Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Taurasi

Historia Antiqua Taurasi 2014

コストコで見つけたタウラージ。カンパーニア州でアリアニコから作られ「南のバローロ」とも称される南イタリアの代表的なDOCGワイン。(1970年にDOCとなり、1993年にDOCG昇格。)…という影響もあって、とかく北(ピエモンテ)のネッビオーロと対比してしまいがち。実際自分的にもアリアニコとネッビオーロには近しいものを感じます。

IMG_9284
イストリア・アンティクアは1969年カンパーニア州アヴェリーノに設立された家族経営のワイナリーです。30haの自社畑で今日のアリアニコ他、フィアノ(Fiano di Avellino DOCG)やグレコ(Greco di Tufo DOCG)をやっています。コストコはどうやってこういう作り手を探してくるんでしょうね。

コストコの店頭写真を貼っておきます。
IMG_1887 (1)
現地価格で22ユーロなので、日本でこの値段はずいぶん安いと思います。

公式ページは普通の出来ですが、そこそこ情報量あり。

看板商品でしょうから当然紹介されています。

・アリアニコ 100%

ステンレスタンクで2年、各種容量のスラボニアン・オーク樽で12ヶ月、+ボトルで6ヶ月、計42ヶ月の熟成です。Taurasi DOCG の規定では木樽での1年を含む計3年となっていますので十分クリアしています。(今日のワインはノーマルですが、タウラージのリゼルヴァなら規定は、木樽18ヶ月含む4年です。)

また、今日のワインは大抵のタウラージがそうであるようにアリアニコ100%ですが、タウラージ DOCGの規定では(同じカンパーニア州の Aglianico del Taburno DOCGも同様)、アリアニコは100%でなくてよく、85%以上あればいいことになっています。隣のバジリカータ州の Aglianico del Vulture Superiore DOCG ではアリアニコ100%が規定です。なんでタウラージはアリアニコ85%以上って決めたんでしょうね。何をブレンドしていいのか知りたいものです…。

アリアニコ(Aglianico)はイタリア原産の古くからの品種です。
Agllianico01
フェニキア人によって紀元前 6 世紀~ 7 世紀にすでに栽培されていたといいます。フェニキア人がこの頃にギリシャからナポリに持ち込んだという説がありましたが、2001年に行われたDNA分析では、ギリシャのブドウ品種との関係を証明できませんでした。
また、アリアニコーネ(Aglianicone)という長らくアリアニコの亜種と思われていた品種があって、カンパーニア州の Castel San Lorenzo DOC ではアリアニコーネ主体(地元ではアリアニコをアリアニコーネと呼んでるらしいとも?)のワインも作られています。しかしながら、2005年に実施されたDNA分析によると、アリアニコはアリアニコーネの親である可能性が判明し、2つが同一もしくは亜種という話は否定されています。

イストリア・アンティクアを訪問します。アヴェリーノから車で北へ15分。
Historia03
マノカルツァーティ(Manocalzati)という町になります。実はGoogle Mapでは全然別の場所を指すのでなかなか発見できませんでした。ここに行きつくまでかなり苦労をしました。

アヴェリーノ周辺の地図でイストリア・アンティクアの場所を確認します。
Campania_Irpirina
カンパーニア州の真ん中の内陸部がアヴェリーノ県(Avellino)でその県都がアヴェリーノです。アヴェリーノ県は全体がイルピニア地方で Irpinia DOC と同一エリアになります。その中にタウラージDOCGはじめ小域のDOCGがあるという関係です。

この地図でわかるように、Irpinia DOC はアヴェリーノ県全コミューンが対象です。
Irpirina
この地図に「Campi Taurasini」という Irpinia DOC のサブゾーン(sottozona)の範囲が示されています。ごらんのようにタウラージDOCGを中心とした少し広めのエリアで、アリアニコ100%のワインが「イルピニアDOC カンピ・タウラジーニ(Irpinia DOC Campi Taurasini)」を名乗ります。熟成は1年のみという規定で、タウラージより軽く早飲みなのが想像できます。

カンパニア州の公式サイトにある地図や情報でカンパーニア州全体の産地が把握できます。それを参考に、例によってGoogle Map上に DOC/ DOCG / IGP を描き込みました。
Campania
やはり、アリアニコは今日のワインのタウラージDOCG が有名ですが、同じカンパーニア州の Aglianico del Taburno DOCG や Irpirina DOC のサブゾーン、Campi Taurasini もアリアニコが主体で使われるのは前述のとおり。その他、カンパーニア州では以下のDOCでもアリアニコはブレンド含め使われています。地図で各DOCの場所も確認ください。

・Cilento DOC
・Falerno del Massico DOC
・Castel San Lorenzo DOC
・Penisola Sorrentina DOC
・Campi Flegrei DOC
・Costa d’Amalfi DOC
・Galluccio DOC
・Sannio DOC
・Vesuvio DOC

また、お隣のバジリカータ州(Aglianico del Vulture DOC / Aglianico del Vulture Superiore DOCG)もアリアニコで有名ですね。その他、プーリア州(Castel del Monte DOC)、モリーゼ州(Molise DOC)、カラブリア州(Scavigna DOC、Terre di Cosenza DOC)、シチリア島(Menfi DOC)でも使われています。アリアニコ、南イタリア中心にかなり広範囲に使われていることがわかります。


ラベル平面化画像。
IMG_8422

コストコのシール。
Cost


さあ、抜栓。
IMG_9281

コルク平面化。
IMG_9282

Alc.14%。
エッジに熟成のオレンジ味が出ているガーネット。
IMG_9286

黒ベリー、胡椒、カシス。
スモーキーな樽香。
クールな辛口アタック。
こなれたタンニンとはっきり主張する酸に包まれた味は、
控えめなボリューム感ながらバランスはすこぶる良い印象。
各要素がそれぞれの仕事をしっかりしてる感じです。
始終崩れないバランスで余韻も伸びました。
これは楽しめるタウラージです。


*****

Historia Antiqua
Taurasi 2014
RRWポイント 94点


Feudi di San Gregorio Taurasi 2015

タウラージです。カンパーニア州でアリアニコから作られ「南のバローロ」とも称される南イタリアの代表的なDOCGワイン。(1970年にDOCとなり、1993年にDOCG昇格。)フェウディ・ディ・サングレゴリオのタウラージは初めてです。これは楽しみ。

IMG_7438
作り手はカンパーニア州の大手、フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ。小さな四角いラベルデザイン、イタリアのおしゃれ系って感じがします。南イタリアに広く進出してるので、老舗かと思いきや意外に創業は1986年。その昔(6世紀頃)カンパーニア州イルピニア地方(今のアヴェッリーノ県)のワイン造りの伝統を築いたグレゴリオ教皇に敬意を表して社名をつけたそうです。「Feudi di San Gregorio」=「聖グレゴリオの領地」の意味になります。

公式ページはこれまたおシャレな凝った構成になっていて少々使いにくいです。

トップエンドのタウラージはリゼルヴァとノーマルの2種あり、今日のは通常タウラージ。

・アリアニコ 100%

熟成はミディアムトーストのフレンチオークのバリックで約18ヶ月+ボトルで9ヶ月となっています。Taurasi DOCGの規定では木樽での1年を含む計3年となっていますので、木樽の1年半は十分クリアしていますが、計3年にはちょっと足りません。気になりますね。(リゼルヴァの規定は、木樽18ヶ月含む4年です。)

また、今日のワインは大抵のタウラージがそうであるようにアリアニコ100%ですが、タウラージ DOCGの規定では(同じカンパーニア州の Aglianico del Taburno DOCGも同様)、アリアニコは100%でなくてよく、85%以上あればいいことになっています。隣のバジリカータ州の Aglianico del Vulture Superiore DOCG ではアリアニコ100%が規定です。なんでタウラージはアリアニコ85%以上って決めたんでしょうね。何をブレンドしていいのか知りたいものです…。

アリアニコ(Aglianico)はイタリア原産の古くからの品種です。
Agllianico01
フェニキア人によって紀元前 6 世紀~ 7 世紀にすでに栽培されていたといいます。フェニキア人がこの頃にギリシャからナポリに持ち込んだという説がありましたが、2001年に行われたDNA分析では、ギリシャのブドウ品種との関係を証明できませんでした。
また、アリアニコーネ(Aglianicone)という長らくアリアニコの亜種と思われていた品種があって、カンパーニア州の Castel San Lorenzo DOC ではアリアニコーネ主体(地元ではアリアニコをアリアニコーネと呼んでるらしいとも?)のワインも作られています。しかしながら、2005年に実施されたDNA分析によると、アリアニコはアリアニコーネの親である可能性が判明し、2つが同一もしくは亜種という話は否定されています。

フェウディ・ディ・サン・グレゴリオを訪問します。アヴェッリーノから車で20分。
FEUDI01
立派な生垣で囲まれているので中がよく見えませんが、施設は大規模ですね。中には「Marennà」という直営レストランが併設されているようです。

アヴェッリーノ周辺の地図でフェウディ・ディ・サン・グレゴリオの場所を確認します。
Campania_Irpirina
カンパーニア州の真ん中の内陸部がアヴェッリーノ県(Avellino)でその県都がアヴェッリーノです。アヴェッリーノ県は全体がイルピニア地方で Irpinia DOC と同一エリアになります。その中にタウラージDOCGはじめ小域のDOCGがあるという関係です。フェウディ・ディ・サン・グレゴリオの所在は Fiano di Avellino DOCG の域内にありますね。

この地図でわかるように、Irpinia DOC はアヴェッリーノ県全コミューンが対象です。
Irpirina
この地図に「Campi Taurasini」という Irpinia DOC のサブゾーン(sottozona)の範囲が示されています。ごらんのようにタウラージDOCGを中心とした少し広めのエリアで、アリアニコ100%のワインが「イルピニアDOC カンピ・タウラジーニ」を名乗ります。熟成は1年のみという規定で、タウラージより軽く早飲みなのが想像できます。

カンパニア州の公式サイトにある地図や情報でカンパーニア州全体の産地が把握できます。それを参考に、例によってGoogle Map上に DOC/ DOCG / IGP を描き込みました。
Campania
やはり、アリアニコは今日のワインのタウラージDOCG が有名ですが、同じカンパーニア州の Aglianico del Taburno DOCG や Irpirina DOC のサブゾーン、Campi Taurasini もアリアニコが主体で使われるのは前述のとおり。その他、カンパーニア州では以下のDOCでもアリアニコはブレンド含め使われています。地図で各DOCの場所も確認ください。

・Cilento DOC
・Falerno del Massico DOC
・Castel San Lorenzo DOC
・Penisola Sorrentina DOC
・Campi Flegrei DOC
・Costa d’Amalfi DOC
・Galluccio DOC
・Sannio DOC
・Vesuvio DOC

また、お隣のバジリカータ州(Aglianico del Vulture DOC / Aglianico del Vulture Superiore DOCG)もアリアニコで有名ですね。その他、プーリア州(Castel del Monte DOC)、モリーゼ州(Molise DOC)、カラブリア州(Scavigna DOC、Terre di Cosenza DOC)、シチリア島(Menfi DOC)でも使われています。


ラベル平面化画像。
IMG_6061
正方形モチーフで統一感があってかっこいいデザインですね。


さあ、抜栓。
IMG_7440

コルク平面化。
IMG_7436
さすが長熟のタウラージ、DIAM10を採用です。

Alc.14%。
ガーネット。褐変は微妙にあるよな、ないよな。粘性の涙は細かいです。
IMG_7437

黒ベリー、プルーン、スパイス、枯れた感じの腐葉土。
辛口アタック。
程よく酸も効かせながら、
しっかりした構造感の中に複雑味が充満してる気がします。
アリアニコらしいクールで鋭角なミネラル感もあります。
喉越しでシルキーなタンニンの収斂性が心地よく、
熟成感を感じる深い余韻に突入します。

いいですね。バローロと比肩するようなうまさですが、
バローロとはまた違った個性があります。


*****

Feudi di San Gregorio
Taurasi 2015
RRWポイント 92点


Villa Raiano Taurasi 2015

タウラージです。アリアニコのワインはバジリカータ州のもの含めいろいろと試していますが、久しぶりのタウラージDOCG。やはり「南のバローロ」ですから、心して味わいましょう。

IMG_6242
作り手は1996年創業の家族経営のワイナリーで、2009年には最新の施設を立ち上げています。カンパニア州イルピニア地方の有名DOCG、Fiano di Avellino、Greco di Tufo、そして Taurasi に特化してやっています。(計27ha所有)あとは、買いブドウのファランギーナ(Falanghina)で Beneventano IGT も出しています。

公式ページも最新式って感じで、見やすく情報も豊富です。

ワイン情報もしっかり。裏ラベルにも書いてありますし。
・アリアニコ 100%
手摘み収穫。発酵後、様々なサイズのオーク樽で12ヶ月熟成した後、ステンレスタンクでさらに12ヶ月、ボトルでも12ヶ月、都合36ヶ月の熟成期間になります。タウラージDOCGの規定では、木樽熟成12ヶ月含む3年なので、ピッタリ合わせに行ってる感じですね。
また、タウラージDOCGではアリアニコは100%でなくてよく、85%あればいいことになっていますが、たいてい100%でやってますよね。バジリカータ州の Aglianico del Vulture Superiore DOCG ではアリアニコ100%が規定です。なんでタウラージはアリアニコ85%以上って決めたんでしょうね。何をブレンドしていいのか知りたい…。

アリアニコはイタリア原産の古くからの品種です。
Agllianico01
フェニキア人によって紀元前 6 世紀~ 7 世紀にすでに栽培されていたといいます。フェニキア人がこの頃にギリシャからナポリに持ち込んだという説がありましたが、2001年に行われたDNA分析では、ギリシャのブドウ品種との関係を証明できませんでした。
やはり、今日のワインのカンパーニア州のタウラージDOCGなんかが有名ですが、バジリカータ州(Aglianico del Vulture DOC / Aglianico del Vulture Superiore DOCG)やプーリア州、モリーゼ州、カラブリア州、サルデーニャでも栽培されています。


ヴィラ・ライアーノを訪問。ストビューで近づけないのでfacebookから写真を拝借。
Raiano01
さすが、新しいのでかっこいいです。アヴェッリーノの町から車で20分ほどの山の中です。

となると、タウラージの畑はどこなのかな?と思いますが、HPに書いてありました。
Taurasi_Tufo_Avellino
Google Mapに転記しています。モンテマラーノ(Montemarano)というところの標高450mの畑だそうです。地図の赤で示したあたりです。アヴェッリーノの南側、ワイナリーの所在もだいたいわかりましたでしょうか。

カンパニア州の公式サイトから拝借したDOC/DOCGの地図を見てみます。
Eremo04
カンパーニア州の4つあるDOCGの内、1~3番のDOCGはすべてアヴェッリーノ県のアヴェッリーノ周辺に集中しています。残りの1つ「Aglianico del Taburno DOCG」も隣のベネヴェント県ながら極近ですね。

このDOC/DOCG地図をGoogle Mapに重ねてみたのがコレ。IGPも追記しています。
Campania01
4つあるDOCGの成立年をまとめておきます。やはりタウラージは一番古い。

Taurasi DOCG:DOC(1970年)DOCG(1993年)
Greco di Tufo DOCG:DOC(1970年)DOCG(2003年)
Fiano di Avellino DOCG:DOC(1978年)DOCG(2003年)
Aglianico del Taburno DOCG:DOC(1986年)DOCG(2011年)

いずれもDOCになってからDOCG昇格まで20年以上かかってるんですね。


ラベル平面化画像。
IMG_5377
裏ラベル隠さないインポーターシールはえらいです。


さあ、抜栓。
IMG_6239
犬かな?狼かな?シンボルマークがキャップシール、コルクともに入ってます。

コルク平面化。
IMG_6240

Alc.13.5%。
濃い濃いガーネット。
IMG_6241

黒ベリー、ドライフルーツ、リコリス。
辛口アタック。
酸味はありますがドライな乾いた感じです。
立体感のある味わいに収斂性のタンニンが絡み、
より複雑味、奥行きを増していきます。
余韻は喉越しから渋みに乗っかって長く続きます。
やはり、タウラージ。貫禄も感じますよ。


*****

Villa Raiano Taurasi 2015
RRWポイント 92点


Vesevo Taurasi DOCG 2012

南イタリアのバローロとも言われるタウラージDOCGです。
以前、Beneventano IGTのアリアニコをいただいたVesevoのタウラージ。
レベルの高い作り手と思います。タウラージも過去飲んだのはどれもおいしく、
Vesevo+タウラージという組み合わせは最強じゃないかと期待が高まります。


IMG_1853
タウラージDOCGは、1970年DOCとして制定、1993年にDOCGに昇格。
アリアニコを85%以上使うのが規定。15%は何を混ぜてもいいのが?ですが。(笑)
熟成は3年。内1年は木樽を使用します。上級のリゼルバも設定されていて、
こちらは4年、内木樽で1.5年と、気の遠くなるような熟成期間です。(笑)


Vesevoはイタリアのワイナリー大手ファルネーゼ傘下でしたね。
ファルネーゼとカンパーニア州の生産者が2000年に共同経営で設立しました。
近くのヴェスヴィオ火山(Vesuvio)のラテン語名を名前にしています。
よって、ワイナリー&ワイン情報はファルネーゼ公式ページ内にあります。

木樽での熟成を規定より長い16ヶ月やってるそうです。
インポーター(稲葉)のサイトにもこの作り手の情報はあります。


恒例の訪問ですが、前回ワイナリー訪問しようとしたときも発見できませんでした。
公式サイトに住所も地図も載ってるんですが、どうも不正確な情報のようです。
仕方がないので、タウラージDOCGと共に凡その位置を示すのみにしておきます。
Vesevo01
カンパーニア州都ナポリの東、アヴェリーノ地方。標高は400mから500mと高め。
ヴェスヴィオ火山が近くにありますね。

これはネットで拾ったアリアニコ品種のDOC/DOCG地図なんですが、
なんとななくタウラージの位置がおかしいです。少し南にずれてるような。
よく見ると拡大地図は斜めに切り取ってありますね。気をつけないと。
Vesevo02
FianoGrecoなど白のDOCGも書いてあるのは位置関係がわかり助かりますが。
また、アリアニコ・デル・ヴルトゥーレ(Aglianico del Vulture)はDOCGではありません。
2010年にDOCGに昇格したのは「Aglianico del Vulture Superiore」です。
共にカンパーニア州ではなくバジリカータ州(土踏まずの部分)になります。


ラベル平面化画像。
IMG_1813
裏ラベルには、伊・英語両方で、VesevoがVesuvio火山の古い名前だとか、
火山の噴火によってミネラル豊富な土壌の恩恵があるとか書かれています。


さあ、抜栓です。
IMG_1849
シンプルに「TAURASI」とだけ書かれています。

コルクを平面化しても「TAURASI」だけでした。
IMG_1851
5年耐用のDIAM5を採用。長熟タイプですからね。

Alc.14%。
濃い濃いガーネット。粘性の涙がはっきりしてます。
IMG_1852

黒ベリー、カシス、ブラックチェリー、リコリス。
ヌルッと樽香もきます。
辛口アタック。
深み・厚み・構造感…。
タウラージ の深淵に入ったような満足感がある味です。
乾いたような味わいはアリアニコの個性ですね。
過去に飲んだアリアニコとも共通の特徴です。
この感じ、嫌いじゃないです。
喉越しで霞のような酸を感じますが、
これはこれで重々しくさせなくていいです。
余韻からフィニッシュでタンニンの収斂性も楽しめます。

やはりタウラージにハズレなしって気がします。
バローロとは別モノですが、バローロより好きかも。


*****


Vesevo
Taurasi DOCG 2012
RRWポイント 94点


Filadoro Taurasi DOCG 2010

タウラージを抜栓しようと思います。
バローロとも並び称される、南イタリアのパワフル長熟ワインです。
グランマルシェ閉店セールの戦利品のひとつですが、その中では、
「こりゃいいものをゲットした」と大事にストックしてあったものです。


IMG_9461
なかなかお洒落なラベル。イタリア人のセンスの良さを感じさせます。
タウラージはアリアニコ85%以上を使い、3年の熟成が規定です。
(内、1年は木樽にて熟成。)


公式ページはひと昔前のクオリティ。イタリア語オンリーだし。(笑)
それでもデータは完備してあるので、とりあえずOKです。
フィラドーロは三世代に渡りブドウ栽培を専業とする小さな農家でした。
大手のFeudi di San Gregorioに高品質なブドウを売っていたそうですが、
2008年より元詰めをスタート、ワイン生産者として再スタートしたそうです。
醗酵は自然酵母を使用。
・アリアニコ 100%
熟成は、フレンチオークのバリックで12ヶ月。
瓶詰め後、さらに24ヶ月かけます。規定通りの丸3年ですね。


ワイナリー訪問。
FILARADORO01
ラピオ村とタウラージ村を結ぶ道のちょうど中間あたりにあります。

タウラージDOCGと合わせて、位置確認をします。
Campania
カンパーニア州、アヴェッリーノ県の東側、イルピニア地方になります。
この辺りには、地元のグレコやフィアノ種を使った白のDOCGもあります。


ラベル平面化画像。たてながっ!
IMG_9355
ミレジム表示が刻印しかなく、消えかけています。
こんな時はインポーターシールがあって良かったって感じです。


さあ、抜栓です。
IMG_9462
このデザイン、一応ワイナリーのシンボルマークなんだ…。

コルクも平面化撮影しておきます。
IMG_9459
10年耐用のDIAM10。10は他ではバローロでしか見たことがありません。
20~30年はもつという長熟ワインですからね~。

Alc.13.5%。
濃いインキーなガーネット。
IMG_9460

黒ベリー、青野菜、アリアニコらしいドライな香りです。
重さを感じさせる辛口アタック。
味の厚み、構造感ありあり。
これは圧倒的です。
バローロに比するとはよく言ったもんです。
喉越しも味わいの厚みがすごい。
余韻もドラマチック。

こういうワインに出会えるととっても満足。


*****


Filadoro Taurasi DOCG 2010
RRWポイント 94点


Vinosia Santandrea Taurasi DOCG 2013

アリアニコをいくつか試し、そのクセもわかってきましたが、
やはり真打ちのタウラージをいただかなくてはなりません。
2003年設立のヴィノジアが造るモダンなタウラージを試します。


IMG_5816
エチケットもちょっとおしゃれです。

「南のバローロ」とも呼ばれる長熟で力強いタウラージ(Taurasi DOCG)。
85%以上のアリアニコ使用が定義されていますが、
今日のこのワイン同様、アリアニコ100%というのが多いようです。

ヴィノジア(Vinosia)というワイナリーは、
カンパニア州アヴェリーノ県にある比較的新しいところですが、
古参のタウラージ生産者と肩を並べる高評価なのだそうです。
公式ページはしっかり出来ていて情報も豊富ですが、ちょっと文字が多い。(笑)


で、住所を頼りにGoogle Map訪問してみると、
それらしき建物が見つかりません。
Vinosia01
一応、真ん中の建物らしいんですがショボすぎますね。

仕方がないので公式ページにあった写真を拝借します。
Vinosia03
町中じゃなくて、畑の真ん中にあるようですね。

もう少し遠巻きの写真もありました。
Vinosia04
雰囲気はいいですね。タウラージ~って感じで。(笑)

だいたいの位置も確認しましょう。
Vinosia02
ナポリから車で1時間半って感じです。

裏ラベルにも同じ住所が書いてますので間違いはないんですがね。
IMG_5726


木樽で1年以上、計3年の熟成がタウラージDOCGには規定されますが、
今日のはフレンチオークのバリックで14か月の熟成だそうで、
一応クリアしてると同時に、バリックというのがモダンな感じです。

さて、抜栓。
Alc.14%。(タウラージは最低12%以上規定)
濃いガーネット。
黒ベリー、プラム、
かすかな青野菜からの樽香ですね。
辛口アタックのあと、程よい酸味が来ます。
パレットに広がるタンニンは穏やかな収斂性です。
構造感ある味わいですね。
以前飲んだアリアニコで知った独特の風味は感じますが、
嫌味じゃない感じに収まってるのが上手というか、有難いです。
後味の最後まで酸とタンニンは続きますが、
いいまとまりがあって楽しめます。
やはりタウラージはうまかった。


*****


Vinosia Santandrea Taurasi DOCG 2013
RRWポイント 92点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ


写真サイト:
最近ちゃんと写真撮ってますか?

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ