Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Tasmania

Eddystone Point Pinot Noir 2019 Tasmania

コストコで見つけた、オーストラリアはタスマニアのピノ・ノワール。タスマニアと言えば過去にテイマー・リッジという作り手のをいくつか試していて、タスマニアのピノは間違いないという印象があります。今日のはまた違う作り手のようです。やっぱりタスマニアのピノは間違いないのか確かめられますね。非常に楽しみです。

IMG_9328
作り手は「Bay of Fires Wines」といい、1990年代にタスマニアのワイン生産者や栽培家が共同で立ち上げたワイナリーです。タスマニア島の北東岸に「Bay of Fires(ファイヤーズ湾)」という白い砂浜の美しいビーチがあり、そこから名付けているようですが、ワイナリーはそこにはなく、また畑もタスマニア島各地にあるようです。今日のワインの「Eddystone Point」はファイヤーズ湾にある岬です。とにかくタスマニアの名所に因んだネーミングの作り手ということで、郷土愛を感じます。

公式ページはこれですが、「Eddystone Point」のブランドサイトになっています。

こちらにはちゃんとデータシートがありました。

本体の「Bay of Fires」のサイトはこちら。何度もエイジゲートが出てきて少々ウザいです。

ベイ・オブ・ファイヤーズのお手頃カジュアルラインがエディストーン・ポイントということのようです。

・ピノ・ノワール 100%

お手頃ラインにしては、100%手摘み収穫、新樽率25%のフレンチオーク樽で9ヶ月の熟成と贅沢な作りになっています。

ベイ・オブ・ファイヤーズを訪問。立派なワイナリーですがストビューでは入れません。
BaysofFire01
パイパーズ・リバー(Pipers River)という小川が敷地の周囲を走っています。この辺りのブドウ畑を「Pipers River」と名付けているようです。

Google Mapでタスマニア島を俯瞰して作り手の所在・位置関係を確認しましょう。
TasmaUP
テイマー川に近いですね。名前の由来、ファイヤーズ湾は少し離れています。エディストーン・ポイント(Eddystone Point)の岬も発見。岬には年代物の灯台がありました。

これがベイ・オブ・ファイヤーズの畑の所在です。(HPに地図がありました。)
TasmaVineyards

これら畑の共通点は川の近くの渓谷やラグーンなど水辺だということです。今日のワインは、Derwent River Valley、Tamar Valley、East Coast の3ヶ所の畑からだそうです。

政府公式のワイン・オーストラリアというサイトからタスマニアの地図を拝借。
Tasmania01
産地なんかが書いてあると思ったら地名だけでした。非公式に「北タスマニア」「南タスマニア」に分かれているようです。なんかアバウトやな。

タスマニア島はオーストラリア最南端の島です。
Australia-Wine-ZONE
南半球なので本土のワイン・ゾーン(Wine Zone)より冷涼な気候ということになります。

同じくワイン・リージョン(Wine Region)の地図も貼っておきましょう。
Australia-Wine-Region
タスマニアは「South Eastern Australia」という大括りの「Zone」に属する「State」で、「Tasmania」という「Region」を内包するという関係になります。


ラベル平面化画像。
IMG_9163

コストコシール、何を隠したかったんだか、ひどい貼り方です。
IMG_9162


さあ、スクリュー回転。
IMG_9326

Alc.13.5%。
クリアに透けるルビー。
IMG_9327

ラズベリー、プラム、イチゴ。
フルーティな佃煮香(樽香~熟成香)?
辛口アタック。
程よい酸と苦味様のコクが絶妙のバランスを演出。
ピノの軽やかな良さを思う存分発揮してる感じです。

これは楽しい。スルスルいけました。
やはりタスマニアのピノは間違いがないようです。


*****


Bay of Fire Wines
Eddystone Point
Pinot Noir 2019
Tasmania
RRWポイント 94点


Devil’s Corner Resolution Pinot Noir 2017 Tasmania

オーストラリアはタスマニアからのピノ・ノワール。このブログでは3度目です。
まず最初が、適当に店頭で手にしたデヴィルズ・コーナーでした。これが意外においしくて感動し、その本家であるテイマー・リッジがもっとおいしいと踏んで試したわけですが、十分おいしかった割に期待が大きすぎたようで評価は上がらずという結果。じゃあ今度は、おいしかったデヴィルズ・コーナーの上等ラインなら間違いないだろうと今日のコレになったという訳です。(笑)


IMG_3657
1994年設立のタスマニアを代表するテイマー・リッジというワイナリーがデイリーレンジとして始めたのがこのデヴィルズ・コーナーというところ。今ではテイマー・リッジのデイリーレンジ扱いだったローエンドだけではなく、この「Resolution」のような上等キュヴェもラインナップしています。

2010年、ヴィクトリア州の老舗ワイン生産者であるブラウン・ブラザーズに買収され、タスマニア北東部の比較的温暖なカイエナ・ヴィンヤード(Kayena Vineyard)のブドウから造るテイマー・リッジTamer Ridge)と、冷涼な東部フレイシネ半島近くに位置するハザーズ・ヴィンヤード(Hazards Vineyard)から造られるデヴィルズ・コーナーDevil’s Corner)とを、2つを異なるスタイルと位置付け、それぞれのコンセプトのもと個別ブランドの確立を進めてきたそうです。なるほど…本家がさらにうまいとかそういう関係じゃなかったわけですね。(笑)

タスマニアを含むオーストラリア地図上で2つのワイナリーの位置関係を確認しましょう。
TamarRidge02
Tamer Ridge、Devil's Corner間は車で2時間。オーストラリア最南端の産地ですが、南半球なので最冷涼地域ってことですね。そして南にあるデヴィルズ・コーナーの方が、海岸にも近く、さらに冷涼ということになります。つまりはこの2つ、けっこうな違いがありそうですね。


公式ページはこれなんですが、例によってワイン情報はショップと兼用。

この「Resolution」という上等レンジも、やはり最新ヴィンテージの2018しか載ってませんでしたが、内容にあまり差はないでしょう。
・ピノ・ノワール 100%
低温浸漬もしますし、テクスチャーと複雑味を出すために一部全房だそうです。
オープントップのファーメンターで人力のピジャージュを1日6回。
新樽率19%のフレンチオークで18ヶ月のようです。そこそこの情報がありました。


デヴィルズ・コーナーを再訪しておきます。周りに畑以外何もなし。(笑)
Devil01
この畑がタスマニア島東岸にあたる Hazards Vineyard になります。

全景だとこんな感じ。
TR01
セラードアということでカフェやシーフードの軽食なんかもやってるようです。パッと見ではわかりませんが、ワインはここで醸してなさそうですね。


本家のテイマー・リッジはテイマー川という大河の畔にあって、一帯をTamer Valleyといいます。
この川が直角に曲がる船の難所があって、その名が Devil's Corner「悪魔の曲がり角」なんですね。
TR02
元はテイマー・リッジのデイリーレンジですから、近くの名所から名前を取ったのでしょうが、現在のデヴィルズ・コーナーはテイマー川からはるか遠くにあり、ブドウも周辺のハザーズ・ヴィンヤードですから、ぜんぜん名前の由来との関りがなくなっているのが「なんだかな~。」ではあります。


ラベル平面化画像。
IMG_3593
横長1枚ものですね。インポーターシールは遠慮して縦貼り。(笑)


さあ、スクリュー回転。
IMG_3655
エンボスの「DC」マーク入り。

Alc.13.5%。(pH:3.84、Brix:7.2)
クリア感あるルビー。エッジかすかにオレンジ気味。
IMG_3656

ラズベリー、チェリー。
全房のお陰か茎感も。
茎感は何というか複雑な香りです。
酸味が乗った辛口アタック。
複雑な滋味を中に持つ味わいは、
酸のベールで覆われながらも完璧なバランスが成立してます。
喉越しで苦味がかすかに現れ、余韻前を盛り立てます。
フィニッシュで最初の酸を強めに感じたので、
最終的な評価に微妙な影響を与えそうです。

ノーマルのデヴィルズ・コーナーより複雑味が増してる気がしますが、
びっくりするような差にはなってないと思いました。
これなら、半額近いノーマルの方で十分かと思われます。(笑)
(希望小売価格は、Resolution:5,200円、ノーマル:2,800円)
(現地の値段は、34ドル vs. 24ドルで差は1.4倍ほどですが…。)


*****


Devil’s Corner
Resolution Pinot Noir 2017
Tasmania
RRWポイント 93点


Tamer Ridge Pinot Noir 2017 Tasmania

以前、Devil's Cornerというタスマニアのピノを試して、おいしくて驚いたのですが、
それはタスマニアを代表するTamer Ridgeというワイナリーのデイリーレンジでした。
そうなると、その本家はいかほどの味かと興味が湧きますよね。
というわけで、今日は満を持してそのテイマー・リッジをいただこうと思います。


IMG_3297
1994年創業のテイマー・リッジは、ピノ・ノワール作りに一家言あるようです。
「我々はワイン・メーカーである前に、ピノ・ノワール・メーカーである。」
このように公式サイトで訴えています。
「パーフェクトなピノ・ノワールを作るには、シドニー・ノーランが50%と、
アインシュタインが50%必要。」なんてことも書いてます。
シドニー・ノーランはオーストラリアを代表する画家・芸術家ですので、
ピノ・ノワール作りには「芸術」と「科学」が絶妙なバランスで必要ということが、
彼らの言いたいことなんでしょうね。とにかくすごい自信です。(笑)


公式ページはシンプルかつ大手っぽくよく出来ています。
ヴィクトリア州の大手生産者ブラウン・ブラザーズ傘下になってることもわかります。

ピノ・ノワールには上にリザーブやシングル・ブロックなどのラインナップがあり、
今日の素ピノは一番下のレンジのようですね。
・ピノ・ノワール 100%
樽熟は総量の20%のみで、新樽、2~3年落ち樽の混合で10~12ヶ月のようです。
デヴィルズ・コーナーは樽なしでしたから、ちょっとお手間入りという感じです。


テイマー・リッジはタスマニア島の北側、その名もテイマー川河畔にあります。
TamarRidge01
ここはセラー・ドアということで訪問可能のようです。ここから川までの間、
テイマー・リッジのものかわかりませんが、ブドウ畑が広がっています。


タスマニアを含むオーストラリア地図上で位置を確認しておきましょう。
TamarRidge02
Tamer Ridge、Devil's Corner間は車で2時間。タスマニア、結構大きいです。
オーストラリア最南端の産地ですが、南半球なので最冷涼地域ってことですね。


ラベル平面化画像。
IMG_3225
裏までぐるっと一枚タイプ。熟成がフレンチオークで9ヶ月となってます。あれれ?
インポーターシールは縦貼りで重ねずOKです。読みにくいけど…。


さあ、抜栓ならぬスクリュー回転。
IMG_3300
キャップのはエンボスで「TR」と入っています。

Alc.13.0%。(pH:3.63、Brix:6.3)
しっかりしたルビー。
IMG_3301

ラズベリー。海苔の佃煮風味からの茎っぽさ。
辛口アタック。
酸は若干前に出てくるんですが、
それほどきつくなく、フレッシュ感に貢献しています。
味わいのバランスはいいんですが、少々薄めか弱い感じがします。
喉越しから余韻で苦味様の味が加わり、複雑味を増していきます。
でも、フィニッシュでやっぱりあっさり目な印象で終わるんですよね。
レベルは十分高いんですが、少々期待が先行しましたかね~。

デヴィルズ・コーナーは派生ブランドながら、
独自の個性を確立している気がします。
なので親元のテイマー・リッジとは言え、
デヴィルズ・コーナーからマイナス1点しておきます。



*****


Tamer Ridge
Pinot Noir 2017
Tasmania
RRWポイント 92点


Devil’s Corner Pinot Noir 2018 Tasmania

オーストラリア南端にあるタスマニア島、そこのピノ・ノワールだそうです。
南半球の南端ということは冷涼な気候になり、ピノにいいのかもですね。
リカマンで特売だったということは置いておいて(笑)初タスマニアです。
近年タスマニアでも注目のワイナリーだそうで、楽しみであります。


IMG_1715
1994年設立のタスマニアを代表するテイマー・リッジというワイナリーが、
デイリーレンジとして始めたのがこのデヴィルズ・コーナーなんだそうで。
その後ヴィクトリア州の大手生産者であるブラウン・ブラザーズに買収されますが、
その資金力を使い、Tamer RidgeDevil's Cornerを2つの異なるスタイルとして、
自社タスマニア・ブランドの確立に注力した結果、なんだかんだで(笑)、
デヴィルズ・コーナーはタスマニアで 1、2を争うブランドに成長したんだそうです。


公式ページは見やすくていいですが、ワイン情報はショップページ兼用です。

・ピノ・ノワール 100%
は当然として、醸造について詳しい記述がなくて残念。樽はなさそう。
興味深いのが「air maceration technique」を使っているという記述。
ミシェル・ロランおじさんのマイクロ・オキシジェネーションみたいなのかな?


テイマー・リッジの公式ページがこちら。デザイン・体裁はほぼ同じです。

こっちの方がかなりのピノ・ノワール押し。こっちのも試してみたいですね。
テイマー・リッジはテイマー川という大河の畔にあって、一帯をTamer Valleyといいます。
実はこの川が直角に曲がる船の難所があって、その名がDevil's Cornerなんです。
「悪魔の曲がり角」ってことですね。


さて、
デヴィルズ・コーナーを訪問ですが、テイマー・リッジからちょっと離れています。
もともと派生ブランドだったので本家とは別の場所なのはいいんですが、
船の難所の「Devil's Corner」とは全く別の場所なのがなんとも微妙です。(笑)
Devil01
きれいな畑に囲まれていますが、ポツンと一軒家状態ではあります。
施設はオシャレかつワイルドな感じでなかなかいい。行ってみたいです。


ワイン生産地としてのタスマニアを地図上で見ておきましょう。
Devil02
Tamer Ridge、Devil's Corner間は車で2時間の距離。結構離れています。


ラベル平面化画像。船の難所らしいイラストです。意味がわかりました。
IMG_1631
インポーターシールの貼り方がぞんざいですが、裏ラベルを隠していません。
普通は下のバーコードを隠しに行ってベッタリなんですが、これは偉いです。


さあ、オーストラリアですからスクリュー開栓です。
IMG_1712
DC(Devil's Corner)のエンボスが入ってますね。

Alc.13%。
赤味少し強めのルビー。
IMG_1714

ラズベリー、イチゴ、茎っぽさ。
辛口アタック。
かすかな苦味がアクセントで複雑な味わいです。
ハーブっぽさ?も感じます。
酸味もありますが、全く邪魔しないくらい穏やかなのはいいですね。
お陰で「フルーティさも忘れちゃいない!」といった喉越しと余韻。

むむむ...ちょっと驚きました。
これはかなりレベルの高いピノです。
タスマニア、やるじゃないか。


*****


Devil’s Corner
Pinot Noir 2018
Tasmania
RRWポイント 93点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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