スペインはボデガス・ルソンのプチ・ヴェルド(Petit Verdot)のモノセパージュです。プチ・ヴェルドはボルドー左岸の名だたる格付けワインに使われていますが、大抵数%ブレンドされるだけです。プチ・ヴェルド100%ってどんなだろう?と手を出してしまいました(笑)。ボデガス・ルソンは前から何度か試していますが、DOフミージャの代表品種モナストレル(ムールヴェードル)だけじゃなく、ガルナチャ・ティントレラ100%なんてのも出していて面白い作り手です。

公式ページは大手らしく派手ですが、情報関連はあっさりですね。
残念なのは今日のプチ・ヴェルドが載っていないことです。ネット情報に頼ります。
・プチ・ヴェルド 100%
古いヴィンテージでは樽熟をしていたようですが、今の仕様はステンレスタンクで発酵・熟成、2~4日のスキンコンタクトで色・風味をしっかり抽出するそうです。
DOフミージャ(Jumilla)の公式サイトで規定を調べてみました。赤・白・ロゼがあります。
赤の使用品種は、Monastrell(=Mourvèdre)、Garnacha Tintorera(=Alicante Henri Bouschet)、Cencibel(=Tempranillo)、Cabernet Sauvignon、Garnacha、Merlot、Syrah、Petit Verdot となっており、ちゃんとプチ・ヴェルドは入っています。この中でも、やはりモナストレルは主要品種とされ、85%以上で「Monastrell」が表示できます。
一応、白の品種も列挙しておきます。Airén、Macabeo、Pedro Ximénez、Malvasía、Chardonnay、Sauvignon Blanc、Moscatel de grano menudo(=Muscat Blanc à Petits Grains)、Verdejo。
これがプチ・ヴェルド。晩熟の品種なのがボルドーでメインにならない理由のようです。

プチ・ヴェルドの正確な親子関係は不明です。DNA分析によると、ピレネー山脈の近くの野生ブドウから派生した可能性があるそうです。
フランスでは合計870haが植えられており、そのうち約500haがボルドーといいます。シャトー・ラトゥール、シャトー・マルゴー、シャトー・パルメなど少量とはいえ、必ずブレンドするということは何か意味があるんでしょうね。サン・テミリオンやポムロールでは晩熟が問題となり、1960年代以降栽培されなくなっています。
フランス以外のヨーロッパでは、1990年代に導入され比較的新しいスペインが1,804haでダントツです。次点はグッと落ちてイタリアに296haあります。
世界では、合計8,124ha(2016年)になり、米国(1,219ha)、オーストラリア(1,118ha)、チリ(863ha)、南アフリカ(749ha)、アルゼンチン(740ha)と続きます。アルゼンチンでは長い間別品種とされ「Fer」と呼ばれていました。
何度も(Google Mapで)訪問していますが、これがボデガス・ルソン。

フミージャの町の郊外にあります。上空からでもかなり立派な施設なのがわかります。
DOフミージャ(Jumilla)はスペインのDO地図で見るとここになります。

左端にムルシア州のDO地図をインポーズしましたが、DOフミージャ対象地域の形が少し違いますね。これは、DOフミージャの対象がムルシア州のフミージャだけでなく、お隣のカスティージャ・ラ・マンチャ州(Castilla-La Mancha)のアルバセテ県(Albacete)のムニシピオ(Municipio=基礎自治体)を含むからです。
ムルシア州をGoogle Mapで俯瞰して、その辺りを図示してみます。

黄色がムルシア州の境界。赤で囲ったところがフミージャのムニシピオになります。で、これに加えDOフミージャの対象地域には、隣接するアルバセテ県の、Fuentealamo、Albatana、Ontur、Hellín、Tobarra、Montealegre del Castillo といったムニシピオが含まれます。青色で囲ったところが、これらを含むDOフミージャの正しい範囲になります。なので、インポーズした地図は、ムルシア州のDOとして州外の部分をカットしているということのようですね。
このあたりも、先ほどのDOフミージャ(Jumilla)の公式ページでわかりますよ。
ラベル平面化画像。

DOフミージャの認証シールもあります。
さあ、抜栓。

キャップシール、コルクともボデガス・ルソンのロゴ入り。
コルク平面化。


Bodegas Luzón

ボデガス・ルソンはスペインでも有数のワイン生産者・エクスポーターです。実は、起源が1841年までさかのぼるそうです。スペイン王立軍の指揮官、ドン・ホセ・デ・モリーナが当時の植民地フィリピンから地元フミージャ(Jumilla)に戻り、ブドウ園を開いたのが始まりです。その農園に懐かしのフィリピン、ルソン島の名前をつけたので「ボデガス・ルソン」です。ルソンって本当にルソン島のことだったんですね。(笑)
公式ページは大手らしく派手ですが、情報関連はあっさりですね。
残念なのは今日のプチ・ヴェルドが載っていないことです。ネット情報に頼ります。
・プチ・ヴェルド 100%
古いヴィンテージでは樽熟をしていたようですが、今の仕様はステンレスタンクで発酵・熟成、2~4日のスキンコンタクトで色・風味をしっかり抽出するそうです。
DOフミージャ(Jumilla)の公式サイトで規定を調べてみました。赤・白・ロゼがあります。
赤の使用品種は、Monastrell(=Mourvèdre)、Garnacha Tintorera(=Alicante Henri Bouschet)、Cencibel(=Tempranillo)、Cabernet Sauvignon、Garnacha、Merlot、Syrah、Petit Verdot となっており、ちゃんとプチ・ヴェルドは入っています。この中でも、やはりモナストレルは主要品種とされ、85%以上で「Monastrell」が表示できます。
一応、白の品種も列挙しておきます。Airén、Macabeo、Pedro Ximénez、Malvasía、Chardonnay、Sauvignon Blanc、Moscatel de grano menudo(=Muscat Blanc à Petits Grains)、Verdejo。
これがプチ・ヴェルド。晩熟の品種なのがボルドーでメインにならない理由のようです。

プチ・ヴェルドの正確な親子関係は不明です。DNA分析によると、ピレネー山脈の近くの野生ブドウから派生した可能性があるそうです。
フランスでは合計870haが植えられており、そのうち約500haがボルドーといいます。シャトー・ラトゥール、シャトー・マルゴー、シャトー・パルメなど少量とはいえ、必ずブレンドするということは何か意味があるんでしょうね。サン・テミリオンやポムロールでは晩熟が問題となり、1960年代以降栽培されなくなっています。
フランス以外のヨーロッパでは、1990年代に導入され比較的新しいスペインが1,804haでダントツです。次点はグッと落ちてイタリアに296haあります。
世界では、合計8,124ha(2016年)になり、米国(1,219ha)、オーストラリア(1,118ha)、チリ(863ha)、南アフリカ(749ha)、アルゼンチン(740ha)と続きます。アルゼンチンでは長い間別品種とされ「Fer」と呼ばれていました。
何度も(Google Mapで)訪問していますが、これがボデガス・ルソン。

フミージャの町の郊外にあります。上空からでもかなり立派な施設なのがわかります。
DOフミージャ(Jumilla)はスペインのDO地図で見るとここになります。

左端にムルシア州のDO地図をインポーズしましたが、DOフミージャ対象地域の形が少し違いますね。これは、DOフミージャの対象がムルシア州のフミージャだけでなく、お隣のカスティージャ・ラ・マンチャ州(Castilla-La Mancha)のアルバセテ県(Albacete)のムニシピオ(Municipio=基礎自治体)を含むからです。
ムルシア州をGoogle Mapで俯瞰して、その辺りを図示してみます。

黄色がムルシア州の境界。赤で囲ったところがフミージャのムニシピオになります。で、これに加えDOフミージャの対象地域には、隣接するアルバセテ県の、Fuentealamo、Albatana、Ontur、Hellín、Tobarra、Montealegre del Castillo といったムニシピオが含まれます。青色で囲ったところが、これらを含むDOフミージャの正しい範囲になります。なので、インポーズした地図は、ムルシア州のDOとして州外の部分をカットしているということのようですね。
このあたりも、先ほどのDOフミージャ(Jumilla)の公式ページでわかりますよ。
ラベル平面化画像。

DOフミージャの認証シールもあります。
さあ、抜栓。

キャップシール、コルクともボデガス・ルソンのロゴ入り。
コルク平面化。

Alc.14.5%。(pH:4.39、Brix:8.0)
とても濃い、紫がかったガーネット。

黒ベリー、カシス、アセロラ、スミレ。
鈍い酸味が乗った辛口アタック。
苦味と呼べる種類のタンニンも感じます。
もう少し味わいに厚みがあれば、
それらを受け止められるのに少々弱いですね。
それらを受け止められるのに少々弱いですね。
しかし、鈍い酸味と苦いタンニンは不思議に均衡しています。
この辺りはダメダメじゃない良さを感じます。
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Bodegas Luzón
Finca Luzón
Petit Verdot 2019
Jumilla
Petit Verdot 2019
Jumilla
RRWポイント | 88点 |
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