Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

USA

Twomey Russian River Valley Pinot Noir 2016

シルバーオーク(Silver Oak)のダンカン・ファミリーはナパのカベルネ・ソーヴィニヨンを代表する造り手。そこがカベソー以外を追求するために展開するのが今日のトゥーミー(Twomey)になります。過去にメルローを試していますが、ペトリュスの醸造家がペトリュスのクローンで醸すというとてつもないものでした。さて今日はそこのピノ・ノワールです。

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レイモンド・トゥーミー・ダンカン(Raymond Twomey Duncan)さんと、ジャスティン・メイヤーさんが共同でナパのオークヴィルの土地を購入し、1972年にシルバー・オーク(Silver Oak Cellars)をスタートさせます。(ちなみに、シルバー・オークの名前は Silverado と Oakville という付近の地名の合成です。)カベルネ・ソーヴィニヨンとアメリカンオーク樽による熟成に拘ったワインで高い評価を得、現在ではナパを代表する作り手となっているのは前述の通り。
そのレイモンドさんは今度はカベソー以外の品種を追求するために、トゥーミーを設立。ここはご自身の名前から「Twomey」をつけたわけですね。1999年のことです。今日のピノ・ノワールを始め、メルロー、ソーヴィニヨン・ブランを手掛けます。畑はナパにとどまらず、今日のピノ・ノワールのソノマはロシアン・リヴァー・ヴァレーからであるように、メンドシーノ・カウンティのアンダーソン・ヴァレーAVAや、セントラル・コーストのサンタ・ルシア・ハイランズAVA(モントレー・カウンティ)、サンタ・マリア・ヴァレーAVA(サンタ・バーバラ・カウンティ)、はたまたオレゴン州のウィラメット・ヴァレー(ダンディー・ヒルズAVA)などもラインアップに加わっています。

公式ページはいかにもアメリカの高級ワイン風情。情報も盛りだくさんで助かります。

ワイン紹介もショップ兼用でなく、専用ページとヴィンテージ毎のデータシート付き。

・ピノ・ノワール 100%

ブドウはロシアン・リヴァー・ヴァレーの3つの畑から。30%を全房で醸すそう。熟成は新樽率28%のフレンチオーク樽(シルバーオークと違ってアメリカンオークは使わないんですね。)で14ヶ月。(その内10ヶ月は澱とともに。)トップエンドはシングル・ヴィンヤードのピノ・ノワールなので、この複数畑のブレンドは一段下のレベルのようですが、作りはしっかりしてそうです。


ロシアン・リヴァー・ヴァレーにあるトゥーミーの拠点を訪問します。
Twomey01
ソノマのヒールスバーグ(Healdsburg)にあります。ナパにあるトゥーミーも立派でしたが、ソノマにもしっかりした拠点を作っているわけです。メンドシーノのアンダーソン・ヴァレーやオレゴン州のウィラメット・ヴァレーにも同様の拠点があるようです。いいピノ・ノワールのある場所ならどこでも進出するって感じですね。

トゥーミーのHPに所有畑の所在が1枚の地図に表してありました。これはいい。
Twomey02
ナパとソノマがごちゃっとなってしまってます。少し地図をいじって拡大図をつけました。これぐらいのスケールで見るとナパとソノマってめっちゃ近い位置関係ですね。HPではこれら畑ひとつひとつに解説があります。すごい。

ソノマ・カウンティを俯瞰してトゥーミーとロシアン・リヴァー・ヴァレーを確認。
Sonoma_County
以下にソノマ・カウンティのAVA(American Viticultural Area)を列挙してまとめます。

<SONOMA COUNTY>
Sonoma Coast
(Russian River Valley、Fort Ross-Seaview を内包、Petaluma Gap、Los Carneros と重なる)
West Sonoma Coast(2022年5月認定の新しいAVA)
(Sonoma Coast の西側部分で、Fort Ross-Seaview を内包)
Northern Sonoma
(Alexander Valley、Knights Valley、Chalk Hill、Russian River Valley を内包、Dry Creek Valley の一部と重なる)
Alexander Valley
Russian River Valley
(Green Valley of Russian River Valley を内包、Chalk Hill の一部と重なる)
Green Valley of Russian River Valley
Chalk Hill
Dry Creek Valley
Knights Valley
Fountaingrove District
Fort Ross-Seaview
Sonoma Valley
(Bennett Valley、Sonoma Mountain、Moon Mountain District Sonoma County を内包、Los Carneros と重なる)
Bennett Valley
Sonoma Mountain
Moon Mountain District Sonoma County
Rockpile
(一部 Dry Creek Valley にかかる)
Pine Mountain-Cloverdale Peak
(Mendocino County から一部ソノマの Alexander Valley にかかる)
Los Carneros
(Napa Valley にまたがる)
Petaluma Gap
(南部分は Marin County)

※微妙な重なりまでは記述していません。地図でご確認を。


これまたいつもの地図でカリフォルニア全体を見ておきます。
California_AVA
ソノマ・カウンティ―はノース・コースト(North Coast)に属します。ナパよりも太平洋岸に近いということで、ソノマ・カウンティ自体は寒流の影響を受け冷涼な気候になります。

以下、ご参考リンク。
全米の AVA のリスト
 *TTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)酒類タバコ税貿易管理局のサイト

現在全米では 267、カリフォルニアでは 147 のAVA総数になっています。


ラベル平面化画像。いや、(X)ラベル →(〇)ボトル。
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ボトルに直に印刷してあるパターンは、光沢のせいか今ひとつうまく撮影できません。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.13.7%。
ルビーが少しオレンジがかっています。粘性の涙。
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ラズベリー。
スモーキーで上等な感じの樽香の奥にイチゴが居ます。
辛口アタック。
レイヤー感じる深みのある味。
フレッシュな果実味も湛えています。
喉越しの存在感はフィニッシュまで健在です。

やはり、シルバーオークというかトゥーミー。
傑出してますね。


*****

Twomey
Russian River Valley Pinot Noir 2016
RRWポイント 94点


Shannon Ridge High Elevation Zinfandel 2020 Lake County

カリフォルニアのジンファンデルです。カリフォルニアのポピュラーな品種ではありますが、特にジンファンデル/プリミティーヴォにはこだわりはありません。じゃあ、どうしてこのワインを手にしてしまったかというと、レイク・カウンティーというお初の産地だったからです(笑)。正確にはレイク・カウンティ産のワインはHESSのワインで一度ニアミスはしていますが。

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ソノマ・カウンティの農場で育ったクレイ・シャノンさんは、セント・ヘレナのブドウ畑のマネージャーとしてキャリアをスタート、カリフォルニアのワイン産地を転々としてブドウ栽培の腕を磨きます。その後、ブドウ栽培管理会社を立ち上げ、北カリフォルニアのトップ・ワイナリーなどにブドウを供給していました。そのクレイさんがレイク・カウンティのクリア湖のほとりに広大な理想郷に出会い、1996年にシャノン・ファミリー・オブ・ワインズをそこに設立したということです。

公式ページは動画がいっぱい。サステイナブルな有機農業システムを高らかに謳っています。

やはりアメリカ、ワイン情報はショップのみ。

・ジンファンデル 100%

情報はネット頼りですが、裏ラベルに「オークの香り」と書いてあるので樽熟していると思いきや、オーク・ステイブ(オークの樽板)を投入しての9ヶ月間熟成だそうです。新板率(?)35%らしいです(笑)。

アメリカでの呼び名はジンファンデル(Zinfandel)。しかしながら、1994年のDNA分析にて正体はクロアチアあたりが原産のプリミティーヴォ(Primitivo)と判明しています。
Zin01
今だに「オラが国のオリジナルの品種だ!」と主張するアメリカ人が結構いるそうです。EUが1999年に「Primitivo」のシノニムとして「Zinfandel」を認めるまで、アメリカの公的機関、BATF(Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives=米国アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)もこの主張をしていたようです。
そのアメリカ人の気持ちはわからなくもないんですが、だいたい「Zinfandel」という名前も出どころ不明で、オーストリアの品種「Zierfandler(ツィアファンドラー)」と間違えてしまったという説が濃厚です。これ全く別の白品種なんですけど…。やっぱり、プティ・シラーの命名の一件といい、アメリカはカオスです。(笑)


シャノン・ファミリー・オブ・ワインズを訪問。でっかいけど少々ショボい佇まい。
Shannon
クリア・レイク(クリア湖)の周辺に畑が広がっています。ただ、今日のワインは「High Elevation Collection」というシリーズなので、標高平均700mの山の上のブドウ畑なんだそうです。

レイク・カウンティを俯瞰してAVA(American Viticultural Areas)を見てみましょう。
Lake-County
シャノン・ファミリー・オブ・ワインズは「Big Valley District – Lake County」というAVAにありますね。レイク・カウンティは広域のノース・コーストAVA(North Coast AVA)に属します。以下のレイク・カウンティのAVAを挙げておきます。地図と照らし合わせてみましょう。

●Clear Lake AVA(以下のAVAを内包しています。)
 Big Valley District–Lake County AVA
 High Valley AVA
 Kelsey Bench–Lake County AVA
 Red Hills Lake County AVA
 Upper Lake Valley AVA

●Guenoc Valley
●Benmore Valley


ラベル平面化画像。
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インポーターはアグリ。HPで生産者情報が詳しく書いてあって好感が持てます。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.13.9%。
赤味のあるガーネット。
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黒ベリー、カシス、スパイス、かすかな香ばしさは樽香か
酸から飛び込んでくる辛口アタック。
苦味様の滋味を纏った味の厚みはそこそこあります。
酸はフルーティーさを演出していることに気づきます。
甘味も思わせる感じです。

余韻もそこそこじっくり楽しめました。
いいジンファンデルだと思います。


*****

Shannon Ridge
High Elevation Collection
Zinfandel 2020
Lake County
California
RRWポイント 91点


Challen Winery Pinot Noir 2018 Santa Maria Valley

コストコでよくワインは買いますが、安いのが取り柄のコストコですから大抵はお手頃なのを選びます。しかしたま~に魔が差してちょっとお高いのを選んでしまうんですが、コストコで高いんだから間違いないだろうという読みが働いているわけです(笑)。今日のカリフォルニアはサンタ・マリア・ヴァレーのピノ・ノワールは税込み4,978円でした。さあ、吉と出るか?

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作り手のシャレーン・ワイナリーは、1997年にサンタ・マリア・ヴァレーに設立され、すぐさまピノ・ノワールの評価で世界のトップクラスに昇りつめたタンタラ・ワイナリー(Tantara Winery)が前身になります。シャレーン・ワイナリーのオーナーのシャレーン・ケイツさんは、タンタラの創設者であるビル・ケイツさんの娘になります。「ビル・ゲイツってワイナリー作ってたの?」って一瞬驚きましたが、ビル・ケイツ(Bill Cates)さんは別人です(笑)。この創設者のビルさんは高齢を理由にヨーロッパのワイナリーに経営を譲渡し、娘のシャレーン・ワイナリーでコンサルティングをしていましたが、なんだかんだ紆余曲折があってタンタラのフラッグシップの畑からのブドウはシャレーン・ワイナリーに引き継がれることとなり、名実ともにタンタラの後継がシャレーン・ワイナリーということになったようです。残念ながらビル・ケイツさんは2018年に逝去されています。

公式ページはこれです。同じ体裁のタンタラ・ワイナリーのHPも現役なのが気になりますが。

ワイン紹介はショップ兼用。リリース中のものしか載ってなさそうです。今日のコストコで買ったサンタ・マリア・ヴァレーのピノ・ノワールは載っていません。仕方がないのでコストコの店頭POPから。

・ピノ・ノワール 100%

新樽率20%のフレンチオーク樽で16ヶ月の熟成だそうです。さすが贅沢な感じです。


シャレーン・ワイナリーを訪問しておきましょう。倉庫然としてますね。
Challen
サンタ・バーバラ・カウンティのサンタ・マリア(Santa Maria)という町にあります。サンタ・マリア・ヴァレーAVAは近いですが、空港近くの市街地にありますね。樽や除梗機が見えるのでここでワインを作っているようです。
ブドウはすぐ近くのサンタ・マリア・ヴァレーAVA(今日のワイン)や、サンタ・リタ・ヒルズAVA(Santa Rita Hills AVA)の他、北側のサン・ルイス・オビスポ・カウンティのアロジョ・グランデ・ヴァレーAVA(Arroyo Grande Valley AVA)、さらに北側のモンテレイ・カウンティのサンタ・ルシア・ハイランズAVA(Santa Lucia Highlands AVA)などから供給を受けているそうです。


まずはサンタ・バーバラ・カウンティのAVA地図でワイナリー所在を確認。
California_Santa_Barbara_Co
サンタ・バーバラ・カウンティが左に寄って小さめですが、同地図内にロサンゼルスを入れたくてこうなりました。ロスからサンフランに向かって海岸沿いを北上するというのは贅沢なドライブで、サンタモニカを出発してすぐにマリブやサンタ・バーバラという南国風情の町を通り抜けていきます。シャレーン・ワイナリーのあるサンタ・マリアは北側のちょっと内陸の町です。カウンティの郡庁所在地であるサンタ・バーバラを超えてカウンティ内最大の町になっているそうです。
シャレーン・ワイナリーが畑を持つ、サンタ・マリア・ヴァレーAVA(Santa Maria Valley AVA)とサンタ・リタ・ヒルズAVA(Santa Rita Hills AVA)を押さえておきましょう。シャレーン・ワイナリー及び過去のタンタラ・ワイナリーの最高峰(世界三大ピノ・ノワールとまで謳われたそうです。)と評価されたエヴリン(Evelyn)はこれらにある畑からのブレンドです。

アロジョ・グランデ・ヴァレーAVAはサン・ルイス・オビスポ・カウンティにあります。
California_San_Luis_Obispo_
サンタ・バーバラ・カウンティの北側の隣のカウンティになりますが、アロジョ・グランデ・ヴァレーAVA(Arroyo Grande Valley AVA)ならシャレーン・ワイナリーに近いですね。車で30分とかかりません。

サンタ・ルシア・ハイランズAVAはさらに北側、モンテレイ・カウンティです。
Monterey_County
サンタ・ルシア・ハイランズAVA(Santa Lucia Highlands AVA)にある「Tondre Grapefield Vineyard」という畑から、タンタラ・ワイナリー時代からのフラッグシップ、トンドレ・Hブロック(Tondre ”H” Block)が作られます。ラ・ターシュ・クローンであるピゾーニ・クローン100%だそうで、なんだかすごい感じがします(笑)。


ラベル平面化画像。
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さあ、抜栓。
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キャップシールなし。

コルク平面化。
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マークをインポーズしました。(C)マークの向きから、逆さにボトルに刺さっていたことがわかります(笑)。

Alc.14.5%。
しっかり色づいたルビー。
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ラズベリー、佃煮香の樽風味。
シルキーなレイヤーを感じます。
奥行きある味わい。
複雑味がいいですね。
酸味が絶妙なバランスを底支えし、余韻も重畳でした。
やっぱり、コストコのお高いのは只者ではないです(笑)。


*****

Challen Winery
Pinot Noir 2018
Santa Maria Valley
RRWポイント 94点


Centered Cabernet Sauvignon 2019 Napa Valley

コストコの店頭で品定めをしていると、Vivinoアプリでなかなかの高評価(4.2★)のワインを発見。お手頃だしこれは試さないととカートに投入しようとしましたが、裏ラベルを見てちょっと悩みました。「安定剤(アカシア、CMC)」とあったからです。気にしすぎという人もいますが、なんとなく不自然な味わいが演出されているようで、今まではできれば避けてきています。でも、美味しけりゃいいじゃんという自分に負けて(笑)、お試しとなりました。

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「Centered」というのは、プリマス・ワインカンパニー(Plymouth Wine Company)というナパバレーとカリフォルニアワインに特化したワイン企業の展開するブランドの一つです。バーテンダー出身のジェイソン・トゥラルビー(Jason Trulby)さんが創設、オーナーとなっています。しかしながら、本社の所在やワイナリーの場所などがHPに書かれておらず少々謎ではあります。

これがVivinoアプリのスクショ。4.2となると「おっ!」となりますね。
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と、喜んでいると、これが目に入ったというわけです。
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安ワインの証しのような印象もありますし、過去あまりいい経験がありません(笑)。


公式ページはありますが、情報はほとんどなし。シャルドネもあるのがわかります。


親元のプリマス・ワインカンパニー(Plymouth Wine Company)のサイトがこちら。

住所もワイナリーもどこだか書いていません。これは困りました。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

ナパのカベソーということしかわかりません。樽熟成しているようですが樽使いは不明。こうなったら安定剤(アカシア、CMC)について書きましょうかね(笑)。

安定剤アカシア)」の現物はこの写真のような樹脂だそうです。
Acasia
アカシア属アラビアゴムノキの樹皮から採るそうで、「アカシア」の代わりに「アラビアガム」と表示されることもあります。自然由来ですし、禁止されているわけでもなく、乳化剤や安定剤として広く使われているもののようです。例えば、アイスクリームやガムシロップ。あと、清涼飲料水の類、特にコーラはこれなしには成分が均一に混ざらないそうです。まさに安定剤。とろみや粘り気など食感を整えるもののようですね。

安定剤CMC)」と表示されるものはこんなのです。
CMC
CMCは Carboxymethyl Cellulose(カルボキシメチルセルロース)のことで、天然パルプ由来のセルロースを加工して作られた増粘安定剤だそうです。これも無害ではあります。しかし、これらを入れるとどういうメリットが誰にあるかというところが問題なんでしょうね。消費者側にしてみれば安くおいしいワインが飲める(?)ってことでしょうし、作り手側にしてみれば...大きな声では言えませんが…なんかあるんでしょう(笑)。

一応、今日のワインは Napa Valley AVA なのでナパの地図を挙げておきます。
Napa_Valley_AVA
ワイナリーの所在を書き込みたかったものです。


ラベル平面化画像。
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さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14.5%。
ガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー。
香ばしい樽香あり。
まさか、これが安定剤効果だったりしないですよね(笑)。
辛口アタック。
酸、タンニン、いいバランスで入ってきます。
コクはほどほどながら、厚み、ボリューム感しっかりあります。
しかし人工的なコクとも正直感じるんですよね。
余韻はそこそこ悪くはない感じです。

やっぱりなんですが、なんとなく悪酔いしてしまいました。
そうなんですよ。酔った後の気分がよろしくない気がします。
気のせい?


*****

Centered
Cabernet Sauvignon 2019
Napa Valley
RRWポイント 90点


Three Thieves Cabernet Sauvignon 2020 California Republic

カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンです。Three Thieves(三人の盗賊)という名前と、産地表示が California Republic(カリフォルニア共和国)となっているのがツボにはまり手に取ってしまいました(笑)。こだわりなのか奇をてらっているのか何となく面白そうです。カスタムクラッシュ(ワイナリーや畑を持たない作り手が、ブドウを持ち込んでワイン造りの設備を借りて作るシステム)の雰囲気がプンプンしますがお試しと行きましょう。

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やっぱりというか3人組が作るワインで、自らを「3人の盗賊」になぞらえたネーミングのようです。インポーター情報ですと、「ナパやSFで大行列の人気ハンバーガーショップ "Gott's Roadside"を経営し、日本でも多くの愛好家達に愛されている"Joel Gott"ほかいくつかのワインブランドを手がけるジョエル・ゴット。南仏プロヴァンスでのワイン造りを経て、アメリカではワシントン州のチャールズ・スミスとのジョイント"Charles & Charles"で一世風靡したチャールズ・ビーラー。11歳で起業し様々なビジネスを手がけた後1999年よりワイン造りに転じたロジャー・スコメーニャ。」という3人のビジネスマンということです。

公式ページは立派なのがあるんですが、やっぱりワイナリーの所在は不明です。

ワイン紹介についてはデータシート付きで親切です。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

熟成については75%に「Oak Stave」を注入、残りはフレンチとアメリカン・オークで(樽とは書いていない?)となっています。「オーク・ステイヴ」とは「オークの樽板」のことで、これをブッ込むことで樽を使わず風味付けを行います。まあ、しれっと樽熟成と書く作り手もいますから正直でいいでしょう。

あと、このワインは産地がカリフォルニア(カリフォルニア国…ですが。笑)と表示されていますので、カリフォルニアのどこかはわからないんですが、ご丁寧に以下の情報が書いてありました。

65% ・・・Lodi(ローダイ)
31% ・・・Coastal(沿岸地域)
4%   ・・・California(カリフォルニア)

大部分がローダイ産ですが、85%以上でないので「ローダイ」は表示できません。政府公認ワイン指定栽培地域、通称 AVA(American Viticultural Area)を表示する場合は85%以上となっています。
TTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)の規定では「」の名前を名乗るためには当該州産のブドウが75%以上でないといけません(かつ、その州内で生産されないといけません。)。しかしながら、カリフォルニア州だけは100%カリフォルニア州産のブドウであることを要求しているんですが、今日のワインは100%カリフォルニアなのでOKですね。(ワシントン州オレゴン州95%だそうで。州の下の「カウンティ(郡)」を表示する場合も75%以上。)


ワイナリー訪問できないのでHPのトップページの写真を拝借して貼っておきます。
3Thieves01
この3人が「盗賊」ですね(笑)。

いつものカリフォルニア地図でカリフォルニア州内での位置関係を見ておきます。
California_AVA
ローダイも一応書き込んでいますが、Central Valley AVA に属します。

ついでなのでローダイAVAの地図も貼っておきましょう。ナパの東側、内陸です。
Lodi_Map
まあ、今日の作り手はカスタムクラッシュのようですし、ブドウも下手したら買いブドウかもしれませんね。ただ、誤解なきようにしたいんですが、いろいろディスってるように聞こえたら申し訳ないです。コスパのいい美味しいワインであれば素性には文句を言うつもりはありません(笑)。


ラベル平面化画像。
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2002年から始まったのがわかります。3人それぞれのメアドが載ってるのがほほえましいです(笑)。ワインを作ったのはナパとローダイの「Rebel Wine」となっています。


さあ、抜栓。
IMG_0096

コルク平面化。
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ノマコルクのような合成コルクです。なぜに星?

Alc.13.5%。
赤みある濃いガーネット。
IMG_0099

黒ベリー、黒鉛、スパイス。
辛口アタック。
程よい構造感の中に複雑なレイヤーが何層にも感じられます。
喉越し、余韻とテンション下がらず続くのが好印象。
素性は?ながら、なかなかのレベルに達しています。


*****

Rebel Wine
Three Thieves Cabernet Sauvignon 2020
California Republic
RRWポイント93点


Col Solare Red Wine 2013 Red Mountain

コル・ソラーレ(Col Solare)というワシントン州レッド・マウンテンAVAのワインですが、昔漫画のソムリエかソムリエールでイタリアのアンティノリがアメリカ進出したワインとして紹介されていた記憶があり気になっていました。同じレッド・マウンテンAVAのヘッジズ(Hedges)の記事を書いていた時、隣の畑がコル・ソラーレなのに気が付き更に気になっていたところ、リカマンで見つけたので買ってきました。さすがの有名ワイン、結構いいお値段でした(笑)。

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「ティニャネロ」や「ソライア」などを生み出すイタリアのトップワイナリー「アンティノリ」は、イタリア各地でワインを出していますが、チリ(Haras de Pirque)やルーマニア(Vitis Metamorfosis)など海外進出も目覚ましいです。その当主マルケージ・ピエロ・アンティノリ(Marchese Piero Antinori)さんがアメリカ・ワシントン州の名蔵シャトー・サン・ミッシェル(Chateau Ste. Michelle)のコンサルタントを務めていたアンドレ・チェリチェフ(Andre Tchelistcheff)氏の招待で1992年に現地を訪問。ワシントン州のテロワールの可能性とシャトー・サン・ミッシェルのワイン造りへのこだわりに惚れ込み、パートナーシップを結ぶことになります。そして1995年に最初のコル・ソラーレがリリースされました。最初はシャトー・サン・ミッシェルの醸造所で醸造していましたが、2005年に良質なカベルネ・ソーヴィニヨンを求めてレッド・マウンテン(AVA)に畑を取得、2007年に醸造所も完成し今に至ります。

公式ページは、ワイン紹介がショップ兼用ながら内容豊富で見ごたえがあります。

ただし、ショップ兼用で在庫ワインのみ載っている状態なので今日の2013年まではカバーせず。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 88%
・カベルネ・フラン 6%
・メルロー 4%
・シラー 2%

このセパージュ情報は瓶の裏にありました。カベソー主体のボルドーブレンドですね。樽使いは不明ですが、現在リリースされている(2015とか)カベソーのワインが新樽率100%のフレンチオーク樽でで21ヶ月となっていますので、おそらく同等のことをやっていると思われます。

レッド・マウンテンAVA(Red Mountain AVA)にあるコル・ソラーレを訪問。
ColSolare01
立派なワイナリーと素晴らしい畑の眺めです。すぐ隣がヘッジズ(Hedges)なのがわかりますでしょうか。このブログでのヘッジズの過去の評価を見ていただいたらわかりますが、超「うまうま」です。コル・ソラーレも「うまうま」なら、レッド・マウンテンAVAのテロワールのなせる業ということですね。

HPに畑の詳細地図が載っていましたので、例によってGoogle Map上でも見てみます。
ColSolare02
驚いたことに、カルメネールも植えてるんですね。ワインにしてリリースしてほしいです。

さて、レッド・マウンテンAVA(Red Mountain AVA)を俯瞰して位置関係を確認。
Red_Mountain_AVA
そんなに大きな範囲ではありません。北側にその名も「レッド・マウンテン」があり、南向きの斜面であることは想像がつきますね。コロンビア川の支流ヤキマ川(Yakima River)に囲まれたエリアには、Goose Gap AVA と Candy Mountain AVA が隣接してあり、これら3つはヤキマ・ヴァレーAVA(Yakima Valley AVA)に内包されています。(なぜかGoogle Mapでは「ヤカマ川」と書いていますが、この川は先住民のヤカマ族から名付けられているそうで、実際「ヤカマ」と発音するようですね。)

「Red Mountain AVA(American Viticultural Area)」の公式ページです。

情報多くてなかなかいいサイトです。レッド・マウンテンAVAの解説はこれに譲ります(笑)。

さあ、広域のコロンビア・ヴァレーAVA(Columbia Valley AVA)を俯瞰します。
Washington_Columbia_Valley_
レッド・マウンテンAVAはヤキマ・ヴァレーAVAのごく端っこというのがわかると思います。ヤキマ・ヴァレーAVAがAVA認定されたのが1983年で、コロンビア・ヴァレーAVAが1984年です。なんとヤキマ・ヴァレーAVAの方が先なんですね。そして、レッド・マウンテンAVA が AVA認定されたのは2001年です。レッド・マウンテンAVAに近接する Candy Mountain AVA と Goose Gap AVA はそれぞれ2020年と2021年のAVA認定で、ごくごく最近追加されたAVAです。ちょっと古い資料ではまだ載っていないでしょう。

最後にいつもの地図でワシントン州を俯瞰しておきましょう。すぐ北がもうカナダです。
Washington_RE
シアトルのあるPuget Sound AVA以外は、カスケード山脈を挟んで内陸側、コロンビア川流域の、いわゆるコロンビア・ヴァレーAVAになります。その中に内包されて狭域のAVAがあるという関係になっています。

コロンビア川はカナディアンロッキーを水源にワシントン州を広範囲に流れ、Horse Heaven Hills AVAのあたりで、オレゴン州との州境となり西へ向かい、オレゴン州最大の都市ポートランド(オレゴンの州都はセイラム - Salem)で Willamette Valley AVA から来たウィラメット川と合流し太平洋に注ぎ込みます。


ラベル平面化画像。いや、ラベルはないのでボトル平面化ですね(笑)。
IMG_7855
ラベルがなくてもラベルコレクションできるのが平面化撮影のいいところです。

インポーターシールはこんな感じ。Warning を隠してるだけなので罪は軽い(笑)。
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さあ、抜栓。おっと! コルクが途中で破断しかけました。
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細いスクリューに差し替え、コルク片を瓶内に落とすことなくなんとか抜栓できました。まあ、こんななのでコルクの平面化はしません。

Alc.14.5%。
濃いインキーなガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー。
綺麗な樽香。
熟成香は香ばしいです。
辛口アタック。
圧倒的な構造感、織り成される多重レイヤー。
エレガントな果実味も感じます。
余韻、フィニッシュまで高まりはブレません。

これはアンティノリ、さすがです。
いやいや傑出してます。


*****

Col Solare
Red Wine 2013
Red Mountain
RRWポイント 99点


Fetzer Zinfandel 2020 California

フェッツァー(Fetzer)というお手頃価格のカリフォルニアワインですが、やまやにいろんな品種で並んでいます。過去にカベソーを試していますが、まあそこそこではありました。ワインのアプリで検索していると、その中でフェッツァーのジンファンデルが異様に評価が高かったので思わず手に取ってしまいました(笑)。

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フェッツァーは1968年にカリフォルニア州メンドシーノ郡に創業の全米TOP10の生産量を誇る大手老舗です。が、前にも見ましたが、2011年にチリ最大のワインメーカー、コンチャ・イ・トロ(Concha y Toro)が238百万ドルで買収していますので、チリ企業傘下のカリフォルニアワインということになります。コンチャ・イ・トロの参画が資本だけなのか、ワイン作りに何らかの影響を与えてるのかが気になるところですが、今日のワインの評価を見ると「美味しく」なってはいるんじゃないでしょうか。

これがVivinoアプリで検索したスクショです。3,442件の評価で4.1ポイント。
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このレンジのワインで4.1はかなりレベル高い方だと思われます。

公式ページはポップでアメリカ~ンな感じ。買収企業の性ですが歴史等は触れられてません。

いろんな品種がラインアップされてますが、なぜか今日のジンファンデルが載ってません。

・ジンファンデル 100%

醸造に関する情報はなし。そもそもHPに載っていないですし。樽なんかないでしょう。


アメリカでの呼び名はジンファンデル(Zinfandel)。しかしながら、1994年のDNA分析にて正体はクロアチアあたりが原産のプリミティーヴォ(Primitivo)と判明しています。
Zin01
今だに「オラが国のオリジナルの品種だ!」と主張するアメリカ人が結構いるそうです。EUが1999年に「Primitivo」のシノニムとして「Zinfandel」を認めるまで、アメリカの公的機関、BATF(Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives=米国アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)もこの主張をしていたようです。
そのアメリカ人の気持ちはわからなくもないんですが、だいたい「Zinfandel」という名前も出どころ不明で、オーストリアの品種「Zierfandler(ツィアファンドラー)」と間違えてしまったという説が濃厚です。これ全く別の白品種なんですけど…。やっぱり、プティ・シラーの命名の一件といい、アメリカはカオスです。(笑)


以前も行ってますが、フェッツァーを訪問します。
Fetzer01
カリフォルニア州メンドシーノ郡ホプランド(Hopland)という町にあります。さすが結構大きな施設です。おっと、近くをソノマのAVAで有名なロシアン・リバー(Russian River)が流れています。どうやら水源はメンドシーノ・カウンティにあり、メンドシーノAVAを貫いた後、ソノマ・カウンティに入っていくということですね。

メンドシーノ・カウンティ(Mendocino County)を俯瞰して位置関係を確認します。
Mendocino_County
フェッツァーのラインアップは全部カリフォルニアなので、メンドシーノ・カウンティのAVAではないんですが、一応周辺のAVA(American Viticultural Areas)を書き込んでおきました。フェッツァー自体はメンドシーノAVAの域内にあります。メンドシーノAVAって地図を見てもらうとわかりますが、メンドシーノ・カウンティ(メンドシーノ郡)全域じゃないんですね。

また、メンドシーノAVAは以下のAVAを内包しています。

・Anderson Valley AVA
・Yorkville Highlands AVA
・Redwood Valley AVA
・Potter Valley AVA
・Cole Ranch AVA
・McDowell Valley AVA

メンドシーノAVAの域外のメンドシーノ・カウンティには以下のAVAがあります。

・Mendocino Ridge AVA
・Covelo AVA
・Dos Rios AVA
・Pine Mountain-Cloverdale Peak AVA
 (Pine Mountain-Cloverdale Peak AVAはソノマ・カウンティにまたがっています。)

最後にカルフォルニアを俯瞰しておきましょう。メンドシーノ郡を見つけてください。
California_AVA
メンドシーノ郡はナパやソノマと同じノース・コーストAVA(North Coast)に属します。


ラベル平面化画像。
IMG_9939


さあ、スクリュー回転。
IMG_9943
ラベルにもありますが、「1968年創業」は大事なことなんでしょうね。


Alc.13.5%。
かすかにオレンジ味のあるガーネット。
IMG_9944

黒ベリー、ブラックチェリー、黒鉛。
微妙な酸をまとった辛口アタック。
複雑味、奥行きは感じますが酸は続きますね。
しかしながら次第に甘みに変わってきて、
フルーティと言えなくもないですね。

アプリの評価が高いのは理解できましたが、
「ジンファンデルではいい方」って印象ですね。
もっと美味しいジンファンデルありますから。


*****

Fetzer
Zinfandel 2020
California
RRWポイント 89点


Kirkland Signature K Vine Cabernet Sauvignon 2020 Wahluke Slope Vineyard

コストコのPB、お馴染みカークランドシグネチャー(Kirkland Signature)ですが、「K Vine」とでかでかと書かれています。ワシントン州の鬼才ワインメーカー、チャールズ・スミスさんの「K ヴィントナーズ(K Vintners)」で作られているようです。「Wahluke Slope Vineyard」と書かれたワルーク・スロープ(Wahluke Slope AVA)という産地も気になります。

IMG_9626
チャールズ・スミスさんはロックバンドのマネージャーをしていたという経歴の持ち主。1999年、シアトル近くにワインショップを開きます。ワシントンのワインに興味を持っていたチャールズさんは同じくワシントン州のワイン産地ワラワラにてワイン作りを始めます。その後、「チャールズ・スミス・ワインズ」や「K ヴィントナーズ」といったブランドでパーカーおじさんはじめ高得点をつけるワインを連発。今やワシントン州のみならず世界的生産者に名を連ねているそうです。

コストコの店頭展示を挙げておきましょう。
IMG_2410
「真のワインラヴァーのために少量のみ製造」って、世界中のコストコで売ってるんですけど…。ちなみに本家アメリカは13.99ドル。為替レート通りの本国と同じ値段なのはうれしいですね。

公式ページはこちら。いろんなブランドが載ってますがワラワラの拠点ワイナリーのHPです。


こちらも公式ページだと思われます。幅広い扱いワインが載っています。

とにかくいずれにもコストコブランドのワインが載っていることはありません(笑)。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

これしかわからないですね。樽の有無など不明。価格的にないかな。


ワシントン州コロンビア・ヴァレーのワラワラに本拠地があります。
CharlesSmith00
ハウス・オブ・スミスとなっていますが最初に立ち上げた「K ヴィントナーズ」がここになります。

ワラワラの市街地にはチャールズ・スミス・ワインズというお店があります。
CharlesSmith01
テイスティングルーム兼ショップといった感じです。あと、シアトルにも醸造設備を備えたテイスティングルームがあります(House of Smith Jet City Tasting Room)。写真は載せませんがこちらも立派なところです。

ワシントン州を俯瞰して位置関係を把握しましょう。シアトルのある Puget Sound AVA 以外は、カスケード山脈を挟んで内陸側、コロンビア川流域のコロンビア・ヴァレーAVAです。
Washington_RE
コロンビア川がカナディアンロッキーを水源にワシントン州を広範囲に流れ、Horse Heaven Hills AVA のあたりでオレゴン州との州境となり西へ向かい、オレゴン州最大の都市ポートランド(オレゴンの州都はセイラム - Salem)で Willamette Valley AVA から来たウィラメット川と合流し太平洋に注ぎ込みます。やはり川が銘醸地を知る鍵ですね。
地図上に示しましたが、ハウス・オブ・スミス、いわゆる「K ヴィントナーズ」があるのがワラワラ・ヴァレー(Walla Walla Valley AVA)で、この地図では表現していませんが、このAVAは州境を超えてオレゴン州側にも広がっています。
さて、今日のワインですが、ラベルに「Wahluke Slope Vineyard」とあるのでワルーク・スロープ(Wahluke Slope AVA)が産地になります。作っている場所もワルーク・スロープの中心地マタワ(Mattawa)であると書いてあるので間違いないでしょう。Wahluke Slope AVA とマタワ、見つかりましたか?コロンビア・ヴァレーの真ん中あたり、コロンビア川沿いです。
[AVA=American Viticultural Area]

ワルーク・スロープ AVA(Wahluke Slope AVA)にズームイン。
Wahluke-Slope
コロンビア川に囲まれたところにほとんど畑しかないようなAVAです。今日のワインはマタワで醸しているとなっていますので、地図上にワイナリー施設を表示させたところのどこかではないかと思います。カスタムクラッシュ(ワイナリーを持たない作り手が、ブドウを持ち込んでワイン造りの設備を借りて作るシステム)かもしれません。

TTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)地図を拝借、加工して作った地図です(Google Map加工はくじけました。笑)。コロンビア・ヴァレーAVA をおさらいしたいと思います。
Washington_Columbia_Valley_
地図西側の端にあるコロンビア・ゴージAVA(Columbia Gorge AVA)はコロンビア・ヴァレーAVA には属しません。また反対の東側のルイス・クラーク・ヴァレーAVA(Lewis-Clark Valley)もコロンビア・ヴァレーAVA に属しません。これはアイダホ州のAVAですが、一部ワシントン州に入ってる感じです。以上を踏まえ、コロンビア・ヴァレーAVA の構成を下記します。

<Columbia Valley AVA>
・Lake Chelan
・Rocky Reach(2022)
・Ancient Lakes of Columbia Valley
・Royal Slope(2020)
・Naches Heights
・Wahluke Slope
・White Bluffs(2021)
・Yakima Valley
  ー Rattlesnake Hills
  ー Snipes Mountain
  ー Red Mountain
  ー Goose Gap(2021)
  ー Candy Mountain(2020)
・Horse Heaven Hills
・Walla Walla Valley
  ー The Rocks District of Milton-Freewater
・The Burn of Columbia Valley

後ろに年号が付いているものは、ここ数年で新たに制定されたAVAです。過去記事の地図等ではカバーできていませんでしたが今回アップデートさせていただきました。知らないうちにずいぶん増えました。おおよそ北から順に挙げてあるので地図と照らし合わせながらご確認ください。


ラベル平面化画像。
IMG_9604


さあ、抜栓。
IMG_9624
コルクは見えているだけ(K VINEのみ)なので平面化はしません。

Alc.14%。
赤味の強いガーネット。
IMG_9625

黒ベリー、カシス、チェリー。
軽めを感じさせる酸い系の香り。ゼラニウムっぽくも。
辛口アタック。
カベソーらしいコクはあって悪くないです。
ただ、非は見当たらないが特筆すべき特徴もないって感じ。
酸が少し浮つきますがフルーティさとも取れます。

なぜだかスルスル飲めて1本空いてしまいました。
こういうワインは、「総論うまい」と言います(笑)。 


*****

Kirkland Signature
Cabernet Sauvignon K Vine 2020
Wahluke Slope Vineyard Washington State
Winemaker Charles Smith
RRWポイント 92点


Banshee Ten of Cups Brut Méthode Champenoise California

アメリカのシャンパーニュ、もとい、スパークリングワインを試したことがないな~と思っていたらコストコで良さげなのを発見。アプリで検索するとかなりの高評価になっていたので思わずゲットしました(笑)。「Méthode Champenoise(シャンパーニュ方式)」という表示がいいですね。ちなみにフランスのシャンパーニュ地方以外に「Champagne」は名乗れません。

IMG_9463
作り手の「Banshee Wines」は2009年にサンフランシスコで創業した新しいところです。スパークリングワイン専門ではなくピノ・ノワールから始めたそうです。「最高の味のワインを誰もが楽しめるような価格設定で」というのが創立からのポリシーだそうです。

基本、フランスのシャンパーニュ以外は国際的に「Champagne」は表示できないのは前述の通り。アメリカも2006年に米国~EU間で同様のワインに関する貿易協定を結んでいますので状況は同じなんですが、例外として、それ以前から「Champagne」を謳いブランドに投資してきたと認められたところは「California」など産地を併記することで表示可能になっています。
Korbel
それがこのコーベル(Korbel)です。ただし、日本へ輸入して売る場合は「Champagne」を隠さないといけないようです。というか、「Sparkling Wine」バージョンが輸出用であるようですが。

バンシーの公式ページ。ワイン詳細は例によってショップページ参照になります。

ショップページにはPDFのデータシートがありました。セパージュ%は書いてませんが。

・ピノ・ノワール 50%
・シャルドネ 48%
・ピノ・ムニエ 2%

このパーセンテージはネット情報から。シャンパーニュっぽいセパージュですね(笑)。ベースワインはマロラクティック発酵を行わずフレンチオーク樽で2ヶ月の熟成。瓶内二次発酵後、24ヶ月の熟成を経てデゴルジュマン(澱抜き)となります。今日のワインはブリュット(Brut)なのでドザージュ(加糖)の糖分量は12g/L以下でしょう。


バンシーを訪問しますが、住所はこのテイスティングルームになります。
Banshee01
このテイスティングルームは2013年にソノマ・カウンティのヒールスバーグ(Healdsburg)のダウンタウンに構えたものでワイナリーではなさそうです。

バンシーの畑はソノマ・カウンティ中にあり、ワイン作りはどこでやってるのか不明ですね。
Banshee02
やっぱりカスタムクラッシュなのかな? 今日のワインは「カリフォルニア」なのでソノマ以外からのブドウも使っているかもです。

ソノマのAVA地図に所在を記入。上のバンシーの畑も照らし合わせてみましょう。
Sonoma_County
ヒールスバーグ(Healdsburg)の町はロシアン・リバーの畔にあり、Russian River Valley AVA の北端になります。


ラベル平面化画像。
IMG_9300
ワイン名の「Ten of Cups」とは「カップの10」というタロットカードの1枚です。そう、占いに使うアレ。神聖な愛・家庭円満・調和などの意味があるようです。


さあ、抜栓。
IMG_9467
キャップシールのないむき出しタイプです。

キノコ型のコルクですが、平面化にチャレンジ。
IMG_9468

Alc.12.5%。
麦わら色味あるイエロー。
IMG_9470

スパークリングなので泡の立ち上がりを動画で確認します。


青リンゴ、シトラス、アーモンド、バター。
柑橘系の酸味が際立つ辛口アタック。
ジューCの味わい(もとい、トロピカルフルーツか。笑)
苦味様の旨味も発見できました。
酸は最後まで生き生きサポートしてくれます。

うん、シャンパーニュと名はつかなくても、
シャンパーニュっぽくおいしいです。


*****


Banshee
Ten of Cups Brut
Méthode Champenoise
Sparkling Wine California
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01

Josh Cellars Reserve Buttery Chardonnay 2020 Central Coast

バタリー・シャルドネ(バターのようなシャルドネ)って(笑)。と、名前につられて購入。過去、ブレッド&バターなんていう正統派なワインもありましたが、パウンドケーキというふざけた(?)のもありました。とにかくアメリカはこんなストレートなネーミングが好きなようです。おいしくて、いい感じに名が体を表していればいいんですが。

IMG_9246
ジョッシュ・セラーズ(Josh Cellars)というのが作り手ですが、トップクラスのソムリエとしてスタートしワイン業界で20年以上活躍してきたバーモント州生まれのジョセフ・カーさんが、2002年にカリフォルニアで長年の夢であった自身のワインを「ジョセフ・カー・ワインズ」名でリリース。2005年には伝説的なソノマのワインメーカー、トム・ラーソンさんをチームに迎え「ジョシュ・セラーズ」名のシリーズを始めました。このうちの一つが今日のバタリー・シャルドネです。ワイナリーの住所はメンドシーノ・カウンティの Hopland となっていますが所在が不明。カスタムクラッシュ(ワイナリーや畑を持たない作り手が、ブドウを持ち込んでワイン造りの設備を借りて作るシステム)でやってるんじゃないかと思われまます。

公式ページは立派ですが所在は不明(笑)。ワイン紹介もあっさり過ぎて情報あまりないです。

仕方がないのでインポーター情報などを頼ります。

・シャルドネ 100%

名前の通りのバター感を強調しているなら醸造法が知りたいところですが、「フレンチオーク にて熟成」以上の情報なし。添加物の安定剤(アカシア)も気になるところですが、もう少し情報出してほしいところですね。

ワイナリー訪問は果たせませんでしたが、このワインは「Central Coast」となっています。カリフォルニアの地図でセントラル・コーストAVAを確認してみましょう。
California_AVA
ナパもソノマもメンドシーノ・カウンティもすべてノース・コースト(North Coast)AVAですので、近隣のブドウ畑ではなさそうですね。どこで醸造してるのかぐらい知りたいところでした。


ラベル平面化画像。
IMG_9119a
ラベルまでゴールドでバター感を演出でしょうか(笑)。

インポーター(三国ワイン)のシールは小型で裏ラベルを隠しません。
IMG_9119
やはり安定剤(アカシア)が気になります。


さあ、抜栓。
IMG_9242

コルク平面化。
IMG_9243

Alc.13.5%。
はちみつゴールド。ホントにこってりした色です。
IMG_9244

トップノーズが樽香!トースト!ナッツ!
リンゴが後から来るとは。
辛口アタックがすでにスモーキー。
ライム的な味わいをかき消すような香ばしさです。
これぞ樽ドネなんでしょうね。 
正直どうやってここまでの「濃い味」を実現したのか作り方が知りたいです。
安定剤(アカシア)の仕業?

名前の通りの面白い味わいですが、
ある意味合わす食事が少々難しいと感じました。


*****


Josh Cellars
Reserve
Buttery Chardonnay 2020
Central Coast
WWWポイント75点



WhiteWhiteWine01
--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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