過日は自分の誕生日だったんですが、家族と家でパーティーということで、久々のシャンパーニュかとも思いましたが、食事に合わせて「重赤」を選びました。ストックの中からベガ・シシリアのピンティアをチョイス。未だウニコ(Único) は試してませんが、同じDOリベラ・デル・ドゥエロのアリオン(Alión)がかなりよかったので、ベガ・シシリアがDOトロで醸すこのピンティアもなかなかいいんではないかと期待が高まります。
今日はこの内のピンティアになります。DOトロですが、リベラ・デル・ドゥエロと同じドゥエロ川沿いの銘醸地です。
公式ページはさすが大企業という感じ。日本語も中国語も完備です。
テンポス・ベガ・シシリアの総合ページなのでピンティアもしっかり載っています。
・ティンタ・デ・トロ(テンプラニージョ) 100%
樹齢32年の古樹から手摘み収穫。フレンチオーク80%、アメリカンオーク20%の比率で12ヶ月の熟成。新樽率は(表記が曖昧ながら)おそらく80%。DOトロの規定では以下のレセルバに相当しそうですが、裏ラベルには通常の「Tinto」のシールが貼っていました。Tinto Roble のことかな?
<DO Toro の熟成規定>
・Joven(ホベン):規定なし
・Tinto Roble(ティント・ロブレ):オーク樽使用
・Crianza(クリアンサ):オーク樽6ヶ月含む2年
・Reserva(レセルバ):オーク樽12ヶ月含む3年
・Gran Reserva(グラン・レセルバ):オーク樽18ヶ月含む5年
(オーク樽は330L以下のバリック)
「Tinta de Toro」です。DO Toro エリアでのテンプラニージョのシノニムです。
スペイン語で「牛のインク」の意味。DOトロのエリアではトロ原産の別の品種と主張する人もいるようですが、遺伝的にテンプラニージョ(Tempranillo)と同じものです。2012年のDNA分析では、スペイン原産のブドウを両親に持つことが判明しており(Albillo Mayor x Benedicto)、スペイン原産には間違いがないようです。
テンプラニージョはリベラ・デル・ドゥエロでは Tinto Fino とか Tinta del País と言います。ラ・マンチャでは Cencibel。カタルーニャのペネデスでは Ull de Llebre。またこれがポルトガルへ行くとティンタ・ロリス(Tinta Roriz)と呼びますが、これはダンやドウロ含む北部の呼び方で、中央部やアレンテージョなどの南部では、アラゴネス(Aragonez)になります。以上、シノニムまとめ(笑)。
<白>
・ベルデホ(Verdejo)
・Malvasía Castellana(=Síria:ポルトガル原産の古い品種)
・Albillo Real(Hében x Folha de Figueira の自然交配によるスペイン原産の古い品種)
・Moscatel de Grano Menudo(=Muscat Blanc à Petits Grains Ronds)
<ロゼ>
・赤・白で認められた品種
DO Toro では少ないですが白とロゼも認められています。ガルナチャOKとか、白もあるとか意外ですが覚えておきましょう。(参考:DO Toro 公式ページ)
DO Toro にあるピンティアを訪問します。さすがベガ・シシリア。立派な施設です。
斜め向かいに以前に試したボデガ・レハドラダがありました。奇遇ですね(笑)。
HPに所有畑の分布がわかる地図があったので、Google Map上に重ねてみました。
もう少しズームアウトしてみます。左下には「DO Toro」全体図もインポーズ。
近くを流れるドゥエロ川や、トロの町からの位置関係がわかりますね。ドゥエロ川がDOトロを貫いているのがわかりますでしょうか。ベガ・シシリアの本拠地、DOリベラ・デル・ドゥエロと環境が似通ってるはずです。
カスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)を俯瞰して周辺の他DOも確認。
ベガ・シシリアの本拠地のあるDOリベラ・デル・ドゥエロはDOトロよりかなり上流です。ドゥエロ川は、ポルトガルに入る下流でポルトガル語のドウロ川(Rio Douro)に名を変え大西洋に注ぎ込んでいます。
ラベル平面化画像。
さあ、抜栓。
キャップシールにビンテージが刻印されています。珍しいタイプかも。
コルク平面化。
コルクにもビンテージが入ってますが、抜栓しないと見えないところに書いていますね。
スペインを代表するトップワイナリー、ベガ・シシリア。銘醸地リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)の先駆者でもあります。1864年、ボルドーでワイン造りを学んだリビオ・ルカンダさんが、 フランスからカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、マルベックの苗を持ち込み、リベラ・デル・ドゥエロの土地に植えたことがワイナリーのはじまりで、その後1868年、息子のエロイさんがボデガス・ベガ・シシリア(Bodegas Vega Sicilia)を創設しました。
それから100年以上の時が経ち、ベガ・シシリアの名声はリベラ・デル・ドゥエロにとどまらず世に広がっていましたが、1982年に大手グループ企業のグルポ・エウレン(Grupo EULEN)を率いるアルバレス家(Familia Álvarez)がベガ・シシリアを入手します。この時、会社名を「TEMPOS Vega Sicilia」として企業化しています。こうしてアルバレス家は資本を投入し、畑を拡大、醸造設備を刷新するなど品質を向上させることに成功し、ベガ・シシリアの名をゆるぎないものにしました。
1991年、アルバレス家はベガ・シシリアの隣(ドゥエロ川に沿って東へ10キロ)に新しいワイナリー「アリオン」を建て、130haの畑でベガ・シシリアと同じアプローチでワイン作りをしています。ベガ・シシリアは、アリオン以降も他の土地へ進出し、現在5つのワイナリーを運営。
・Vega Sicilia(Ribera del Duero)
・ALIÓN(Ribera del Duero)
・PINTIA(Toro)
・MACÁN(Rioja)
・Tokaj-Oremus(Hungary)
今日はこの内のピンティアになります。DOトロですが、リベラ・デル・ドゥエロと同じドゥエロ川沿いの銘醸地です。
公式ページはさすが大企業という感じ。日本語も中国語も完備です。
テンポス・ベガ・シシリアの総合ページなのでピンティアもしっかり載っています。
・ティンタ・デ・トロ(テンプラニージョ) 100%
樹齢32年の古樹から手摘み収穫。フレンチオーク80%、アメリカンオーク20%の比率で12ヶ月の熟成。新樽率は(表記が曖昧ながら)おそらく80%。DOトロの規定では以下のレセルバに相当しそうですが、裏ラベルには通常の「Tinto」のシールが貼っていました。Tinto Roble のことかな?
<DO Toro の熟成規定>
・Joven(ホベン):規定なし
・Tinto Roble(ティント・ロブレ):オーク樽使用
・Crianza(クリアンサ):オーク樽6ヶ月含む2年
・Reserva(レセルバ):オーク樽12ヶ月含む3年
・Gran Reserva(グラン・レセルバ):オーク樽18ヶ月含む5年
(オーク樽は330L以下のバリック)
「Tinta de Toro」です。DO Toro エリアでのテンプラニージョのシノニムです。
スペイン語で「牛のインク」の意味。DOトロのエリアではトロ原産の別の品種と主張する人もいるようですが、遺伝的にテンプラニージョ(Tempranillo)と同じものです。2012年のDNA分析では、スペイン原産のブドウを両親に持つことが判明しており(Albillo Mayor x Benedicto)、スペイン原産には間違いがないようです。
テンプラニージョはリベラ・デル・ドゥエロでは Tinto Fino とか Tinta del País と言います。ラ・マンチャでは Cencibel。カタルーニャのペネデスでは Ull de Llebre。またこれがポルトガルへ行くとティンタ・ロリス(Tinta Roriz)と呼びますが、これはダンやドウロ含む北部の呼び方で、中央部やアレンテージョなどの南部では、アラゴネス(Aragonez)になります。以上、シノニムまとめ(笑)。
※このブログでは「Tempranillo」を「テンプラニーリョ」とは書きませんが、世間でそう書かれているものと同じものです。百歩譲って「テンプラニーヨ」はよしとします。テンプラニーニョやテンプラリーニョは問題外です(笑)。
ついでに、DO Toro の品種の規定を見ておきます。
<赤>
・ティンタ・デ・トロ 75%以上
・ガルナチャ 85%以上
なんですが、ガルナチャ(Garnacha Tinta)主体が認められたのはつい最近の2021年です。ガルナチャの場合は85%以上でないといけません。
ついでに、DO Toro の品種の規定を見ておきます。
<赤>
・ティンタ・デ・トロ 75%以上
・ガルナチャ 85%以上
なんですが、ガルナチャ(Garnacha Tinta)主体が認められたのはつい最近の2021年です。ガルナチャの場合は85%以上でないといけません。
<白>
・ベルデホ(Verdejo)
・Malvasía Castellana(=Síria:ポルトガル原産の古い品種)
・Albillo Real(Hében x Folha de Figueira の自然交配によるスペイン原産の古い品種)
・Moscatel de Grano Menudo(=Muscat Blanc à Petits Grains Ronds)
<ロゼ>
・赤・白で認められた品種
DO Toro では少ないですが白とロゼも認められています。ガルナチャOKとか、白もあるとか意外ですが覚えておきましょう。(参考:DO Toro 公式ページ)
DO Toro にあるピンティアを訪問します。さすがベガ・シシリア。立派な施設です。
斜め向かいに以前に試したボデガ・レハドラダがありました。奇遇ですね(笑)。
HPに所有畑の分布がわかる地図があったので、Google Map上に重ねてみました。
サン・ロマン・デ・オルニハ(San Román de Hornija)という集落が最寄りの町ですね。
もう少しズームアウトしてみます。左下には「DO Toro」全体図もインポーズ。
近くを流れるドゥエロ川や、トロの町からの位置関係がわかりますね。ドゥエロ川がDOトロを貫いているのがわかりますでしょうか。ベガ・シシリアの本拠地、DOリベラ・デル・ドゥエロと環境が似通ってるはずです。
カスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)を俯瞰して周辺の他DOも確認。
ベガ・シシリアの本拠地のあるDOリベラ・デル・ドゥエロはDOトロよりかなり上流です。ドゥエロ川は、ポルトガルに入る下流でポルトガル語のドウロ川(Rio Douro)に名を変え大西洋に注ぎ込んでいます。
ラベル平面化画像。
さあ、抜栓。
キャップシールにビンテージが刻印されています。珍しいタイプかも。
コルク平面化。
コルクにもビンテージが入ってますが、抜栓しないと見えないところに書いていますね。
Alc.15%。
濃いガーネット。
黒ベリー、イチジク。
芳しいブレット…というか熟成香なんでしょうね。
辛口アタック。
まろやかに広がる味わいが次第にはっきりした骨格を見せます。
タンニンがいい仕事しています。
いいバランスのまま「かたまり感」となり、
フィニッシュまで太く続きます。
この流れがまたエレガントなのであります。
やはり、ベガ・シシリア。
間違いないですね。
やはり、ベガ・シシリア。
間違いないですね。
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Tempos Vega Sicilia
Pintia 2015
DO Toro
Pintia 2015
DO Toro
RRWポイント | 95点 |
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