Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Ventoux

Château Pesquié Le Paradou Grenache 2015

前回に続きAOCヴァントゥー(Ventoux)のパイオニア、シャトー・ペスキエ。
セカンドブランド的なお手頃ライン Le Paradou シリーズのグルナッシュです。
このシリーズは次世代を担う当主ポールさんの2人の息子が担当してるそうです。
(2003年から実質この2人がシャトー運営してるそう。パパはオーナーかな。)


IMG_3503
2人の息子(アレクサンドル&フレデリックさん)はこのプロジェクトを、
ヴァントゥーの南、リュベロンで始めたそうですが、AOC Luberon ではなく、
AOC表示のない Vin de France(2010年までの Vin de Table カテゴリー)
のワインとしています。一部はラングドックからのブドウも使っているようで、
AOC表示できないのは必然ではあるようですが、品質とコスパに特化し、
逆にAOCの威厳に頼らないワイン造りをしているということです。


公式ページはこれですが「Le Paradou」シリーズは載ってません。

「Le Paradou」シリーズは別サイトになってます。Winesページにリンクはあります。
前回の上級キュヴェのカンテサンス(Quintessence)はシラー主体でしたが、これは、
・グルナッシュ 100%
となってます。ステンレスとコンクリートのタンクで醸造、樽はまったくなしです。

パーカーおじさんは概ね高評価で、残念ながら今日の2015のデータはないんですが、
・2012 PP90
・2013 PP88
・2014 PP88
・2015 データなし
・2016 PP90
と、こんな感じなので、穴埋め問題だとしたら 2015 は88点か90点ですね。(笑)


Alexandre & Frédéric 兄弟は Famille Chaudière という名前で連絡先があり、
シャトー・ペスキエと同一なので、拠点は同じところなのでしょう。
Pesquie01
よく見ると Famille Chaudière という小さな看板が、
Château Pesquié の大きな看板の前に上がっています。


シャトーの位置を示した南北ローヌ特大地図も再掲しておきましょう。
Pesquie0A
今日のワインは Vin de France で、Ventoux は関係ないようですが、
グルナッシュのモノセパージュですし、ローヌ、ラングドックなど、
南フランスのテロワールは感じさせるはずです。

フランスのワイン産地全図(シンプル版)も上げておきましょう。
IMG_3313
上の南北ローヌ特大地図の範囲を赤い四角で示しました。


エチケット平面化画像。
IMG_3314
表には「Paradou」の意味の解説あり。このページに詳しく書いてます。


さあ、スクリュー回転。
IMG_3502
無印。

Alc.13.5%。(pH:4.04、Brix:6.5)
濃いガーネット。粘性の涙。
IMG_3504

カシス、黒糖、酸味っぽい香りも。
辛口アタック。
やはり早飲みテーブルワインの風情ですが、
そこそこ厚みのある味はなかなかです。
甘み、酸、タンニン分、それぞれ存在を確認できますが、
絶妙なハーモニーを成立させている気がします。
余韻ではさすがに愛想がなくなるかな。

このレンジに複雑味を求めるのは酷かな?
これが本来のグルナッシュの味ってことだと思います。


*****


Château Pesquié
Le Paradou Grenache 2015
RRWポイント 87点


Château Pesquié Quintessence 2017 Ventoux

AOCヴァントゥー(Ventoux)を代表する生産者、シャトー・ペスキエです。
1970年代創業。Côtes du Ventoux がAOCに昇格した(2009年Ventouxに改称。)
のが1973年ということで、当初からこのAOCのパイオニアだったそうです。
上級キュヴェのカンテサンス(Quintessence)をいただいてみましょう。


IMG_3518
2代目になる現当主ポール・ショディエールさんは、医療のキャリアをあきらめ、
世界の銘醸地を研究旅行。1989年に自社セラーを建てたうえで協同組合を去り、
最初の自社元詰め Quintessence 1990 を醸すことになります。
ヴァントゥーという少々マイナーな土地から1級品を生み出して注目を浴びます。
やはり、急成長する作り手には転機があり、打って出てるパターンが多いですね。

パーカーおじさんは2000年に92点をつけて以来、コンスタントに高評価しており、
今日の Quintessence 2017 も92-94点となかなかなようです。


公式ページは内容充実、色々語ってますが、サイトとしては少々見にくいです。

英語でもビッシリ文章がありますが、ウェブデザインが低解像度向けで読みにくい。
まあ、ないよりマシですが、いい作り手だけに損をしてますよ。改善望みます。(笑)
・シラー 80%
・グルナッシュ 20%
と、シラー主体ですが、いずれも樹齢50年超のVVなんだそうで。
除梗・破砕、伝統的な醸造法を踏襲。樽熟は12~15ヶ月。
新樽率は40%で、残りは2~3年落ちです。


さあ、ヴァントゥー山(Mont Ventoux)のふもとのシャトー訪問。
Pesquie00
標高は250~350mの石灰質土壌。ローヌでも冷涼なゾーンになるようです。

モルモワロン(Mormoiron)という小さな町の外れ。入り口から1本道。
Pesquie01
木立の中の道を行くと、シャトーやショップもあるセラー棟が見えてきます。


AOC Ventoux の範囲ですが、ヴォークリューズ県(Vaucluse)の真ん中。
Vaucluse
すぐ南側の AOC Luberon との境はカラヴォン(Calavon)川になってますね。
(リュベロンは、ヴァントゥーより遅く1998年にAOCに昇格しましたが、
同じ2009年に AOC Côtes du Luberon から AOC Luberon に改称してます。)

恒例のGoogle Map書き込みです。AOCとシャトーの位置関係を確認。
Pesquie0A
北ローヌ(Nord / Septentrional)と南ローヌ(Sud / Méridional)をカバー。
長い地図になりましたが、ローヌ自体が南北に長すぎるんだから仕方なし。(笑)
主要AOCの名前も書き込みました。あわせてご確認ください。

ネットの拾い物の普通のローヌ地図でもこんな感じに長~い。
Pesquie03
しかし、Ventoux は広い。52ヶ村に7,500haもの畑があります。
赤・白・ロゼがありますが、赤がほとんどで80%近くを占めます。
ロゼが20%、白は4%ほどしかないそうです。


エチケット平面化画像。
IMG_3509
不思議なラベルデザイン。裏ラベルで「AOP Ventoux」なのがわかります。
輸入元の(株)飯田の作り手紹介ページはなかなか詳しいです。


さあ、抜栓。
IMG_3513
キャップシール、コルク、シャトー名入りです。

コルク平面化。
IMG_3515
ミレジムはないですね。

Alc.14.5%。(pH:4.00、Brix:7.3)
濃いガーネット。粘性の涙。
IMG_3516

黒ベリー。香りは多くなく、スパイス。
かすかな青野菜かゼラニウムもフッと。
辛口アタック。
きめ細かいテクスチャーを感じます。
厚みのある味。丸みのある厚みです。
タンニンは気づかないくらい滑らかで繊細。
かすかな苦味と酸味が絶妙のアクセントになっています。
衰えないうまさのまま余韻も続いてくれます。

やはり、ちょっといいローヌワインって感じです。
上級キュヴェといってもお手頃ですから、かなり偉い。
パーカーおじさんの92-94点はいいとこ突いてますね。(笑)


*****


Château Pesquié
Quintessece 2017
Ventoux
RRWポイント 92点


Delas Ventoux 2018

ドゥラス(Delas)のAOCヴァントゥー(Ventoux)です。
ローヌのAOCはいろいろクリアしてきましたがヴァントゥーはまだでした。
コート・デュ・ヴァントゥー(Côtes du Ventoux)の表記も見かけますが、
2009年にヴァントゥー(Ventoux)のみに改名されてます。
南ローヌですから、グルナッシュ主体でしょうね。楽しみ~。


IMG_2973
ドゥラスは創設が1835年という北ローヌ、タン・レルミタージュにある老舗。
当初は創設者2人の名を取って「Audibert et Delas」と呼んでいたそうですが、
1924年後継者のHenriとFlorentinのDelas兄弟が、Delas Frères(ドゥラス兄弟)
に改名をして、今もこれが会社名になっています。

1993年、なんとシャンパーニュのルイ・ロデレールを所有するルゾー家が、
ドゥラスを買収します。以降、ルイ・ロデレールが誇る卓越した技術と、
160年のローヌでの歴史を融合し、新たなローヌのスタイルを確立させ、
世界が注目のワイナリーへと進化を遂げているそう。(インポーター資料より…笑)


公式ページはルイ・ロデレール譲りか、おしゃれにできています。

ワイン情報もしっかり載っています。ただ、ローヌあるあるですが(笑)、
セパージュ%が載っていません。今日のも「グルナッシュ主体+シラー」とだけ。
どこかのショップサイトに「通常はこれぐらい」として載ってたのがこれ。
・グルナッシュ 80%
・シラー 20%
まあ、そんなとこでしょうね。(笑)
また、シラーは品種の特徴を生かすため、しばしば全房で仕込むとあります。
ブレンド後は空調の効いた部屋にあるステンレスタンクで6~8ヶ月熟成だそう。


タン・レルミタージュ(Tain-l'Hermitage)の街中にあるドゥラス訪問。
Ventoux00
敷地はそこそこ大きいですが、市街地なので何となく手狭そうです。


さて、
今日のワインはAOCヴァントゥー(Ventoux)なので例によって調べてみます。
前述の通り2009年コート・デュ・ヴァントゥー(Côtes du Ventoux)から改名。
(隣のAOC Luberonも同時期にAOC Côtes-du-Luberonから改名しています。)

AOC Ventouxの範囲ですが、ヴォークリューズ県(Vaucluse)の真ん中。
Ventoux02
AOC Luberonとの境はカラヴォン(Calavon)川になってますね。

え~い!結局、ネットの拾い物地図を貼って見ましょう。(笑)
Ventoux03
まだCôtes du Ventoux表記のままですね。しかし、Ventouxは広いですね。
ローヌは北と南を合わせると長いですが、それで見てもVentouxはでかい…。


さて、例によってGoogle Mapに書き込みします。
Tain-l'HermitageのDelas Frèresと今日のAOC Ventouxとの位置関係を確認。
Ventoux01
北ローヌ(Nord / Septentrional)と南ローヌ(Sud / Méridional)をカバー。
主要AOCの名前も書き込みました。あわせてご確認ください。


エチケット平面化画像。
IMG_2905
裏ラベルを隠さない、えらいインポーターシールです。


さあ、抜栓。
IMG_2969
ワイナリー名、紋章入りのキャップシールとコルク。

コルクを平面化するとこんな感じ。
IMG_2970

Alc.14.5%。(pH:3.69、Brix:7.0)
ガーネット。涙は形がありません。
IMG_2971

カシス、チェリー、黒糖、鉄。
甘みを感じますが、辛口アタック。
また、酸味とまでは感じないんですが、
フレッシュ感を出す要素がありますね。
やはりですが味は軽め。厚みは弱いんですが、
苦味様の複雑味が出てきていい具合になってきます。
余韻もタンニン成分をはっきり感じながら、しっかり楽しめます。

2015年と2017年にパーカーおじさんは90点をつけています。
なるほど、そこそこうまい、そんな感じです。


*****


Delas Frères
Ventoux 2018
RRWポイント 91点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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