。

これがネロ・ダーヴォラ(Nero d'Avola)、シチリア島原産です。
Botter02
「アーヴォラから来た黒いやつ」って意味ですが、シチリア島の南西の端にあるシラクーザ(Siracusa)あたりがアーヴォラ(Avola)ということらしいです。正式名称はカラブレーゼ(Calabrese)ですが、カラブリア州では栽培されず(98%がシチリア島)、シチリア島現地もネロ・ダーヴォラで通ってますから「カラブレーゼ」はシノニムとして扱っていいと思います。

フィリアートを訪問します。トラパニの町近くのパチェーコにあります。
Firriato01
実はずいぶん前にもフィリアートのネロ・ダーヴォラ(普及ライン)を飲んでいて、その時にも(Google Mapで)訪れていました。

フィリアートの拠点はシチリア島中にあり、HPでは地図で解説がされています。
Firriato_拠点
今日のワインはトラパニ付近の「Borgo Guarini」エステートで作られています。

シチリア島のGoogle Map地図にシチリアの全DOCを印したものです。
Sicilia_island4
先ほどのフィリアートの本拠地も記していますのでご確認ください。シチリア島には全部で24のDOC/DOCGがありますが、DOCGは Cerasuolo di Vittoria DOCG のみです。これはネロ・ダーヴォラとフラッパート(Frappato)主体の赤のみのDOCGです。今日のワイン、シチリアDOC(Sicilia DOC)だけシチリア島全域が対象になります。これは元 IGT Sicilia から2011年に昇格したDOCで、もとのIGT(Indicazione Geografica Tipica);=IGP(Indicazione Geografica Protetta)は IGT Terre Siciliane と改称しています。今日のワインの「シチリアDOC」はシチリア島全域が対象です。

Sicilia DOC は赤・白・ロゼ・泡・甘口となんでも可能で、以下が主要品種です。

<黒品種>
・Alicante
・Cabernet Franc
・Cabernet Sauvignon
・Carignano
・Frappato
・Merlot
・Mondeuse
・Nerello Cappuccio
・Nerello Mascalese
・Nero d’Avola (Calabrese)
・Nocera
・Perricone
・Petit Verdot
・Pinot Nero
・Sangiovese
・Syrah

<白品種>
・Ansonica
・Carricante
・Catarratto
・Chardonnay
・Damaschino
・Fiano
・Grecanico Dorato
・Grillo
・Moscato
・Müller-Thurgau
・Pinot Grigio
・Sauvignon Blanc
・Vermentino
・Viognier
・Zibibbo

お馴染みのものから聞いたことのない土着品種まで何でもありって感じです。また、熟成の規定はありません。(樽使用や熟成期間の規定なし)
今日のフィリアートはジビッボ(Zibibbo)のワインもたくさん作っていますが、これはいわゆるマスカット・オブ・アレキサンドリア(Muscat d'Alexandrie)のシノニムです。


ラベル平面化画像。
IMG_9562
コテコテのラベルデザインはちょっと高級感に欠ける気がします(笑)。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
IMG_9690
なんとDIAM10(10年保証)です。もっと寝かすべきだったかな?

Alc.14.5%。
ガーネット。
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黒ベリー、スパイス、ゼラニウム。
馬小屋臭ブレットも感じますが嫌味はない。
辛口アタック。
程よい酸。
コンパクトな感じですがしっかりした構造感。
ひなびた感じの複雑な風味もあり。
シチリアの田舎感とでも言いましょうか(笑)。
余韻もいいです。


*****

Firriato
Harmonium Nero d’Avola 2018
Sicilia DOC
RRWポイント 93点


Tenuta delle Terre Nere Etna Bianco 2020

イタリアのシチリア島は島でありながら多様性のある気候と土着品種によって実に様々なワインが作られています。しかしながら、普通に近所で手に入れようとすると、Terre Siciliane IGT など広域のお手頃なものしか見当たりません。なので都会へ買い出しに(今回はタカムラワイン)行った機会に探したりします。ということでエトナDOCの白がありました。お試しといきましょう。

IMG_9043
作り手のテッレ・ネーレは「黒い土」という意味です。シチリア島の活火山であるエトナ火山のふもとにあるプレフィロキセラ(フィロキセラに冒されていない)の畑を、バローロ・ボーイズ(現代的なバローロ造りの潮流)の仕掛け人であったワイン商かつコンサルタントのマルク・デ・グラツィア(Marc de Grazia)さんが見出し、惚れ込んで購入したところです。2002年のことだそうです。
「黒い土」は火山灰土壌の特徴であり、ブルゴーニュと同じく「クリュ」の考え方で畑の特徴が出るとしています。実際HPのワイン紹介も「グラン・クリュ」や「プルミエ・クリュ」なんて分類がしてあってこだわりを感じます。

公式ページは解説豊富なんですが若干古めかしい感じ。2019年で更新が止まっていそうです。

今日のワインはベーシックラインとして載っていて、セパージュは以下としています。

・カッリカンテ(Carricante) 70%
・カタラット(Catarratto) 20%
・グレカニコ(Grecanico) 5%
・インツォリア(Inzolia) 5%

しかし、ネット情報で2020年を調べると、こうなっているようです。

・カッリカンテ(Carricante) 60%
・カタラット(Catarratto) 25%
・グレカニコ(Grecanico) 10%
・ミネッラ(Minnella) 5%

ヴィンテージ毎に変わるみたいですね。とにかくエトナDOCの規定では、以下になっています。

<Bianco 白>
・カッリカンテ 60%以上(Superiore は80%以上)
・カタラット 40%以下
・その他は15%以下

<Rosso/Rosato 赤・ロゼ>
・ ネレッロ・マスカレーゼ(Nerello Mascalese) 80%以上
・Nerello Cappuccio(地元では Nerello Mantellato) 20%以下
・その他は10%以下

シチリアあるあるですが、ずいぶん聞き慣れない品種がたくさん出てきました。ここらでまとめて触れておきましょう。

これがエトナ・ビアンコの主体になる品種、カッリカンテ(Carricante)。
Carricante
シチリア島が原産の古い品種。エトナDOCと(島全域対象の)シチリアDOCでしか使われません。エトナDOCの品種と言っていいでしょう。オレンジ、グレープフルーツ、アニスの実など多様なアロマを持つ麦わら色の新鮮な白ワインができるそうです。

カタラット(Catarratto)。これもシチリア島が原産の古い品種です。
Catarratto-Bianco
写真のように、Catarratto Bianco Comune と Catarratto Bianco Lucido の 2 つの品種に分類され、Comune の方が糖が高く酸が低いとされますが、最近の研究で同じ品種のクローンだということがわかっています。シチリア島がほとんどで、計28,613ha と結構な栽培面積があります。

グレカニコ(Grecanico)はDNA分析によりガルガネガと同一と判明しています。
Grecanico-Dorato
グレカニコ・ドラトと呼ばれているものも、みんなガルガネガです。終了~(笑)。とにかくガルガネガは13世紀から言及されていた非常に古い品種で、おそらく(ソアヴェのある)ヴェネト州ヴェローナあたりが原産ではないかと言われています。ちなみに先ほど見たカタラットはガルガネガの子にあたります(Garganega x Mantonico Bianco 間の自然交配とされる。)。

インツォリア(Inzolia)は過去記事にあるようにフェウド・アランチョも出してます。
Inzolia_Ansonica
アンソニカ(Ansonica)という名前でトスカーナでも栽培されていますが、原産はシチリア島の方だそうです。カタラットほど多くはないですが、それでも 4,740ha あります(トスカーナ含む)。

ミネッラ(Minnella)。「Minella」とも書くようです。
Minnella
シチリア島原産でエトナDOCで使用可能な品種。それでも15%を超えてはいけません。エトナDOC以外で使えば Terre Siciliane IGT としてリリースされるでしょう。総面積もエトナ山周辺の19ヘクタールしかありません。
*IGT(Indicazione Geografica Tipica)=IGP(Indicazione Geografica Protetta)

ついでにエトナ・ロッソDOCの主要品種、ネレッロ・マスカレーゼ(Nerello Mascalese)。
Nerello-Mascalese
イタリア原産でシチリア島に多いですが一部カラブリア州にもあります(栽培面積は計2,883 ha)。2013年に実施されたDNA分析によると、おそらくサンジョヴェーゼとマントニコ・ビアンコの自然交配(Sangiovese x Mantonico Bianco)ということがわかっています。Nerello Cappuccio は定番のブレンドパートナーです。


さあ、テッレ・ネーレを訪問です。おっと、ストビューが届いていません。
TerreNere01
幹線道路沿い2ヶ所からのショットを貼っておきます。遠くて見にくいですが、バックのエトナ火山がいい感じに見えています。

シチリア島のDOC地図で位置関係を見てみましょう。エトナDOCは⑦番です。
Sicilia_island3
シチリア島には全部で24のDOC/DOCGがありますが、DOCGは ②Cerasuolo di Vittoria DOCG のみです。これはネロ・ダーヴォラとフラッパート(Frappato)主体の赤のみのDOCGです。その他DOCの範囲は地図上に番号で示しています。㉔シチリアDOC(Sicilia DOC)だけシチリア島全域が対象になります。これは元 IGT Sicilia から2011年に昇格したDOCで、もとの IGT は IGT Terre Siciliane と改称しています。


ラベル平面化画像。
IMG_9009
しかし、インポーターシールの見事な重ね貼りよ。

うまく剥がせませんでした。バーコード隠したいのはわかりますが…。
IMG_9010
ユーロリーフは見えていましたが、隠れていた「Ecogruppo Italia」は環境に配慮した持続可能な生産者に対する認証機関のマークのようです。


さあ、抜栓。
IMG_9040

コルク平面化画像。
IMG_9041
DIAM5です。

Alc.12.5%。
ゴールドイエロー。確かに麦わら色かも。
IMG_9042

梨、青リンゴ、藁のような香ばしい香り、アニス。
辛口アタック。
地味な酸と独特なコクが織りなす複雑味あり。
少し水臭いかなと最初は感じましたが、
次第にしっかり深みが出てきた気がします。

他に似てる味を知らない独特さがあります。
これがカッリカンテの味なんですね。


*****


Tenuta delle Terre Nere
Etna Bianco 2020
WWWポイント78点



WhiteWhiteWine01

Colpasso Nero D’Avola 2019 Sicilia DOC

そうだ、ネロ・ダーヴォラを飲もう。そう思って近所でゲットしたシチリアDOCのネロ・ダーヴォラです。何の拘りもないですし、正直お安い部類です(笑)。最後にネロ・ダーヴォラを飲んだのがほぼ一年前。そうなると、そろそろ飲まないとと思う性分です(笑)。

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この手のワインはシチリアDOCであっても作り手に到達するのが難しい場合があります。そう、これも裏ラベルを頼りに調べるとロンバルディア州にある大手ワイン企業らしきところでした。ミニーニ(Cantine Minini)というところで1920年創業と100年以上の歴史がありますが、扱いのワインがヴェネト、トスカーナ、アブルッツォ、カンパーニア、プーリア、シチリアと、イタリア中の産地を扱っています。生産の90%が輸出用だそうですね。イタリア中にラインアップを広げることで輸出の道を開いたということらしいです。まあ、そんなところのワインだということで。

公式ページはシンプルながらしっかりしたものです。

ただ、シチリアのラインアップに今日のワイン「Colpasso」は載っていません。

・ネロ・ダーヴォラ 100%

シチリアDOCでは85%以上で品種表示ができます。まあ、これは100%でしょう。裏ラベルに、一部のブドウを陰干し(アパッシメント)してブレンドしているとあります。少し手間はかかってるようです。

あまり気乗りはしませんがミニーニを訪問してみました。大企業です(笑)。
Minimi
まあ、ここからシチリアは遠いです(笑)。


これがネロ・ダーヴォラ(Nero d'Avola)です。
Botter02
「アーヴォラから来た黒いやつ」って意味ですが、シチリア島の南西の端にあるシラクーザ(Siracusa)あたりがアーヴォラ(Avola)ということらしいです。正式名称はカラブレーゼ(Calabrese)ですが、カラブリア州では栽培されず(98%がシチリア島)、シチリア島現地もネロ・ダーヴォラで通ってますから「カラブレーゼ」はシノニムとして扱っていいと思います。


シチリア島のGoogle Map地図にシチリアの全DOCを印したものです。
Sicilia_island2
今日のワインの「シチリアDOC」はシチリア島全域が対象です。

Sicilia DOC は赤・白・ロゼ・泡・甘口となんでも可能で、以下が主要品種です。

<黒品種>
・Alicante
・Cabernet Franc
・Cabernet Sauvignon,
・Carignano
・Frappato
・Merlot
・Mondeuse
・Nerello Cappuccio
・Nerello Mascalese
・Nero d’Avola (Calabrese)
・Nocera
・Perricone
・Petit Verdot
・Pinot Nero
・Sangiovese
・Syrah

<白品種>
・Ansonica
・Carricante
・Catarratto
・Chardonnay
・Damaschino
・Fiano
・Grecanico Dorato
・Grillo
・Moscato
・Müller-Thurgau
・Pinot Grigio
・Sauvignon Blanc
・Vermentino
・Viognier
・Zibibbo

お馴染みのものから土着品種まで何でもありって感じです。また、熟成の規定はありません。(樽使用や期間の規定なし)


ラベル平面化画像。
IMG_8224
Veganのマークがありますね。ここはVeganも頑張ってやっているようです。

インポーターシールはこの上に貼ってありました。
IMG_8223
バーコード隠したいのはわかりますが、作り手のメッセージや名称が隠れるのはいただけません。


さあ、スクリュー回転。
IMG_8312
無印~。

Alc.14%。
ガーネット。
IMG_8308

黒ベリー、プラム、カシス。
酸味乗った辛口アタック。
果実味はしっかりしています。
味わいの芯もしっかりあっていい感じ。
ピノっぽく中華にも合わせやすかったです。


*****

Colpasso
Nero D’Avola 2019
Sicilia DOC
RRWポイント 88点


Planeta Burdese 2015 Sicilia Menfi DOC

シチリアのワインをいただきます。このプラネタというところは古くからの名門でもあり、シチリアワインの名声を高めた立役者でもあるようですね。そこらへん紐解きながらいただいてみることにしましょう。今日のこのワインはパーカーおじさんも91点をつけているようです。

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プラネタ家は300年も前からシチリアの地でブドウ栽培に携わっているといいます。ワイン生産者組合の会長を務めていたディエゴ・プラネタさんはその組合をシチリア最大級にまで成長させますが、1985年に設立したプラネタ社で自社ブランドの展開を開始。若い世代とともにシチリアワインの名声を世に広める立役者となって成功しているというわけです。(創業者にしてシチリアワイン普及の偉人でもあるディエゴ・プラネタさんは2020年9月19日に他界されたそうです。合掌。)

公式ページは情報満載で読みごたえもあります。

今日のワインもしっかりデータシートで解説してあります。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 70%
・カベルネ・フラン 30%

ボルドーブレンドですね。今日のワイン名「Burdese」は「ボルドーの」という意味だそうです。プラネタの本拠地は「Menfi DOC」のエリアにあり、今日のワインも「Menfi DOC」です。ボルドー品種含む多様なブドウ品種が使用可能なDOCで、1995年にDOCになっていますが、プラネタが最初のリリースをし始めたのがちょうど1995年。これはプラネタのために用意されたDOCなのかもしれませんね。アリエ産のフレンチオーク樽(新樽率100%!)で14ヶ月の熟成と上等ボルドーを目指したような作りです。

HPにはシチリア島全域に進出したプラネタのワイナリーの地図がありました。
Planeta04
最初はメンフィ(Menfi)にあるウルモ(Ulmo)から始まり、全部で6つのワイナリーを運営しているのがわかります。

メンフィの町の周辺をGoogle Mapで見てみます。このあたりが Menfi DOC です。
Menfi
ウルモ(Ulmo)とディスペンサ(Dispensa)のワイナリー、マロッコリ(Maroccoli)の畑が確認できます。今日のワインの情報では、カベルネ・ソーヴィニヨンがディスペンサの畑から、カベルネ・フランがマロッコリの畑からとなっています。

畑の区画の図が載っていたので、Google Mapで場所を突き止めてみました。
Dispensa
ディスペンサ(Dispensa)のワイナリーの周囲がディスペンサの畑ということです。明るくして示した部分がカベルネ・ソーヴィニヨンの畑になります。

マロッコリ(Maroccoli)のカベルネ・フランの畑も探し当てましたよ。
Macalloni
区画の図の南北が逆さまだったので少々難儀しましたが、カベルネ・フランの畑を同じく明るくして示しています。ストビューでその区画に近づけなかったので少し離れたところの画像を貼っています。

これらブドウを醸したのがウルモ(Ulmo)のワイナリーだとあるので行ってみます。
Ulmo
Google Map上では「臨時休業」となっているのが気になりますが、この周囲の畑が1985年創業時に最初のブドウを植えたところになります。

シチリア島全体を俯瞰してシチリアの全DOC/DOCGと共に位置関係を確認します。
Sicilia_island2
全部で24のDOC/DOCGがありますが、DOCGは ②Cerasuolo di Vittoria DOCG のみです。これはネロ・ダーヴォラとフラッパート(Frappato)主体の赤のみのDOCGです。その他DOCの範囲は地図上に番号で示しています。㉔シチリアDOC(Sicilia DOC)だけシチリア島全域が対象になります。これは元 IGT Sicilia から2011年に昇格したDOCで、もとの IGT は IGT Terre Siciliane と改称しています。
*IGT(Indicazione Geografica Tipica)=IGP(Indicazione Geografica Protetta)


ラベル平面化画像。
IMG_7372
裏ラベルにこのワインを醸したウルモのワイナリーのイラストがありますが、ここは古い要塞を利用したワイナリーなんだそうです。1694とあるのは要塞ができた年号でしょうかね。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
IMG_7619

Alc.13.5%。
ガーネット。
IMG_7620

黒ベリー、プラム、湿った木の樽香。
辛口アタック。
酸も効果的にベースに鎮座しています。
厚み、構造感しっかり、味わいも濃く奥深いです。
程良い収斂性のタンニンも効いたまま長い余韻へ。
後味で若干のブレットを感じましたが、
総じてOK。さほど気になりません。
シチリアのボルドー、うまいこと出来ています。


*****

Planeta
Burdese 2015
Sicilia Menfi DOC
RRWポイント 93点


Gergenti Frappato Terre Siciliane IGT 2020 Vino Biologico

さて、年末に近づきますと、ワインくじのハズレ処理が始まります(笑)。今年もすでにリカマンの赤ワインくじのハズレが3種類すべて揃いました(涙)。その1本がこれ。イタリアは「Terre Siciliane IGT」のフラッパート(Frappato)のモノセパージュです。お初の品種ですから、それはそれで意義はあるんですが、気持ち的には少し後ろ向きのテイスティングです。

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元々の親会社というのがスイス出身のアーノルド・シェンクさんが1893年に設立したシェンク・ワインという国際ワイングループです。スイス、フランス、イタリア、スペインではワイナリーも所有。ドイツやUK、ベルギーには販売会社を構え、シェンク家5世代に渡り欧州から世界へと手広くワインの流通を牛耳ってるようです。で、今日のワインなんですが、シェンク・ワインのイタリアの子会社、シェンク・イタリアが作るワインということです。

Schenk Italia の公式ページはこれですが、傘下に10以上のブランドがあります。

「Gergenti」単独のサイトはないのですが、今日のワインのワイン情報はありました。

・フラッパート 100%

手摘み収穫、果皮と共に6日間の発酵。ステンレスタンク内でMLFまで終えた後瓶詰め。ボトル内で1ヶ月の熟成とのこと。あっさりしてますが裏ラベルにあるようにアカシア(安定剤)で味を整えるのでしょう(笑)。

今日の品種、フラッパート(Frappato)です。シチリア島原産だそうです。
Frppato01
シチリア島のローカル品種といえば、ネロ・ダーヴォラ(Nero d'Avola)ですが、フラッパートはそのブレンドパートナーとして使われることが多いようです。ただし、今日のように単一品種で秀逸なワインも作られていますから、スーパーセカンドといったところでしょうか。
品種として認識されたのは、シチリア島南部のラグーザ県(Ragusa)で1760年に言及されたのが最初だそうで、現在でもその辺りが栽培の中心です。シチリア島唯一のDOCG、Cerasuolo di Vittoria DOCGがいい例です。(ラグーザ県のヴィットリア周辺が対象。Nero d’Avola 50~70% +Frappato 30~50% が規定です。)その他、Alcamo DOC、Eloro DOC、Erice DOC、Menfi DOC、Sicilia DOC、Vittoria DOCでもフラッパートが使われ、85%以上で品種名を表記できます。

裏ラベルには今日のワインは「Gergenti Estate」による瓶詰めとなっていますが、住所がボルツァーノ自治県(アルト・アディジェ)の Ora とあります。これはシェンク・イタリアの本社所在地で本当の生産地ではなさそうです。よって、ワイナリー訪問は断念します。


いつもの地図ですが、シチリア島全体を俯瞰して全DOCを書き込んだものです。
Sicilia_island3
シチリアDOC(Sicilia DOC)だけがシチリア島全域が対象で、これは元 IGT Sicilia から2011年に昇格したDOCです。元の IGT(Indicazione Geografica Tipica =IGP:Indicazione Geografica Protetta)は Terre Siciliane IGT と改称しました。これが今日のワインです。よって当然ながらシチリア島全体が対象地域で、赤・白・ロゼ・泡あり、品種も国際品種含め何でもありです。


ラベル平面化画像。 ルカ・マローニ96点が誇らしげです。
IMG_6698
ユーロリーフのビオワインですね。なのにアカシア(安定剤)入りというのが何ともしっくりきません(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_6832
キャップシールはなく、写真のような帯状の紙のシールが貼ってるだけでした。

コルク平面化。
IMG_6833
ノマコルクです。サトウキビ由来のバイオプラスチック製です。

Alc.13%。
赤紫系のガーネット。
IMG_6834

カシス、ダークチェリー、青草の風味あり。
辛口アタック。
酸味が効いてるんですがいい盛り立て役です。
早飲み系のあっさり味は否めません。
バランスは悪くないんですけどね。
酸は最後まで残る感じです。

確かに品種のポテンシャルとしては、
ネロ・ダーヴォラには劣るかもしれません。


*****


Schenk Italia
Gergenti
Frappato Terre Siciliane IGT 2020
Vino Biologico
RRWポイント 85点


Cusumano Syrah 2019 Terre Siciliane IGT

イタリアはシチリア島(Terre Siciliane IGT)のシラーです。シチリアのバリエタルの宝庫、フェウド・アランチョもシラーをラインナップしてましたから、割とポピュラーな品種なのかもですね。尚、このクズマーノ(Cusumano)という作り手、以前ノアというフラッグシップを試してバリうまだったところです。とてもお手頃価格だったので、そんなに上質ではないと想像しますが、同じ作り手なら案外いいかも。

IMG_6631
作り手はクズマーノ。2000年に設立だそうで割と新しいのですが、登場以降10年以上連続して最高賞(どこの?)を獲得しているらしく、瞬く間にイタリアでも大注目のシチリアのニュー・ウェーヴと呼ばれる人気ワイナリーになってるようです。「クズマーノ」の名を世に広めたのが、前回試したフラッグシップワインである「ノア」だそうです。


公式ページはスタイリッシュですが、情報は簡素というかシンプル。

今日のワインはエントリーのバリエタルらしく情報が載っていません。ネット情報からは…
・シラー 100%
一応、手摘み収穫。除梗して低温浸漬2日間。ステンレスタンクで主発酵、マロラクティック発酵、その後の5ヶ月の熟成も行われます。

フランス原産のシラー(Syrah)ですが、総論をここで見ておきましょう。
Syrah01
歴史も古く、ヨーロッパではもちろん、新世界でも19世紀以降広まり、世界のブドウ品種ランキングで7位にランクされるほどポピュラーな品種です。起源についても多くの仮説があり、最も一般的なものは、ペルシャ(現在のイラン)の古代都市シラーズ(Shiraz)からフランスの十字軍がフランスに持ち帰った、というものです。オーストラリアのシラーズ(Shiraz)というシノニムはここから来てそうですね。
他にも諸説あり、ギリシャのキクラデス諸島の島、シロス島(Σύρος = Syros)の別名をシラ(Syra)と言い、ここから来たという説。また、興味深いことに今日のワインのシチリア島にあるシラクサ(Siracusa)の町から来たというの説もあります。であれば、今日のワインの選択は間違っていない感じです(笑)。尚、これら諸説はどれも歴史的にも植物学的にも根拠はありません。

2000年に行われたDNA分析によって、シラーはおそらくフランスの2つの古い品種の自然交配と判明しています。ペルシャ、ギリシャ、イタリア起源説は吹っ飛びました(笑)。モンドゥーズ・ブランシュ(Mondeuse Blanche)xデュレザ(Duréza)という交配ですが、驚いたこととにモンドゥーズ・ブランシュは名前の通り白品種です。

栽培面積ではフランスがダントツで 65,592ha(2016年)。ヨーロッパではスペイン(19,488ha)、イタリア(7,693ha)が続きます。イタリアではピエモンテ、シチリア、トスカーナで多いそうです。

シラー(Syrah)をシラーズ(Shiraz)として世に広めたオーストラリアは、38,942haという栽培面積を誇ります。その次が意外なアルゼンチンで 12,707ha。次が南アフリカで 9,946ha。アメリカがその次、9,083ha。チリがその次の 7,994ha。イタリアには僅差で勝ってます(笑)。


さあ、作り手訪問。州都パレルモの西側、パルティニーコ(Partinico)にあります。
Cusumano01
規模は大きいんですが、工場然としてますね。きれいな門構えの施設もありそうなんですが、ストビューでは見当たらず。

クズマーノはシチリア島各地に5ヶ所の拠点があるようです。
Sicilias
公式ページからの情報ですが、詳しい住所や外観写真はありません。


シチリア島全体を俯瞰して、位置関係と懸案のシチリアの全DOCを書き込みます。
Sicilia_Island01
全部で24のDOC/DOCGがありますが、DOCGは Cerasuolo di Vittoria DOCG のみです。これはネロ・ダーヴォラとフラッパート(Frappato)主体の赤のみのDOCGです。その他DOCの範囲は地図上に番号で示しました。㉔シチリアDOC(Sicilia DOC)だけシチリア島全域が対象になります。これは元 IGT Sicilia から2011年に昇格したDOCで、もとの IGT は IGT Terre Siciliane と改称しています。これが今日のワインですね。
※ IGT(Indicazione Geografica Tipica)= IGP(Indicazione Geografica Protetta)

シチリアのDOCについてここ情報が詳しかったので参考にしています。
上のGoogle Map書き込み地図はそこに載っていた地図が元ネタです。


ラベル平面化画像。
IMG_6609
クズマーノのラベルは全部この形に統一してるようですね。

インポーターシールは裏ラベルを隠していませんでした。エライ。
IMG_6610


さあ、抜栓…れれれ? キャップシールを剥がすとガラスの栓になってます。
IMG_6628
初めてガラス栓にお目にかかりました。コストダウンにはならないでしょうから、何かのこだわりがあるんでしょうね。

Alc.13%。
赤味がかったガーネット。
IMG_6629

黒ベリー、胡椒。
甘み感じる辛口アタック。
正体は甘やかな酸だとわかります。
若干厚み弱めの味ですが苦味系の複雑味を纏ってる感じ。
喉越しからフィニッシュにかけて最初の酸が本領発揮してきます。
けっして上質感を狙ったワインでないことは理解してますが、
若い早飲みワインを思わす酸の味わいで終わるのが少々残念かな。


*****

Cusumano
Syrah 2019
Terre Siciliane IGT
RRWポイント 87点


Cusumano Noà 2015 Sicilia DOC

久しぶりのシチリアです。シチリアにしては結構上等なお値段で(失礼!)、パーカーおじさんも軒並み高得点のようです。(この2015は93点。2016は94点です。)たまたまグランマルシェで特売になってたので速攻ゲットと相成りました。やはりネロ・ダーヴォラ主体のようです。この品種のポテンシャルは高いと思っていますが、上等なのを経験していないので楽しみです。

IMG_5713
作り手はクズマーノ。2000年に設立だそうで割と新しいのですが、登場以降10年以上連続して最高賞(どこの?)を獲得しているらしく、瞬く間にイタリアでも大注目のシチリアのニュー・ウェーヴと呼ばれる人気ワイナリーになってるようです。「クズマーノ」の名を世に広めたのが、フラッグシップワインである「ノア」だそうです。今日のワインじゃん。


公式ページはスタイリッシュですが、情報は簡素というかシンプル。

ワインの詳細はデータシートでカバーしています。
・ネロ・ダーヴォラ 40%
・メルロー 30%
・カベソー 30%
若干ネロ・ダーヴォラ多めですが、がっつり国際品種とのブレンドですね。オーク樽でのマロラクティック発酵、その後12ヶ月の熟成だそうです。

これがネロ・ダーヴォラ(Nero d'Avola)です。
Botter02
「アーヴォラから来た黒いやつ」って意味ですが、シチリア島の南西の端にあるシラクーザ
(Siracusa)あたりがアーヴォラ(Avola)らしいっす。正式名称はカラブレーゼ(Calabrese)ですが、カラブリア州では栽培されず(98%がシチリア島)、現地もネロ・ダーヴォラで通ってますから「カラブレーゼ」はシノニムとして扱っていいと思います。


さあ、作り手訪問。州都パレルモの西側、パルティニーコ(Partinico)にあります。
Cusumano01
規模は大きいんですが、工場然としてますね。きれいな門構えの施設もありそうなんですが、ストビューでは見当たらず。

クズマーノはシチリア島各地に5ヶ所の拠点があるようです。
Sicilias
公式ページからの情報ですが、詳しい住所や外観写真はありません。


シチリア島全体を俯瞰して、位置関係と懸案のシチリアの全DOCを書き込みます。
Sicilia_Island01
全部で24のDOC/DOCGがありますが、DOCGは Cerasuolo di Vittoria DOCG のみです。これはネロ・ダーヴォラとフラッパート(Frappato)主体の赤のみのDOCGです。今日のワイン、シチリアDOC(Sicilia DOC)だけシチリア島全域が対象になります。これは元 IGT Sicilia から2011年に昇格したDOCで、もとのIGT(Indicazione Geografica Tipica);=IGP(Indicazione Geografica Protetta)は IGT Terre Siciliane と改称しています。

シチリアのDOCについてここ情報が詳しかったので参考にしています。
上のGoogle Map書き込み地図はそこに載っていた地図が元ネタです。


ラベル平面化画像。
IMG_5562

インポーターのフードライナーは裏ラベル隠さず偉いです。
IMG_5561


さあ、抜栓。
IMG_5708

コルク平面化。
IMG_5710
DIAM30? 初めて見た気がする。どんだけ熟成する気だろう?

Alc.15%。(pH:3.61、Brix:7.5)
濃いめガーネット。
IMG_5709

黒ベリー、プラム、ダークチェリー。
辛口アタック。
酸はありますが、
コク、厚みしっかりあっていい感じ。
タンニンの刺激もいい仕事しています。
酸味は最後まで残るんですが余韻も十分楽しめます。
う~ん、やっぱりパーカーおじさんは正しい。(笑)


*****


Cusumano
Noà 2015
Sicilia DOC
RRWポイント 93点


Prodigo Sicilia DOC Nero d’Avola 2018

久しぶりにグランマルシェを覗くと、ワインもいろいろ年末の特売になっていて思わず何本か調達。そんな中で(これは特売ではなかったのですが)気になってついでにゲットしたのがコレ。しばらくシチリアのネロ・ダーヴォラも試してないな~(昨年以来?)というのと、「ottenuto da uve leggermente appassite」の表示が気になりました。イタリア語は専門ではありませんがスペイン語の知識があると「obtenido de uvas ligeramente secadas(少しだけ乾燥させたブドウ使ってます)」の意味であることはすぐわかりました。

IMG_4520
シチリアDOCなのですが、作り手はヴェネチアにある大手エクスポーターのボッテール社ということになっています。イタリアのお手頃ワインというのはこういうパターンが多く、本当の生産者にたどり着けなくて残念ではあります。

一応、公式ページはこれですが、案の定今日のワインのかけらも載っていません。(笑)

インポーターのメモスの情報によればこんな感じ。
・ネロ・ダーヴォラ 100%
アパッシメントは、葉っぱを切り落とし、15日間樹上にブドウを放置プレー。これで50%の水分が飛ぶそうです。手摘み収穫。長めのマセラシオン。樽熟成を5~6ヶ月だそうです。

これがネロ・ダーヴォラ(Nero d'Avola)です。
Botter02
「アーヴォラから来た黒いやつ」って意味ですが、シチリア島の南西の端にあるシラクーザ
(Siracusa)あたりがアーヴォラ(Avola)らしいっす。正式名称はカラブレーゼ(Calabrese)ですが、カラブリア州では栽培されず(98%がシチリア島)、現地もネロ・ダーヴォラで通ってますから「カラブレーゼ」はシノニムとして扱っていいと思います。

ご参考までにインポーターのメモスの紹介PDFのスクショを貼っておきます。
Botter
一緒に載ってるのがボッテール社の紹介と扱いワインです。

シチリア島ではありませんが、一応ボッテール社を訪問しておきます。
Botter01
ヴェネチアから車で30分。小さな町の大きな工場って感じです。


さて、シチリアDOC(Sicilia DOC)ですが、2011年に IGT(Indicazione Geografica Tipica)/ IGP(Indicazione Geografica Protetta)からDOC(Denominazione di Origine Controllata)に昇格しています。従来の IGT / IGP は、IGP Terre Siciliane と名称を変えて残っています。シチリア島全域を対象とするDOCとIGPが存在するわけですが、それぞれの規定を見ても大きな違いが見当たりません。どう使い分けるんでしょうね?(細かな違いでは「DOCのRossoは規定4品種を50%以上使用」という条件はIGPにはありません。)大半がこのDOC / IGPになるのでしょうが、シチリア島にはまだまだけっこうたくさんのDOCがあります。(以下の地図ご参照)
Botter03
この中で他に試したことのあるのは、Eloro DOCくらいですね。課題は多し。


ラベル平面化画像。
IMG_4514
Gilbert & Gaillardの金メダルが誇らしげ。


さあ、抜栓。
IMG_4516
なんだこのコルクの模様は?

コルク平面化。
IMG_4517
ボッテール社のマークのようです。ワインを飲む悪魔?

Alc.13.5%。(pH:4.43、Brix:7.9)
濃いガーネット。
IMG_4518
ブラックベリー、カシス、茎っぽさもあります。
酸味が乗った辛口アタック。
酸のせいか厚みが弱く軽めに感じます。
味わいの方向性は悪くないんですが、
遅摘みアパッシメントの効果が出てないような…
もう少し重みが欲しいところですね。
最後まで酸が付きまとい、
これが、うまいかもしれない味わいを、
マスクして弱めてるのかもしれません。


*****


Prodigo
Sicilia DOC Nero d’Avola 2018
RRWポイント 86点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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