Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Toscana

Canalicchio di Sopra Rosso di Montalcino 2019

イタリアの銘醸ワインに名を連ねるブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCG...のセカンド的な(?)位置づけのロッソ・ディ・モンタルチーノDOC。カルディのワインくじだったと思います。「当たり」なのか「ハズレ」なのか微妙なラインだったと思いますが、おいしかったら「当たり」ということでいいと思います(笑)。とにかくお試しといきましょう。

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作り手のカナリッキオ・ディ・ソプラは1962年にモンタルチーノの北側に創業、3世代に渡り続いています。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ協会創設12メンバーのひとつだそうで、その筋の名門ですね。ワイナリー名にもなっている「カナリッキオ・ディ・ソプラ」を1966年にリリース。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOC(のちに1980年DOCG化。)が出来たのが1966年ですから最初の1本だったってことでしょうね。

公式ページはよく出来ていて情報も豊富で好感が持てます。

今日のワインもデータシートから何から情報完備です。

・サンジョヴェーゼ 100%

ロッソ・ディ・モンタルチーノDOCの規定があるので大体わかるんですが。ブドウは平均標高300メートルの自社畑「Cru Canalicchio」の若木から。50hlのスラヴォニアンオークの大樽と750Lのフレンチオーク樽の混成で12ヶ月の熟成をします。ロッソ・ディ・モンタルチーノDOCでは、サンジョヴェーゼ(現地では「ブルネッロ」というシノニムで呼ばれます。)100%で最低10ヶ月の熟成の規定なので当然クリアしていますね。

先ほど触れたように、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCが1966年に出来て、1980年DOCG化していますが、ロッソ・ディ・モンタルチーノDOCが出来たのは1983年と更に3年後になります。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOCGの熟成規定は木樽で2年+ボトルで4ヶ月を含む合計4年というハードルが高いものですから、お手軽ロッソの設定は必然だったんでしょう。


カナリッキオ・ディ・ソプラを訪問。農家風ですが最近建てたのかすごくきれいです。
CanalicchiodiSopra
近くにコテージ風のホテルもやっているようです。手広いですね。

モンタルチーノの集落との位置関係はこんな感じ。
Motalcino
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノDOC、ロッソ・ディ・モンタルチーノDOCの範囲はモンタルチーノのコムーネの範囲と同等です。カナリッキオ・ディ・ソプラはモンタルチーノのほぼ中心にワイナリーも畑も持っている正統派ということですね。

トスカーナ州を俯瞰してその他のDOC/DOCGとの位置関係を見てみます。
Toscana_Map_Final_3
よく見るとわかるのですが、モンタルチーノはキヤンティDOCGの範囲にも入っていて、実はキヤンティも名乗れます。


ラベル平面化画像。
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おっと、安定剤(アカシアガム)入りですね。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14.5%。
クリアなガーネット。少しオレンジ味が全体的にあるかな。
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黒ベリー、プラム、イチジク。
辛口アタック。
苦味様のコクは感じますが、
味の実体は薄くて軽い感じがします。
アカシア入れてこれかという思いが湧いてきます。
う~ん、ロッソ・ディ・モンタルチーノを名乗るなら、
もう少し頑張ってほしかったところです。
ワインくじの当たりかハズレかというと…(笑)


*****

Canalicchio di Sopra
Rosso di Montalcino 2019
RRWポイント 84点


La Lecciaia Sant’Antimo Rosso DOC 2012

サンタンティーモ(Sant’Antimo)DOC? 思わずスーパーの店頭で立ち止まってしまいました。出どころは「モンタルチーノ」とあります。モンタルチーノのDOCと言えば「ロッソ・ディ・モンタルチーノDOC(Rosso di Montalcino DOC)」を思い出しますが、裏ラベルに「カベルネ・ソーヴィニヨンを多めに使ってます。」なんて書いてあり、そのあたりが真相のようです。

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ラ・レッチャイアという作り手、1983年にマウロ・パチーニさん(Mauro Pacini)によりモンタルチーノに設立されています。マレンマ地方にも畑を所有していますがブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)の作り手としてモンタルチーノを代表する作り手のひとつといえるそうです。

公式ページはデータも豊富でなかなかしっかりしています。

ワイン情報はブルネッロ~以外もしっかり載っています。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 1/3
・メルロー 1/3
・サンジョヴェーゼ 1/3

1/3ということは33.3%ですね(笑)。スラヴォニアン・オーク樽含む小樽で18ヶ月以上の熟成をしていますから決して安物的な作りではなさそうです。

さて、サンジョヴェーゼ100%が規定である「Brunello di Montalcino DOCG」、「Rosso di Montalcino DOC」が名乗れないのはセパージュを見ればわかりました。(ちなみに熟成の規定は、Brunello~が木樽2年を含む4年、Rosso~が10ヶ月です。また「Brunello」はモンタルチーノでのサンジョヴェーゼのシノニムです。)

今日のワインがサンタンティーモDOC(Sant’Antimo DOC)となる所以は何なんでしょう。規定を見てみます。

・1996年制定。赤・白(Rosso・Bianco)あり、主要品種は以下の通り。

 <赤>Cabernet Sauvignon、Malvasia Nera、Merlot、Pinot Nero、Sangiovese
 <白>Chardonnay、Malvasia、Pinot Grigio、Sauvignon Blanc、Trebbiano

・ブレンド比率に制約はなし。ただし、白・甘口白の「Vin Santo」、甘口赤の「Vin Santo Occhio di Pernice」の設定があり、以下の規定。

 <Vin Santo>Malvasia Bianca Lunga(and / or)Trebbiano Toscanoが70%以上。
 <Vin Santo Occhio di Pernice>Sangiovese 50-70%、Malvasia Nera 30-50%

・熟成の規定はありません。(「Vin Santo」、「Vin Santo Occhio di Pernice」には木樽で3年の規定があります。さらに「Riserva」なら4年。)

ということで、サンタンティーモDOCはモンタルチーノ産ながらサンジョヴェーゼ100%ではない場合のゆる~い既定のDOCだということがわかりましたが、解せないのは今日の作り手が同じくカベソー(25%)、メルロー(25%)、サンジョヴェーゼ(50%)のブレンドをIGPトスカーナ(*IGP Toscana)で出していることです。ご存知、IGPトスカーナは歴史的なDOC規定を外して作られるスーパータスカンの定石なんですが、今日の作り手は何を基準にサンタンティーモDOCと使い分けてるんでしょうね。...あっ、そっか、モンタルチーノ外のブドウ使ってるのかも。マレンマの方にも畑あるって言ってたし(笑)。※IGP(Indicazione Geografica Protetta)=IGT(Indicazione Geografica Tipica)

ところで、サンタンティーモDOC(Sant’Antimo DOC)の名前の由来なんですが、どうやらモンタルチーノに12世紀に建てられたというベネディクト修道会の修道院「サンタンティーモ修道院(Abbazia Sant'Antimo)」から来ているようです。有名な観光地にもなっています。

作り手訪問。ストビューが届いていないので公式の上空写真を拝借。
Lecciaia
いい感じのワイナリーです。周りの畑もいいですね。

モンタルチーノのコムーネ内ですが市街地からは車で8分ほど離れています。
Lecciaia2
市街地からの道すがらにブルネッロ・ディ・モンタルチーノの超有名どころ、ビオンディ・サンティがありますね。

いつものトスカーナ地図に今日の作り手ラ・レッチャイアの所在を追記しました。
Toscana_Map_Final_3
今日の作り手はマレンマ・トスカーナDOC(Maremma Toscana DOC)も出していますが、マレンマ・トスカーナDOCの範囲はなるほどモンタルチーノと隣接してるのがわかります。もっと言えば、同じく隣接するモンテクッコDOC(Montecucco DOC)も出しています。また、モンタルチーノのエリアは、Vino Nobile di Montepulcianoで有名なモンテプルチアーノもそうなんですが、キヤンティ(Chianti DOCG)のエリアにも入っているのが面白いですね。


ラベル平面化画像。
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さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.13.5%。
エッジ褐変きてるガーネット。
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黒ベリー、ゼラニウムっぽさもある熟成香。
腐葉土って感じです。
辛口アタック。
果実味しっかり。
厚みのある味もいい感じ。
コク、タンニンの渋味、
全てがマイルドに均衡してる気がします。
久々のハイレベルカベソーでした。


*****

Fattoria la Lecciaia
Sant’ Antimo Rosso DOC 2012
RRWポイント 94点


Morisfarms Morellino di Scansano DOCG 2019

ピエモンテも大変ですが、トスカーナも結構盛りだくさんで困ります。キヤンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ヴィノ・ノービレ・ディ・モンタルチーノ、はたまたボルゲリのスーパータスカンなんかに目が行きがちですが、DOCGもまだ他にあります。一つづつクリアすべく今日はモレッリーノ・ディ・スカンサーノ(Morellino di Scansano)DOCGをお試しと行きます。

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作り手はモリスファームズという1971年に設立された(名前の通り)農場なのですが、主力は当初からワインのようです。モリス家がスペインからトスカーナ南部のマレンマ(Maremma)地方へ移り住んだのが300年前といいます。その頃からマレンマに根付いて農業を行っていたといいますから歴史は相当なものですね。今では2拠点で90ヘクタールに及ぶ畑を運営しマレンマ地方のトップ生産者の一つとなっています。また、今日のモレッリーノ・ディ・スカンサーノ(Morellino di Scansano)DOCGが2006年にDOCGに昇格した時の立役者でもあるそうです。

公式ページはシンプルながら情報はしっかりと載っていました。

ワインの説明もありますが、割と年ごとに変わるようでネット情報も総合します。

・サンジョヴェーゼ 90%
・メルロー 5%
・シラー 5%

サンジョヴェーゼにブレンドするのはカベソーが入る年もあるみたいです。樽はなく、ステンレスタンクで4ヶ月+ボトルで2ヶ月以上の後出荷だそうです。Morellino di Scansano DOCG の規定では4~5ヶ月の熟成なのでクリアはしています。リゼルヴァ(Riserva)は木樽1年を含む2年の熟成が規定となります。

ところで、DOCG名の Morellino というのはサンジョヴェーゼのシノニムです。
名称未設定-1
マレンマ地方ではサンジョヴェーゼのことをモレッリーノと呼ぶそうです。ということで、Morellino di Scansano DOCG の規定ではサンジョヴェーゼを85%以上使わないといけないということになっています。


モリスファームズは2拠点あり、それぞれ訪問してみました。
Morisfarms
上段がモリス家の創業の地であるポゲッティ・エステート(Tenuta Poggetti)、下段が1971年ワイン作りを本格的に始めるときに取得した第2の場所、ポッジョ・ラ・モッツァ・エステート(Azienda di Poggio La Mozza)になり、こちらはモレッリーノ・ディ・スカンサーノDOCGのエリアの中にあります。従って、今日のモレッリーノ・ディ・スカンサーノDOCGはもっぱらポッジョ・ラ・モッツァの方で作られます。

2拠点の位置関係はこんな感じ。車で1時間とかかりません。
Morisfarms-Possio-la-Mozza-
いずれにしても、トスカーナ州南部、ティレニア海に面したマレンマ地方にあるということです。

トスカーナ州全図に所在を描き込んで位置関係を確認してみましょう。
Toscana_Map_Final_3
赤い線で囲った部分が Maremma Toscana DOCで、マレンマ地方と同じエリアということになるのでご確認ください。このDOCは、かつて Maremma Toscana IGT(Indicazione Geografica Tipica=IGP:Indicazione Geografica Protetta)でしたが、2011年にDOCに昇格、Maremma Toscana DOC となったものです。今日のモレッリーノ・ディ・スカンサーノDOCがDOCGに昇格した5年後のことですね。


ラベル平面化画像。
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インポーターシールは裏ラベルを隠しています。アウト。
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さあ、抜栓。
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キャップシールの金文字の装飾、カッコいいですね。

コルク平面化。
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DIAM3採用です。

Alc.13%。
エッジ微かにオレンジのガーネット。ディスク、涙はほぼ形が確認できず。
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黒ベリー、ブラックチェリー。
軽めの樽香を感じましたが、樽はないはずです。
辛口アタック。
酸、タンニン、しっかり効いてきます。
サンジョヴェーゼらしい乾いた雰囲気なんですが、
味の厚みに貫禄もあり、10%のブレンドが奏功してそうです。
余韻もいい感じでフィニッシュできました。


*****

Morisfarms
Morellino di Scansano DOCG
2019
RRWポイント 90点


San Leonino Salivfolpe Chianti Classico Gran Selezione 2018

キヤンティ・クラッシコのグラン・セレツィオーネです。実はこれカルディのワインくじのハズレで当たった(?)ワインです。1等のシャトー・パルメを狙っていましたが(笑)、まあこれもキヤンティの最高峰、悪くないワインです。世には数多存在するワイン。そんな中で一生の内にいただけるワインというのはほんのひと握りと考えると、今日こうして口にするワインはまさに一期一会です。そういう思いで日々出会うワインを精魂込めてブログ記事にしているんでした。襟を正していただきましょう(笑)。

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作り手はサン・レオニーノ。HPには「キャンティ・クラッシコの歴史と同じくらい古いワイナリー」と書いてあります。カステッリーナ・イン・キアンティ(Castellina in Chianti)というキヤンティ・クラッシコのエリアにあるコムーネにあり、コニオのサン・レオニーノ教会(San Leonino in Conio)の教区で過去から生産されてきたワインが今のサン・レオニーノにつながっているという歴史だそうです。オーナーは変遷があるようですが、1994年にベルターニ・ドマニス・グループを率いるアンジェリーニ家が取得して現在に至ります。

これがそのカルディのワイン福BOXのチラシ。シャトー・パルメ期待しますよね(笑)。
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ボルドーボトルの形状がだいたい箱の外から判別できたので、確率は倍ぐらいに上がっていたかと思いますが(笑)、それ以上はやはり判別不能でした。まあ、大ハズレのような設定はないようなので、「パルメじゃないハズレが当たった」っていう感じです。

公式ページは解説もしっかりあっていい感じです。

ワイン紹介もデータシート完備でありがたし。

・サンジョヴェーゼ 100%

樹齢は20年だそうです。30hl のスラヴォニアン・オーク樽で24ヶ月の熟成です。キヤンティ・クラッシコのグラン・セレツィオーネの規定では「瓶熟成3ヶ月以上含む30ヶ月」ですので少々足りない気がしますが、ボトルで6ヶ月寝かしてるんでしょう。


サン・レオニーノを訪問しました。なかなかきれいで立派です。
San_leonino01
北へ道沿いに行くとすぐコニオのサン・レオニーノ教会(San Leonino in Conio)に出くわします。この教会の教区のワイナリーであったということがわかります。


ここで、無印キヤンティ・クラッシコ、キヤンティ・クラッシコ・リゼルヴァ、キヤンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネの規定の違いをネットで拾った表で見ておきましょう。
ChiantiCRGS
どれも樽使用は問われませんが、キヤンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネは30ヶ月(瓶熟成3ヶ月以上含む)もの熟成が必要です。(プラス、「ワイナリー自身のブドウ園からのみ収穫されたブドウを使用」が条件に加わっています。)

因みに、キヤンティDOCになったのが1967年。1984年にはDOCGに昇格しています。この時点でもフィレンツェとシエナの間の9つのコミューンにまたがる歴史的な地域ではキヤンティ・クラッシコをサブゾーンとして名乗れましたが、大もとのキヤンティがあまりに広域すぎた故かキヤンティ全体の品質低下を招き、キヤンティの名声が落ちていくのに耐えきれなかったクラッシコ地域の皆さんは、「黒いニワトリ」マークのもと団結して独立運動を起こします(笑)。そして、1996年、Chianti Classico DOCGとして単独でのDOCG化を果たします。
Chianti_Classico_Gallo
その昔、フィレンツェとシエナの領土争いで、フィレンツェに勝利をもたらした「Gallo Nero(黒い鶏)」の伝承がこのマークのもとになっています。誇らしげですよね。このマークはもともと独立運動を起こしたキャンティ・クラッシコ・コンソーシアムのシンボルマークで、このコンソーシアムの会員のみが表示可能なマークでしたが、2005年にコンソーシアムはこのマークの権利を手放し、Chianti Classico DOCG全体で共有されることになりました。2013年以降はすべてのキヤンティ・クラッシコDOCGで表示が義務付けられています。

その後、更なる高みを目指してか、キャンティ・クラッシコの皆さんは、リゼルヴァの上、最上級の「Chianti Classico Gran Selezione」の制定に動きます。2014年2月にはEU委員会にも承認を受け、すぐに発効となりました。面白いのはこの新たに制定されたグラン・セレツィオーネ、2010年のヴィンテージからが対象でして、つまりは、すでに30ヶ月の熟成を経て発効後すぐにリリースできる「グラン・セレツィオーネ」が事前に用意されていたということになります。なんだかしたたかというかやり手ですな~キヤンティ・クラッシコの皆さん。

キャンティ・クラッシコ(Chianti Classico DOCG)の地域をおさらいしましょう。
Chianti_Classico
ちょうど、フィレンツェとシエナの間の9つのコミューンが対象です。サン・レオニーノの場所も示しておきました。カステッリーナ・イン・キヤンティ(Castellina in Chianti)のコムーネになります。

トスカーナ全図。クラッシコ周辺のノーマル Chianti DOCG がかなり広域なのがわかります。
Toscana_Map_Final_2
Chianti DOCG には、単独でDOCG化して抜けた Chianti Classico DOCG 以外にもサブゾーンがありまして、以下の7エリアになります。上の地図で各対象地域も合わせて確認ください。

・Chianti Colli Aretini
・Chianti Colli Fiorentini
・Chianti Colline Pisane
・Chianti Colli Senesi
・Chianti Montalbano
・Chianti Montespertoli
・Chianti Rufina

ややこしいことに規定がそれぞれ微妙に違い、書き出してられないので表でまとめておきます。
サブゾーンサンジョヴェーゼ最低アルコール%熟成期間
スタンダードSuperioreRiservaスタンダードSuperioreRiserva
Chianti (Non-Subzone)>70%>11.5%>12.0%>12.0%4 months10 months2 years
Colli Aretini>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Colli Fiorentini>70%>12.0%>12.0%>12.5%10 months10 months2 years (6 months in barrel)
Colline Pisane>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Colli Senesi>75%>12.0%>12.0%>13.0%4 months10 months2 years (8 months in barrel)
Montalbano>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Montespertoli>70%>12.0%>12.0%>12.5%7 months10 months2 years
Rufina>70%>12.0%>12.0%>12.5%10 months10 months2 years (6 months in barrel)
キヤンティDOCGの熟成期間はリゼルヴァでも最長2年(24ヶ月)です。キヤンティ・クラッシコDOCGグラン・セレツィオーネの30ヶ月がいかに長いかがわかります。ただ、面白いのは、キヤンティ・クラッシコDOCGには、グラン・セレツィオーネでさえ樽熟の規定がないことです。今日のワインのように大抵普通にみんな樽を使ってるはずなんですけどね。ただのキヤンティDOCGのサブゾーンにはリゼルバ(Riserva)で樽熟が要求されるものが3ヶ所ありますね。


ラベル平面化画像。
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カルディのインポーター(オーバーシーズ)のシールはいつも控え目でいいですね。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14%。
エッジ褐変気味のガーネット。
IMG_0021

黒ベリー、ブラックチェリー、スパイス。
古くさくないきれいに澄んだ感じの樽香です。
辛口アタック。
穏やかな酸味、重すぎない重み、くどくない複雑味、すべてに絶妙なバランス。
美しい均衡を見せながら軽やかさもあります。
いや、ちょっと軽めかな?
しかし全体の作り、流れ、非常によくまとまっています。


*****

San Leonino Salivfolpe
Chianti Classico Gran Selezione 2018
RRWポイント 94点


Il Borro Lamelle Chardonnay 2020 Toscana

イタリア、トスカーナのシャルドネです。イル・ボッロという、あの高級ブランド「サルヴァトーレ・フェラガモ」が所有するワイナリー。ネームバリューなのか、5000円と結構なお値段。過去にメルロー主体のロッソを試していますが、その名前ほどはピンときませんでした。それをなんでまた?と思われるでしょうが、エノテカのワインくじのハズレ(?)だったのです(笑)。

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「イル・ボッロ」というのはもともと小さな集落のある村なんですが、はるか昔中世ではアレッツォ市とフィレンツェ市の間にある紛争の地でした。18 世紀、メディチ家のトルナクィンチ家がこの村を取得しワイン作りもそのころ始まったようです。そして1993年、あのフェラガモがイル・ボッロを村ごと手に入れて大胆な改修をします。ワイナリーはもちろんレストランやホテルも備える一大レジャー施設となったとのこと。特にワイン作りについては、著名なコンサルを雇ったりして力を入れ、1999年のファーストヴィンテージ以降高評価のワインを世にリリースし続けています。

公式ページはホテル・レストラン他レジャーがメイン。と思ったら、ワインは別サイトでした。

ワイン専用サイトだけにワインの情報はデータシート完備で十分な内容です。

・シャルドネ 100%

10kgの木箱での手摘み収穫。低温浸漬。発酵後もシュールリーで60日間置きます。


さて、ワイナリー訪問。というか、ホテル付きの一大リゾート地の訪問です(笑)。
ILBORRO02
南北ひっくり返していますのでご注意を。村ごとの施設って感じがしますね。

トスカーナ州を俯瞰してイル・ボッロの場所を確認。一応、キヤンティのエリアです。
Toscana_Map_Final_2
キヤンティのエリアでありながら、イル・ボッロのラインアップはほぼすべてIGTトスカーナです。※IGT(Indicazione Geografica Tipica)=IGP(Indicazione Geografica Protetta)

イル・ボッロは「Vin Santo del Chianti DOC」というのも出していますので、「キヤンティ」を出せないことはないはずですが、「キヤンティ」に安かろう悪かろうのイメージを持たれるのを嫌い、あえてIGTトスカーナとする作り手がいるのも事実です。
※ヴィン・サント・デル・キヤンティ(Vin Santo del Chianti)DOC:トスカーナ各地で作られる伝統的デザートワイン(Vin Santo)のキヤンティ版。対象エリアはキヤンティとまったく同じ。白・甘口白だが、Vin Santo Occhio di Pernice という甘口赤もある。

また、イル・ボッロはDOCワインとして、ヴァルダルノ・ディ・ソプラ(Valdarno di SopraDOCをラインアップしています。これはアレッツォ(Arezzo)の西側のエリアのDOCで、元々あったピエトラヴィーヴァ(Pietraviva)DOCを吸収する形で2011年に出来たDOCです。上の地図でトスカーナのDOCは大体カバーできたと高をくくっていましたが、このようにポロポロと書き込めていないDOCが見つかります。困ったものです。今後の課題…。


ラベル平面化画像。
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ラベルの貝殻のイラストは、イル・ボッロが古代に湖であった土壌の上にあり、貝の豊富なミネラルを含んでいることを表してるそうです。ユーロリーフのマークがありますが、オーガニックに転換し2015年に取得しているとのこと。そこまでやっても、安定剤(アカシア)含有というのが解せませんが(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_8742

コルク平面化。
IMG_8740
DIAM5です。

Alc.13%。
ゴールドイエロー。
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リンゴ、白い花。
樽はないのでオークのニュアンスはありません。
辛口アタック。
いい酸味ですが、それを支える味の深みは弱めですね。
ミネラル感も言うほど感じません。
あっさり爽やかに楽しめればいいんですが、
そのフレッシュさも弱いんですよね。

う~ん、正直、
安定剤(アカシア)を入れてこれか…という印象です。


*****


Il Borro
Lamelle Chardonnay 2020
Toscana I.G.T.
WWWポイント77点



WhiteWhiteWine01

Antinori Badia a Passingnano Chianti Classico DOCG Gran Selezione 2017

ティニャネッロやソライアといったスーパータスカンで名を馳せる名門アンティノリが出す数あるキヤンティ・クラッシコの中で、唯一のグラン・セレツィオーネというのがこのバディア・ア・パッシニャーノです。当然ながらそんなにお安くはないんですが、ティニャネッロやソライアに比べたらまだ手が届く範囲内です(笑)。

IMG_8017
アンティノリは今や世界中に展開する超有名大手ですから、今さら来歴を語るのも野暮なんですが、フィレンツェにて1385年創業以来、300年以上26代に渡ってワイン作りを行う名門でありながら、展開する各地でも最先端を行く稀有な作り手です。実際いろんなワインを飲み進めていると、トスカーナ(TignanelloSolaiaGuado al TassoLe MortelleLa Braccesca...)にとどまらず、イタリア各所(PrunottoCastello della SalaTormaresca...)、そしてアメリカ(Col Solare、Stag’s Leap Wine Cellars...)、チリ(Haras de Pirque)、ルーマニア(Vitis Metamorfosis)と、あちこちでアンティノリに出会っています。

公式ページはこちら。世界のアンティノリ所有ワイナリーのリンクがあります。

さすが上級レンジです。データシート完備でヴィンテージ毎の説明があります。

・サンジョヴェーゼ 100%

キヤンティ・クラッシコのグラン・セレツィオーネはリゼルヴァより上の最上級で、30ヶ月の熟成が義務付けられています。不思議なことに樽を使う義務はありません。しかしながら今日のワインは、ハンガリー産(一部フランス産)のオーク樽を使っています。

今日のバディア・ア・パッシニャーノは、1000年以上に渡り高品質なワインが造られるという65haの優良畑を1987年にアンティノリが取得したもので、畑の中心にある10世紀から続く修道院が「バディア・ディ・パシニャーノ」という名前です。(「Badia di Passignano」、正式名称は「Abbazia di San Michele Arcangelo a Passignano」)早速訪問してみましょう。
Badia-di-Passignano01
ワイナリーらしきものが見当たりませんが、修道院の傍らのレストランにアンティノリのマークがありました。樽熟成は修道院の地下でやっているそうで、地下セラーの写真もありました。もしかしてアンティノリは修道院ごと所有してるんでしょうか。今日のワインの裏ラベルにはテヌータ・ティニャネッロで瓶詰めしてると書いています。ここから車で北へ10分ほど行くと確かにすぐティニャネッロのワイナリーに到着します。おそらくですが、ティニャネッロの施設で醸造して、修道院の地下で熟成させてるんでしょうね。


ここで、無印キヤンティ・クラッシコ、キヤンティ・クラッシコ・リゼルヴァ、キヤンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネの規定の違いをネットで拾った表で見ておきましょう。
ChiantiCRGS
どれも樽使用は問われませんが、キヤンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネは30ヶ月(瓶熟成3ヶ月以上含む)もの熟成が必要です。(プラス、「ワイナリー自身のブドウ園からのみ収穫されたブドウを使用」が条件に加わっています。)

因みに、キヤンティDOCになったのが1967年。1984年にはDOCGに昇格しています。この時点でもフィレンツェとシエナの間の9つのコミューンにまたがる歴史的な地域ではキヤンティ・クラッシコをサブゾーンとして名乗れましたが、大元のキヤンティがあまりに広域すぎた故かキヤンティ全体の品質低下を招き、キヤンティの名声が落ちていくのに耐えきれなかったクラッシコ地域の皆さんは、「黒いニワトリ」マークのもと団結して独立運動を起こします(笑)。そして、1996年、Chianti Classico DOCGとして単独でのDOCG化を果たします。
ChiantiClassicoGallo
その昔、フィレンツェとシエナの領土争いで、フィレンツェに勝利をもたらした「Gallo Nero(黒い鶏)」の伝承がこのマークのもとになっています。誇らしげですよね。このマークはもともと独立運動を起こしたキャンティ・クラッシコ・コンソーシアムのシンボルマークで、このコンソーシアムの会員のみが表示可能なマークでしたが、2005年にコンソーシアムはこのマークの権利を手放し、Chianti Classico DOCG全体で共有されることになりました。2013年以降はすべてのキヤンティ・クラッシコDOCGで表示が義務付けられています。

その後、更なる高みを目指してか、キャンティ・クラッシコの皆さんは、リゼルヴァの上、最上級の「Chianti Classico Gran Selezione」の制定に動きます。2014年2月にはEU委員会にも承認を受け、すぐに発効となりました。面白いのはこの新たに制定されたグラン・セレツィオーネ、2010年のヴィンテージからが対象でして、つまりは、すでに30ヶ月の熟成を経て発効後すぐにリリースできる「グラン・セレツィオーネ」が事前に用意されていたということになります。なんだかしたたかというかやり手ですな~キヤンティ・クラッシコの皆さん。

キャンティ・クラッシコ(Chianti Classico DOCG)の地域をおさらいしましょう。
Chianti_Classico
ちょうど、フィレンツェとシエナの間の9つのコミューンが対象です。バディア・ア・パッシニャーノとテヌータ・ティニャネッロの場所も示しておきました。

トスカーナ全図。クラッシコ周辺のノーマル Chianti DOCG がかなり広域なのがわかります。
Toscana_Map_Final_2
Chianti DOCG には、単独でDOCG化して抜けた Chianti Classico DOCG 以外にもサブゾーンがありまして、以下の7エリアになります。上の地図で各対象地域も合わせて確認ください。

・Chianti Colli Aretini
・Chianti Colli Fiorentini
・Chianti Colline Pisane
・Chianti Colli Senesi
・Chianti Montalbano
・Chianti Montespertoli
・Chianti Rufina

ややこしいことに規定がそれぞれ微妙に違い、書き出してられないので表でまとめてみました。
サブゾーンサンジョヴェーゼ最低アルコール%熟成期間
スタンダードSuperioreRiservaスタンダードSuperioreRiserva
Chianti (Non-Subzone)>70%>11.5%>12.0%>12.0%4 months10 months2 years
Colli Aretini>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Colli Fiorentini>70%>12.0%>12.0%>12.5%10 months10 months2 years (6 months in barrel)
Colline Pisane>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Colli Senesi>75%>12.0%>12.0%>13.0%4 months10 months2 years (8 months in barrel)
Montalbano>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Montespertoli>70%>12.0%>12.0%>12.5%7 months10 months2 years
Rufina>70%>12.0%>12.0%>12.5%10 months10 months2 years (6 months in barrel)
キヤンティDOCGの熟成期間はリゼルヴァでも最長2年(24ヶ月)ですね。キヤンティ・クラッシコDOCGグラン・セレツィオーネの30ヶ月がいかに長いかわかります。ただ、面白いのは、キヤンティ・クラッシコDOCGには、グラン・セレツィオーネでさえ樽熟の規定がないことです。


ラベル平面化画像。
IMG_6395
修道院のイラストがあります。やはり修道院はアンティノリの所有なんでしょうか。


さあ、抜栓。
IMG_8014

コルク平面化。
IMG_8015

Alc.14%。
ガーネット。
IMG_8016

黒ベリー、ダークチェリー、スパイス。
上品な香ばしさ、いい樽香です。
辛口アタック。
圧倒的な重厚感のある味わい。
程良い酸味が重すぎない均衡を演出します。
サンジョヴェーゼらしい風味は感じるんですが、
全体として貫禄のある上質なワインに仕上がっています。
余韻でも崩れないバランスもいい感じ。


*****

Antinori
Badia a Passingnano
Chianti Classico DOCG
Gran Selezione 2017
RRWポイント 92点


De’Ricci Soraldo Vino Nobile di Montepulciano Riserva 2016

ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノです。「モンテプルチアーノの高貴なワイン」という意味ですから気分は上がります。その歴史は古く、中世の記録でも記述があるそうです。Vino Nobile di Montepulciano という言葉が歴史上初めて使われたのは1530年のことらしいです。過去に同じ作り手の Vino Nobile di Montepulciano DOCG を試しているんですが、あまりにおいしかったので今回その上級になるリゼルヴァ(Riserva)をいただいてみます。

IMG_7738
作り手の名前は「リッチ家」のワイナリーってことなんですが、リッチ家の歴史は1150年までさかのぼるそうです。歴史が古いだけあって、なんとモンテプルチアーノの集落の一段高い所にある Palazzo Ricci という大聖堂の中にワイナリーがあります。(1562年に建設されたという、モンテプルチアーノで最も美しいルネッサンス様式の宮殿の1つだそうで。)
ラベルに「太陽の下にいるハリネズミ」のイラストがありますが、リッチ家のご先祖様がハリネズミの行動を見ることで天気を予測することができたそうで、リッチョ(Riccio=イタリア語でハリネズミ)というニックネームをもらい、リッチ家の名前の由来になったそうです。


公式ページは、さすが歴史ある作り手。歴史詳細ほか豊富な写真入りで解説しています。

ワインはイタリア語ページにデータシートはありました。

・サンジョヴェーゼ 100%

なぜかセパージュが書いてないので、おそらくこうだと思って書いています。「Vino Nobile di Montepulciano DOCG」の規定では、サンジョヴェーゼは70%以上であればよく、その他赤品種を30%までブレンドしてよいことになっています。白品種も5%までならブレンド可です。なのでセパージュは書いておいてもらわないと困るんですよね~。
熟成は、トノー(900L)と20~25hl の大樽の混成で24ヶ月、その後ボトルでもう12ヶ月寝かせます。「Vino Nobile di Montepulciano DOCG」の「Riserva」の規定では、樽での12ヶ月+ボトルで6ヶ月を含む3年の熟成が義務付けられていますが当然クリアしていますね。因みに Riserva ではない通常の「Vino Nobile~」は、2年(樽18ヶ月もしくは、樽12ヶ月+ボトル6ヶ月含む)です。

サンジョヴェーゼは、今日のヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)の産地である現地モンテプルチアーノ(Montepulciano)ではプルニョーロ・ジェンティーレPrugnolo Gentile)と呼ばれています。
Sangiovese-Grosso
サンジョヴェーゼは突然変異しやすい品種で多くのクローンがあり、サンジョヴェーゼ・グロッソSangiovese Grosso)の系統とサンジョヴェーゼ・ピッコロSangiovese Piccolo)の系統に大きく分かれるとされています(1908年発表の品種学者 Girolamo Molon 氏の論文)。そして、ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)のプルニョーロ・ジェンティーレ(Prugnolo Gentile)はサンジョヴェーゼ・グロッソだとされています。他、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)のブルネッロ(Brunello)と呼ばれるサンジョヴェーゼもサンジョヴェーゼ・グロッソの方だそうです。これら「サンジョヴェーゼ・グロッソ」は、タンニンが豊富という点で他のサンジョヴェーゼの品種(サンジョヴェーゼ・ピッコロ)とは非常に異なり上質であると言われているんですが、なんと近年の研究では双方のDNAプロファイルに差異がないという結果が出ています。サンジョヴェーゼ・グロッソというのはより高品質なサンジョヴェーゼでもなんでもなく、ただのシノニムということになってしまったようです。


モンテプルチアーノのコムーネにあるデ・リッチを訪問しましょう。
DeRicci01
モンテプルチアーノの集落のド真ん中です。モンテプルチアーノの集落の一段高い所にある Palazzo Ricci という大聖堂の中がワイナリーですからね。モンテプルチアーノの町自体も歴史を感じさせ雰囲気がいいですが、デ・リッチの場所もすごいところにあり、さすが老舗という貫禄があります。


いつものトスカーナ州全体を俯瞰する地図で Vino Nobile di Montepulciano DOCG の場所(モンテプルチアーノのコムーネ)を確認しましょう。デ・リッチの場所もロゴで示してます。
Toscana_Map_Final_DRicci
実は今回このトスカーナ地図はバージョンアップしています。特にキヤンティ(Chianti DOCG)のエリアが広大でうまく表現できていなかったので改良しました。こうして見ると、Vino Nobile di Montepulciano DOCG も Brunello di Montalcino DOCG もキヤンティのエリア内にあることがわかりますが、どちらもキヤンティより先にDOC、DOCGになっていますので、キヤンティから派生したわけではなさそうです。(Vino Nobile~とBrunello~は1966年DOC認定、1980年DOCG化。キヤンティは1967年DOC認定、1984年DOCG化。)


ラベル平面化画像。
IMG_6870
「太陽の下にいるハリネズミ」のイラストがトレードマークです。


さあ、抜栓。
IMG_7735

コルク平面化。
IMG_7737
ここにもハリネズミ。

Alc.14%。
エッジから結構褐変のガーネット。
IMG_7733

黒ベリー、枯れた風味、プラム。
辛口アタック。
コーヒー感?
少し酸も主張します。
奥深さ、コク、貫禄ありです。
タンニンの心地よい収斂性とともに、
アルコール感も喉をくすぐり充実の余韻に入ります。
酸は最後まで少しバランスを崩してる感じがしました。

かなりいい線だと思うんですが、
非リゼルヴァで受けた感動は少なかったです。
期待が先行してしまったかな。


*****

De’Ricci
Soraldo
Vino Nobile di Montepulciano
Riserva 2016
RRWポイント 93点


Tenuta di Burchino Il Burchino 2014 Toscana

キヤンティのエリアからのワインですが、トスカーナIGTで出された所謂スーパータスカンの範疇に入るものです。スーパータスカンと言えば超有名なものがあれやこれやと思い出されますが、今日のワインはそんなに有名でない方になります。まあそういう残念な感じのやつですが、実は3年ほど前にも同じワインを試しています。なぜ敢えてまた同じものを飲むのか? そうです。ワインくじのハズレなのであります(笑)。当時は重いものが当たりと信じてワインくじを選んでいましたが、イタリアのワインは異様に重いボトルが多いことをこの頃学びました(笑)。

IMG_7608
このワイナリーはカステラーニ・ファミリーの所有です。1903年まで遡るこの老舗の作り手は、トスカーナに6つのワイナリーを運営。その代表っぽい位置づけが今日のワインのテヌータ・ディ・ブルキーノです。

公式ページはなかなかしっかりしていて情報豊富。このワイナリーはカステラーニ・ファミリーの所有のトップワイナリーなので本家ページにも単独コーナーがあります。
Castellano
やはり、キャンティもラインアップしていますね。今日のトスカーナIGTは…。

・サンジョヴェーゼ 50%
・カベルネ・ソーヴィニヨン 30%
・メルロー 20%

というセパージュになっています。キヤンティDOCGサンジョヴェーゼが70%以上ないといけません。サンジョヴェーゼ以外は30%まで入れていいわけですが、カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランだけは単独または2つ合わせて15%を超えてはいけないという決まりがあり、この点でも今日のワインはアウトです。なので、トスカーナIGTで出すことになるわけです。ちなみにキヤンティDOCGは白ブドウも10%までならブレンド可という決まりもあります。
手摘み収穫、スキンコンタクトの上、フレンチオークのバリック(225L)で12ヶ月の熟成となっています。2006年のヴィンテージですがパーカーおじさんが88点をつけているようです。微妙~(笑)。

テヌータ・ディ・ブルキーノを訪問してみましょう。
Burchino01
ピサの斜塔で有名なピサの町から車で小1時間の山間にあります。この辺りは「Colline Pisane(ピサの丘の意)」というキヤンティDOCGのサブゾーンになっています。

本拠地のカステラーニがこちら。30分ほどピサに近づいた辺りになります。
Castellano01
所有の6ワイナリーのうち1軒はキヤンティ・クラッシコにあるようですが、あとはピサ周辺に点在しているようです。

テヌータ・ディ・ブルキーノはキヤンティのエリアにありますよ~とHPに説明があります。
Castellani04


いつものトスカーナ地図で位置関係を確認しましょう。
Toscana_Map_Chianti
「Chianti Colline Pisane」というキヤンティDOCGのサブゾーンにあるの確認できましたでしょうか。


ラベル平面化画像。
IMG_7604
トスカーナIGTの表示と共に品種(サンジョヴェーゼ、カベソー、メルロー)が列記されています。IGT は「Indicazione Geografica Tipica」の略で、EUワイン法の IGP(Indicazione Geografica Protetta)に当たる旧呼称ですが、併用が認められていますので、イタリアでは IGP と IGT の表記が乱立しています。


さあ、抜栓。
IMG_7606

コルク平面化。
IMG_7609
創業1903年以外の情報が書いてませんね。

Alc.13%。
エッジがオレンジ味帯びたガーネット。
IMG_7607

黒ベリー、胡椒、スパイス、枯れた感じ。
少し酸味の立った辛口アタック。
深みは感じるんですが、それほど厚みがあるわけではないですね。
酸はどこから来たのか少々バランスを崩しています。
まあ楽しめるレベルはキープという感じでしょうか。
やはりワインくじのハズレは辛口評価になります。
でも、パーカーおじさんと同じ点数です(笑)。


*****

Tenuta di Burchino
Il Burchino 2014
Toscana
RRWポイント 88点


Frescobaldi Nipozzano Vecchie Viti Chianti Rúfina Riserva 2017

フレスコバルディはトスカーナのみならず、イタリアを代表する生産者と言われているようですが、今回がお初。傘下のワイナリーを含めたその規模からもヨーロッパでも最大クラスだそうで。中でも本拠地近くのキヤンティ・ルフィナのエリアにあるカステッロ・ニポッツァーノの畑は、西暦1000年代からフィレンツェを守る要塞であったニポッツァーノ城の周囲に広がっており、フレスコバルディ家のフラッグシップワインを生み出しているとのこと。これは興味深い。

IMG_7193
フレスコバルディ家は1300年代初頭からブドウ栽培に取り組み、トスカーナでのワイン生産の先駆者であったとのこと。それだけでなく、名門フレスコバルディ家はフィレンツェ中心部にフレスコバルディ宮(Palazzo Frescobaldi)なる宮殿を持ち、その前のアルノ川に架かったサンタ・トリニタ橋(Ponte Santa Trinita)も元はフレスコバルディ家が架けたものだとか。
1855年にはフレスコバルディ家の先祖が、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、シャルドネなど、これまでイタリアでは知られていなかったブドウ品種をトスカーナに紹介したという先見の明もありました。それが今日のワインのカステッロ・ニポッツァーノの畑なんだそうです。ただし、今日のワインはサンジョヴェーゼ主体のようですが(笑)。


公式ページは奇をてらったページ構成の使いにくいやつです。内容は充実なんですがね。

今日のワインもヴィンテージ別、データシートも完備です。しかしながら、キヤンティあるあるですが、セパージュのパーセンテージどころか、サンジョヴェーゼ主体としか書いていません。

・サンジョヴェーゼ
・マルヴァジア・ネラ
・コロリーノ
・カナイオーロ

これら品種はインポーター情報です。キヤンティDOCGの規定ではサンジョヴェーゼが70%以上ですから、そんなもんなのでしょう(笑)。熟成は30hlのオーク樽で24ヶ月で、キヤンティ・ルフィナDOCGリゼルヴァ(Chianti Rufina Riserva)の規定では木樽の6ヶ月を含む2年となっていますので軽くクリアしていますね。

フレスコバルディは、さすがにフィレンツェ市街にも所在があるようですが、ワイナリーとしての本拠地はアルノ川沿いに東へ少し離れたところにあります。早速訪問してみましょう。
Frescobaldi01
規模の大きな大企業風情があります。ただしここだけがワイナリーじゃないんですよね。

公式ページから拝借した地図ですが、トスカーナだけでも8つの拠点を持ってます。
Nipozano02
ここには載ってませんが、ボルゲリのオルネライアや、モンタルチーノのルーチェ・デッラ・ヴィーテといったスーパータスカンもフレスコバルディの所有ですから驚きますね。

しかし、今日のワインのカステッロ・ニポッツァーノが、フレスコバルディ家で最も有名で歴史的なエステートと言えると思います。本拠地からも16分と近いので早速行ってみましょう。
Nipozano01
「ニポッツァーノ」は「井戸がない」という意味だそうです。水はけが良いことがブドウ栽培に理想的な環境ですから名前がこの畑のポテンシャルを語っているということのようです。

このエリアは、キヤンティDOCGの中に7つあるサブゾーンのひとつで、キヤンティ・ルフィナ(Chianti Rufina)と呼ばれるところになります。トスカーナ州を俯瞰して、主要DOC/DOCGと共にフレスコバルディとキヤンティ・ルフィナの位置関係を見てみましょう。
Toscana_Map_Chianti
キヤンティがDOCになったのが1967年。1984年にはDOCGに昇格しています。この時点ではフィレンツェとシエナの間の9つのコミューンはキヤンティ・クラッシコ(Chianti Classico)というサブゾーンでしたが、1996年に Chianti Classico DOCG として単独でDOCG化し、キヤンティDOCGから抜け出してタイマンを張っています(笑)。そうして残ったサブゾーンが以下の7エリアになります。上の地図で各対象地域も合わせて確認ください。

・Chianti Colli Aretini
・Chianti Colli Fiorentini
・Chianti Colline Pisane
・Chianti Colli Senesi
・Chianti Montalbano
・Chianti Montespertoli
Chianti Rufina

ややこしいことに規定がそれぞれ微妙に違い、書き出してられないので表でまとめてみました。
サブゾーンサンジョヴェーゼ最低アルコール%熟成期間
スタンダードSuperioreRiservaスタンダードSuperioreRiserva
Chianti (Non-Subzone)>70%>11.5%>12.0%>12.0%4 months10 months2 years
Colli Aretini>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Colli Fiorentini>70%>12.0%>12.0%>12.5%10 months10 months2 years (6 months in barrel)
Colline Pisane>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Colli Senesi>75%>12.0%>12.0%>13.0%4 months10 months2 years (8 months in barrel)
Montalbano>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Montespertoli>70%>12.0%>12.0%>12.5%7 months10 months2 years
Rufina>70%>12.0%>12.0%>12.5%10 months10 months2 years (6 months in barrel)
ここら辺、Superiore・Riserva 含め規定の数値は合わせればいいのに、イタリアっていつもながら本当にカオスです。面白いのは、キヤンティ・クラッシコDOCGには(グラン・セレツィオーネでさえ)ない樽熟の規定が、キヤンティのサブゾーンにはちらちらあることです。


ラベル平面化画像。
IMG_6887
メッセージ入りの裏ラベルをインポーターシールは隠していません。偉い。


さあ、抜栓。
IMG_7190

コルク平面化。
IMG_7191
専用品、ヴィンテージ入り。ちゃんとしてます。

Alc.14%。
エッジ褐変のガーネット。
IMG_7192

黒ベリー、プラム、スパイス。
辛口アタック。
酸とタンニンが最初から主張するんですが、
バランスの取れたコクのあるうまさに収斂していきます。
サンジョヴェーゼらしからぬフルーティーさと、
少々跳ねた酸が特徴的だなと思いつつ余韻に突入。

傑出してる…までは言えないですが、悪くないですね。


*****

Frescobaldi
Nipozzano Vecchie Viti
Chianti Rúfina Riserva 2017
RRWポイント 91点


Donatella Cinelli Colombini Chianti Superiore 2018

ドナテッラ・チネッリ・コロンビーニのキヤンティ・スペリオーレですが、この作り手、ロッソ・ディ・モンタルチーノを過去に試しています。イタリア初の「女性スタッフだけで構成されたワイナリー」という触れ込みが印象に残っている作り手ではありますが、お得な福袋セットの1本だったので抜栓となりました。(笑)

IMG_6259
モンタルチーノの名門、ファットリア・ディ・バルビ(Fattoria dei Barbi)を経営するコロンビーニ家。そのコロンビーニ家の中心人物フランチェスカ・コロンビーニさんの娘、ドナテッラさんが1998年に独立して2つのワイナリーを統合して運営してるのが、今日のドナテッラ・チネッリ・コロンビーニです。経営者自身が女性なのですが、優秀なのに女性の醸造家の雇用機会が少ないことに疑問を感じ、自ら積極的に女性を採用しているそうです。


公式ページは2つのワイナリーと、ホテルやレストランもやってるので情報は盛りだくさんです。

ワイン紹介もいろいろ書いてますが、肝心のセパージュと醸造法が不詳です。
・サンジョヴェーゼ 70%以上
・カナイオーロ 少々
サンジョベーゼ主体にトスカーナで認められた品種を少し混ぜてますとしか書いていません。サンジョヴェーゼ70%以上はキヤンティDOCGの規定です。ネット情報ではカナイオーロをブレンドしているようです。
これもネット情報ですが、手摘み収穫、温度管理されたスチールタンクで14日間果皮ごと浸漬、その後プレスして発酵、セメント樽でマロラクティック発酵と12ヶ月の熟成、ボトルでのさらに4ヶ月の貯蔵、というプロセスのようです。キヤンティDOCGのスペリオーレの規定では木樽指定なしの10ヶ月以上なのでクリアはしています。

キヤンティでお馴染みのカナイオーロ(Canaiolo Nero)をブレンドしています。
Canaiolo
ピンク色の Canaiolo Rosa と、白品種の Canaiolo Bianco(=Drupeggio)というのがあるため、区別するために「Canaiolo Nero」が正式名称です。ちなみに ~Rosa は色変異種ですが、~Bianco は全く親戚関係はありません。
カナイオーロはイタリア原産の古い品種で14世紀には言及されていたといいます。18~19世紀まではトスカーナではサンジョヴェーゼよりも重要な品種であったと思われます。成熟が遅く、収穫量が少ない品種だったので、次第にサンジョヴェーゼに主役を奪われましたが、非常に色が濃く、コク・苦みをワインに与えるので、サンジョヴェーゼの最高のブレンドパートナーという地位を保っているわけです。


作り手訪問。ストビューがイマイチだったのでHPの写真を拝借しています。
Donatella01
前述のようにワイナリーは2ヶ所あります。ひとつはモンタルチーノの「Casato Prime Donne」。もうひとつはキヤンティ(Chianti DOCG)とオルチャ(Orcia DOC)の間に位置する「Fattoria del Colle」です。今日のキヤンティ・スペリオーレは Fattoria del Colle の方からになります。


トスカーナ州を俯瞰して、主要DOC/DOCGと共に位置関係を見てみましょう。
Toscana_Map_Final
Chianti DOCG には、単独でDOCG化して抜けた Chianti Classico DOCG 以外にサブゾーンがありまして、以下の7エリアになります。上の地図で各対象地域も合わせて確認ください。

・Chianti Colli Aretini
・Chianti Colli Fiorentini
・Chianti Colline Pisane
・Chianti Colli Senesi
・Chianti Montalbano
・Chianti Montespertoli
・Chianti Rufina

ややこしいことに規定がそれぞれ微妙に違い、書き出してられないので表でまとめてみました。
サブゾーンサンジョヴェーゼ最低アルコール%熟成期間
スタンダードSuperioreRiservaスタンダードSuperioreRiserva
Chianti (Non-Subzone)>70%>11.5%>12.0%>12.0%4 months10 months2 years
Colli Aretini>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Colli Fiorentini>70%>12.0%>12.0%>12.5%10 months10 months2 years (6 months in barrel)
Colline Pisane>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Colli Senesi>75%>12.0%>12.0%>13.0%4 months10 months2 years (8 months in barrel)
Montalbano>70%>11.5%>12.0%>12.5%4 months10 months2 years
Montespertoli>70%>12.0%>12.0%>12.5%7 months10 months2 years
Rufina>70%>12.0%>12.0%>12.5%10 months10 months2 years (6 months in barrel)
ここら辺、Superiore・Riserva 含め規定の数値は合わせればいいのに、イタリアっていつもながら本当にカオスです。一番上の標準キヤンティ(サブゾーンなし)だけ覚えて、あとは樽熟規定があったりと厳しめのサブゾーンがあるってことを知っていればいいでしょう(笑)。面白いのは、キヤンティ・クラッシコDOCGには(グラン・セレツィオーネでさえ)ない樽熟の規定が、キヤンティのサブゾーンにはちらちらあることです。


ラベル平面化画像。
IMG_5927
イタリアの有機栽培認証「ICEA」やユーロリーフ付きでバリバリのビオワインですね。インポーターシールは裏ラベルの下に重ねずに貼ってありましたが、スペースの都合上表ラベルの下に貼っています。


さあ、抜栓。
IMG_6255

コルク平面化。
IMG_6256
DIAM5ですが、ロッソ・ディ・モンタルチーノの時と同じデザインですね。

Alc.12.5%。
ガーネット。
IMG_6257

黒ベリー、カシス、スギ、極かすかなブレット。
酸味際立つ辛口アタック。
酸を舌の上に乗せたままながら味の厚みを味わいます。
しかし…酸が出過ぎて味の構造を見通せない…。
余韻まで残る酸の評価が分かれそう。
タンニンもあるのに酸が目立って出る幕ない感じ。
少し冷やし過ぎて酸が際立ってしまったのか、
温度が上がるにつれて次第にマシになってきました。

飲み頃の温度には気を付けないといけないですね。
ワインスペクテイターは90点つけてるようです。


*****

Donatella Cinelli Colombini
Fattoria del Colle
Chianti Superiore 2018
RRWポイント 88点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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