Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Tre_Donne

Tre Donne Roero Arneis DOCG 2018

10月27日(日)に神戸ベイシェラトンにて行われた、
ワインフェスティバル2019なるイベントに参加してきました。
入場有料ではありますが、インポーター総勢25社が一堂に会し、
各社の主要銘柄250種類が試飲できるというもの。
その中で、前からいくつか試しているイタリアのトレ・ドンネを発見。
ピエモンテ州ロエロ原産白品種のアルネイスを試してみました。


IMG_0159
Roero DOCGはネッビオーロ主体の赤とアルネイス主体の白が認められており、
品質向上が認められ2004年にDOCG昇格しています。
アルネイスはネッビオーロのタンニンを和らげるために混醸されていたものが、
ここ30年ほどでモノセパージュで評価を上げてきたようです。

DOCGでは珍しく赤・白両方認められていますが、赤はRoero Rosso、
白はRoero Arneisと表示してあるようです。


トレ・ドンネは過去ランゲ・ネッビオーロバルベーラ・ダルバを試していて、
公式ページ紹介やワイナリー訪問もしていますので、今回は簡単に。

今日のワインは、
・アルネイス 100%
樽はなく、リリース前に6ヶ月ボトルで寝かすそうです。

これがアルネイス(Arneis)。イタリア原産です。
Arneis1
リグーリア州とサルデーニャ州にも少量あるようですが、やはり主にピエモンテ州で栽培されています。ロエロDOCG以外では、2020年にDOCG化したテッレ・アルフィエーリDOCG(Terre Alfieri DOCG)の白がアルネイスが主要品種になっています。(85%以上。赤はネッビオーロが主要品種。)あと、DOCならランゲDOC(Langhe DOC)の白で主要品種のひとつになっています。ただし、主要品種はこの3つぐらいで決して広く使われているわけではありません。なんと1970年代には絶滅の危機に瀕していたらしいです。1980年代から人気が出て今のように増えたようですが、当時はブルーノ・ジャコーザを含む少数の生産者しかアルネイスの白を作っていなかったそうです。他の生産者はもっぱらネッビオーロのブレンドパートナーとして風味をソフトにするために使っていたようです。なのでアルネイスにはネッビオーロ・ビアンコ(Nebbiolo Bianco)というシノニムがあります。遺伝的にはネッビオーロとは全く関係がないですが(笑)。


ワインフェスティバルはこんな雰囲気です。大盛況。
IMG_0163
ご紹介するのはこのアルネイスだけですが、全部で25種類ほど試飲しました。
ちょうど試飲に供されていた全ワインの10%ほどいただいた計算です。
とても全部メモれませんので。(笑)

しかし、リースリングやゲヴュルツの独・仏・新世界比較をやったり、
カリフォルニアのジンファンデルとイタリアのプリミティーヴォを比べたりと、
いろんなテーマで非常に楽しく遊ばせてもらいました。
ワインエキスパートの2次試験前にこんなイベントがあれば最高ですね。(笑)


さて、ワイナリーとロエロの位置関係だけは見ておきましょうか。
Roero03
トレ・ドンネはバルバレスコ近くのネイヴェ(Neive)にあります。
なのでロエロはタナロ川を挟んで対岸にある感じですね。
RoeroはBarolo、Barbarescoと同様、広域のランゲDOC対象地域に内包されます。

ここら辺は位置関係をつかむのが難しいです。
Roero01
いろんなDOC、DOCGが重なり合いながら入り組んでいますからね。

まずはランゲDOCの範囲を押さえ、タナロ川北側のロエロを把握。
Roero01

ロエロ対象のコミューンはこうなっています。
Roero02
まあ、だいたいでいいと思いますが。(笑)


裏ラベルは何とか撮影しましたので貼っておきます。
IMG_0160
 これ以上は撮ってませんので、試飲の感想と参りましょう。

Alc.13.5%。
緑がかった淡いイエロー。
洋梨、白桃、花やかな香り。
かすかに甘みを感じる気はしますが、まずまずの辛口アタック。
きれいな酸は柑橘系の風味を感じさせます。
ミントっぽさもありました。
しっかりした個性を持ったいい品種というのがわかります。


*****


Tre Donne Roero Arneis DOCG 2018
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01

Tre Donne Langhe Nebbiolo 2015 Donna Nera

以前にバルベーラ・ダルバを試したトレ・ドンネです。
3人姉妹が運営するので「Tre Donne(3人の女性)」という家族経営の作り手。
ここが作ったバルベーラは他の作り手より格段に美味しかったという印象です。
今日はそのトレ・ドンネのネッビオーロを試します。そりゃあ楽しみです。


IMG_9125
シンプルで大きめのラベルは泥臭くなく、なかなかいい雰囲気です。


公式ページでワイン情報を確認。
・ネッビオーロ 100%
熟成は、温度調節付きステンレスタンクで醗酵後、
500リットルのフレンチオーク大樽で12ヶ月。
さらにリリースまでボトルで6ヶ月セラーで寝かされます。

DOC Langheは、ピエモンテ州クーネオ県のアルバ周辺で、
タナロ川南側(バローロ等)と東側(バルバレスコ等)を包括します。
TRE_DONNE02
今日のワインは畑が「Monticello d’Alba」にあると書いてますので、
トレ・ドンネのあるネイヴェ(Neive)からはアルバを挟んで反対側ですね。
DOC Langueはこのようにタナロ川北側のロエロ(Roero)も含むようです。

DOC Langhe Rossoは認められた品種を使えば「%」は問いません。
ネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェット、フレイザ(ピエモンテの土着品種)、
カベソー、メルロー、ピノ・ネロ(=ピノ・ノワール)が使用可です。
DOC Langhe Nebbioloとなるとネッビオーロが85%以上であればOKです。
今日のはネッビオーロ100%ですからクリアですね。


ワイナリー訪問しておきます。
TRE_DONNE04
畑に囲まれた小高い丘の上です。

「Tre Donne(3人の女性)」を載せておきましょう。
TRE_DONNE03
左からアントネッラ、ロザンナ、ダニエラだそうで。
名前はどうでもいいですね。(笑)因みにこれがFacebookページ。


エチケット平面化画像。
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さあ、抜栓。
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コルクを平面化撮影します。
IMG_9127
「Lequio」というのはトレ・ドンネに改名する前の名前です。
「1890年以来の生産者」と書いてますね。

Alc.14%。
ガーネット。かすかにエッジがオレンジでしょうか。
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黒ベリー、ブラックチェリー、馬小屋(笑)、フィーグ。
バローロか?と思う辛口アタック。
酸味が上に乗っているのはわかるんですが、
味の構造感がしっかりしているので問題ありません。
バランスがうまく取れていてフレッシュ感が残る感じです。
喉越しから余韻で程よいタンニンが加わり、
少々賑やかな感じでフィニッシュに流れていきます。
バローロやバルバレスコではないネッビオーロも、
作り手によっては美味しくなるってことですね。


*****


Tre Donne
Langhe Nebbiolo 2015 Donna Nera
RRWポイント 92点


Tre Donne Donna Rossa Barbera D’Alba 2015

ふらっと立ち寄ったワインショップで買った一本。
バルベーラを試そうと思っただけでしたが、
調べるとなかなか面白い作り手です。


IMG_4888


公式ページはなかなか充実しています。
もともとはレキオという1850年から4代続く由緒あるところで、
現在は3人の姉妹が運営をしているということで、
「Tre Donne(3人の女性)」というワイナリー名にしたそう。
まさに家族経営という雰囲気が良く出ています。
TreDonne00
左からアントネッラ、ロザンナ、ダニエラだそうで。
まあ、名前はどうでもいいですね。(笑)


ワイナリーはピエモンテ州アルバの町の北西、ネイヴェという集落にあり、
小高い丘のてっぺんがワイナリー、その周りが畑という理想的なところ。
TreDonne02
ワイナリーのアップはあまりいいアングルで撮れなかったので、
アルバやバルバレスコとの位置関係だけ見ておきましょう。


この3姉妹には4人の娘がいるそうで、facebookに写真がありました。
TreDonne001
3人だけ写ってますが、もう一人はまだ小さいのかな?
この子たちがワイナリーを継いだら、
「Quattro Donne(4人の女性)」に改名するんでしょうか。(笑)


ホームページ内にあった写真が気に入ったので貼っておきます。
TreDonne01
畑の雰囲気もわかりますね。


さて、このワインの情報ですが、
セパージュはバルベーラ100%。
樽熟は、20%だけイタリア伝統のスラヴォニアン・オークの大樽
(2千リットル)で、残り80%はステンレスタンクで12ヶ月熟成。
さらに、ボトル詰め後リリースまで6ヶ月寝かすとのこと。


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さて、抜栓。Alc.14%。
濃いガーネット。
黒ベリー。木...樽香。
樽は軽めと思いましたが結構香ります。
カベソー、ボルドーのような香りです。
酸味いっぱいでフレッシュなアタック。
やはりバルベーラ、酸味が目立ちますが、
複雑味・深みがありなかなかの貫禄。
フルボディも感じます。
余韻も、やっぱり酸味を引きずりますが、悪くないです。
ローズマリーチキンとバッチリ合いました。
これはいい。
「ネッビオーロよりも良くね?」と思いました。
酸味強いはうまいのだ!


*****


Tre Donne Barbera D’Alba 2015
RRWポイント 91点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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