シュロス・フォルラーツ(Schloss Vollrads)の生産者イベントです。
ドイツに5つしかない特別特級単一畑(偉大過ぎて村名抜き畑名だけで名乗れる)、
オルツタイルラーゲ(Ortsteillage)のうちの一つです。ゴイゴイスー。
そこの最高責任者Dr. Rowald Heppさんの解説を聞きながら、その方いわく、
「ひとつの畑、ひとつの作り手、ひとつの品種(リースリング)、そこからの、
5つの異なったワインを味わう」という興味津々、夢のような企画です。


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お次は、カビネットからひとつ上がってシュペートレーゼです。
トロッケンではないので、甘そうなのは想像できます。
2004年ですから結構寝かせてありますね。

公式ページには、シュペートレーゼが載っているのですが、
2016年であまり参考にならなさそうです。
また、「GDW」とラベルにありますが、格付け・等級などの呼称ではなく、
「Great Dinner Wine」という意味のオリジナルの表示だそうです。

ワイナリー最高責任者Rowaldさんの話では、実はこのワイン、
あまり海外、特にアメリカに輸出してないそうです。
「アメリカ人は熟成甘口リースリングを理解できないから、出しても無駄」と、
軽くアメリカ人をディスっておられました。(笑)


またまた、プラディカーツヴァイン(Prädikatswein)のおさらいです。
この下のQbA(クーベーアー、特定産地上質ワイン)は補糖が認められていますが、
Prädikatswein、旧称QmP(Qualitätswein mit Prädikat、肩書き付き上質ワイン)
は全く許されていません。そもそも補糖が必要ないほど糖度がありますけどね。
Spatlese

・Kabinett:通常収穫の完熟ブドウ(最低エクスレ度:67〜82)
Spätlese:Kabinettより7日間以上遅い遅摘み(最低エクスレ度:76〜90)
・Auslese:Spätleseより糖度の高い房選り収穫(最低エクスレ度:83〜100)
・Beerenauslese: より過熟した粒選り収穫(最低エクスレ度:110〜128)
・Trockenbeerenauslese:主に貴腐により干しブドウ化(最低エクスレ度:150〜154)
・Eiswein:樹上で自然凍結したブドウを使用(最低エクスレ度:110〜128)

エクスレ度はモスト量(Mostgewicht)を表すもので、
モスト(未発酵葡萄搾汁)の糖度を規定するものであって、
最終のワインの糖度を表すものではないということでしたね。

尚、最低アルコール度数というのもPrädikatsweinでは規定されていて、
KabinettからAusleseまでは7%。(Trocken)beerenauslese、Eisweinは5.5%です。


ラベル平面化画像。
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さあ、いただきましょう。
Alc.11.5%。黄味の強いゴールド。
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あんず、はちみつ、リンゴのコンポート。
甘すぎない口当たりです。
色からすると肩透かしなくらい軽い甘さ。
しかしその分、甘みに中の複雑味を味わえる気がします。
さすが、熟成リースリング。

ブルーチーズが合う!
食後酒、甘ったるくなくてもいいもんですね。
確かにグレート・ディナー・ワインかもしれません。
次に続きます。


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Schloss Vollrads
Spätlese GDW
Rheingau Riesling 2004 
WWWポイント 79点



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